JP2014090100A - シリコンウェーハ用研磨液組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のシリコンウェーハ用研磨液組成物よりも、表面欠陥を低減できる、シリコンウェーハ用研磨液組成物、及び当該シリコンウェーハ用研磨液組成物を用いた半導体基板の製造方法、並びにシリコンウェーハの研磨方法を提供する。
【解決手段】一般式(1)で表される構成単位を75質量%以上含む水溶性高分子化合物Aと、アクリルアミドに由来する構成単位IIとアクリル酸に由来する構成単位IIIの質量比が100:0〜40:60であり、構成単位IIと構成単位IIIの質量の合計が全質量の50%以上100%以下であり、重量平均分子量が4000以上1600万以下の水溶性高分子化合物Bと、含窒素塩基性化合物と、シリカ粒子と、水系媒体と、を含むシリコンウェーハ用研磨液組成物。ただし、一般式(1)において、R1は炭素数1〜2のヒドロキシアルキル基である。
Figure 2014090100

【選択図】なし

Description

本発明はシリコンウェーハ用研磨液組成物及びこれを用いた半導体基板の製造方法ならびにシリコンウェーハの研磨方法に関する。
近年、半導体メモリの高記録容量化に対する要求の高まりから半導体装置のデザインルールは微細化が進んでいる。このため半導体装置の製造過程で行われるフォトリソグラフィーにおいて焦点深度は浅くなり、シリコンウェーハ(ベアウェーハ)の表面欠陥(LPD:Light point defects)や表面粗さ(ヘイズ:Haze)の低減に対する要求はますます厳しくなっている。
シリコンウェーハの品質を向上する目的で、シリコンウェーハの研磨は多段階で行われている。特に研磨の最終段階で行われる仕上げ研磨は、表面粗さの低減とパーティクルやスクラッチ、ピット等の表面欠陥の低減とを目的として行われている。
シリコンウェーハの研磨に用いられる研磨液組成物として、平滑な研磨面の形成、研磨時間の短縮化、砥粒の少量化及び長期安定保存の実現を目的として、コロイダルシリカ、水、水溶解性の高分子化合物(例えば、分子量10万以上のポリアクリルアミド)及び水溶解性の塩を含むシリコンウェーハの研磨用組成物が知られている(特許文献1)。また、幅広配線部の銅の削れ過ぎの抑制及び高密度配線部の銅及び絶縁膜の削れ過ぎの抑制の実現を目的として、研磨対象がシリコンウェーハではないが、コロイダルシリカ、研磨吸着剤(例えば、ポリアクリルアミド)及び水等を含む、半導体デバイスの配線工程に好適な金属用研磨液(特許文献2)、低エッチング速度と高CMP速度の両立の実現を目的として、コロイダルシリカ、ポリビニルアルコールにポリビニルピロリドンがグラフト重合した重合体、及び水溶性ポリマー(ポリアクリルアミド)及び水等を含む、金属膜用の化学機械研磨用研磨剤(特許文献3)が開示されている。
特開平02−158684号公報 特開2004―319759号公報 特開2009―147267号公報
しかしながら、特許文献1に記載の研磨液組成物において、平滑な研磨面の形成を目的として、分子量10万以上のポリアクリルアミド等の水溶解性の高分子化合物が含まれているが、昨今の半導体メモリの高記録容量化に対する要求を満足する程度にまで表面欠陥(LPD)を低減するためには、特許文献1に記載の研磨液組成物では不充分である。
そこで、本発明では、従来のシリコンウェーハ用研磨液組成物よりも、表面欠陥(LPD)を低減できる、シリコンウェーハ用研磨液組成物、及び当該シリコンウェーハ用研磨液組成物を用いた半導体基板の製造方法、並びにシリコンウェーハの研磨方法を提供する。
本発明のシリコンウェーハ用研磨液組成物は、下記成分A〜成分Eを含有する。
(成分A):下記一般式(1)で表される構成単位Iを75質量%以上含む水溶性高分子化合物A
(成分B):下記一般式(2)で表される構成単位IIと下記一般式(3)で表される構成単位IIIの質量比が100:0〜40:60であり、前記構成単位IIと前記構成単位IIIの質量の合計が全質量の50%以上100%以下であり、重量平均分子量(Mw)が4000以上1600万以下の水溶性高分子化合物Bと、
(成分C):含窒素塩基性化合物
(成分D):シリカ粒子
(成分E)水系媒体
Figure 2014090100
ただし、一般式(1)において、R1は炭素数1〜2のヒドロキシアルキル基である。
Figure 2014090100
Figure 2014090100
本発明の半導体基板の製造方法は、
本発明のシリコンウェーハ用研磨液組成物を用いてシリコンウェーハを研磨する工程と、
研磨された前記シリコンウェーハを洗浄する工程と、を含む。
本発明シリコンウェーハの研磨方法は、
本発明のシリコンウェーハ用研磨液組成物を用いてシリコンウェーハを研磨する研磨工程を含む。
本発明によれば、従来のシリコンウェーハ用研磨液組成物よりも、表面欠陥(LPD)を低減できる、シリコンウェーハ用研磨液組成物、及び当該シリコンウェーハ用研磨液組成物を用いた半導体基板の製造方法、並びにシリコンウェーハの研磨方法を提供する。
本発明は、下記一般式(1)で表される構成単位Iを75質量%以上含む水溶性高分子化合物A(成分A)と、アクリルアミド(前記構成単位II)とアクリル酸(前記構成単位III)の質量比が100:0〜40:60であり、アクリルアミド(前記構成単位II)とアクリル酸(前記構成単位III)の質量の合計がその全質量の50%以上100%以下であり、重量平均分子量(Mw)が4000以上1600万以下の水溶性高分子化合物B(成分B)の両方がシリコンウェーハ用研磨液組成物(以下、「研磨液組成物」と略称する場合もある。)に含まれることにより、研磨液組成物で研磨されたシリコンウェーハの表面(研磨面)における表面欠陥を低減できる、という知見に基づく。
表面欠陥低減の発現機構の詳細は明らかではないが、以下のように推定している。
本発明では、水溶性高分子化合物A(成分A)が、構成単位Iを75質量%以上含み、その構成単位I中に、シリカと相互作用する部位であるアミド基と、シリコンウェーハと相互作用する部位である水酸基の両方を含む。そのため、水溶性高分子化合物(成分A)が、シリコンウェーハ表面に適度に吸着して含窒素塩基性化合物によるウェーハ表面の腐食を抑制するとともに、良好なぬれ性を発現し、ウェーハ表面の乾燥により生じると考えられるウェーハ表面へのパーティクルの付着を抑制する。更に、本発明では、前記水溶性高分子化合物B(成分B)が、シリコンウェーハに吸着した水溶性高分子化合物Aに対して水素結合によって吸着するので、シリコンウェーハの周囲には、2種の水溶性高分子化合物を含む厚いポリマー吸着層が形成される。この水溶性高分子化合物Bの添加によるポリマー吸着層の厚みの増大が、研磨されたシリコンウェーハの洗浄工程において、シリカ粒子とシリコンウェーハとの間に作用する相互作用を弱め、結果として、表面欠陥の増大の原因となるウェーハ表面へのシリカ粒子の付着が効果的に抑制される。このように、本発明では、水溶性高分子化合物A(成分A)及び水溶性高分子化合物B(成分B)の共存により、シリコンウェーハの表面欠陥の低減が実現される。但し、本発明はこれらの推定に限定されるものではない。
[水溶性高分子化合物A(成分A)]
本発明の研磨液組成物は、研磨液組成物の保存安定性の向上、研磨速度の確保、シリコンウェーハの表面欠陥の低減の観点から、下記一般式(1)で表される構成単位Iを75質量%以上含む水溶性高分子化合物A(成分A)を含有する。ただし、下記一般式(1)において、R1は炭素数1〜2のヒドロキシアルキル基である。
Figure 2014090100
本発明の水溶性高分子化合物A及び水溶性高分子化合物Bは、本発明の実施濃度領域において溶解していれば特に溶解度は限定されないが、本発明において、水溶性高分子化合物の「水溶性」とは、水に対して0.5g/100ml以上の溶解度を有することをいい、好ましくは2g/100ml以上の溶解度を有することをいう。また、「構成単位Iを75質量%以上含む」とは、水溶性高分子化合物Aの1分子中における前記構成単位Iの質量が、水溶性高分子化合物Aの重量平均分子量(Mw)の75%以上であることを意味する。また、本明細書において、水溶性高分子化合物Aを構成する全構成単位中に占めるある構成単位Iの含有量(質量%)として、合成条件によっては、水溶性高分子化合物Aの合成の全工程で反応槽に仕込まれた全構成単位を導入するための化合物中に占める前記反応槽に仕込まれた該構成単位Iを導入するための化合物量(質量%)から計算される値を使用してもよい。
研磨液組成物の保存安定性の向上、研磨速度の確保、及びシリコンウェーハの表面欠陥の低減の観点から、上記一般式(1)において、R1は、炭素数1〜2のヒドロキシアルキル基であり、より好ましくはヒドロキシエチル基である。
一般式(1)で表される構成単位Iの供給源である単量体としては、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA)またはN−ヒドロキシメチルアクリルアミド(HMAA)であるが、これらは、1種単独または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの単量体のなかでも、シリコンウェーハの表面欠陥の低減の観点から、HEAAが好ましい。
水溶性高分子化合物A(成分A)の全構成単位中における前記構成単位Iの割合は、シリコンウェーハの表面欠陥の低減の観点から、75質量%以上であり、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、実質的に100質量%が更に好ましく、100質量%がより更に好ましい。
水溶性高分子化合物A(成分A)は、本発明の効果が奏される限りにおいて、前記構成単位I以外の構成単位を含んでいてもよい。構成単位I以外の構成単位(「構成単位IV」ともいう。)を含む場合には、構成単位I以外の構成単位は、シリコンウェーハの表面欠陥の低減の観点から、N−イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)、ビニルピロリドン(VP)、ジメチルアクリルアミド(DMAA)及びジエチルアクリルアミド(DEAA)からなる群から選ばれる少なくとも一種のモノマーに由来する構成単位IVが好ましく、N−イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)がより好ましい。
尚、水溶性高分子化合物A(成分A)が、一般式(1)で表される構成単位Iと構成単位I以外の構成単位IVとを含む共重合体である場合、構成単位Iと構成単位I以外の構成単位IVの共重合体における構成単位の配列は、ブロックでもランダムでもよい。
水溶性高分子化合物A(成分A)の具体例としては、HEAA単独重合体、HMAA単独重合体、HEAAとHMAAの共重合体、HEAAとNIPAMの共重合体、HMAAとNIPAMの共重合体、HEAAとHMAAとNIPAMの共重合体、HEAAとAAの共重合体、HEAAとMAAの共重合体、HEAAとVPの共重合体、HEAAとDMAAの共重合体、HEAAとDEAAの共重合体、HMAAとAAの共重合体、HMAAとMAAの共重合体、HMAAとVPの共重合体、HMAAとDMAAの共重合体、HMAAとDEAAの共重合体等が挙げられるが、シリコンウェーハの表面欠陥の低減の観点から、HEAA単独重合体、HMAA単独重合体、HEAAとHMAAの共重合体、HEAAとNIPAMの共重合体、HMAAとNIPAMの共重合体、HEAAとHMAAとNIPAMの共重合体が好ましく、HEAA単独重合体、HMAA単独重合体、HEAAとHMAAの共重合体がより好ましく、HEAA単独重合体が更に好ましい。
水溶性高分子化合物A(成分A)の重量平均分子量は、シリコンウェーハの表面欠陥の低減の観点から、5万以上が好ましく、10万以上がより好ましく、20万以上が更に好ましく、30万以上がより更に好ましく、40万以上がより更に好ましく、また、150万以下が好ましく、100万以下がより好ましく、80万以下が更に好ましく、50万以下がより更に好ましい。水溶性高分子化合物Aの重量平均分子量は後の実施例に記載の方法により測定される。
本発明の研磨液組成物に含まれる水溶性高分子化合物A(成分A)の含有量は、シリコンウェーハの表面欠陥の低減の観点から、20質量ppm以上が好ましく、40質量ppm以上がより好ましく、60質量ppm以上が更に好ましく、70質量ppm以上が更により好ましく、250質量ppm以下が好ましく、200質量ppm以下がより好ましく、160質量ppm以下が更に好ましく、120質量ppm以下が更により好ましく、100質量ppm以下が更により好ましく、80質量ppm以下が更により好ましい。
本発明の研磨液組成物に含まれる水溶性高分子化合物A(成分A)とシリカ粒子(成分D)の質量比は、シリカ粒子の分散性向上の観点及びシリコンウェーハの表面欠陥の低減の観点から、(水溶性高分子化合物Aの質量/シリカ粒子の質量)として、0.001以上が好ましく、0.005以上がより好ましく、0.010以上が更に好ましく、0.020以上が更により好ましく、0.025以上が更により好ましく、また、0.2以下が好ましく、0.15以下がより好ましく、0.12以下が更に好ましく、0.100以下が更により好ましく、0.050以下が更により好ましく、0.040以下が更により好ましく、0.035以下が更により好ましい。
[水溶性高分子化合物B(成分B)]
本発明の研磨液組成物は、シリコンウェーハの表面欠陥の低減の観点から、下記一般式(2)で表されアクリルアミド(AAm)に由来する構成単位IIと下記一般式(3)で表されアクリル酸(AA)に由来する構成単位IIIの質量比が100:0〜40:60である水溶性高分子化合物B(成分B)を含有する。水溶性高分子化合物Bにおいて、前記構成単位IIと前記構成単位IIIの質量の合計が水溶性高分子化合物Bの全質量の50%以上100%以下である。また、水溶性高分子化合物Bの重量平均分子量は4000以上1600万以下である。
Figure 2014090100
Figure 2014090100
尚、「構成単位IIと構成単位IIIの質量比」は、水溶性高分子化合物Bの1分子中における前記構成単位IIと構成単位IIIの質量比を意味し、「前記構成単位IIと前記構成単位IIIの質量の合計が全質量の50%以上100%以下であり」とは、水溶性高分子化合物Bの1分子中における前記構成単位IIと構成単位IIIの質量の合計が、水溶性高分子化合物Bの重量平均分子量の50%以上100%以下であることを意味する。また、本明細書において、水溶性高分子化合物Bを構成する全構成単位中に占めるある構成単位II及び構成単位IIIの含有量(質量%)として、合成条件によっては、水溶性高分子化合物Bの合成の全工程で反応槽に仕込まれた全構成単位を導入するための化合物中に占める前記反応槽に仕込まれた該構成単位IIを導入するための化合物量(質量%)及び前記反応槽に仕込まれた該構成単位IIIを導入するための化合物量(質量%)から計算される値を使用してもよい。
水溶性高分子化合物B(成分B)において、構成単位IIと構成単位IIIの質量比は、研磨液組成物の保存安定性の向上、研磨速度の確保、及びシリコンウェーハの表面欠陥の低減の観点から100:0〜40:60であるが、同様の観点から、100:0〜50:50が好ましく、100:0〜60:40がより好ましく、100:0〜70:30が更に好ましく、100:0〜90:10が更により好ましい。
水溶性高分子化合物B(成分B)について、構成単位IIと構成単位IIIの質量の合計は、研磨液組成物の保存安定性の向上、研磨速度の確保、及びシリコンウェーハの表面欠陥の低減の観点から、水溶性高分子化合物Bの全質量の、50%以上100%以下であるが、同様の観点から、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましく、90%以上が更により好ましく、実質的に100%が更により好ましく、100%が更により好ましい。
水溶性高分子化合物B(成分B)は、本発明の効果が奏される限りにおいて、アクリルアミドに由来する構成単位II及びアクリル酸に由来する構成単位III以外の構成単位を含んでいてもよい。構成単位II及び構成単位III以外の構成単位は、研磨速度の確保と、シリコンウェーハの表面欠陥の低減の観点から、メタクリル酸(MAA)、メタクリル酸アミド等が挙げられる。
尚、水溶性高分子化合物B(成分B)において、構成単位II及び構成単位IIIの共重合体における配列は、ブロックでもランダムでもよい。また、水溶性高分子化合物B(成分B)が、構成単位II及び構成単位III以外の構成単位を更に含む共重合体である場合、これらの構成単位の共重合体における配列は、ブロックでもランダムでもよい。
水溶性高分子化合物Bの重量平均分子量(Mw)は、研磨液組成物の保存安定性の向上、研磨速度の確保及びシリコンウェーハの表面欠陥の低減の観点から、4000以上1600万以下であるが、同様の観点から、5万以上が好ましく、20万以上がより好ましく、40万以上が更に好ましく、50万以上が更により好ましく、60万以上が更により好ましく、また、1400万以下が好ましく、1000万以下より好ましく、800万以下が更に好ましく、500万以下が更により好ましく、100万以下が更により好ましい。水溶性高分子化合物Bの重量平均分子量は後の実施例に記載の方法により測定される。
本発明の研磨液組成物に含まれる水溶性高分子化合物B(成分B)の含有量は、シリコンウェーハの表面欠陥の低減の観点から、3質量ppm以上が好ましく、5質量ppm以上がより好ましく、10質量ppm以上が更に好ましく、12質量ppm以上が更により好ましく、15質量ppm以上が更により好ましく、18質量ppm以上が更により好ましく、また、100質量ppm以下が好ましく、80質量ppm以下がより好ましく、50質量ppm以下が更に好ましく、25質量ppm以下が更により好ましい。
本発明の研磨液組成物に含まれる水溶性高分子化合物Aと水溶性高分子化合物Bの質量比は、シリコンウェーハの表面欠陥の低減の観点から、(水溶性高分子化合物A/水溶性高分子化合物B)として、0.2以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、0.8以上が更に好ましく、1以上が更により好ましく、2以上が更により好ましく、また、80以下が好ましく、50以下がより好ましく、25以下が更に好ましく、15以下が更により好ましく、10以下が更により好ましく、6以下が更により好ましい。
[含窒素塩基性化合物(成分C)]
本発明の研磨液組成物は、研磨液組成物の保存安定性の向上、研磨速度の確保、シリコンウェーハの表面欠陥の低減の観点から、水溶性の塩基性化合物を含有する。水溶性の塩基性化合物としては、アミン化合物及びアンモニウム化合物から選ばれる少なくとも1種類以上の含窒素塩基性化合物である。本発明の含窒素塩基性化合物は、本発明の実施濃度領域において溶解していれば特にその溶解度は限定されないが、ここで、「水溶性」とは、水に対して0.5g/100ml以上の溶解度を有することをいい、好ましくは2g/100ml以上の溶解度を有することをいい、「水溶性の塩基性化合物」とは、水に溶解したとき、塩基性を示す化合物をいう。
アミン化合物及びアンモニウム化合物から選ばれる少なくとも1種類以上の含窒素塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N一メチルエタノールアミン、N−メチル−N,N一ジエタノ−ルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノ−ルアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン・六水和物、無水ピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−メチルピペラジン、ジエチレントリアミン、及び水酸化テトラメチルアンモニウムが挙げられる。これらの含窒素塩基性化合物は2種以上を混合して用いてもよい。本発明の研磨液組成物に含まれ得る含窒素塩基性化合物としては、シリコンウェーハの表面粗さ及び表面欠陥の低減、研磨液組成物の保存安定性の向上、及び、研磨速度の確保の観点からアンモニアがより好ましい。
本発明の研磨液組成物に含まれる含窒素塩基性化合物の含有量は、シリコンウェーハの表面欠陥の低減、研磨液組成物の保存安定性の向上、及び研磨速度の確保の観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.003質量%以上がより好ましく、0.005質量%以上が更に好ましく、0.008質量%以上が更により好ましく、0.010質量%以上が更により好ましい。また、1質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、0.05質量%以下が更に好ましく、0.03質量%以下が更により好ましく、0.015質量%以下が更により好ましい。
[シリカ粒子(成分D)]
本発明の研磨液組成物には、研磨材としてシリカ粒子が含まれる。シリカ粒子の具体例としては、コロイダルシリカ、フュームドシリカ等が挙げられるが、シリコンウェーハの表面平滑性を向上させる観点から、コロイダルシリカがより好ましい。
シリカ粒子の使用形態としては、操作性の観点からスラリー状が好ましい。本発明の研磨液組成物に含まれる研磨材がコロイダルシリカである場合、アルカリ金属やアルカリ土類金属等によるシリコンウェーハの汚染を防止する観点から、コロイダルシリカは、アルコキシシランの加水分解物から得たものであることが好ましい。アルコキシシランの加水分解物から得られるシリカ粒子は、従来から公知の方法によって作製できる。
本発明の研磨液組成物に含まれるシリカ粒子の平均一次粒子径は、研磨速度の確保の観点から、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上、更に好ましくは15nm以上であり、更により好ましくは30nm以上である。また、研磨速度の確保及び表面欠陥の低減との両立の観点から、好ましくは50nm以下、より好ましくは45nm以下、更に好ましくは40nm以下である。
特に、シリカ粒子としてコロイダルシリカを用いた場合には、研磨速度の確保及びシリコンウェーハの表面欠陥の低減の観点から、平均一次粒子径は、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上、更に好ましくは15nm以上、更により好ましくは30nm以上であり、また、好ましくは50nm以下、より好ましくは45nm以下、更に好ましくは40nm以下である。
シリカ粒子の平均一次粒子径は、BET(窒素吸着)法によって算出される比表面積S(m2/g)を用いて算出される。比表面積は、例えば、実施例に記載の方法により測定できる。
シリカ粒子の会合度は、研磨速度の確保及びシリコンウェーハの表面欠陥の低減の観点から、3.0以下が好ましく、2.5以下がより好ましく、2.3以下が更に好ましく、また、1.1以上が好ましく、1.8以上がより好ましく、2.0以上が更に好ましい。シリカ粒子の形状はいわゆる球型といわゆるマユ型であることが好ましい。シリカ粒子がコロイダルシリカである場合、その会合度は、研磨速度の確保及び表面欠陥の低減の観点から、3.0以下が好ましく、2.5以下がより好ましく、2.3以下が更に好ましく、また、1.1以上が好ましく、1.8以上がより好ましく、2.0以上が更に好ましい。
シリカ粒子の会合度とは、シリカ粒子の形状を表す係数であり、下記式により算出される。平均二次粒子径は、動的光散乱法によって測定される値であり、例えば、実施例に記載の装置を用いて測定できる。
会合度=平均二次粒子径/平均一次粒子径
シリカ粒子の会合度の調整方法としては、特に限定されないが、例えば、特開平6−254383号公報、特開平11−214338号公報、特開平11−60232号公報、特開2005−060217号公報、特開2005−060219号公報等に記載の方法を採用することができる。
本発明の研磨液組成物に含まれるシリカ粒子の含有量は、研磨速度の確保の観点から、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.2質量%以上が更に好ましい。また、経済性及び研磨液組成物の保存安定性の向上の観点から10質量%以下が好ましく、7.5質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましく、1質量%以下が更により好ましく、0.5質量%以下が更により好ましい。
[水系媒体(成分E)]
本発明の研磨液組成物に含まれる水系媒体(成分E)としては、イオン交換水や超純水等の水、又は水と溶媒との混合媒体等が挙げられ、上記溶媒としては、水と混合可能な溶媒(例えば、エタノール等のアルコール)が好ましい。水系媒体としては、なかでも、シリコンウェーハの表面欠陥の低減の観点から、イオン交換水又は超純水がより好ましく、超純水が更に好ましい。本発明の成分Eが、水と溶媒との混合媒体である場合、成分Eである混合媒体全体に対する水の割合は、本発明の効果が妨げられなければ、特に限定されるわけではないが、経済性の観点から、95質量%以上が好ましく、98質量%以上がより好ましく、実質的に100質量%が更に好ましく、100質量%が更により好ましい。
本発明の研磨液組成物における水系媒体の含有量は、特に限定されるわけではなく、成分A〜成分D、及び、後述する任意成分の残余であってよい。
本発明の研磨液組成物の25℃におけるpHは、研磨速度の確保の観点から、8.0以上が好ましく、9.0以上がより好ましく、9.5以上が更に好ましく、また、12.0以下が好ましく、11.5以下がより好ましく、11.0以下が更に好ましい。pHの調整は、pH調整剤(例えば、アンモニア)を適宜添加して行うことができる。ここで、25℃におけるpHは、pHメータ(東亜電波工業株式会社、HM−30G)を用いて測定でき、電極の研磨液組成物への浸漬後1分後の数値である。
[任意成分]
本発明の研磨液組成物には、本発明の効果が妨げられない範囲で、更に前記水溶性高分子A及び水溶性高分子B以外の水溶性高分子化合物、pH調整剤、防腐剤、アルコール類、キレート剤及びノニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の任意成分が含まれてもよい。
〈防腐剤〉
防腐剤としては、ベンザルコニウムクロライド、ベンゼトニウムクロライド、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、(5−クロロ−)2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、過酸化水素、又は次亜塩素酸塩等が挙げられる。
〈アルコール類〉
アルコール類としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、2−メチル−2−プロパノオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。本発明の研磨液組成物におけるアルコール類の含有量は、0.1〜5質量%が好ましい。
〈キレート剤〉
キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸アンモニウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、トリエチレンテトラミン六酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸ナトリウム等が挙げられる。本発明の研磨液組成物におけるキレート剤の含有量は、0.01〜1質量%が好ましい。
〈非イオン性界面活性剤〉
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油等のポリエチレングリコール型と、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルグリコシド等の多価アルコール型及び脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。
尚、上記において説明した各成分の含有量は、使用時における含有量であるが、本発明の研磨液組成物は、その保存安定性が損なわれない範囲で濃縮された状態で保存及び輸送されてもよい。この場合、製造及び輸送コストを更に低くできる等の経済性の観点から好ましい。濃縮液は、必要に応じて前述の水系媒体で適宜希釈して使用すればよい。濃縮倍率としては、希釈した後の研磨時の濃度を確保できれば、特に限定するものではないが、製造及び輸送コストを更に低くできる等の経済性の観点から、2倍以上が好ましく、10倍以上がより好ましく、20倍以上が更に好ましく、30倍以上が更により好ましく、また、100倍以下が好ましく、80倍以下がより好ましく、70倍以下が更に好ましく、60倍以下が更により好ましく、50倍以下が更により好ましい。
本発明の研磨液組成物が上記濃縮液である場合、濃縮液における水溶性高分子化合物A(成分A)の含有量は、製造及び輸送コストを低くできる等の経済性の観点から、0.05質量%以上が好ましく、0.08質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、また、保存安定性の向上の観点から、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、2質量%以下が更に好ましく、1質量%以下が更により好ましい。
本発明の研磨液組成物が上記濃縮液である場合、濃縮液における水溶性高分子化合物B(成分B)の含有量は、製造及び輸送コストを低くできる等の経済性の観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.003質量%以上がより好ましく、0.005質量%以上が更に好ましく、また、保存安定性の向上の観点から、3質量%以下が好ましく、1.0質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が更に好ましく、0.3質量%以下が更により好ましく、0.1質量%以下が更により好ましい。
本発明の研磨液組成物が上記濃縮液である場合、濃縮液における含窒素塩基性化合物(成分C)の含有量は、製造及び輸送コストを低くできる等の経済性の観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上が更に好ましい。また、濃縮液中における含窒素塩基性化合物(成分C)の含有量は、保存安定性の向上の観点から5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.6質量%以下が更に好ましい。
本発明の研磨液組成物が上記濃縮液である場合、濃縮液におけるシリカ粒子(成分D)の含有量は、製造及び輸送コストを低くできる等の経済性の観点から、3質量%以上が好ましく、より好ましくは4質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、更により好ましくは8質量%以上である。また、濃縮液中におけるシリカ粒子の含有量は、保存安定性を向上させる観点から、40質量%以下が好ましく、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下、更により好ましくは15質量%以下、更により好ましくは12質量%以下である。
次に、本発明の研磨液組成物の製造方法の一例について説明する。
本発明の研磨液組成物の製造方法の一例は、何ら制限されず、例えば、水溶性高分子化合物A(成分A)と、水溶性高分子化合物B(成分B)と、含窒素塩基性化合物(成分C)と、シリカ粒子(成分D)と、水系媒体(成分E)と、必要に応じて任意成分とを混合することによって調製できる。
シリカ粒子の水系媒体への分散は、例えば、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機、湿式ボールミル、又はビーズミル等の撹拌機等を用いて行うことができる。シリカ粒子の凝集等により生じた粗大粒子が水系媒体中に含まれる場合、遠心分離やフィルターを用いたろ過等により、当該粗大粒子を除去すると好ましい。シリカ粒子の水系媒体への分散は、水溶性高分子化合物A(成分A)及び水溶性高分子化合物B(成分B)の存在下で行うと好ましい。
本発明の研磨液組成物は、例えば、ベアウェーハ等の半導体基板の製造方法における、シリコンウェーハを研磨する研磨工程や、シリコンウェーハを研磨する研磨工程を含むシリコンウェーハの研磨方法に用いられる。
前記シリコンウェーハを研磨する研磨工程には、シリコン単結晶インゴットを薄円板状にスライスすることにより得られたシリコンウェーハを平坦化するラッピング(粗研磨)工程と、ラッピングされたシリコンウェーハをエッチングした後、シリコンウェーハ表面を鏡面化する仕上げ研磨工程とがある。本発明の研磨液組成物は、上記仕上げ研磨工程で用いられるとより好ましい。
前記半導体基板の製造方法や前記シリコンウェーハの研磨方法では、シリコンウェーハを研磨する研磨工程の前に、本発明の研磨液組成物(濃縮液)を希釈する希釈工程を含んでいてもよい。希釈媒には、水系媒体(成分E)を用いればよい。
前記希釈工程で希釈される濃縮液は、製造及び輸送コスト低減、保存安定性の向上の観点から、例えば、成分Aを0.05質量%以上5質量%以下、成分Bを0.001質量%以上3質量%以下、成分Cを0.1質量%以上5質量%以下、成分Dを3質量%以上40質量%以下含んでいると好ましい。
本発明は、更に以下<1>〜<28>を開示する。
<1>
下記一般式(1)で表される構成単位Iを75質量%以上含む水溶性高分子化合物Aと、
下記一般式(2)で表される構成単位IIと下記一般式(3)で表される構成単位IIIの質量比が100:0〜40:60であり、前記構成単位IIと前記構成単位IIIの質量の合計が全質量の50%以上100%以下であり、重量平均分子量が4000以上1600万以下の水溶性高分子化合物Bと、
含窒素塩基性化合物と、
シリカ粒子と、
水系媒体と、を含むシリコンウェーハ用研磨液組成物。
Figure 2014090100
ただし、一般式(1)において、R1は炭素数1〜2のヒドロキシアルキル基である。
Figure 2014090100
Figure 2014090100
<2>
上記一般式(1)において、R1は、ヒドロキシエチル基である前記<1>に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<3>
前記水溶性高分子化合物A(成分A)の全構成単位中における前記構成単位Iの割合は、80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは実質的に100質量%、更に好ましくは100質量%である、前記<1>又は<2>に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<4>
水溶性高分子化合物A(成分A)は、構成単位I以外の構成単位として、N−イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)、ビニルピロリドン(VP)、ジメチルアクリルアミド(DMAA)及びジエチルアクリルアミド(DEAA)からなる群から選ばれる少なくとも一種のモノマーに由来する構成単位IV
を含み、好ましくはN−イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)に由来する構成単位IVを含む、前記<1>〜<3>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<5>
前記シリコンウェーハ用研磨液組成物における前記水溶性高分子化合物Aの含有量は、20質量ppm以上、好ましくは40質量ppm以上、より好ましくは60質量ppm以上、更に好ましくは70質量ppm以上であり、250質量ppm以下、好ましくは200質量ppm以下、より好ましくは160質量ppm以下、更に好ましくは120質量ppm以下、更により好ましくは100質量ppm以下、更により好ましくは80質量ppm以下である、前記<1>〜<4>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<6>
前記水溶性高分子化合物Aの重量平均分子量は、5万以上、好ましくは10万以上、より好ましくは20万以上、更に好ましくは30万以上、更により好ましくは40万以上であり、150万以下、好ましくは100万以下、より好ましくは80万以下、更に好ましくは50万以下である、前記<1>〜<5>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<7>
前記シリコンウェーハ用研磨液組成物に含まれる、前記水溶性高分子化合物A(成分A)と前記シリカ粒子(成分D)の質量比は、(水溶性高分子化合物Aの質量/シリカ粒子の質量)として、0.001以上、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.010以上、更に好ましくは0.020以上、更により好ましくは0.025以上であり、0.2以下、好ましくは0.15以下、より好ましくは0.12以下、更に好ましくは、0.100以下、更により好ましくは0.050以下、更により好ましくは0.040以下、更により好ましくは0.035以下である、前記<1>〜<6>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<8>
前記水溶性高分子化合物B(成分B)において、構成単位IIと構成単位IIIの質量比が、100:0〜40:60、好ましくは100:0〜50:50、より好ましくは100:0〜60:40、更に好ましくは100:0〜70:30であり、更により好ましくは100:0〜90:10である、前記<1>〜<7>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<9>
前記水溶性高分子化合物B(成分B)について、構成単位IIと構成単位IIIの質量の合計は、水溶性高分子化合物Bの全質量の、50%以上100%以下、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上、更により好ましくは90%以上、更に好ましくは実質的に100%、更に好ましくは100%である、前記<1>〜<8>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<10>
前記水溶性高分子化合物Bの重量平均分子量(Mw)は、5万以上、好ましくは20万以上、より好ましくは40万以上、更に好ましくは50万以上、更により好ましくは60万以上であり、1400万以下、好ましくは1000万以下、より好ましくは800万以下、更に好ましくは500万以下、更により好ましくは100万以下である、前記<1>〜<9>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<11>
前記水溶性高分子化合物Aと前記水溶性高分子化合物Bの質量比(水溶性高分子化合物A/水溶性高分子化合物B)が、0.2以上、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.8以上、更に好ましくは1以上、更により好ましくは2以上であり、80以下、好ましくは50以下、より好ましくは25以下、更に好ましくは15以下、更により好ましくは10以下、更により好ましくは6以下である、前記<1>〜<10>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<12>
前記シリコンウェーハ用研磨液組成物における前記水溶性高分子化合物Bの含有量は、
3質量ppm以上、好ましくは5質量ppm以上、より好ましくは10質量ppm以上、更に好ましくは12質量ppm以上、更により好ましくは15質量ppm以上、更により好ましくは18質量ppm以上であり、100質量ppm以下、好ましくは80質量ppm以下、より好ましくは50質量ppm以下、更に好ましくは25質量ppm以下である、前記<1>〜<11>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<13>
前記含窒素塩基性化合物(成分C)は、アミン化合物及びアンモニウム化合物から選ばれる少なくとも1種類以上の含窒素塩基性化合物である、前記<1>〜<12>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<14>
アミン化合物及びアンモニウム化合物から選ばれる少なくとも1種類以上の含窒素塩基性化合物は、アンモニア、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N一メチルエタノールアミン、N−メチル−N,N一ジエタノ−ルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノ−ルアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン・六水和物、無水ピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−メチルピペラジン、ジエチレントリアミン、及び水酸化テトラメチルアンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記<13>に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<15>
前記シリコンウェーハ用研磨液組成物に含まれる前記含窒素塩基性化合物の含有量は、0.001質量%以上、好ましくは0.003質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、更に好ましくは0.008質量%以上、更により好ましくは0.010質量%以上であり、1質量%以下、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下、更に好ましくは0.03質量%以下、更により好ましくは0.015質量%以下である、前記<1>〜<14>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<16>
前記シリカ粒子(成分D)は、コロイダルシリカである、前記<1>〜<15>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<17>
前記コロイダルシリカは、アルコキシシランの加水分解物から得たものである、前記<16>に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<18>
前記シリカ粒子の平均一次粒子径は、5nm以上、好ましくは10nm以上、より好ましくは15nm以上、更に好ましくは30nm以上であり、50nm以下、好ましくは45nm以下、より好ましくは40nm以下である、前記<1>〜<17>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<19>
前記コロイダルシリカの平均一次粒子径は、5nm以上、好ましくは10nm以上、より好ましくは15nm以上、更に好ましくは30nm以上であり、50nm以下、好ましくは45nm以下、より好ましくは40nm以下である、前記<16>又は<17>に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<20>
前記シリカ粒子の会合度は、3.0以下、好ましくは2.5以下、より好ましくは2.3以下であり、1.1以上、好ましくは1.8以上、よりより好ましくは2.0以上である、前記<1>〜<19>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<21>
前記コロイダルシリカの会合度は、3.0以下、好ましくは2.5以下、より好ましくは2.3以下であり、1.1以上、好ましくは1.8以上、よりより好ましくは2.0以上である、前記<16>、<17>、又は<19>に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<22>
前記シリコンウェーハ用研磨液組成物に含まれるシリカ粒子の含有量は、0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上であり、10質量%以下、好ましくは7.5質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、更により好ましくは0.5質量%以下である、前記<1>〜<21>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<23>
前記シリコンウェーハ用研磨液組成物の25℃におけるpHは、8.0以上、好ましくは9.0以上、より好ましくは9.5以上であり、12.0以下、好ましくは11.5以下、より好ましくは11.0以下である、前記<1>〜<22>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<24>
前記<1>〜<23>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物を用いてシリコンウェーハを研磨する工程と、
研磨された前記シリコンウェーハを洗浄する工程と、を含む半導体基板の製造方法。
<25>
濃縮された前記シリンウェーハ用研磨液組成物を希釈してから前記シリコンウェーハの研磨に使用する、前記<24>に記載の半導体基板の製造方法。
<26>
濃縮された前記シリンウェーハ用研磨液組成物の濃縮倍率は、2倍以上、好ましくは10倍以上、より好ましくは20倍以上、更に好ましくは30倍以上であり、100倍以下、好ましくは80倍以下、より好ましくは70倍以下、更に好ましくは60倍以下、更により好ましくは50倍以下である、前記<25>に記載の半導体基板の製造方法。
<27>
前記濃縮された前記シリンウェーハ用研磨液組成物における、成分Aの含有量は0.05質量%以上5質量%以下、成分Bの含有量は0.001質量%以上3質量%以下、成分Cの含有量は0.1質量%以上5質量%以下、成分Dの含有量は3質量%以上40質量%以下である、前記<25>又は<26>に記載の半導体基板の製造方法。
<28>
前記<1>〜<23>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物を用いてシリコンウェーハを研磨する研磨工程を含む、シリコンウェーハの研磨方法。
〈水溶性高分子化合物Aの合成〉
下記の実施例1〜19、比較例1〜12で用いた水溶性高分子化合物Aは下記のようにして合成した。
(水溶性高分子化合物A:No.A-1)
[HEAA単独重合体、重量平均分子量138万]
500mlのビーカーにて、ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA)15g(0.13mol 興人製)と2,2’-アゾビス(2‐メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド 0.035g(重合開始剤、V-50 0.13mmol 和光純薬製)を、285gのイオン交換水に溶解し、モノマー水溶液を調製した。温度計及び5cm三日月形テフロン製撹拌翼を備えた5
00mlセパラブルフラスコ内を窒素置換した後、モノマー水溶液の10分の1をセパラブルフラスコ内に入れ、オイルバスを用いてモノマー水溶液の温度を55℃に昇温して、反応溶液を得た。反応溶液の増粘を確認した後、残りのモノマー水溶液を前記反応溶液に対して5時間かけて滴下し、重合を行った。滴下終了後、1時間撹拌を行い、更に65℃に昇温後2時間撹拌を行い、無色透明5%ポリヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA単独重合体、重量平均分子量138万)水溶液300gを得た。
(水溶性高分子化合物A:No.A-2)
[HEAA単独重合体、重量平均分子量43万]
500mlのビーカーにて、ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA)15g(0.13mol 興人製)と2,2’-アゾビス(2‐メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド 0.177g(重合開始剤、V-50 0.65mmol 和光純薬製)を、285gのイオン交換水に溶解し、モノマー水溶液を調製した。温度計及び5cm三日月形テフロン製撹拌翼を備えた
500mlセパラブルフラスコ内を窒素置換した後、モノマー水溶液の10分の1をセパラブルフラスコ内に入れ、オイルバスを用いてモノマー水溶液の温度を65℃に昇温して、反応溶液を得た。反応溶液の増粘を確認した後、残りのモノマー水溶液を前記反応溶液に対して2.5時間かけて滴下し、重合を行った。滴下終了後、1時間撹拌を保持し、更に75℃に昇温後2時間撹拌を行い、無色透明の5%ポリヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA単独重合体、重量平均分子量43万)水溶液300gを得た。
(水溶性高分子化合物A:No.A-3)
[HEAA単独重合体、重量平均分子量72万]
500mlのビーカーにて、ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA)15g(0.13mol 興人製)と2,2’-アゾビス(2‐メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド 0.088g(重合開始剤、V-50 0.65mmol 和光純薬製)を、285gのイオン交換水に溶解し、モノマー水溶液を調製した。温度計及び5cm三日月形テフロン製撹拌翼を備えた5
00mlセパラブルフラスコ内を窒素置換した後、モノマー水溶液の10分の1をセパラブルフラスコ内に入れ、オイルバスを用いてモノマー水溶液の温度を65℃に昇温して、反応溶液を得た。反応溶液の増粘を確認した後、残りのモノマー水溶液を前記反応溶溶液に対して1.5時間かけて滴下し、重合を行った。滴下終了後、2時間撹拌を行い、更に75℃に昇温した後2時間撹拌を行い、無色透明の5%ポリヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA単独重合体、重量平均分子量72万)水溶液300gを得た。
(水溶性高分子化合物A:No.A-4)
[HEAA単独重合体、重量平均分子量24万]
温度計及び5cm三日月形テフロン製撹拌翼を備えた500mlセパラブルフラスコに、ヒドロキシエチルアクリルアミド40g(0.35mol 興人製)と、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル0.086g(重合開始剤、V-65B 0.3mmol 和光純薬製)と、メタノール160g(和光純薬製)とを投入し、これらを窒素雰囲気下200rpm(周速1.05m/s)で撹拌し混合して、ヒドロキシエチルアクリルアミドをメタノールに溶解させた。次いで、セパラブルフラスコ内の溶液の温度を50℃まで昇温し当該ヒドロキシエチルアクリルアミド溶液を50℃で6時間撹拌した。次いで、当該溶液を30℃まで冷却した後、アセトン4L(和光純薬製)に滴下しHEAA単独重合体(固体)を得た。得られた固体を70℃/1KPa以下で乾燥させ、半透明固体39.1g(HEAAの単独重合体(重量平均分子量24万)の収率は98%)を得た。
(水溶性高分子化合物A:No.A-5)
[HEAAとNIPAMの共重合体、HEAAとNIPAMの質量比80対20、重量平均分子量40万]
ヒドロキシエチルアクリルアミド40g(0.35mmol)に代えて、ヒドロキシエチルアクリルアミド32g(0.28mol)及びイソプロピルアクリルアミド8g(0.071mol 興人製)を500mlセパラブルフラスコに投入し、且つV-65Bの使用量を0.086(0.3mmol)から0.043g(0.2mmol)に変更したこと以外は、(水溶性高分子化合物A:NO.4)と同様の方法で合成し、半透明固体36.0g(HEAAとNIPAMの共重合体(重量平均分子量40万)の収率90%)を得た。
また、実施例1〜19、比較例1〜12で用いた水溶性高分子Bの詳細は下記のとおりである。
(水溶性高分子化合物B:No.B-1)
ポリアクリルアミド:Mw10,000(和光純薬製)
(水溶性高分子化合物B:No.B-2)
ポリアクリルアミド:Mw800,000(和光純薬製)
(水溶性高分子化合物B:No.B-3)
ポリアクリルアミド:Mw5,500,000(関東化学製)
(水溶性高分子化合物B:No.B-4)
ポリアクリルアミド/アクリル酸共重合物(質量比=80/20)
:Mw200,000(アルドリッチ製)
(水溶性高分子化合物B:No.B-5)
ポリアクリルアミド/アクリル酸共重合物(質量比=70/30)
:Mw13,000,000(ダイアニトリックス製、AP−120C)
(水溶性高分子化合物B:No.B-6)
ポリアクリルアミド/アクリル酸共重合物(質量比=50/50)
:Mw16,000,000(ダイアニトリックス製、AP−335C)
(水溶性高分子化合物C:No.C-1)
ポリアクリルアミド:Mw18,000,000(和光純薬製)
(水溶性高分子化合物C:No.C-2)
ポリアクリル酸:Mw1,250,000(アルドリッチ製)
〈水溶性高分子化合物Aの重合平均分子量の測定〉
水溶性高分子化合物A(No.1〜5)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法を下記の測定条件で適用して得たクロマトグラム中のピークに基づいて算出した。
〈測定条件〉
装置:HLC-8320 GPC(東ソー株式会社製、検出器一体型)
カラム:GMPWXL+GMPWXL(アニオン、東ソー株式会社製)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CH3CN=9/1
流量:0.5ml/min
カラム温度:40℃
検出器:RI 検出器
標準物質:ポリエチレングリコール
〈水溶性高分子化合物Bの重合平均分子量の測定〉
水溶性高分子化合物B(No.B−1〜6)及びC(No.C−1、2)の重量平均分子量(Mw)は、固有粘度から換算して求められるもので、ポリアクリルアミド系高分子の粘度式:[η]=3.73×10-4×(Mw)×0.66[ラジカル重合ハンドブック、(株)エヌ・ティー・エス刊、558頁(1999)]から(Mw)を求めることができる。該式によれば非イオン性のポリアクリルアミドだけでなく、カチオン性、アニオン性、両性高分子についても(Mw)を求めることができる。
〈水溶性の測定〉
各水溶性高分子化合物の水溶性は、0.5g/100mlの水溶性高分子化合物水溶液を調整し、下記の評価方法に従って目視で状態を確認した。
(評価方法)
(1)0.5gの水溶性高分子化合物をスクリュー管に計量し投入する。
(2)スクリュー管に約90mlの水を注ぎ、室温で攪拌を開始する。
(3)室温で3時間攪拌した後に、70度まで昇度し更に3時間攪拌する。
(4)室温まで冷却した後に、水を添加し100mlとする。
(5)目視で水溶液の状態を確認する。透明であれば、水溶性化合物である。
今回用いた水溶性高分子化合物A、B及びCは全て0.5重量%で透明であり、本発明において水溶性であると判断した。
<研磨材(シリカ粒子)の平均一次粒子径の測定>
研磨材の平均一次粒子径(nm)は、BET(窒素吸着)法によって算出される比表面積S(m2/g)を用いて下記式で算出した。
平均一次粒子径(nm)=2727/S
研磨材の比表面積は、下記の[前処理]をした後、測定サンプル約0.1gを測定セルに小数点以下4桁まで精量し、比表面積の測定直前に110℃の雰囲気下で30分間乾燥した後、比表面積測定装置(マイクロメリティック自動比表面積測定装置 フローソーブIII2305、島津製作所製)を用いて窒素吸着法(BET法)により測定した。
[前処理]
(a)スラリー状の研磨材を硝酸水溶液でpH2.5±0.1に調整する。
(b)pH2.5±0.1に調整されたスラリー状の研磨材をシャーレにとり150℃の熱風乾燥機内で1時間乾燥させる。
(c)乾燥後、得られた試料をメノウ乳鉢で細かく粉砕する。
(d)粉砕された試料を40℃のイオン交換水に懸濁させ、孔径1μmのメンブランフィルターで濾過する。
(e)フィルター上の濾過物を20gのイオン交換水(40℃)で5回洗浄する。
(f)濾過物が付着したフィルターをシャーレにとり、110℃の雰囲気下で4時間乾燥させる。
(g)乾燥した濾過物(砥粒)をフィルター屑が混入しないようにとり、乳鉢で細かく粉砕して測定サンプルを得た。
<研磨材(シリカ粒子)の平均二次粒子径の測定>
研磨材の平均二次粒子径(nm)は、研磨材の濃度が0.25質量%となるように研磨材をイオン交換水に添加した後、得られた水溶液をDisposable Sizing Cuvette(ポリスチレン製 10mmセル)に下底からの高さ10mmまで入れ、動的光散乱法(装置名:ゼータサイザーNano ZS、シスメックス(株)製)を用いて測定した。
(1)研磨液組成物の調製
水溶性高分子化合物A、水溶性高分子化合物B又は水溶性高分子化合物C、29%アンモニア水(関東化学(株))及び超純水の混合物と、シリカ粒子(コロイダルシリカ、平均一次粒子径38nm、平均二次粒子径78nm、会合度2.1)と混合し、これらを攪拌して、実施例1〜19、比較例1〜12の研磨液組成物−1(いずれも40倍濃縮液、pH10.6±0.2(25℃))を得た。各研磨液組成物−1(濃縮液)中のシリカ粒子の含有量は10質量%、水溶性高分子化合物A、水溶性高分子化合物B又は水溶性高分子化合物Cの含有量は適量(実施例及び比較例に基づく。)とし、アンモニアの含有量は0.4質量%とした。残余は超高純水である。尚、表1に記載の水溶性高分子化合物A、水溶性高分子化合物B又は水溶性高分子化合物Cの含有量は、超純水により、40倍に希釈後の値である(希釈倍率:40倍)。
前記研磨液組成物−1(濃縮液)を2週間静置し、その後、超純水で40倍に希釈して、pH10.5±0.3(25℃)の研磨液組成物−2(希釈液)を得た。研磨液組成物−2中の、シリカ粒子の含有量は0.25質量%であり、水溶性高分子化合物A、水溶性高分子化合物B、及び水溶性高分子化合物Cの濃度は表1に示す。
この研磨液組成物−2を用いて、下記の研磨条件でシリコンウェーハ(直径200mmのシリコン片面鏡面ウェーハ(伝導型:P、結晶方位:100、抵抗率1Ω・cm以上100Ω・cm未満))に対して仕上げ研磨を行った。当該仕上げ研磨に先立ってシリコンウェーハに対して市販の研磨剤組成物を用いてあらかじめ下記条件で粗研磨を実施した。
(粗研磨の条件)
研磨機:片面8インチ研磨機TRCP-541(テクノライズ社製)
研磨パッド:スエードパッド(FILWEL社製 アスカー硬度66 厚さ 1.10mm ナップ長375um 開口径65um)
ウェーハ研磨圧力:150g/cm2
定盤回転速度:60rpm
研磨時間:7分
研磨剤組成物の供給速度:200g/cm2
研磨剤組成物の温度:20℃
キャリア回転速度:60rpm
(2)研磨方法
研磨液組成物−1(濃縮液)をイオン交換水で40倍に希釈して得た研磨液組成物−2(希釈液)を研磨直前にフィルター(コンパクトカートリッジフィルター MCP−LX−C10S アドバンテック株式会社)にてろ過を行い、下記の研磨条件で下記の粗研磨された上記シリコンウェーハに対して、ろ過された研磨液組成物−2を用いて仕上げ研磨を行った。粗研磨を終了し仕上げ研磨に供したシリコンウェーハの表面粗さ(ヘイズ)は、2.680であった。
<仕上げ研磨条件>
研磨機:片面8インチ研磨機GRIND-X SPP600s(岡本工作製)
研磨パッド:スエードパッド(東レ コーテックス社製 アスカー硬度64 厚さ 1.37mm ナップ長450um 開口径60um)
ウェーハ研磨圧力:100g/cm2
定盤回転速度:100rpm
研磨時間:10分
研磨剤組成物の供給速度:200g/cm2
研磨剤組成物の温度:20℃
キャリア回転速度:100rpm
(3)洗浄−乾燥方法(仕上げ研磨後)
仕上げ研磨後、シリコンウェーハに対して、オゾン洗浄と希フッ酸洗浄を下記のとおり行った。オゾン洗浄では、20ppmのオゾンを含んだ純水をノズルから流速1L/minで、600rpmで回転するシリコンウェーハの中央に向かって3分間噴射した。このときオゾン水の温度は常温とした。次に希フッ酸洗浄を行った。希フッ酸洗浄では、0.5%のフッ化水素アンモニウム(特級:ナカライテクス株式会社)を含んだ純水をノズルから流速1L/minで、600rpmで回転するシリコンウェーハの中央に向かって6秒間噴射した。上記オゾン洗浄と希フッ酸洗浄を1セットとして計2セット行い、最後にスピン乾燥を行った。スピン乾燥では1500rpmでシリコンウェーハを回転させた。
<シリコンウェーハ表面の表面欠陥(LPD)数の評価>
洗浄後のシリコンウェーハ表面の表面欠陥(LPD)は、KLA Tencor社製のSurfscan SP1(商品名)を用いて測定される暗視野ワイド斜入射チャンネル(DWO)での値を用いた。表面欠陥(LPD)は、シリコンウェーハ表面の最大長さが50nm以上の表面欠陥(LPD)を測定することによって評価した。その結果を表1に示した。表面欠陥(LPD)の評価結果は、数値(LPD)が小さいほど良好であることを示す。
Figure 2014090100
表1に示されるように、研磨されたシリコンウェーハの表面欠陥(LPD)は、比較例1〜12の研磨液組成物を用いるよりも実施例1〜19の研磨液組成物を用いた方が小さく良好であった。
本発明の研磨液組成物を用いれば、シリコンウェーハの表面欠陥(LPD)を低減できる。よって、本発明の研磨液組成物は、様々な半導体基板の製造過程で用いられる研磨液組成物として有用であり、なかでも、ベアウェーハの製造過程における、シリコンウェーハの仕上げ研磨用の研磨液組成物として有用である。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で表される構成単位Iを75質量%以上含む水溶性高分子化合物Aと、
    下記一般式(2)で表される構成単位IIと下記一般式(3)で表される構成単位IIIの質量比が100:0〜40:60であり、前記構成単位IIと前記構成単位IIIの質量の合計が全質量の50%以上100%以下であり、重量平均分子量が4000以上1600万以下の水溶性高分子化合物Bと、
    含窒素塩基性化合物と、
    シリカ粒子と、
    水系媒体と、を含むシリコンウェーハ用研磨液組成物。
    Figure 2014090100
    ただし、一般式(1)において、R1は炭素数1〜2のヒドロキシアルキル基である。
    Figure 2014090100
    Figure 2014090100
  2. 前記シリコンウェーハ用研磨液組成物における前記水溶性高分子化合物Aの含有量は、
    20質量ppm以上250質量ppm以下である、請求項1に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
  3. 前記水溶性高分子化合物Aの重量平均分子量が5万以上150万以下である、請求項1又は2に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
  4. 前記水溶性高分子化合物Aと前記水溶性高分子化合物Bの質量比(水溶性高分子化合物A/水溶性高分子化合物B)が0.2以上80以下である、請求項1〜3のいずれかの項に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
  5. 前記シリコンウェーハ用研磨液組成物における前記水溶性高分子化合物Bの含有量は、
    3質量ppm以上100質量ppm以下である、請求項1〜4のいずれかの項に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
  6. 前記シリカ粒子の平均一次粒子径が5nm以上50nm以下である、請求項1〜5のいずれかの項に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかの項に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物を用いてシリコンウェーハを研磨する工程と、
    研磨された前記シリコンウェーハを洗浄する工程と、を含む半導体基板の製造方法。
  8. 濃縮された前記シリンウェーハ用研磨液組成物を希釈してから前記シリコンウェーハの研磨に使用する、請求項7に記載の半導体基板の製造方法。
  9. 請求項1〜6のいずれかの項に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物を用いてシリコンウェーハを研磨する研磨工程を含む、シリコンウェーハの研磨方法。
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