以下、本発明の実施形態について図1〜3を参照しながら説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。
本発明に係る検知具は、薬剤を包装した包装体から薬剤が排出されたことを検知可能に構成される。具体的には、検知具は、斯かる包装体に通電可能な導線が付されてなる導線付き包装体と電気的に接続可能に構成され、該導線の通電状態の変化を検知可能に構成される。このため、本発明に係る検知具について説明する前に、斯かる検知具に対応した導線付き包装体について説明する。
本実施形態では、導線付き包装体は、図1(a)に示すように、薬剤を収容した包装体Xと、該包装体Xに貼り付けられるラベルZとから構成される。包装体Xは、シート状の形状を有し、固形の薬剤(錠剤やカプセル等)を複数箇所に収容可能に構成される。また、包装体Xは、包装された薬剤が排出される排出領域X1を複数箇所に備える。
また、包装体Xは、外周形状の一部が切り取り可能に構成された切り取り可能領域X2を備える。該切り取り可能領域X2は、包装体Xを切断する切断構造(具体的には、ミシン目やハーフカット等)X2aによって囲まれた領域(具体的には、包装体Xの端縁と切断構造X2aで囲まれた領域)から構成される。また、切り取り可能領域X2は、包装体XにラベルZが貼り付けられた状態で、後述するラベルZの接続部Z1を覆うように形成される。そして、切り取り可能領域X2が包装体Xから切り取られることで、包装体Xに切欠部X8が形成される。また、包装体Xは、薬剤Yが収容される収容部X3を備える本体部X4と、収容部X3を閉塞する閉塞部材X5とから構成される。
本体部X4は、シート状の部材(例えば、熱可塑性樹脂のシート等)が一つ又は複数箇所で凹状となるように成形されることで形成される。本実施形態では、シート状の部材が複数箇所で凹状となるように成形されることで、本体部X4に、凹状の収容部X3が複数形成されると共に、該収容部X3から薬剤Yを排出させる排出口X6が複数形成される。また、本体部X4は、ラベルZが貼り付けられる面の反対側に向かって突出する嵌合突起X7を備える。該嵌合突起X7は、本体部X4の端部に間隔を空けて複数形成される。本実施形態では、二つの嵌合突起X7,X7が形成されており、二つの嵌合突起X7,X7の間に切欠部X8が位置する。
一方、閉塞部材X5は、シート状の本体部X4に積層されることで、本体部X4の排出口X6を閉塞するように構成される。具体的には、閉塞部材X5は、シート状の素材から構成され、本体部X4の排出口X6を覆うように本体部X4に積層されることで(具体的には、貼り付けられることで)排出口X6を閉塞するように構成される。
また、閉塞部材X5は、本体部X4よりも容易に破断可能に構成される。具体的には、閉塞部材X5は、アルミ箔等のシート材から構成され、収容部X3に収容された薬剤Yを収容部X3の外側から収容部X3と共に閉塞部材X5側へ押圧することで、薬剤Yに押圧された閉塞部材X5が破断されるように構成される。これにより、閉塞部材X5の破断した領域から薬剤Yを取り出す(排出する)ことが可能となっている。
つまり、包装体Xにおける閉塞部材X5が破断可能な領域によって排出領域X1が構成されている。また、上記のような構成の包装体Xは、所謂、ブリスターパック言われるものであり、医療分野で使用される薬剤を包装するものが知られているが、他の分野で使用される薬剤を包装するものであってもよい。
本実施形態に係るラベルZは、シート状の形状を有し、包装体Xにおける排出領域X1が形成される面に貼り付け可能に構成される。具体的には、ラベルZは、一方の面側に粘着層(図示せず)を備え、該一方の面側が包装体Xに貼り付け可能に構成される。また、ラベルZは、外周形状が包装体Xの外周形状と略同一又は僅かに小さくなるように形成される。これにより、ラベルZは、包装体Xに貼り付けられた状態で、包装体Xからはみ出ないように構成される。また、ラベルZは、本発明に係る検知具と電気的に接続可能な接続部Z1を備える。また、ラベルZは、シート状に形成された本体シートZ2と、収容部X3からの薬剤Yの排出に伴って本体シートZ2を破断させる破断構造Z3と、本体シートZ2の少なくとも一方の面側に形成されて通電可能な導線Z4とを備える。
本体シートZ2は、電気絶縁性を有するシート材(具体的には、合成樹脂、合成紙、紙等からなる絶縁シート)から構成される絶縁層と、該シート材の一方の面に形成された粘着層とを備える。なお、本体シートZ2は、全体として電気絶縁性を有するものであればよく、複数のシート材(図示せず)が積層されて絶縁層が構成されてもよい。
破断構造Z3は、本体シートZ2内の所定の領域に沿って(具体的には、所定の領域を囲むように)形成される。本実施形態では、ラベルZが包装体Xに貼り付けられた際に、包装体Xの排出領域X1と重なる領域を連続的又は断続的に囲むように破断構造Z3が形成される。また、破断構造Z3は、排出領域X1の外周形状に対応するように環状(本実施形態では、楕円形状)に形成される。これにより、本体シートZ2における破断構造Z3によって囲まれた領域(破断構造内領域)Z2aが排出領域X1と重なるように(具体的には、覆うように)構成される。
破断構造Z3としては、特に限定されるものではなく、例えば、本体シートZ2の厚みが部分的に薄くなるように形成されることで、破断構造Z3が構成される。具体的には、本体シートZ2の厚みが破断構造Z3で囲まれた内側の領域と外側の領域との間で、斯かる領域よりも線状に薄くなるように形成されることで、斯かる領域よりも破断し易くなるように構成することができる。
導線Z4は、本体シートZ2の一方の面側に、導電性を有する材料(例えば、銀やアルミニウム等)が積層されて形成される。導線Z4を形成する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、本体シートZ2の一方の面側に、銀インクを印刷したり、アルミニウムによるエッジング処理を行ったりする方法を採用することができる。また、導線Z4は、各端部が本体シートZ2の端部に収束するように形成され、通電可能な回路を構成する。つまり、導線Z4の端部が収束した位置にラベルZにおける接続部Z1が形成される。
また、導線Z4は、破断構造Z3と交差するように形成されると共に、ラベルZが包装体Xに貼り付けられた際に、包装体Xの排出領域X1と重なるように形成される。これにより、図1(b)に示すように、ラベルZが包装体Xに貼り付けられて導線付き包装体XZが形成された状態で、包装体Xから薬剤Yが排出されることで、斯かる排出に伴って、破断構造Z3で本体シートZ2が破断される。この際、破断構造Z3と交差する位置で導線Z4が切断される。つまり、導線Z4は、包装体Xからの薬剤Yの排出に伴って、切断されるように構成される。
なお、本発明に係る検知具が導線付き包装体XZに取り付けられる際には、切断構造X2aで包装体Xの端部が切断されて、切り取り可能領域X2が包装体Xから切り取られる。これにより、包装体Xに切欠部X8が形成される。該切欠部X8が形成されることで、切り取り可能領域X2によって覆われていたラベルZの接続部Z1が切欠部X8の内側に露出することになる。
上記のような構成の導線付き包装体XZに対して取り付け可能な検知具としては、図2に示す検知具1が挙げられる。該検知具1は、図2(a)に示すように、導線付き包装体XZを挟み込む挟込部2と、該挟込部2を構成する一対の挟込片2d,2e(一対の挟込片2d,2eについては、後述する)を連結する連結部3とを備える。
挟込部2は、一方向が長手となるように(矩形状に)形成されて導線付き包装体XZと接触する第一部位2aを備える。また、挟込部2は、該第一部位2aと連結部3との間に形成されて第一部位2aの長手方向の両端部の間(具体的には、略中央部)に位置する第二部位2bを備える。また、挟込部2は、検知具1に対して導線付き包装体XZを相対的に位置決めする位置決め構造2cを更に備える。
挟込部2は、導線付き包装体XZを挟み込み可能に構成された一対の挟込片2d,2eから構成される。つまり、該一対の挟込片2d,2eのそれぞれは、挟込部2の第一部位2aを構成する部位と、第二部位2bを構成する部位とから構成される。該一対の挟込片2d,2eは、重なるように配置されると共に、それぞれの端部が連結部3で連結される。本実施形態では、一対の挟込片2d,2eの端部同士が連結されて蝶番構造を有する連結部3が構成される。
また、一方の挟込片2eは、他方の挟込片2dと部分的に重ならないように構成される。つまり、挟込部2は、一対の挟込片2d,2eが重ならないように構成された非重なり部2fを備える。該非重なり部2fは、挟込部2の端部において、挟込部2の長手方向に沿って(具体的には、長手方向の全域に亘って)形成される。また、一方の挟込片2eは、ラベルZの接続部Z1と当接する当接部2gを備える。該当接部2gは、接続部Z1と当接した状態で、接続部Z1を構成する導線Z3と電気的に接続可能に構成される。つまり、検知具1は、当接部2gにおいて導線Z3と電気的に接続可能に構成される。
また、図2(b)に示すように、挟込部2は、一対の挟込片2d,2eが接離可能に構成されることで、導線付き包装体XZを挟み込み可能に構成される。本実施形態では、一対の挟込片2d,2eは、連結部3を軸に一端部(連結部3に対向する側の端部であり、非重なり部2fが形成される側の端部)同士が接離可能に構成される。以下の説明では、一対の挟込片2d,2eの一端部が離間した状態を挟込部2(具体的には、一対の挟込片2d,2e)が開いた状態という。また、斯かる一端部が接近した状態を挟込部2(具体的には、一対の挟込片2d,2e)が閉じた状態という。
また、一対の挟込片2d,2eは、閉じた状態で導線付き包装体XZを挟持可能に構成される。具体的には、一対の挟込片2d,2eに導線付き包装体XZが挟み込まれた状態で、導線付き包装体XZが一方の挟込片2eによって他方の挟込片2dに付勢されると共に、他方の挟込片2dによって一方の挟込片2eに付勢されることで、導線付き包装体XZが一対の挟込片2d,2eに挟持されるように構成される。なお、一対の挟込片2d,2eによって導線付き包装体XZを挟持させる方法としては、特に限定されるものではく、一対の挟込片2d,2eにおける蝶番構造を構成する端部同士の摩擦によって、導線付き包装体XZが挟持されてもよく、蝶番構造内に備えられたバネ部材の作用によって導線付き包装体XZが挟持されてもよい。
また、挟込部2は、一対の挟込片2d,2eが閉じた状態で、一対の挟込片2d,2eの間に空間Rが形成されるように構成される。つまり、挟込部2は、斯かる空間Rにおいて導線付き包装体XZを挟み込み可能に構成される。
図2(a)にもどり、位置決め構造2cは、挟込部2の長手方向の両端部に形成される。また、位置決め構造2cは、一対の挟込片2d,2eの重なる部分に形成される。また、位置決め構造2cは、図2(b)に示すように、一方の挟込片2eに設けられる。本実施形態では、位置決め構造2cは、一方の挟込片2eにおける導線付き包装体XZと当接する面が凹状になるように形成された位置決め凹部2hから構成される。該位置決め凹部2hは、導線付き包装体XZ(具体的には、嵌合突起X7)と凹凸嵌合可能に構成される。
なお、挟込部2(具体的には、一対の挟込片2d,2eの少なくとも一方)は、ラベルZの導線Z4と電気的に接続されることで該導線Z4の通電状態を検知する検知装置を備える。該検知装置は、導線Z4の通電状態の変化を記録したり、外部の機器へ送信したりする装置を含むものであってもよい。また、斯かる記録装置や送信装置が検知装置とは、別に挟込部2に備えられてもよい。本実施形態では、検知装置は、当接部2g内に備えられる。
次に、上記のように構成される検知具1の使用方法について説明する。図3(a)に示すように、まず初めに、一対の挟込片2d,2eを開いた状態にする。そして、一対の挟込片2d,2eの間に導線付き包装体XZを配置する。この際、導線付き包装体XZの嵌合突起X7を検知具1の位置決め凹部2hに挿入することで、嵌合突起X7と位置決め凹部2hとを凹凸嵌合させる。
そして、図3(b)に示すように、一対の挟込片2d,2eを閉じることで、一対の挟込片2d,2eによって導線付き包装体XZが挟み込まれた状態で挟持される。この際、ラベルZにおける接続部Z1が挟込部2によって覆われた状態になると共に、該接続部Z1が検知具1(具体的には、当接部2g)と電気的に接続されることで、導線付き包装体XZに検知具1が取り付けられる。
そして、上記のように、導線付き包装体XZに検知具1が取り付けられた状態で、包装体Xの収容部X3から薬剤Yが排出されることで、薬剤Yの排出に伴って導線Z4が切断され、導線Z4の通電状態に変化が生じることになる。これにより、斯かる変化が検知具1で検知されることになる。なお、検知具1が通電状態の変化が生じた日時等の情報(服用情報)を記録したり、外部の機器へ送信したりすることが可能である場合には、服用情報を確認することで、包装体Xから薬剤Yが排出されたか否か、即ち、薬剤Yが適切な条件で服用されたか否かを確認することが可能となる。
以上のように、本発明に係る検知具によれば、薬剤を収容した包装体に通電可能な導線が付されてなる導線付き包装体への取り付けを容易に行うことができると共に、導線との電気的な接続を確実に行うことができる。
即ち、一対の挟込片2d,2eが接離可能であるため、一対の挟込片2d,2eを離間させることで、一対の挟込片2d,2eの間の間隔が広くなる。これにより、一対の挟込片2d,2eの間に導線付き包装体XZを容易に配置することが可能になる。このため、導線付き包装体XZに対する検知具1の取り付け(導線Z3と検知具1との電気的な接続)を容易に行うことができる。
加えて、位置決め構造2cを備えることで、一対の挟込片2d,2eに対する導線付き包装体XZの相対的な位置関係を定める(好ましくは、固定する)ことができる。このため、導線Z3と検知具1との電気的な接続を確実に行うことができる。更に、導線付き包装体XZを一対の挟込片2d,2eで挟み込むことが可能であるため、検知具1に対する導線付き包装体XZの取り付け状態を確実に維持することができる。
また、一方の挟込片2eに位置決め凹部2hが形成されることで、検知具1で導線付き包装体XZを挟み込む際に、該位置決め凹部2hが導線付き包装体XZ(嵌合突起X7)と凹凸嵌合することになる。このため、検知具1と導線付き包装体XZとの相対的な位置関係が確実に定まる(好ましくは、固定される)ため、導線Z3と検知具1との電気的な接続をより確実に行うことができる。
また、導線付き包装体XZに検知具1が取り付けられる前の状態においては、包装体の切り取り可能領域X2によってラベルZの接続部Z1が覆われているため、該接続部Z1に埃や水分等が付着したり、接続部Z1が破損したりするのを防止することができる。つまり、切り取り可能領域X2によって接続部Z1を保護することができる。一方、切り取り可能領域X2が包装体Xから切り取られることで(つまり、切欠部X8が形成されることで)、切欠部X8からラベルZの接続部Z1が露出するため、挟込部2と接続部Z1との電気的な接続を容易に行うことができる。
なお、本発明に係る検知具は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。また、上記した複数の実施形態の構成や方法等を任意に採用して組み合わせてもよく(1つの実施形態に係る構成や方法等を他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよく)、さらに、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
例えば、上記実施形態では、一対の挟込片2d,2eが蝶番構造で連結され、該蝶番構造の摩擦や蝶番構造内のバネ部材の作用によって、一対の挟込片2d,2eが導線付き包装体XZを挟持可能に構成されているが、これに限定されるものではない。
例えば、図4(a)に示す検知具10では、連結部3から延出するように形成されて指等で摘むことが可能な摘み部4と、該摘み部4に取り付けられるバネ部材5とを備える。該摘み部4は、一対の摘み片4a,4bから構成される。そして、一方の摘み片4bが一方の挟込片2eにおける連結部3を構成する端部に連結され、他方の摘み片4aが他方の挟込片2dにおける連結部3を構成する端部に連結される。これにより、連結部3を軸に一対の摘み片4a,4bを接離させることで、一対の挟込片2d,2eが開閉される。
また、一対の摘み片4a,4bの間には、バネ部材5が配置され、該バネ部材5の作用によって、一対の摘み片4a,4bが連結部3を軸に離間する方向に付勢される。これにより、バネ部材5による付勢力に反して一対の摘み片4a,4bを接近させるように力を加えることで、一対の挟込片2d,2eが開いた状態になり、容易に導線付き包装体XZを一対の挟込片2d,2eの間に配置することができる。逆に、バネ部材5の作用によって一対の挟込片2d,2eが閉じた状態に保持されるため、導線付き包装体XZを確実に挟持することができる。
また、上記実施形態では、位置決め凹部2hから位置決め構造2cが構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、図4(b)に示すように、一方の挟込片2eにおける導線付き包装体XZと当接する面が凸状になるように形成された位置決め凸部2iから位置決め構造2cが構成されてもよい。斯かる場合、導線付き包装体XZ(具体的には、包装体X)には、位置決め凸部2iを収容可能に構成された収容凹部(具体的には、包装体Xを貫通する貫通孔)X9が嵌合突起X7に代えて形成される。そして、位置決め凸部2iと収容凹部X9とが凹凸嵌合することで、導線付き包装体XZと検知具11とが相対的に位置決めされる。
また、上記のように、検知具11が位置決め凸部2iを備える場合、図5(a),図5(b)に示すように、導線付き包装体XZ(具体的には、包装体X)に形成された切欠部X8内に、位置決め凸部2iが挿入されることで、導線付き包装体XZと位置決め凸部2iとが掛合して位置決めされるように構成されてもよい。具体的には、導線付き包装体XZの切欠部X8の内側に向かって突出するように延出部XZ1(包装体XやラベルZの端部が切り欠かれる等されることで、導線付き包装体XZの端部に形成されたもの)を設けることで、切欠部X8の内側に配置される位置決め凸部2iが延出部XZ1と掛合するように構成されてもよい。
また、上記実施形態では、包装体Xとして、所謂、ブリスターパックのようなシート状の形状を有するものが用いられているが、これに限定されるものではなく、一対の挟込片2d,2eで挟み込み可能であれば、例えば、箱状に形成されたものであってもよい。
また、上記実施形態では、包装体Xに嵌合突起X7や収容凹部X9が形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、ラベルZにこれらが形成されてもよい。具体的には、図6に示すように、ラベルZにおける包装体Xが貼り付けられる面(つまり、導線が露出している側の面)の反対側の面に、嵌合突起Z5が形成される。該嵌合突起Z5は、ラベルZの端部に間隔を空けて複数形成される。本実施形態では、二つの嵌合突起Z5,Z5が形成されており、二つの嵌合突起Z5,Z5の間にラベルZの接続部Z1が位置する。
そして、嵌合突起Z5を備えるラベルZと、包装体Xとが貼合わされてなる導線付き包装体XZに取り付けられる検知具12としては、図7(a)に示すように、一方の挟込片2eに位置決め構造2c(具体的には、位置決め凹部2h)を備え、他方の挟込片2dにラベルZの接続部Z1と当接する(具体的には、電気的に接続される)当接部2gを備えるものである。なお、導線付き包装体XZに検知具12が取り付けられる際には、包装体Xから切り取り可能領域X2が切り取られて切欠部X8が形成される。そして、切欠部X8の内側にラベルZの接続部Z1が露出する。
斯かる構成によれば、図7(b)に示すように、ラベルZに形成された嵌合突起Z5を一方の挟込片2eに形成された位置決め凹部2hに嵌め込んで凹凸嵌合させた後(より詳しくは、接続部Z1の近傍で嵌合突起Z5を位置決め凹部2hに凹凸嵌合させた後)、一対の挟込部2d,2eを閉じた状態にすることで、検知具12と導線付き包装体XZとの電気的な接続がより確実に行われる。具体的には、嵌合突起Z5がラベルZに備えられる(特に、二つの嵌合突起Z5の間に接続部Z1が位置する)ことで、導線Z4を備えるラベルZの検知具12に対する位置が定まるため(好ましくは、固定されるため)、検知具12と接続部Z1との相対的な位置関係が確実に定まる(好ましくは、固定される)ことになる。これにより、一対の挟込片2d,2eを閉じた状態にした際に、検知具12の当接部2gがラベルZの接続部Z1に確実に当接するため、検知具12と導線付き包装体XZとの電気的な接続をより確実に行うことができる。
また、ラベルZは、図8に示すように、包装体Xが貼り付けられる面に、嵌合突起Z5が形成されてもよい。斯かる場合には、導線付き包装体XZが形成された際に、包装体Xにおける嵌合突起Z5と重なる位置に、嵌合突起Z5を収容する嵌合突起収容部X10が形成される。嵌合突起収容部X10は、切り取り可能領域X2に形成されると共に、斯かる領域を貫通するように形成される。そして、切り取り可能領域X2が包装体Xから切り取られて切欠部X8が形成されることで、切欠部X8の内側に嵌合突起Z5が露出する。
斯かる導線付き包装体XZには、図9(a)に示すように、上述した検知具12が取り付けられる。そして、図9(b)に示すように、ラベルZに形成された嵌合突起Z5を一方の挟込片2eに形成された位置決め凹部2hに嵌め込んで凹凸嵌合させた後(より詳しくは、接続部Z1の近傍で嵌合突起Z5を位置決め凹部2hに凹凸嵌合させた後)、一対の挟込部2d,2eを閉じた状態にすることで、検知具12と導線付き包装体XZとの電気的な接続がより確実に行われる。
又は、図10に示すように、収容凹部(具体的には、ラベルZを貫通する貫通孔)Z6がラベルZに形成されてもよい。該収容凹部Z6は、ラベルZの端部に間隔を空けて複数形成される。本実施形態では、二つの収容凹部Z6,Z6が形成されており、二つの収容凹部Z6,Z6の間にラベルZの接続部Z1が位置する。
そして、収容凹部Z6を備えるラベルZと、包装体Xとが貼合わされてなる導線付き包装体XZに取り付けられる検知具13としては、図11(a)に示すように、位置決め構造2c(具体的には、位置決め凸部2i)、および、ラベルZの接続部Z1と当接する(具体的には、電気的に接続される)当接部2gを一方の挟込片2eに備えるものが好ましい。
斯かる構成によれば、図11(b)に示すように、ラベルZに形成された収容凹部Z6に、一方の挟込片2eに形成された位置決め凸部2iを嵌め込んで凹凸嵌合させた後(より詳しくは、接続部Z1の近傍で収容凹部Z6に位置決め凸部2iを凹凸嵌合させた後)、一対の挟込部2d,2eを閉じた状態にすることで、検知具13と導線付き包装体XZとの電気的な接続がより確実に行われる。具体的には、収容凹部Z6がラベルZに備えられる(特に、二つの収容凹部Z6の間に接続部Z1が位置する)ことで、導線Z4を備えるラベルZの検知具12に対する位置が定まるため(好ましくは、固定されるため)、検知具13と接続部Z1との相対的な位置関係が確実に定まる(好ましくは、固定される)ことになる。これにより、一対の挟込片2d,2eを閉じた状態にした際に、検知具13の当接部2gがラベルZの接続部Z1に確実に当接するため、検知具13と導線付き包装体XZとの電気的な接続をより確実に行うことができる。
また、上記実施形態では、挟込部2に非重なり部2fが形成されているが、これに限定されるものではなく、一対の挟込片2d,2eが略同一形状を有することで、非重なり部2fが形成されないように構成されてもよい。
また、上記実施形態では、位置決め構造2cが一方の挟込片2eに設けられているが、これに限定されるものではなく、例えば、他方の挟込片2dに位置決め構造2cが設けられてもよい。
また、上記実施形態では、位置決め構造2cが位置決め凹部2h又は位置決め凸部2iから構成されているが、これに限定されるものではなく、位置決め構造2cが位置決め凹部2hおよび位置決め凸部2iから構成されてもよい。
また、上記実施形態では、導線付き包装体XZは、包装体XにラベルZが貼り付けられることで形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、包装体Xを構成する閉塞部材X5に導線が印刷等されることで導線付き包装体XZが構成されてもよい。
また、上記各実施形態では、包装体Xから切り取り可能領域X2が切り取られることで、切欠部X8が形成されているが、これに限定されるものではない。例えば、図12に示すように、直線状に形成されて両端部が包装体Xの端部と重なるように構成された切断構造X2a’を包装体Xが備え、該切断構造X2a’を境に包装体Xの収容部X3が形成されていない側の端部(即ち、ラベルZの接続部Z1を覆う領域を含む端部)の全体によって、切り取り可能領域X2’が構成されてもよい。斯かる場合には、切り取り可能領域X2’が切り取られるため、包装体Xに切欠部X8が形成されることがない。
また、ラベルZの接続部Z1には、図13に示すように、上記各実施形態の検知具と電気的に接続される検知具接続部Z4aが複数形成されることが好ましい。該検知具接続部Z4aは、導線Z4の端部に形成されており、各検知具接続部Z4aが一方向に沿って(より詳しくは、各実施形態の検知具に取り付けられる端部の伸びる方向に沿って)直線状に配列されないように構成される。
斯かる構成によれば、各検知具接続部Z4aが離間した位置に配置されるため、上記各実施形態の検知具とラベルZとの電気的な接続不良を防止することができる。具体的には、上記実施形態の検知具における当接部2gには、各検知具接続部Z4aに対応する位置に、各検知具接続部Z4aと当接する(電気的に接続される)領域(以下、当接領域とも記す)(図示せず)を複数備える。このため、各検知具接続部Z4aが一方向に沿って直線状に配列されて、隣り合う検知具接続部Z4a同士の間隔が狭くなると、導線付き包装体XZが検知具に取り付けられた際に、ラベルZと検知具との位置関係が僅かにズレただけで、隣り合う検知具接続部Z4aのそれぞれに一の当接領域が当接して電気的な接続不良が生じる虞がある。しかしながら、各検知具接続部Z4aが直線状に配列されない(具体的には、直線上で重ならない)ように配置されることで、各検知具接続部Z4a同士の間隔が広くなるため、複数の検知具接続部Z4aに一の当接領域が当接するのが防止され、上記のような電気的な接続不良が生じるのを防止することができる。
本発明に係る検知具は、薬剤を収容した包装体に通電可能な導線が付されてなる導線付き包装体の該導線と電気的に接続可能に構成されると共に、導線付き包装体からの薬剤の排出に伴って切断される導線の通電状態の変化を検知する検知具であって、前記導線付き包装体を挟持可能に構成されると共に導線と電気的に接続可能に構成される挟込部を備えており、該挟込部は、接離可能に構成される一対の挟込片から構成されると共に、挟込部に対して導線付き包装体を相対的に位置決めする位置決め構造を少なくとも一方の挟込片に備え、該位置決め構造によって位置決めされた導線付き包装体が該挟込部に挟持されることにより、導線と挟込部とが電気的に接続された、取付け状態が維持されることを特徴とする。
前記位置決め構造は、少なくとも一方の挟込片における導線付き包装体と当接する面に凹状又は凸状に形成された位置決め凹部又は位置決め凸部の少なくとも一方から構成されており、該位置決め凹部は、導線付き包装体に形成されて位置決め凹部に挿入可能に構成された嵌合突起と凹凸嵌合可能に構成され、該位置決め凸部は、導線付き包装体に形成されて位置決め凸部を収容可能に構成された収容凹部と凹凸嵌合可能に構成される。