JP2015079674A - 接点装置 - Google Patents

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昌一 小林
Shoichi Kobayashi
昌一 小林
久 平木
Hisashi Hiraki
平木  久
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Abstract

【課題】電流の向きによって遮断特性が変化し難い接点装置を提供する。
【解決手段】固定接点2と、可動接点3と、可動子4と、電磁石装置5と、第1連動部6とを備え、電磁石装置5は、トリップ片50と、第1コイル51とを有し、異常電流により第1コイル51で発生する磁束によってトリップ片50を吸引し、トリップ片50を第2位置から第1位置に移動させるように構成され、第1連動部6は、トリップ片50の第2位置から第1位置への移動に応じて、可動子4を閉位置から開位置へ移動させるように構成され、電磁石装置5は、電流の向きが逆であってもトリップ片50を含む磁路を通る磁束の大きさが同じになるように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は一般に接点装置、より詳細には規定値以上の異常電流が流れると接点を開く接点装置に関する。
特許文献1には、可動子(プランジャ)を吸引駆動するコイル、可動子と対向配置され且つ可動子を吸引保持する永久磁石を有し、可動子が永久磁石側に吸引駆動された際に接点がオン(閉成)する電磁リレーが開示されている。この電磁リレーでは、コイルに電圧が印加されると可動子が動作し、これに伴い接点がオン状態になり、コイルの励磁が解除されても永久磁石の磁束により可動子が保持され、接点のオン状態が維持される。
更に、この電磁リレーは、接点を含む電路内に過電流検出コイルを設け、電路に過電流、短絡電流等の異常電流が流れた際に過電流検出コイルで可動子を永久磁石とは逆向きに駆動し、接点をオフ(開成)するように構成されている。このように、この電磁リレーは、異常電流が流れた場合に発生する磁束を利用して可動子を強制的に復帰させるべく駆動するので、異常電流の発生を速やかに検出して電路を迅速に遮断する。
特開昭57−163939号公報
しかしながら、上記従来例では、永久磁石で発生する磁束が過電流検出コイルで発生する磁束に影響を及ぼすという問題があった。このため、上記従来例では、可動子を永久磁石とは逆向きに駆動する力が、電流の向きによって互いに異なる。その結果、電流の向きによって遮断特性が変化してしまうという問題があった。
本発明は、上記の点に鑑みて為されており、電流の向きによって遮断特性が変化し難い接点装置を提供することを目的とする。
本発明の接点装置は、固定接点と、可動接点と、前記可動接点が設けられる可動子と、電磁石装置と、連動部とを備え、前記可動子は、前記固定接点に前記可動接点が接する閉位置と、前記固定接点から前記可動接点が離れる開位置との間で前記可動接点を移動させ、前記電磁石装置は、第1位置と第2位置との間で移動自在なトリップ片と、前記固定接点と前記可動接点との間を流れる電流により磁束を発生する第1コイルとを有し、規定値以上の異常電流により前記第1コイルで発生する磁束によって前記トリップ片を吸引し、前記トリップ片を前記第2位置から前記第1位置に移動させ、前記連動部は、前記可動子と前記トリップ片とを互いに連動させるように構成され、前記トリップ片の前記第2位置から前記第1位置への移動に応じて、前記可動子を前記閉位置から前記開位置へ移動させ、前記電磁石装置は、前記電流の向きが逆であっても前記トリップ片を含む磁路を通る磁束の大きさが同じになるように構成されていることを特徴とする。
この接点装置において、前記可動子に対して前記閉位置から前記開位置へ移動する向きに力を加える加圧部を備え、前記連動部は、前記可動子を前記開位置で保持する保持部を有し、前記保持部は、前記トリップ片の前記第2位置から前記第1位置への移動に応じて前記可動子の保持を解除するように構成されていることが好ましい。
この接点装置において、前記保持部は、前記トリップ片と一体に形成されていることが好ましい。
この接点装置において、前記保持部を、前記可動子を前記開位置で保持する位置に復帰させる復帰ばねを備えることが好ましい。
この接点装置において、前記電磁石装置は、前記磁路上に配置される第2コイルを備えることが好ましい。
この接点装置において、前記可動子は、少なくとも一部が弾性を有することが好ましい。
この接点装置において、箱状の器体を備え、前記可動子は、軸部を支点として前記閉位置と前記開位置との間を回転自在に構成され、前記器体は、前記可動子の前記軸部と前記固定接点とが、前記器体の縦方向及び横方向の両方向にずれた位置に配置されるように、前記固定接点及び前記可動子を収納していることが好ましい。
この接点装置において、前記電磁石装置は、前記トリップ片の前記第2位置から前記第1位置までの移動距離を調整する調整部を備えることが好ましい。
この接点装置において、前記可動子は、前記トリップ片を囲む枠状に形成されていることが好ましい。
この接点装置において、前記可動子は、複数の材料により形成されていることが好ましい。
この接点装置において、前記固定接点及び前記可動接点を収納する器体の外部に露出する第1操作片を有し、且つ前記第1操作片が操作されると前記可動子を前記閉位置から前記開位置へと移動させる第1切替部を備えることが好ましい。
この接点装置において、前記固定接点及び前記可動接点を収納する器体の外部に露出する第2操作片を有し、且つ前記第2操作片が操作されると前記可動子を前記開位置から前記閉位置へと移動させる第2切替部を備えることが好ましい。
本発明は、何れの向きに電流を流してもトリップ片に作用する吸引力、及び連動部を介して可動子に作用する力が等しい。したがって、本発明は、電流の向きによって遮断特性が変化し難い。
本発明の実施形態1に係る接点装置を示す概略斜視図である。 本発明の実施形態1に係る接点装置の動作を示す概略図で、(a),(b)は閉状態の図で、(c),(d)は開状態の図である。 本発明の実施形態2に係る接点装置を示す概略斜視図である。 本発明の実施形態2に係る接点装置の動作を示す概略図で、(a),(b)は閉状態の図で、(c),(d)は開状態の図である。 本発明の実施形態2に係る接点装置において、第3ばねを備えた例の動作を示す概略図で、(a)は閉状態の図で、(b)は開状態の図である。 本発明の実施形態3に係る接点装置を示す概略斜視図である。 本発明の実施形態3に係る接点装置の動作を示す概略図で、(a)は閉状態の図で、(b)は開状態の図である。 本発明の実施形態3に係る接点装置において、第3ばねを備えた例の動作を示す概略図で、(a)は閉状態の図で、(b)は開状態の図である。 本発明の実施形態4に係る接点装置を示す概略斜視図である。 本発明の実施形態4に係る接点装置の動作を示す概略図で、(a),(b)は閉状態の図で、(c),(d)は開状態の図である。 本発明の実施形態4に係る接点装置において、第3ばねを備えた例の動作を示す概略図で、(a)は閉状態の図で、(b)は開状態の図である。 (a)は本発明の実施形態1に係る接点装置において構成1を備えた例の概略図で、(b)は本発明の実施形態2に係る接点装置において構成1を備えた例の概略図である。 (a)は本発明の実施形態1に係る接点装置において構成2を備えた例の概略図で、(b)は本発明の実施形態2に係る接点装置において構成2を備えた例の概略図である。 本発明の実施形態1に係る接点装置において構成3を備えた例の概略図で、(a)は閉状態の図で、(b)は開状態の図である。 本発明の実施形態2に係る接点装置において構成3を備えた例の概略図で、(a)は閉状態の図で、(b)は開状態の図である。 (a),(b)は、本発明の実施形態1に係る接点装置において構成4を備えた例の概略図である。 (a),(b)は、本発明の実施形態2に係る接点装置において構成4を備えた例の概略図である。 本発明の実施形態1に係る接点装置において構成5を備えた例の概略斜視図である。 本発明の実施形態1に係る接点装置において構成5を備えた例の動作を示す概略図で、(a)は閉状態の図で、(b)は開状態の図である。 本発明の実施形態2に係る接点装置において構成5を備えた例の概略斜視図である。 本発明の実施形態2に係る接点装置において構成5を備えた例の動作を示す概略図で、(a)は閉状態の図で、(b)は開状態の図である。 (a)は本発明の実施形態1に係る接点装置において構成6を備えた例の概略図で、(b)は本発明の実施形態2に係る接点装置において構成6を備えた例の概略図である。 本発明の実施形態1に係る接点装置において構成7を備えた例の動作を示す概略図で、(a),(b)は閉状態の図で、(c),(d)は開状態の図である。 本発明の実施形態2に係る接点装置において構成7を備えた例の動作を示す概略図で、(a),(b)は閉状態の図で、(c),(d)は開状態の図である。 本発明の実施形態1に係る接点装置において構成8を備えた例の動作を示す概略図で、(a),(b)は閉状態の図で、(c),(d)は開状態の図である。 本発明の実施形態2に係る接点装置において構成8を備えた例の動作を示す概略図で、(a),(b)は閉状態の図で、(c),(d)は開状態の図である。 本発明の実施形態1に係る接点装置において構成9を備えた例の動作を示す概略図で、(a),(b)は閉状態の図で、(c),(d)は開状態の図である。 本発明の実施形態2に係る接点装置において構成9を備えた例の動作を示す概略図で、(a),(b)は閉状態の図で、(c),(d)は開状態の図である。
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係る接点装置1は、図1に示すように、固定接点2と、可動接点3と、可動接点3が設けられる可動子4と、電磁石装置5と、第1連動部6(連動部)とを備える。可動子4は、固定接点2に可動接点3が接する閉位置と、固定接点2から可動接点3が離れる開位置との間で可動接点3を移動させるように構成されている。
電磁石装置5は、トリップ片50と、第1コイル51とを有する。トリップ片50は、第1位置と第2位置との間で移動自在に構成されている。第1コイル51は、固定接点2と可動接点3との間を流れる電流により磁束を発生するように構成されている。電磁石装置5は、規定値以上の異常電流により第1コイル51で発生する磁束によってトリップ片50を吸引し、トリップ片50を第2位置から第1位置に移動させるように構成されている。
第1連動部6は、可動子4とトリップ片50とを互いに連動させるように構成されている。また、第1連動部6は、トリップ片50の第2位置から第1位置への移動に応じて、可動子4を閉位置から開位置へ移動させるように構成されている。
そして、電磁石装置5は、電流の向きが逆であってもトリップ片50を含む磁路を通る磁束の大きさが同じになるように構成されている。
以下、本実施形態の接点装置1について詳細に説明する。本実施形態の接点装置1は、図1,2に示すように、固定接点2と、一対の固定端子20,21と、可動接点3と、可動子4と、電磁石装置5と、第1連動部6(連動部)とを備える。電磁石装置5は、トリップ片50と、第1コイル51と、コイルボビン52と、鉄心53と、継鉄54とを備える。これら固定接点2、一対の固定端子20,21、可動接点3、可動子4、電磁石装置5、第1連動部6は、箱状の器体100に収納されている(図2(a)参照)。言い換えれば、器体100は、少なくとも固定接点2及び可動接点3及び可動子4を収納する。
なお、図2(a)では、器体100の一部のみを図示しており、その外観については図示を省略している。その他の図面においても、器体100の一部のみを図示している。また、以下の説明では、コイルボビン52の軸方向を上下方向とし、コイルボビン52から見て可動子4側を上方、その反対側を下方として説明するが、接点装置1の使用形態を限定する趣旨ではない。
一対の固定端子20,21は、それぞれ導電性材料で形成されている。一対の固定端子20,21のうち第1固定端子20は、その長手方向の一端(図2(a)における左端)を器体100の外側に露出する形で、器体100に接合されている。また、第1固定端子20の長手方向の他端(図2(a)における右端)の上面には、固定接点2が固着されている。一対の固定端子20,21のうち第2固定端子21は、その長手方向の一端(図2(a)における左端)を器体100の外側に露出する形で、器体100に接合されている。一対の固定端子20,21は、電源(図示せず)から負荷(図示せず)への電力の供給路上に挿入されている。なお、本実施形態の接点装置1は、電源から負荷への直流電力の供給路上での使用を想定している。
可動子4は、長尺な板状に形成されている。可動子4の長手方向の一端(図2(a)における左端)の下面には、可動接点3が固着されている。すなわち、可動子4には、可動接点3が設けられている。可動接点3は、固定接点2と対向するように配置されている。なお、「可動子4に可動接点3が設けられている」とは、可動子4に別部材である可動接点3を配置する概念を含み、可動接点3を可動子4と一体に形成する概念も含む。また、可動子4の長手方向の他端(図2(a)における右端)には、図1に示すように軸部400が一体に形成されている。この軸部400は、器体100に設けられた軸受(図示せず)に回転自在に支持されている。
したがって、可動子4は、軸部400を支点として、可動接点3が固定接点2と接する位置と、可動接点3が固定接点2から離れた位置との間で回転自在に配置されている。言い換えれば、可動子4の移動により、可動接点3は、固定接点2と接する位置と、固定接点2から離れた位置との間で移動することになる。以下では、可動接点3が固定接点2に接しているときの可動子4の位置を「閉位置」、可動接点3が固定接点2から離れているときの可動子4の位置を「開位置」と定義する。
可動子4が閉位置にあるとき、一対の固定端子20,21の間は短絡される。この状態の接点装置1では、電源から負荷へと電力が供給可能となっている。この状態を、以下では「閉状態」と定義する。また、可動子4が開位置にあるとき、一対の固定端子20,21の間は開放される。したがって、この状態の接点装置1では、電源から負荷へと電力が供給されない。この状態を、以下では「開状態」と定義する。
可動子4の上面と器体100との間には、図2(a)に示すように、第1ばね40を配置している。第1ばね40は、例えばコイルばねであって、圧縮した状態から元の状態に復帰しようとするばね力により、可動子4を下向きに押している。そして、第1ばね40のばね力により、可動接点3が固定接点2に接する圧力(接圧)を確保している。
トリップ片50は、磁性材料により長尺な板状に形成されている。トリップ片50の長手方向の一端(図2(a)における左端)には、図1に示すように軸部500が設けられている。軸部500は、図1に示すように、その幅方向(図2(a)における紙面奥行き方向)の寸法が、トリップ片50の他の部位の幅寸法よりも小さくなっている。軸部500は、図2(a),(c)に示すように、後述する第2継鉄541の上端に設けられた溝542の内底部に回転自在に支持されている。なお、軸部500と、溝542の内底部を除いた内面との間には、軸部500が回転し易いように隙間が設けられている。
したがって、トリップ片50は、軸部500を支点として、鉄心53の上端に接する位置と、鉄心53の上端から離れた位置との間で回転自在に配置されている。以下では、トリップ片50が鉄心53の上端に接しているときの位置を「第1位置」、トリップ片50が鉄心53の上端から離れているときの位置を「第2位置」と定義する。
第1コイル51は、導線をコイルボビン52に巻き付けることで形成されている。第1コイル51は、その一端が第2固定端子21に電気的に接続され、その他端が配線510を介して可動接点3に電気的に接続されている。第1コイル51は、一対の固定端子20,21、固定接点2、可動接点3を介して電源から電流を流すことにより、磁束を発生する。例えば、第1固定端子20から第1コイル51を介して第2固定端子21へと電流を流すと、第1コイル51は、鉄心53において下向きの磁束を発生する。また、第2固定端子21から第1コイル51を介して第1固定端子20へと電流を流すと、第1コイル51は、鉄心53において上向きの磁束を発生する。すなわち、第1コイル51は、固定接点2と可動接点3との間に電流を流すことにより磁束を発生する。
なお、以下の説明では、第1固定端子20から第1コイル51を介して第2固定端子21へと電流を流す向きを「第1向き」、第2固定端子21から第1コイル51を介して第1固定端子20へと電流を流す向きを「第2向き」と定義する。
コイルボビン52は、例えば合成樹脂により円筒状に形成されている。コイルボビン52には、第1コイル51が巻き付けられている。また、コイルボビン52の内側には、鉄心53が配置されている。コイルボビン52の上端は、第1コイル51が巻き付けられている部位と比べて径寸法が大きい第1フランジ520となっている。第1フランジ520は、その一部が可動子4やトリップ片50と対向する位置まで延長されている。
鉄心53は、磁性材料により円柱状に形成されている。鉄心53の上端は、コイルボビン52の外側に露出している。鉄心53の上端は、トリップ片50と対向するように配置されている。また、鉄心53の下端は、コイルボビン52の外側に露出しており、継鉄54と接している。
継鉄54は、磁性材料により形成されている。継鉄54は、鉄心53とトリップ片50と共に、第1コイル51の通電時に発生する磁束が通る磁路(磁気回路)を形成する。継鉄54は、器体100に固定される第1継鉄540と、第1継鉄540の長手方向の一端(図2(a)における左端)から上向きに突出する第2継鉄541とを備える。本実施形態の接点装置1では、第1継鉄540と第2継鉄541とは一体に形成されている。第2継鉄541の上端には、図1に示すように、溝542が設けられている。
電磁石装置5は、第1コイル51で発生する磁束によって、トリップ片50と鉄心53との間に磁気吸引力を生じ、トリップ片50に対して鉄心53から下向きの吸引力を作用させる。つまり、電磁石装置5は、第1コイル51で磁束が発生することで、トリップ片50と鉄心53と継鉄54とで形成される磁路の磁気抵抗が小さくなるように、トリップ片50を下向きに移動させる吸引力をトリップ片50に作用させる。
第1連動部6は、主片60と、軸部61とを備える。主片60は、軸部61に直交する断面が三角形状に形成されている。主片60の長手方向の一端(図2(b)における右端)は、トリップ片50と対向している。また、主片60の長手方向の他端(図2(b)における左端)は、可動子4と対向している。以下では、主片60の長手方向におけるトリップ片50と対向する一端を「第1端」、可動子4と対向する一端を「第2端」と定義する。軸部61は、主片60と一体に形成されており、第1フランジ520に回転自在に支持されている。したがって、主片60は、軸部61を支点として回転自在となっている。
例えば、主片60の第1端がトリップ片50により下向きに押されると、主片60が時計回りに回転して第2端が可動子4を上向きに押し、可動子4を上向きに移動させる。また、主片60の第2端が可動子4により下向きに押されると、主片60が反時計回りに回転して第1端がトリップ片50を上向きに押し、トリップ片50を上向きに移動させる。すなわち、第1連動部6は、可動子4とトリップ片50とを互いに連動させるように構成されている。
器体100は、例えば合成樹脂により形成されている。器体100は、内部に気密空間を形成する気密容器であることが望ましい。器体100が気密容器である場合、器体100の内部には水素を主体とする消弧ガスが封入されていることが望ましい。この構成では、可動接点3が固定接点2から離れる際にアークが生じたとしても、消弧性ガスによりアークを急速に冷却して迅速に消弧することが可能になる。なお、器体100を気密容器で形成するか否かは任意である。また、器体100内に消弧ガスを封入するか否かも任意である。
以下、本実施形態の接点装置1の動作について説明する。なお、以下の説明では、主片60の第1端に作用する電磁石装置5の吸引力による、軸部61まわりの力のモーメントを「第1モーメント」と定義する。また、主片60の第2端に作用する第1ばね40のばね力による、軸部61まわりの力のモーメントを「第2モーメント」と定義する。
第1コイル51に規定値未満の電流が流れている通常時は、第2モーメントが第1モーメントよりも大きいので、可動子4は閉位置から移動しない(図2(a),(b)参照)。すなわち、通常時では、接点装置1は閉状態を維持する。第1コイル51に規定値以上の異常電流が流れると、電磁石装置5の吸引力が増大することにより、第1モーメントが第2モーメントよりも大きくなる。すると、主片60が軸部61を支点として時計回りに回転し、主片60の第2端が可動子4を上向きに押すため、可動子4が閉位置から開位置へと移動する(図2(c),(d)参照)。すなわち、異常電流が流れると、接点装置1は閉状態から開状態に切り替わる。
上述のように、電磁石装置5は、異常電流が流れると第1連動部6を介して可動子4を閉位置から開位置へと移動させ、接点装置1を強制的に開状態にする。以下では、電磁石装置5が接点装置1を強制的に開状態にする動作を「トリップ」と定義する。なお、電磁石装置5がトリップする電流の規定値は、例えば接点装置1の定格電流が数百Aの場合、過電流となる1000A程度、あるいは短絡電流となる数千A程度に設定される。
ここで、従来の特許文献1に記載の電磁リレーでは、過電流検出コイルで発生する磁束が通る磁路上に永久磁石が配置されていた。すなわち、従来の電磁リレーでは、過電流検出コイルの他に永久磁石という磁束発生源が存在していた。このため、従来の電磁リレーでは、永久磁石で発生する磁束が過電流検出コイルで発生する磁束に影響を及ぼしてしまう。例えば、過電流検出コイルの一端から電流を流す場合、過電流検出コイルで発生する磁束の向きと、永久磁石で発生する磁束の向きとが同じであると仮定する。この場合、過電流検出コイルで発生する磁束に永久磁石で発生する磁束が加わることで、1000Aの異常電流で従来の電磁リレーが遮断すると仮定する。ここで、過電流検出コイルの他端から電流を流すと、過電流検出コイルで発生する磁束の向きが反対になるので、過電流検出コイルで発生する磁束の一部が、永久磁石で発生する磁束により相殺されてしまう。すると、従来の電磁リレーでは、1000Aよりも大きな異常電流が流れなければ遮断できない。このように、従来の電磁リレーでは、過電流検出コイルに流す電流の向きによって遮断特性が変化するという問題があった。
従来の電磁リレーに対して、本実施形態の接点装置1では、磁束発生源が第1コイル51のみであり、第1コイル51で発生する磁束の通る磁路上に永久磁石のような他の磁束発生源が存在しない。つまり、本実施形態の接点装置1では、電磁石装置5は、電流の向きが逆であってもトリップ片50を含む磁路を通る磁束の大きさが同じになるように構成されている。言い換えれば、本実施形態の接点装置1では、電磁石装置5は、第1コイル51に第1向きに電流を流す場合と、第2向きに電流を流す場合との何れにおいても、同じ大きさの磁束を発生するように構成されている。なお、「同じ大きさ」とは、「同一」、若しくは「ほぼ同一」を含む表現である。したがって、本実施形態の接点装置1では、第1向きに電流を流す場合と、第2向きに電流を流す場合との何れにおいても、トリップ片50に作用する吸引力、及び第1連動部6を介して可動子4に作用する力が等しい。なお、「等しい」とは、「同一」、若しくは「ほぼ同一」を含む表現である。
例えば、第1コイル51に第1向きに電流を流す場合に、第1コイル51に1000Aの異常電流が流れると電磁石装置5がトリップすると仮定する。ここで、第1コイル51に第2向きに電流を流す場合でも、第1コイル51に1000Aの異常電流が流れれば電磁石装置5がトリップする。
上述のように、本実施形態の接点装置1では、電磁石装置5は、電流の向きが逆であってもトリップ片50を含む磁路を通る磁束の大きさが同じになるように構成されている。このため、本実施形態の接点装置1では、何れの向きに電流を流してもトリップ片50に作用する吸引力、及び第1連動部6を介して可動子4に作用する力が等しい。したがって、本実施形態の接点装置1では、電流の向きによって遮断特性が変化し難い。
(実施形態2)
以下、本発明に係る実施形態2の接点装置1について図面を用いて説明する。但し、実施形態1の接点装置1と同様の構成については、共通する符号を付して説明を適宜省略する。本実施形態の接点装置1は、図3,4に示すように、第1連動部6の代わりに第2連動部7(連動部)を備えている。なお、図3,4では、第2固定端子21及び配線510の図示を省略している。
第2連動部7は、可動子4とトリップ片50とを互いに連動させるように構成されており、回転体70と、留め具71と、連結体72と、一対の支持台73とを備える。回転体70は、円柱の一部(全体の4分の1)を切り欠いた形状に形成されている。回転体70には、軸部700が一体に形成されている。軸部700は、一対の支持台73により回転自在に支持されている。一対の支持台73は、直方体状に形成されており、第1フランジ520の上面において互いに間隔を空けて配置されている。すなわち、軸部700は、回転体70が一対の支持台73の間に位置するように、一対の支持台73に支持されている。回転体70の切り欠かれた部位(切り欠き701)には、トリップ片50が対向している。したがって、回転体70は、トリップ片50により切り欠き701の一面を上向きに押されると、反時計回りに回転する。また、回転体70は、トリップ片50により切り欠き701の一面を下向きに押されると、時計回りに回転する。
留め具71は、平板状に形成されており、第1フランジ520の上面に配置されている。留め具71の長手方向の一端(図4(b)における右端)と、回転体70とは、連結体72を介して連結されている。したがって、回転体70が時計回りに回転すると、留め具71は、連結体72に引っ張られることで、第1フランジ520の上面を摺りながら可動子4から離れる向きに移動する。また、回転体70が反時計回りに回転すると、留め具71は、連結体72に押されることで、第1フランジ520の上面を摺りながら可動子4に近づく向きに移動する。
また、本実施形態の接点装置1は、第1ばね40の代わりに、可動子4の下面と器体100との間に配置される第2ばね41(加圧部)を備えている。第2ばね41は、例えばコイルばねであって、圧縮した状態から元の状態に復帰しようとするばね力により、可動子4を上向きに押している。すなわち、第2ばね41は、可動子4に対して閉位置から開位置へ移動する向きに力を加える。
以下、本実施形態の接点装置1の動作について説明する。第1コイル51に規定値未満の電流が流れている通常時は、図4(b)に示すように、留め具71が可動子4の上面と対向している。ここで、可動子4は、第2ばね41により上向きに押されているが、留め具71により可動子4の上向きの移動が妨げられている。したがって、可動子4は、図4(a),(b)に示すように、留め具71により閉位置で保持される。第1コイル51に異常電流が流れると、トリップ片50が鉄心53に吸引されることにより、回転体70の切り欠き701の一面が下向きに押され、回転体70が時計回りに回転する。すると、図4(d)に示すように、留め具71は、連結体72に引っ張られて、可動子4の上面と対向しない位置まで移動する。このため、留め具71による可動子4の保持が解除される。そして、可動子4は、図4(c)に示すように、第2ばね41のばね力により閉位置から開位置へと移動する。
ここで、第1コイル51に規定値未満ではあるが規定値に近い電流が流れた場合でも、トリップ片50が鉄心53にある程度吸引される虞がある。この場合、可動子4に閉位置から開位置へと移動する向きの力が加わり、可動接点3の固定接点2に対する接圧が弱まる虞がある。本実施形態の接点装置1では、第2連動部7の留め具71が、可動子4を閉位置で保持する「保持部」として機能している。そして、留め具71(保持部)は、トリップ片50の第2位置から第1位置への移動に応じて、可動子4の保持を解除するように構成されている。このため、本実施形態の接点装置1では、第1コイル51に異常電流が流れるまでは、留め具71により可動子4の閉位置から開位置への移動が妨げられる。したがって、第1コイル51に規定値に近い電流が流れた場合でも、可動子4が閉位置で保持されるので、可動接点3の固定接点2に対する接圧が弱まるのを防止することができる。
更に、本実施形態の接点装置1では、留め具71による可動子4の保持が解除されると、可動子4は、第2ばね41(加圧部)のばね力により開位置に保持される。すなわち、可動子4が閉位置から開位置へと一旦移動すると、可動子4に外力を加えて閉位置に戻すまでは可動子4が開位置に位置し続ける。このため、本実施形態の接点装置1では、第1コイル51に異常電流が流れ続ける場合に、可動子4が開位置と閉位置との間を繰り返し移動して接点装置1が開状態と閉状態とを交互に繰り返す動作を防止することができる。
なお、本実施形態の接点装置1は、図5(a),(b)に示すように、第3ばね55(復帰ばね)を備えていてもよい。第3ばね55は、例えばコイルばねであって、トリップ片50の長手方向の一端(図5(a)における左端)と器体100との間に配置されている。第3ばね55は、圧縮した状態から元の状態に復帰しようとするばね力により、トリップ片50を軸部500を支点として反時計回りに回転させる向きに押している。
以下、第3ばね55の動作について説明する。なお、以下の説明では、トリップ片50に作用する吸引力による、軸部500まわりの力のモーメントを「第3モーメント」と定義する。また、第3ばね55のばね力による、軸部500まわりの力のモーメントを「第4モーメント」と定義する。
電磁石装置5がトリップすると、トリップ片50が軸部500を支点として時計回りに回転するので、第3ばね55がトリップ片50に押されて圧縮される。ここで、第1コイル51に異常電流が流れている間は、第3モーメントが第4モーメントよりも大きいので、トリップ片50は第1位置から移動しない(図5(b)参照)。
第1コイル51に異常電流が流れなくなると、トリップ片50に作用する吸引力が弱まり、第4モーメントが第3モーメントよりも大きくなる。この状態で、可動子4を開位置から閉位置へと移動させると、トリップ片50が第3ばね55に押されて第1位置から第2位置へと移動するため、留め具71が可動子4の上面と対向する位置まで移動する。すなわち、留め具71は、可動子4を閉位置で保持する位置に復帰する(図5(a)参照)。
上述のように、第3ばね55(復帰ばね)は、留め具71(保持部)を、可動子4を開位置で保持する位置に復帰させる。このため、この構成では、電磁石装置5がトリップした後に可動子4を開位置から閉位置に移動させると、留め具71(保持部)を元の状態(可動子4を閉位置で保持する状態)に復帰させることができる。したがって、この構成では、接点装置1を繰り返し使用することが可能になる。
なお、可動子4を開位置から閉位置に移動させるには、例えば後述する第2切替部120を用いればよい。勿論、可動子4を開位置から閉位置に移動させる手段は、第2切替部120に限定されず、他の手段を用いてもよい。
(実施形態3)
以下、本発明の実施形態3に係る接点装置1について図面を用いて説明する。但し、実施形態1の接点装置1と同様の構成については、共通する符号を付して説明を適宜省略する。本実施形態の接点装置1は、図6,7に示すように、第1連動部6の代わりに第3連動部8(連動部)を備えている。また、本実施形態の接点装置1では、可動子4の形状が実施形態1の接点装置1とは異なっている。なお、図6,7では、第2固定端子21及び配線510の図示を省略している。
可動子4は、主片42と、第1突出片43と、第2突出片44とで形成されている。主片42及び第1突出片43及び第2突出片44は、何れも長尺な板状に形成されている。主片42の下端には、固定接点2と対向する形で可動接点3が固着されている。第1突出片43は、その長手方向の一端(図7(a)における右端)が主片42の上端と一体に形成されており、長手方向の他端(図7(a)における左端)が第2突出片44の下端と一体に形成されている。第2突出片44の上端には、軸部400が一体に形成されている。
軸部400は、支持片521の上端に回転自在に支持されている。支持片521は、第1フランジ520と一体に形成されており、第1フランジ520の上面から上向きに突出している。なお、図6では、軸部400のうち一方の端部のみが支持片521に支持されているが、図示を省略しているだけで、他方の端部も支持されている。したがって、可動子4は、図7(a),(b)に示すように、軸部400を支点として、閉位置と開位置との間で回転自在に配置されている。
第3連動部8は、トリップ片50と一体に形成されており、トリップ片50の長手方向の一端(図7(a)における左端)から上向きに突出している。第3連動部8は、可動子4とトリップ片50とを互いに連動させるように構成されており、第1突出片43及び第2突出片44が成す角部401に対向する位置と、角部401に対向しない位置との間で移動自在となっている。
また、本実施形態の接点装置1は、第1ばね40の代わりに、主片42と器体100との間に配置される第2ばね41(加圧部)を備えている。第2ばね41は、例えばコイルばねであって、圧縮した状態から元の状態に復帰しようとするばね力により、可動子4の主片42を軸部400を支点として時計回りに回転させる向きに押している。すなわち、第2ばね41は、可動子4に対して閉位置から開位置へ移動する向きに力を加える。
以下、本実施形態の接点装置1の動作について説明する。第1コイル51に規定値未満の電流が流れている通常時は、図7(a)に示すように、第3連動部8が可動子4の角部401と対向している。ここで、可動子4は、第2ばね41により時計回りに回転する向きに押されているが、第3連動部8により可動子4の時計回りの向きの移動が妨げられている。したがって、可動子4は、図7(a)に示すように、第3連動部8により閉位置で保持される。第1コイル51に異常電流が流れると、トリップ片50が鉄心53に吸引されることにより、第3連動部8が角部401に対向しない位置に移動する。すると、図7(b)に示すように、第3連動部8による可動子4の保持が解除される。そして、可動子4は、第2ばね41のばね力により閉位置から開位置へと移動する。
上述のように、本実施形態の接点装置1では、第3連動部8が、可動子4を閉位置で保持する「保持部」として機能している。そして、第3連動部8(保持部)は、トリップ片50の第2位置から第1位置への移動に応じて、可動子4の保持を解除するように構成されている。このため、本実施形態の接点装置1では、第1コイル51に異常電流が流れるまでは、第3連動部8により可動子4の閉位置から開位置への移動が妨げられる。したがって、第1コイル51に規定値に近い電流が流れた場合でも、可動子4が閉位置で保持されるので、可動接点3の固定接点2に対する接圧が弱まるのを防止することができる。
更に、本実施形態の接点装置1では、第3連動部8による可動子4の保持が解除されると、可動子4は、第2ばね41(加圧部)のばね力により開位置に保持される。すなわち、可動子4が閉位置から開位置へと一旦移動すると、可動子4に外力を加えて閉位置に戻すまでは可動子4が開位置に位置し続ける。このため、本実施形態の接点装置1では、第1コイル51に異常電流が流れ続ける場合に、可動子4が開位置と閉位置との間を繰り返し移動して接点装置1が開状態と閉状態とを交互に繰り返す動作を防止することができる。
なお、本実施形態の接点装置1は、図8(a),(b)に示すように、第3ばね55(復帰ばね)を備えていてもよい。第3ばね55は、実施形態2と同様に例えばコイルばねであって、トリップ片50の長手方向の一端(図8(a)における左端)と器体100との間に配置されている。第3ばね55は、圧縮した状態から元の状態に復帰しようとするばね力により、トリップ片50を軸部500を支点として時計回りに回転させる向きに押している。
以下、第3ばね55の動作について説明する。電磁石装置5がトリップすると、トリップ片50が軸部500を支点として反時計回りに回転するので、第3ばね55がトリップ片50に押されて圧縮される。ここで、第1コイル51に異常電流が流れている間は、第3モーメントが第4モーメントよりも大きいので、トリップ片50は第1位置から移動しない(図8(b)参照)。
第1コイル51に異常電流が流れなくなると、トリップ片50に作用する吸引力が弱まり、第4モーメントが第3モーメントよりも大きくなる。この状態で、可動子4を開位置から閉位置へと移動させると、トリップ片50が第3ばね55に押されて第1位置から第2位置へと移動するため、第3連動部8が可動子4の角部401と対向する位置まで移動する。すなわち、第3連動部8は、可動子4を閉位置で保持する位置に復帰する(図8(a)参照)。
上述のように、第3ばね55(復帰ばね)は、第3連動部8(保持部)を、可動子4を開位置で保持する位置に復帰させる。このため、この構成では、電磁石装置5がトリップした後に可動子4を開位置から閉位置に移動させると、第3連動部8(保持部)を元の状態(可動子4を閉位置で保持する状態)に復帰させることができる。したがって、この構成では、接点装置1を繰り返し使用することが可能になる。
なお、可動子4を開位置から閉位置に移動させるには、例えば後述する第2切替部120を用いればよい。勿論、可動子4を開位置から閉位置に移動させる手段は、第2切替部120に限定されず、他の手段を用いてもよい。
(実施形態4)
以下、本発明の実施形態4に係る接点装置1について図面を用いて説明する。但し、実施形態1と同様の構成については、共通する符号を付して説明を適宜省略する。本実施形態の接点装置1は、図9,10に示すように、第1連動部6の代わりに第4連動部9(連動部)を備えている。なお、図9,10では、第2固定端子21及び配線510の図示を省略している。
第4連動部9は、可動子4とトリップ片50とを互いに連動させるように構成されており、主片90と、留め具91とを備える。主片90は、第1フランジ520の案内孔522を貫通し、その上端がトリップ片50と対向するように配置されている。案内孔522は、第1フランジ520の一部を切り欠いて形成されており、その一端(図10(b)における右端)には、傾斜面が設けられている。主片90は、案内孔522の傾斜面に接するように、一部が傾斜している。したがって、主片90は、トリップ片50に下向きに押されると、案内孔522の傾斜面をすりながら斜め下方に移動する。
また、主片90は、ばね(図示せず)の圧縮した状態から元の状態に復帰しようとするばね力により、上向きに押されている。この主片90に作用するばね力は、第1コイル51に規定値未満の電流が流れている通常時では、トリップ片50に作用する吸引力よりも大きくなっている。したがって、通常時では、主片90はトリップ片50により、下向きに移動させられることはない。
留め具91は、平板状に形成されており、第1フランジ520の上面に配置されている。留め具91には、図9に示すように、矩形状の通孔910が厚み方向に貫通する形で設けられている。通孔910には、主片90が挿入されている。したがって、留め具91は、通孔910の内周縁を主片90に押されることで、可動子4の上面に対向する位置と、可動子4から離れた位置との間で移動自在となっている。
また、本実施形態の接点装置1は、第1ばね40の代わりに、可動子4の下面と器体100との間に配置される第2ばね41(加圧部)を備えている。第2ばね41は、例えばコイルばねであって、圧縮した状態から元の状態に復帰しようとするばね力により、可動子4を上向きに押している。すなわち、第2ばね41は、可動子4に対して閉位置から開位置へ移動する向きに力を加える。
以下、本実施形態の接点装置1の動作について説明する。第1コイル51に規定値未満の電流が流れている通常時は、図10(b)に示すように、留め具91が可動子4の上面と対向している。ここで、可動子4は、第2ばね41により上向きに押されているが、留め具91により可動子4の上向きの移動が妨げられている。したがって、可動子4は、図10(a),(b)に示すように、留め具91により閉位置で保持される。第1コイル51に異常電流が流れると、トリップ片50が鉄心53に吸引されることにより、主片90が下向きに押され、案内孔522の傾斜面に沿って移動する。すると、図10(d)に示すように、主片90が通孔910の内周縁を押すことで、留め具91が可動子4の上面と対向しない位置まで移動する。このため、留め具91による可動子4の保持が解除される。そして、可動子4は、図10(c)に示すように、第2ばね41のばね力により閉位置から開位置へと移動する。
上述のように、本実施形態の接点装置1では、第4連動部9の留め具91が、可動子4を閉位置で保持する「保持部」として機能している。そして、留め具91(保持部)は、トリップ片50の第2位置から第1位置への移動に応じて、可動子4の保持を解除するように構成されている。このため、本実施形態の接点装置1では、第1コイル51に異常電流が流れるまでは、留め具91により可動子4の閉位置から開位置への移動が妨げられる。したがって、第1コイル51に規定値に近い電流が流れた場合でも、可動子4が閉位置で保持されるので、可動接点3の固定接点2に対する接圧が弱まるのを防止することができる。
更に、本実施形態の接点装置1では、留め具91による可動子4の保持が解除されると、可動子4は、第2ばね41(加圧部)のばね力により開位置に保持される。すなわち、可動子4が閉位置から開位置へと一旦移動すると、可動子4に外力を加えて閉位置に戻すまでは可動子4が開位置に位置し続ける。このため、本実施形態の接点装置1では、第1コイル51に異常電流が流れ続ける場合に、可動子4が開位置と閉位置との間を繰り返し移動して接点装置1が開状態と閉状態とを交互に繰り返す動作を防止することができる。
なお、本実施形態の接点装置1は、図11(a),(b)に示すように、第3ばね55(復帰ばね)を備えていてもよい。第3ばね55は、実施形態2,3と同様に例えばコイルばねであって、トリップ片50の長手方向の一端(図11(a)における右端)と器体100との間に配置されている。第3ばね55は、圧縮した状態から元の状態に復帰しようとするばね力により、トリップ片50を軸部500を支点として時計回りに回転させる向きに押している。
以下、第3ばね55の動作について説明する。電磁石装置5がトリップすると、トリップ片50が軸部500を支点として反時計回りに回転するので、第3ばね55がトリップ片50に押されて圧縮される。ここで、第1コイル51に異常電流が流れている間は、第3モーメントが第4モーメントよりも大きいので、トリップ片50は第1位置から移動しない(図11(b)参照)。
第1コイル51に異常電流が流れなくなると、トリップ片50に作用する吸引力が弱まり、第4モーメントが第3モーメントよりも大きくなる。この状態で、可動子4を開位置から閉位置へと移動させると、トリップ片50が第3ばね55に押されて第1位置から第2位置へと移動するため、留め具91が可動子4の上面と対向する位置まで移動する。すなわち、留め具91は、可動子4を閉位置で保持する位置に復帰する(図8(a)参照)。
上述のように、第3ばね55(復帰ばね)は、留め具91(保持部)を、可動子4を開位置で保持する位置に復帰させる。このため、この構成では、電磁石装置5がトリップした後に可動子4を開位置から閉位置に移動させると、留め具91(保持部)を元の状態(可動子4を閉位置で保持する状態)に復帰させることができる。したがって、この構成では、接点装置1を繰り返し使用することが可能になる。
なお、可動子4を開位置から閉位置に移動させるには、例えば後述する第2切替部120を用いればよい。勿論、可動子4を開位置から閉位置に移動させる手段は、第2切替部120に限定されず、他の手段を用いてもよい。
以下、実施形態1〜4の接点装置1に適用可能な構成1〜9について説明する。なお、以下の説明では、実施形態1,2の接点装置1を例として挙げているが、実施形態3,4の接点装置1にも下記の構成1〜9を採用することができる。また、実施形態1〜4の接点装置1では、下記の構成1〜9のうちいずれか1つを採用するのみならず、複数の構成を採用してもよい。
(構成1)
まず、接点装置1は、図12(a),(b)に示すように、第2コイル56を備えてもよい。第2コイル56は、コイルボビン52における第1コイル51の下方に、導線を巻き付けることで形成されている。換言すれば、第2コイル56は、第1コイル51で発生する磁束の通る磁路上に配置されている。コイルボビン52の長手方向における中央には、第1コイル51と第2コイル56とを隔てるフランジ523を形成している。
第2コイル56は、その一端が第1入力端子57に接続され、その他端が第2入力端子58に接続されている。これら一対の入力端子57,58は、何れも下端を器体100の外側に露出する形で、器体100に接合されている。また、一対の入力端子57,58には、一対の固定端子20,21に電流を流す経路とは異なる経路で電流が流れるように構成されている。
第2コイル56は、一対の入力端子57,58に電流を流すことにより、磁束を発生する。例えば、第1入力端子57から第2コイル56を介して第2入力端子58へと電流を流すと、第2コイル56は上向きの磁束を発生する。また、第2入力端子58から第2コイル56を介して第1入力端子57へと電流を流すと、第2コイル56は下向きの磁束を発生する。そして、電磁石装置5は、第2コイル56で生じる磁束によって、トリップ片50と鉄心53との間に磁気吸引力を生じ、トリップ片50に対して鉄心53から下向きの吸引力を作用させる。
ここで、第2コイル56の巻き数を第1コイル51の巻き数よりも十分に多くなるように設計すれば、規定値未満の電流を第2コイル56に流すことで、電磁石装置5がトリップする。以下、第2コイル56に流す規定値未満の電流を「点検用電流」と定義する。すなわち、この構成では、一対の固定端子20,21に電流を流しているか否かに関わらず、一対の入力端子57,58に点検用電流を流すことで、電磁石装置5によるトリップが正常に行われるか否かを点検することができる。
なお、第2コイル56に流す電流の向きによっては、第1コイル51で発生する磁束とは逆向きの磁束が発生する。しかしながら、第2コイル56の巻き数は第1コイル51の巻き数に比べて十分に多い。したがって、第2コイル56に点検用電流を流せば、第1コイル51で発生する磁束に関わらずトリップするのに十分すぎる磁束が第2コイル56で発生するので、接点装置1の遮断特性に及ぼす影響は非常に小さい。
(構成2)
また、接点装置1は、図13(a),(b)に示すように、可動子4の長手方向の一端(図13(a)における左端)に、他の部位よりも厚さが薄い薄肉部45を形成してもよい。すなわち、可動子4は、少なくとも一部が弾性を有するように構成されていてもよい。なお、図13(a)は実施形態1の接点装置1を示し、図13(b)は実施形態2の接点装置1を示す。
この構成では、可動接点3が固定接点2に接した後に可動子4が更に回転しようとすると、薄肉部45が撓む。このため、薄肉部45が元の状態に復帰しようとする弾性力により、可動接点3が固定接点2を押す力、すなわち接圧を大きくすることができる。この薄肉部45の弾性力は、可動子4を軸部400を支点として回転させたときの可動接点3の移動距離に応じて変化する。例えば、可動接点3の移動距離が短ければ弾性力が小さくなり、移動距離が長ければ弾性力が大きくなる。したがって、この構成では、可動接点3の固定接点2に対する接圧を可動接点3の移動距離で制御できるので、接圧を制御し易いという利点がある。なお、ここでは、薄肉部45を形成することで可動子4の一部が弾性を有する構成となっているが、可動子4の全体が弾性を有する構成であってもよい。
(構成3)
また、接点装置1は、図14,15に示すように、可動子4の長手方向の一端(図14(a)における左端)に、下向きに突出する屈曲片46を一体に形成して、屈曲片46の下端に可動接点3を固着してもよい。言い換えれば、器体100が、可動子4の軸部400と固定接点2とが、器体100の縦方向及び横方向の両方向にずれた位置に配置されるように、固定接点2及び可動子4を収納する構成でもよい。ここで、器体100の縦方向とは、コイルボビン52の軸方向(上下方向)をいう。また、器体100の横方向とは、コイルボビン52の軸方向と直交する方向(図14(a)における左右方向)をいう。なお、図14(a),(b)は実施形態1の接点装置1を示し、図15(a),(b)は実施形態2の接点装置1を示す。
この構成では、屈曲片46を形成しない場合と比較して、固定接点2と回転軸(軸部400)との間の距離(すなわち、可動子4の回転半径)が大きくなる。このため、この構成では、屈曲片46を形成しない場合と比較して、可動子4を一定の角度回転させたときの可動接点3の移動距離を大きくすることができる。
ここで、可動接点3の固定接点2に対する接圧を十分に確保するためには、可動子4の回転半径を十分に大きくする必要がある。可動子4の回転半径を大きくするためには、可動子4の長手方向の寸法を大きくすることが考えられるが、この場合、器体100の横方向の寸法を大きくせざるを得ない虞がある。一方、この構成(構成3)では、器体100の横方向のスペースだけではなく、縦方向のスペースも利用するので、器体100の寸法を大きくすることなく可動子4の回転半径を十分に大きくすることができる。
(構成4)
また、接点装置1は、図16,17に示すように、トリップ片50の移動距離を調整する調整部59を備えてもよい。ここでは、トリップ片50の移動距離は、トリップ片50を軸部500を支点として回転させたときにおける、トリップ片50の長手方向の一端(図16(a)における右端)の移動距離を指す。なお、図16(a),(b)は実施形態1の接点装置1を示し、図17(a),(b)は実施形態2の接点装置1を示す。
調整部59は、第1突出片590と、第2突出片591と、調整ねじ592とを備える。第1突出片590は、第1フランジ520の長手方向の一端(図16(a)における左端)に、上向きに突出するように一体に形成されている。第2突出片591は、第1突出片590の上端からトリップ片50と対向する位置まで延長するように形成されている。調整ねじ592は、第2突出片591の長手方向の一端(図16(a)における右端)に上下方向に貫通する形で取り付けられている。調整ねじ592の下端は、トリップ片50の上面と対向している。
この構成では、調整ねじ592を例えばドライバーなどの治具で締め付けることにより、調整ねじ592の下端がトリップ片50を下向きに押し、トリップ片50を下向きに移動させることができる。すなわち、この構成では、調整ねじ592の締め付けの加減により、トリップ片50の第2位置を調整することができ、結果としてトリップ片50の移動距離を調整することができる。
ここで、トリップ片50を第1位置まで移動させるために必要な吸引力は、トリップ片50の移動距離が長ければ大きく、短ければ小さくなる。また、この吸引力は、第1コイル51を流れる電流の大きさに比例する。したがって、この構成では、調整部59によりトリップ片50の移動距離を調整することで、電磁石装置5がトリップする電流の規定値を調整することができる。
(構成5)
また、接点装置1は、図18〜21に示すように、トリップ片50を囲む形状に可動子4を形成してもよい。なお、図18,19は実施形態1の接点装置1を示し、図20,21は実施形態2の接点装置1を示す。
可動子4は、矩形状の開口部47を有した矩形枠状に形成されている。この開口部47の内側にトリップ片50が配置されている。可動子4における第2継鉄541の上端と対向する部位には、図18,20に示すように、1対の軸部402,403が設けられている。軸部402,403は、その幅方向(図19(a)における紙面奥行き方向)の寸法が、可動子4の他の部位の幅寸法よりも小さくなっている。軸部402,403は、それぞれ第2継鉄541の上端に設けられた溝543,544の内底部に回転自在に支持されている。溝543,544は、第2継鉄541の上端において溝542を挟む形で設けられている。なお、軸部402と、溝543の内底部を除いた内面との間には、軸部402が回転し易いように隙間が設けられている。同様に、軸部403と、溝544の内底部を除いた内面との間には、軸部403が回転し易いように隙間が設けられている。
第1連動部6は、図18,19に示すように、主片60の長手方向が、トリップ片50の長手方向及び可動子4の長手方向に沿うように配置されている。すなわち、この構成では、可動子4が回転する平面と、トリップ片50が回転する平面と、第1連動部6の主片60が回転する平面とが同一である。
同様に、第2連動部7は、図20,21に示すように、留め具71の移動方向が、トリップ片50の長手方向及び可動子4の長手方向に沿うように配置されている。すなわち、この構成では、可動子4が回転する平面と、トリップ片50が回転する平面と、第2連動部7の留め具71の移動する平面、及び回転体70の回転する平面とが同一である。なお、「同一」とは、「ほぼ同一」を含む表現である。
例えば、図1,2に示す実施形態1の接点装置1では、第1連動部6が動作する平面と、可動子4及びトリップ片50が動作する平面とが互いに直交している。このため、第1連動部6の主片60が、可動子4及びトリップ片50に横方向(主片60の長手方向)の負荷を与えるため、可動子4及びトリップ片50に横方向の偏りが生じる虞がある。
これに対して、この構成(構成5)では、第1連動部6(または第2連動部7)が動作する平面が、可動子4及びトリップ片50が動作する平面と同一である。このため、例えば図18,19に示す例では、第1連動部6の主片60が、可動子4及びトリップ片50に横方向の負荷を与えることがない。また、例えば図20,21に示す例では、第2連動部7の回転体70がトリップ片50に横方向の負荷を与えることがなく、留め具71も可動子4に横方向の負荷を与えることがない。したがって、この構成では、可動子4及びトリップ片50に横方向の偏りが生じず、接点装置1の動作の安定化を図ることができる。
(構成6)
また、接点装置1は、可動子4を複数の材料により構成してもよい。例えば、可動子4は、図22に示すように、導電材料により形成される導電部48と、絶縁材料により形成される絶縁部49とで構成してもよい。なお、図22(a)は実施形態1の接点装置1を示し、図22(b)は実施形態2の接点装置1を示す。
この構成では、例えば可動接点3と電気的に接続させたい部位と、可動接点3と電気的に絶縁させたい部位とを分けて可動子4を形成することができる。したがって、この構成では、可動子4における可動接点3と電気的に接続させたい部位を容易に制御することができる。
(構成7)
また、接点装置1は、図23,24に示すように、第1切替部110を備えてもよい。なお、図23(a)〜(d)は実施形態1の接点装置1を示し、図24(a)〜(d)は実施形態2の接点装置1を示す。
第1切替部110は、上下方向に長尺な棒状に形成されており、その上端である第1操作片111が器体100を貫通して外部に露出している。第1切替部110は、上下方向に移動自在であって、その下端がトリップ片50を下向きに押すように配置されている。
以下、第1切替部110の動作について説明する。まず、接点装置1が、図23(a),(b)(又は図24(a),(b))に示すように閉状態にあると仮定する。このとき、使用者が第1操作片111を下向きに押すことで、トリップ片50に下向きの力が作用する。そして、使用者が第1操作片111を一定以上の力で押し込むことで、トリップ片50が第1位置に移動する。すると、図23(c),(d)(又は図24(c),(d))に示すように、トリップ片50が第1位置に移動することで、第1連動部6(又は第2連動部7)を介して可動子4が閉位置から開位置へと移動する。
すなわち、第1切替部110は、器体100の外部に露出する第1操作片111を有し、且つ第1操作片111が操作されると可動子4を開位置から閉位置へと移動させるように構成されている。したがって、使用者は、第1切替部110を操作することで、接点装置1を閉状態から開状態へと手動で切り替えることができる。
(構成8)
また、接点装置1は、図25,26に示すように、第2切替部120を備えてもよい。なお、図25(a)〜(d)は実施形態1の接点装置1を示し、図26(a)〜(d)は実施形態2の接点装置1を示す。
第2切替部120は、上下方向に長尺な棒状に形成されており、その上端である第2操作片121が器体100を貫通して外部に露出している。第2切替部120は、上下方向に移動自在であって、その下端が可動子4の長手方向の一端(図25(a)における左端)を下向きに押すように配置されている。
以下、第2切替部120の動作について説明する。まず、接点装置1が、図25(c),(d)(又は図26(c),(d))に示すように開状態にあると仮定する。このとき、使用者が第2操作片121を下向きに押すことで、可動子4の長手方向の一端(図25(c)における左端)に下向きの力が作用する。そして、使用者が第2操作片121を一定以上の力で押し込むことで、図25(a),(b)(又は図26(a),(b))に示すように、可動子4が開位置から閉位置へと移動する。このとき、可動子4が閉位置に移動することで、第1連動部6(又は第2連動部7)を介してトリップ片50が第1位置から第2位置へと移動する。
すなわち、第2切替部120は、器体100の外部に露出する第2操作片121を有し、且つ第2操作片121が操作されると可動子4を開位置から閉位置へと移動させるように構成されている。したがって、使用者は、第2切替部120を操作することで、接点装置1を開状態から閉状態へと手動で切り替えることができる。
(構成9)
また、接点装置1は、図27,28に示すように、第1切替部110と第2切替部120との両方を備えてもよい。なお、図27(a)〜(d)は実施形態1の接点装置1を示し、図28(a)〜(d)は実施形態2の接点装置1を示す。この構成では、使用者は、第1切替部110を操作することで、接点装置1を閉状態から開状態へと手動で切り替えることができる。また、使用者は、第2切替部120を操作することで、接点装置1を開状態から閉状態へと手動で切り替えることができる。
なお、第1切替部110及び第2切替部120は、自動復帰型スイッチと、位置保持型スイッチとの何れで構成してもよい。「自動復帰型スイッチ」は、押している間だけ動作状態(この場合は、可動子4又はトリップ片50を押し下げる状態)を維持するスイッチである。「位置保持型スイッチ」は、押す力を取り除いても動作状態を保ち続け、更にもう一度押すと元の状態に復帰するスイッチである。
上記の各実施形態の接点装置1では、第1固定端子20に固定接点2を配置しているが、固定接点2は第1固定端子20と一体に形成されていてもよい。
上記の各実施形態の接点装置1は、例えば遮断器やリモコンブレーカとして用いることができる。また、上記の各実施形態の接点装置1は、構成7〜9のように第1切替部110又は第2切替部120を備えていれば、例えば手動のスイッチとして用いることもできる。
なお、以上説明した接点装置1は本発明の一例に過ぎない。そして、本発明は、上記の各実施形態に限定されることはなく、これら実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
1 接点装置
2 固定接点
3 可動接点
4 可動子
41 第2ばね(加圧部)
400 軸部
5 電磁石装置
50 トリップ片
51 第1コイル
56 第2コイル
59 調整部
6 第1連動部(連動部)
7 第2連動部(連動部)
71 留め具(保持部)
8 第3連動部(連動部、保持部)
9 第4連動部(連動部)
91 留め具(保持部)
100 器体
110 第1切替部
111 第1操作片
120 第2切替部
121 第2操作片
この接点装置において、前記可動子に対して前記閉位置から前記開位置へ移動する向きに力を加える加圧部を備え、前記連動部は、前記可動子を前記位置で保持する保持部を有し、前記保持部は、前記トリップ片の前記第2位置から前記第1位置への移動に応じて前記可動子の保持を解除するように構成されていることが好ましい。
この接点装置において、前記保持部を、前記可動子を前記位置で保持する位置に復帰させる復帰ばねを備えることが好ましい。
上述のように、第3ばね55(復帰ばね)は、留め具71(保持部)を、可動子4を位置で保持する位置に復帰させる。このため、この構成では、電磁石装置5がトリップした後に可動子4を開位置から閉位置に移動させると、留め具71(保持部)を元の状態(可動子4を閉位置で保持する状態)に復帰させることができる。したがって、この構成では、接点装置1を繰り返し使用することが可能になる。
上述のように、第3ばね55(復帰ばね)は、第3連動部8(保持部)を、可動子4を位置で保持する位置に復帰させる。このため、この構成では、電磁石装置5がトリップした後に可動子4を開位置から閉位置に移動させると、第3連動部8(保持部)を元の状態(可動子4を閉位置で保持する状態)に復帰させることができる。したがって、この構成では、接点装置1を繰り返し使用することが可能になる。
上述のように、第3ばね55(復帰ばね)は、留め具91(保持部)を、可動子4を位置で保持する位置に復帰させる。このため、この構成では、電磁石装置5がトリップした後に可動子4を開位置から閉位置に移動させると、留め具91(保持部)を元の状態(可動子4を閉位置で保持する状態)に復帰させることができる。したがって、この構成では、接点装置1を繰り返し使用することが可能になる。

Claims (12)

  1. 固定接点と、
    可動接点と、
    前記可動接点が設けられる可動子と、
    電磁石装置と、
    連動部とを備え、
    前記可動子は、前記固定接点に前記可動接点が接する閉位置と、前記固定接点から前記可動接点が離れる開位置との間で前記可動接点を移動させ、
    前記電磁石装置は、第1位置と第2位置との間で移動自在なトリップ片と、前記固定接点と前記可動接点との間を流れる電流により磁束を発生する第1コイルとを有し、規定値以上の異常電流により前記第1コイルで発生する磁束によって前記トリップ片を吸引し、前記トリップ片を前記第2位置から前記第1位置に移動させ、
    前記連動部は、前記可動子と前記トリップ片とを互いに連動させるように構成され、前記トリップ片の前記第2位置から前記第1位置への移動に応じて、前記可動子を前記閉位置から前記開位置へ移動させ、
    前記電磁石装置は、前記電流の向きが逆であっても前記トリップ片を含む磁路を通る磁束の大きさが同じになるように構成されていることを特徴とする接点装置。
  2. 前記可動子に対して前記閉位置から前記開位置へ移動する向きに力を加える加圧部を備え、
    前記連動部は、前記可動子を前記開位置で保持する保持部を有し、
    前記保持部は、前記トリップ片の前記第2位置から前記第1位置への移動に応じて前記可動子の保持を解除するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の接点装置。
  3. 前記保持部は、前記トリップ片と一体に形成されていることを特徴とする請求項2記載の接点装置。
  4. 前記保持部を、前記可動子を前記開位置で保持する位置に復帰させる復帰ばねを備えることを特徴とする請求項2又は3記載の接点装置。
  5. 前記電磁石装置は、前記磁路上に配置される第2コイルを備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の接点装置。
  6. 前記可動子は、少なくとも一部が弾性を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の接点装置。
  7. 箱状の器体を備え、
    前記可動子は、軸部を支点として前記閉位置と前記開位置との間を回転自在に構成され、
    前記器体は、前記可動子の前記軸部と前記固定接点とが、前記器体の縦方向及び横方向の両方向にずれた位置に配置されるように、前記固定接点及び前記可動子を収納していることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の接点装置。
  8. 前記電磁石装置は、前記トリップ片の前記第2位置から前記第1位置までの移動距離を調整する調整部を備えることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の接点装置。
  9. 前記可動子は、前記トリップ片を囲む枠状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の接点装置。
  10. 前記可動子は、複数の材料により形成されていることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の接点装置。
  11. 前記固定接点及び前記可動接点を収納する器体の外部に露出する第1操作片を有し、且つ前記第1操作片が操作されると前記可動子を前記閉位置から前記開位置へと移動させる第1切替部を備えることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の接点装置。
  12. 前記固定接点及び前記可動接点を収納する器体の外部に露出する第2操作片を有し、且つ前記第2操作片が操作されると前記可動子を前記開位置から前記閉位置へと移動させる第2切替部を備えることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の接点装置。
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