JP2015082640A - 巻回型コンデンサの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】周面にガラスシートが巻かれた巻回型コンデンサを荷重して扁平化する際に、ガラスシートが割れることを抑制する技術を提供する。
【解決手段】巻回型コンデンサの製造方法は、外周面にガラスシート6を巻かれた、一つ又は積層された複数の巻回型コンデンサ15を軸直角方向に荷重して扁平化する。ガラスシート6の両端が重なる合わせ部7が荷重の際に前記プレス機の荷重面あるいは隣接するコンデンサと接触しない場所に位置している状態で、巻回型コンデンサ15を荷重する。
【選択図】図8
【解決手段】巻回型コンデンサの製造方法は、外周面にガラスシート6を巻かれた、一つ又は積層された複数の巻回型コンデンサ15を軸直角方向に荷重して扁平化する。ガラスシート6の両端が重なる合わせ部7が荷重の際に前記プレス機の荷重面あるいは隣接するコンデンサと接触しない場所に位置している状態で、巻回型コンデンサ15を荷重する。
【選択図】図8
Description
本明細書に開示の技術は、巻回型コンデンサの製造方法に関する。
ハイブリッドカーや電気自動車等の車両に使用される電気デバイスは小型化が要求される。シート状の内部電極を円筒状に巻回した巻回型のコンデンサは、内部電極の面積を確保しつつ、コンデンサの体格の増大を抑制することができる。また巻回型コンデンサを軸(巻回軸)直角方向に荷重することにより断面が扁平な巻回型コンデンサが製造されることがある。断面が扁平なため種々の実装形態等に対応できる。また、上記の車両に使用される電気デバイスには、厳しい耐湿性も要求される。特許文献1、特許文献2には、コンデンサの内部に水蒸気が侵入することを防止する技術が開示されている。特許文献1の技術では、コンデンサ素子に、水蒸気に対してバリア性のある無機酸化物の層を有するフィルムを巻回する。また、特許文献2の技術では、コンデンサの表面にガラス成分を含むコーティング膜(補助導体膜)を形成する。
薄膜状のガラスシートは柔軟性があるため巻回型のコンデンサの外周に巻きつけることができる。また、このガラスシートは水蒸気を遮断する効果が高い。このため、コンデンサに薄膜状のガラスシートを巻きつけることにより防湿性を高めることができる。巻回型のコンデンサにガラスシートを巻きつける際には、ガラスシートの周方向における一方の端部と他方の端部とがコンデンサの外周上で重ねられる。つまり、端部が重ねられた位置に合わせ部が形成される。ガラスシートの合わせ部では、ガラスシートの表面が凸になっている。このため、ガラスシートを巻きつけた巻回型コンデンサを軸直角方向に荷重して偏平化する際に、凸になった合わせ部に荷重が加わるとガラスシートが割れてしまう虞がある。
本明細書は、上記の課題を解決する技術を提供する。本明細書は、外周面にガラスシートが巻かれた巻回型コンデンサを荷重して扁平化する際に、ガラスシートが割れることを抑制する技術を提供する。
本明細書が開示する巻回型コンデンサの製造方法は、外周面にガラスシートを巻かれた、一つ又は積層された複数の巻回型コンデンサを軸直角方向に荷重して扁平化する。その製造方法では、ガラスシートの両端が重なる合わせ部が荷重の際に前記プレス機の荷重面あるいは隣接するコンデンサと接触しない場所に位置している状態で、巻回型コンデンサを荷重する。
上記の製造方法では、外周面にガラスシートが巻かれた巻回型コンデンサを荷重する際に、ガラスシートの合わせ部がプレス機の荷重面や隣接するコンデンサに押し付けられることがない。これにより、コンデンサのガラスシートが割れることが抑制される。
まず、図1、図2を用いて、本実施例の製造方法によって製造されるコンデンサ4を説明する。コンデンサ4は扁平な巻回型のコンデンサである。コンデンサ4は、巻回された電極シート5と、電極シート5の外周面に巻かれているガラスシート6とを有する。電極シート5は、陽極箔と誘電体フィルム(若しくはセパレータ)と陰極箔とを重ねたものである。コンデンサ4の外周面にガラスシート6が巻かれているため、コンデンサ4への水蒸気や空気の侵入が防止される。なお、電極シート5はケースに収容され、そのケースの周囲にガラスシート6が巻かれる場合もあるが、本実施例では、ケースの図示を省略している。また、電極シート5の巻回軸方向(図1において紙面の垂直方向)の端部には電極端子(メタリコン電極端子)が取り付けられるが、本実施例の理解を助けるために電極端子の図示も省略している。
コンデンサ4についてさらに詳細に説明する。図1に示すように、コンデンサ4の図中の上面及び下面は平坦な面である。また、コンデンサ4の図中の側面は、円弧状の曲面となっている。コンデンサ4の側面(具体的には左側の面)には、ガラスシート6の合わせ部7が形成されている。合わせ部7では、ガラスシート6が重ねられている。このため、合わせ部7は、コンデンサ4の外周面の他の部分に対して凸になっている。なお、巻回された電極シート5の両端面(図2における電極シート5の左右の面)の一方には陽極端子(不図示)が取り付けられ、他方には陰極端子(不図示)が取り付けられる。なお、電極シート5は、陽極端子が取り付けられる側の端部には陽極箔のみが突出し、陰極端子が取り付けられる側の端部には陰極箔のみが突出するように、陽極箔、誘電体フィルム、及び陰極箔が重ねられている。
以下に、図3〜図8を用いて、本実施例のコンデンサ4の製造方法を説明する。この製造方法では、まず、電極シート巻回工程S2を実施する(図3、図4)。電極シート巻回工程S2では、電極シート(すなわち、陽極箔、誘電体フィルム、及び陰極箔を重ねたもの)を円筒状に巻回することにより円筒状の電極シート5を製造する。
次に、ガラスシート外巻工程S4を実施する(図3、図5)。ガラスシート外巻工程S4では、S2において巻回された円筒状の電極シート5の外周面に薄板状のガラスシート6を巻回する。円筒状の電極シート5の外周面には、ガラスシート6の合わせ部7が形成される。なお、以下の説明では、巻回された円筒状の電極シート5にガラスシート6を巻回したものを円筒状のコンデンサ14(あるいは、単にコンデンサ14)と呼ぶ。また、円筒状のコンデンサ14や後に述べる扁平状のコンデンサ15は、コンデンサ4を製造する途中における中間的な製造物である。
次に、仮プレス工程S6を実施する(図3、図6、図7)。仮プレス工程S6は、後述する本プレス工程S8の前に、円筒状のコンデンサ14を扁平化しつつ形状を大まかに整える工程である。仮プレス工程S6は、仮プレス用のプレス機46を用いて行う。プレス機46は、上型10と、下型11とを有している。上型10の下面及び、下型11の上面はそれぞれ荷重面となっている。下型11は設置場所に対して固定されており、上型10は上下移動が可能である。仮プレス工程S6では、外巻き工程S4において製造されコンデンサ14をプレス機46に設置する。この際、ガラスシート6の合わせ部7が図6横方向に位置するようにコンデンサ14をプレス機46に設置する。なお、仮プレス工程S6における、合わせ部7のコンデンサ14の外周上での位置については、後に詳述する。
次に、上型10を下型11の方向に移動させる(図7)。円筒状のコンデンサ14が上下方向に圧縮されることにより、扁平なコンデンサ15が製造される。ここで、ガラスシートの合わせ部7は、コンデンサ14の外周面の他の部分よりも凸になっている。このため、例えば合わせ部7と上型10(あるいは下型11)とが互いに押し付けられると、ガラスシートが割れる虞がある。
本実施例の仮プレス工程S6では、ガラスシート6の合わせ部7が、コンデンサ14の外周における、圧縮方向に垂直な方向(図6横方向)に位置するようにコンデンサ14をプレス機46に設置する。具体的には、合わせ部7が図6横方向を向くように、コンデンサ14の軸周りの向きを調節しつつ、コンデンサ14をプレス機46に配置する。コンデンサ14の軸周りの向きは、コンデンサ14をプレス機46に配置する際に作業員がコンデンサ14を手動で回転させることにより調整することができる。コンデンサ14の軸周りの向きを調整するための設備を別途設けてもよい。
本実施例の仮プレス工程S6では、合わせ部7がコンデンサ14の外周における図6横方向に位置している。このため、コンデンサ14が圧縮される際に、合わせ部7とプレス機46の上型10(あるいは下型11)とが互いに接触しない。このため、コンデンサ14が割れることが防止される。別言すれば、仮プレス工程S6では、荷重の際にプレス機46の荷重面と接触しない場所に合わせ部7が位置している状態でコンデンサ14を荷重する。
次に、本プレス工程S8を実施する(図3、図8)。本プレス工程S8は、仮プレス工程S6において大まかに形状を整えられたコンデンサ14にさらに荷重を印加する。本プレス工程S8によってコンデンサ14の偏平化が完成すると共に、形状と品質が均一化される。本プレス工程S8は、本プレス用のプレス機47を用いて行う。プレス機47は、仮プレス用のプレス機46と同様に上型30と、下型31とを有している。本プレス工程S8では、仮プレス工程S6において製造されたコンデンサ15を、複数個積層させた状態でプレス機47に設置する。この際、積層されたコンデンサ15は、積層方向とプレス機47の圧縮方向とが一致するように配置される。なお、上述のように、合わせ部7は、コンデンサ15の外周における側面に位置している。次に、上型30を下型31の方向に移動させることにより、複数のコンデンサ15を、図8の上下方向に圧縮する。
本実施例の本プレス工程S8では、合わせ部7がコンデンサ15の外周における側面部に位置している。このため、コンデンサ15が圧縮される際に、コンデンサ15の合わせ部7と、コンデンサ15に隣接する他のコンデンサ15の表面とが互いに接触しない。あるいは、コンデンサ15の合わせ部7と、プレス機47の上型30及び下型31とは互いに接触しない。これにより、コンデンサ15が割れることが防止される。別言すれば、本プレス工程S8においては、荷重の際にプレス機47の荷重面あるいは隣接する他のコンデンサ15と接触しない場所に合わせ部7が位置している状態でコンデンサ14を荷重する。
コンデンサ15が圧縮されることにより、コンデンサ15の体積効率が高まる。また、複数のコンデンサ15を積層させた状態で圧縮するため、各コンデンサ15に付加される荷重が均一化される。これにより、コンデンサ15の寸法や密度が均一化される。なお、本プレス工程S8においてコンデンサ15を圧縮した後、コンデンサ15の巻回軸方向の端部に電極端子を取り付けてコンデンサ4が完成する。
以上説明したように、本実施例の製造方法では、仮プレス工程S6と本プレス工程S8のいずれの工程においても、合わせ部7がプレス機46、47あるいは隣接するコンデンサ14、15と接触しない場所に位置している状態で、コンデンサ14、15を荷重する。これにより、コンデンサ14、15が割れることが防止される。
次に、本実施例の仮プレス工程S6における、ガラスシート6の合わせ部7の位置についてさらに詳細に説明する。図9に示すように、コンデンサ4を構成している電極シート5は、コンデンサ4の図中の上下に位置する平坦面42と、コンデンサ4の図中の左右の面である側面44とを有している(図9では左側に位置する側面44のみを示している)。従って、仮プレス工程S6における合わせ部7の位置は、本プレス工程S8後において合わせ部7が側面44に位置しているように調節する。なお、本プレス工程S8後において合わせ部7が側面44に位置するためには、仮プレス工程S6において合わせ部7の位置をどの範囲に収めればよいかは、コンデンサ4の寸法等から適宜求めることができる。また、実験によって求めることもできる。
図9に示すように、側面44は、詳細には、側面44の中央に位置する曲面40と、曲面40と平坦面42との間に位置する曲面41とを有する。なお、参考として円弧を示す仮想線43を示す。仮プレス工程S6における合わせ部7の位置は、好ましくは、本プレス工程S8後の状態で、合わせ部7が曲面40(すなわち、コンデンサ4の側面の中央部)に位置しているように調節するとよい。これは次の理由による。曲面41に相当する位置(側面における中央部からずれた位置)では、仮プレス工程S6や本プレス工程S8において電極シート5の表面が外側に膨らみ易い。このため、図9に示すように、曲面41の曲率は曲面40の曲率よりも大きい。従って、合わせ部7が曲面41に位置している場合には、仮プレス工程S6や本プレス工程S8において、重ねられているガラスシートが剥がれやすい。このため、仮プレス工程S6における合わせ部7の位置は、本プレス工程S8後の状態で合わせ部7が曲面40に位置しているように調節するのが好ましい。
次に、コンデンサ4の製造方法の比較例を説明する。図13は、比較例の製造方法における本プレス工程S8を示す。比較例の製造方法でも、実施例1と同様に、コンデンサ33の外周面にガラスシート6が巻かれている。しかし、比較例の製造方法では、実施例1と異なり、合わせ部7の位置について何ら配慮がされていない。このため、コンデンサ33を荷重する際に、合わせ部7がプレス機47の上型30(あるいは下型31)、及び、隣接するコンデンサ33と接触する。比較例の製造方法では、実施例1の製造方法と異なり、コンデンサ33のガラスシート6が割れる虞がある。
以下に、図4、図8〜図12を用いてコンデンサ4の第2の製造方法を説明する。なお、実施例2の説明では、実施例1と同様な内容を説明する際には、実施例1で用いた図(具体的には図4、図8、図9)を流用して説明する。実施例2の製造方法でも、まず、電極シート巻回工程S2を実施する(図10、図4)。実施例2の電極シート巻回工程S2は、実施例1のものと同様である。
次に、仮プレス工程S54を実施する(図10、図11)。ここで、実施例1のコンデンサ4の製造方法では、電極シート巻回工程S2の後にガラスシート外巻工程S4を実施した。これに対して、実施例2のコンデンサ4の製造方法では、電極シート巻回工程S2の後に、仮プレス工程S54を実施する。従って、実施例2の仮プレス工程S54では、実施例1と異なり、プレス機46に、ガラスシート6を巻回されていない電極シート5を配置する。仮プレス工程S54により、扁平な電極シート5が製造される(図11)。
次に、ガラスシート外巻工程S56を実施する(図10、図12)。実施例1のガラスシート外巻工程S4では、円筒状の電極シート5にガラスシート6を巻回した。これに対し、実施例2のガラスシート外巻工程S56では、扁平な電極シート5の外周面にガラスシート6を巻回する。以下の説明では、扁平な電極シート5にガラスシート6を巻回したものを扁平なコンデンサ20(あるいは単にコンデンサ20)と呼ぶ。扁平な電極シート5の外周面にガラスシート6を巻回する際には、ガラスシート6の合わせ部7がコンデンサ20の外周面の側面に位置するように巻回する。なお、詳しくは、実施例1と同様に、本プレス工程S8後において合わせ部7が側面44(図9)に位置しているようにガラスシート6を巻回する。
次に、本プレス工程S8を実施する(図10、図8)。第2実施例の本プレス工程S8では、第1実施例の本プレス工程S8と同様に、コンデンサ20を複数個積層させた状態でプレス機47に設置して圧縮する(図8)。第2実施例の本プレス工程S8でも、第1実施例の本プレス工程S8と同様に、合わせ部7がコンデンサ20の外周における側面部に位置している。すなわち、第2実施例の本プレス工程S8でも、合わせ部7がプレス機47あるいは隣接するコンデンサ20と接触しない場所に位置している状態で、コンデンサ20を荷重する。これにより、コンデンサ20が割れることが防止される。最後に、電極シート5の巻回軸方向の端部に電極端子を取り付けてコンデンサ20が完成する。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
4、14、15、20 コンデンサ
5 電極シート
6 ガラスシート
7 合わせ部
10、30 上型
11、31 下型
40、41 曲面
42 平坦面
44 側面
5 電極シート
6 ガラスシート
7 合わせ部
10、30 上型
11、31 下型
40、41 曲面
42 平坦面
44 側面
Claims (1)
- 外周面にガラスシートを巻かれた、一つ又は積層された複数の巻回型コンデンサを軸直角方向に荷重して扁平化するコンデンサの製造方法であり、
前記ガラスシートの両端が重なる合わせ部が、荷重の際に前記プレス機の荷重面あるいは隣接するコンデンサと接触しない場所に位置している状態で、前記巻回型コンデンサを荷重する、
扁平な巻回型コンデンサの製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013221265A JP2015082640A (ja) | 2013-10-24 | 2013-10-24 | 巻回型コンデンサの製造方法 |
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JP2013221265A JP2015082640A (ja) | 2013-10-24 | 2013-10-24 | 巻回型コンデンサの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015082640A true JP2015082640A (ja) | 2015-04-27 |
Family
ID=53013075
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013221265A Pending JP2015082640A (ja) | 2013-10-24 | 2013-10-24 | 巻回型コンデンサの製造方法 |
Country Status (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2013
- 2013-10-24 JP JP2013221265A patent/JP2015082640A/ja active Pending
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