JP2017079108A - 電磁継電器 - Google Patents
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Abstract
【課題】接点装置を強制的に駆動させることができる電磁継電器を提供する。
【解決手段】電磁継電器100は、接点装置2と、第1ブロック31及び第2ブロック32を有する電磁石装置3とを備える。第1ブロック31と第2ブロック32とは、第1状態と第2状態との間で切り替えられるように構成されている。第1ブロック31と第2ブロック32とは、第1状態では、コイル311への通電時に接点装置2を開閉できるように、コイル311で生じる磁束が通る磁気回路を形成する。第1ブロック31と第2ブロック32とは、第2状態では、コイル311への通電時に接点装置2を開閉できないように、第1ブロック31の少なくとも一部を第2ブロック32に対して相対的に移動させることで第1状態に比べて磁気回路のギャップを大きくする。
【選択図】図1
【解決手段】電磁継電器100は、接点装置2と、第1ブロック31及び第2ブロック32を有する電磁石装置3とを備える。第1ブロック31と第2ブロック32とは、第1状態と第2状態との間で切り替えられるように構成されている。第1ブロック31と第2ブロック32とは、第1状態では、コイル311への通電時に接点装置2を開閉できるように、コイル311で生じる磁束が通る磁気回路を形成する。第1ブロック31と第2ブロック32とは、第2状態では、コイル311への通電時に接点装置2を開閉できないように、第1ブロック31の少なくとも一部を第2ブロック32に対して相対的に移動させることで第1状態に比べて磁気回路のギャップを大きくする。
【選択図】図1
Description
本発明は、電磁継電器に関し、より詳細には、固定接点及び可動接点を備えた電磁継電器に関する。
従来、接点機構と、接点機構を収納するハウジングとを備えた電磁継電器が提供されている(例えば特許文献1参照)。接点機構は、固定接点及び可動接点を有する接点装置と、固定接点に接触する第1位置と固定接点から離れる第2位置との間で可動接点を移動させる駆動装置とを備えている。
駆動装置は、互いに対向するように配置された固定鉄心及び可動鉄心と、可動鉄心に取り付けられて可動鉄心とともに移動するシャフトと、コイルに通電することによって固定鉄心と可動鉄心との間に磁気吸引力を発生させる電磁石装置とを備えている。シャフトの先端には可動接点が取り付けられており、可動接点は、シャフトとともに移動することにより第1位置と第2位置との間で移動する。
特許文献1記載の電磁継電器では、コイルに通電して固定鉄心と可動鉄心との間に磁気吸引力を発生させると、磁気吸引力によって可動鉄心が固定鉄心側に移動する。可動鉄心が固定鉄心側に移動すると、可動鉄心に取り付けられたシャフトも可動鉄心と同じ向きに移動する。その結果、シャフトの先端に取り付けられた可動接点が固定接点に接触する。
また、特許文献1記載の電磁継電器では、コイルへの通電を停止させると、固定鉄心と可動鉄心との間の磁気吸引力がなくなり、復帰ばねのばね力によって可動鉄心が固定鉄心から離れる向きに移動する。可動鉄心が固定鉄心から離れる向きに移動すると、可動鉄心に取り付けられたシャフトも可動鉄心と同じ向きに移動する。その結果、シャフトの先端に取り付けられた可動接点が固定接点から離れる。
上述の特許文献1記載の電磁継電器のように、コイルに通電することで発生する磁気吸引力によって接点装置を駆動させる構造において、接点装置を強制的に駆動させたいという要望があった。
本発明は上記課題に鑑みてなされており、接点装置を強制的に駆動させることができる電磁継電器を提供することを目的とする。
第1の形態の電磁継電器は、接点装置と、第1ブロック及び第2ブロックを有する電磁石装置とを備え、前記第1ブロックは、コイルを有し、前記第2ブロックは、前記コイルへの通電時に前記コイルで生じる磁束によって前記接点装置を開く位置と前記接点装置を閉じる位置との一方へ移動する開閉子を有し、前記第1ブロックと前記第2ブロックとは、前記コイルへの通電時に前記接点装置を開閉できるように前記コイルで生じる磁束が通る磁気回路を形成する第1状態と、前記コイルへの通電時に前記接点装置を開閉できないように前記第1ブロックの少なくとも一部を前記第2ブロックに対して相対的に移動させることで前記第1状態に比べて前記磁気回路のギャップを大きくする第2状態との間で切り替えられるように構成されていることを特徴とする。
第2の形態の電磁継電器は、第1の形態において、前記第1状態と前記第2状態との一方において前記第1ブロックと前記第2ブロックとの相対的な位置を保持するロック機構をさらに備えていることを特徴とする。
第3の形態の電磁継電器は、第1の形態において、前記第1状態と前記第2状態との両方において前記第1ブロックと前記第2ブロックとの相対的な位置を保持するロック機構をさらに備えていることを特徴とする。
第4の形態の電磁継電器では、第2または第3の形態において、前記ロック機構は、前記磁気回路のギャップが大きくなる向きの力を前記第1ブロックの少なくとも一部に作用させる強制解除部を有していることを特徴とする。
第5の形態の電磁継電器は、第1〜第4の形態のうちいずれかの形態において、前記コイルへの通電時に前記コイルで生じる磁束と同じ向きの磁束を前記磁気回路に生じさせる永久磁石をさらに備えていることを特徴とする。
第6の形態の電磁継電器は、第1〜第5の形態のうちいずれかの形態において、少なくとも前記接点装置が収納される気密容器をさらに備えていることを特徴とする。
第7の形態の電磁継電器では、第1〜第6の形態のうちいずれかの形態において、前記接点装置は、固定接点及び可動接点を有し、前記第2ブロックは、固定鉄心と、前記固定接点に対して前記可動接点が移動する方向である第1方向において前記固定鉄心と対向するように配置され、前記コイルへの通電に応じて前記固定鉄心に接触する位置と前記固定鉄心から離れる位置との間で移動する可動鉄心と、前記第1方向における一端部に前記可動鉄心が取り付けられ、前記可動鉄心の駆動力を前記可動接点に伝達するシャフトとをさらに有し、前記開閉子は、前記可動鉄心を含んでいることを特徴とする。
第8の形態の電磁継電器では、第7の形態において、前記第1ブロックは、前記磁気回路を形成する継鉄をさらに有し、前記第2ブロックは、前記第1方向において前記継鉄と対向するように配置され、少なくとも前記接点装置が収納される気密容器を形成するベース部材をさらに有していることを特徴とする。
第9の形態の電磁継電器では、第1〜第6の形態のうちいずれかの形態において、前記第2ブロックは、前記開閉子として、前記コイルへの通電時に前記磁気回路のギャップが小さくなるように回転する可動子を有していることを特徴とする。
本発明の電磁継電器は、第1ブロック及び第2ブロックを第1状態から第2状態に切り替えることで磁気回路のギャップが大きくなり、これにより永久磁石による磁気吸引力が弱くなることから、接点装置を強制的に駆動させることができる、という効果がある。
(実施形態1)
実施形態1の電磁継電器100は、図1〜図3に示すように、接点装置2と、電磁石装置3とを備えている。電磁石装置3は、第1ブロック31及び第2ブロック32を有している。第1ブロック31は、コイル311を有している。第2ブロック32は、コイル311への通電時にコイル311で生じる磁束によって接点装置2を開く位置と接点装置2を閉じる位置との一方へ移動する開閉子(可動鉄心324及びシャフト325)を有している。第1ブロック31と第2ブロック32とは、第1状態と第2状態との間で切り替えられるように構成されている。第1ブロック31と第2ブロック32とは、第1状態では、コイル311への通電時に接点装置2を開閉できるように、コイル311で生じる磁束が通る磁気回路を形成する。第1ブロック31と第2ブロック32とは、第2状態では、コイル311への通電時に接点装置2を開閉できないように、第1ブロック31の少なくとも一部を第2ブロック32に対して相対的に移動させることで第1状態に比べて磁気回路のギャップを大きくする。
実施形態1の電磁継電器100は、図1〜図3に示すように、接点装置2と、電磁石装置3とを備えている。電磁石装置3は、第1ブロック31及び第2ブロック32を有している。第1ブロック31は、コイル311を有している。第2ブロック32は、コイル311への通電時にコイル311で生じる磁束によって接点装置2を開く位置と接点装置2を閉じる位置との一方へ移動する開閉子(可動鉄心324及びシャフト325)を有している。第1ブロック31と第2ブロック32とは、第1状態と第2状態との間で切り替えられるように構成されている。第1ブロック31と第2ブロック32とは、第1状態では、コイル311への通電時に接点装置2を開閉できるように、コイル311で生じる磁束が通る磁気回路を形成する。第1ブロック31と第2ブロック32とは、第2状態では、コイル311への通電時に接点装置2を開閉できないように、第1ブロック31の少なくとも一部を第2ブロック32に対して相対的に移動させることで第1状態に比べて磁気回路のギャップを大きくする。
以下、本実施形態の電磁継電器100について、図1〜図10を参照して具体的に説明する。ただし、以下に説明する構成は、本発明の一例に過ぎず、本発明は下記の実施形態に限定されない。したがって、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
また、以下では、図1において、固定鉄心323と可動鉄心324とが並ぶ方向を上下方向とし、可動鉄心324から見て固定鉄心323側を上方、その逆を下方として説明する。また、以下では、図1において、一対の接点台11,12が並ぶ方向を左右方向とし、一方の接点台11から見て他方の接点台12側を右方、その逆を左方として説明する。
なお、図1では、これらの方向(上、下、左、右)を表す矢印を図示しているが、この矢印は、単に説明を補助する目的で記載しているに過ぎず、実体を伴わない。また、上記の方向の規定は、本実施形態の電磁継電器100の使用形態を限定する趣旨ではない。
本実施形態の電磁継電器100は、図1〜図3に示すように、接点装置2と、電磁石装置3と、ハウジング4と、ロック機構とを備えている。
接点装置2は、図1〜図3に示すように、一対の可動接点21と、一対の固定接点22とを有している。また、接点装置2は、一対の接点台11,12と、可動接触子13と、ホルダ14と、接圧ばね15とを有している。
一対の接点台11,12は、それぞれ導電性材料(例えば銅合金など)により形成されている。一対の接点台11,12は、左右方向に並ぶように配置されており、一対の接点台11,12の各々は、上下方向に直交する平面内での断面形状が円形状となる円柱状に形成されている。一対の接点台11,12の下端部には、それぞれ固定接点22が設けられている。なお、固定接点22は、一対の接点台11,12と一体に構成されていてもよいし、一対の接点台11,12とは別部材からなり一対の接点台11,12に固定されていてもよい。
一対の接点台11,12は、継鉄上板321(後述する)に接合されたケース16に対して固定されている。ケース16は、例えばセラミックなどの耐熱性材料により下面が開口した箱状に形成されており、継鉄上板321との間に可動接点21及び固定接点22を収納する。ケース16の開口端縁には連結体17が接合されており、ケース16は、連結体17を介して継鉄上板321の上面に接合されている。一対の接点台11,12は、このケース16の底板(上板)161に形成された孔に挿通された状態でケース16に接合されている。
なお、ケース16は、その内部に気密空間を形成する気密容器として構成されるのが好ましい。また、ケース16の内部には、例えば水素を主体とする消弧性ガスが封入されるのが好ましい。この場合、可動接点21が固定接点22から離れる際にアークが生じたとしても、消弧性ガスによりアークを急速に冷却し、迅速に消弧することが可能になる。ただし、ケース16を気密容器として構成するか否かは任意であり、またケース16の内部に消弧性ガスを封入するか否かも任意である。つまり、接点装置2の内部を気密封止するか否かは任意である。
可動接触子13は、導電性材料により左右方向に長い矩形平板状に形成されており、長手方向(左右方向)の両端部を一対の接点台11,12の下端部に対向させるようにして、一対の接点台11,12の下方に配置されている。可動接触子13のうち、一対の接点台11,12の各々に設けられている固定接点22に対向する部位には、可動接点21がそれぞれ設けられている。なお、可動接点21は、可動接触子13と一体に構成されていてもよいし、可動接触子13とは別部材からなり可動接触子13に固定されていてもよい。
ホルダ14は、例えば左右方向の両面が開口した矩形筒状であって、可動接触子13を左右方向に貫通させた状態で、可動接触子13と組み合わされている。このホルダ14は、シャフト325(後述する)の上端部に固定されている。
可動接触子13は、電磁石装置3によって上下方向に駆動される。このため、可動接触子13に設けられている各可動接点21は、それぞれ対応する固定接点22に接触する閉位置と、固定接点22から離れた開位置との間で移動することになる。可動接点21が閉位置にあるとき、つまり接点装置2のオン状態では、一対の接点台11,12間が可動接触子13を介して短絡する。
接圧ばね15は、ホルダ14の下板の上面と、可動接触子13の下面との間に配置されており、上向きの弾性力を可動接触子13に作用させるコイルばねである。
電磁石装置3は、図1〜図3に示すように、第1ブロック31と、第2ブロック32とを有している。第1ブロック31は、コイル311と、ボビン312と、継鉄313と、永久磁石314と、継鉄下板315とを有している。また、第2ブロック32は、継鉄上板321と、筒体322と、固定鉄心323と、可動鉄心324と、シャフト325と、復帰ばね326と、ストッパ327とを有している。
ボビン312は、合成樹脂などの電気絶縁材料からなり、中心軸方向が上下方向となる円筒状に形成された巻胴部312aと、巻胴部312aの上端部及び下端部にそれぞれ形成された上鍔部312b及び下鍔部312cとを有している。
コイル311は、ボビン312の巻胴部312aに電線(例えば銅線)を巻き付けることで構成されている。
継鉄313は、底板313aと、一対の側板313bと、第1ブッシュ313dと、第2ブッシュ313cとを有している。底板313aは、矩形板状に形成されており、コイル311の中心軸方向(上下方向)において継鉄上板321と対向するように配置されている。一対の側板313bは、矩形板状に形成されており、底板313aの左右方向の両端部からそれぞれ上方に突出するようにして設けられている。これらの底板313a及び一対の側板313bは、1枚の板から一体に形成されている。第1ブッシュ313dは、円環状に形成されている。第2ブッシュ313cは、円筒状であって、底板313aの上面の中央部から上方に突出するようにして底板313aと一体に形成されている。第1ブッシュ313dと第2ブッシュ313cとの間には、円環状に形成された永久磁石314が設けられている。なお、底板313a及び一対の側板313bは、いずれも矩形板状以外の形状で形成されていてもよい。また、底板313a及び一対の側板313bは、一体に形成されていてもよいし、それぞれが別体に形成されていてもよい。
永久磁石314は、上下方向における両面に、互いに異なる極性の第1磁極面314a及び第2磁極面314bを有している。本実施形態の電磁継電器100では、接点装置2をオン状態に移行させる際にコイル311で生じる磁束の向きと同じ向きの磁束が生じるように、第1磁極面314aを「N極」、第2磁極面314bを「S極」とするが、N極とS極とは反対の関係であってもよい。
継鉄下板315は、矩形板状に形成されており、第2ブッシュ313cの下面開口を塞ぐようにして底板313aに接合されている。
継鉄上板321は、矩形板状に形成されており、コイル311の中心軸方向(上下方向)において継鉄313の底板313aと対向するように配置されている。この継鉄上板321は、継鉄313、継鉄下板315、固定鉄心323、及び可動鉄心324とともに、コイル311への通電時にコイル311で生じる磁束が通る磁気回路を形成する。このため、継鉄313、継鉄下板315、継鉄上板321、固定鉄心323、及び可動鉄心324は、いずれも磁性材料により形成されている。なお、継鉄下板315及び継鉄上板321は、いずれも矩形板状以外の形状で形成されていてもよい。
筒体322は、中心軸方向が上下方向となる有底円筒状に形成された筒状部322aと、筒状部322aの上端部に形成された鍔部322bとを有している。この筒体322は、継鉄313の第1ブッシュ313d及び第2ブッシュ313cの内側に配置され、第1ブッシュ313d及び第2ブッシュ313cの内周面に沿って上下方向に移動するように構成されている。この筒体322は、鍔部322bにより継鉄上板321の下面に接合されている。また、筒体322の内部には、固定鉄心323、可動鉄心324、及び復帰ばね326が収納されている。
固定鉄心323は、円筒状に形成されており、継鉄上板321の中央部から下方に突出するようにして、上端部が継鉄上板321に固定されている。固定鉄心323の内側には、復帰ばね326が収納されている。
可動鉄心324は、円筒状に形成されており、上下方向において固定鉄心323と並ぶようにして、筒体322内に収納されている。すなわち、固定鉄心323及び可動鉄心324は、固定鉄心323が上側、可動鉄心324が下側となるように、上下方向に並べて筒体322内に収納されている。この可動鉄心324は、筒体322の筒状部322aの内周面に沿って上下方向に移動する。言い換えれば、可動鉄心324は、上端面が固定鉄心323の下端面に接触する第1位置(図2に示す位置)と、下端面が固定鉄心323の上端面から離れる第2位置(図1に示す位置)との間で移動可能に構成されている。ここで、本実施形態では、上下方向が第1方向であり、固定接点22に対して可動接点21が移動する方向である。
シャフト325は、非磁性材料により上下方向に延びた丸棒状に形成されている。シャフト325は、電磁石装置3で発生した駆動力を、接点装置2へ伝達する。シャフト325は、固定鉄心323、及び復帰ばね326の内側を通って、下端部が可動鉄心324に固定されている。ここでは、シャフト325を非磁性材料で形成しているが、磁性材料で形成してもよい。
復帰ばね326は、固定鉄心323の内側に配置されており、下向きの弾性力を可動鉄心324に作用させるコイルばねである。
ストッパ327は、例えば合成ゴムにより円板状に形成されており、筒体322の筒状部322aの底部に取り付けられている。このストッパ327は、可動鉄心324が下方(固定鉄心323から離れる向き)へ移動した際に可動鉄心324が筒状部322aの底板に接触することで生じる衝撃音を低減するための緩衝部材である。
ハウジング4は、合成樹脂などの電気絶縁材料からなり、それぞれ一面が開口する扁平な箱状に形成された2つのケース片41,42を有する。そして、これらのケース片41,42の開口側を向かい合わせにした状態でケース片41,42を組み付けることによりハウジング4が組み立てられる。このハウジング4の内部には、上述した接点装置2及び電磁石装置3が収納される。また、ハウジング4の下面及び右側面には、ロック機構を構成するレバー6(後述する)の操作部62が挿通される挿通溝が下面と右側面とに跨って形成されている。
ここで、本実施形態の電磁継電器100では、電磁石装置3の第1ブロック31が第2ブロック32に対して上下方向に移動可能となっている。そのため、本実施形態の電磁継電器100では、第1ブロック31と第2ブロック32との相対的な位置を保持できるようにロック機構が設けられている。本実施形態の電磁継電器100では、保持ばね5とレバー6とでロック機構が構成されている。
保持ばね5は、継鉄上板321の下面とボビン312の上鍔部312bの上面との間に配置されており、ボビン312を含む第1ブロック31に対して下向きの弾性力を作用させるコイルばねである。そして、図3に示すように、保持ばね5が伸びた状態では、上下方向における第1ブロック31と第2ブロック32との相対的な位置をレバー6とともに保持する。ここに、本実施形態では、保持ばね5により強制解除部が構成されている。
レバー6は、上下方向及び左右方向の両方と直交する方向における断面形状が楕円形状に形成された保持部61と、保持部61の短軸方向に沿って延びる棒状の操作部62と、レバー6をハウジング4に取り付けるための軸部63とを有している。また、保持部61は、軸部63から頂部までの距離がD1となる第1突起611と、軸部63から頂部までの距離がD2(D2<D1)となる第2突起612とを有している。このレバー6は、軸部63を介してハウジング4に回転自在に保持されており、図2に示す状態(第1状態)と図3に示す状態(第2状態)との間で切り替えられるように構成されている。ここで、レバー6の操作部62の一部は、ハウジング4の挿通溝を通してハウジング4の外部に露出しており、作業者は、ハウジング4から露出する操作部62の一部を掴んでレバー6を操作する。
次に、本実施形態の電磁継電器100の動作について、図1及び図2を参照して説明する。接点装置2がオフ状態(可動接点21が固定接点22から離れている状態)では、図1に示すように、復帰ばね326のばね力によって可動鉄心324が下方に引き下げられ、第2位置で保持されている。このとき、シャフト325は、同様に下方に引き下げられている。そして、可動接触子13は、シャフト325の上端部に固定されているホルダ14の上板によって上方への移動が規制されており、一対の可動接点21は、一対の固定接点22から離れた開位置にある(図1参照)。したがって、この状態では、一対の接点台11,12間は導通していない。
図1に示す状態からコイル311に第1向きの電流を流すと、コイル311が磁束を発生させ、これにより固定鉄心323と可動鉄心324との間に磁気吸引力が生じる。可動鉄心324は、磁気吸引力によって上方(固定鉄心323側)に引き寄せられ、復帰ばね326のばね力に抗って第1位置へ移動する。このとき、可動鉄心324の移動に伴って、シャフト325及びホルダ14も上方へ移動する。可動接触子13は、ホルダ14の上板による上方への移動規制が解除されるので、接圧ばね15のばね力によって上方に押し上げられる。そして、一対の可動接点21は、一対の固定接点22に接触する閉位置に移動する(図2参照)。これにより、一対の接点台11,12間が導通する。すなわち、この状態が接点装置2のオン状態である。
このとき、第1磁極面314a、第1ブッシュ313d、可動鉄心324、固定鉄心323、継鉄上板321、側板313b、底板313a、第2ブッシュ313c、第2磁極面314bの順に、永久磁石314の磁束φ1が通る磁気回路が形成される。したがって、可動鉄心324は、固定鉄心323との間の磁気吸引力によって、復帰ばね326のばね力に抗って上方に引き寄せられ、第1位置で保持される。そのため、コイル311への通電を解除しても、接点装置2はオン状態を維持する。
図2に示す状態からコイル311に第2向き(第1向きと逆向き)の電流を流すと、コイル311は、第1向きの電流を流したときと逆向きの磁束を発生させ、この磁束によって永久磁石314の磁束が弱められる。そのため、固定鉄心323と可動鉄心324との間の磁気吸引力が弱くなることで、復帰ばね326のばね力によって可動鉄心324が第2位置へ移動する(図1参照)。そして、可動接点21が開位置に位置するように可動接触子13が移動するため、接点装置2がオフ状態となる。
上述のように、本実施形態の電磁継電器100は、コイル311の通電を解除しても、接点装置2のオン状態を維持する、いわゆるラッチングリレーである。ここに、本実施形態では、可動鉄心324とシャフト325とで開閉子が構成されている。
ところで、第1ブロック31と第2ブロック32とで磁気回路が形成される通常状態(後述する第1状態)では、図1及び図2に示すように、レバー6の保持部61の第1突起611によって第1ブロック31が上方に押し上げられている。このとき、第1ブロック31の継鉄313の各側板313bの上端部が第2ブロック32の継鉄上板321の下面に接触しており、継鉄上板321、継鉄313、固定鉄心323、及び可動鉄心324により磁気回路が形成されている。またこのとき、保持ばね5は、継鉄上板321の下面とボビン312の上鍔部312bの上面との間で圧縮されている。つまり、この状態では、ロック機構を構成する保持ばね5及びレバー6が、コイル311で生じる磁束が通るように磁気回路を形成した状態で第1ブロック31と第2ブロック32との相対的な位置を保持している。
本実施形態の電磁継電器100では、上述のように、コイル311への通電を解除しても、永久磁石314の磁束によって接点装置2のオン状態が保持される(図2参照)。この場合、接点装置2をオフ状態に切り替えるためには、コイル311に第2向き(逆向き)の電流を流すか、永久磁石314の磁束を遮断することになる。また、このような電磁継電器100において、コイル311に対して通電することなく、接点装置2を強制的にオフさせたいという要望もある。そこで、本実施形態の電磁継電器100では、第2ブロック32に対して第1ブロック31を上下方向に移動可能とすることで、永久磁石314の磁束を遮断できるように構成されている。以下、図2及び図3を参照して具体的に説明する。
図2に示す接点装置2のオン状態において、作業者がレバー6の操作部62を時計回り(図2の矢印A1の向き)に回転させると、操作部62の回転に伴って保持部61も時計回りに回転する。これにより、保持部61は、第1突起611が右側、第2突起612が上側となる(図3参照)。すると、第1ブロック31は、第1突起611の高さと第2突起612の高さの差分H1(D1−D2)だけ下方に移動する。このとき、第1ブロック31は、第1ブッシュ313d及び第2ブッシュ313cの内周面が第2ブロック32の筒体322の外周面に接触した状態で、筒体322の外周面に沿って下方に移動する。また、第1ブロック31には、図3に示す状態において、保持ばね5のばね力が下向きに作用しており、保持ばね5のばね力とレバー6の保持部61の第2突起612とでその位置が保持される。つまり、この状態では、保持ばね5及びレバー6が、磁気回路のギャップが大きくなるように第1ブロック31を下方に移動させた状態で第1ブロック31と第2ブロック32との相対的な位置を保持している。なお、この場合には、継鉄上板321と継鉄313の側板313bの上端部との間で磁束が遮断される。
このように、磁気回路のギャップを大きくすることによって、磁気回路を通る磁束が弱まり、固定鉄心323と可動鉄心324との間に生じる磁気吸引力も弱くなる。その結果、復帰ばね326の下向きのばね力が上向きの磁気吸引力を上回り、可動鉄心324が下方へ移動する。可動鉄心324の移動に伴ってシャフト325も下方へ移動し、その結果、シャフト325に固定されたホルダ14も下方に移動するため、可動接点21が固定接点22から離れた状態になる(図3参照)。ここに、本実施形態では、図1,2に示す状態が第1ブロック31及び第2ブロック32の第1状態であり、図3に示す状態が第1ブロック31及び第2ブロック32の第2状態である。
上述の実施形態では、第1ブロック31のボビン312の上鍔部312bと第2ブロック32の継鉄上板321との間に保持ばね5を配置している。これに対して、図4及び図5に示すように、接点装置2及び電磁石装置3が収納される内ケース7に保持ばね5を設けてもよい。以下、変形例1について、図4及び図5を参照して具体的に説明する。
なお、変形例1では、内ケース7以外の構成は上述の実施形態と同様であり、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。また、電磁継電器100の動作についても上述の実施形態と同様であり、ここでは動作の説明を省略する。
変形例1の電磁継電器100は、接点装置2と、電磁石装置3と、ハウジング4と、ロック機構(保持ばね5及びレバー6)と、内ケース7とを備えている。
内ケース7は、合成樹脂などの電気絶縁材料からなり、下面が開口した箱状の第1ケース片71と、上面が開口した箱状の第2ケース片72とを有している。第1ケース片71の開口端縁には、左右方向の両側にそれぞれ突出する一対の鍔部73が一体に形成されており、各鍔部73の下面には凹部731が設けられている。また、第2ケース片72の開口端縁には、左右方向の両側にそれぞれ突出する一対の鍔部74が一体に形成されており、各鍔部74の上面には凹部741が設けられている。そして、保持ばね5は、上端部が凹部731に収納され、かつ下端部が凹部741に収納された状態で、第1ケース片71と第2ケース片72との間に配置されている。
次に、オン状態にある接点装置2を強制的にオフ状態にする動作について、図4及び図5を参照して具体的に説明する。
図4に示すように、レバー6の保持部61の第1突起611によって第1ブロック31が上方に押し上げられている状態では、保持ばね5が圧縮された状態にある。そして、第1ケース片71の鍔部73と第2ケース片72の鍔部74とが互いに密着することで内ケース7が閉じている。このとき、第1ブロック31の継鉄313の側板313bの上端部が第2ブロック32の継鉄上板321の下面に接触しており、継鉄上板321、継鉄313、固定鉄心323、及び可動鉄心324により磁気回路が形成されている。つまり、この状態では、ロック機構を構成する保持ばね5及びレバー6が、コイル311で生じる磁束が通るように磁気回路を形成した状態で第1ブロック31と第2ブロック32との相対的な位置を保持している。
図4に示す接点装置2のオン状態において、作業者がレバー6の操作部62を時計回り(図4の矢印A2の向き)に回転させると、操作部62の回転に伴って保持部61も時計回りに回転する。これにより、保持部61は、第1突起611が右側、第2突起612が上側となる(図5参照)。その結果、第1突起611の高さと第2突起612の高さの差分H1(D1−D2)だけ第2ケース片72が下方へ移動する。このとき、第1ブロック31は、第1ブッシュ313d及び第2ブッシュ313cの内周面が第2ブロック32の筒体322の外周面に接触した状態で、筒体322の外周面に沿って下方へ移動する。また、第1ブロック31を含む第2ケース片72には、保持ばね5のばね力が下向きに作用しており、保持ばね5のばね力とレバー6の保持部61の第2突起612とでその位置が保持される。つまり、この状態では、保持ばね5及びレバー6が、磁気回路のギャップが大きくなるように第1ブロック31を下方に移動させた状態で第1ブロック31と第2ブロック32との相対的な位置を保持している。なお、この場合には、継鉄上板321と継鉄313の側板313bの上端部との間で磁束が遮断される。
このように、磁気回路のギャップを大きくすることによって、磁気回路を通る磁束が弱まり、固定鉄心323と可動鉄心324との間に生じる磁気吸引力も弱くなる。その結果、復帰ばね326の下向きのばね力が上向きの磁気吸引力を上回り、可動鉄心324が下方へ移動する。可動鉄心324の移動に伴ってシャフト325も下方へ移動し、その結果、シャフト325に固定されたホルダ14も下方に移動するため、可動接点21が固定接点22から離れた状態になる(図5参照)。ここに、変形例1では、図4に示す状態が第1ブロック31及び第2ブロック32の第1状態であり、図5に示す状態が第1ブロック31及び第2ブロック32の第2状態である。
ところで、上述の実施形態では、第1ブロック31全体を下方に引き下げることで磁気回路のギャップを大きくしているが、磁気回路のギャップを大きくできるのであれば第1ブロック31全体を下方に引き下げなくてもよい。以下、変形例2について、図6及び図7を参照して具体的に説明する。
なお、変形例2においても、保持ばね5の保持構造以外は上述の実施形態と同様であり、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。また、電磁継電器100の動作についても上述の実施形態と同様であり、ここでは動作の説明を省略する。
変形例2の電磁継電器100は、接点装置2と、電磁石装置3と、ハウジング4と、ロック機構(保持ばね5及びレバー6)とを備えている。
第1ブロック31の継鉄313の各側板313bには、内向きに突出する突出部313eが一体に形成されており、各突出部313eの上面と継鉄上板321の下面との間には保持ばね5が配置されている。
次に、オン状態にある接点装置2を強制的にオフ状態にする動作について、図6及び図7を参照して具体的に説明する。
図6に示すように、レバー6の保持部61の第1突起611によって第1ブロック31が上方に押し上げられている状態では、継鉄上板321と突出部313eとの間で保持ばね5が圧縮された状態にある。このとき、第1ブロック31の継鉄313の側板313bの上端部が第2ブロック32の継鉄上板321の下面に接触しており、継鉄上板321、継鉄313、固定鉄心323、及び可動鉄心324により磁気回路が形成されている。つまり、この状態では、ロック機構を構成する保持ばね5及びレバー6が、コイル311で生じる磁束が通るように磁気回路を形成した状態で第1ブロック31と第2ブロック32との相対的な位置を保持している。
図6に示す接点装置2のオン状態において、作業者がレバー6の操作部62を時計回り(図6の矢印A3の向き)に回転させると、操作部62の回転に伴って保持部61も時計回りに回転する。これにより、保持部61は、第1突起611が右側、第2突起612が上側となる(図7参照)。その結果、第1突起611の高さと第2突起612の高さの差分H1(D1−D2)だけ第1ブロック31の一部である継鉄313が下方へ移動する。このとき、継鉄313は、第1ブッシュ313d及び第2ブッシュ313cの内周面が第2ブロック32の筒体322の外周面に接触した状態で、筒体322の外周面に沿って下方に移動する。また、継鉄313には、保持ばね5のばね力が下向きに作用しており、保持ばね5のばね力とレバー6の保持部61の第2突起612とでその位置が保持される。つまり、この状態では、保持ばね5及びレバー6が、磁気回路のギャップが大きくなるように第1ブロック31の一部である継鉄313を下方に移動させた状態で第1ブロック31と第2ブロック32との相対的な位置を保持している。なお、この場合には、継鉄上板321と継鉄313の側板313bの上端部との間で磁束が遮断される。
このように、磁気回路のギャップを大きくすることによって、磁気回路を通る磁束が弱まり、固定鉄心323と可動鉄心324との間に生じる磁気吸引力も弱くなる。その結果、復帰ばね326の下向きのばね力が上向きの磁気吸引力を上回り、可動鉄心324が下方へ移動する。可動鉄心324の移動に伴ってシャフト325も下方へ移動し、その結果、シャフト325に固定されたホルダ14も下方に移動するため、可動接点21が固定接点22から離れた状態になる(図7参照)。ここに、変形例2では、図6に示す状態が第1ブロック31及び第2ブロック32の第1状態であり、図7に示す状態が第1ブロック31及び第2ブロック32の第2状態である。
また、上述の実施形態、及び変形例1,2では、継鉄313の上側が開放されており、側板313bの上端部を継鉄上板321の下面に接触させることで磁気回路を形成している。これに対して、図8及び図9に示すように、継鉄313の各側板313bの上端部間を継鉄中板316で連結し、この継鉄316によって磁気回路を形成するように構成してもよい。以下、変形例3について、図8及び図9を参照して具体的に説明する。
なお、変形例3においても、継鉄中板316以外の構成は上述の実施形態と同様であり、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。また、電磁継電器100の動作についても上述の実施形態と同様であり、ここでは動作の説明を省略する。
変形例3の電磁継電器100は、接点装置2と、電磁石装置3と、ハウジング4と、ロック機構(保持ばね5及びレバー6)とを備えている。
電磁石装置3は、第1ブロック31と第2ブロック32とを有している。また、第1ブロック31は、コイル311と、ボビン312と、継鉄313と、永久磁石314と、継鉄下板315と、継鉄中板316とを有している。
継鉄中板316は、継鉄上板321とほぼ同じ外形寸法に形成されており、左右両側の側板313b間を連結するようにして各側板313bの上端部に接合されている。また、継鉄中板316の上面には、保持ばね5の下端部が収納される一対の凹部316aが設けられている。一方、継鉄上板321の下面における各凹部316aと対向する部位には、保持ばね5の上端部が収納される一対の凹部321aが設けられている。すなわち、変形例3の電磁継電器100では、継鉄上板321の下面と継鉄中板316の上面との間に保持ばね5が配置されている。ここに、変形例3では、継鉄中板316により継鉄が構成され、継鉄上板321によりベース部材が構成されている。
次に、オン状態にある接点装置2を強制的にオフ状態にする動作について、図8及び図9を参照しながら説明する。
図8に示すように、レバー6の保持部61の第1突起611によって第1ブロック31が上方に押し上げられている状態では、継鉄上板321と継鉄中板316との間で保持ばね5が圧縮された状態にある。このとき、第1ブロック31の継鉄中板316の上面と継鉄上板321の下面とが接触しており、継鉄上板321、継鉄中板316、継鉄313、固定鉄心323、及び可動鉄心324により磁気回路が形成されている。つまり、この状態では、ロック機構を構成する保持ばね5及びレバー6が、コイル311で生じる磁束が通るように磁気回路を形成した状態で第1ブロック31と第2ブロック32との相対的な位置を保持している。
図8に示す接点装置2のオン状態において、作業者がレバー6の操作部62を時計回り(図8の矢印A4の向き)に回転させると、操作部62の回転に伴って保持部61も時計回りに回転する。これにより、保持部61は、第1突起611が右側、第2突起612が上側となる(図9参照)。その結果、第1突起611の高さと第2突起612の高さの差分H1(D1−D2)だけ第1ブロック31が下方へ移動する。このとき、第1ブロック31は、第1ブッシュ313d及び第2ブッシュ313cの内周面が第2ブロック32の筒体322の外周面に接触した状態で、筒体322の外周面に沿って下方に移動する。また、第1ブロック31には、保持ばね5のばね力が下向きに作用しており、保持ばね5のばね力とレバー6の保持部61の第2突起612とでその位置が保持される。つまり、この状態では、保持ばね5及びレバー6が、磁気回路のギャップが大きくなるように第1ブロック31を下方に移動させた状態で第1ブロック31と第2ブロック32との相対的な位置を保持している。なお、この場合には、継鉄上板321と継鉄中板316との間で磁束が遮断される。
このように、磁気回路のギャップを大きくすることによって、磁気回路を通る磁束が弱まり、固定鉄心323と可動鉄心324との間に生じる磁気吸引力も弱くなる。その結果、復帰ばね326の下向きのばね力が上向きの磁気吸引力を上回り、可動鉄心324が下方へ移動する。可動鉄心324の移動に伴ってシャフト325も下方へ移動し、その結果、シャフト325に固定されたホルダ14も下方に移動するため、可動接点21が固定接点22から離れた状態になる(図9参照)。ここに、変形例3では、図8に示す状態が第1ブロック31及び第2ブロック32の第1状態であり、図9に示す状態が第1ブロック31及び第2ブロック32の第2状態である。
上述のように、本実施形態の電磁継電器100では、第1ブロック31及び第2ブロック32を第1状態から第2状態に切り替えることで、磁気回路のギャップを大きくすることができる。その結果、永久磁石314による磁気吸引力が弱められ、可動鉄心324に対して下向きに作用する弾性力のほうが大きくなることから、可動鉄心324を下方に移動させることができて、接点装置2を開くことができる。すなわち、本実施形態の電磁継電器100では、レバー6の手動操作によって、接点装置2を強制的に開くことができる。
また、本実施形態の電磁継電器100のように、第1状態と第2状態との両方において第1ブロック31と第2ブロック32との相対的な位置を保持するロック機構(保持ばね5及びレバー6)をさらに備えているのが好ましい。この構成では、第1状態と第2状態との両方において第1ブロック31と第2ブロック32との相対的な位置を保持することができる。
また、本実施形態の電磁継電器100のように、ロック機構は、強制解除部(保持ばね5)を有しているのが好ましい。この場合、強制解除部は、磁気回路のギャップが大きくなる向きの力を第1ブロック31の少なくとも一部に作用させる。この構成では、強制解除部によって第1ブロック31の少なくとも一部を磁気回路のギャップが大きくなる向きに移動させることができる。
さらに、本実施形態の電磁継電器100のように、コイル311への通電時にコイル311で生じる磁束と同じ向きの磁束を磁気回路に生じさせる永久磁石314をさらに備えているのが好ましい。この構成では、コイル311への通電を解除した場合でも、接点装置2のオン状態を保持(ラッチ)することができる。
また、本実施形態の電磁継電器100のように、少なくとも接点装置2が収納される気密容器(ケース16)をさらに備えているのが好ましい。この構成では、接点装置2が気密容器に収納されている場合でも、接点装置2を強制的に駆動させることができる。
さらに、本実施形態の電磁継電器100のように、接点装置2は、固定接点22及び可動接点21を有し、第2ブロック32は、固定鉄心323と、可動鉄心324と、シャフト325とをさらに有しているのが好ましい。この場合、可動鉄心324は、固定接点22に対して可動接点21が移動する方向である第1方向(上下方向)において固定鉄心323と対向するように配置される。そして、可動鉄心324は、コイル311への通電に応じて、固定鉄心323に接触する位置と固定鉄心323から離れる位置との間で移動するように構成されている。シャフト325は、第1方向における固定接点22側の一端部に可動鉄心324が取り付けられており、可動鉄心324の駆動力を可動接点21に伝達する。そして、開閉子は、可動鉄心324を含んでいる。この構成では、固定鉄心323に対して可動鉄心324を直動させることで、接点装置2を開閉(駆動)させることができる。
また、本実施形態の電磁継電器100のように、第1ブロック31は、磁気回路を形成する継鉄(継鉄中板316)をさらに有しているのが好ましい。この場合、第2ブロック32は、第1方向(上下方向)において第1継鉄と対向するように配置され、少なくとも接点装置2が収納される気密容器を形成するベース部材(継鉄上板321)をさらに有しているのが好ましい。この構成では、継鉄により磁気回路を形成しながらもベース部材により気密容器を形成することができる。
なお、本実施形態では、保持ばね5及びレバー6によりロック機構を構成しているが、ロック機構は、図10Aに示す構成や図10Bに示す構成であってもよい。以下、具体的に説明する。
図10Aに示す例では、第1ブロック31のボビン312の巻胴部312aに溝部312dが設けられている。この溝部312dは、上下方向に長く形成された縦溝3120と、縦溝3120の上下方向の中間部から左向きに形成された第1横溝3121と、縦溝3120の上下方向の下端部から右向きに形成された第2横溝3122とを有している。つまり、第1横溝3121と第2横溝3122とは、縦溝3120に対して互いに反対向きに形成されている。一方、第2ブロック32の筒体322の筒状部322aの外周面には、側方に突出する突起322cが一体に設けられている。ここで、突起322cの突出寸法は、巻胴部312aの外周面の厚み寸法とほぼ同じであり、筒体322とボビン312とを組み付けた状態であってもコイル311を構成する導線を巻胴部312aに巻くことができる。
次に、筒体322に対してボビン312を移動させる手順について説明する。作業者は、ボビン312の縦溝3120の位置と筒体322の突起322cの位置とを合わせた状態で、筒体322に近づく向き(上方)にボビン312を移動させる。このとき、突起322cは、ボビン312の移動量に応じて縦溝3120内を下方に移動する。作業者は、突起322cが縦溝3120の下端部に達するまでボビン312を移動させた後、上方から見て時計回りの向きにボビン312を回転させる。このとき、突起322cは第2横溝3122内を移動し、作業者は、突起322cが第2横溝3122の端部(縦溝3120と反対側の端部)に達するまでボビン312を回転させる。その結果、筒体322とボビン312とが結合され、この状態が第1ブロック31及び第2ブロック32の第1状態である。
第1ブロック31及び第2ブロック32を第1状態から第2状態に切り替える際には、作業者は、ボビン312を逆向き、すなわち上方から見て反時計回りに回転させる。このとき、突起322cは、第2横溝3122内を逆向き(縦溝3120側)に移動する。作業者は、突起322cが縦溝3120に達するまでボビン312を回転させた後、ボビン312を下方に引き下げる。このとき、突起322cは縦溝3120内を上方に移動し、作業者は、突起322cの位置と第1横溝3121の位置とが合うところまでボビン312を引き下げる。その後、作業者は、上方から見て反時計回りにボビン312を回転させる。このとき、突起322cは第1横溝3121内を移動し、作業者は、突起322cが第1横溝3121の端部(縦溝3120と反対側の端部)に達するまでボビン312を回転させる。その結果、筒体322とボビン312とが結合され、この状態が第1ブロック31及び第2ブロック32の第2状態である。
この構成では、突起322cが差し込まれる溝を第1横溝3121と第2横溝3122との間で切り替えるだけで、第1ブロック31及び第2ブロック32を第1状態と第2状態との間で切り替えることができる。
図10Bに示す例では、第1ブロック31のボビン312の巻胴部312aに一対の差込溝312e,312fが設けられている。一対の差込溝312e,312fは、互いに対向する位置において巻胴部312aの周面に沿って螺旋状に形成されている。一方、第2ブロック32の筒体322の筒状部322aには、径方向に突出する一対の突起322e,322fが一体に設けられている。ここで、突起322e,322fの突出寸法は、巻胴部312aの外周面の厚み寸法とほぼ同じであり、筒体322とボビン312とを組み付けた状態であってもコイル311を構成する導線を巻胴部312aに巻くことができる。
次に、筒体322に対してボビン312を移動させる手順について説明する。作業者は、ボビン312の差込溝312e,312fの位置と筒体322の突起322e,322fの位置とを合わせた状態で、上方から見て反時計回りにボビン312を回転させる。このとき、一方の突起322eは、螺旋状に形成された差込溝312e内を移動し、他方の突起322fは、同じく螺旋状に形成された差込溝312f内を移動する。そして、作業者は、突起322eが差込溝312eの下端部に達し、かつ突起322fが差込溝312fの下端部に達するまでボビン312を回転させる。その結果、筒体322とボビン312とが結合され、この状態が第1ブロック31及び第2ブロック32の第1状態である。
第1ブロック31及び第2ブロック32を第1状態から第2状態に切り替える際には、作業者は、上方から見て時計回りにボビン312を回転させる。このとき、一方の突起322eは対応する差込溝312e内を逆向きに移動し、他方の突起322fは対応する差込溝312f内を逆向きに移動する。この場合、第2状態において筒体322とボビン312とが結合するように、差込溝312e,312fの途中位置に突起322e,322fを保持する構造を設けるのが好ましい。この構成では、筒体322に対してボビン312を回転させるだけで、第1ブロック31及び第2ブロック32を第1状態と第2状態との間で切り替えることができる。
また、筒体322の外周面に形成した雄ねじと、ボビン312の内周面に形成した雌ねじとでロック機構を構成してもよい。この場合、作業者は、ボビン312内に筒体322をねじ込むだけで、第1ブロック31及び第2ブロック32を第1状態と第2状態との間で切り替えることができる。
なお、上述の変形例3(図8及び図9参照)では、継鉄上板321を磁性材料で形成しているが、継鉄上板321は気密容器を構成するベース部材として機能していればよく、継鉄上板321を非磁性材料で形成してもよい。また、本実施形態では、永久磁石314によりラッチングリレーを構成しているが、永久磁石314は必ずしも必要ではなく、ラッチさせない構造であればなくてもよい。さらに、本実施形態では、第2ブロック32に対して第1ブロック31の少なくとも一部を移動させているが、第1ブロック31を固定し、第1ブロック31に対して第2ブロック32を移動させるように構成してもよい。
(実施形態2)
以下、実施形態2の電磁継電器200について、図11〜図13を参照して具体的に説明する。以下では、図11において、固定子912の長手方向を上下方向とし、可動子921と対向する端部側を上方、その逆を下方として説明する。また、以下では、図11において、可動接点81と固定接点82とが並ぶ方向を左右方向とし、可動接点81から見て固定接点82側を右方、その逆を左方として説明する。
以下、実施形態2の電磁継電器200について、図11〜図13を参照して具体的に説明する。以下では、図11において、固定子912の長手方向を上下方向とし、可動子921と対向する端部側を上方、その逆を下方として説明する。また、以下では、図11において、可動接点81と固定接点82とが並ぶ方向を左右方向とし、可動接点81から見て固定接点82側を右方、その逆を左方として説明する。
なお、図11では、これらの方向(上、下、左、右)を表す矢印を図示しているが、この矢印は、単に説明を補助する目的で記載しているに過ぎず、実体を伴わない。また、上記の方向の規定は、本実施形態の電磁継電器200の使用形態を限定する趣旨ではない。
本実施形態の電磁継電器200は、図11〜図13に示すように、いわゆるヒンジ型リレーであり、いわゆるプランジャ型リレーである実施形態1の電磁継電器100とは異なっている。本実施形態の電磁継電器200は、接点装置8と、電磁石装置9と、ハウジング4と、固定台75と、ロック機構とを備えている。なお、ハウジング4及びロック機構については実施形態1と同様であり、ここでは説明を省略する。
固定台75は、合成樹脂などの電気絶縁材料からなり、接点装置8、可動子921及び復帰ばね922(後述する)が固定される第1固定部751と、可動子921及び復帰ばね922を除く電磁石装置9が固定される第2固定部752とを有している。第2固定部752の下面には、突起752aが一体に設けられており、ハウジング4に設けられた溝41内を突起752aが左右方向に移動することで、第2固定部752が左右方向に移動可能に構成されている。また、本実施形態の電磁継電器200では、伸縮方向が左右方向となるようにして、第1固定部751と第2固定部752との間に保持ばね5が配置されている。すなわち、本実施形態の電磁継電器200では、保持ばね5のばね力によって第2固定部752が左方に移動可能に構成されている。
接点装置8は、可動接点81と、固定接点82と、一対の端子板83,84と、カード85とを有している。
一対の端子板83,84は、それぞれ導電性材料(例えば銅合金など)により形成されている。一対の端子板83,84は、左右方向に並ぶように配置されており、一対の端子板83,84の各々は、上下方向に長尺な矩形板状に形成されている。また、一対の端子板83,84は、それぞれ下端部が固定台75の第1固定部751に固定されている。
一対の端子板83,84のうち第1端子板83の上端部には、固定接点82が設けられている。また、一対の端子板83,84のうち第2端子板84の上端部には、可動接点81が設けられている。なお、可動接点81及び固定接点82は、それぞれ一対の端子板83,84と一体に構成されていてもよいし、一対の端子板83,84とは別部材からなり一対の端子板83,84に固定されていてもよい。また、第2端子板84は、金属製の板ばねであり、下端部を支点として、可動接点81が固定接点82に接触する閉位置と、可動接点81が固定接点82から離れた開位置との間で可動接点81を移動させるように撓み可能に構成されている。
カード85は、上下方向に長尺な棒状に形成されており、その一端部(下端)が固定台75の第1固定部751に固定されている。カード85は、第1固定部751に固定された一端部を支点として、回転可能に構成されている。また、カード85は、第1突部851と、第2突部852とを備えている。
第1突部851は、円錐台状であって、カード85の上下方向の中間部から右向きに突出して形成されている。第1突部851は、カード85が時計回りに回転することにより、第2端子板84を右向きに押し込むように構成されている。第2突部852は、円錐台状であって、カード85の上下方向の中間部から左向きに突出して形成されている。第2突部852は、可動子921(後述する)に押されることにより、カード85を時計回りに回転させるように構成されている。
電磁石装置9は、図11〜図13に示すように、第1ブロック91と、第2ブロック92とを有している。第1ブロック91は、コイル911と、固定子912と、永久磁石913と、継鉄914と、ボビン915とを有している。第2ブロック92は、可動子921と、復帰ばね922とを有している。なお、固定子912、可動子921、及び継鉄914は、いずれも磁性材料により形成されている。
コイル911は、ボビン915の外周面に電線(例えば銅線)を巻き付けることで構成されている。ボビン915は、例えば合成樹脂などの電気絶縁性を有する材料により円筒状に形成されており、中心軸方向が上下方向と一致するように配置されている。本実施形態の電磁継電器200では、ボビン915は、第2固定部752と一体に形成されている。
固定子912は、円柱状に形成されており、その上下方向の両端部をボビン915から露出させるようにして、ボビン915の中空部に挿通されている。固定子912の上端部は、可動子921の第1端921a(後述する)と対向している。また、固定子912の下端部は、継鉄914の第1板914a(後述する)に固定されている。
継鉄914は、固定子912及び可動子921とともに、コイル911への通電時に生じる磁束が通る磁気回路を形成する。継鉄914は、第1板914aと、第2板914bと、第3板914cとを有している。第1板914a、第2板914b、及び第3板914cは、いずれも矩形板状に形成されている。第1板914aは、コイル911の中心軸方向(上下方向)の下側に設けられている。第2板914bは、コイル911の右側に設けられている。第3板914cは、第2板914bのコイル911側(左側)の面に設けられている。第1板914aと第2板914bとは、1枚の板から一体に形成されている。また、第2板914bと第3板914cとの間に挟まれる形で、永久磁石913が設けられている。
永久磁石913は、左右方向における両面に、互いに異なる極性の第1磁極面913a及び第2磁極面913bを有している。本実施形態の電磁継電器200では、接点装置8をオン状態に移行させる際にコイル311で生じる磁束の向きと同じ向きの磁束が生じるように、第1磁極面314aを「N極」、第2磁極面314bを「S極」とするが、N極とS極とは反対の関係であってもよい。
可動子921は、長尺な矩形板の中間部921cが折り曲げられて、その断面がL字状となるように形成されている。可動子921の第1端(左端)921aは、固定子912の上端部と対向している。可動子921の第2端(右端)911bは、継鉄914の第2板914bと対向している。そして、可動子921は、その中間部921cを支点として、第1端921aが固定子912の上端部に接触する第1位置と、第1端921aが固定子912の上端部から離れる第2位置との間で回転可能に構成されている。
復帰ばね922は、板ばねからなり、中間部921cを支点として時計回りに回転する力を可動子921に作用させるように構成されている。
次に、本実施形態の電磁継電器200の動作について、図11及び図12を参照して説明する。接点装置8がオフ状態(可動接点81が固定接点82から離れた状態)では、第1磁極面913a、第3板914c、第2板914b、可動子921、第2板914b、第2磁極面913bの順に、永久磁石913の生じる磁束φ2が通る磁気回路が形成される。したがって、可動子921は、第2板914bとの間の磁気吸引力により、第2端921bが第2板914bに引き寄せられて第2位置で保持される。
このとき、カード85の第2突部852は、可動子921により右向きに押し込まれておらず、第1突部851が第2端子板84を押し込むこともない。したがって、第2端子板84は、そのばね力によって反時計回りに付勢され、可動接点81が開位置に位置するように移動する。よって、接点装置8のオフ状態では、一対の端子板83,84間は導通していない。
ここで、コイル911に第1向きの電流が流れることにより、コイル911が磁束を発生する。すると、可動子921は、固定子912との間に磁気吸引力が生じることで、第1端921aが固定子912の上端部に引き寄せられ、第1位置に移動する。
このため、可動子921が中間部921cを支点として反時計回りに回転することで、可動子921の第2端921bが、カード85の第2突部852を右向きに押し込む。すると、カード85が時計回りに回転するのに伴って、第1突部851が第2端子板84を右向きに押し込むので、可動接点81が閉位置に位置するように第2端子板84が移動する(図12参照)。よって、接点装置8がオン状態(可動接点81が固定接点82に接触する状態)となり、一対の端子板83,84間が導通する。
接点装置8のオン状態では、図12に示すように、第1磁極面913a、第3板914c、第2板914b、第1板914a、固定子912、可動子921、第2板914b、第2磁極面913bの順に、永久磁石913の磁束φ3が通る磁気回路が形成される。したがって、可動子921は、固定子912との間の磁気吸引力により、第1位置に保持される。このため、コイル911の通電を解除しても、接点装置8はオン状態を維持する。
次に、コイル911に第2向き(第1向きと反対向き)の電流が流れることにより、コイル911は、第1向きの電流を流したときと逆向きの磁束を発生する。すると、可動子921は、第2板914bとの間に磁気吸引力が生じることで、第2端921bが第2板914bと接触して第2位置に移動する。(図11参照)。そして、可動接点81が開位置に位置するようにカード85が移動するため、接点装置8がオフ状態となる。
このとき、上述のように、永久磁石913の磁束φ2が通る磁気回路が形成されるので、可動子921は第2位置に保持される。したがって、コイル911の通電を解除しても、接点装置8はオフ状態を維持する。このように、本実施形態の電磁継電器200は、コイル911の通電を解除しても、接点装置8のオン状態(またはオフ状態)を維持する、ラッチングリレーである。ここに、本実施形態では、可動子921により開閉子が構成されている。
ところで、第1ブロック91と第2ブロック92とで磁気回路が形成される通常状態(第1状態)では、図11及び図12に示すように、レバー6の保持部61の第1突起611によって第1ブロック91が右方に押し付けられている。この場合、接点装置8のオフ状態では、第1ブロック91の継鉄914の第2板914bの上端部が第2ブロック92の可動子921の下面に接触しており、永久磁石913、継鉄914、及び可動子921により磁気回路が形成される。また、接点装置8のオン状態では、第1ブロック91の固定子912の上端部及び継鉄914の第2板914bの上端部が第2ブロック92の可動子921の下面に接触し、固定子912、永久磁石913、継鉄914、及び可動子921にて磁気回路が形成される。このとき、保持ばね5は、第1固定部751と第2固定部752との間で圧縮されている。つまり、この状態では、ロック機構を構成する保持ばね5及びレバー6が、コイル911で生じる磁束が通るように磁気回路を形成した状態で第1ブロック31と第2ブロック32との相対的な位置を保持している。
本実施形態の電磁継電器200では、上述のように、コイル911への通電を解除しても、永久磁石913の磁束によって接点装置2のオン状態が保持される(図12参照)。この場合、接点装置2をオフ状態に切り替えるためには、コイル911に第2向き(逆向き)の電流を流すか、永久磁石913の磁束を遮断することになる。そこで、本実施形態の電磁継電器200では、第2ブロック32に対して第1ブロック31を左右方向に移動可能とすることで、永久磁石913の磁束を遮断できるように構成されている。以下、図12及び図13を参照して具体的に説明する。
図12に示す接点装置2のオン状態において、作業者がレバー6の操作部62を反時計回り(図12の矢印A5の向き)に回転させると、操作部62の回転に伴って保持部61も反時計回りに回転する。これにより、保持部61は、第1突起611が上側、第2突起612が右側となる(図13参照)。その結果、第1ブロック91は、第1突起611の高さと第2突起612の高さの差分H2(D3−D4)だけ左方に移動する。このとき、第1ブロック91には、図13に示す状態において、保持ばね5のばね力が左向きに作用しており、保持ばね5のばね力とレバー6の保持部61の第2突起612とでその位置が保持される。つまり、この状態では、保持ばね5及びレバー6が、磁気回路のギャップが大きくなるように第1ブロック91を左方に移動させた状態で第1ブロック91と第2ブロック92との相対的な位置を保持している。なお、この場合には、固定子912と可動子921との間で磁束が遮断される。
このように、磁気回路のギャップを大きくすることによって、磁気回路を通る磁束が弱まり、固定子912と可動子921との間に生じる磁気吸引力も弱くなる。その結果、復帰ばね922のばね力が磁気吸引力を上回り、可動子921が中間部921cを支点として時計回りに回転する。これにより、カード85の第2突部852を右向きに押す力がなくなり、カード85が反時計回りに回転する。その結果、第1突部851が第2端子板84を右向きに押す力もなくなるため、第2端子板84は、そのばね力によって反時計回りに回転し、可動接点81が開位置に位置するように移動する。ここに、本実施形態では、図11,12に示す状態が第1ブロック31及び第2ブロック31の第1状態であり、図13に示す状態が第1ブロック31及び第2ブロック32の第2状態である。
上述のように、本実施形態の電磁継電器200では、第2ブロック92は、開閉子として、コイル911への通電時に磁気回路のギャップが小さくなるように回転する可動子921を有している。この構成では、コイル311への通電に応じた可動子921の回転動作により接点装置8を開閉(駆動)させることができる。
なお、本実施形態では、永久磁石913によりラッチングリレーを構成しているが、永久磁石913は必ずしも必要ではなく、ラッチさせない構造であればなくてもよい。
また、上述の実施形態1,2の電磁継電器100,200は、いずれもa接点リレー、b接点リレー、c接点リレーとして用いることができる。例えば、電磁継電器100(200)をc接点リレーとして用いる場合は、固定接点22(82)とは別に、可動接点21(81)が開位置にあるときに接触する固定接点を設ければよい。この構成では、コイル311(911)への通電で生じる磁束により、可動接点21(81)が閉位置で接触する固定接点22(82)に接続される電路と、可動接点21(81)が開位置で接触する固定接点に接続される電路とを切り替えることができる。
さらに、上述の実施形態1,2では、ロック機構によって、第1状態と第2状態との両方において第1ブロック31と第2ブロック32との相対的な位置を保持するように構成している。これに対して、例えば引きばねによりロック機構を構成し、第1状態のみで第1ブロック31と第2ブロック32との相対的な位置を保持するように構成してもよい。この場合、引きばねの復帰力により第1ブロック31及び第2ブロック32は第1状態で保持される。この状態から、引きばねのばね力に抗って第1ブロック31を下方に引っ張り、第1ブロック31及び第2ブロック32を第2状態に切り替える。このとき、上述のように、磁気回路のギャップが大きくなることで磁気回路を通る磁束が弱まり、その結果、オン状態にある接点装置2がオフ状態になる。その後、第1ブロック31から手を離すと、引きばねの復帰力により第1ブロック31が上方へ移動し、第1ブロック31及び第2ブロック32が第1状態で保持される。この構成では、ロック機構により第1ブロック31及び第2ブロック32を第1状態で保持することができる。
また、ロック機構によって、第2状態のみで第1ブロック31と第2ブロック32との相対的な位置を保持するように構成してもよい。さらに、第1ブロック31と第2ブロック32とが相対的に移動できるようになっていればよいため、ロック機構については必ずしも設けなくてもよい。
2,8 接点装置
3,9 電磁石装置
5 保持ばね(ロック機構、強制解除部)
6 レバー(ロック機構)
16 ケース(気密容器)
21 可動接点
22 固定接点
31,91 第1ブロック
32,92 第2ブロック
100,200 電磁継電器
311,911 コイル
314,913 永久磁石
316 継鉄中板(継鉄)
321 継鉄上板(ベース部材)
323 固定鉄心
324 可動鉄心(開閉子)
325 シャフト
912 固定子
921 可動子(開閉子)
3,9 電磁石装置
5 保持ばね(ロック機構、強制解除部)
6 レバー(ロック機構)
16 ケース(気密容器)
21 可動接点
22 固定接点
31,91 第1ブロック
32,92 第2ブロック
100,200 電磁継電器
311,911 コイル
314,913 永久磁石
316 継鉄中板(継鉄)
321 継鉄上板(ベース部材)
323 固定鉄心
324 可動鉄心(開閉子)
325 シャフト
912 固定子
921 可動子(開閉子)
Claims (9)
- 接点装置と、
第1ブロック及び第2ブロックを有する電磁石装置とを備え、
前記第1ブロックは、コイルを有し、
前記第2ブロックは、前記コイルへの通電時に前記コイルで生じる磁束によって前記接点装置を開く位置と前記接点装置を閉じる位置との一方へ移動する開閉子を有し、
前記第1ブロックと前記第2ブロックとは、前記コイルへの通電時に前記接点装置を開閉できるように前記コイルで生じる磁束が通る磁気回路を形成する第1状態と、前記コイルへの通電時に前記接点装置を開閉できないように前記第1ブロックの少なくとも一部を前記第2ブロックに対して相対的に移動させることで前記第1状態に比べて前記磁気回路のギャップを大きくする第2状態との間で切り替えられるように構成されていることを特徴とする電磁継電器。 - 前記第1状態と前記第2状態との一方において前記第1ブロックと前記第2ブロックとの相対的な位置を保持するロック機構をさらに備えていることを特徴とする請求項1記載の電磁継電器。
- 前記第1状態と前記第2状態との両方において前記第1ブロックと前記第2ブロックとの相対的な位置を保持するロック機構をさらに備えていることを特徴とする請求項1記載の電磁継電器。
- 前記ロック機構は、前記磁気回路のギャップが大きくなる向きの力を前記第1ブロックの少なくとも一部に作用させる強制解除部を有していることを特徴とする請求項2または3記載の電磁継電器。
- 前記コイルへの通電時に前記コイルで生じる磁束と同じ向きの磁束を前記磁気回路に生じさせる永久磁石をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電磁継電器。
- 少なくとも前記接点装置が収納される気密容器をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電磁継電器。
- 前記接点装置は、固定接点及び可動接点を有し、
前記第2ブロックは、固定鉄心と、前記固定接点に対して前記可動接点が移動する方向である第1方向において前記固定鉄心と対向するように配置され、前記コイルへの通電に応じて前記固定鉄心に接触する位置と前記固定鉄心から離れる位置との間で移動する可動鉄心と、前記第1方向における一端部に前記可動鉄心が取り付けられ、前記可動鉄心の駆動力を前記可動接点に伝達するシャフトとをさらに有し、
前記開閉子は、前記可動鉄心を含んでいることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電磁継電器。 - 前記第1ブロックは、前記磁気回路を形成する継鉄をさらに有し、
前記第2ブロックは、前記第1方向において前記継鉄と対向するように配置され、少なくとも前記接点装置が収納される気密容器を形成するベース部材をさらに有していることを特徴とする請求項7記載の電磁継電器。 - 前記第2ブロックは、前記開閉子として、前記コイルへの通電時に前記磁気回路のギャップが小さくなるように回転する可動子を有していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電磁継電器。
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JP2015205624A JP2017079108A (ja) | 2015-10-19 | 2015-10-19 | 電磁継電器 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019105383A1 (zh) * | 2017-11-30 | 2019-06-06 | 比亚迪股份有限公司 | 继电器 |
CN113628934A (zh) * | 2021-08-10 | 2021-11-09 | 上海沪工汽车电器有限公司 | 大电流磁保持继电器 |
JP7537618B2 (ja) | 2021-01-15 | 2024-08-21 | シァメン ホンファ エレクトリック パワー コントロールズ カンパニー リミテッド | 反応が鋭敏な高圧直流磁気保持リレー |
-
2015
- 2015-10-19 JP JP2015205624A patent/JP2017079108A/ja active Pending
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