JP2015084379A - シリコンウェーハ用研磨液組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリカ粒子を0.01〜0.5質量%と含窒素塩基性化合物と水溶性高分子とを含み、水溶性高分子は、構成単位Iと構成単位IIと構成単位IIIとを含むか、又は構成単位Iと構成単位IIIとを含み、構成単位Iのモル数aと構成単位IIのモル数bの和と、構成単位III中のアルキレンオキシ基の平均総付加モル数dの比[(a+b)/d]が0.8以上10以下のアルキレンオキシ基を含有する変性PVA、又はスルホン酸を含有する変性PVAである。
【選択図】なし
Description
(成分A)シリカ粒子
(成分B)含窒素塩基性化合物
(成分C)水溶性高分子
前記水溶性高分子は、下記の2種の水溶性高分子(成分c1)(成分c2)のうちのいずれか一方である。
(成分c1)アルキレンオキシ基を含有する変性ポリビニルアルコール系重合体
(成分c2)スルホン酸基を含有する変性ポリビニルアルコール
アルキレンオキシ基を含有する変性ポリビニルアルコール系重合体は、下記一般式(1)で表される構成単位Iと下記一般式(2)で表され構成単位IIと下記一般式(3)で表される構成単位IIIとを含むか、又は前記構成単位Iと前記構成単位IIIとを含み、前記構成単位Iのモル数aと前記構成単位IIのモル数bの和と、前記構成単位III中のアルキレンオキシ基の平均総付加モル数dの比[(a+b)/d]が0.8以上10以下である。
本発明の研磨液組成物には、研磨材としてシリカ粒子が含まれる。シリカ粒子の具体例としては、コロイダルシリカ、フュームドシリカ等が挙げられるが、シリコンウェーハの表面平滑性を向上させる観点から、コロイダルシリカがより好ましい。
会合度=平均二次粒子径/平均一次粒子径
本発明の研磨液組成物は、研磨液組成物の保存安定性の向上、研磨速度の確保、及びシリコンウェーハの表面粗さ(ヘイズ)の低減と表面欠陥(LPD)の低減の両立の観点から、水溶性の塩基性化合物を含有する。水溶性の塩基性化合物としては、アミン化合物及びアンモニウム化合物から選ばれる少なくとも1種類以上の含窒素塩基性化合物である。ここで、「水溶性」とは、水に対して2g/100ml以上の溶解度を有することをいい、「水溶性の塩基性化合物」とは、水に溶解したとき、塩基性を示す化合物をいう。
本発明の研磨液組成物はシリコンウェーハの表面粗さ(ヘイズ)の低減と表面欠陥(LPD)の低減の両立の観点から、AO変性PVA系重合体(成分c1)及びスルホン酸変性PVA(成分c2)のうちのいずれか一方を含む。ここで、「水溶性」とは、水に対して2g/100ml以上の溶解度を有することをいう。
AO変性PVA系重合体(成分c1)は、下記一般式(1)で表される構成単位Iと下記一般式(2)で表され構成単位IIと下記一般式(3)で表される構成単位IIIとを含むか、又は前記構成単位Iと前記構成単位IIIとを含む。AO変性PVA系重合体1分子中に含まれる前記構成単位Iのモル数aと前記構成単位IIのモル数bの和と、AO変性PVA系重合体1分子中に含まれる前記構成単位III中のアルキレンオキシ基の平均総付加モル数dの比[(a+b)/d]は0.8以上10以下である。
スルホン酸変性PVA(成分c2)のけん化度は、シリコンウェーハの表面粗さ(ヘイズ)の低減と表面欠陥(LPD)の低減の両立、及び研磨速度の確保の観点、40%以上が好ましく、60%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましく、100%が更により好ましい。
本発明の研磨液組成物に含まれる水系媒体(成分D)としては、イオン交換水や超純水等の水、又は水と溶媒との混合媒体等が挙げられ、上記溶媒としては、水と混合可能な溶媒(例えば、エタノール等のアルコール)が好ましい。水系媒体としては、なかでも、イオン交換水又は超純水がより好ましく、超純水が更に好ましい。水系媒体(成分D)が、水と溶媒との混合媒体である場合、成分Dである混合媒体全体に対する水の割合は、特に限定されるわけではないが、経済性の観点から、95質量%以上が好ましく、98質量%以上がより好ましく、実質的に100質量%が更に好ましい。
本発明の研磨液組成物には、本発明の効果が妨げられない範囲で、更に、水溶性高分子化合物(成分C)以外の水溶性高分子化合物(成分E)、pH調整剤、防腐剤、アルコール類、キレート剤、アニオン性界面活性剤、及びノニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の任意成分が含まれてもよい。
本発明の研磨液組成物には、シリコンウェーハの表面欠陥の低減の観点から、更に水溶性高分子化合物(成分C)以外の水溶性高分子化合物(成分E)を含有してもよい。この水溶性高分子化合物(成分E)は、親水基を有する高分子化合物であり、水溶性高分子化合物(成分E)の重量平均分子量は、研磨速度の確保、シリコンウェーハの表面欠陥の低減の観点から、10,000以上が好ましく、100,000以上がより好ましい。上記成分Eを構成する供給源である単量体としては、例えば、アミド基、水酸基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、スルホン酸基等の水溶性基を有する単量体が挙げられる。このような水溶性高分子化合物(成分E)としては、ポリアミド、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド等が例示できる。ポリアミドとしては、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリオキサゾリン、ポリジメチルアクリルアミド、ポリジエチルアクリルアミド、ポリイソプロピルアクリルアミド、ポリヒドロキシエチルアクリルアミド等が挙げられる。ポリ(N−アシルアルキレンイミン)としては、ポリ(N−アセチルエチレンイミン)、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)、ポリ(N−カプロイルエチレンイミン)、ポリ(N−ベンゾイルエチレンイミン)、ポリ(N−ノナデゾイルエチレンイミン)、ポリ(N−アセチルプロピレンイミン)、ポリ(N−ブチオニルエチレンイミン)等があげられる。セルロース誘導体としては、カルボキシメチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、及びカルボキシメチルエチルセルロース等が挙げられる。これらの水溶性高分子化合物は任意の割合で2種以上を混合して用いてもよい。
pH調整剤としては、酸性化合物等が挙げられる。酸性化合物としては、硫酸、塩酸、硝酸又はリン酸等の無機酸、酢酸、シュウ酸、コハク酸、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸又は安息香酸等の有機酸等が挙げられる。
防腐剤としては、ベンザルコニウムクロライド、ベンゼトニウムクロライド、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、(5−クロロ−)2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、過酸化水素、又は次亜塩素酸塩等が挙げられる。
アルコール類としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、2−メチル−2−プロパノオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。本発明の研磨液組成物におけるアルコール類の含有量は、0.1質量%〜5質量%が好ましい。
キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸アンモニウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、トリエチレンテトラミン六酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸ナトリウム等が挙げられる。本発明の研磨液組成物におけるキレート剤の含有量は、0.01〜1質量%が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸石鹸、アルキルエーテルカルボン酸塩等のカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩等のスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩等の硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル等のリン酸エステル塩などが挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油等のポリエチレングリコール型と、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルグリコシド等の多価アルコール型及び脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。
<2> 前記水溶性高分子のけん化度(a/a+b)は、40%以上が好ましく、60%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましく、90%以上が更により好ましく、100%が更により好ましい、前記<1>に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<3> 前記シリコンウェーハ用研磨液組成物に含まれるシリカ粒子の含有量は、SiO2換算で、0.01質量%以上であり、0.07質量%以上が好ましく、0.10質量%以上がより好ましく、0.5質量%以下であり、0.3質量%以下が好ましく、0.2質量%以下がより好ましい、前記<1>又は<2>に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<4> 前記シリコンウェーハ用研磨液組成物に含まれる前記水溶性高分子の含有量は、0.001質量%以上が好ましく、0.002質量%以上がより好ましく、0.004質量%以上が更に好ましく、0.007質量%以上が更により好ましく、0.1質量%以下が好ましく、0.05質量%以下がより好ましく、0.035質量%以下が更に好ましく、0.030質量%以下が更により好ましい、前記<1>〜<3>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<5> 前記シリカ粒子と前記水溶性高分子の質量比(シリカ粒子の質量/水溶性高分子の質量)は、1以上が好ましく、5以上がより好ましく、8以上が更に好ましく、10以上が更により好ましく、38以下が好ましく、30以下がより好ましく、25以下が更に好ましく、20以下が更により好まし、前記<1>〜<4>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<6> 前記比[(a+b)/d]は、1.2以上が好ましく、1.5以上がより好ましく、2.0以上が更に好ましく、8.0以下が好ましく、6.0以下がより好ましく、5.0以下が更に好ましい、前記<1>〜<5>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<7> 前記アルキレンオキシ基を含有する変性ポリビニルアルコール系重合体の全構成単位中における、前記構成単位Iと構成単位IIと構成単位IIIの合計の質量割合は、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましく、実質的に100質量%が更により好ましく、100質量%が更により好ましい、前記<1>〜<6>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<8> 前記アルキレンオキシ基を含有する変性ポリビニルアルコール系重合体の全構成単位中における、前記構成単位I及び前記構成単位IIの合計の質量割合は、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上が更に好ましく、70質量%が更により好ましく、98質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、93質量%以下が更に好ましく、90質量%以下が更により好ましい、前記<1>〜<7>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<9> 前記アルキレンオキシ基を含有する変性ポリビニルアルコール系重合体は、エチレンオキサイド変性ポリビニルアルコール(EO変性PVA)、プロピレンオキサイド変性ポリビニルアルコール(PO変性PVA)、エチレンオキサイドプロピレンオキサイド変性ポリビニルアルコール(EOPO変性PVA)、エチレンオキサイドブチレンオキサイド変性ポリビニルアルコール(EOBO変性PVA)、及びプロピレンオキサイドブチレンオキサイド変性ポリビニルアルコール(POBO変性PVA)からなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記<1>〜<8>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<10> 前記アルキレンオキシ基を含有する変性ポリビニルアルコール系重合体の重量平均分子量は、0.5万以上が好ましく、1万以上がより好ましく、3万以上が更に好ましく、5万以上が更により好ましく、25万以下が好ましく、20万以下がより好ましく、15万以下が更に好ましく、11万以下が更により好ましい、前記<1>〜<9>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<11> 前記スルホン酸を含有する変性ポリビニルアルコールの重量平均分子量は、0.5万以上が好ましく、1万以上がより好ましく、2万以上が更に好ましく、25万以下が好ましく、20万以下がより好ましく、15万以下が更に好ましく、10万以下が更により好ましい、前記<1>〜<6>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<12>
前記シリコンウェーハ用研磨液組成物の25℃におけるpHは、8.0以上が好ましく、9.0以上がより好ましく、9.5以上が更に好しく、12.0以下が好ましく、11.5以下がより好ましく、11.0以下が更に好ましい、前記<1>〜<11>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<13>
前記<1>〜<12>のいずれかの項に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物を用いてシリコンウェーハを研磨する研磨工程を含む研磨方法。
<14>
前記<1>〜<12>のいずれかの項に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物を用いてシリコンウェーハを研磨する研磨工程を含む、半導体基板の製造方法。
(ポリマーANo.1)
エチレンオキサイド変性ポリビニルアルコール(一般式(3)中、Xは結合手、Yはポリエチレンオキシ基、R1は水素、商品名:エコマティ320N、日本合成化学工業社製)
(ポリマーANo.2)
エチレンオキサイド付加ポリビニルアルコール(一般式(3)中、Xは結合手、Yはポリエチレンオキシ基、R1は水素、商品名:エコマティ320R、日本合成化学工業社製)
(ポリマーANo.3)
エチレンオキサイド付加ポリビニルアルコール(一般式(3)中、Xは結合手、Yはポリエチレンオキシ基、R1は水素、商品名:EF−05、日本酢ビ・ポバール社製)
(ポリマーANo.4)
スルホン酸変性ポリビニルアルコール(ゴーセランL-3266、日本合成化学工業社製)
(ポリマーANo.5)
スルホン酸変性ポリビニルアルコール(ゴーセランCKS-50、日本合成化学工業社製)
(ポリマーANo.6)
ポリマーANo.6のエチレンオキサイド変性ポリビニルアルコール(一般式(3)中、Xは結合手、Yはポリエチレンオキシ基、R1は水素)は下記合成方法により得た。ポリエチレングリコール(平均分子量80000、明成化学工業) 20gを重合容器に導入し、そして穏やかな窒素流の下で攪拌しながら80℃ まで加熱した。ポリエチレングリコールを攪拌して80℃ に保持しながら、酢酸ビニル20gを3時間かけて重合容器内に滴下し、それと同時に、tert-ブチルペルピバレート0.08gをメタノール1gに加えた溶液を、同様に、3時間かけて重合容器内に滴下した。これらの添加が終了した後、80℃ で混合物を2時間攪拌した。冷却後、得られたポリマーをメタノール40mlに溶解させた。加水分解するために、30℃において濃度10質量%のメタノール性水酸化ナトリウム溶液を、重合容器内に8ml添加した。約40分後、濃度10質量%の酢酸を重合容器内に12ml添加することによって反応を停止させた。得られた溶液を減圧蒸留して溶液からメタノールを除去した。次に、得られた溶液に対して3日間透析(ヴィスキングチューブ、分画分子量12,000~14,000、日本メディカルサイエンス)を行った。その後凍結乾燥を行い、無色の粉末(ポリマーANo.6のエチレンオキサイド変性ポリビニルアルコール)を得た。
(ポリマーANo.7)
ヒドロキシエチルセルロース(商品名CF-V、住友精化社製)
(ポリマーANo.8)
ヒドロキシエチルセルロース(商品名SE400、ダイセル社製)
(ポリマーANo.9)
ポリビニルピロリドン(商品名K-90、重量平均分子量:36万:和光純薬社製)
(ポリマーANo.10)
ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)(重量平均分子量:50万:和光純薬社製)
(ポリマーANo.11)
ポリアクリルアミド(重量平均分子量:80万:和光純薬社製)
(ポリマーANo.12)
ポリエチレングリコール(重量平均分子量:2万:和光純薬社製)
(ポリマーANo.13)
ポリビニルアルコール(商品名:PVA103、クラレ社製)
(ポリマーANo.14)
ポリビニルアルコール(商品名:PVA105、クラレ社製)
(ポリマーANo.15)
ポリビニルアルコール(商品名:PVA110、クラレ社製)
(ポリマーANo.16)
ポリビニルアルコール(商品名:PVA124、クラレ社製)
(ポリマーANo.17)
ポリビニルアルコール(商品名:JP−05、日本酢ビ・ポバール社製)
(ポリマーANo.18)
ポリビニルアルコール(商品名:JP−24、日本酢ビ・ポバール社製)
(ポリマーANo.19)
ポリビニルアルコール(商品名:JP−45、日本酢ビ・ポバール社製)
(ポリマーANo.20)
ポリビニルアルコール(商品名:JL−25E、日本酢ビ・ポバール社製)
(ポリマーANo.21)
ポリビニルアルコール(商品名:JR−05、日本酢ビ・ポバール社製)
(ポリマーANo.22)
ポリビニルアルコール(商品名:LM−10HD、クラレ社製)
(ポリマーANo.23)
ポリビニルアルコール(商品名:LM−20、クラレ社製)
(ポリマーANo.24)
ポリビニルアルコール(商品名:LM−25、クラレ社製)
(ポリマーANo.25)
カルボン酸変性ポリビニルアルコール(商品名:AP−17、日本酢ビ・ポバール社製)
(ポリマーANo.26)
カルボン酸変性ポリビニルアルコール(商品名:KL−318、クラレ社製)
(ポリマーB:PEG6000)
ポリエチレングリコール(重量平均分子量6000:和光純薬社製)
上記ポリマーANo.1〜26のうち、ポリマーANo.1〜21、25、26については、20℃の水に対する溶解度は、いずれも2g/100ml以上であった。ポリマーANo.22〜24については、けん化が十分に行われていないため、親水基である水酸基の含有量が少く、水に溶解しなかった。
ポリマーANo.1〜8、13〜26の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法を下記の条件で適用して得たクロマトグラム中のピークに基づき算出した。尚、ポリマーANo.9〜12の重量平均分子量についてはカタログ値である。
〈測定条件〉
装置:HLC-8320 GPC(東ソー株式会社、検出器一体型)
カラム:GMPWXL+GMPWXL(アニオン)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CH3CN=9/1
流量:0.5ml/min
カラム温度:40℃
検出器:RI 検出器
標準物質:ポリエチレングリコール
ポリマーAのけん化度は1HNMRによって算出した。ポリマー主鎖のエチレン部位の積分比より(a+b)を算出した。また、前記構成単位IIのメチレン基の積分比よりbを算出しa+bの値から引くことでaの値を得、ポリマーAのけん化度(a/a+b)の値を得た。尚、ポリマーANo.1〜5、13〜26のけん化度についてはカタログ値である。
構成単位Iのモル数aと構成単位IIのモル数bの和と構成単位III中のアルキレンオキシドの平均総付加モル数dの比[(a+b)/d]は1HNMRによって算出した。上記と同様に(a+b)を算出し、エチレンオキシドユニットのエチレン部位の積分比よりdの値を得、[(a+b)/d]を算出した。
研磨材の平均一次粒子径(nm)は、BET(窒素吸着)法によって算出される比表面積S(m2/g)を用いて下記式で算出した。
平均一次粒子径(nm)=2727/S
III2305、島津製作所製)を用いて窒素吸着法(BET法)により測定した。
(a)スラリー状の研磨材を硝酸水溶液でpH2.5±0.1に調整する。
(b)pH2.5±0.1に調整されたスラリー状の研磨材をシャーレにとり150℃の熱風乾燥機内で1時間乾燥させる。
(c)乾燥後、得られた試料をメノウ乳鉢で細かく粉砕する。
(d)粉砕された試料を40℃のイオン交換水に懸濁させ、孔径1μmのメンブランフィ
ルターで濾過する。
(e)フィルター上の濾過物を20gのイオン交換水(40℃)で5回洗浄する。
(f)濾過物が付着したフィルターをシャーレにとり、110℃の雰囲気下で4時間乾燥させる。
(g)乾燥した濾過物(砥粒)をフィルター屑が混入しないようにとり、乳鉢で細かく粉砕して測定サンプルを得た。
研磨材の平均二次粒子径(nm)は、研磨材の濃度が0.25質量%となるように研磨材をイオン交換水に添加した後、得られた水溶液をDisposable Sizing Cuvette(ポリスチレン製 10mmセル)に下底からの高さ10mmまで入れ、動的光散乱法(装置名:ゼータサイザーNano ZS、シスメックス(株)製)を用いて測定した。
シリカ粒子(コロイダルシリカ、平均一次粒子径35nm、平均二次粒子径70nm、会合度2)、ポリマーA、28質量%アンモニア水(キシダ化学(株)試薬特級)、イオン交換水、必要に応じてポリマーBを攪拌混合して、実施例1〜21、比較例1〜27の研磨液組成物(いずれも濃縮液、pH10.6±0.1(25℃))を得た。尚、表1及び表2における各成分の含有量は、濃縮液を40倍に希釈して得た研磨液組成物についての値である。シリカ粒子の含有量は、SiO2換算濃度である。
研磨液組成物(濃縮液)をイオン交換水で40倍に希釈して得た研磨液組成物(pH10.6±0.1(25℃))を研磨直前にフィルター(コンパクトカートリッジフィルター MCP−LX−C10S アドバンテック株式会社)にてろ過を行い、下記の研磨条件で下記のシリコンウェーハ(直径200mmのシリコン片面鏡面ウェーハ(伝導型:P、結晶方位:100、抵抗率0.1Ω・cm以上100Ω・cm未満)に対して仕上げ研磨を行った。当該仕上げ研磨に先立ってシリコンウェーハに対して市販の研磨剤組成物を用いてあらかじめ粗研磨を実施した。粗研磨を終了し仕上げ研磨に供したシリコンウェーハの表面粗さ(ヘイズ)は、2.680であった。表面粗さ(ヘイズ)は、KLA Tencor社製のSurfscan SP1(商品名)を用いて測定される暗視野ワイド斜入射チャンネル(DWO)での値である。
研磨機:片面8インチ研磨機GRIND-X SPP600s(岡本工作製)
研磨パッド:スエードパッド(東レ コーテックス社製 アスカー硬度64 厚さ 1.37mm ナップ長450um 開口径60um)
シリコンウェーハ研磨圧力:100g/cm2
定盤回転速度:60rpm
研磨時間:5分
研磨剤組成物の供給速度:150ml/cm2
研磨剤組成物の温度:23℃
キャリア回転速度:60rpm
洗浄後のシリコンウェーハ表面の表面粗さ(ヘイズ)の評価には、表面粗さ測定装置「Surfscan SP1-DLS」(KLA Tencor社製)を用いて測定される、暗視野ワイド斜入射チャンネル(DWO)での値を用いた。また、表面欠陥(LPD)はHaze測定時に同時に測定され、シリコンウェーハ表面上の粒径が45nm以上のパーティクル数を測定することによって評価した。表面欠陥(LPD)の評価結果は、数値が小さいほど表面欠陥が少ないことを示す。また、Hazeの数値は小さいほど表面の平坦性が高いことを示す。表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の結果を表1及び表2に示した。表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の測定は、2枚のシリコンウェーハに対して行い、各々平均値を表1及び表2に示した。
仕上げ研磨直後のシリコンウェーハ(直径200mm)鏡面の親水化部(濡れている部分)の面積を目視により観察した。測定は2枚の異なるシリコンウェーハに対して行い、その平均値を下記の評価基準に従って評価して、その結果を表1及び表2に示した。
(評価基準)
A:濡れ部分面積の割合が95以上
B:濡れ部分面積の割合が90%以上95%未満
C:濡れ部分面積の割合が50%以上90%未満
D:濡れ部分面積の割合が50%未満
研磨液組成物(濃縮液)をイオン交換水で40倍に希釈して得た研磨液組成物(pH10.6±0.1(25℃))を用いて、研磨液組成物中のシリカ粒子の分散粒径の測定を行った。分散粒径測定に使用する粒径測定装置として、光子相関法(動的光散乱法)の原理に基づいているシスメックス社製の粒度分布測定機「ゼータサイザーナノZS」を使用した。前記研磨液組成物を測定液としてDisposable Sizing Cuvette(ポリスチレン製 10mmセル)に1.2mL採取し、測定部に入れて、分散粒径として体積中位粒径(D50)を測定した。この結果を下記表1及び表2に示した。D50の値が小さいほど、シリカ粒子の分散性は良好である。
40×40mm角にカットしたシリコンウェーハを、1%希フッ酸水溶液に2分浸漬させ酸化膜を除去した後、イオン交換水に瞬時浸漬し、リンスし、エアブロー乾燥した。次いでシリコンウェーハをプラスチック容器に入れ、当該プラスチック容器に研磨液組成物20gを加えて蓋をした。シリコンウェーハを、研磨液組成物に40℃で24時間浸漬した後、イオン交換水に瞬時浸漬し、リンスし、エアブロー乾燥した。エアブロー乾燥されたシリコンウェーハの研磨液組成物への浸漬前後での重量減少量を腐食量とした。
Claims (6)
- シリカ粒子を0.01〜0.50質量%と、含窒素塩基性化合物と、水溶性高分子とを含み、
前記水溶性高分子が、下記一般式(1)で表される構成単位Iと下記一般式(2)で表され構成単位IIと下記一般式(3)で表される構成単位IIIとを含むか、又は前記構成単位Iと前記構成単位IIIとを含み、前記構成単位Iのモル数aと前記構成単位IIのモル数bの和と、前記構成単位III中のアルキレンオキシ基の平均総付加モル数dの比[(a+b)/d]が0.8以上10以下のアルキレンオキシ基を含有する変性ポリビニルアルコール系重合体、又はスルホン酸を含有する変性ポリビニルアルコールである、シリコンウェーハ用研磨液組成物。
- 前記水溶性高分子の重量平均分子量が0.5万以上25万以下である請求項1に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
- 前記アルキレンオキシ基を含有する変性ポリビニルアルコール系重合体のけん化度(a/a+b)が40%以上である、請求項1又は2に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
- 前記シリカ粒子と前記水溶性高分子の質量比(シリカ粒子の質量/水溶性高分子の質量)が1〜38である請求項1〜3のいずれかの項に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
- 請求項1〜4のいずれかの項に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物を用いてシリコンウェーハを研磨する研磨工程を含む研磨方法。
- 請求項1〜4のいずれかの項に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物を用いてシリコンウェーハを研磨する研磨工程を含む、半導体基板の製造方法。
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