JP2015082847A - 超音波モータ - Google Patents

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【課題】部品点数が少なく簡潔で、組立性が良好であり、位置決め精度の高い超音波モータを提供すること。【解決手段】振動板と圧電素子からなる振動子と、前記振動子により駆動される被駆動体と、前記振動子を保持する保持部と、前記振動子を前記被駆動体側へと付勢する付勢部と、前記保持部に固定されて前記付勢部を支持する支持部と、を有し、1つの基準位置に基づいて、前記保持部、前記付勢部および前記支持部の位置決めが行われる。【選択図】図5

Description

本発明は、振動子に楕円振動を発生させ、被駆動体に加圧した振動子を駆動する超音波モータに関する。
従来から無音動作、低速から高速までの駆動が可能、高トルク出力などの特徴を活かして、例えば、カメラやレンズの駆動源として超音波モータが採用されている。特許文献1に開示された超音波モータは回転軸を有する円環状の被駆動体と複数の振動子とから構成され、振動子は円環状の被駆動体上に被駆動体に加圧された摩擦接触状態で所定の間隔を隔てて配置される。その摩擦接触状態で振動子に超音波振動が励起されると、振動子の被駆動体と接している部分に楕円運動が生じ、被駆動体が回転軸を中心に回転駆動される。振動子の被駆動体への付勢力は、振動子の中央付近に設定された振動の節にあたる中立軸付近をホルダ部材、押圧部材を介して板バネにより付勢することで得られる。
特許第4667838号
特許文献1においては、付勢力の付与に際して複数の板バネをそれぞれ個別に設けた保持板に固定し、保持板を振動子ユニットへと接続している。そのため、板バネの振動子ユニットに対する位置決めは、保持板への位置決めを介した2段階の位置決めとなっている。よって、板バネの振動子ユニットに対する位置決め精度は低くなる。加えて、部品数も多く複雑になり、組立性が悪くなる。
このような課題を鑑みて本発明は、部品点数が少なく簡潔で、組立性が良好であり、位置決め精度の高い超音波モータを提供することを目的とする。
本発明の一側面としての超音波モータは、振動板と圧電素子からなる振動子と、前記振動子により駆動される被駆動体と、前記振動子を保持する保持部と、前記振動子を前記被駆動体側へと付勢する付勢部と、前記保持部に固定されて前記付勢部を支持する支持部と、を有し、1つの基準位置に基づいて、前記保持部、前記付勢部および前記支持部の位置決めが行われることを特徴とする。
本発明によれば、部品点数が少なく簡潔で、組立性が良好であり、位置決め精度の高い超音波モータを提供することができる。
実施例1の超音波モータの斜視図である。 実施例1の超音波モータの分解斜視図である。 振動子と基台の拡大斜視図である。 各部材を組込んだ状態を示す拡大断面図である。 付勢部の組立説明図である。 実施例1の付勢部の位置決め説明図である。 実施例2の超音波モータの斜視図である。 実施例2の付勢部の組立説明図である。 本発明の実施形態に係る超音波モータを組み込んだレンズ鏡筒の断面図である。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。なお、本実施形態の超音波モータは、デジタルカメラ用のレンズ鏡筒などの駆動用アクチュエータとしてユニット化した回転駆動型モータを例に説明する。
図1は超音波モータの斜視図であり、図2は超音波モータの分解斜視図である。
ロータ(被駆動体)101は、振動子が摩擦接触する接触面101aを備える。振動子は、振動板102と圧電素子103により構成される。振動板102は、接触面101aに摩擦接触状態で加圧保持される。圧電素子103は、複数の圧電素子膜を積層して一体化したものであり、振動板102に接着剤などにより圧着されている。
第1の基台104は、振動子をリング部材107に対して保持する。緩衝材105は、フェルトにより構成され、圧電素子103の振動を吸収する。第2の基台106は、第1の基台104の中央部に形成された開口部内に配置され、緩衝材105を介して振動子をロータ101へ加圧する。リング部材(保持部)107は、第1の基台104、第2の基台106、加圧軸108、板バネ109および押さえ部材111を保持する。
加圧軸108は、リング部材107の穴部に取り付けられており、接触面101aに垂直な方向にのみ移動可能に保持されている。また、加圧軸108は、板バネ109により緩衝材105と第2の基台106を介して振動子をロータ101へ加圧する。板バネ(付勢部)109は、両端部を押さえ部材111に支持されている。板バネ109は、ビス110にてリング部材107へ固定され、加圧力を発生させる。押さえ部材(支持部)111は、板バネ109を一括して保持し、ビス110によりリング部材107へと固定される。
以上のように各部材が組み立てられ、超音波モータとしてユニット化される。
次に、超音波モータの構成部材の詳細について図3を用いて説明する。図3は、振動子と第1の基台104の連結状態を説明するための拡大斜視図で、ロータ101側から見た図である。
振動板102の中央の平板部102aには、2ヶ所の突起部102bが形成されている。突起部102bの上端面、すなわち、ロータ101の接触面101aと当接する2つの面は同一面で形成されている。これらの面は、接触面101aとの当接状態を良好にするため、製造時には研磨工程などにより均一な面に仕上げられる。
振動板102は、圧電素子103に接合されたフレキシブルプリント基板(不図示)を介して、所望の交流電圧が印加されることで、2つの振動モードが励起される。2つの振動モードの振動位相が所望の位相差となるように設定することで、突起部102bには楕円運動が発生する。この楕円運動を接触面101aに伝達することで、ロータ101を回転駆動させることが可能となる。
振動板102の両端には、第1の基台104の両端に形成された平面部104aと接合するための2か所の接合部102cが形成されている。接合部102cが平面部104aと溶接や接着などにより接合されることで、振動板102は第1の基台104に保持される。
接合部102cと平板部102aとの間には、2か所の腕部102dが形成される。振動子は、腕部102dを介して、第1の基台104に固定される。腕部102dは、図に示されるように、平板部102aや接合部102cに対して、十分に細い形状となっている。そのため、平板部102aに発生する振動は、接合部102cに伝達されにくい。そのため、第1の基台104によって、平板部102aに発生する振動は阻害されない。
上記構成について、図4を用いて説明する。図4は、各部材を組込んだ状態を示す拡大断面図であり、複数の振動子のうち1か所のみを示している。図4(A)は、振動板102に設けられた2か所の突起部102bの中心を結ぶ線を含む面を切断面とした断面図である。図4(B)は、図4(A)の中心線201を含む面を切断面とした断面図である。
図4(A)の中心線201は、2か所の突起部102bからの距離が等しく、ロータ101に直交する。図4(B)の中心線202は、2か所の突起部102bの中心を通過し、ロータ101に直交する。
突起部102bの上端面は、ロータ101の接触面101aと当接し、摩擦接触状態にある。振動板102には、圧電素子103が接合されている。接合部102cと平面部104aが接合されることで、振動板102は第1の基台104に保持される。第1の基台104の中央付近には開口部が形成され、緩衝材105と第2の基台106がこの開口部内に入り込むように配置されている。第1の基台104と第2の基台106は、リング部材107の穴部に嵌合して位置決めされ、中心線201方向にそれぞれ移動可能である。第1の基台104と第2の基台106の間にはわずかな隙間が形成されており、第1の基台104と第2の基台106は接触しない。
第2の基台106の上側中央付近には、図中の円203を紙面奥行方向に押し出した円筒形状の一部の面で形成された凸部106aが設けられている。凸部106eには、加圧軸108の上端平面部が接触している。図4(A)においては、第2の基台106は、リング部材107の穴部に嵌合して位置決めされているため、嵌合ガタの範囲でのみ傾斜する。図4(B)においては、凸部106eが円筒面で形成されているため、凸部106eと加圧軸108との接触は線接触となり、第2の基台106は傾斜しない。
加圧軸108は、リング部材107の中央付近に形成された穴部に嵌合し、中心線201方向にのみ移動可能に保持される。加圧軸108の上側の凸部には、板バネ109が加圧変形した状態で接触している。板バネ109の変形による加圧力は、加圧軸108、第2の基台106および緩衝材105を介して、圧電素子103と一体化された振動板102に伝達される。伝達された加圧力は、ロータ101に加圧される。なお、板バネ109は、できるだけ長く薄い板材で形状を円弧に沿うように形成し、バネ定数を小さくするようにしている。そうすることで、部品の誤差が生じた場合でも、加圧力のばらつきを小さく抑えることが可能となる。
本実施形態では、振動板102を位置決め保持する第1の基台104と、振動板102を加圧保持する第2の基台106がそれぞれ別個に設けられている。また、第1の基台104と第2の基台106は、ロータ101に直交する方向にのみ移動可能である。したがって、振動板102を振動に対する影響が少ない両端の接合部102cで保持しながら、振動板102の上面側を圧電素子103と緩衝材105を介して加圧することが可能となる。
また、本実施形態は、圧電素子103や緩衝材105の厚み個体差が生じた場合でも、第2の基台106の進退機構により吸収することができるため、高い量産性を達成することができる。さらに、落下や衝撃でロータ101とリング部材107の間隔が小さくなるような力が働いた場合にも、第1の基台104と第2の基台106の進退機構により吸収することができる。そのため、振動板102や圧電素子103に無理な力が加わらず、破壊を防ぐことができる。
以上、説明したように、本実施形態では、振動子をロータ101に対して安定して加圧することができる。
図5は、本実施例の板バネ109の組立説明図である。板バネ109の両端には、位置決め穴(第2の孔部)109aが形成されている。押さえ部材111は、被駆動体側、ずなわち、ロータ101側に突出し、位置決め穴109aに対応する位置決めピン(突出部)111aを有する。また、位置決めピン111aに対応する位置決め穴(第1の孔部)107aがリング部材107に形成されている。
押さえ部材111のリング部材107への位置決めは、嵌合穴107aおよび長穴107bによりなされ、他の穴107cは位置決めを行わない。そして、ビス110が押さえ部材111に形成されたビス穴111bを挿通し、押さえ部材111がリング部材107へと固定される。このような構造で、押さえ部材111はリング部材107へと位置決めされる。このとき、位置決めピン111aが位置決め穴109aを挿通することで板バネ109も押さえ部材111に位置決めされる。つまり、位置決めピン111aは、板バネ109および押さえ部材111の位置決めを同時に行うため、精度の高い位置決めが可能となる。
図6は、板バネ109のリング部材107への位置決め説明図で、ロータ101側から見た図である。
板バネ109の位置決めにおいては、図中破線で示される板バネ中心部204が加圧軸108を保持するリング部材107上の穴と一致することが望ましい。そのため、そのような位置決めを行うように板バネ109両端の支持部を位置決めする必要がある。本実施形態においては、位置決め穴107aの位置が基準位置となり、押さえ部材111および板バネ109が位置決めされる。すなわち、押さえ部材111上の位置決めピン111aは、リング部材107の位置決め穴107aと嵌合するピンの位置205aを基準位置として、他の位置決めピン111aの位置205b、205cを決める。
板バネ109で発生する付勢力は、板バネ中心部204が周方向にずれるよりも、径方向にずれる方が位置ずれの影響が大きくなる。そのため、板バネ109は、径方向の誤差を小さく抑え、周方向に誤差が発生するよう加工することが望ましい。
このように、リング部材107の位置決め穴107aを基準位置として、押さえ部材111の位置決めピン111aの加工ばらつきで板バネ109の両端支持部が位置決めされ、板バネ中心部204が精度良く位置決めされる。
また、ビス110は、複数の板バネ109の支持部である位置決めピン111aの中間位置に位置し、複数の板バネ109の一端を一括して固定している。そのため、部品数を少なくすることができ、組立性が良好になる。
押さえ部材111に設けられた突起部111cは、押さえ部材111とリング部材107の厚さ方向の位置を調節する際に、調整のためのワッシャを配置するために設けられたものである。これにより、板バネ109が発生する付勢力を調節することができる。また、付勢力の調節は、押さえ部材111の位置決めピン111aにワッシャを挿入して行ってもよい。
以上のように、本実施例では、位置決め穴107aを基準位置として、押さえ部材111がリング部材107へと固定される位置決めおよび板バネ109が押さえ部材111へと保持される位置決めを行っている。そのため、部品数が少なく簡易で組立性が良好でありがなら、位置決めを高精度に行うことが可能となる。なお、本実施例では回転駆動を例にしたが、これに限定されることはなく、例えば直線駆動においても適用可能である。
本実施例は、実施例1の変形例で、実施例1における押さえ部材111を3つに分解した例である。図7は、本実施例の超音波モータの斜視図である。図に示されるように、押さえ部材111が3つの部材へ分割されている。
図8は、本実施例の板バネ109の組み立て説明図である。本実施例においては、各々の押さえ部材111が独立して、リング部材107へと位置決めされる。そのため、リング部材107は、嵌合穴107aと長穴107bの組を押さえ部材111の数だけ持つ。
また、固定部110は、実施例1と同様に、押さえ部材111を固定するとともに、隣接する複数の板バネ109の支持部の一端を一括して固定している。
本実施例においては、押さえ部材111が3つに分割されるため、付勢力の働く方向から見て板バネ109と重なる部分に押さえ部材111が位置しなくなる。すなわち、板バネ109と押さえ部材111は、各部材の厚み方向に重なるように配置されている。そのため、装置全体の薄型化が可能な構成となっている。
本実施例では、実施例1に比べ、部品点数が2点増加するが、薄型で組立性のよい構成でありながら、高精度な位置決めを行うことが可能になる。
本実施例は、実施例1、2で説明した超音波モータをレンズ鏡筒に組み込んだ場合について説明する。図9は、超音波モータ400を組込んだレンズ鏡筒の断面図である。レンズ鏡筒はほぼ回転対称形であるため、上側半分のみを表示している。また、図の煩雑さを防ぐためにフォーカスレンズ群G1、G2、G3以外のレンズおよびレンズ鏡筒は省略してある。本実施例のレンズ鏡筒は、交換レンズ式のカメラ(撮像装置)に着脱可能であり、カメラシステムの一部として機能する。
超音波モータ400は、レンズ鏡筒のフォーカスレンズ群を駆動するアクチュエータとして配置されている。超音波モータ400は、図中左側に光軸Lを回転中心として回転可能なロータ部、右側にステータ部を備えている。固定筒401、402、403、404は、それぞれビス等(不図示)により連結されている。固定筒403は超音波モータ400のステータ部を保持し、固定筒404は超音波モータ400のロータ部を回転可能な状態で保持している。
緩衝部材405は、超音波モータ400のロータ部に固定され、ロータ部と一体で回転する。回転部材406は、ロータ部および緩衝部材405と一体で回転する。
回転コロ407は、中心線CL1を回転中心とし、回転部材406に接触している。回転コロ保持部材408は、回転コロ407を回転可能に保持すると共に、光軸Lを回転中心として回転可能である。フォーカス調整部材409は、撮影者が直接操作可能であり、光軸Lを回転中心として回転可能である。
カム溝が形成されたカム筒410は、固定筒404に形成された溝部(不図示)を介して回転コロ保持部材408と連結されており、光軸Lを回転中心として回転コロ保持部材408と同時に回転する。
軸部材411は、カム筒410のカム溝に係合し、ビス412によりフォーカス鏡筒414に固定される。直進溝が形成された固定筒413は、固定筒404に固定される。また、固定筒413の直進溝に軸部材411が係合しており、カム筒410の回転移動により軸部材411が直進溝を直進移動する。
フォーカスレンズ群G1、G2、G3を保持するフォーカス鏡筒414は、軸部材411により固定筒413に直進可能に配置されている。なお、図中では、フォーカス鏡筒414は1か所の軸部材411で保持されているが、実際には、おおよそ等間隔に配置された3か所以上の軸部材で保持されている。
上記のような構成で、超音波モータ400のロータ部が回転すると、回転部材406も一体で回転する。また、回転部材406の回転に伴い、回転コロ407が回転する。回転コロ407の回転に伴い、回転コロ保持部材408が光軸Lを中心として回転し、カム筒410、固定筒413を介して、フォーカス鏡筒414が直線移動する。また、フォーカス調整部材409は、固定筒403、404との摩擦により静止する。
一方、フォーカス調整部材409が操作された場合には、超音波モータ400のロータ部が摩擦により静止し、ロータ部と一体として回転する回転部材406も静止する。このとき、回転コロ407の回転により、超音波モータ400でロータ部が回転する場合と同様に、フォーカス鏡筒414を直線移動することが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
101 ロータ(被駆動体)
102 振動板
103 圧電素子
107 リング部材(保持部)
109 板バネ(付勢部)
111 押さえ部材(支持部)

Claims (8)

  1. 振動板と圧電素子からなる振動子と、
    前記振動子により駆動される被駆動体と、
    前記振動子を保持する保持部と、
    前記振動子を前記被駆動体側へと付勢する付勢部と、
    前記保持部に固定されて前記付勢部を支持する支持部と、を有し、
    1つの基準位置に基づいて、前記保持部、前記付勢部および前記支持部の位置決めが行われることを特徴とする超音波モータ。
  2. 前記支持部は、前記被駆動体側に突出する突出部を備え、
    前記突出部が前記支持部に形成された第1の孔部および前記付勢部に形成された第2の孔部を挿通することで、前記保持部、前記付勢部および前記支持部の位置決めが行なわれることを特徴とする請求項1に記載の超音波モータ。
  3. 前記基準位置は、前記第1の孔部であることを特徴とする請求項2に記載の超音波モータ。
  4. 前記超音波モータは、複数の前記振動子と、対応する複数の付勢部と、を備えており、隣接する前記付勢部の中間位置に前記付勢部および前記支持部を前記保持部に固定するための固定部を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の超音波モータ。
  5. 前記超音波モータは、隣接する前記付勢部の間に位置するように複数の前記支持部を有することを特徴とする請求項4に記載の超音波モータ。
  6. 前記支持部および前記付勢部は、厚み方向に重なって配置されていることを特徴とする請求項5に記載の超音波モータ。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の超音波モータを有することを特徴とするレンズ鏡筒。
  8. 請求項7に記載のレンズ鏡筒と、
    前記レンズ鏡筒を着脱可能な撮像装置と、を有することを特徴とするカメラシステム。
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