JP5372005B2 - 医療用複室容器及びこれを用いた薬剤混合の認識方法、医療用複室容器の誤使用防止システム、薬剤入り医療用複室容器 - Google Patents

医療用複室容器及びこれを用いた薬剤混合の認識方法、医療用複室容器の誤使用防止システム、薬剤入り医療用複室容器 Download PDF

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Description

本発明は医療用複室容器及びこれを用いた薬剤混合の認識方法、医療用複室容器の誤使用防止システム、薬剤入り医療用複室容器に関する。
本願は、2008年10月28日に日本に出願された特願2008−276469号、及び2009年3月2日に日本に出願された特願2009−048238号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
ビタミン剤等を生理食塩水に混合して患者に注射あるいは点滴する等、複数の薬剤を混合して患者に投与することが行われている。複数の薬剤を混合する場合、薬剤の種類によっては予め混合しておくと変質するものがある。従来、変質の可能性のある薬剤を組み合わせる場合には、使用直前にガラス容器中の薬剤に対して別の薬剤を注射器等で注入し混合していた。このような混合作業では、混合率を間違えたり、混合をし忘れたりするという人的ミスを生じるおそれがあった。
上述のような薬剤の混合における手違いを回避するために、入力された処方に基づいて2種類以上の薬剤を調合するシステムが提案されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、緊急性を要する場合等では、簡易な方法により薬剤の混合を正確に行う必要がある。こうした要請に対し、容器本体を弱シール部により区画して複数の薬剤収納室を設け、該薬剤収納室にそれぞれの薬剤を混合することなく収容し、使用する際に薬剤収納室に外部から圧力を加えることにより、薬剤収納室を区画する弱シール部を剥離開通させて薬剤を混合する医療用複室容器が知られている(例えば、特許文献2)。このような医療用複室容器の使用により、正確な混合率で2種以上の薬剤を混合することができる。
上述のような医療用複室容器を用いた場合には、複数の薬剤を混合する作業の簡易化が図れるが、薬剤の混合の確認は目視に頼らざるを得ない。このため、弱シール部の剥離開通をし忘れるおそれがある。加えて、医療用に用いられる輸液容器は、内容物を目視で確認できるように透明な包装材料が使用されることが多い。このため、弱シール部の剥離開通の確認がし難いという問題がある。
こうした問題に対し、容器本体の一部を固定部材により折曲状態で固定し、薬剤収納室の昇圧によって弱シール部を剥離開通すると共に、前記折曲状態を解除することで弱シール部の剥離開通が容易に確認できる医療用複室容器が提案されている(例えば、特許文献3)。また、複数の空間を隔成し、かつ、外力により破断開通され、前記空間の間を医療用物質が移動可能とする破断開通部を備え、該破断開通部の近傍に配置されたRFID(Radio Frequency Identification)が、破断開通する際に通信不能に破断される医療用複室容器が提案されている(例えば、特許文献4)。特許文献4の医療用複室容器は、目視に頼っていた破断開通の確認をRFIDの通信不能化により、検知することができる。
特表2007−515213号公報 特開2003−111818号公報 特開2007−282707号公報 特開2007−267869号公報
しかしながら、特許文献4の医療用複室容器では、RFIDが意図せぬ破損などにより通信不能になった場合に、破断開通部が破断開通していないにもかかわらず破断開通したものと認識され、混合前の薬剤が誤投与されてしまうおそれがある。また、破断開通の際にRFIDを破壊するため、破断開通による薬剤の混合は確認できても、その後、点滴等に使用する際にはRFIDを活用できない。医療現場においては、医療行為の正確性を確認できるシステムが求められている。
そこで、本発明は、薬剤の混合作業を容易に、かつ目視のみに頼ることなく確実に行え、医療行為の正確性を確実に確認できるRFIDを用いた医療用複室容器、これを用いた薬剤混合の認識方法、医療用複室容器の誤使用防止システムおよび薬剤入り医療用複室容器の提供を目的とする。
また、RFIDは、使い捨て用途としては構成が複雑で、高コストであるという問題があった。
そこで、本発明は、使い捨て用途として誤使用防止システムを必要としない場合に、RFIDを用いず、薬剤の混合作業を容易に、かつ目視のみに頼ることなく確実に行える低コストの医療用複室容器と、これを用いた薬剤混合の認識方法および薬剤入り医療用複室容器の提供を目的とする。
本発明は、以下に関する。
(1)可撓性を有する容器本体を有し、該容器本体は該容器本体の対向面を剥離可能な弱シール部により2以上の薬剤収納室に区画され、前記弱シール部を容器本体の外側から挟持するようにRFIDと該RFIDの通信を妨げる金属層とが設けられ、
前記弱シール部を剥離することにより、前記RFIDと前記金属層とが離間してRFIDが通信可能となることを特徴とする、医療用複室容器。
(2)可撓性を有する容器本体を有し、該容器本体は該容器本体の対向面を剥離可能な弱シール部により2以上の薬剤収納室に区画され、前記弱シール部を容器本体の外側から挟持するように共振タグと該共振タグの通信を妨げる金属層とが設けられ、
前記弱シール部を剥離することにより、前記共振タグと前記金属層とが離間して共振タグが通信可能となることを特徴とする、医療用複室容器。
(3)2種以上の薬剤を収容した前記(1)に記載の医療用複室容器を用いた薬剤混合の認識方法であって、前記弱シール部がシールされた状態とし、前記弱シール部を剥離することで前記2種以上の薬剤を混合すると共に、前記RFIDと前記金属層とを離間させて前記RFIDを通信可能とし、通信可能となったRFIDから予め入力された固有情報を出力手段で読み取ることで、前記弱シール部の剥離を認識することを特徴とする、薬剤混合の認識方法。
(4)2種以上の薬剤を収容した前記(2)に記載の医療用複室容器を用いた薬剤混合の認識方法であって、前記弱シール部がシールされた状態とし、前記弱シール部を剥離することで前記2種以上の薬剤を混合すると共に、前記共振タグと前記金属層とを離間させることで、発信手段からの電磁波に前記共振タグを共振させてエコー波を発信させ、前記エコー波を受信手段が受信することで、前記弱シール部の剥離を認識することを特徴とする、薬剤混合の認識方法。
(5)前記(1)に記載の医療用複室容器と、前記RFIDに予め入力された固有情報を読み取り、読み取った固有情報を出力する出力手段と、前記医療用複室容器を支持する支持手段と、前記医療用複室容器が前記支持手段に支持されたことを検知し、その検知情報を出力する検知手段と、前記検知手段から出力された検知情報を受信し、かつ、前記RFIDから固有情報が読み取れないことを確認し確認結果を出力する確認手段と、前記確認手段から出力された確認結果に基づいて警告する警告手段とを有することを特徴とする、医療用複室容器の誤使用防止システム。
(6)前記(1)に記載の医療用複室容器と、前記RFIDに予め入力された固有情報を読み取り、読み取った固有情報を出力する出力手段と、前記医療用複室容器を支持し、識別情報が与えられている識別支持手段と、前記医療用複室容器が前記識別支持手段に支持されたことを検知し、その検知情報を出力する検知手段と、前記検知手段から出力された検知情報に基づいて、前記識別支持手段の識別情報を出力する識別情報出力手段と、前記出力手段から出力された固有情報と、前記識別情報出力手段から出力された識別情報と、予め入力された識別支持手段と医療用複室容器の対応情報とを照合し、照合結果を出力する照合手段と、前記照合手段から出力された照合結果を受け、該照合結果に応じた報知をする報知手段とを有することを特徴とする、医療用複室容器の誤使用防止システム。
(7)前記(1)に記載の医療用複室容器に薬剤を収容したことを特徴とする、薬剤入り医療用複室容器。
(8)前記(2)に記載の医療用複室容器に薬剤を収容したことを特徴とする、薬剤入り医療用複室容器。
(9)可撓性を有する容器本体を有し、該容器本体は該容器本体の対向面を剥離可能な弱シール部により2以上の薬剤収納室に区画され、前記弱シール部を挟持するように2つのRFIDが互いの通信が妨げられるように設けられ
前記弱シール部を剥離することにより、前記RFID同士が離間して少なくとも一つのRFIDの通信が可能となることを特徴とする、医療用複室容器。
本発明によれば、薬剤の混合作業を容易に、かつ目視のみに頼ることなく確実に行え、医療行為の正確性を確実に確認できるRFIDを用いた医療用複室容器、これを用いた薬剤混合の認識方法、医療用複室容器の誤使用防止システムおよび薬剤入り医療用複室容器を提供できる。
また、本発明は、使い捨て用途として誤使用防止システムを必要としない場合に、RFIDを用いず、薬剤の混合作業を容易に、かつ目視のみに頼ることなく確実に行える低コストの医療用複室容器と、これを用いた薬剤混合の認識方法および薬剤入り医療用複室容器を提供できる。
本発明の第一の実施形態にかかる医療用複室容器を示す斜視図である。 図1の医療用複室容器のI−I’線に沿う断面図である。 図1の医療用複室容器に使用されているRFIDを示す概略平面図である。 図1の医療用複室容器の弱シール部を剥離した状態を示す断面図である。 本発明の第二の実施形態にかかる医療用複室容器を示す斜視図である。 図5の医療用複室容器のII−II’線に沿う断面図である。 図5の医療用複室容器に使用されている共振タグを示す概略図であって、一方の面から見た平面図である。 図5の医療用複室容器に使用されている共振タグを示す概略図であって、長手方向の側面図である。 図5の医療用複室容器の弱シール部を剥離した状態を示す断面図である。 本発明の第一の実施形態にかかる、医療用複室容器の誤使用防止システムの全体構成図である。 本発明の第二の実施形態にかかる、医療用複室容器の誤使用防止システムの全体構成図。
[医療用複室容器]
本発明の医療用複室容器について、以下に実施形態を挙げて説明する。
(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態にかかる医療用複室容器について、図1、図2を用いて説明する。図1は、本発明の医療用複室容器10の一例を示す斜視図である。図2は、図1のI−I’ 線に沿う断面図である。
図1に示すように、第一の実施形態にかかる医療用複室容器10は、可撓性フィルム11と可撓性フィルム12とが、周縁部を剥離不能に融着された矩形状の容器本体20を形成し、該容器本体20は可撓性を有するものである。容器本体20を構成する可撓性フィルム11と可撓性フィルム12とが剥離可能にシールされた弱シール部26が、容器本体20の短手方向に直線状に設けられ、該弱シール部26により容器本体20は第一薬剤収納室22と第二薬剤収納室24とに区画されている。そして、第一薬剤収納室22及び第二薬剤収納室24は、容器本体20の長手方向に並んで配置されている。
容器本体20の下端部15側には、可撓性フィルム11と可撓性フィルム12とで狭持された樹脂製の中空形状の排出口14が設けられている。排出口14は、輸送・保管時には、図示しないゴム栓等で閉栓されており、使用時に刺栓針が刺入できる構成となっている。加えて、排出口14には、刺栓針が刺入できる面を覆う図示しない保護フィルムが剥離可能に設けられている。そして、排出口14と第二薬剤収納室24とは連通されており、図示しないゴム栓等により薬剤の流出が阻止されている。また、上端部13側の周縁部には、円形の掛吊孔16が設けられている。
弱シール部26における一方の面、すなわち可撓性フィルム11側の面には、ICチップ32とアンテナ部34と基材36とで構成されるRFID30が、ICチップ32が可撓性フィルム11側となるように、接着剤38で貼着されている。加えて、弱シール部26の他方の面、すなわち可撓性フィルム12側の面には金属層40が設けられている。RFID30と金属層40とは、弱シール部26を挟持するように配置されている。
可撓性フィルム11は、医療用容器の分野で用いられる樹脂であって、RFID30の通信を阻害しない材質である。例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエーテルサルホン、エチレン−ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。これらの内、透明性、柔軟性及び衛生性に優れ、低コストのポリオレフィン樹脂が好ましい。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリエチレン系樹脂、エチレン−αオレフィンランダム共重合体等のオレフィン系エラストマー、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンランダム共重合体、α−オレフィン−プロピレンランダム共重合体等のポリプロピレン系樹脂や、環状ポリオレフィン樹脂、これらの混合物の単層、及び多層フィルム等が挙げられる。こうした樹脂は、耐熱性向上等を目的として一部架橋されていてもよい。このような合成樹脂フィルムは、厚みが50〜1000μm、好ましくは100〜500μm程度のものを用いればよい。なお、アルミニウム箔やアルミニウム箔ラミネート等の金属を有するフィルムは、医療用複室容器10の使用時に金属フィルムを可撓性フィルム11から剥離する等、本発明の目的に反しない態様で、遮光、バリア目的で金属を使用することは差し支えない。
可撓性フィルム12は、医療用容器の分野で用いられる樹脂であれば特に限定されず、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエーテルサルホン、エチレン−ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。これらの内、透明性が必要な場合には、透明性、柔軟性及び衛生性に優れ、低コストのポリオレフィン樹脂が好ましい。さらに、酸素、水蒸気等からのバリア性が必要な場合には、アルミニウム箔、アルミニウム箔ラミネートフィルム等、金属を有する材質を使用することができる。
RFID30は、タグ状あるいはラベル状等のアンテナ付ICチップであって、ICチップに記憶された情報をRFIDリーダ等の出力手段によって電波による非接触通信で読み取るものである。RFID30には、RFIDタグ、RFIDラベル、RFIDインレット、ICタグ、無線ICタグ、非接触IC、非接触データキャリア等と表現されているものが含まれる。加えて、RFID30は、購入時点で固有情報が入力されている読取専用RFIDであってもよいし、固有情報の書換え可能なものであってもよい。RFID30の大きさは、弱シール部26が離間する際に、可撓性フィルム11の動作に追随し、金属層40と離間できるものであればよい。
RFID30の情報の伝達に用いる周波数は、医療用複室容器10の使用態様に応じて決定することができ、電磁誘導による13.56MHz帯、電波方式のマイクロ波と呼ばれる2.45GHz帯、UHFと呼ばれる433−952MHz帯等のいずれであってもよい。中でも、RFID30が情報の伝達に用いる周波数は、収容物である薬剤の水分の影響を受け難い、低周波の周波数帯を用いることが好ましい。具体的には、UHF波帯以下が好ましく、13.56MHz以下であることがより好ましい。また、読取距離が長い場合には、高周波の周波数帯を用いることが好ましく、具体的には、13.56MHz以上とすることが好ましく、UHF波帯以上であることがより好ましい。
RFID30の種類は公知のRFIDを使用でき、求める機能を勘案して決定することができる。例えば、図3に示すようなRFID30を使用することができる。図3に示すRFID30は、基材36上に導電材料を矩形渦巻状に巻回してなるアンテナ部34が形成され、該アンテナ部34の端部にICチップ32が接続されている。基材36には可撓性と電気絶縁性を有する材料が用いられる。例えばポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂等、あるいは布、紙等が挙げられる。基材36の厚みは5〜500μmが好ましい。
アンテナ部34としては、金属箔、あるいは、エッチング方式、印刷方式等でパターニングされた金属線等が挙げられる。
金属層40の材質は特に限定されず、アルミニウム、ニッケル、鉄、銅、白金、金、銀、パラジウム、イリジウム等が挙げられる。中でも、経済性、加工性、安全性の観点から、アルミニウムが好ましい。
金属層40の形態は、弱シール部26がシールされた状態で、RFID30の通信を不可能な状態にできればよく、使用するRFID30の能力を勘案して決定することが好ましい。例えば、金属の薄膜や金属蒸着膜を挙げることができる。
金属層40の大きさは、弱シール部26がシールされた状態で、RFID30を通信不可にできるものであればよく、RFID30の種類等を勘案して決定することができる。例えば、RFID30と同等以上の大きさとすることが好ましい。
RFID30と金属層40とは、弱シール部26を挟持するように設けられる。ただし、弱シール部26の開通、未開通が判別できる程度の範囲内で、RFID30と金属層40とはずれていてもよい。
本発明の第一の実施形態にかかる医療用複室容器10は、例えば次の製造方法により製造できる。
まず、可撓性フィルム11と可撓性フィルム12とを重ね合わせ、側端部17側の周縁部をヒートシールすることにより融着する。次いで、第一薬剤収納室22と第二薬剤収納室24とに区画する位置に、剥離可能なシールをして弱シール部26を設ける。弱シール部26を挟持するように、RFID30と金属層40とを配置する。そして、RFID30は、ICチップ32が可撓性フィルム11と接するように接着剤38で貼着し、一方、金属層40を可撓性フィルム12側の面に設ける。排出口14を下端部15側の任意の位置に位置するように、可撓性フィルム11と可撓性フィルム12とで排出口14を挟み込み、下端部15側をヒートシールすることにより融着する。こうして、医療用複室容器10を得ることができる。
医療用複室容器10には、上端部13から第一薬剤収納室22に任意の量の第一薬剤Aを充填する。上端部13側をヒートシールにより融着し、融着された上端部13側の任意の位置を穿孔して、掛吊孔16を設ける。次いで、例えば、排出口14から第二薬剤収納室24内に第二薬剤Bを充填し、排出口14をゴム栓等で閉栓し、さらに剥離可能に保護フィルムで排出口14を覆う。こうして、第一薬剤Aが第一薬剤収納室22に充填され、第二薬剤Bが第二薬剤収納室24に充填された医療用複室容器10を得ることができる。
また、例えば、医療用複室容器10は次の製造方法によっても製造することができる。
まず、可撓性フィルム11と可撓性フィルム12とを重ね合わせ、側端部17側の周縁部をヒートシールすることにより融着する。排出口14を下端部15側の任意の位置に位置するように、可撓性フィルム11と可撓性フィルム12とで排出口14を挟み込み、下端部15側をヒートシールすることにより融着する。第一薬剤収納室22と第二薬剤収納室24とに区画する位置に、剥離可能なシールをして弱シール部26を設ける。次いで、上端部13から第一薬剤収納室22に任意の量の第一薬剤Aを充填する。上端部13側をヒートシールにより融着し、融着された上端部13側の任意の位置を穿孔して、掛吊孔16を設ける。次いで、排出口14から第二薬剤収納室24内に第二薬剤Bを充填し、排出口14をゴム栓等で閉栓し、さらに剥離可能に保護フィルムで排出口14を覆う。
その後、弱シール部26を挟持するように可撓性フィルム11側にRFID30を設け、可撓性フィルム12側に金属層40を形成することで、医療用複室容器10に第一薬剤A及び第二薬剤Bを収容した薬剤入り医療用複室容器を得ることができる。
弱シール部26の形成方法として、例えば、容器本体20の内面側をポリエチレンとポリプロピレンの混合物等の融点や相溶性の異なる樹脂組成物からなる層を形成させた合成樹脂フィルムを用いて、高融点の樹脂の溶融温度以下でシールする方法が挙げられる。あるいは、ヒートシールを低温で行い、半溶着状態で弱接着させる方法、また、弱シール部26の形成部分に予め電子線等で架橋した可撓性材料を用いたり、強融着部分を特定の面積割合で発生させるシールバーを用いたり、あるいは、可撓性フィルム11と可撓性フィルム12との間に易剥離性の樹脂テープを挟む方法等が挙げられる。
金属層40の形成方法は特に限定されず、例えば、金属薄膜を接着剤で可撓性フィルム12に貼着して金属層40を形成したり、金属蒸着により金属層40を形成したりすることができる。また、例えば、金属粉を含むインクを用いて印刷することにより金属層40を形成することができる。さらに、金属層40をなす金属薄膜の片面に、あらかじめ紙などからなる基材層が積層された積層体を用いてもよい。また、粘着剤層を設けておき、粘着剤層を可撓性フィルム12に粘着させる方法も好適である。
RFID30の貼着及び金属層40の形成のタイミングは特に限定されず、例えば、弱シール部26を設ける前に、可撓性フィルム11側面にRFID30を貼着し、可撓性フィルム12側面に金属層40を形成してもよい。
RFID30に固有情報を入力する場合には、RFID30と金属層40とが弱シール部26を介して隣接する前に固有情報を入力する。例えば、RFID30に固有情報を入力した後に弱シール部26に配置するか、金属層40を弱シール部26に設ける前にRFID30に固有情報を入力する。弱シール部26を介してRFID30と金属層40とが隣接する状態では、RFID30は入力手段に応答できず、入力できないためである。固有情報の入力は、例えば、RFIDリーダ/ライタ等の入力手段により行える。RFID30に入力する固有情報としては、例えば、医療用複室容器10を識別するために与えられる識別番号等が挙げられる。
第一薬剤A及び第二薬剤Bは流動性を有するものであればよく、液体、粉体等の薬剤を挙げることができる。ただし、医療用複室容器10は、輸液用の薬剤や、注射用の薬剤の収容に用いられることが多いため、第一薬剤A又は第二薬剤Bの一方が液体の薬剤であるか、第一薬剤A及び第二薬剤Bが共に液体の薬剤である。
第一薬剤A、第二薬剤Bの充填量は、薬剤の種類に応じて決定できる。医療用複室容器10の容量及び形状は、弱シール部26を剥離した際のRFID30と金属層40との離間の程度を勘案して決定することができる。弱シール部26を剥離した際のRFID30と金属層40の離間の程度は、RFID30が通信可能となる距離であればよく、RFID30またはRFIDリーダ等の出力手段の能力に応じて決定することができる。例えば、離間距離は5mm以上となることが好ましい。
本発明の第一の実施形態にかかる医療用複室容器10を用いた薬剤混合の認識方法について、図2、図4を用いて説明する。図4は弱シール部26が剥離した状態の医療用複室容器10の断面図である。
まず、図2に示すように、弱シール部26がシールされた状態の医療用複室容器10を用意する。この時点では、弱シール部26がシールされた状態、即ち、予め任意の固有情報が入力されたRFID30と金属層40とが弱シール部26を介して隣接する状態では、RFID30は通信不能となっている。
次に、図2に示す医療用複室容器10の第一薬剤収納室22又は第二薬剤収納室24を外部から任意の圧力で押圧すると、図4に示すように、弱シール部26が剥離し、第一薬剤収納室22と第二薬剤収納室24とが連通する。そして、第一薬剤Aと第二薬剤Bとが混合される。
また、このように弱シール部26が剥離すると、可撓性フィルム11側のRFID30と可撓性フィルム12側の金属層40とが離間する。RFID30と金属層40とが離間すると、RFID30は通信可能となる。そして、通信可能となったRFID30に予め入力されている固有情報をRFIDリーダ/ライタ等の出力手段で読み取ることで、弱シール部26が剥離し、第一薬剤Aと第二薬剤Bとが混合されたことを認識することができる。
本発明の第一の実施形態にかかる医療用複室容器によれば、弱シール部の剥離によってRFIDを通信可能とすることで、目視に頼ることなく薬剤の混合作業を容易かつ確実に行える。そして、弱シール部の剥離後においても、随時、薬剤が混合していることを認識できるため、医療行為の正確性を確実に確認できる。
また、金属層40の代わりに、もう一つのRFID31(図示省略)を用いて、二つのRFID30、31により弱シール部を挟持することでも、弱シール部の剥離によって少なくとも一つのRFIDを通信可能とすることで、目視に頼ることなく薬剤の混合作業を容易かつ確実に行える。
この場合、もう一つのRFID31は、RFID30と同様にタグ状あるいはラベル状等のアンテナ付ICチップである。RFID31の周波数も、RFID30と同様に医療用複室容器の使用態様に応じて決定することができる。二つのRFID30、31の周波数は異なっていてもよく、同じでもよい。ただし周波数の同じRFID30、31を二つ用いることで、一つのRFIDリーダ/ライタでそれぞれの情報を読み取ることが可能であるため、好ましい。
(第二の実施形態)
本発明の第二の実施形態にかかる医療用複室容器について、図5、図6を用いて説明する。図5は、本発明の医療用複室容器310の一例を示す斜視図である。図6は、図5のII−II’線に沿う断面図である。
図5に示すように、第二の実施形態にかかる医療用複室容器310は、RFID30に換えて共振タグ330が使用されること以外は、第一の実施形態と同様の構造を有する。
弱シール部326における一方の面、すなわち可撓性フィルム311側の面には、通信機などの発信手段から発信される特定の周波数の電磁波に共振し、エコー波を発信する共振タグ330が接着剤338により貼着されている。この特定の周波数は共振周波数と呼ばれている。
共振タグは、共振ラベル、RFタグ、RFラベルなどと呼ばれる他、慣用的には万引き防止タグなどとも呼ばれている。そして、例えば小売店で商品に取り付けられ、商品が不当に持ち出された場合には、共振タグが発信したエコー波を受信手段が受信して警報ブザーが鳴るようにするなどして、万引きを防止するための手段として利用されている。
弱シール部326の他方の面、すなわち、もう一方の可撓性フィルム312側の面には、金属層340が設けられている。共振タグ330と金属層340とは、弱シール部326を挟持するように配置されている。
このように弱シール部326がシールされ、剥離していない場合には、金属層340が共振タグ330の近傍に位置しているために、共振タグ330の通信が阻害されてしまう。そのため、発信手段から上述した特定の周波数の電磁波が発信されていても、共振タグ330は共振しない。
図7A及び図7Bはこの例で使用されている共振タグ330を示す図であって、図7Aは、共振タグ330を一方の面から見た平面図、図7Bは共振タグ330の側面図である。
この例の共振タグ330は、タグ状、ラベル状等のシート状に形成されたものであって、フィルム状の基材336の一方の面に、面状の電極332aと、この電極332aに連続した渦巻き状のアンテナ部334とが形成され、他方の面に、電極332aと対をなす電極332bと、この電極332bに連続したリード線部337とが形成されたものである。そして、リード線部337の端部337aとアンテナ部334の端部334aとが、基材336を貫通する接続部339により互いに接続され、全体としてLC共振回路が形成されている。また、この例では、共振タグ330の他方の面、すなわちリード線部337が形成された側の面が、接着剤338により可撓性フィルム311に貼着されている。
共振タグ330が貼着される側の可撓性フィルム311は、医療用容器の分野で用いられる樹脂であって、共振タグ330の通信を阻害しない材質である。詳しくは後述するが、この医療用複室容器310においては、弱シール部326が剥離した場合には、共振タグ330は発信手段からの特定の周波数に共振してエコー波を発する。そして、このエコー波を受信手段が受信することにより、弱シール部326の剥離が認識されるようになっている。そのため、可撓性フィルム311は、共振タグ330と発信手段および受信手段とのこのような通信を阻害しないことが重要である。このような樹脂としては、第一の実施形態で挙げられたものを使用することができる。
金属層340が貼着される側の可撓性フィルム312は、医療用容器の分野で用いられる樹脂であれば特に限定されず、第一の実施形態で挙げられたものを使用することができる。
共振タグ330の基材336には、誘電性を有する材料が用いられる。例えばポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂等からなる樹脂フィルムが好適に使用される。基材336の厚みは5〜500μmが好ましい。
電極332a、332b、アンテナ部334、リード線部337は、アルミニウムなどの金属から形成される。形成方法には特に制限はなく、基材336に貼り合わされたアルミニウム箔をエッチングする方法や、パターン印刷による方法など、公知の方法が挙げられる。
なお、共振タグ330としては、求める機能を勘案して公知のものを使用でき、図7A及び図7Bに例示したものに限定されない。また、共振タグ330の大きさは、弱シール部326が離間する際に、可撓性フィルム311の動作に追随し、金属層340と離間できるものであればよい。
また、共振タグ330の共振周波数としては、共振タグ330が発信手段からの電磁波と共振してエコー波が発せられ、これを受信手段が受信できるものであればよく、制限はない。具体的には、8.2MHz、9.5MHz、10.5MHz等が挙げられ、医療用複室容器310の使用態様に応じて決定される。
金属層340の材質は特に限定されず、第一の実施形態で挙げられたものを使用することができる。
金属層340の形態は、弱シール部326がシールされた状態で、共振タグ330の通信を不可能な状態にできればよく、使用する共振タグ330の能力を勘案して決定することが好ましい。例えば、金属の薄膜や金属蒸着膜を挙げることができる。
金属層340の大きさは、弱シール部326がシールされた状態で共振タグ330を通信不能にさせ、共振タグ330を発信手段からの電磁波に共振しない状態にできるものであればよく、共振タグ330の種類等を勘案して決定することができる。例えば、共振タグ330と同等以上の大きさとすることが好ましい。
共振タグ330と金属層340とは、弱シール部326を挟持するように設けられる。ただし、弱シール部326の開通、未開通が判別できる程度の範囲内で、共振タグ330と金属層340とは、ずれていてもよい。また、この例では、共振タグ330は、リード線部337が形成されている面が接着剤338により可撓性フィルム311に接着されているが、アンテナ部334が形成されている面が接着されていてもよい。
また、第二の実施形態にかかる医療用複室容器310は、RFID30に換えて共振タグ330が使用されること以外は、第一の実施形態と同様の製造方法により製造できる。
共振タグ330のリード線部337の形成された面が可撓性フィルム311と接するように接着剤338で貼着し、一方、金属層340を可撓性フィルム312側の面に設ける。
また、弱シール部326を剥離した際の共振タグ330と金属層340の離間の程度は、共振タグ330に対する金属層340の影響が排除され、共振タグ330が発信手段から発せられる特定の周波数と共振可能となる距離であればよく、共振タグ330の能力に応じて決定することができる。例えば、離間距離は5mm以上となることが好ましい。
本発明の第二の実施形態にかかる医療用複室容器310を用いた薬剤混合の認識方法について、図6、図8を用いて説明する。図8は弱シール部326が剥離した状態の医療用複室容器310の断面図である。
まず、図6に示すように、弱シール部326がシールされた状態の医療用複室容器310を用意する。この時点では、弱シール部326がシールされた状態、即ち、共振タグ330と金属層340とが弱シール部326を介して隣接する状態では、発信手段から特定の周波数の電磁波が発せられていても、共振タグ330の通信が金属層340の影響により阻害され、共振タグ330は共振しない。そのため、共振タグ330はエコー波を発信せず、チェッカーなどの受信手段とは通信しない。
次に、図6に示す医療用複室容器310の第一薬剤収納室322又は第二薬剤収納室324を外部から任意の圧力で押圧すると、図8に示すように、弱シール部326が剥離し、第一薬剤収納室322と第二薬剤収納室324とが連通する。そして、第一薬剤Aと第二薬剤Bとが混合される。
また、このように弱シール部326が剥離すると、可撓性フィルム311側の共振タグ330と可撓性フィルム312側の金属層340とが離間する。共振タグ330と金属層340とが離間すると、共振タグ330に対する金属層340の影響が排除され、共振タグ330は発信手段からの電磁波に共振し、エコー波を発信する。そして、このエコー波を受信手段が受信する。その結果、弱シール部326が剥離し、第一薬剤Aと第二薬剤Bとが混合されたことを認識することができる。なお、発信手段と受信手段は別々の装置であってもよく、両方の機能を備える同一の装置であってもよい。
本発明の第二の実施形態にかかる医療用複室容器によれば、弱シール部の剥離によって共振タグを通信可能とすることで、目視のみに頼ることなく薬剤の混合作業を容易かつ確実に行える。そして、弱シール部の剥離後においても、随時、薬剤が混合していることを認識できるため、医療行為の正確性を確実に確認できる。さらに、特にこのような共振タグを用いた方法では、弱シール部の剥離前に共振タグが意図せず破損したとしても、混合前の薬剤を誤投与するおそれはない。すなわち、共振タグが破損した場合には、弱シール部を剥離しても共振タグが共振せず、弱シール部が依然剥離されていないものと誤認識されるだけであり、混合前の薬液の誤投与にはつながらない。また、共振タグは、使い捨て用途としては構成がシンプルであり、比較的安価であるため、低コストで医療用複室容器を提供できる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
上述の医療用複室容器10、310は、第一薬剤収納室22、322と第二薬剤収納室24、324との2つの薬剤収納室に区画された容器本体20、320を有するが、本発明の医療用複室容器10、310は、容器本体20、320が3つ以上の薬剤収納室に区画されていてもよい。
上述の医療用複室容器10、310の弱シール部26、326の形状は直線状のもので説明しているが、弱シール部26、326の形状は、曲線状や円弧状に形成されていてもよい。
上述の医療用複室容器10、310には、接着剤38、338によりRFID30または共振タグ330が貼着されているが、例えば、可撓性フィルム11、311を多層フィルムとして、前記多層フィルムを構成する層の間にRFID30または共振タグ330が配置されていてもよい。
上述の医療用複室容器10、310には、可撓性フィルム12、312の表面に金属層40、340が設けられているが、本発明はこれに限られず、例えば、可撓性フィルム12、312がアルミニウム等の金属箔や金属蒸着膜を用いたフィルムである場合には、別途、金属層40、340を設けなくてもよい。また、内容物である薬剤によっては、遮光やバリア性を目的としてアルミニウム箔等の金属を有する積層フィルムが、容器本体を覆うように剥離可能に設けられている医療用複室容器とすることができる。このような場合には、前記積層フィルムを剥離した際にその一部を可撓性フィルム12、312に残存させ、金属層40、340としてもよい。
上述の医療用複室容器10、310は、可撓性フィルム11、311と可撓性フィルム12、312とを貼り合わせて容器本体20、320が形成されているが、例えば、容器本体20、320はブロー成形により形成されたものであってもよい。
上述の医療用複室容器10、310は、RFID30または共振タグ330と金属層40、340とが予め設けられた複室容器であるが、RFID30または共振タグ330と金属層40、340の少なくとも一方をラベルやタグ等の形態で供給し、既存の複室容器に貼着することで、本発明の認識方法を実施することもできる。この場合には、既存の複室容器を用いることができるため、医療現場で本発明を容易に実施することができる。さらに、RFID30または共振タグ330と金属層40、340とを再貼着可能なラベルやタグ等とすることで、繰り返し使用できコストダウンを図りつつ、医療現場における開通確認を確実なものとすることができる。
[医療用複室容器の誤使用防止システム]
本発明の医療用複室容器の誤使用防止システム(以下、単に「誤使用防止システム」ということがある)について、以下に実施形態を挙げて説明する。
(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態にかかる誤使用防止システムについて、図9を用いて説明する。図9は、第一の実施形態にかかる誤使用防止システム100の構成図である。誤使用防止システム100は、RFID30を有する医療用複室容器10と出力手段120と支持手段130と検知手段140と確認手段150と警告手段160とで構成されている。
出力手段120は、RFID30に入力された固有情報を読み取り、出力するものであり、例えば、RFIDリーダ/ライタ等が挙げられる。
支持手段130は、医療用複室容器10を支持するものであれば特に限定されず、例えば、医療用複室容器10が輸液に用いられる場合には、医療用複室容器10を吊るすポールが挙げられる。
検知手段140は、医療用複室容器10が支持手段130の任意の位置で支持されたことを検知し、その検知情報を出力できるものであればよく、例えば、医療用複室容器10が輸液に用いられる場合には、医療用複室容器10を吊るすフック部に設けられた荷重センサー等が挙げられる。
確認手段150は、検知手段140から出力された検知情報を受信した際に、RFID30の固有情報が出力手段120で読み取れず、出力手段120から確認手段150へ固有情報が出力できないことを確認し、その確認結果を出力できるものであればよく、例えばデータ処理回路等が挙げられる。
警告手段160は、確認手段150からの確認結果を受け、警告を発することができればよい。警告の方法は特に限定されず、例えば、ブザーや音声を発したり、パイロットランプの点灯、表示装置による確認結果の表示等が挙げられる。
誤使用防止システム100を用いた誤使用防止方法について、図2、図4、図9を用いて説明する。
まず、RFID30に任意の固有情報が入力されている医療用複室容器10を支持手段130で支持する。この時点では、医療用複室容器10は弱シール部26がシールされた状態であるため、RFID30と金属層40とが弱シール部26を介して隣接しており(図2参照)、RFID30は通信不能となっている。この状態で、検知手段140は医療用複室容器10が支持手段130で支持されたことを検知して、その検知情報を出力する。確認手段150は、出力された検知情報を受信する。この際、RFID30は通信不能であるため、出力手段120はRFID30に入力された固有情報を読み取れず、固有情報を出力できない。確認手段150は、RFID30の固有情報が読み取れない状態で、支持手段130に医療用複室容器10が支持されたことを確認すると、その確認結果を出力する。警告手段160は、出力された確認結果を受信し、警告を発する。こうして、弱シール部26が剥離開通していない医療用複室容器10、即ち、第一薬剤Aと第二薬剤Bとが混合されていない医療用複室容器10が誤って使用されることを防止することができる。
なお、医療用複室容器10の弱シール部26を剥離して、第一薬剤収納室22と第二薬剤収納室24とが連通された場合には、RFID30が通信可能となり、出力手段120がRFID30の固有情報を読みとることができる。出力手段120は、読み取った固有情報を出力する。確認手段150は、出力された固有情報を受信し、受信できたことを確認した旨の結果を警告手段160に出力し、警告手段160による警告の解除や、第一薬剤収納室22と第二薬剤収納室24とが連通された旨の報知を行ってもよい。
本実施形態の誤使用防止システムは、医療用複室容器が弱シール部が剥離されない状態で支持手段に支持された際に警告を発するため、医療用複室容器内の薬剤が混合されずに使用されることを防止することができる。
(第二の実施形態)
本発明の第二の実施形態にかかる誤使用防止システムについて、図10を用いて説明する。図10は、第二の実施形態にかかる誤使用防止システム200の構成図である。誤使用防止システム200は、RFID30を有する医療用複室容器10と出力手段120と識別支持手段230と検知手段140と識別情報出力手段250と照合手段260と報知手段270とで構成されている。
識別支持手段230は、番号や名称等の識別情報が付与されたものであって、医療用複室容器10を支持するものである。例えば、医療用複室容器10が輸液に用いられる場合には、医療用複室容器10を吊るすポールに識別情報が付与されたものが挙げられる。
識別情報出力手段250は、検知手段140が出力した検知情報を受信し、医療用複室容器10が支持された識別支持手段230の識別情報を出力するものである。
照合手段260には、医療用複室容器10と識別支持手段230との対応情報が予め入力されている。対応情報とは、例えば、識別支持手段230で支持して使用する薬剤の処方と、該処方により調製された第一薬剤Aと第二薬剤Bとが充填された医療用複室容器10の固有情報との組み合わせ等が挙げられる。照合手段260は、前記対応情報と、出力手段120から出力された固有情報と、識別情報出力手段250から出力された識別情報とを照合できるものであり、例えばデータ処理回路等が挙げられる。
報知手段270は、照合手段260での照合結果を受信し、該照合結果に応じた報知を行うものである。照合結果に応じた報知とは、例えば、照合結果において識別支持手段230に支持された医療用複室容器10が「不適」とされた場合には、作業の停止や警告を意味する報知を行い、「適正」とされた場合には作業の続行を意味する報知を行うことを意味する。報知手段270における報知の方法は特に限定されず、例えば、ブザーや音声を発したり、パイロットランプの点灯、表示装置による照合結果の表示等が挙げられる。
誤使用防止システム200を用いた誤使用防止方法について、図2、図4、図10を用いて説明する。
まず、RFID30に任意の固有情報が入力されている医療用複室容器10を用意する。この時点では、医療用複室容器10は弱シール部26がシールされた状態であるため、RFID30と金属層40とが弱シール部26を介して隣接しており(図2参照)、RFID30は通信不能となっている。医療用複室容器10の使用に際しては、弱シール部26を剥離して、第一薬剤収納室22と第二薬剤収納室24とを連通し、医療用複室容器10を図4の状態とする。こうして、RFID30は、RFID30と金属層40とが弱シール部26の剥離に伴って離間し、通信可能となる。出力手段120は、通信可能となったRFID30の固有情報を読み取って出力する。出力された固有情報は、照合手段260で受信される。
次いで、第一薬剤収納室22と第二薬剤収納室24とが連通した医療用複室容器10が識別支持手段230に支持されると、検知手段140は医療用複室容器10が識別支持手段230に支持されたことを検知し、この検知情報を出力する。出力された検知情報は、識別情報出力手段250で受信される。識別情報出力手段250は、検知情報を受信すると医療用複室容器10が支持されている識別支持手段230の識別情報を出力する。出力された識別情報は、照合手段260で受信される。
照合手段260では、固有情報と、識別情報と、固有情報と識別情報との対応情報とを照合する。そして、照合手段260は、照合結果を出力する。出力された照合結果は、報知手段で受信され、報知手段270は受信した照合結果に応じた報知を行う。
RFID30に入力する固有情報としては、例えば、医療用複室容器10に充填されている第一薬剤A、第二薬剤Bの成分、充填量や、内容物の製品名等を入力することができる。このような固有情報をRFID30に入力しておくことで、処方された薬剤を正確に投与することを確認できる。
本実施形態の誤使用防止システムによれば、識別支持手段に医療用複室容器を支持した際に、医療用複室容器の内容物が処方された薬剤であるかどうかを確認できるため、医療現場においても医療行為の正確性を確実に確認できる。このように、弱シール部の剥離後にも、RFIDに入力された情報を有効利用することができる。
上述した第一及び第二の実施形態にかかる誤使用防止システムは、予め任意の固有情報が入力されたRFID30を設けた医療用複室容器10が用いられている。しかし、本発明の誤使用防止システムは上述の実施形態に限られず、例えば、入力手段を設け、該入力手段により任意の固有情報を入力したRFID30を既存の複室容器に貼着し、医療用複室容器10として用いてもよい。
また、上述した第一及び第二の実施形態にかかる誤使用防止システムにおいて、金属層40の代わりにRFID30と同じ周波数のもう一つのRFID31(図示省略)を用いることで、RFID30、RFID31にそれぞれ異なる情報を入力することができ、より多くの情報を有効利用することができる。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1には、図1に示す医療用複室容器10と同様の医療用複室容器を下記仕様にて製造して用いた。製造した医療用複室容器の第一薬剤収納室には水1000mLを充填し、第二薬剤収納室には水1000mLを充填した。RFIDハンディタイプリーダ(ハンディターミナルBHT−103BID、株式会社デンソーウェーブ製)を医療用複室容器から25mm離して設置した。
この状態で、医療用複室容器の弱シール部を剥離して、第一薬剤収納室と第二薬剤収納室とを連通させ、その際のRFIDハンディタイプリーダでの受信状況を確認した。10袋の医療用複室容器について、同様のRFIDハンディタイプリーダでの受信状況の確認を行った。
<医療用複室容器の仕様>
可撓性フィルム材質:ポリエチレン
第一薬剤収納室:幅29cm×長さ16cm
第二薬剤収納室:幅29cm×長さ17cm
RFID:UPM社製、13.56MHz
金属層:70mm×25mm、アルミニウム箔/紙/粘着材層、総厚:73μm
(実施例2)
13.56MHzのRFIDに換えて、952〜954MHzのRFIDを用いた他は、実施例1と同様に受信状況の確認を行った。
実施例1で10袋について受信確認を行った結果、全ての医療用複室容器において、弱シール部を剥離する前にはRFIDハンディタイプリーダでの受信は行えず、弱シール部を剥離した際に、RFIDハンディタイプリーダでの受信が行えた。加えて、実施例2で10袋について受信確認を行った結果、全ての医療用複室容器において、弱シール部を剥離する前にはRFIDハンディタイプリーダでの受信は行えず、弱シール部を剥離した際に、RFIDハンディタイプリーダでの受信が行えた。このことから、本発明の医療用複室容器は、弱シール部を剥離したことをRFIDリーダ/ライタ等での受信により確認できることが判った。
(実施例3)
実施例3には、図5に示す医療用複室容器310と同様の医療用複室容器を下記仕様にて製造して用いた。製造した医療用複室容器の第一薬剤収納室には水1000mLを充填し、第二薬剤収納室には水1000mLを充填した。
ついで、こうして調製された水入り医療用複室容器の弱シール部に、周波数8.2MHzの電磁波を発信する発信手段としての機能と、共振タグが発信するエコー波を受信する受信手段としての機能とを備えた共振タグハンディタイプリーダ(BODY SCANNER、gatway社製)を近づけた。この時点では、共振タグハンディタイプリーダは、何も受信しなかった。
この状態で、医療用複室容器の弱シール部を剥離して、第一薬剤収納室と第二薬剤収納室とを連通させ、その際の共振タグハンディタイプリーダでのエコー波の受信状況を確認した。
合計3袋の水入り医療用複室容器について、同様の操作を行い、受信状況を確認した。
<医療用複室容器の仕様>
可撓性フィルム材質:ポリエチレン
第一薬剤収納室:幅29cm×長さ16cm
第二薬剤収納室:幅29cm×長さ17cm
共振タグ:(株)三宅製、型番DS3040、共振周波数8.2MHz、厚み20μmのポリプロピレン製基材を具備
金属層:金属層としての36mm×46mmのアルミニウム箔の片面に、紙基材と粘着剤層とが順次積層された総厚73μmの積層体使用
上述のように合計3袋について受信状況の確認を行った結果、3袋全てにおいて、弱シール部の剥離前には、共振タグハンディタイプリーダはエコー波を受信せず、剥離することによって、エコー波を受信することができた。
このことから、本発明の医療用複室容器では、弱シール部が剥離したことを共振タグハンディタイプリーダ等での受信により確認でき、薬剤の混合作業を目視のみに頼ることなく確実に行えることが明らかとなった。
(実施例4)
共振タグおよび金属層として下記のものを使用した以外は、実施例3と同様の仕様により、水入り医療用複室容器を製造した。
そして、周波数8.2MHzの電磁波を発信する発信手段としての機能と、共振タグが発信するエコー波を受信する受信手段としての機能とを備えた送受信手段を設置し、この送受信手段から電磁波を発信し続けた。一方、水入り医療用複室容器を作業台上に平置きした状態で、その弱シール部を剥離し、第一薬剤収納室と第二薬剤収納室とを連通させた。送受信手段としては、タカヤ(株)製のディアクティベータLC−02Bのタグ消去機能をカットしたものを用いた。
その結果、弱シール部が剥離されると、送受信手段がエコー波を受信することが確認できた。
このような操作を合計3袋について行った結果、3袋全てにおいて、弱シール部の剥離によって、送受信手段がエコー波を受信することが確認できた。
このことから、本発明の医療用複室容器では、弱シール部が剥離したことを設置型の送受信手段等での受信により確認でき、薬剤の混合作業を目視のみに頼ることなく確実に行えることが明らかとなった。
共振タグ:(株)三宅製、型番MT209、共振周波数8.2MHz、厚み20μmのポリプロピレン製基材を具備
金属層:金属層としての25mm×106mmのアルミニウム箔の片面に、紙基材と粘着剤層とが順次積層された総厚73μmの積層体使用
(実施例5)
実施例5には、金属層40を、RFID30と同じ周波数のRFID31に代えた以外は、図1に示す医療用複室容器10と同様の医療用複室容器を下記仕様にて製造して用いた。製造した医療用複室容器の第一薬剤収納室には水1000mLを充填し、第二薬剤収納室には水1000mLを充填した。RFIDハンディタイプリーダ(ハンディリーダ/ライタXIT‐150‐BR、株式会社ウェルキャット製)を医療用複室容器から15mm離して設置した。
この状態で、医療用複室容器の弱シール部を剥離して、第一薬剤収納室と第二薬剤収納室とを連通させ、その際のRFIDハンディタイプリーダでの受信状況を確認した。5袋の医療用複室容器について、同様のRFIDハンディタイプリーダでの受信状況の確認を行った。
<医療用複室容器の仕様>
可撓性フィルム材質:ポリエチレン
第一薬剤収納室:幅29cm×長さ16cm
第二薬剤収納室:幅29cm×長さ17cm
RFID30、31:凸版フォームズ株式会社製 13.56MHz ラベル0873
実施例5で5袋について受信確認を行った結果、全ての医療用複室容器において、弱シール部を剥離する前にはRFIDハンディタイプリーダにより、どちらのRFIDの情報も受信できず、弱シール部を剥離した際に、RFIDハンディタイプリーダにより、どちらのRFIDの情報もそれぞれ受信が行えた。
10 医療用複室容器
11、12 可撓性フィルム
20 容器本体
22 第一薬剤収納室
24 第二薬剤収納室
26 弱シール部
30 RFID
40 金属層
100、200誤使用防止システム
120 出力手段
130 支持手段
140 検知手段
150 確認手段
160 警告手段
230 識別支持手段
250 識別情報出力手段
260 照合手段
270 報知手段
310 医療用複室容器
311、312 可撓性フィルム
320 容器本体
322 第一薬剤収納室
324 第二薬剤収納室
326 弱シール部
330 共振タグ
340 金属層

Claims (9)

  1. 可撓性を有する容器本体を有し、該容器本体は該容器本体の対向面を剥離可能な弱シール部により2以上の薬剤収納室に区画され、前記弱シール部を容器本体の外側から挟持するようにRFIDと該RFIDの通信を妨げる金属層とが設けられ、
    前記弱シール部を剥離することにより、前記RFIDと前記金属層とが離間してRFIDが通信可能となることを特徴とする、医療用複室容器。
  2. 可撓性を有する容器本体を有し、該容器本体は該容器本体の対向面を剥離可能な弱シール部により2以上の薬剤収納室に区画され、前記弱シール部を容器本体の外側から挟持するように共振タグと該共振タグの通信を妨げる金属層とが設けられ、
    前記弱シール部を剥離することにより、前記共振タグと前記金属層とが離間して共振タグが通信可能となることを特徴とする、医療用複室容器。
  3. 2種以上の薬剤を収容した請求項1に記載の医療用複室容器を用いた薬剤混合の認識方法であって、
    前記弱シール部がシールされた状態とし、
    前記弱シール部を剥離することで前記2種以上の薬剤を混合すると共に、前記RFIDと前記金属層とを離間させて前記RFIDを通信可能とし、通信可能となったRFIDから予め入力された固有情報を出力手段で読み取ることで、前記弱シール部の剥離を認識することを特徴とする、薬剤混合の認識方法。
  4. 2種以上の薬剤を収容した請求項2に記載の医療用複室容器を用いた薬剤混合の認識方法であって、
    前記弱シール部がシールされた状態とし、
    前記弱シール部を剥離することで前記2種以上の薬剤を混合すると共に、前記共振タグと前記金属層とを離間させることで、発信手段からの電磁波に前記共振タグを共振させてエコー波を発信させ、前記エコー波を受信手段が受信することで、前記弱シール部の剥離を認識することを特徴とする、薬剤混合の認識方法。
  5. 請求項1に記載の医療用複室容器と、
    前記RFIDに予め入力された固有情報を読み取り、読み取った固有情報を出力する出力手段と、
    前記医療用複室容器を支持する支持手段と、
    前記医療用複室容器が前記支持手段に支持されたことを検知し、その検知情報を出力する検知手段と、
    前記検知手段から出力された検知情報を受信し、かつ、前記RFIDから固有情報が読み取れないことを確認し確認結果を出力する確認手段と、
    前記確認手段から出力された確認結果に基づいて警告する警告手段とを有することを特徴とする、医療用複室容器の誤使用防止システム。
  6. 請求項1に記載の医療用複室容器と、
    前記RFIDに予め入力された固有情報を読み取り、読み取った固有情報を出力する出力手段と、
    前記医療用複室容器を支持し、識別情報が与えられている識別支持手段と、
    前記医療用複室容器が前記識別支持手段に支持されたことを検知し、その検知情報を出力する検知手段と、
    前記検知手段から出力された検知情報に基づいて、前記識別支持手段の識別情報を出力する識別情報出力手段と、
    前記出力手段から出力された固有情報と、前記識別情報出力手段から出力された識別情報と、予め入力された識別支持手段と医療用複室容器の対応情報とを照合し、照合結果を出力する照合手段と、
    前記照合手段から出力された照合結果を受け、該照合結果に応じた報知をする報知手段とを有することを特徴とする、医療用複室容器の誤使用防止システム。
  7. 請求項1に記載の医療用複室容器に薬剤を収容したことを特徴とする、薬剤入り医療用複室容器。
  8. 請求項2に記載の医療用複室容器に薬剤を収容したことを特徴とする、薬剤入り医療用複室容器。
  9. 可撓性を有する容器本体を有し、該容器本体は該容器本体の対向面を剥離可能な弱シール部により2以上の薬剤収納室に区画され、前記弱シール部を挟持するように2つのRFIDが互いの通信が妨げられるように設けられ
    前記弱シール部を剥離することにより、前記RFID同士が離間して少なくとも一つのRFIDの通信が可能となることを特徴とする、医療用複室容器。
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