JP2015081674A - 変速機のシフト機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】 軸長を短縮可能な変速機のシフト機構を提供する。【解決手段】中立位置を挟んだ両側の前進位置と後進位置とに前後動する送り軸75が中立位置から軸線方向に移動する場合に回転してセレクト動作を行い、送り軸75に設けた突出部88が後進用フォークもしくは反転部材93に選択的に連結される。反転部材93は前進用フォーク91に連結されていて、その前進用フォーク91に対する連結部と、突出部88が係合する部分との移動方向が反対になるように構成されている。したがって、各フォーク91のニュートラル位置から軸線方向での移動方向が同じになる。【選択図】図2

Description

この発明は、車両などに用いられている変速機を前進状態、中立状態、さらには後進状態などに切り替えるためのシフト機構に関するものである。
変速機は、入力回転数と出力回転数との比率を適宜に変更するように構成され、車両に使用されている変速機は、更に、出力軸の回転方向を前進方向と後進方向とに切り替える前後進切替機構を備えている。前後進切替機構を備えた無段変速機の一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された無段変速機はベルト式の無段変速機であって、発進機構に連結されている入力軸と、その入力軸上に設けられた前進ギヤとをシフト機構によって連結し、その前進ギヤからカウンタ軸を介して駆動プーリにトルクを伝達し、さらに従動プーリから終減速機にトルクを出力するように構成されている。また、入力軸には後進ギヤが取り付けられる一方、これに噛み合っているギヤが従動プーリと一体の従動軸に回転可能に取り付けられ、そのギヤと従動プーリとをシフト機構によって連結することにより各プーリおよびベルトを介することく従動軸にトルクを伝達して後進状態を設定するように構成されている。そして、このシフト機構では、中立位置を挟んだ両側に前進位置と後進位置とが配置されている。
ベルト式無段変速機の他の例が特許文献2や特許文献3に記載されており、これらの特許文献2,3に記載された無段変速機では、駆動プーリと同軸上に、前進段を設定するための切替機構が配置され、また従動プーリと同軸上に後進段を設定するための切替機構が配置されている。これらの切替機構における前進位置と中立位置ならびに後進位置の配列は、それらの切替機構が半径方向に離れているとしても、軸線方向においては直列的な配列となっている。このようないわゆるシフト位置の配列は車両においては一般的であり、特許文献4にもそのようなシフト位置の配列が記載されている。
特開2003−130157号公報 特開2001−330095号公報 特開2002−39321号公報 特開平08−303542号公報
上記の各特許文献1ないし4に記載されているように、前後進切替機構におけるニュートラルおよび前進ならびに後進の各シフト位置は、ニュートラルを挟んで直列に配置されている。そのため、前進状態を設定するためのシフトフォークなどの操作部材の設置および動作に要するスペースと、後進状態を設定するためのシフトフォークなどの操作部材の設置および動作に要するスペースが軸線方向に並んだ状態になる。その結果、前後進切替機構の軸長あるいは前後進切替機構を含む変速機の全体としての軸長が長くなってしまい、変速機の小型化や車載性の向上などの点で改善の余地があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、全体としての軸長の短縮化を図ることの可能な変速機のシフト機構を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、駆動輪にトルクを出力する出力軸の回転方向を前進方向と後進方向とに切り替えることのできる変速機のシフト機構において、ニュートラル位置では前進方向のトルクを前記出力軸に伝達せずかつ前記ニュートラル位置から前進位置に直線的に移動することにより前進方向のトルクを前記出力軸に伝達する前進用トルク伝達部材と、その前進用トルク伝達部材の直線的な移動方向に対して直交する方向にずれて配置され、かつ前記ニュートラル位置では後進方向のトルクを前記出力軸に伝達せずかつ前記ニュートラル位置から前記前進位置への方向と平行な方向の後進位置に直線的に移動することにより後進方向のトルクを前記出力軸に伝達する後進用トルク伝達部材と、前記ニュートラル位置に対応する第1の位置とその第1の位置を挟んで前記第1の位置と直線上に並んでいる前進位置および後進位置のうちの一方の位置に対応する第2の位置および前記前進位置および前記後進位置のうちの他方の位置に対応する第3の位置に直線的に前後動し、前記第1の位置から前記第2の位置および第3の位置のそれぞれに移動する間にその中心軸線を中心に回転した後に前記第2の位置および第3の位置に向けて直線的に移動するとともに、前記第2の位置および第3の位置のそれぞれから前記第1の位置に後退する間に前記直線的な移動とは反対の方向に直線的に移動した後に前記中心軸線を中心にした前記回転とは反対方向に回転する送り軸と、その送り軸から半径方向に突出して形成されかつ前記送り軸が前記第1の位置から第2の位置に移動する際に前記送り軸と共に回転して前記前進用トルク伝達部材と前記後進用トルク伝達部材とのいずれか一方の部材に係合する突出部と、前記前進用トルク伝達部材と前記後進用トルク伝達部材とのいずれか他方のトルク伝達部材を直線的に押圧するように該他方のトルク伝達部材に係合させられかつ前記送り軸が前記第1の位置から第3の位置に移動する際に前記送り軸と共に回転した前記突出部が係合し該突出部の直線的な移動方向と反対方向に前記他方のトルク伝達部材を押圧する連結反転部材とを備えていることを特徴とするものである。
この発明では、送り軸をニュートラル位置に対応する第1の位置から第2の位置へ軸線方向に移動させると、送り軸はその中心軸線を中心に回転した後に軸線方向に直線的に移動する。送り軸がこのように回転することによりその半径方向に突出させられて設けられた突出部が前進用もしくは後進用の一方のトルク伝達部材に係合し、その状態で送り軸が直線的に移動することによりそのトルク伝達部材が軸線方向に送られて出力軸に対してトルクを伝達できる状態が成立する。すなわち前進状態もしくは後進状態が設定される。送り軸をこれとは反対に第1の位置から第3の位置に移動させると、その移動開始当初、送り軸は上記の場合とは反対方向に回転し、その突出部が連結反転部材に係合する。その連結反転部材は、他方のトルク伝達部材に係合させられており、前記突出部が係合した状態で送り軸が直線的に移動することにより他方のトルク伝達部材が、前記一方のトルク伝達部材と軸線方向では同一の方向に直線的に押され、出力軸に対してトルクを伝達できる状態が成立する。すなわち後進状態もしくは前進状態が設定される。このように前進用のトルク伝達部材の前後動の方向と後進用トルク伝達部材の前後動の方向とが、出力軸にトルクを伝達しない中立の位置を起点として同じ方向になる。そのため、軸線方向に直列に配列する部材の数や軸線方向に明けておくべき動作スペースを少なくすることができ、ひいては変速機の全体としての軸長の短縮化を図ることができる。
この発明の一具体例におけるセレクト・シフト機構のうち後進状態を設定するための部分を示す断面図である。 この発明の一具体例におけるセレクト・シフト機構のうち前進状態を設定するための部分を示す断面図である。 送り軸の動作を説明するための模式図である。 この発明の一具体例における従動軸および出力軸ならびにリバースアイドル軸の相対位置を示す配置図である。 この発明の一具体例を模式的に示すスケルトン図である。 この発明における二方向クラッチの一例を示す模式図である。 この発明の一具体例における動力伝達切替機構および推力発生機構ならびに変速部を示す断面図である。 この発明の一具体例における前後進切替機構のうち前進状態を設定するための機構を示す断面図である。 この発明の一具体例における前後進切替機構のうち後進状態を設定するための機構を示す断面図である。
この発明に係るシフト機構は各種の変速機に用いることができ、その一例としてベルト式無段変速機に適用した例を説明する。図に示す無段変速機の変速部1は従来知られているものと同様に、駆動プーリ2と従動プーリ3とこれらのプーリ2,3に巻き掛けられたベルト4とを備えている。そのプーリ2,3やベルト4は、金属製でもよく、あるいは接触面を合成樹脂製とした摩擦係数の大きいいわゆる乾式のものであってもよい。この発明は、特に、乾式ベルトを備えた無段変速機に有効である。
駆動プーリ2は、駆動軸5に一体化されていて軸線方向に移動しない固定シーブ6と、その固定シーブ6に対して接近および離隔するように駆動軸5に取り付けられた可動シーブ7とによって構成されている。また、従動プーリ3は、駆動軸5とは平行な従動軸8に一体化されていて軸線方向に移動しない固定シーブ9と、その固定シーブ9に対して接近および離隔するように従動軸8に取り付けられた可動シーブ10とによって構成されている。各プーリ2,3における固定シーブ6,9と可動シーブ7,10との互いに対向する面はテーパ状に形成されており、したがってそれぞれの可動シーブ7,10を軸線方向に前後動させることにより、ベルト4を巻き掛けるベルト巻き掛け溝11,12の幅およびベルト4が巻き掛かる半径が連続的に変化するようになっている。この発明においては、駆動プーリ2と従動プーリ3とのいずれか一方のプーリ2(3)におけるベルト巻き掛け溝11(12)の幅を目標とする変速比を設定する幅に制御し、また他方のプーリ3(2)においては、その可動シーブ10(7)を固定シーブ9(6)側に押圧して、目標とする伝達トルク容量を設定するように制御される。図5に示す例では、駆動プーリ2のベルト巻き掛け溝11の幅を変化させて目標とする変速比を設定し、また従動プーリ3における可動シーブ10を押圧する推力を制御して目標とする伝達トルク容量を設定するように構成されている。
その構成を具体的に説明すると、可動シーブ7にはその背面側(固定シーブ6とは反対側)に延びているボス部13が形成されており、そのボス部13に第1のネジ部材14が、相対回転可能でかつ軸線方向には一体化するように、軸受15を介して取り付けられている。この第1のネジ部材14に螺合(ネジを介して嵌合)している第2のネジ部材16が、トランスミッションハウジングなどの固定部17に取り付けられている。なお、駆動軸5の一方の端部は、この固定部17によって軸受18を介して回転自在に支持されている。これらのネジ部材14,16は円筒状に形成されており、一方のネジ部材14(16)の内周面に雌ネジが形成され、そのネジ部材14(16)の内側に嵌合している他方のネジ部材16(14)の外周面に、上記の雌ネジに螺合している雄ネジが形成されている。図5に示す例では、第1のネジ部材14の内周側に第2のネジ部材16が嵌合しているが、これとは反対に第1のネジ部材14の外周側に第2のネジ部材16が嵌合した構成とすることもできる。可動シーブ7に取り付けられている第1のネジ部材14には、変速ギヤ19が一体化されている。この変速ギヤ19は、変速操作力であるトルクを第1のネジ部材14に伝達するためのものである。上記の各ネジ部材14,16は従来知られている送りネジ機構であって、推力発生機構20を構成している。
つぎに、ベルト4を挟み付ける挟圧力を発生する機構について説明すると、図5に示す例では、従動プーリ3における可動シーブ10を、トルクカム21およびスプリング22によって、固定シーブ9側に押圧するように構成されている。このいわゆる押圧機構は、従来知られているものと同様に構成されている。前述した従動軸8の外周側にはカム軸23が相対回転可能でかつ軸線方向には移動しないように嵌合されており、このカム軸23には、可動シーブ10の背面に向けて突出した円筒カム24が一体化されている。この円筒カム24は、可動シーブ10の背面に向けた端面が、軸線方向に突出しかつ後退した滑らかな波状(ウェーブ状)のカム面、もしくは平坦面を折り曲げた状態で連続させたカム面とされた円筒体であり、そのカム面にカムフォロアー25が、直接接触するように押し付けられ、あるいはボールもしくはローラなどの転動体を介して押し付けられている。このカムフォロアー25は、前記可動シーブ10の背面側に突出した状態で可動シーブ10に一体化されている。なお、カムフォロアー25は、円筒カム24との間に作用するトルクによって軸線方向の推力を生じるように構成されていればよく、したがって端面を前記カム面と同形状とした円筒状の部材であってよく、あるいは先端部を前記カム面に突き当てた複数の軸状の部材であってもよい。そして、その可動シーブ10の背面とカム軸23との間に、スプリング22が配置されている。このスプリング22の弾性力によって可動シーブ10が固定シーブ9側に押圧されている。
上述したように各シーブ6,7,9,10の互いに対向する面がテーパ状に形成されているから、ベルト4の張力によってそれぞれのベルト巻き掛け溝11,12を押し広げる作用が生じる。すなわち、従動プーリ3における可動シーブ10が円筒カム24側に押される。その結果、カムフォロアー25のカム面が、円筒カム24のカム面に直接もしくは間接的に押し付けられる。その状態で従動プーリ3とカム軸23との間にそれらを相対回転させるトルクが作用すると、カム面の作用によって、トルクに応じた軸線方向に推力すなわちベルト挟圧力が生じる。
上述した駆動プーリ2が変速部1の入力要素であって、その駆動軸5が発進クラッチ26を介して駆動力源27に連結されている。駆動力源27はガソリンエンジンなどの内燃機関や電気モータ、あるいはこれらを組み合わせたハイブリッド駆動装置によって構成されている。また、発進クラッチ26は、駆動力源27と駆動軸5とのトルクの伝達およびその遮断を行う摩擦クラッチであって、湿式クラッチや乾式クラッチによって構成することができる。図5に示す例では、発進クラッチ26として乾式クラッチが採用されており、ダンパー28を介して駆動力源27に連結されている。この発進クラッチ26は従来知られている車両用の乾式クラッチと同様の構成であって、ダイヤフラムスプリングによって駆動側および従動側の摩擦板同士を接触させ、またレリーズ機構によってそのダイヤフラムスプリングを撓ませることにより摩擦板同士の接触圧力を減じるように構成されている。なお、レリーズ機構はダイヤフラムスプリングの内周側の端部を、梃子部材によって軸線方向に押圧するように構成されており、その梃子部材を動作させるクラッチ用アクチュエータ29が設けられている。このアクチュエータ29は、要は、梃子部材の力点側の端部を前後動させるためのものであり、したがって電動式もしくは油圧式の直動型シリンダやモータなどによって構成することができる。図5に示す例では、電気モータがクラッチ用アクチュエータとして採用されている。
また上述した従動プーリ3が変速部1の出力要素であって、その従動軸8から前述したカム軸23および前後進切替機構30を介して出力軸31にトルクを伝達し、その出力軸31から終減速機であるデファレンシャルギヤ32を介して左右の駆動輪33にトルクを伝達するように構成されている。
図に示す例では、前後進切替機構30の切替操作と前述した駆動プーリ2のベルト巻き掛け溝11の溝幅を変化させる変速操作とを、単一のアクチュエータが出力する操作力によって行うように構成されている。そのアクチュエータは電動式もしくは油圧式の直動型シリンダやモータなどによって構成することができ、図5に示す例では、電気モータ34によって構成されている。そのモータ34は動力伝達切替機構35に連結され、この動力伝達切替機構35から前述した変速部1と前後進切替機構30とに操作力を伝達するように構成されている。
動力伝達切替機構35は、モータ34が出力したトルクを少なくとも二つの箇所に切り替えて伝達するための機構であり、図5に示す例では、二方向クラッチ(two-way-clutch)36によって構成されている。この二方向クラッチ36の一例を図6に模式的に示してある。モータ34のトルクを出力するモータ軸37に半径方向に突出したロータ38が、キーやスプラインなどで回れ止めした状態で取り付けられており、そのロータ38の両方の側面に、第1アーマチャ39と第2アーマチャ40とが配置されている。これらのアーマチャ39,40は、磁力によって吸引されるとともに、所定の対象物に押し付けられてトルクを伝達する摩擦板として機能する部材であって、例えばリング状に形成されている。また、これらの各アーマチャ39,40は、ロータ38を軸線方向に貫通しかつロータ38の厚さより長いロッド(もしくはピン)41によって連結されている。なお、このロッド41と各アーマチャ39,40との連結は、ボルト止めやカシメなどの手段で行うことができる。そのロッド41は、ロータ38に緩く嵌合しており、したがって各アーマチャ39,40は、ロータ38の側面に引き寄せられた位置は、ロータ38の側面から離れた位置とに前後動できるように構成されている。そして、一方(図6での左側)のアーマチャ39とロータ38の側面との間に、アーマチャ39をロータ38の側面から離隔させる方向に押圧するスプリング42が配置されている。このスプリング42はウェーブスプリングであることが好ましいが、複数のコイルスプリングなどの他の弾性体であってもよい。さらに、第1アーマチャ39に対向した第1ドライブプレート43と、第2アーマチャ40に対向した第2ドライブプレート44とが、モータ軸37に回転可能に取り付けられている。
第1ドライブプレート43は、変速部1に対して操作力を出力するためのものであって、その一例は、モータ軸37に軸受45を介して嵌合させられた変速用のドライブギヤ46におけるディスク部分である。また、第2ドライブプレート44は、前後進切替機構30に対して操作力を出力するためのものであって、モータ軸37の先端部に軸受47を介して回転可能に嵌合させた出力ギヤ48に一体に形成されているフランジ部である。
各アーマチャ39,40をそれぞれに対向するドライブプレート43,44に接触させ、また離隔させるための機構について説明すると、上記の第2ドライブプレート44を挟んで第2アーマチャ40とは反対側(図6では右側)に電磁コイル49が配置されている。上記の各ドライブプレート43,44やロータ38は、非磁性材料によって形成されており、電磁コイル49で発生させた磁力によって、各アーマチャ39,40を電磁コイル49側に吸引するようになっている。したがって、図6の(a)に示す電磁コイル49に通電していないノーマル状態(非動作状態)では、第2アーマチャ40がスプリング42によって第2ドライブプレート44から離隔され、かつ第1アーマチャ39がスプリング42の弾性力でドライブギヤ46のディスク部(第1ドライブプレート43)に押し付けられて、モータ34の出力トルクがドライブギヤ46に伝達される。また、図6の(b)に示す電磁コイル49に通電した動作状態では、第1アーマチャ39がスプリング42の弾性力に抗して磁気吸引されてドライブギヤ46から離隔され、かつ第2アーマチャ40がスプリング42の弾性力に抗して磁気吸引されて第2ドライブプレート44に押し付けられて、モータ34の出力トルクが出力ギヤ48に伝達される。なお、図6において、符号50はクラッチケースを示す。
上記のドライブギヤ46から変速ギヤ19にトルクを伝達する減速ギヤ機構51が設けられている。図5に示す例では、減速ギヤ機構51は、3本のカウンタシャフト52,53,54を備えており、第1のカウンタシャフト52には前記ドライブギヤ46に噛み合っている大径のギヤ55とそれより小径のギヤ56とが設けられており、第2のカウンタシャフト53には第1のカウンタシャフト52における小径のギヤ56に噛み合っている大径のギヤ57とそれよりも小径のギヤ58とが設けられており、さらに第3のカウンタシャフト54には第2カウンタシャフト53における小径のギヤ58に噛み合っている大径のギヤ59とそれより小径でかつ軸長の長いドライブギヤ60が設けられている。そして、このドライブギヤ60に前述した変速ギヤ19が噛み合っている。なお、上述した動力伝達切替機構35および減速ギヤ機構51ならびに推力発生機構20の具体的な構成を図7に断面図で示してある。この図7に示す例では、並列的に設けられた二つの電磁クラッチ35A,35Bによって動力伝達切替機構35が構成され、変速用のクラッチ35Aは非通電状態で係合してトルクを伝達するように構成され、また前後進切替用のクラッチ35Bは非通電状態で解放してトルクの伝達を遮断するように構成されている。
つぎに前後進切替機構30の構成を説明する。前述したカム軸23には、フォワードドライブギヤ61とリバースドライブギヤ62とが取り付けられている。そのフォワードドライブギヤ61に噛み合っているフォワードドリブンギヤ63が前述した出力軸31に相対回転可能に嵌合させられている。フォワードドリブンギヤ63と出力軸31をトルク伝達可能に連結するためのシンクロナイザ64が設けられている。このシンクロナイザ64は従来の車両用変速機に広く採用されているものと同様の構成であって、その具体的な構成を図8に断面図で示してある。出力軸31と一体のハブ65の外周部に、軸線方向に前後動しかつハブ65と共に回転するハブスリーブ66がスプライン嵌合されており、そのハブ65と同一の外径でかつハブ65に隣接した位置に、フォワードドリブンギヤ63側のスプライン部67が配置されている。また、ハブスリーブ66の内周側で前記ハブ65とフォワードドリブンギヤ63のボス部との間にはシンクロナイザリング68が配置されている。さらに、ハブスリーブ66の外周部には、リバースドリブンギヤ69が一体に形成されている。そして、このハブスリーブ66は、そのリバースドリブンギヤ69が前述したカム軸23上のリバースドライブギヤ62の外周側に位置するように配置されている。したがって、ハブスリーブ66を図8における左方向に移動させると、フォワードドリブンギヤ63と出力軸31との回転数が同期した後、ハブスリーブ66がフォワードドリブンギヤ63側のスプライン部67にスプライン嵌合してフォワードドリブンギヤ63と出力軸31とが連結される。
その出力軸31には、出力ギヤ70が一体となって回転するように設けられている。この出力ギヤ70が前述したデファレンシャルギヤ32におけるリングギヤ71に噛み合っている。したがって、シンクロナイザ64によってフォワードドリブンギヤ63と出力軸31とを連結した場合には、カム軸23からそのフォワードドライブギヤ61およびこれに噛み合っているフォワードドリブンギヤ63ならびに出力軸31および出力ギヤ70を介してデファレンシャルギヤ32にトルクが伝達され、車両が前進走行する。
つぎに後進状態を設定するための機構について説明すると、前述したリバースドライブギヤ62とハブスリーブ66に一体に設けられているリバースドリブンギヤ69との外周側に、これらのギヤ62,69に噛み合う位置とその噛み合いが外れる位置とに移動するリバースアイドルギヤ72が設けられている。その具体的な構成を図9に部分的な断面図で示してあり、カム軸23の中心軸線と出力軸31の中心軸線とを通る平面から外れた位置に、これらの軸23,31と平行にリバースアイドル軸73が配置されている。リバースアイドルギヤ72はこのリバースアイドル軸73に回転可能でかつ軸線方向に移動できるように取り付けられている。そして、前記ハブスリーブ66が前記フォワードドリブンギヤ63側のスプライン部67に係合していないいわゆるニュートラル位置にある状態で、リバースアイドルギヤ72がリバースドライブギヤ62に噛み合う位置に移動すると、同時に、リバースアイドルギヤ72がリバースドリブンギヤ69に噛み合うようになっている。したがって、カム軸23上のリバースドライブギヤ62と出力軸31上のリバースドリブンギヤ69との間にリバースアイドルギヤ72が介在することになるので、後進状態が設定される。
前述した変速用の操作力を出力するモータ34のトルクを、上記のハブスリーブ66およびリバースアイドルギヤ72にこれらを軸線方向に移動させる操作力として作用させるシフト機構74が設けられている。このシフト機構74は、前進状態を設定するための操作と、後進状態を設定するための操作とを選択し、また選択されたそれらの操作を実行するように構成されている。その前進状態を設定するための操作および後進状態を設定するための操作は、送り軸75が前後動することにより行うようになっている。図1および図2にその具体的な例を示してある。送り軸75は中間部が円形断面で、両端部が非円形断面に形成された軸であって、前述した出力軸31やリバースアイドル軸73と平行に配置されており、さらにニュートラル位置とそのニュートラル位置を挟んだ両側の前進位置および後進位置に直線的に前後動し、かつその前後動に伴って中心軸線を中心にして所定角度回動するように支持されている。
前記モータ34のトルクによって送り軸75を直線移動および回動させるための機構を説明すると、モータ軸37の先端部に取り付けられている出力ギヤ48は、図に示す例ではベベルギヤであって、その出力ギヤ48に噛み合っている従動側のベベルギヤ76が、その中心軸線をモータ軸37に対して直交する方向に向けて配置されている。そのベベルギヤ76の中心軸線に沿って回転するようにベベルギヤ76と一体化した円筒状もしくは円柱状のギヤ77が設けられている。このギヤ77に扇形のギヤ(以下、扇形ギヤと記す)78が噛み合っており、その扇形ギヤ78の歯車部分に対して直径方向で反対側にアーム部79が延びており、そのアーム部79の先端部に、アーム部79の回転中心軸線と平行な方向に向けてピン80が取り付けられている。
一方、前記送り軸75の中間部にスリーブ81が送り軸75とは相対回転可能でかつ軸線方向に相対移動可能に嵌合させられている。このスリーブ81の外周部に形成された溝82に上記のピン80が挿入されている。これらのピン80および溝82は、上記の扇形ギヤ78あるいはアーム部79の回転動作をスリーブ81の直線的な動作に変換する連結機構であり、したがってアーム部79に溝を形成し、その溝に係合するピンをスリーブ81に設けてもよい。あるいはこれらのピン80および溝82に替えて、前記扇形ギヤ78を円形のギヤとし、かつこれに噛み合うラックをスリーブ81に設けてもよい。
上記のスリーブ81と送り軸75との間に、両者の軸線方向の相対移動を回転動作に変換するカム部が設けられている。その例を図3に模式的に示してあり、螺旋溝もしくは螺旋状貫通孔(以下、螺旋状貫通孔とする)83とこれに嵌合しているピンなどのカムフォロアー84とによってカム部が構成されている。すなわち、スリーブ81には、送り軸75をその中心軸線を中心にして回転させるべき角度に応じた長さの螺旋状貫通孔83が形成されており、その螺旋状貫通孔83に沿って移動するピン84が送り軸75に半径方向で外側に突き出た状態で設けられている。
さらに、送り軸75の両端部には、非円形断面部の係合部85F,85Rが設けられている。この係合部85F,85Rは、送り軸75の端部を中心軸線に沿って互いに平行な二面にカットした二面幅の部分である。これは、送り軸75の回転を止めるためのものであり、したがってその形状は非円形断面であればよく、二面幅に限定されない。送り軸75の両端部側に位置する所定の固定部17には上記の係合部85F,85Rの断面形状に対応した非円形断面の中空部である嵌合部87F,87Rが形成されている。これらの係合部85F,85Rと嵌合部87F,87Rとの相対的な位相は、以下のように設定されている。
送り軸75が、いずれの係合部85F,85Rも嵌合部87F,87Rに嵌合していないこの発明における第1の位置に相当するニュートラル位置にある状態(図3の(c)に示す状態)では、一方の係合部85Fとこれに対応する嵌合部87Fとの位相、および他方の係合部85Rとこれに対応する嵌合部87Rとの位相は、一致していない。すなわち、送り軸75に対してその軸線方向の推力もしくは押圧力が作用しても、その端部が嵌合部87F,87Rの開口端面に突き当たり、軸線方向への直線的な移動が阻止される。これに対して、前記スリーブ81が例えば図3における左方向に移動すると、上記の螺旋状貫通孔83とピン84とからなるカム部の作用で送り軸75が螺旋状貫通孔83の長さおよびスリーブ81のストローク量に応じた角度回転する。その状態で、スリーブ81の移動方向での先端側の係合部85Rの位相が、これに対応する一方の嵌合部87Rに一致する(図3の(b)に示す状態)。その結果、送り軸75の軸線方向への直線的な移動が可能になる。このようにして送り軸75が図1の左側の端部まで移動した位置(図3の(a)に示す位置)が、この発明における第2もしくは第3の位置に相当するリバース(後進)位置となっている。
これと同様に、送り軸75がニュートラル位置にある状態から、前記スリーブ81が例えば図3における右方向に移動すると、上記の螺旋状貫通孔83とピン84とからなるカム部の作用で送り軸75が螺旋状貫通孔83の長さおよびスリーブ81のストローク量に応じた角度回転する。その状態で、スリーブ81の移動方向での先端側の係合部85Fの位相が、これに対応する他方の嵌合部87Fに一致する(図3の(d)に示す状態)。その結果、送り軸75の軸線方向への直線的な移動が可能になる。このようにして送り軸75が図3の右側の端部まで移動した位置(図3の(e)に示す位置)が、この発明における第3もしくは第2の位置に相当するフォワード(前進)位置となっている。
送り軸75には、更に、操作部として機能する突出部88が設けられている。この突出部88は、送り軸75からその半径方向で外側に突き出た板状のアーム部であり、送り軸75と一体となって回転し、また軸線方向に直線的に前後動する。すなわち、突出部88は、送り軸75がニュートラル位置にある状態での位置を中心にして、左右に、所定角度回転する。図4にはその突出部88のニュートラル位置での回転位置、前進位置での回転位置、ならびに後進位置での回転位置を示してある。
また、図4には、前述した従動軸8およびカム軸23と、出力軸31と、リバースアイドル軸73と、送り軸75との相対位置をそれぞれの中心軸線の位置で示してある。この図4に示すように、リバースアイドル軸73は、従動軸8およびカム軸23の中心軸線を通る(含む)平面から外れて配置されている。したがって、リバースアイドル軸73に嵌合させられたリバースアイドルギヤ72は、軸線方向に移動することにより、カム軸23上のリバースドライブギヤ62とシンクロナイザ64におけるハブスリーブ66に一体のリバースドリブンギヤ69とに噛み合うようになっている。
リバースアイドルギヤ72を軸線方向に移動させるためのリバースフォーク89が設けられている。このリバースフォーク89は、従来の車両用変速機に設けられているシフトフォークと同様の部材であり、リバースアイドル軸73に近い位置にリバースアイドル軸73と平行でかつ軸線方向に移動可能に配置された支持軸90に取り付けられている。図1において、符号90Aはセンサであって支持軸90の位置を検出する。そのリバースフォーク89の一方の端部がリバースアイドルギヤ72のボス部に形成された溝に係合しており、またリバースフォーク89の他方の端部は、セレクト動作する前記突出部88の回転位置のうち、送り軸75が後進位置に移動している場合の回転位置に一致する位置に延びている。すなわち、送り軸75が後進位置に移動する場合に、突出部88がリバースフォーク89に係合し、軸線方向に一体となって移動するようになっている。すなわち、支持軸90やリバースフォーク89およびこれが係合しているリバースアイドルギヤ72はこの発明における後進用トルク伝達部材に相当していて、ニュートラル位置と後進位置とに直線的に前後動する。
他方、シンクロナイザ64におけるハブスリーブ66を軸線方向に移動させるためのフォワードフォーク91が設けられている。このフォワードフォーク91は、従来の車両用変速機に設けられているシフトフォークと同様の部材であり、出力軸31に近い位置に出力軸31と平行にかつ軸線方向に移動可能に配置された支持軸92に取り付けられている。そのフォワードフォーク91の一方の端部がハブスリーブ66のボス部に形成された溝に係合している。また、この支持軸92と前記送り軸75との間に、この発明における連結反転部材に相当する回転アーム93が設けられている。この回転アーム93は、送り軸75と支持軸92との間に配置され、これらの軸75,92の中心軸線に対して垂直に方向を向く取付軸94を中心にして回転するように設けられている。この回転アーム93の一方の端部は前述した送り軸75の突出部88に係合し、また他方の端部は支持軸92を軸線方向に押すように支持軸92に係合している。すなわち、送り軸75の移動方向に対して支持軸の移動方向が反対になるように構成されている。そして、送り軸75が前進位置に移動する場合に、突出部88が回転アーム93に係合し、その回転アーム93が取付軸94を中心にして回転することにより、支持軸92およびこれと一体のフォワードフォーク91が送り軸75と反対の方向に直線的に移動するようになっている。すなわち、フォワードフォーク91およびこれが係合しているハブスリーブ66はこの発明における前進用トルク伝達部材に相当していて、ニュートラル位置と前進位置とに直線的に前後動する。
つぎに上述した無段変速機およびシフト機構の作用について説明する。車両が停止している場合、発進クラッチ26はトルクを遮断する解放状態に制御される。これは、クラッチ用アクチュエータ29を動作させて行う。この状態では、前後進切替機構30にトルクが作用しないので、前進および後進あるいはニュートラルの切替が行われる。上述したように、前後進の切替および変速を単一のアクチュエータである前記モータ34によって行うようになっており、そのために前後進切替機構30を切替動作させるためには、先ず、前記二方向クラッチ36を第2ドライブプレート44にトルクを伝達する状態に動作させる。図6に示すように構成された二方向クラッチ36においては、電磁コイル49に通電し、各アーマチャ39,40を第2ドライブプレート44側に移動させる。その結果、第1アーマチャ39が変速用のドライブギヤ46から離隔し、第2アーマチャ40が出力ギヤ48と一体のフランジ部である第2ドライブプレート44に摩擦接触し、第2ドライブプレート44側がトルク伝達可能な係合状態になる。
この状態でモータ34を所定方向に回転させると、モータ34のトルクによって前述したベベルギヤ76とこれと一体のギヤ77を介して扇形ギヤ78が回転し、その結果、前記ピン80を介して扇形ギヤ78に連結されているスリーブ81が軸線方向に移動する。スリーブ81と送り軸75とは、前述した螺旋状貫通孔83およびピン84からなるカム部によって連結されているから、送り軸75がその端部の係合部85F,85Rとこれが嵌合する嵌合部87F,87Rとの作用によって送り軸75の回転が止められていれば、送り軸75がスリーブ81と共に軸線方向に移動する。その場合、突出部88がいずれかのフォーク89,91に係合していれば、そのフォーク89,91と共に支持軸90,92が移動し、その位置がそれぞれに対応して設けられているセンサ90Aによって検出される。結局、送り軸75の位置がセンサ90Aからの出力信号によって判定されるので、モータ34は目標とするシフト位置で停止する。
シフトポジションとしてニュートラルが選択されている場合には、送り軸75がニュートラル位置に移動させられている。この状態では、送り軸75の両端部に形成されている係合部85F,85Rがそれぞれに対応する嵌合部87E,87Rから抜け出ていて、送り軸75は回転可能な状態になっており、また突出部88はリバースフォーク89およびフォワードフォーク91のいずれにも係合していない。したがって各フォーク89,91およびそれぞれの支持軸90,92はニュートラル位置に戻されていて、リバースアイドルギヤ72はリバースドライブギヤ62およびリバースドリブンギヤ69から離脱している。また、シンクロナイザ64は解放状態になっていて、フォワードドリブンギヤ63と出力軸31との間のトルク伝達が遮断されている。すなわち、前後進切替機構30の全体しては、トルクを伝達しないニュートラル状態になっている。
シフトポジションとして前進走行のためのドライブポジションが選択されると、動力伝達切替機構35を構成している二方向クラッチ36に通電されて二方向クラッチ36が第2ドライブプレート44側に係合する。この状態でモータ34が回転して出力ギヤ70に噛み合っている前記ベベルギヤ76が図2の時計方向に回転し、またこれに噛み合っている扇形ギヤ78が図2の反時計方向に回転する。そして、送り軸75に嵌合しているスリーブ81がニュートラル位置から前進位置に向けて(図3の右方向)に押される。その場合、送り軸75は軸線方向に移動できずに回転できる状態になっているから、スリーブ81と送り軸75との間に設けられているカム部の作用によって送り軸75が回転する。その結果、突出部88が図4の反時計方向に回転し、前述した回転アーム93の一方の端部に係合する。これと同時に、送り軸75の端部に形成されている一方の係合部85Fの位相が、これに対応して形成されている嵌合部87Fの位相と一致し、送り軸75がその軸線方向に移動できる状態になる。すなわち、非円形断面の係合部85Fが嵌合部87Fに嵌合して送り軸75の回転が阻止されて、送り軸75およびこれに一体化されている突出部88がスリーブ81と共に軸線方向に移動する。図3の(d)ないし(e)はこれらの過程を示している。
回転アーム93は前述したようにその中間部を中心にして回転するように支持されているから、送り軸75側の端部が図2の右方向に移動すると、送り軸75側とは反対側の端部が図2の左方向に移動し、支持軸92およびこれに取り付けられているフォーワドフォーク91を図2の左方向に移動させる。その結果、シンクロナイザ64におけるハブスリーブ66がフォワードドリブンギヤ63側に移動し、シンクロナイザ64が係合状態になる。すなわち、フォワードドリブンギヤ63が出力軸31に連結される。
前進状態からニュートラル状態に切り替える場合は、モータ34が上記の前進状態を設定する場合とは反対方向に回転する。したがって、スリーブ81が上述した場合とは反対の図3の左方向に移動させられる。その場合、当初は、送り軸75に形成されている係合部85Fがこれに対応する嵌合部87Fに嵌合していて送り軸75の回転が止められているので、送り軸75およびこれと一体の突出部88がスリーブ81と共に軸線方向に直線的に後退移動する。送り軸75がニュートラル位置まで移動すると、その他方の端部が、他方の嵌合部87Rの開口端に当接して移動が阻止され、かつ前進側の係合部85Fがこれに対応する嵌合部87Fから抜け出るので、送り軸75が回転可能な状態になる。スリーブ81が更に移動するために、スリーブ81と送り軸75との間に設けられているカム部の作用によって送り軸75が回転し、その外周側に突出している突出部88が回転アーム93の端部から離脱してニュートラル位置に戻る。
後進状態に切り替える場合には、上記の前進状態を設定する場合と同様に、動力伝達切替機構35を構成している二方向クラッチ36に通電されて二方向クラッチ36が第2ドライブプレート44側に係合する。この状態でモータ34が上記の前進状態を設定する場合とは反対方向に回転して出力ギヤ70に噛み合っている前記ベベルギヤ76が図1の反時計方向に回転し、またこれに噛み合っている扇形ギヤ78が図1の時計方向に回転する。そして、送り軸75に嵌合しているスリーブ81がニュートラル位置から後進位置に向けて(図3の左方向)に押される。その場合、送り軸75は軸線方向に移動できずに回転できる状態になっているから、スリーブ81と送り軸75との間に設けられているカム部の作用によって送り軸75が回転する。その結果、突出部88が図4の時計方向に回転し、前述したリバースフォーク89の一方の端部に係合する。これと同時に、送り軸75の端部に形成されている他方の係合部85Rの位相が、これに対応して形成されている嵌合部87Rの位相と一致し、送り軸75がその軸線方向に移動できる状態になる。すなわち、非円形断面の係合部85Rが嵌合部87Rに嵌合して送り軸75の回転が阻止されて、送り軸75およびこれに一体化されている突出部88がスリーブ81と共に軸線方向に移動する。図3の(b)ないし(a)はこれらの過程を示している。
リバースフォーク89は前述したように支持軸90に取り付けられて支持軸90と共にその軸線方向に移動するように構成されているから、リバースフォーク89は前記突出部88に押されて図1の左方向に移動し、リバースアイドルギヤ72がリバースドライブギヤ62と前記ハブスリーブ66に形成されているリバースドリブンギヤ69との間に移動させられてこれらのギヤ62,69と噛み合う。その結果、これらのギヤ62,69がリバースアイドルギヤ72を介して連結されるので、出力軸31と前述した前進状態とは反対方向に回転させられ、後進状態が設定される。
後進状態からニュートラル状態に切り替える場合は、モータ34が上記の後進状態を設定する場合とは反対方向に回転する。したがって、スリーブ81が上述した場合とは反対の図3の右方向に移動されられる。その場合、当初は、送り軸75に形成されている係合部85Rがこれに対応する嵌合部87Rに嵌合していて送り軸75の回転が止められているので、送り軸75およびこれと一体の突出部88がスリーブ81と共に軸線方向に直線的に後退移動する。送り軸75がニュートラル位置まで移動すると、その一方の端部が、一方の嵌合部87Fの開口端に当接して移動が阻止され、かつ後進側の係合部85Rがこれに対応する嵌合部87Rから抜け出るので、送り軸75が回転可能な状態になる。スリーブ81が更に移動するために、スリーブ81と送り軸75との間に設けられているカム部の作用によって送り軸75が回転し、その外周側に突出している突出部88がリバースフォーク89の端部から離脱してニュートラル位置に戻る。
この発明に係るシフト機構では、ニュートラル位置から前進位置へのフォワードフォーク91のシフト動作の方向と、ニュートラル位置から後進位置へのリバースフォーク89のシフト動作の方向とが同じであるから、軸線方向に直列に並ぶ部材の数が少なくなり、またそのシフト動作のために確保する必要のある軸線方向でのスペースを削減することができる。そのため、この発明によれば、シフト機構やこれを内蔵している無段変速機の全体としての軸長の短縮化を図ることができる。特に、停車時であっても変速部1を回転させることができるように、前後進切替機構30を従動軸8と同軸上に配置する場合には、従動軸8の中心軸線方向での軸長の増大を抑制できるので、FF車(エンジン前置き・前輪駆動車)に対する車載性に優れた変速機を得ることが可能になる。
以上、この発明を具体例に基づいて説明したが、この発明は上記の具体例に限定されないのであって、この発明は特許請求の範囲に記載されている構成の範囲で適宜に変更して実施することができる。
1…変速部、 27…駆動力源、 30…前後進切替機構、 31…出力軸、 33…駆動輪、 61…フォワードドライブギヤ、 62…リバースドライブギヤ、 63…フォワードドリブンギヤ、 64…シンクロナイザ、 65…ハブ、 66…ハブスリーブ、 67…スプライン部、 68…シンクロナイザリング、 69…リバースドリブンギヤ、 70…出力ギヤ、 71…リングギヤ、 72…リバースアイドルギヤ、 73…リバースアイドル軸、 74…シフト機構、 75…送り軸、 76…ベベルギヤ、 77…ギヤ、 78…扇形ギヤ、 79…アーム部、 80…ピン、 81…スリーブ、 82…溝、 83…螺旋状貫通孔、 84…カムフォロアー(ピン)、 85F,85R…係合部、 87F,87R…嵌合部、 88…突出部、 89…リバースフォーク、 90…支持軸、 91…フォワードフォーク、 92…支持軸、 93…回転アーム、 94…取付軸。

Claims (1)

  1. 駆動輪にトルクを出力する出力軸の回転方向を前進方向と後進方向とに切り替えることのできる変速機のシフト機構において、
    ニュートラル位置では前進方向のトルクを前記出力軸に伝達せずかつ前記ニュートラル位置から前進位置に直線的に移動することにより前進方向のトルクを前記出力軸に伝達する前進用トルク伝達部材と、
    その前進用トルク伝達部材の直線的な移動方向に対して直交する方向にずれて配置され、かつ前記ニュートラル位置では後進方向のトルクを前記出力軸に伝達せずかつ前記ニュートラル位置から前記前進位置への方向と平行な方向の後進位置に直線的に移動することにより後進方向のトルクを前記出力軸に伝達する後進用トルク伝達部材と、
    前記ニュートラル位置に対応する第1の位置とその第1の位置を挟んで前記第1の位置と直線上に並んでいる前進位置および後進位置のうちの一方の位置に対応する第2の位置および前記前進位置および前記後進位置のうちの他方の位置に対応する第3の位置に直線的に前後動し、前記第1の位置から前記第2の位置および第3の位置のそれぞれに移動する間にその中心軸線を中心に回転した後に前記第2の位置および第3の位置に向けて直線的に移動するとともに、前記第2の位置および第3の位置のそれぞれから前記第1の位置に後退する間に前記直線的な移動とは反対の方向に直線的に移動した後に前記中心軸線を中心にした前記回転とは反対方向に回転する送り軸と、
    その送り軸から半径方向に突出して形成されかつ前記送り軸が前記第1の位置から第2の位置に移動する際に前記送り軸と共に回転して前記前進用トルク伝達部材と前記後進用トルク伝達部材とのいずれか一方の部材に係合する突出部と、
    前記前進用トルク伝達部材と前記後進用トルク伝達部材とのいずれか他方の部材を直線的に押圧するように該他方の部材に係合させられかつ前記送り軸が前記第1の位置から第3の位置に移動する際に前記送り軸と共に回転した前記突出部が係合し該突出部の直線的な移動方向と反対方向に前記他方の部材を押圧する連結反転部材と
    を備えていることを特徴とする変速機のシフト機構。
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