JP2015079880A - Cigs光電変換装置 - Google Patents

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Yoshitaka Sugita
由考 椙田
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誠喜 寺地
洸人 西井
Hiroto Nishii
洸人 西井
祐輔 山本
Yusuke Yamamoto
祐輔 山本
太一 渡邉
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Abstract

【課題】光電変換層中のCIGS結晶の配向特性と、結晶粒界におけるナトリウム(Na)の原子数濃度とが最適バランスに調整され、従来品より光電変換効率の高いCIGS光電変換装置を提供する。【解決手段】支持体(基板1),裏面電極2,CIGS光電変換層3,バッファ層4,透明導電層5および取り出し電極6を有するCIGS光電変換装置であって、上記光電変換層3が、2θ−θ法によるX線回折スペクトルにおいて、(112)面配向に由来するピークP1に対する(220/204)面配向に由来するピークP2の強度比(P2/P1)が1.2以上1.7以下であり、この光電変換層3内の結晶粒界中におけるナトリウムの原子数濃度が、6.9?1018個/cm3以上7.1?1018個/cm3以下であるように構成する。これにより、従来品より光電変換効率が向上する。【選択図】図1

Description

本発明は、Cu,In,Ga,Seからなる化合物半導体層を光電変換層として備えるCIGS光電変換装置に関する。
アモルファスシリコン太陽電池や化合物薄膜太陽電池に代表される薄膜型太陽電池は、従来の結晶型シリコン太陽電池と比較すると、材料コストや製造コストの大幅な削減が可能である。このため、近年、これらの研究開発が急速に進められており、なかでも、I族,III族,VI族の元素を構成物質とした化合物薄膜太陽電池であって、光吸収層(光電変換層)が銅(Cu),インジウム(In),ガリウム(Ga),セレン(Se)合金からなるCIGS半導体膜であるCIGS太陽電池は、優れた太陽光変換効率を有するため、薄膜太陽電池の中でも、特に注目されている。
上記CIGS太陽電池に代表されるCIGS光電変換装置の光電変換層(CIGS光電変換層)は、セレン化法,非真空プロセス(ナノ粒子)法,真空蒸着法等により作製することができる。なかでも、真空蒸着法は、Cu,In,Ga,Seを各々別の蒸着源にて加熱し、蒸着により成膜する製法であり、各元素の吐出量を制御しながら成膜できるため、深さ方向に組成制御が可能であるという利点を有している。
また、上記CIGS光電変換層に関し、層内におけるガリウム原子の割合(ガリウム濃度)を適正化することにより、その光電変換効率を高める技術が知られている。この技術は、ガリウム濃度によってCIGS光電変換層内のバンドギャップを制御することにより、主に長波長の光吸収感度を制御するとともに、ビルトインポテンシャルを制御し、短絡電流密度と解放電圧を適正化することにより、高い光電変換効率を有するCIGS光電変換装置を得ることができるというものである(特許文献1を参照)。
さらに、上記CIGS光電変換層に、ある特定の方向に結晶(CIGS結晶)の配向が揃った光電変換層を使用することによって、高い光電変換効率を得る技術が知られている。この技術は、X線回折において典型的な(112)面方向に優先的に成長(配向)したCIGS結晶を含む従来の光電変換層に代えて、(220/204)面方向に優先的に成長(配向)したCIGS結晶を含むCIGS光電変換層を使用することにより、光電変換装置の光電変換効率を向上させることができるというものである(非特許文献1を参照)。
なお、CIGS光電変換層は、Cu(In1-x,Gax)Se2の混晶であるため、2θ−θ法によるX線回折の結果(スペクトル)において、上記典型的な(112)面配向に由来する24°〜29°の範囲に現れるピークの強度(回折角2θの最大ピーク強度)と、(220/204)面配向に由来する42°〜47°の範囲に現れるピーク強度を比較することにより、この(220/204)面方向に、CIGS結晶が優先的に成長・配向したと確認することができる。
特表平10−513606号公報
Jpn.J.Appl.Phys.Vol.41(2002) pp.507−513
ところで、CIGS光電変換層に関する従来技術では、先に述べた短絡電流密度と解放電圧との間にトレードオフの関係が存在するために、両者がバランスするガリウム濃度(層内におけるガリウム原子の割合)において、光電変換効率が頭打ちとなってしまう問題があった。
また、上記(220/204)面方向に優先的に配向されたCIGS結晶は、基板(支持体)に対して柱状に成長した結果発生した、鉛直方向の結晶粒界のダングリングボンド(未結合手)の酸化によって、ホールキャリア密度の低下が生じており、これが、光電変換効率を低下させる要因となっていた。特に、鉄を含む基板として、例えばSUS(ステンレススチール)を用いたCIGS光電変換装置では、CIGS光電変換層内への鉄の拡散もまた、ホールキャリア濃度を低下させる要因となるため、光電変換効率を向上させることが困難であった。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、光電変換層中のCIGS結晶の配向特性と、結晶粒界におけるナトリウム(Na)の原子数濃度とが最適バランスに調整され、従来品より光電変換効率の高いCIGS光電変換装置を提供することをその目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、支持体と、裏面電極と、銅とインジウムとガリウムとセレンを含むCIGS光電変換層と、バッファ層と、透明導電層および取り出し電極を有するCIGS光電変換装置であって、上記CIGS光電変換層が、2θ−θ法によるX線回折スペクトルにおいて、回折角2θが24°〜29°の範囲に現れる(112)面配向に由来するピークP1と、回折角2θが42°〜47°の範囲に現れる(220/204)面配向に由来するピークP2とを有し、上記(112)面ピークP1に対する(220/204)面ピークP2のピーク強度比(P2/P1)が1.2以上1.7以下であるとともに、上記CIGS光電変換層内の結晶粒界中におけるナトリウムの原子数濃度が、6.9×1018個/cm3以上7.1×1018個/cm3以下であるという構成をとる。
すなわち、本発明者らは、CIGS光電変換層におけるCIGS結晶の配向特性に着目し、その研究の成果として、CIGS光電変換層を形成するための半導体前駆体膜およびこれを有する半導体前駆構造物の構成を最適化することにより、光電変換効率を向上させるグレーデッドバンドギャップ構造を有し、(220/204)面に優先配向するCIGS半導体膜(光電変換層)を、短時間で効率よく製造できる方法を、既に提案している。
しかしながら、本発明者らはこれに満足せず、更なる光電変換効率の向上を目指して研究を重ね、このCIGS光電変換層を構成する要素をさらに詳しく検証するうち、従来あまり注目されていなかった、光電変換層中における「結晶粒界中のナトリウム濃度(密度)」に着目するに至った。そして、さらに研究を続け、幾多の構成の中から、この「結晶粒界中のナトリウム濃度」と、前記CIGS結晶の(220/204)面への優先配向特性とをバランスさせることにより、この光電変換層内において、ホールキャリア濃度が1×1017個/cm3(atoms/cc)前後の比較的高いキャリア濃度を実現できることを見出し、本発明に到達した。
なお、本発明における「(220/204)面への優先配向特性」とは、先に述べたCIGS光電変換層の2θ−θ法によるX線回折から得られる回折パターン(スペクトル)において、回折角2θが24°〜29°の範囲に現れる(112)面配向に由来するピークP1の強度(最大値)と、回折角2θが42°〜47°の範囲に現れる(220/204)面配向に由来するピークP2の強度(最大値)との比(P2/P1)が「1以上」である(P2の方が大きい)ことを指す。ただし、本発明における好適な範囲(対象範囲)は、ピーク強度比(P2/P1)が1.2以上1.7以下の範囲である。
また、「光電変換層内の結晶粒界」とは、そのまま、結晶と結晶の間の原子配列が乱れた領域を指し、「結晶粒界中のナトリウム」には、文字通り「CIGS結晶中に存在するナトリウム」は含まれないことを意味する。そして、「原子数濃度(個/cm3)」とは、単位体積あたりの原子個数(原子数密度あるいは原子個数密度)を表し、エネルギー分散型の蛍光X線(XRF)分析装置や二次イオン質量分析(SIMS)装置等を用いた汎用的な測定により取得可能なデータである。
本発明のCIGS光電変換装置によれば、その光電変換層として、上記(220/204)面への優先配向特性が1.2以上1.7以下であり、かつ、結晶粒界中のナトリウム濃度(ナトリウムの原子数濃度)が6.9×1018個/cm3以上7.1×1018個/cm3以下であるCIGS光電変換層を用いることにより、従来の光電変換装置に比べ、光電変換効率が大幅に向上する。したがって、本発明のCIGS光電変換装置は、従来と同じ有効面積で、光の電気への変換を高効率で行うことができる。また、太陽電池等に利用した場合は、従来より小面積で、同等の発電量を確保することができる。
また、本発明のCIGS光電変換装置のなかでも、特に、上記支持体が、少なくとも鉄を含むもの(例えばSUS等)である場合は、上記鉄のCIGS光電変換層内への拡散によるホールキャリア濃度の低下を効果的に補償できるため、優れた光電変換効率を有するCIGS光電変換装置を得ることができる。
本発明のCIGS光電変換装置の構成を説明する図である。 上記CIGS光電変換装置を作製する中間段階(加熱処理前)の状態を示す説明図である。
つぎに、本発明を実施するための形態について説明する。
なお、参照する各図において、各部分(層)は模式的に示したものであり、実際の厚み,大きさ等とは異なっている。
この実施形態におけるCIGS光電変換装置は、その代表例として、薄膜型化合物太陽電池(CIGS太陽電池)のセル構造を例示したものであり、図1に示すように、支持体(基板1)と、裏面電極2と、化合物半導体膜(CIGS光電変換層3)と、バッファ層4(4A,4B)と、透明導電層5と、取り出し電極6等から構成されている。
そして、このCIGS光電変換装置(太陽電池セル)は、上記CIGS光電変換層3が、(220/204)面への優先配向特性が1.2以上1.7以下であり、かつ、結晶粒界中のNa濃度が6.9×1018個/cm3以上7.1×1018個/cm3以下に設定されている。これが、本発明の光電変換装置の最大の特徴である。
なお、本実施形態において、CIGS光電変換層3の(220/204)結晶配向性を定量する手段としては、XRD法(X線回折法)の2θ−θ法を用いている。測定には、ブルカー社製のXRD D8 DISCOVER with GADTSの装置を用い、入射角5°固定、ディテクタースキャン3°/minの条件で行った。回折角2θが24°〜29°の範囲に存在するピークを(112)結晶配向面と、同じく42°〜47°の範囲に存在するピークを(220/204)結晶配向面と帰属して評価した。
上記太陽電池セルの構成を、その作製順(積層順)に各層ごとに詳しく説明すると、まず、作製基盤となる支持体(基板1)は、その素材(材料)として、ガラス,ポリイミド等の透光性基材や、シリカアルミナ等のセラミック、SUS,Ti等の不透光性金属基材のいずれをも、用いることができる。この基板1は、後記する裏面電極2,CIGS光電変換層3,バッファ層4(4A+4B),透明導電層5等を、構造的・強度的に支持しうるものであれば、材質や厚さは特に限定されない。また、それらの素材の表面に、金属膜,透明導電膜,絶縁膜などを被覆したものであってもよい。
上記基板1の好ましい厚さ(全厚)は、30μm以上5mm以下であり、これらの要求物性を満たす基板材料として、上記SUSを、好適に使用することができる。このSUSは、箔状に成形することが容易であるため、フレキシブルな光電変換装置を形成するのに好適で、しかも、後述の裏面電極2等を形成した後でも適度な強度を有するために反りが少なく、耐熱性に優れ、なおかつ安価であるので、より好ましい。本実施形態においては、厚さ50μmのSUSを用いている。
上記基板1の上に積層形成される裏面電極2は、導電性の材料からなり、Ti,Ni,Cr,Ag,Al,Cu,Au,Moなどの金属や、ITO,ZnO,SnO2等の透明導電膜を、単層または複数積層させたものを用いることができる。裏面電極2は、電極としての役割を担っているので、電気伝導性が高い方が好ましく、微量の不純物を添加することで電気伝導性を向上させたものを用いることもできる。上記裏面電極材料のなかでも、Mo(モリブデン)は、後述のCIGS光電変換層3との密着性に優れるため、好ましく用いられる。この裏面電極2の形成方法としては、スパッタリング法,CVD法,蒸着法,ゾルゲル法,スプレー法,電析法および化学的析出法などの公知の方法が用いられる。
また、裏面電極2は、その表面(CIGS光電変換層3側)に凹凸形状が形成されていることが好ましい。裏面電極2の表面に凹凸形状が形成されていることにより、光散乱効果によるCIGS光電変換層3の特性向上や、CIGS光電変換層3の剥離防止効果が期待できる。この裏面電極2の厚さは、特に限定されないが、全厚50nm以上3μm以下とすることが好ましい。本実施形態においては、CrとMoをこの順で積層させたものを用いており、それぞれの膜厚は400nm(全厚800nm)としている。
上記裏面電極2上に積層されるCIGS光電変換層3は、少なくともCu,In,Ga,Seを含むものである。各構成元素の割合は、Cuが10原子%以上30原子%以下、In,Gaがそれぞれ1原子%以上20原子%以下、Seが20原子%以上60原子%以下である。CIGS結晶成長の促進のために、微量の不純物が添加されていてもよい。
上記CIGS光電変換層3の形成方法としては、スパッタリング法,CVD法,蒸着法,ゾルゲル法,スプレー法,電析法および化学的析出法などの公知の方法を、単独でまたは組み合わせて使用することができる。また、これらの形成方法と、熱処理を組み合わせて用いることもできる。なお、上記結晶の優先配向性とNa濃度の特性を満たすCIGS光電変換層3の具体的な作製方法は、別途後記で説明する。
上記CIGS光電変換層3が、p型の導電性を示すことによって、n型半導体を用いる後述のバッファ層4との間で、pn半導体接合ができる。これにより、CIGS光電変換層3が光電変換機能を発現する。CIGS光電変換層3の厚さは、この光電変換層3に入射する光を充分に吸収でき、かつ、剥離が生じない程度の厚さを有していればよく、好ましくは500nm以上10μm以下である。本実施形態においては、CIGS光電変換層3の厚さを3μmとしている。
ここで、本実施形態におけるCIGS光電変換層3の特徴的構成は、先にも述べたように、(220/204)面への優先配向特性が1.2以上1.7以下になるように構成され、かつ、この光電変換層3中の結晶粒界中のNa濃度が6.9×1018個/cm3以上7.1×1018個/cm3以下になるように構成されている点である。これにより、本実施形態のCIGS光電変換層3は、この光電変換層3内でのキャリアの走行に優れ(層3内のホールキャリア濃度は1×1017個/cm3前後に達する)、なおかつ、酸化されやすい柱状の結晶粒界に存在するダングリングボンドが効果的に不活性化されているため、高い光電変換効率を得ることができる。
なお、上記(220/204)面への優先配向特性が1.2未満であると、結晶が柱状になっていないために、キャリアの走行方向に対して結晶粒界が斜めに存在する割合が大きくなるので、キャリアの走行が妨げられ、光電変換効率が低下する傾向がみられる。逆に、(220/204)面への優先配向特性が1.7を超えると、基板1の曲げ等に対する膜の追従性が損なわれるために、膜の剥離が発生しやすくなり、太陽電池セルおよび光電変換装置の歩留りが低下する傾向がみられる。
また、上記CIGS光電変換層3における結晶粒界中のNa濃度が6.9×1018個/cm3(atoms/cc)未満であると、ダングリングボンドの不活性化が不充分であるために、光電変換効率が低下する傾向がみられる。逆に、上記Na濃度が7.1×1018個/cm3を超えると、余剰のNaがキャリア散乱の原因となり、同じように光電変換効率が低下する傾向がみられる。
なお、本発明のCIGS光電変換装置において、上記CIGS光電変換層3の層内のガリウム原子の割合〔Ga原子数濃度/(In原子数濃度+Ga原子数濃度)〕は、エネルギー分散型蛍光X線装置を用いた測定において、0.32以上0.54以下であることがより好ましい。この構成によれば、解放電圧およびフィルファクターに優れる結果、より光電変換効率に優れた光電変換装置を得ることができる。特に、CIGS光電変換層3の光入射側、つまり、バッファ層4との界面から200nm程度の深さにおいて、ガリウム原子の割合が当該範囲にあることが好ましい。これは、光電変換装置の解放電圧は、主にpn接合界面で決定されるからである。
上記CIGS光電変換層3内のガリウム原子の割合が0.32を下回った場合、充分な解放電圧が得られないために、光電変換効率が劣る。一方、0.54を超えた場合、バッファ層4や透明導電層5とのバンドアライメントをとることが困難になるため、充分なフィルファクターが得られず、光電変換効率が劣る。したがって、ガリウム原子の割合は、0.32以上0.54以下となっていることが、より好ましい。
つぎに、CIGS光電変換層3上に積層されるバッファ層4(4A,4B)は、本実施形態では、厚さ50nmのCdSからなる層4Aと、厚さ50nmのZnOからなる層4Bの2層からなっており、上記光電変換層3とpn接合できるように、高抵抗のn型半導体が好ましく用いられている。このような高抵抗のn型半導体としては、上記CdS,ZnOの他、ZnMgO、Zn(O,S),ZnO等を用いることができる。
また、バッファ層4の厚さは、30〜200nmであることが好ましく、本実施形態のように、バッファ層4が複層(4A,4B)からなる場合であっても、それぞれの厚みが30〜200nmであることが好ましい。なお、バッファ層4として複数の層を重ねたものを用いると、CIGS光電変換層3とpn接合をより良好にすることができるため好ましい。しかし、pn接合が充分に良好である場合には、必ずしも複層設けなくてもよい。
上記バッファ層4の形成方法としては、例えば、真空中では、スパッタリング法,分子線エピタキシー法,電子線蒸着法,抵抗加熱蒸着法,プラズマCVD法,有機金属蒸着法等を用いることができる。また、大気中では、大気圧プラズマ法等を、さらに、水溶液中では、CBD法、電解めっき法等を用いることができる。
上記バッファ層4上に形成される透明導電層(透明電極)5は、太陽電池の光入射側に位置するため、できるだけ光の透過率が高い材料が用いられ、例えば、ITO,酸化錫および酸化亜鉛等の透明導電性膜の単層、または、複数積層させたものが用いられる。また、導電性を高める目的で、あるいは、バンドアライメントを調整する目的で、これらの材料に少量のドーピング材料を含ませたものも好適に用いられる。このようなものとしては、例えば、Al:ZnO(AZO),B:ZnO(BZO),Ga:ZnO(GZO),Sn:In23(ITO),F:SnO2(FTO),Zn:In23,Ti:In23,Zr:In23,W:In23等が用いられる。
また、透明導電層5は、CIGS光電変換層3で発生するキャリアを取り出すための導電性経路の役割も担っているため、電気伝導性が高いことが好ましい。これらの観点から、とりわけITOが、室温形成において容易に結晶化し、電気伝導性を高くすることができる性質と、良好な光透過性とを兼ね備えているため、好適に用いられる。光透過性および電気伝導性の観点から、透明電極の厚さは、100〜2000nmであることが好ましく、本実施形態においては、上記透明導電層5の厚さを200nmとしている。
最上層に形成される取り出し電極6は、前記裏面電極2と同様の材料および形成方法を用いて形成される。ただし、CIGS光電変換層3(および層4,層5)を一様に覆うと、光電変換層3に光が入射せず、光電変換機能を発現しなくなるため、取り出し電極6の形状としては、櫛形,格子状など、表面を一様に覆わないグリッド形状(パターン形状)であることが好ましい。上記取り出し電極6の厚さは、CIGS光電変換層3が発生する電流の大きさによって、抵抗損失の影響があるため、厚さおよび面積の適正値が存在する。本実施形態においては、厚さ1μmのCuを、所定パターン状に積層させて形成した。
つぎに、先に述べた、本発明の結晶の優先配向性とNa濃度の特性を満たすCIGS光電変換層3を作製する方法について説明する。
本実施形態においては、前記CIGS光電変換層3を、二段階の工程を経て作製する。その工程は、まず、図2のように、作製された裏面電極2上に、3A,3B,3Cの三層からなる半導体前駆体膜3’を積層形成し(第1段階)、ついで、この半導体前駆体膜3’を加熱処理して、単層のCIGS光電変換層3を得る(第2段階)。
上記第1段階は、まず、予め裏面電極2が形成(積層)された支持体(基板1)を約350℃に保持し、Ga,Seを蒸着することにより、GaとSeとを含む層3Aを裏面電極2上に積層する。つぎに、In,Seを蒸着し、この層3A上に、InとSeとを含む層3Bを積層する。さらに、Cu,Seを蒸着し、この層3B上に、CuとSeとを含む層3Cを積層し、これら層3A,層3B,層3Cからなる半導体前駆体膜3’(半導体前駆構造物)を作製することができる。このとき、各層の厚みは、Ga,In,Cuの各蒸着源の温度を制御することで、コントロールすることができる。
なお、上記実施形態においては、半導体前駆構造物の半導体前駆体膜3’は、GaとSeとを含む層3Aの厚さが500nm、InとSeとを含む層3Bの厚さが700nm、CuとSeとを含む層3Cの厚さが1400nmとなっている。ただし、各層の厚みはこれに限られない。また、後記の加熱によりCIGS光電変換層3に成形され、CIGS太陽電池セルに用いられる場合は、入射光を充分に吸収し、発生するキャリアを充分に取り出すことができる観点から、各層の合計(半導体前駆体膜3’)厚さは、1800〜5000nmの範囲にあることが好ましい。
また、上記実施形態においては、半導体前駆体膜3’は、Ga,Se層3AとIn,Se層3Bを一組だけ有するようにしているが、これらを二組(2セット)以上を有するようにしてもよい。二組以上を有するようにすると、深さ方向の〔Ga/(In+Ga)〕比をコントロールすることが容易となるため、これが加熱され、後記のCIGS光電変換層3となる際に、任意のダブルグレーデッド構造を容易に形成することができる。
そして、上記第1段階で作製された、層3A,層3B,層3Cからなる半導体前駆体膜3’(半導体前駆構造物)は、先に述べたCIGS光電変換層3と同様、この段階で、2θ−θ法によって測定したX線回折スペクトルにおいて、回折角2θが24°〜29°の範囲に現れる第一のピークP3〔(006)面配向に由来するピーク〕と、回折角2θが42°〜47°の範囲に現れる第二のピークP4〔(300)面配向に由来するピーク〕の強度比(P4/P3)が、0.5以上5以下になっている。
上記回折スペクトルの測定(中間測定)により、上記半導体前駆体膜3’の成膜の正否を確認することができる。ちなみに、この中間測定において、上記第一のピークP3と第二のピークP4の強度比(P4/P3)が0.5未満であると、後記CIGS光電変換層3とした際の(220/204)面への優先配向特性が弱くなり、II族元素の拡散が進まず、良好なpn接合が得られないおそれがある。逆に、上記第一のピークP3と第二のピークP4の強度比(P4/P3)が5を超えると、II族元素が過剰に膜内に取り込まれてしまい、前記ピーク強度比が小さ過ぎる場合と同様に、良好なpn接合が得られなくなるおそれがある。
つぎに、第2段階は、上記第1段階で得られた半導体前駆体膜3’を、所定温度で加熱処理し、半導体前駆体膜3’をCIGS光電変換層3とする。この加熱処理は、例えば、上記半導体前駆体膜3’が形成された基板1を、真空下で、基板温度が520〜700℃の範囲(例えば600℃)になるよう加熱し、その状態を5分間程度保持することにより行う。これにより、半導体前駆体膜3’(半導体前駆構造物)を、単層のCIGS光電変換層3(半導体構造物)とすることができる。
得られたCIGS光電変換層3は、Cu,In,GaおよびSeを含有し、その結晶が(220/204)面に優先配向された、カルコパイライト構造を有する化合物半導体膜(全厚2200nm)である。そして、2θ−θ法によるX線回折から得られる回折スペクトルにおいて、回折角2θが24°〜29°の範囲に現れる(112)面配向に由来するピークP1の強度(最大値)と、回折角2θが42°〜47°の範囲に現れる(220/204)面配向に由来するピークP2の強度(最大値)との比(P2/P1)が、1.2以上1.7以下になっている。さらに、このCIGS光電変換層3は、エネルギー分散型蛍光X線装置を用いた測定により、層内の結晶粒界中のNa濃度(原子数濃度)が、6.9×1018個/cm3以上7.1×1018個/cm3以下になっていることが確認される。したがって、これらの構成によれば、上記CIGS光電変換層3におけるII族元素の拡散が進むことと、高いホールキャリア濃度が両立される結果、良好なpn接合を得ることができる。
そして、上記CIGS光電変換層3は、上記と同様のエネルギー分散型蛍光X線装置を用いた測定により、層内のCu,In,Gaの平均組成比が、23.8:15.6:10.6で、層内の銅原子の濃度〔Cu/(In+Ga)モル比〕が、0.7以上1.3以下の範囲内にあることがわかった。この構成により、層内がわずかにCu不足の状態となっている。また、ガリウム原子の割合は0.40であり、高い解放電圧とフィルファクターを両立するために適した組成となっている。したがって、上記光電変換層3は、高い変換効率を達成することができる。
なお、上記Ga,CuおよびNaの原子数濃度は、エネルギー分散型蛍光X線装置(堀場製作所社製、EX−250)またはD−SIMS(ダイナミックシムス)評価装置(アルバック・ファイ社製)を用いて測定することができる。
上記製法により得られたCIGS光電変換層3は、グレーデッドバンドギャップ構造またはダブルグレーデッドバンドギャップ構造を有した上で、CIGS結晶が(220/204)面に優先配向されていることに加え、その結晶粒界中のナトリウム原子の濃度と、光電変換層内のガリウム原子の濃度〔Ga/((In+Ga)〕および銅原子の濃度〔Cu/(In+Ga)〕とが、全て、設計通りの所定範囲に収まっている。そのため、このCIGS光電変換層3を使用して構成した光電変換装置(太陽電池セル)は、その光電変換効率を大幅に向上させることができる。
つぎに、実施例について、比較例と併せて説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
<実施例1>
基板1として、ステンレス箔SUS304(大きさ10×100mm、厚さ50μm)を用意し、この上に、MoとCrを積層し、総厚さ500nmの裏面電極2を形成した。そして、基板1を350℃に保持した状態で、裏面電極2上に、GaとSeとを蒸着し、厚さ600nmのGaとSeとを含む層3Aを積層し、ついで、この層3A上に、InとSeとを蒸着し、厚さ800nmのInとSeとを含む層3Bを積層し、層3Aと層3Bとを一組積層した。さらに、この層3B上に、CuとSeとを蒸着し、厚さ1400nmのCuとSeとを含む層3Cを積層することにより、裏面電極2上に、層3A,層3B,層3Cとからなる半導体前駆体膜3’を形成した(図2参照)。このとき基板1の温度を450℃に保ちながら120分成膜を行った。
ここで、前駆体の物性の確認として、後記の〔X線回折測定装置〕を用いて、上記半導体前駆体膜3’の2θ−θ法によるX線回折を測定したところ、得られた回折スペクトルにおいて、回折角2θが24°〜29°の範囲に現れる第一のピークP3と、回折角2θが42°〜47°の範囲に現れる第二のピークP4の強度比(P4/P3)が、1.0であることを確認した。
ついで、上記半導体前駆体膜3’が積層された基板1を、微量のSe蒸気を供給しつつ加熱し、基板1の温度が600℃の状態を5分間保持し、半導体前駆体膜3’の結晶を成長(配向)させて、CIGS光電変換層3とした。これにより、基板1と、裏面電極2と、CIGS光電変換層3とからなるCIGS半導体構造物を得た。
得られたCIGS光電変換層3の物性を、上記と同様の2θ−θ法によるX線回折スペクトルにて確認したところ、(112)面配向に由来するピークP1に対する(220/204)面配向に由来するピークP2の強度比(P2/P1)は、1.2であった。また、後記の〔蛍光X線分析装置〕を用いて、層内の結晶粒界の組成を測定したところ、この結晶粒界中のNa濃度(原子数濃度)は、6.9×1018個/cm3で、同じ蛍光X線分析から得られた、層内のGa原子の濃度〔Ga/(In+Ga)〕は0.38、Cu原子の濃度〔Cu/(In+Ga)〕は0.8であった。
つぎに、得られた半導体構造物のCIGS光電変換層3上に、CBD法によって、厚さ50nmのCdSからなる層4Aを形成し、この層4A上に、スパッタリング法により、厚さ70nmのZnOからなる層4Bを形成することにより、層4Aと層4Bとからなるバッファ層4(厚さ120nm)を形成した。ついで、このバッファ層4(4B)上に、スパッタリング法により、厚さ200nmのITOからなる透明電極5、および、グリッド形状の取り出し電極6を続けて形成し、<実施例1>のCIGS太陽電池セルを得た(図1参照)。
<実施例2>
半導体前駆体膜3’を形成する際の基板1の温度を400℃としたこと以外は、上記実施例1と同様にして、<実施例2>のCIGS太陽電池セルを得た。
なお、前駆体段階(半導体前駆体膜3’)で測定した、2θ−θ法によるX線回折スペクトルによれば、第一のピークP3と第二のピークP4の強度比(P4/P3)は、1.5であった。また、加熱処理後のCIGS光電変換層3の2θ−θ法によるX線回折スペクトルによれば、(112)面配向に由来するピークP1に対する(220/204)面配向に由来するピークP2の強度比(P2/P1)は、1.7であった。
また、加熱処理後のCIGS光電変換層3の蛍光X線分析によれば、結晶粒界中のNa濃度は7.1×1018個/cm3であり、層内のGa原子の濃度〔Ga/(In+Ga)〕は0.38、Cu原子の濃度〔Cu/(In+Ga)〕は0.8であった。
<比較例1>
半導体前駆体膜3’を形成する際の基板1の温度を500℃としたこと以外は、上記実施例1と同様にして、<比較例1>のCIGS太陽電池セルを得た。
なお、前駆体段階(半導体前駆体膜3’)で測定した、2θ−θ法によるX線回折スペクトルによれば、第一のピークP3と第二のピークP4の強度比(P4/P3)は、0.8であった。また、加熱処理後のCIGS光電変換層3の2θ−θ法によるX線回折スペクトルによれば、(112)面配向に由来するピークP1に対する(220/204)面配向に由来するピークP2の強度比(P2/P1)は、1.1であった。
また、加熱処理後のCIGS光電変換層3の蛍光X線分析によれば、結晶粒界中のNa濃度は6.8×1018個/cm3であり、層内のGa原子の濃度〔Ga/(In+Ga)〕は0.38、Cu原子の濃度〔Cu/(In+Ga)〕は0.8であった。
<比較例2>
半導体前駆体膜3’を形成する際の基板1の温度を350℃としたこと以外は、上記実施例1と同様にして、<比較例2>のCIGS太陽電池セルを得た。
なお、前駆体段階(半導体前駆体膜3’)で測定した、2θ−θ法によるX線回折スペクトルによれば、第一のピークP3と第二のピークP4の強度比(P4/P3)は、1.6であった。また、加熱処理後のCIGS光電変換層3の2θ−θ法によるX線回折スペクトルによれば、(112)面配向に由来するピークP1に対する(220/204)面配向に由来するピークP2の強度比(P2/P1)は、1.8であった。
また、加熱処理後のCIGS光電変換層3の蛍光X線分析によれば、結晶粒界中のNa濃度は7.2×1018個/cm3であり、層内のGa原子の濃度〔Ga/(In+Ga)〕は0.38、Cu原子の濃度〔Cu/(In+Ga)〕は0.8であった。
上記実施例品および比較例品における太陽電池セル完成前(半導体前駆体と光電変換層単体)の物性測定は、下記の装置を用いて行った。
〔X線回折測定装置〕
XRD D8 DISCOVER with GADTS(ブルカー社製)
なお、X線回折は、入射角5°固定、ディテクタースキャン3°/minの条件で行った。
〔蛍光X線分析装置〕
エネルギー分散型蛍光X線装置(堀場製作所社製、EX−250)
〔結晶粒界中のNa濃度の算出〕
上記蛍光X線装置を用いた結晶粒界中のNa濃度の測定(算出)は,結晶間の「結晶粒界」に焦点(ビーム)を合わせた状態で得られた各元素の原子数濃度(データ)を元に、〔Na/(Cu+In+Ga+Se)〕の組成比を算出した。
〔光電変換層中のGa濃度の算出〕(参考値)
上記蛍光X線装置を用いた層中のGa濃度の測定(算出)は,得られた各元素の原子数濃度(データ)を元に、〔Ga/(In+Ga)〕の組成比を算出した。
〔光電変換層中のCu濃度の算出〕(参考値)
上記蛍光X線装置を用いた層中のGa濃度の測定(算出)は,得られた各元素の原子数濃度(データ)を元に、〔Cu/(In+Ga)〕の組成比を算出した。
つぎに、太陽電池セル完成後の実施例品および比較例品の光電変換効率を、測定・比較した。
〔光電変換効率の測定〕
光電変換効率の測定は、各サンプル(太陽電池セル)を配線した状態で、擬似太陽光(AM1.5)を供試品の表面面積以上の領域に照射し、その光電変換効率を、ソーラーシミュレーター(セルテスターYSS150、山下電装社)によって測定した。結果を下記の「表1」に示す、
Figure 2015079880
上記の結果より、(220/204)面への優先配向特性〔(112)面配向に由来するピークP1に対する(220/204)面配向に由来するピークP2の強度比(P2/P1)〕が1.2以上1.7以下であり、結晶粒界中のNa濃度が6.9×1018個/cm3以上7.1×1018個/cm3以下、との条件を満たす実施例1,2のCIGS光電変換装置(太陽電池セル)は、高い光電変換効率を示すことがわかった。
一方、(220/204)面への優先配向特性と結晶粒界中のNa濃度とが目標範囲から外れた比較例1,2のCIGS光電変換装置(太陽電池セル)は、上記実施例1,2品より変換効率が劣ることがわかった。
本発明のCIGS光電変換装置は、太陽電池セル等、高効率の求められる光電変換装置に利用することができる。
1 基板
2 裏面電極
3 CIGS光電変換層
4,4A,4B バッファ層
5 透明導電層
6 取り出し電極

Claims (2)

  1. 支持体と、裏面電極と、銅とインジウムとガリウムとセレンを含むCIGS光電変換層と、バッファ層と、透明導電層および取り出し電極を有するCIGS光電変換装置であって、上記CIGS光電変換層が、2θ−θ法によるX線回折スペクトルにおいて、回折角2θが24°〜29°の範囲に現れる(112)面配向に由来するピークP1と、回折角2θが42°〜47°の範囲に現れる(220/204)面配向に由来するピークP2とを有し、上記(112)面ピークP1に対する(220/204)面ピークP2のピーク強度比(P2/P1)が1.2以上1.7以下であるとともに、上記CIGS光電変換層内の結晶粒界中におけるナトリウムの原子数濃度が、6.9×1018個/cm3以上7.1×1018個/cm3以下であることを特徴とするCIGS光電変換装置。
  2. 上記支持体が、少なくとも鉄を含むものである請求項1記載のCIGS光電変換装置。
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