JP2015083860A - 車両の制御装置 - Google Patents

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俊太郎 篠原
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俊太郎 篠原
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Takanobu Aratake
宗伸 荒武
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Masamitsu Kondo
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Abstract

【課題】クラッチのスリップ作動を適切に実行する。【解決手段】ロックアップクラッチ30の物理的な特性の1つである摩擦材34の所定摩擦係数μpreからの乖離分を学習値として用いるので、あるパラメータの区分分けした各領域毎に学習値を持つことなく、1つの学習値を用いてLUクラッチ圧Pluを適切に学習補正することができる。又、区分分けされたあるパラメータの各領域毎に格納された学習値を用いていないので、LUクラッチ圧Pluを連続な変化に対応するように適切に学習補正することができる。従って、例えばアクセル踏み増しやアクセル踏み戻しといった状態変化やロックアップクラッチ30やオイル(作動油)の経時変化に対応したリニヤな制御を行うことができる。よって、ロックアップクラッチ30のスリップ作動を適切に実行することができる。【選択図】図3

Description

本発明は、駆動力源と駆動輪との間の動力伝達経路に介在させられたクラッチのスリップ作動を行う、車両の制御装置に関するものである。
駆動力源と駆動輪との間の動力伝達経路に介在させられたクラッチを所定の差回転速度にてスリップ制御することで、例えば伝達されるトルクにおける高周波成分(例えば脈動トルク)の通過を抑制する技術が良く知られている。このような制御では、例えばクラッチ指示圧と伝達トルクとの関係性が非線形であることから、又、経時変化に因るクラッチの物理的な特性(例えば摩擦係数)の変化があることから、学習制御によりクラッチ指示圧を補正することが種々提案されている。例えば、特許文献1には、スリップ制御において、フィードバック制御によってクラッチ指示圧を補正する量に基づいて、複数に分割されたスロットル弁開度領域毎に学習値としての学習補正量を修正して格納し、次回の制御にて、エンジントルクに対応して決定されるクラッチ指示圧をその学習補正量を用いて学習補正することで、制御の応答性向上や安定性向上を図ることが提案されている。
特開平4−203561号公報
ところで、特許文献1では4つの領域に分割されたスロットル弁開度領域毎に学習値を格納しているが、上記スリップ制御をより良好に行う為に、スロットル弁開度領域の分割をより細分化することが好ましい。又、特許文献1に記載されているようなエンジントルクは、クラッチへ入力される入力トルクに相当するものであり、スロットル弁開度の他に、例えばエンジン回転速度によっても変動させられる。その為、加減速などの状態変化を考慮して上記スリップ制御をより良好に行うには、スロットル弁開度領域毎だけでなく、例えば複数に分割された入力トルク領域毎にも学習値を持つことが好ましい。又、クラッチやオイルの経時変化を考慮して上記スリップ制御をより良好に行うには、例えばクラッチへ作用させる係合圧に対応するクラッチ押し付け力にて切り分けた領域毎にも学習値を持つことが好ましい。しかしながら、特許文献1のようにクラッチ圧値そのものを学習値としている場合、物理的な意味合いを考慮しておらず、ある領域での学習値を他の領域で用いることが難しい。そうすると、未学習領域が増加する為、全領域の学習を完了させるのに要する時間が長くなる可能性がある。又、別の観点では、特許文献1のようにある幅を持って区分分けしたパラメータ(例えばスロットル弁開度)の各領域毎に学習値を格納する場合、その学習値は連続して変化するパラメータに対して不連続な値を取ることになる。その為、クラッチへの入力トルクなどの連続した変化に対して、クラッチ圧出力が不安定(不連続)となりクラッチのスリップ量等に影響を与える可能性がある。上述したような問題により、例えばアクセルの踏み増しや踏み戻し等の状態変化があったときに、未学習領域に入ったり、クラッチ圧出力が不安定になると、クラッチのスリップ量が狙いに対して変動し易くなるなどの可能性がある。尚、上述したような課題は未公知であり、クラッチに付与する係合圧を連続な変化に対応するように学習補正することについて未だ提案されていない。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、クラッチのスリップ作動を適切に実行することができる車両の制御装置を提供することにある。
前記目的を達成する為の第1の発明の要旨とするところは、(a) 摩擦材が貼付された回転体とその回転体に相対する相手回転体とを有して、駆動力源と駆動輪との間の動力伝達経路に介在させられたクラッチを備えた車両において、前記クラッチが所定の差回転速度にてスリップ作動するように前記クラッチに付与する係合圧を制御する、車両の制御装置であって、(b) 前記クラッチのスリップ作動時に、(c) 前記係合圧に基づいて、前記回転体と前記相手回転体との間に作用するクラッチ押し付け力を算出し、(d) 前記クラッチ押し付け力と前記クラッチへ入力される入力トルクとに基づいて、前記摩擦材の推定摩擦係数を算出し、(e) 前記推定摩擦係数と予め定められた前記摩擦材の所定摩擦係数との差分を学習値として算出して記憶し、(f) 前記学習値を用いて前記クラッチに付与する係合圧を補正することにある。
このようにすれば、クラッチの物理的な特性の1つである予め定められた所定摩擦係数からの乖離分を学習値として用いるので、あるパラメータの区分分けした各領域毎に学習値を持つことなく、1つの学習値を用いてクラッチに付与する係合圧を適切に学習補正することができる。又、区分分けされたあるパラメータの各領域毎に格納された学習値を用いていないので、クラッチに付与する係合圧を連続な変化に対応するように適切に学習補正することができる。従って、例えばアクセル踏み増しやアクセル踏み戻しといった状態変化やクラッチやオイルの経時変化に対応したリニヤな制御を行うことができる。よって、クラッチのスリップ作動を適切に実行することができる。
ここで、第2の発明は、前記第1の発明に記載の車両の制御装置において、前記推定摩擦係数は、前記入力トルクを、前記クラッチ押し付け力に基づいて算出される、前記回転体と前記相手回転体との間に作用するクラッチ押し付けトルクにて除算した値である。このようにすれば、推定摩擦係数が適切に算出される。
また、第3の発明は、前記第1の発明又は第2の発明に記載の車両の制御装置において、前記学習値は、算出された、前記推定摩擦係数と前記所定摩擦係数との差分を、平均して記憶した値である。このようにすれば、学習値が適切に算出されて記憶される。
また、第4の発明は、前記第1の発明乃至第3の発明の何れか1つに記載の車両の制御装置において、前記学習値と前記入力トルクとに基づいて、前記クラッチに付与する係合圧の補正分である補正用係合圧を算出し、前記入力トルクに応じたフィードフォワード係合圧と、前記所定の差回転速度と実際の差回転速度との偏差に応じたフィードバック係合圧との合算値を、前記補正用係合圧を用いて補正することで前記クラッチに付与する係合圧を算出することにある。このようにすれば、前記クラッチに付与する係合圧が適切に補正されて、クラッチのスリップ作動が適切に実行される。又、クラッチが所定の差回転速度にてスリップ作動するようにクラッチに付与する係合圧を制御するときのフィードバック成分が小さくされて、制御の応答性が向上される。
また、第5の発明は、前記第1の発明乃至第3の発明の何れか1つに記載の車両の制御装置において、前記所定摩擦係数と前記学習値とに基づいて補正用摩擦係数を算出し、前記入力トルクに応じたフィードフォワード係合トルクと、前記所定の差回転速度と実際の差回転速度との偏差に応じたフィードバック係合トルクとの合算値を、前記補正用摩擦係数にて除算したクラッチ押し付けトルクに基づいて、前記クラッチに付与する係合圧を算出することにある。このようにすれば、前記クラッチに付与する係合圧が適切に補正されて、クラッチのスリップ作動が適切に実行される。又、クラッチが所定の差回転速度にてスリップ作動するようにクラッチに付与する係合圧を制御するときのフィードバック成分が小さくされて、制御の応答性が向上される。
また、第6の発明は、前記第1の発明乃至第5の発明の何れか1つに記載の車両の制御装置において、前記車両は、前記動力伝達経路に介在させられる流体式伝動装置を備えており、前記クラッチは、前記流体式伝動装置に設けられたロックアップクラッチである。このようにすれば、本発明により、ロックアップクラッチのスリップ作動を適切に実行することができる。
本発明が適用される車両に備えられた動力伝達経路の概略構成を説明する図であると共に、車両における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。 電子制御装置の制御作動の要部を実現する制御構造を示すブロック図である。 電子制御装置の制御作動の要部を実現する制御構造を示すブロック図であって、図2と同じ機能を有するように図2の一部を変形した実施例である。 図2或いは図3の制御構造に従ってロックアップクラッチのスリップ作動を実行した場合の本実施例の一例を示すタイムチャートである。 LUクラッチ圧を学習補正することなく、ロックアップクラッチのスリップ作動を実行した場合の比較例の一例を示すタイムチャートである。
本発明において、好適には、前記クラッチは、公知の流体式伝動装置に設けられたロックアップクラッチ、信号待ち等の一時的な車両停止時等にスリップ乃至解放されて前記駆動力源と前記駆動輪との間の動力伝達経路における動力伝達を遮断乃至抑制する入力クラッチなどのスリップ作動可能な摩擦クラッチである。この摩擦クラッチは、例えば油圧アクチュエータによって係合させられる多板式、或いは単板式のクラッチである。又、前記動力伝達経路には、例えば変速機が介在させられる。この変速機は、例えば種々の自動変速機(遊星歯車式自動変速機、同期噛合型平行2軸式自動変速機、DCT、CVT等)などである。又、前記駆動力源は、例えば内燃機関等のガソリンエンジンやディーゼルエンジン等が用いられるが、電動機等の他の原動機を単独で或いはエンジンと組み合わせて採用することもできる。
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される車両10に備えられた、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路の概略構成を説明する図であると共に、車両10における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。図1において、車両10は、駆動力源としてのエンジン12、上記動力伝達経路の一部を構成する、トルクコンバータ16や自動変速機18やディファレンシャルギヤ20や一対のドライブシャフト22などを備えている。車両10では、エンジン12により発生させられた動力は、トルクコンバータ16を経て入力軸24から自動変速機18へ入力され、自動変速機18の出力軸26からディファレンシャルギヤ20や一対のドライブシャフト22等を順次介して左右の駆動輪14へ伝達される。
トルクコンバータ16は、クランク軸28に連結された回転部材であるカバー16c内にポンプ翼車16pとタービン翼車16tとを収容配置しており、ポンプ翼車16pとタービン翼車16tとの間で流体を介して動力伝達を行う流体式伝動装置である。ポンプ翼車16pは、カバー16cと一体的に構成されており、エンジン12の動力により回転駆動されるトルクコンバータ16の入力側回転要素である。又、タービン翼車16tは、トルクコンバータ16の出力側回転要素であり、自動変速機18の入力回転部材である入力軸24にスプライン嵌合等によって相対回転不能に連結されている。又、トルクコンバータ16には、ポンプ翼車16p及びタービン翼車16tの間(すなわちトルクコンバータ16の入出力回転部材間)を直結可能なロックアップクラッチ30が設けられている。又、ポンプ翼車16pには、自動変速機18を変速制御したり、ロックアップクラッチ30の作動を制御したり、或いは各部に潤滑油を供給したりする為の元圧となる作動油圧をエンジン12によって回転駆動されることにより発生する機械式のオイルポンプ32が連結されている。
ロックアップクラッチ30は、カバー16cを構成するエンジン側の部材であるフロントカバー16cfと、タービン翼車16tとの間に、フロントカバー16cfへ接近離隔する方向へ移動可能に設けられている、クラッチピストン30pを備えている。クラッチピストン30pには、フロントカバー16cfと対向する面に摩擦材34が貼り着けられている。この摩擦材34は、耐久性或いは耐摩耗性を高める為に、例えばセルロースに樹脂を含浸させた材料などの、熱伝導率の比較的小さい材料で構成されている。尚、ロックアップクラッチ30としてはクラッチピストン30pなどを有するクラッチであるが、クラッチとして機能する上では、フロントカバー16cfなどを含む形でロックアップクラッチ30が構成されていると見ることもできる。従って、ロックアップクラッチ30は、摩擦材34が貼付された回転体としてのクラッチピストン30pと、そのクラッチピストン30pに相対する相手回転体としてのフロントカバー16cfとを有して、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路に介在させられたクラッチである。
このように構成されたロックアップクラッチ30は、ロックアップクラッチ30に付与する係合圧(すなわちクラッチピストン30pとタービン翼車16tとの間の空間である係合側油室36内の油圧Ponと、クラッチピストン30pとフロントカバー16cfとの空間である解放側油室38内の油圧Poffとの差圧ΔP(=Pon−Poff))が制御されることにより、フロントカバー16cfへの摩擦材34を介してのクラッチピストン30pの接触状態が変化させられてロックアップクラッチ30の作動状態が切り替えられる、油圧式の摩擦クラッチである。
ロックアップクラッチ30の作動状態としては、例えば差圧ΔPが負とされてロックアップクラッチ30が解放される所謂ロックアップ解放(ロックアップオフ)、差圧ΔPが零以上とされてロックアップクラッチ30が滑りを伴って半係合(スリップ作動)される所謂ロックアップスリップ状態(スリップ状態)、及び差圧ΔPが例えば最大値とされてロックアップクラッチ30が完全係合される所謂ロックアップ状態(係合状態、ロックアップオン)の3状態に大別される。ロックアップクラッチ30がロックアップオフさせられることにより、トルクコンバータ16はトルク増幅作用が得られる。又、ロックアップクラッチ30がロックアップオンさせられることにより、ポンプ翼車16p及びタービン翼車16tが一体回転させられてエンジン12の動力が自動変速機18側へ直接的に伝達される。又、ロックアップクラッチ30が所定の差回転速度(すなわち入出力回転速度差(スリップ量)=エンジン回転速度Ne−タービン回転速度Nt)Nslpにてスリップ作動するように差圧ΔPを制御するスリップ制御を行うことにより、車両10の駆動(パワーオン)時には所定のスリップ量Nslpでタービン軸がクランク軸28に対して追従回転させられる一方、車両の非駆動(パワーオフ)時には所定のスリップ量Nslpでクランク軸28がタービン軸に対して追従回転させられる。尚、ロックアップクラッチ30のスリップ状態においては、例えば差圧ΔPが零とされることによりそのロックアップクラッチ30のトルク分担がなくなって、トルクコンバータ16は、ロックアップオフと同等の運転条件とされる。
車両10には油圧制御回路40が備えられており、この油圧制御回路40により、例えばロックアップオフとスリップ状態乃至ロックアップオンとの切替え、スリップ状態乃至ロックアップオンへの切替え状態における差圧ΔPなどが制御される。油圧制御回路40は、オイルポンプ32が発生する油圧を元圧として制御油圧を発生させる。例えば、油圧制御回路40は、スリップ制御用リニアソレノイド弁SLUを備えている。このスリップ制御用リニアソレノイド弁SLUは、後述する電子制御装置70から供給されるロックアップクラッチ圧指令値(LUクラッチ圧指令値)Ssluに従って、ロックアップクラッチ30のスリップ状態乃至ロックアップオン時における係合圧である差圧ΔPを制御する制御油圧Psluを、LUクラッチ圧指令値Ssluに対応する駆動電流(励磁電流)Isluに比例して発生させる。
制御油圧Psluによって制御される差圧ΔPは、ロックアップクラッチ30の作動状態を表す油圧値であって、クラッチピストン30pを押圧する油圧値であり、本実施例ではロックアップクラッチ圧(LUクラッチ圧)Pluとする。又、このLUクラッチ圧Pluは、クラッチピストン30pに作用する力であるクラッチ押し付け力Flu、ロックアップクラッチ30のトルク容量(LUクラッチトルク)Tluに対応する油圧値でもある。又、LUクラッチ圧指令値Ssluや制御油圧Psluは、LUクラッチ圧Pluの油圧指令値(制御指示油圧)である。
車両10には、例えばロックアップクラッチ30の作動制御などに関連する車両10の制御装置を含む電子制御装置70が備えられている。電子制御装置70は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。例えば、電子制御装置70は、エンジン12の出力制御、ロックアップクラッチ30の作動制御、自動変速機18の変速制御等を実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用や油圧制御用等に分けて構成される。電子制御装置70には、各種センサ(例えばエンジン回転速度センサ50、入力軸回転速度センサ52、出力軸回転速度センサ54、アクセル開度センサ56、スロットル弁開度センサ58など)による検出値に基づく各種信号(例えばエンジン回転速度Ne、タービン回転速度Ntすなわち変速機入力軸回転速度Nin、車速Vに対応する変速機出力軸回転速度Nout、運転者による車両10に対する駆動要求量に対応するアクセル開度θacc、スロットル弁開度θthなど)が、それぞれ供給される。電子制御装置70からは、例えばエンジン12の出力制御の為のエンジン出力制御指令信号Se、ロックアップクラッチ30の作動を制御する為に油圧制御回路40に含まれる電磁弁(ソレノイドバルブ)等を作動させる為の油圧制御指令信号Sp、自動変速機18の油圧アクチュエータを制御する為に油圧制御回路40に含まれる電磁弁(ソレノイドバルブ)等を作動させる為の油圧制御指令信号Spなどが、スロットルアクチュエータや燃料噴射装置等のエンジン制御装置、油圧制御回路40などへそれぞれ出力される。
電子制御装置70は、車両10における各種制御の為の制御機能を実現する為に、エンジン出力制御手段すなわちエンジン出力制御部72、及びクラッチ制御手段すなわちクラッチ制御部74を備えている。
エンジン出力制御部72は、例えばアクセル開度Accをパラメータとして車速Vと要求駆動力Fdemとの予め実験的に或いは設計的に求められて記憶された(すなわち予め定められた)公知の関係(駆動力マップ;不図示)から実際のアクセル開度Acc及び車速Vに基づいて、運転者による車両10に対する駆動要求量としての要求駆動力Fdemを算出する。エンジン出力制御部72は、例えば駆動輪14のタイヤ有効半径、現在の自動変速機18のギヤ段Gにおけるギヤ比γ、出力軸26よりも駆動輪14側の動力伝達経路における終減速比、及びトルクコンバータ16のトルク比tに基づいて、要求駆動力Fdemが得られる要求エンジントルクTedemを算出する。そして、エンジン出力制御部72は、例えば要求エンジントルクTedemが得られるように、スロットルアクチュエータにより電子スロットル弁を開閉制御する他、燃料噴射量制御の為に燃料噴射装置による燃料噴射量を制御し、点火時期制御の為にイグナイタ等の点火装置を制御するエンジン出力制御指令信号Seを出力する。尚、トルクコンバータ16のトルク比tは、例えば速度比e(=タービン回転速度Nt/ポンプ回転速度Np(エンジン回転速度Ne))とトルク比t、効率、及び容量係数とのそれぞれの予め定められた公知の関係(トルクコンバータ16の作動特性図;不図示)から実際の速度比eに基づいて、電子制御装置70により算出される。又、前記駆動要求量としては、駆動輪14における要求駆動力Fdem[N]の他に、駆動輪14における要求駆動トルク[Nm]、駆動輪14における要求駆動パワー[W]、出力軸26における要求変速機出力トルク等を用いることもできる。又、駆動要求量として、単にアクセル開度θacc[%]やスロットル弁開度θth[%]や吸入空気量Qair[g/sec]等を用いることもできる。又、要求エンジントルクTedemは、運転者により要求されたエンジントルクTeであるドライバ要求トルクであり、要求駆動力Fdemを算出することなく、直接的にアクセル開度Acc等に基づいて算出されても良い。
クラッチ制御部74は、例えば車速V及び要求駆動力Fdemを変数としてロックアップオフ領域、ロックアップスリップ領域、及びロックアップオン領域を有する予め定められた公知の関係(マップ、ロックアップ領域線図;不図示)から、実際の車速V及び要求駆動力Fdemで示される車両状態に基づいてロックアップクラッチ30の作動状態の切替えを制御する。例えば、クラッチ制御部74は、ロックアップスリップ領域であると判断した場合には、ロックアップクラッチ30の実際のスリップ量Nslpが所定のスリップ量Nslpとしての目標スリップ量Nslptgtとなるように差圧ΔP(LUクラッチ圧Plu)を制御する為の油圧制御指令信号Spを油圧制御回路40へ出力する。上記ロックアップスリップ領域は、例えば上記ロックアップオン領域と比較して低車速領域にて設定されており、ロックアップ作動領域を拡大して燃費を向上させる為の領域である。又、上記ロックアップスリップ領域は、例えばドライバビリティやこもり音(例えばNVH(騒音・振動・乗り心地)性能)を考慮して設定されている領域でもある。
一般的に、クラッチへの入力トルクに対してクラッチのトルク容量(クラッチトルク)が小さいと、クラッチに滑りが生じる。従って、本実施例の電子制御装置70は、例えばロックアップクラッチ30へ入力される入力トルク(すなわちエンジントルクTe)に対して、目標スリップ量Nslptgtを実現させる為の予め定められたフィードフォワード量を算出し、又、実際のスリップ量Nslpを目標スリップ量Nslptgtと一致させる為のフィードバック制御量を算出し、フィードフォワード量及びフィードバック制御量が得られる為の油圧指令値(油圧制御指令信号Sp)を算出する。
具体的には、電子制御装置70は、更に、フィードフォワード量算出手段すなわちフィードフォワード量算出部76、フィードバック制御量算出手段すなわちフィードバック制御量算出部78、及び油圧指令値設定手段すなわち油圧指令値設定部80を備えている。
フィードフォワード量算出部76は、例えばロックアップクラッチ30への入力トルクの推定値(推定入力トルク)としてエンジントルクTeの推定値(推定エンジントルクTees)を算出する。フィードフォワード量算出部76は、例えばスロットル弁開度θthをパラメータとしてエンジン回転速度NeとエンジントルクTeとの予め定められた公知の関係(マップ、エンジントルク特性図;不図示)から、スロットル弁開度θth及びエンジン回転速度Neに基づいて推定エンジントルクTeesを算出する。或いは、この推定エンジントルクTeesは、例えばトルクセンサなどにより検出されるエンジントルクTeなどが用いられても良い。そして、フィードフォワード量算出部76は、例えばエンジントルクTeとフィードフォワード油圧(フィードフォワード係合圧)との予め定められた関係から、推定エンジントルクTeesに基づいて、フィードフォワード油圧であるLUクラッチ圧_FF量Pluffを、フィードフォワード量として算出する。或いは、フィードフォワード量算出部76は、例えばエンジントルクTeとフィードフォワードトルク(フィードフォワードクラッチトルク)との予め定められた関係から、推定エンジントルクTeesに基づいて、フィードフォワードトルクであるLUクラッチトルク_FF量Tluffを、フィードフォワード量として算出しても良い。
フィードバック制御量算出部78は、例えば比例項(P成分)、積分項(I成分)、及び微分項(D成分)を有する予め定められたフィードバック制御式から、実際のスリップ量Nslpと目標スリップ量Nslptgtとのスリップ量偏差ΔNslp(=Nslptgt−Nslp)に基づいて、フィードバック油圧(フィードバック係合圧)であるLUクラッチ圧_FB量Plufbを、フィードバック制御量として算出する。或いは、フィードバック制御量算出部78は、例えば予め定められたフィードバック制御式から、スリップ量偏差ΔNslpに基づいて、フィードバックトルクであるLUクラッチトルク_FB量Tlufbを、フィードバック制御量として算出しても良い。
油圧指令値設定部80は、例えばフィードフォワード量算出部76により算出されたフィードフォワード量と、フィードバック制御量算出部78により算出されたフィードバック制御量とを合算した合算値を算出し、その合算値を実現するLUクラッチ圧Pluを算出し、そのLUクラッチ圧Pluを得る為の制御油圧Psluを算出し、制御油圧Psluに対応するLUクラッチ圧指令値Ssluを設定する。例えば、油圧指令値設定部80は、フィードフォワード量としてLUクラッチ圧_FF量Pluffが算出され、フィードバック制御量としてLUクラッチ圧_FB量Plufbが算出される場合には、LUクラッチ圧_FF量PluffとLUクラッチ圧_FB量Plufbとを合算したLUクラッチ圧合算値Plu(ff+fb)(=Pluff+Plufb)を算出し、そのLUクラッチ圧合算値Plu(ff+fb)をそのままそれを実現するLUクラッチ圧Pluとして算出し、そのLUクラッチ圧Pluを得る為の制御油圧Psluを算出し、その制御油圧Psluに対応するLUクラッチ圧指令値Ssluを設定する。或いは、例えば、油圧指令値設定部80は、フィードフォワード量としてLUクラッチトルク_FF量Tluffが算出され、フィードバック制御量としてLUクラッチトルク_FB量Tlufbが算出される場合には、LUクラッチトルク_FF量TluffとLUクラッチトルク_FB量Tlufbとを合算したLUクラッチトルク合算値Tlu(ff+fb)(=Tluff+Tlufb)を算出し、クラッチ圧,クラッチピストン受圧面積,摩擦面(例えば摩擦材34部分)の直径,摩擦材34の摩擦係数μなどに基づいてクラッチのトルク容量を算出するという一般式からそのLUクラッチトルク合算値Tlu(ff+fb)を実現するLUクラッチ圧Pluを算出し、そのLUクラッチ圧Pluを得る為の制御油圧Psluを算出し、その制御油圧Psluに対応するLUクラッチ圧指令値Ssluを設定する。クラッチ制御部74は、油圧指令値設定部80により設定されたLUクラッチ圧指令値Ssluを油圧制御回路40へ出力して、ロックアップクラッチ30の作動状態を制御する。
ところで、例えば経時変化に因り、ロックアップクラッチ30の物理的な特性(例えば摩擦材34の摩擦係数μ)が変化する可能性がある。これに対して、本実施例では、あるパラメータの区分分けした各領域毎に学習値を持つことなく、連続な変化に対応するように、上記合算値を実現するLUクラッチ圧Pluを学習補正する学習制御を提案する。その為、電子制御装置70は、更に、ロックアップクラッチ30のスリップ作動時に、LUクラッチ圧Pluを学習補正する学習制御手段すなわち学習制御部82を備えている。
学習制御部82は、現在出力されているLUクラッチ圧指令値Ssluに対応するLUクラッチ圧Pluに基づいて、クラッチピストン30pとフロントカバー16cfとの間に作用するクラッチ押し付け力(すなわちLUクラッチ圧Pluによりクラッチピストン30pを押す力)Fluを算出するクラッチ押し付け力算出手段すなわちクラッチ押し付け力算出部84と、クラッチ押し付け力算出部84により算出されたクラッチ押し付け力Fluとフィードフォワード量算出部76により算出された推定エンジントルクTees(推定入力トルク)とに基づいて摩擦材34の推定摩擦係数μesを算出する推定摩擦係数算出手段すなわち推定摩擦係数算出部86と、推定摩擦係数算出部86により算出された推定摩擦係数μesと予め定められた摩擦材34の所定摩擦係数μpreとの差分Δμ(=μpre−μes)を学習値Δμとして算出して記憶する学習値算出記憶手段すなわち学習値算出記憶部88とを備え、学習値算出記憶部88により記憶された学習値Δμを用いて、油圧指令値設定部80により算出された、上記合算値を実現するLUクラッチ圧Pluを補正する。
図2は、電子制御装置70の制御作動の要部を実現する制御構造、すなわちクラッチ制御部74によりロックアップクラッチ30のスリップ作動が実行されている場合に、クラッチのスリップ作動を適切に実行する為の制御構造を示すブロック図であり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。
図2において、フィードフォワード量算出部76に対応するブロックB1では、例えば前記エンジントルク特性図からスロットル弁開度θth及びエンジン回転速度Neに基づいて、ロックアップクラッチ30への推定入力トルクとして推定エンジントルクTeesが算出される。又、フィードフォワード量算出部76に対応するブロックB2では、例えばブロックB1にて算出された推定エンジントルクTeesに基づく予め定められたフィードフォワード油圧としてLUクラッチ圧_FF量Pluffが算出される。又、フィードバック制御量算出部78に対応するブロックB3では、例えば予め定められたフィードバック制御式からスリップ量偏差ΔNslpに基づいて、フィードバック油圧としてLUクラッチ圧_FB量Plufbが算出される。又、クラッチ押し付け力算出部84に対応するブロックB4では、例えばクラッチ圧とクラッチピストン受圧面積との乗算値がクラッチ押し付け力であるという一般式から、予め定められたクラッチピストン30pの受圧面積の値、及び現在出力されているLUクラッチ圧指令値Ssluに対応するLUクラッチ圧Pluに基づいて、クラッチ押し付け力Fluの推定値(推定クラッチ押し付け力Flues)が算出される。
又、推定摩擦係数算出部86に対応するブロックB5では、例えばクラッチ圧とクラッチピストン受圧面積と摩擦材34部分の平均直径と摩擦材34の摩擦係数μとの乗算値がクラッチのトルク容量であるという一般式から、予め定められた摩擦材34部分の平均直径の値、ブロックB1にて算出された推定エンジントルクTees(LUクラッチトルクTluに対応)、及びブロックB4にて算出された推定クラッチ押し付け力Flues(クラッチ圧とクラッチピストン受圧面積との乗算値)に基づいて、摩擦材34の推定摩擦係数μesが算出される。すなわち、このブロックB5では、推定エンジントルクTeesを、推定クラッチ押し付け力Fluesに基づいて算出される、クラッチピストン30pとフロントカバー16cfとの間に作用するクラッチ押し付けトルク(=Flues×摩擦材34部分の平均直径)にて除算した値が、摩擦材34の推定摩擦係数μesとして算出される。尚、ロックアップクラッチ30が完全係合している状態では、推定エンジントルクTeesに比べてLUクラッチトルクTluが十分に大きな値となっており、推定エンジントルクTeesはLUクラッチトルクTluに対応する値とならない。従って、このブロックB5の実行においては、少なくともロックアップクラッチ30がスリップ状態とされていることが必要であり、好適には、例えばスリップ状態となるとき(滑り出す瞬間)や僅かなスリップ量でのスリップ状態とされていることが好ましい。但し、学習制御部82による学習補正を行う一連の制御作動(例えば図2の制御構造の実行)は、ロックアップクラッチ30のスリップ作動時に実行されるので、ブロックB5の実行に関してスリップ作動を条件とする必要はない。
又、電子制御装置70のROM等に対応するブロックB6には、摩擦材34の摩擦係数μの設計値である所定摩擦係数μpreが記憶されている。又、学習値算出記憶部88に対応するブロックB7では、例えばブロックB5にて算出された摩擦材34の推定摩擦係数μesとブロックB6に記憶されている摩擦材34の所定摩擦係数μpreとの差分Δμが算出され、制御サイクル毎に算出された差分Δμの値がローパスフィルタ等の平滑回路により均されて差分Δμの平均値(差分平均値Δμave)が算出され、その差分平均値Δμaveが最新の値に更新されつつ学習値として電子制御装置70が備える不揮発性メモリなどに記憶される。
又、学習制御部82に対応するブロックB8では、例えばブロックB7にて記憶された学習値Δμaveを用いて、ブロックB2にて算出されたLUクラッチ圧_FF量PluffとブロックB3にて算出されたLUクラッチ圧_FB量Plufbとを合算したLUクラッチ圧合算値Plu(ff+fb)を実現するLUクラッチ圧Pluを補正する為の補正用油圧(補正用係合圧)である補正用クラッチ圧ΔPluが算出される。例えば、クラッチ圧とクラッチピストン受圧面積と摩擦材34部分の平均直径と摩擦材34の摩擦係数μとの乗算値がクラッチのトルク容量(クラッチの入力トルクに対応)であるという一般式から、摩擦材34の所定摩擦係数μpreが学習値Δμave分だけ変化したことで、同じ推定入力トルク(推定エンジントルクTees)とする為にLUクラッチ圧Pluを変化させる必要がある油圧変化分が、補正用クラッチ圧ΔPluとして算出される。
又、学習制御部82及び油圧指令値設定部80に対応するブロックB9では、例えばブロックB2にて算出されたLUクラッチ圧_FF量PluffとブロックB3にて算出されたLUクラッチ圧_FB量Plufbとを合算したLUクラッチ圧合算値Plu(ff+fb)が算出され、そのLUクラッチ圧合算値Plu(ff+fb)がそのままそれを実現するLUクラッチ圧Pluとして算出され、ブロックB8にて算出された補正用クラッチ圧ΔPluがそのLUクラッチ圧Pluに加算されることでそのLUクラッチ圧Pluが補正される。そして、その補正後のLUクラッチ圧Pluを得る為の制御油圧Psluが算出され、その制御油圧Psluに対応するLUクラッチ圧指令値Ssluが設定される。
図3は、図2と同様に、電子制御装置70の制御作動の要部を実現する制御構造、すなわちクラッチ制御部74によりロックアップクラッチ30のスリップ作動が実行されている場合に、クラッチのスリップ作動を適切に実行する為の制御構造を示すブロック図であり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。この図3では、フィードフォワード量としてLUクラッチ圧_FF量Pluffに替えてLUクラッチトルク_FF量Tluffが算出され、フィードバック制御量としてLUクラッチ圧_FB量Plufbに替えてLUクラッチトルク_FB量Tlufbが算出される為に、制御油圧Psluに対する学習値Δμaveの反映のさせ方を図2と異ならせたものであり、実質的に図2と同じ機能を有している。図3において、図2と同じ部分については同じブロックの数値を用いて、その説明を省略する。以下に、図3において、図2と異なる部分について主に説明する。
図3において、フィードフォワード量算出部76に対応するブロックB2’では、例えばブロックB1にて算出された推定エンジントルクTeesに基づく予め定められたフィードフォワードトルクとしてLUクラッチトルク_FF量Tluffが算出される。又、フィードバック制御量算出部78に対応するブロックB3’では、例えば予め定められたフィードバック制御式からスリップ量偏差ΔNslpに基づいて、フィードバックトルクとしてLUクラッチトルク_FB量Tlufbが算出される。
又、学習制御部82及び油圧指令値設定部に対応するブロックB8’では、例えばブロックB7にて記憶された学習値Δμaveを用いて、ブロックB2’にて算出されたLUクラッチトルク_FF量TluffとブロックB3’にて算出されたLUクラッチトルク_FB量Tlufbとを合算したLUクラッチトルク合算値Tlu(ff+fb)を実現するLUクラッチ圧Pluを補正する為の補正用摩擦係数μcorが算出され、補正後のLUクラッチ圧Pluが算出される。例えば、ブロックB6に記憶されている所定摩擦係数μpreからブロックB7にて記憶された学習値Δμaveを減算して補正用摩擦係数μcor(=μpre−Δμave)が算出される。そして、クラッチ圧とクラッチピストン受圧面積と摩擦材34部分の平均直径と摩擦材34の摩擦係数μとの乗算値がクラッチのトルク容量であるという一般式から、LUクラッチトルク合算値Tlu(ff+fb)を補正用摩擦係数μcorにて除算してクラッチ押し付けトルク(=LUクラッチ圧Plu×クラッチピストン受圧面積×摩擦材34部分の平均直径)が算出され、そのクラッチ押し付けトルクに基づいて補正後のLUクラッチ圧Pluが算出される。又、油圧指令値設定部80に対応するブロックB9’では、例えばブロックB8’にて算出された補正後のLUクラッチ圧Pluを得る為の制御油圧Psluが算出され、その制御油圧Psluに対応するLUクラッチ圧指令値Ssluが設定される。
このように、図2、図3において、摩擦材34の推定摩擦係数μesが適切に算出される。又、学習値Δμaveが適切に算出される。
図4は、図2或いは図3の制御構造に従ってロックアップクラッチ30のスリップ作動を実行した場合の本実施例の一例を示すタイムチャートである。又、図5は、LUクラッチ圧Pluを学習補正することなく、ロックアップクラッチ30のスリップ作動を実行した場合の比較例の一例を示すタイムチャートである。図4及び図5では、共に、アクセル踏み増し(t1時点参照)が行われ、その後、アクセル踏み戻し(t2時点参照)が行われた場合を示している。図4では、制御上の摩擦係数μが学習補正され、制御油圧Psluが学習補正されることで、図5と比較して、学習効果によりフィードバック成分(特にPIDの積分項(I成分))が少なく済んでいる。このように、図4の実施例では、LUクラッチ圧Pluが適切に補正されて、ロックアップクラッチ30のスリップ作動が適切に実行される。又、ロックアップクラッチ30が目標スリップ量Nslptgtにてスリップ作動するようにLUクラッチ圧Pluを制御するときのフィードバック成分が小さくされて、制御の応答性が向上される。
上述のように、本実施例によれば、ロックアップクラッチ30の物理的な特性の1つである摩擦材34の所定摩擦係数μpreからの乖離分を学習値として用いるので、あるパラメータの区分分けした各領域毎に学習値を持つことなく、1つの学習値を用いてLUクラッチ圧Pluを適切に学習補正することができる。又、区分分けされたあるパラメータの各領域毎に格納された学習値を用いていないので、LUクラッチ圧Pluを連続な変化に対応するように適切に学習補正することができる。従って、例えばアクセル踏み増しやアクセル踏み戻しといった状態変化やロックアップクラッチ30やオイル(作動油)の経時変化に対応したリニヤな制御を行うことができる。よって、ロックアップクラッチ30のスリップ作動を適切に実行することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、本発明が適用されるクラッチとしてトルクコンバータ16に設けられたロックアップクラッチ30を挙げたが、これに限らない。例えば、駆動力源と駆動輪との間の動力伝達経路を断接することができる公知の多板(或いは単板)の湿式(或いは乾式)の摩擦クラッチに、本発明を適用しても良い。ロックアップクラッチ30とは別の摩擦クラッチとしては、例えば油圧制御回路によってそれぞれ係合と解放とが制御され、その油圧制御回路内のソレノイドバルブ等の調圧によりそれぞれのトルク容量が変化させられて、それが介挿されている両側の部材を選択的に連結する油圧式の摩擦クラッチである。この摩擦クラッチが多板クラッチの場合、クラッチのトルク容量を求める一般式は、例えば(クラッチ圧とクラッチピストン受圧面積との乗算値からリターンスプリング力を減算した値)と摩擦材部分の平均直径と摩擦板面数と摩擦材の摩擦係数との乗算値となる。又、流体式伝動装置としてトルクコンバータ16が用いられていたが、これに限らない。例えば、トルク増幅作用のない流体継手(フルードカップリング)などの他の流体式伝動装置が用いられても良い。又、車両10には、自動変速機18が設けられていたが、この自動変速機18は必ずしも設けられなくても良い。要は、スリップ作動が可能な摩擦クラッチが設けられる車両であれば、本発明は適用され得る。従って、ロックアップクラッチ30とは別の、本発明を適用することができる摩擦クラッチが車両に設けられていれば、トルクコンバータ16は必ずしも設けられなくても良い。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両
12:エンジン(駆動力源)
14:駆動輪
16cf:フロントカバー(相手回転体)
30:ロックアップクラッチ(クラッチ)
30p:クラッチピストン(回転体)
34:摩擦材
70:電子制御装置(制御装置)

Claims (1)

  1. 摩擦材が貼付された回転体と該回転体に相対する相手回転体とを有して、駆動力源と駆動輪との間の動力伝達経路に介在させられたクラッチを備えた車両において、前記クラッチが所定の差回転速度にてスリップ作動するように前記クラッチに付与する係合圧を制御する、車両の制御装置であって、
    前記クラッチのスリップ作動時に、
    前記係合圧に基づいて、前記回転体と前記相手回転体との間に作用するクラッチ押し付け力を算出し、
    前記クラッチ押し付け力と前記クラッチへ入力される入力トルクとに基づいて、前記摩擦材の推定摩擦係数を算出し、
    前記推定摩擦係数と予め定められた前記摩擦材の所定摩擦係数との差分を学習値として算出して記憶し、
    前記学習値を用いて前記クラッチに付与する係合圧を補正することを特徴とする車両の制御装置。
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