JP2015081581A - 高周波放電点火装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】所定の高電圧を発生し、発生した所定の高電圧を点火プラグに供給して間隙に火花放電の経路を形成させる火花放電経路生成装置101と、インダクタ117とコンデンサ116より成る共振装置105と、共振装置を介し、間隙に形成された火花放電の経路に交流電流を供給する電流供給装置103と、電流供給装置から供給される交流電流のレベル、もしくはこれに相当するレベルを検出し、その検出レベルに応じた値を出力する電流レベル検出装置115と、電流レベル検出装置の出力に応じて、電流供給装置が供給する交流電流の出力を制御する制御装置104とを備えた。
【選択図】図1
Description
この対応の一例として、過給機を利用したエンジンダウンサイジング、軽量化により燃料消費量を飛躍的に改善する方法がある。
この理由の一つに、点火プラグの高圧電極とGND(グランド)電極の間(ギャップ)で絶縁破壊を引起すための要求電圧が非常に高くなり、点火プラグの絶縁碍子部の耐電圧値を超えてしまう点がある。
しかしながら、点火プラグのギャップを狭めると、今度は電極部による消炎作用の影響が大きくなり、始動性の低下、燃焼性の低下を引起す点に課題が発生してしまう。
コンデンサは一般的に温度特性を持っており、環境温度の変化に応じて許容値が変化するものである。
特許文献1に示された従来の点火コイル装置は、コンデンサの通過周波数帯域に応じた交流電流を火花放電の経路に投入するものであるので、このコンデンサの特性が温度により変化することで、火花放電の経路に投入される電流レベルが著しく変化する。
そのため、電流レベルを検出し、コンデンサの通過周波数帯域に応じた交流電流の周波数を制御することが考えられる。
しかし、内燃機関の燃焼状態が変化し、燃焼状態が不安定になると火花放電経路のインピーダンスが増加するため、火花放電の経路に投入される電流レベルも著しく変化し、安定して電流を投入できなくなるという課題を有している。
この発明の実施の形態1による高周波放電点火装置は、点火コイル装置で作る高電圧により点火プラグの主プラグギャップ間に火花放電を発生させ、加えて、火花放電経路に高周波交流電流を流し込むことで、主プラグギャップ間に大きな放電プラズマを形成させる装置である。
このように電流レベル検出装置115を電流供給装置103のパッケージ内に設けた場合、スイッチング回路130等と共通で使用できる回路(電源回路等)があるため回路の小型化を図れる上、スイッチング回路130と同じGNDレベルで電流レベル検出装置115を設けることが容易であるため、精度良い検出も可能となる。
図2は、図1における各部の信号を時系列に示すタイミングチャートである。
図2の信号Iは、図1における経路Iの矢印方向を正とした信号であって、制御装置104から出力され、点火コイル装置101を駆動するための電圧信号である。
図2の信号Wは、図1における経路Wの矢印方向を正とした信号であって、制御装置104が出力し、電流供給装置103内のスイッチング回路130へと供給される電圧信号であって、スイッチング回路130を動作させる期間を示している。
図2の信号Hは、図1における経路Hの矢印方向を正とした信号であって、スイッチング回路130により生成された交流電流を示す電流信号である。
図2の信号Pは、図1における経路Pの信号であって、インタフェース141によりピークホールドされた信号である。
図2の信号Fは、図1における経路Fの矢印方向を正とした信号であって、点火プラグ102の主プラグギャップに形成される火花放電経路に流れる放電電流を示す電流信号である。
本実施の形態1においては、スイッチング回路130をハーフブリッジの構成とし、この後段にインダクタ117とコンデンサ116で構成されるバンドパスフィルタを配置しているので、このバンドパスフィルタの共振周波数に合わせて、スイッチング回路130は、ハーフブリッジのHIGH側スイッチ、LOW側スイッチが交互にON/OFFとなるように動作させる。
バンドパスフィルタの共振周波数に合わせてハーフブリッジ回路をスイッチングすることで、バンドパスフィルタ部のインピーダンスが最小となるので、経路Hに流れる電流供給装置103の出力電流は最大となり、従って主プラグギャップ間の火花放電経路に最大の交流電流を送り込めるようになる。
スイッチング回路130の動作が止まると、主プラグギャップ間の火花放電経路への大きな交流電流の供給も止まる。
メガヘルツ帯の高周波交流信号をA/D変換器で取り込み、データ処理をするためには、高性能かつ高価なA/D変換器やマイコンが必要となってしまうので、本実施の形態1では、汎用の安価なマイクロプロセッサと、A/D変換器を用いて、信号レベルを読み取れるように、ピークホールド回路で構成されるインタフェース141を用意した。
マイクロプロセッサ140は、タイミングT4以降のタイミングで信号PをA/D変換器により取り込み、取り込みが終われば、ピークホールドをリセットするようにしている。
図3において、ステップS1では、電流供給装置103が主プラグギャップに形成された火花放電の経路に交流電流を供給する期間が終了後、マイクロプロセッサ140は、インタフェース141によりピークホールドされた信号をA/D変換器で取り込み、検出値aとする。
マイクロプロセッサ140は、A/D変換器で取り込み後、ピークホールドをリセットする。
例えば、ステップS1で検出した検出値aが4アンペア、目標設定装置142により設定された目標値bが3アンペアであったとする。
マイクロプロセッサ140は、検出値aの4アンペアと目標値bの3アンペアとの差の絶対値を計算し、計算値cを1アンペアとする。
ここで計算値cを絶対値としておくことで、後の計算時に検出値aと目標値bとの大小関係を意識することなく計算が可能となる。
例えば、エンジン冷却水温が80℃未満でエンジン回転数が1000回転/分以下では、目標値bを5アンペアとし、エンジン回転数が3000回転/分を上回った時点で目標値bを4アンペアとし、4000回転/分を上回れば目標値bを3アンペアとする。
エンジン冷却水温が80℃を超えたら目標値bを一律に1アンペア差し引くようにする。
ステップS2で計算された計算値cが1アンペアの場合、第1の閾値の0.5アンペアと第2の閾値の2アンペアとの間にあるので、判定結果が成立となる。
計算値cが0.3アンペアの場合、第1の閾値の0.5アンペアと第2の閾値の2アンペアとの間にないので、判定不成立となる。
この場合は、第1の閾値の0.5アンペアを下回っていることから、検出値aが目標値bに十分近いと判断している。
計算値cが3アンペアの場合、第1の閾値の0.5アンペアと第2の閾値の2アンペアとの間にないので、判定不成立となる。
この場合は、第2の閾値の2アンペアを上回っていることから、検出値aがノイズ等の異常な状態を検出していると判断している。
これは、エンジン回転数や、負荷、温度等の状態が変化すると、主プラグギャップ間の絶縁破壊電圧も変化するため、ステップS1で検出した検出値aにノイズが重畳し検出値aが実際より大きい値となり、また、内燃機関の燃焼状態が変化し、燃焼状態が不安定になると主プラグギャップ間の火花放電経路のインピーダンスが増加し、点火プラグ102に流せる電流が減少するため、検出値aが小さい値となってしまうためである。
指示する動作周波数の調整量は、マップ値や計算値にしておくと良い。
これは、計算値cが大きい場合、マイクロプロセッサ140がスイッチング回路130に指示を出す動作周波数の調整量を増加することで、目標値bに制御するまでの時間を短縮することができ、また、計算値cが小さい場合、動作周波数の調整量を減少することで、オーバーシュートすることなく目標値bに安定して制御することができるためである。
このようにしておけば、目標値bより低ければスイッチング回路130の動作周波数を低くする、目標値bより高ければスイッチング回路130の動作周波数を高くする、と一意に決定することができる。
もちろん共振装置105のバンドパスフィルタによる共振周波数よりも必ず低い側の周波数でスイッチング回路130を制御するようにしておいても良い。
この場合は、前記考え方が反転するだけである。
なお、参考までに一例を示すと、スイッチング回路130の動作周波数は1〜4MHzの範囲、その調整量は100Hz〜100kHz程度である。
このようにしておけば、検出値aが目標値bに十分近い場合は、現在の電流レベルを維持することができる。
また、検出値aがノイズ等の異常な状態で制御することが無いため、高い精度で電流レベルの制御を行うことができる。
従って、内燃機関の運転に利用する燃料を比較的に削減することが可能となり、CO2の排出量を大きく削減し、環境保全に大きく貢献することができる。
特に、環境温度の変化や装置の定数のバラツキで変化する電流レベルの変化と、内燃機関の燃焼状態の変化による電流レベルの変化に応じて、マイクロプロセッサ140は、スイッチング回路130に動作周波数を指示することで、高い精度に電流レベルの制御を行うことができる。
本実施の形態2における高周波放電点火装置の構成について、図4を用いて説明する。本実施の形態2の高周波放電点火装置は、実施の形態1の構成に対して、制御装置104内のマイクロプロセッサ140に、電流レベル検出装置115の複数回の出力値を平均化し、平均化値を出力する平均化装置144を備えたものであり、平均化装置144には、電流レベル検出装置115の複数回の出力値のうち、信頼性の高い特定の出力値を選ぶ選択装置145を設けたものである。
図5は、図4における各部の信号を時系列に示すタイミングチャートである。
図5の各信号およびタイミングT1からT4については実施の形態1と同様である。
マイクロプロセッサ140は、A/D変換器で取り込み終了後毎に、ピークホールドを毎回リセットするようにしている。
図6において、ステップS11では、電流供給装置103が主プラグギャップに形成された火花放電の経路に交流電流を供給する期間に一定間隔で、マイクロプロセッサ140は、インタフェース141によりピークホールドされた信号をA/D変換器で取り込み、検出値a11からa1n(nは整数)とする。
マイクロプロセッサ140は、A/D変換器で取り込み終了後毎に、ピークホールドを毎回リセットする。
例えば、ステップS11で検出した検出値は全部で4個あったとし、検出値a11が3.4アンペア、検出値a12が4アンペア、検出値a13が4.6アンペア、検出値a14が8アンペアとする。
平均化装置144内の選択装置145は、各検出値の上限値を6アンペアとすると、平均化装置144は検出値a14以外の検出値a11と検出値a12、検出値a13の3個を平均化し、平均化値d1を4アンペアとする。
検出値の中から特異的な検出値を除外して平均化することで、検出値の高い信頼性を確保することができ、制御性も向上する。
また、平均化装置144内の選択装置145は、上限値だけでなく、下限値を設けることで、更に信頼性の高い検出値を選択するようにしても良い。
マイクロプロセッサ140は、平均化値d1の4アンペアと目標値b1の3アンペアとの差の絶対値を計算し、計算値c1を1アンペアとする。
ここで計算値c1を絶対値としておくことで、後の計算時に平均化値d1と目標値b1との大小関係を意識することなく計算が可能となる。
また、目標値b1は運転条件や放電状態等に依存して設定されるマップ値や計算値にしておくと良い。
例えば、エンジン冷却水温が80℃未満でエンジン回転数が1000回転/分以下では、5アンペアピークを目標値とし、エンジン回転数が3000回転/分を上回った時点で4アンペアピークを目標値とし、4000回転/分を上回れば3アンペアピークを目標値とする。
エンジン冷却水温が80℃を超えたら目標値を一律に1アンペア差し引くようにする。
従って、内燃機関の運転に利用する燃料を比較的に削減することが可能となり、CO2の排出量を大きく削減し、環境保全に大きく貢献することができる。
特に、電流レベル検出装置115は、電流供給装置103が主プラグギャップに形成された火花放電の経路に交流電流を供給する期間に、少なくとも2以上の複数回、交流電流のレベル、もしくはこれに相当するレベルを検出し、その検出レベルに応じた出力に基づいて制御することで、電流供給装置103が主プラグギャップに形成された火花放電の経路に交流電流を供給する期間の環境温度の変化や装置の定数のバラツキで変化する電流レベルの変化、内燃機関の燃焼状態の変化による電流レベルの変化に応じて、マイクロプロセッサ140は、スイッチング回路130に動作周波数を指示することができ、高い精度に電流レベルの制御を行うことができる。
抵抗、130 スイッチング回路、140 マイクロプロセッサ、141 インタフェース、142 目標設定装置、143 閾値設定装置、144 平均化装置、145 選択装置
Claims (10)
- 間隙を介して対向する電極間に火花放電を発生して内燃機関の燃焼室内の可燃混合気を点火させる点火プラグと、
所定の高電圧を発生し、発生した所定の高電圧を前記点火プラグに供給して前記間隙に前記火花放電の経路を形成させる火花放電経路生成装置と、
バンドパスフィルタを構成する共振装置と、
前記共振装置を介し、前記間隙に形成された火花放電の経路に交流電流を供給する電流供給装置と、
前記電流供給装置から供給される前記交流電流のレベル、もしくはこれに相当するレベルを検出し、その検出レベルに応じた値を出力する電流レベル検出装置と、
前記電流レベル検出装置の出力に応じて、前記電流供給装置が供給する前記交流電流の出力を制御する制御装置とを備えた
ことを特徴とする高周波放電点火装置。 - 前記制御装置は、前記電流レベル検出装置の出力に応じて、前記電流供給装置が供給する交流電流の周波数を制御することを特徴とする請求項1に記載の高周波放電点火装置。
- 前記電流供給装置は、前記共振装置に接続されたスイッチング回路を含み、前記制御装置により前記電流レベル検出装置の出力に応じて、前記スイッチング回路の動作周波数を調整されることを特徴とする請求項2に記載の高周波放電点火装置。
- 前記電流レベル検出装置は、前記電流供給装置が前記交流電流を供給する期間に、少なくとも複数回、前記交流電流のレベル、もしくはこれに相当するレベルを検出し、その検出レベルに応じた値を出力することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の高周波放電点火装置。
- 前記制御装置は、前記電流レベル検出装置からの前記複数回の出力値を平均化し、その平均化値を出力する平均化装置を備え、前記平均化装置の出力である平均化値に応じて、前記電流供給装置が供給する交流電流の周波数を制御することを特徴とする請求項4に記載の高周波放電点火装置。
- 前記平均化装置は、前記電流レベル検出装置の前記複数回の出力値のうち、特定の出力値を選ぶ選択装置を備え、前記選択装置が選ぶ出力値を平均化した平均化値を出力することを特徴とする請求項5に記載の高周波放電点火装置。
- 前記制御装置は、前記電流レベル検出装置の出力値に対する目標値を設定する目標設定装置と、第1の閾値と第2の閾値を設定する閾値設定装置とを備え、前記目標値と前記電流レベル検出装置の出力値との差の絶対値が前記第1の閾値と前記第2の閾値の間にある場合に、前記出力値が前記目標値に近づくように前記電流供給装置を制御することを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の高周波放電点火装置。
- 前記目標値、前記第1の閾値、前記第2の閾値は、それぞれ運転状態に応じたマップ値であることを特徴とする請求項7に記載の高周波放電点火装置。
- 前記制御装置は、前記目標値と前記電流レベル検出装置の出力値との差の絶対値に応じて、前記電流供給装置が供給する交流電流の周波数の調整量を変更することを特徴とする請求項7または8に記載の高周波放電点火装置。
- 前記電流レベル検出装置は、前記スイッチング回路と共に同一のパッケージ内に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の高周波放電点火装置。
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