JP2015078289A - コーティング組成物およびそれより得られる塗膜、多層構造体および多層構造体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高レベルの耐熱性を有する塗膜及びそれを得ることができるコーティング組成物を提供する。
【解決手段】(A)ポリビニルアルコール系樹脂を分散剤、アクリル系樹脂を分散質、水を分散媒に有するエマルジョン、及び(B)酸化グラフェン微粒子を含むコーティング組成物であり、ポリビニルアルコール系樹脂が、化学式で示される構造単位を有する。
(R1〜R3は各々独立してH又は有機基;Xは単結合又は結合鎖;、R4〜R6は独立してH又は有機基)
【選択図】なし
【解決手段】(A)ポリビニルアルコール系樹脂を分散剤、アクリル系樹脂を分散質、水を分散媒に有するエマルジョン、及び(B)酸化グラフェン微粒子を含むコーティング組成物であり、ポリビニルアルコール系樹脂が、化学式で示される構造単位を有する。
(R1〜R3は各々独立してH又は有機基;Xは単結合又は結合鎖;、R4〜R6は独立してH又は有機基)
【選択図】なし
Description
本発明は、酸化グラフェン微粒子を含むコーティング組成物およびそれより得られる塗膜、多層構造体および多層構造体の製造方法に関するものであり、詳しくは、耐熱性に優れる塗膜、多層構造体を得ることができるコーティング組成物、および前記多層構造体の製造方法に関するものである。
アクリル系樹脂は、耐候性、透明性、成形性等に優れているため、従来種々の内装材及び外装材、ディスプレイや屋外表示板等の表面保護コーティング剤に広く使用されている。近年は平均気温の上昇と共に、熱により体積変化しないという、耐熱性に優れた表面保護塗膜が得られるコーティング剤が求められている。
このような塗膜を形成する耐熱用コーティング組成物として、特定粒子径の無機微粒子と、特定粒子径の、特定化学構造重合体エマルジョン粒子の水分散体(エマルジョン)とを含むコーティング組成物が提案されている(特許文献1参照)。
かかる文献には、特定粒子径の金属酸化物と、特定粒子径の、特定化学構造重合体エマルジョン粒子の水分散体(エマルジョン)とが相互作用し、該金属酸化物が該エマルジョンの硬化剤として作用することにより、得られるコーティング組成物から得られる耐熱複合体の透明性及び耐候性が向上すると記載されている(特許文献1[0013]参照)。
しかしながら、上記技術の耐熱性評価は150℃にて10分という条件に留まるものであった。
しかしながら、上記技術の耐熱性評価は150℃にて10分という条件に留まるものであった。
また、合成樹脂結合剤を有する耐熱性コーティング組成物が知られている(特許文献2参照)。かかる組成物には、アクリル樹脂エマルジョンとPVA系樹脂からなる合成樹脂結合剤が記載されている。
しかしながら、かかる技術の耐熱性評価は温度80℃という条件に留まるものであった。
しかしながら、かかる技術の耐熱性評価は温度80℃という条件に留まるものであった。
さらに、ポリビニルアルコール系ポリマーおよび酸化グラフェン粒子を含有するコンポジット繊維が知られている(特許文献3参照)。かかる技術では、コンポジット繊維を150〜200℃にて6〜50倍の延伸を行うことで評価している。
しかしながら、これら上記の技術による耐熱性レベルでは、例えば自動車のインストゥルメントパネル、建物外壁や屋外設置ディスプレイパネル等、使用中に直射日光に晒され高温になったり、又は発熱等が起こったりする部材等、さらに高度な耐熱性が求められる用途には適用し難い。したがって、このような用途に適するようなさらに高レベルの耐熱性を有する高品質な塗膜およびそれを得ることができるコーティング組成物が求められている。
そこで、本発明は上記問題を解決し、高レベルの耐熱性を有する塗膜およびそれを得ることができるコーティング組成物を提供することを目的とするものである。
本発明は上記実情に鑑み鋭意検討した結果、分散剤にポリビニルアルコール系樹脂に用い(以下、ポリビニルアルコール系樹脂をPVA系樹脂と称することがある)、分散質にアクリル系樹脂を有するエマルジョンに対し、酸化グラフェン微粒子を含有するコーティング組成物を用いることにより、高レベルの耐熱性を有する塗膜および多層構造体が
得られることを見出し本発明を完成した。
得られることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は、(A)ポリビニルアルコール系樹脂を分散剤、アクリル系樹脂を分散質、水を分散媒に有するエマルジョン、および(B)酸化グラフェン微粒子を含むコーティング組成物およびそれより得られる塗膜、多層構造体および多層構造体の製造方法に存する。
本発明においては、ポリビニルアルコール系樹脂を分散剤として有するエマルジョンに対し、酸化グラフェン微粒子を用いることにより、高レベルの耐熱性を有する塗膜が得られるとの優れた効果が発揮されるものである。すなわち200℃を超える過酷な熱を受けた場合であっても体積変化が抑制されるという、高レベルの耐熱性を有する。
以下、本発明の構成につき詳細に説明するが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものである。
なお、本明細書において、アクリルとメタクリルを特段区別しない場合には、(メタ)アクリルと総称し、アクリレートとメタクリレートを特段区別しない場合には(メタ)アクリレートと総称する。
本発明において固形分および樹脂固形分とは、対象物を105℃、3時間の乾燥減量法に供することにより得られるものを意味する。
なお、本明細書において、アクリルとメタクリルを特段区別しない場合には、(メタ)アクリルと総称し、アクリレートとメタクリレートを特段区別しない場合には(メタ)アクリレートと総称する。
本発明において固形分および樹脂固形分とは、対象物を105℃、3時間の乾燥減量法に供することにより得られるものを意味する。
本発明のコーティング組成物は、(A)ポリビニルアルコール系樹脂を分散剤、アクリル系樹脂を分散質、水を分散媒に有するエマルジョン、および(B)酸化グラフェン微粒子を含むものである。
<(A)エマルジョンの説明>
本発明のコーティング組成物は、ポリビニルアルコール系樹脂を分散剤、アクリル系樹脂を分散質、水を分散媒に有するエマルジョンを用い、特定アスペクト比、特定長径を有する繊維状の金属酸化物微粒子を特定少量にて配合した場合に、得られる塗膜が高レベルの耐熱性を示す。
本発明のコーティング組成物は、ポリビニルアルコール系樹脂を分散剤、アクリル系樹脂を分散質、水を分散媒に有するエマルジョンを用い、特定アスペクト比、特定長径を有する繊維状の金属酸化物微粒子を特定少量にて配合した場合に、得られる塗膜が高レベルの耐熱性を示す。
<(A)分散剤のPVA系樹脂の説明>
本発明のコーティング組成物が含むエマルジョンは、分散剤としてPVA系樹脂を有するものである。本発明に用いられるPVA系樹脂は、公知の水溶性のPVA系樹脂が適用可能である。
本発明のコーティング組成物が含むエマルジョンは、分散剤としてPVA系樹脂を有するものである。本発明に用いられるPVA系樹脂は、公知の水溶性のPVA系樹脂が適用可能である。
分散剤たるPVA系樹脂のケン化度(JIS K6726に準拠して測定)は、通常85〜100モル%であり、好ましくは90〜99.9モル%、特に好ましくは95〜99.9モル%である。かかるケン化度が低すぎると、熱や光等によって脱酢酸反応等が起こってポリビニルアルコール分子主鎖に共役構造が発生しやすくなり、得られる塗膜の耐熱性が低下しやすくなったり、アクリル系モノマーを分散質とした乳化重合時に粗粒子生成が多くなり、乳化重合安定性が大幅に低下する
平均重合度(JIS K6726に準拠して測定)は、通常50〜2500であり、好ましくは100〜1700、より好ましくは100〜1000、特に好ましくは200〜500である。かかる平均重合度が低すぎると、得られる塗膜の強度が低くなる傾向があり、逆に高すぎると、分散質のドメインサイズの制御が困難になったり、乳化重合安定性が低下し、またエマルジョンの放置安定性が低下する傾向がある。
本発明において、分散剤たるPVA系樹脂として、公知の変性PVA系樹脂を用いてもよい。かかる変性PVA系樹脂は水溶性である。変性PVA系樹脂を用いる場合、変性量(変性ビニルアルコール構造単位の含有量)が多すぎると、エマルジョンの粘度が高くなったり、乳化重合安定性を低下させたりする傾向あるので、通常は、15モル%以下、好ましくは10モル%以下の変性量を有する変性PVA系樹脂を用いる。
PVA系樹脂の変性モノマーとしては、例えばエチレンやプロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール等のヒドロキシ基含有α−オレフィン類およびそのアシル化物などの誘導体、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、ウンデシレン酸等の不飽和酸類、その塩、モノエステル、あるいはジアルキルエステル、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸類あるいはその塩、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン類等があげられる。
PVA系樹脂に対してこれら変性モノマーを用いる変性方法は、共重合であり、その他グラフト変性等の公知の後変性を用いることができる。
PVA系樹脂に対してこれら変性モノマーを用いる変性方法は、共重合であり、その他グラフト変性等の公知の後変性を用いることができる。
上記変性PVA系樹脂として、ヒドロキシ基含有α−オレフィン類およびそのアシル化物などの誘導体変性PVA系樹脂を用いることが好ましく、さらには下記一般式(1)で表される構造単位を含有するPVA系樹脂を用いることが好ましい(以下、「側鎖1,2−ジオール構造単位含有PVA系樹脂」と称することがある)。
(式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示し、Xは単結合または結合鎖を示し、R4、R5及びR6はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示す。)
エマルジョンの分散剤として用いられるPVA系樹脂がかかる構造単位を有することにより、エマルジョンが酸化グラフェン微粒子と相互作用し易く、且つかかるエマルジョンを含むコーティング組成物が塗膜となった場合に該変性PVA系樹脂が連続相となり、かかるPVA系樹脂の非晶部のフリーボリュームを小さくしながら低結晶化できる為か、かかるエマルジョンを含むコーティング剤から得られる塗膜が高温条件下に晒されても、連続層のPVA系樹脂の結晶化に伴う収縮等を抑制でき、高レベルの耐熱性が得られる点で好ましい。
上記一般式(1)において、R1〜R6はそれぞれ独立して水素原子又は有機基を表す。R1〜R6は、すべて水素原子であることが望ましいが、樹脂特性を大幅に損なわない程度の量であれば有機基であってもよい。該有機基としては特に限定しないが、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、必要に応じてハロゲン基、水酸基、エステル基、カルボン酸基、スルホン酸基等の置換基を有していてもよい。
上記一般式(1)中、Xは単結合又は結合鎖であり、結晶性の向上や非晶部におけるフリーボリューム(分子間空隙)低減の点から単結合であることが好ましい。上記結合鎖としては、特に限定しないが、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、フェニレン、ナフチレン等の炭化水素(これらの炭化水素は、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン等で置換されていてもよい)の他、−O−、−(CH2O)m−、−(OCH2)m−、−(CH2O)mCH2−、−CO−、−COCO−、−CO(CH2)mCO−、−CO(C6H4)CO−、−S−、−CS−、−SO−、−SO2−、−NR−、−CONR−、−NRCO−、−CSNR−、−NRCS−、−NRNR−、−HPO4−、−Si(OR)2−、−OSi(OR)2−、−OSi(OR)2O−、−Ti(OR)2−、−OTi(OR)2−、−OTi(OR)2O−、−Al(OR)−、−OAl(OR)−、−OAl(OR)O−等が挙げられる。Rは各々独立して任意の置換基であり、水素原子、アルキル基が好ましく、またmは自然数である。なかでも、製造時の粘度安定性や耐熱性等の点で、炭素数6以下のアルキレン、特にメチレン、あるいは−CH2OCH2−が好ましい。
上記一般式(1)で表される1,2−ジオール構造単位における最も好ましい構造は、R1〜R6がすべて水素原子であり、Xが単結合である。すなわち、下記構造式(1a)で示される構造単位が最も好ましい。
このような側鎖1,2−ジオール構造単位含有PVA系樹脂は、公知の製造方法により製造できる。例えば、特開2002−284818号公報、特開2004−285143号公報、特開2006−95825号公報等に記載されている方法により製造することができる。
エマルジョンの分散剤として用いられるPVA系樹脂が側鎖1,2−ジオール構造単位を有する場合、エマルジョンが酸化グラフェン微粒子と相互作用し易く、高レベルの耐熱性が得られる点で好ましい。
<(A)分散質のアクリル系樹脂の説明>
本発明のコーティング組成物が含むエマルジョンは、分散質としてアクリル系樹脂を有するものである。本発明に用いられるアクリル系樹脂は、アクリルエマルジョンに用いられる公知のアクリル系樹脂が適用可能である。
本発明のコーティング組成物が含むエマルジョンは、分散質としてアクリル系樹脂を有するものである。本発明に用いられるアクリル系樹脂は、アクリルエマルジョンに用いられる公知のアクリル系樹脂が適用可能である。
アクリル系樹脂とは、アクリル系モノマーの重合体である。かかるアクリル系モノマーとは、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、i−ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリルエステル系モノマー;2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、それぞれ単独で重合に用いることも可能であるが、2種類以上混合して用いることが好ましい。
かかるアクリル系樹脂には、本願の効果を損なわない範囲にてアクリル系モノマー以外の他のモノマーを共重合することも可能である。アクリル系モノマー以外の他のモノマーを共重合する場合、その含有量は通常アクリル系モノマーに対して20重量%未満、好ましくは10重量%未満である。アクリル系モノマー以外の他のモノマーとは、例えばビニルエステル系モノマー、ジエン系モノマー、オレフィン系モノマー、アクリルアミド系モノマー、アクリルニトリル系モノマー、スチレン系モノマー、ビニルエーテル系モノマー、アリル系モノマーが挙げられる。
アクリル系樹脂を構成するアクリル系モノマーとして好ましくは、(メタ)アクリルエステル系モノマーであり、より好ましくは炭素数5〜15の(メタ)アクリルエステル系モノマーであり、特に好ましくは炭素数5〜10の(メタ)アクリルエステル系モノマーである。
[乳化重合:エマルジョンの合成]
かかるエマルジョンは、以上のような分散剤たるPVA系樹脂と分散質たるアクリル系樹脂とを含む粒子が、水分散媒体中に分散しているものである。これは、分散剤の存在下で、上記アクリル系モノマー(および所望によりアクリル系モノマー以外の他のモノマー)を、乳化重合した結果、得られる。
かかるエマルジョンは、以上のような分散剤たるPVA系樹脂と分散質たるアクリル系樹脂とを含む粒子が、水分散媒体中に分散しているものである。これは、分散剤の存在下で、上記アクリル系モノマー(および所望によりアクリル系モノマー以外の他のモノマー)を、乳化重合した結果、得られる。
前記乳化重合を実施する方法としては、i)水、分散剤としてのPVA系樹脂及び重合触媒の存在下に、分散質の原料であるアクリル系モノマー(及び所望によりその他のモノマー)を一時又は連続的に配合して、加熱、撹拌することにより乳化重合する方法;ii)アクリル系モノマー(及び所望によりアクリル系モノマー以外の他のモノマー)をPVA系樹脂の水溶液に混合分散させた分散液を調製し、この調製した分散液を、水、PVA系樹脂及び重合触媒が配合された系内に、一時又は連続的に配合して、加熱、撹拌して、乳化重合する方法が挙げられる。このように予め調整した分散液を用いる方法は特にプレエマルジョン法と称される。かかる方法では、重合しようとするモノマー組成がたとえ複雑であっても、生産性を低下させることなく乳化重合を行なうことが可能であるため好ましい。
前記乳化重合に用いられる反応溶液中の分散媒は、通常、水である。所望により、水と混合可能な有機溶媒(例えば炭素数1〜3の低級アルコール等)を水と併用することも可能である。しかしながら、乳化重合に供するモノマーの分散性の点から、好ましくは水のみである。
乳化重合時に分散剤として用いられるPVA系樹脂の配合量は、使用するPVA系樹脂の種類や合成しようとするエマルジョンの濃度等によって多少異なるが、乳化重合反応系の全体に対して通常0.1〜30重量%であり、さらには1〜25重量%、特には1〜20重量%であることが好ましい。PVA系樹脂の配合量が少なすぎると、アクリル系モノマー(及び所望によりアクリル系モノマー以外の他のモノマー)の乳化状態が不安定となって、重合反応性が低下したり、重合により得られるエマルジョン中での粒子の乳化状態安定性が低下する傾向にある。一方、PVA系樹脂の含有量が多すぎると、反応液の粘度が増大しすぎて重合反応が遅くなったり、得られるエマルジョンの粘度が高くなりすぎる傾向にある。
重合触媒としては、通常、乳化重合の分野で用いられる重合触媒を用いることができる。例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、臭素酸カリウム、酸性亜硫酸ナトリウム、過酸化水素−酒石酸、過酸化水素−鉄塩、過酸化水素−アスコルビン酸−鉄塩、過酸化水素−ロンガリット、過酸化水素−ロンガリット−鉄塩等の水溶性のレドックス系の重合触媒などが挙げられ、これらは単独で、又は2種以上混合して用いることができる。具体的には化薬アクゾ社製『カヤブチルB』や同社製『カヤブチルA−50C』等の有機過酸化物とレドックス系からなる触媒を用いることもできる。
重合触媒の使用量は、通常、重合に使用するモノマー100重量部に対して、0.01〜10重量部であり、好ましくは0.05〜5重量部、より好ましくは0.1〜3重量部である。かかる重合開始剤の使用量が少なすぎると重合速度が遅くなる傾向があり、逆に多すぎると重合安定性が低下する傾向がある。
なお、重合開始剤の配合方法としては、特に制限はなく、初期に一括して反応液中に配合してもよいし、重合の経過に伴って連続的に添加してもよい。
なお、重合開始剤の配合方法としては、特に制限はなく、初期に一括して反応液中に配合してもよいし、重合の経過に伴って連続的に添加してもよい。
乳化重合は、1段階で行ってもよいし、2段階以上の複数回に分けて行ってもよい。特に2段階で行う場合、1段目と2段目でモノマー仕込み量(仕込み比率)を変えることにより、1段目で形成した内層と2段目で形成した外層のガラス転移点(Tg)を変えることも可能となる。具体的には、以下のような2段階の重合が挙げられる。
(1)1段目の重合工程
分散媒、分散剤を含有する反応容器に、重合しようとするモノマーの一部を仕込み、1段目の乳化重合を行う。1段目に投入するモノマーの量は、特に限定しないが、重合に使用するモノマーの通常1〜50重量%程度であり、好ましくは5〜30重量%である。1段目の乳化重合工程の条件は、用いるモノマーの種類、組成、重合開始剤の使用量等により適宜決定すればよい。
乳化重合反応の温度は、通常30〜90℃であり、特に40〜80℃が好ましく、重合時間は1〜4時間とすることが好ましい。1段目の乳化重合工程においては、重合転化率が50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。
分散媒、分散剤を含有する反応容器に、重合しようとするモノマーの一部を仕込み、1段目の乳化重合を行う。1段目に投入するモノマーの量は、特に限定しないが、重合に使用するモノマーの通常1〜50重量%程度であり、好ましくは5〜30重量%である。1段目の乳化重合工程の条件は、用いるモノマーの種類、組成、重合開始剤の使用量等により適宜決定すればよい。
乳化重合反応の温度は、通常30〜90℃であり、特に40〜80℃が好ましく、重合時間は1〜4時間とすることが好ましい。1段目の乳化重合工程においては、重合転化率が50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。
(2)2段目の重合工程
2段目の乳化重合は、1段目の重合が終了した反応容器に、残りのモノマーを投入することにより行う。投入は、滴下しながら行うことが好ましい。また、2段目の重合に際して、重合触媒を投入してもよい。2段目の乳化重合は、重合温度が40〜80℃、重合時間が1〜6時間の条件で行う。
また、滴下するモノマー組成比を連続的に変えながら滴下するパワーフィード重合法を用いることも可能である。また、モノマーを分散剤たるPVA系樹脂の存在下で予め混合分散させた分散液やSPGテクノ株式会社製のShirasu Porous Glass(シラス多孔質ガラス)を通して混合分散させながら分散液を滴下しながら重合してもよい。
必要に応じて、かかる工程の後に通常1〜6時間の追い込み重合をおこなうことも可能である。かかる重合中に重合触媒を投入してもよい。
2段目の乳化重合は、1段目の重合が終了した反応容器に、残りのモノマーを投入することにより行う。投入は、滴下しながら行うことが好ましい。また、2段目の重合に際して、重合触媒を投入してもよい。2段目の乳化重合は、重合温度が40〜80℃、重合時間が1〜6時間の条件で行う。
また、滴下するモノマー組成比を連続的に変えながら滴下するパワーフィード重合法を用いることも可能である。また、モノマーを分散剤たるPVA系樹脂の存在下で予め混合分散させた分散液やSPGテクノ株式会社製のShirasu Porous Glass(シラス多孔質ガラス)を通して混合分散させながら分散液を滴下しながら重合してもよい。
必要に応じて、かかる工程の後に通常1〜6時間の追い込み重合をおこなうことも可能である。かかる重合中に重合触媒を投入してもよい。
以上のような乳化重合において、必要に応じて、分子量調節剤を含んでもよい。分子量調節剤の具体例としては、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタン等のアルキルメルカプタン;ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイド等のキサントゲン化合物;ターピノレン、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系化合物;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のフェノール系化合物;アリルアルコール等のアリル化合物;ジクロロメタン、ジブロモメタン、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素化合物;α−ベンジルオキシスチレン、α−ベンジルオキシアクリロニトリル、α−ベンジルオキシアクリルアミド等のビニルエーテル;トリフェニルエタン、ペンタフェニルエタン、アクロレイン、メタアクロレイン、アセトアルデヒド、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2−エチルヘキシルチオグリコレート、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。なお、乳化重合工程では、これらの分子量調節剤を一種単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
また、上記重合工程において、PVA系樹脂による分散安定効果を阻害しない範囲で、分散剤とは別に、非イオン性界面活性剤やアニオン性界面活性剤等の界面活性剤を系内に併存させてもよい。かかる界面活性剤の配合量は、通常乳化重合反応系の全量に対して通常10重量%以下であり、好ましくは5重量%以下である。
非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレン−アルキルエーテル型、ポリオキシエチレン−アルキルフェノール型、ポリオキシエチレン−多価アルコールエステル型、多価アルコールと脂肪酸とのエステル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば高級アルコール硫酸塩、高級脂肪酸アルカリ塩、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフタリンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、高級アルコールリン酸エステル塩等が挙げられる。
更に、フタル酸エステル、リン酸エステル等の可塑剤、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等のpH調整剤等も併用され得る。
更に、フタル酸エステル、リン酸エステル等の可塑剤、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等のpH調整剤等も併用され得る。
<(A)エマルジョンについて>
以上のようにして乳化重合を行うことにより、合成されたアクリル系樹脂(分散質)と分散剤としてのPVA系樹脂とを含む粒子が、水分散媒中に分散したエマルジョンが得られる。
以上のようにして乳化重合を行うことにより、合成されたアクリル系樹脂(分散質)と分散剤としてのPVA系樹脂とを含む粒子が、水分散媒中に分散したエマルジョンが得られる。
前記粒子の平均粒径は、通常100〜700nm、好ましくは200〜500nmである。なお、前記粒子の平均粒子径は、ゼータ電位測定装置により測定された値を採用する
得られる(A)エマルジョンの樹脂固形分含有量は通常10〜60重量%であり、より好ましくは20〜58重量%であり、さらに好ましくは30〜55重量%であり、特に好ましくは35〜53重量%である。なお、かかる(A)エマルジョンの樹脂固形分とは、(A)エマルジョンの含有する総樹脂量であり、乾燥減量法により測定された値である。かかる樹脂固形分は、合成されたアクリル系樹脂(分散質)と分散剤としてのPVA系樹脂とを含む。
得られるエマルジョンの粘度は通常100〜20000mPa・sであり、より好ましくは300〜10000mPa・sであり、特に好ましくは450〜8000mPa・sである。なお、エマルジョンの粘度は、B型粘度計により測定された値を採用する。
<(B)酸化グラフェン微粒子の説明>
本発明でコーティング組成物に用いる(B)酸化グラフェン微粒子は、炭素原子がsp2結合で結合して同一平面内に並んだ炭素原子を含む、酸化黒鉛の薄膜であり、後述するように、厚みが通常10nm以下、平均粒径が通常0.1〜1000μmの微粒子である。
本発明でコーティング組成物に用いる(B)酸化グラフェン微粒子は、炭素原子がsp2結合で結合して同一平面内に並んだ炭素原子を含む、酸化黒鉛の薄膜であり、後述するように、厚みが通常10nm以下、平均粒径が通常0.1〜1000μmの微粒子である。
本発明でコーティング組成物に用いる(B)酸化グラフェン微粒子は酸化黒鉛を層状に剥離することで得ることができる。酸化黒鉛は黒鉛を特定の方法で酸化することにより製造されるが、酸化黒鉛を得るための黒鉛の酸化法としては、公知のBrodie法(硝酸、塩素酸カリウムを使用)、Staudenmaier法(硝酸、硫酸、塩素酸カリウムを使用)、Hummers−Offeman法(硫酸、硝酸ナトリウム、過マンガン酸カリウムを使用)などやこれらの方法に改良を加えた方法を利用できる。これらのうち、特に酸化が進行するのはHummers−Offeman法(W.S.Hummerset al.,J.Am.Chem.Soc.,80,1339(1958);米国特許No.2798878(1957))であり、この酸化方法が特に推奨される。
酸化黒鉛を層状に剥離し酸化グラフェンを得るためには、酸化黒鉛の精製を十分行えばよい。精製操作には、デカンテーション、濾過、遠心分離、透析、イオン交換などの公知の手段を用いればよい。精製時において、多層構造の分離は自発的に生じるが、これに加えて、振とうなどの撹拌操作やせん断力などの物理力を加えると分離がさらに促進されるので望ましい。超音波照射も利用可能であるが、層の分離と共に各層の基本構造が破壊されて粒子径が小さくなるため、粒子径を小さくしたい場合に用いることが望ましい。
ここで、厳密には単層構造の酸化黒鉛を酸化グラフェンと定義すべきであるが、一般には単層レベルまで薄層化された酸化黒鉛を酸化グラフェンと呼ぶことが多い。層数として10層以下(一般に知られている酸化黒鉛の層間距離0.83nmから換算すると平均厚み8.3nm程度)の酸化黒鉛も広義に酸化グラフェンとして扱われている。このようなことから、本発明における酸化グラフェンは厚みが10nm以下の酸化黒鉛を意味するものとする。
本発明における酸化グラフェンとは、組成変化・構造変化を起こす処理(例えば還元処理、化学修飾(酸化グラフェンに含有するカルボン酸などの官能基を利用して有機物を化学的に結合させる)など)を行った酸化グラフェンも含めているものとする。組成変化・構造変化を起こす処理としては、酸化グラフェンとPVA系ポリマーを複合する前あるいはPVA系ポリマーと複合した後に行うことができる。酸化グラフェンを複合する前の処理としては、例えば、酸化グラフェン含有溶液に加熱処理を行う、光照射を行う、還元剤を添加して加熱処理を行うことなどが可能である。PVA系ポリマーと複合した後に行う処理としては、加熱処理、還元雰囲気にさらす処理、光照射などが可能である。
酸化グラフェンは水酸基やカルボン酸基などの酸素含有基を有するものであることができ、元素分析による酸素含有量は、例えば、5〜50重量%の範囲であることができる。酸素含有量が5重量%未満では、PVA系ポリマーとの強い相互作用が得られにくくなる傾向があり、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは30重%以上である。一方50質量%を超えると、酸化グラフェンとしての構造が維持できなくなる傾向がある。但し、これらの範囲に限定される意図ではない。なお、酸素含有量はXPS(X線光電子分光法)やSEM(走査電子顕微鏡)・TEM(透過型電子顕微鏡)と組み合わせたエネルギー分散型X線分析により評価することが可能である。
酸化グラフェンは、黒鉛由来のグラフェン構造を残した部分とアモルファス構造部分が形成されているといわれており、アモルファス構造部分の存在によりグラフェンとは異なる機能が発現する。アモルファス構造部分の存在はラマンスペクトルで確認することができ、酸化グラフェンのラマンスペクトルにおけるピークの高さの比HG/HDとして、HG/HD≦100の範囲にあることが好ましく、HG/HD≦10であることがより望ましい。ここで、HGはラマンシフト1650cm−1付近に検出されるG線に由来するピーク(酸化されていない領域由来)の高さを意味し、HDはラマンシフト1350cm−1付近に検出されるD線に由来するピーク(酸化によりグラフェン構造が崩れた領域由来)の高さを意味する。HG/HDの値が100より大きくなるとPVA系ポリマーとの強い相互作用が得られにくくなる傾向がある。
酸化グラフェン粒子の厚みはできるだけ薄いものほど、酸化グラフェン粒子とPVAポリマーとの界面となる面積が増加するため望ましい。そこで、酸化グラフェン粒子の厚みとしては、5nm以下の厚みの酸化グラフェン粒子を60%以上含有しているものが好ましく、1.5nm以下の厚みの酸化グラフェン粒子を60%以上含有するものであるとさらに好ましい。厚みの評価は原子間力顕微鏡を用いて次のような方法で行うことができる。希釈した酸化グラフェン粒子の水分散液を基板(マイカ)の上に滴下し、原子間力顕微鏡により重なりのない孤立した粒子を見つけ、原子間力顕微鏡で測定される基板と孤立粒子の高さの差が粒子の厚みとなる。粒子にしわが形成されている場合、しわの部分は厚さを反映していないので、しわのない部分と基板との高さの差で厚みを評価するようにする。吸着水の影響もあるため、厚みが1.5nm以下は酸化グラフェンの層数が1層と考えられる。一定厚み以下の酸化グラフェンの含有割合は、30個の粒子について厚みを測定し、30個中の一定厚み以下の酸化グラフェンの割合で算出することとする。
酸化グラフェン粒子の粒子径は、上記したように通常0.1〜1000μmであり、好ましくは0.5μm以上300μm以下、より好ましくは1μm以上200μm以下、3μm以上100μm以下であることがさらに好ましい。かかる値が大きすぎる場合、分散しにくく凝集物となる傾向があり、原料に大きな黒鉛を使用する必要があり、酸化に要する時間が長くなるといった問題がある。一方、小さすぎる場合、攪拌時に気泡が混入するという傾向がある。ここで、粒子径とは最大径(外側輪郭線上の任意の2点を、その間の長さが最大になるように選んだ時の長さ)を意味し、30個の粒子の平均値で算出することとする。粒子の輪郭は原子間力顕微鏡やSEM(走査電子顕微鏡)等で確認することができる。
上記(B)酸化グラフェン微粒子の状態は、固体粉末、およびその分散液等、いずれの状態でも用いることが出来る。前記(A)エマルジョンとの親和性の点で分散液が好ましい。分散液として用いる場合、その濃度は通常0.1〜20重量%、好ましくは0.3〜10重量%、特に好ましくは0.5〜5重量%である。分散液の分散媒は、例えば水や有機溶媒が挙げられ、前記(A)エマルジョンとの親和性の点で好ましくは水、水と混和性の有機溶媒(例えば炭素数1〜4のアルコール類やケトン類)であり、特に好ましくは水である。
上記(B)酸化グラフェン微粒子は例えばナノマテリアル社「ESNano」、イーエムジャパン社、ニューメタルスエンドケミカルスコーポレーション社「SOL−GO」、仁科マテリアル社「Rap GO」、三菱瓦斯化学社「nanoGRAX」(登録商標)として購入することが可能である。
本発明において、かかる(B)酸化グラフェン微粒子は、本発明のコーティング組成物における樹脂固形分には含まれない。
<他の成分の説明>
本発明のコーティング組成物には、通常塗膜に用いられる塗料や成型用樹脂に用いられる配合剤を配合することが出来る。例えば、光安定剤、紫外線吸収剤、増粘剤、レベリング剤、チクソ化剤、消泡剤、凍結安定剤、艶消し剤、架橋反応触媒、顔料、硬化触媒、架橋剤、皮張り防止剤、分散剤、湿潤剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レオロジーコントロール剤、成膜助剤、防錆剤、染料、可塑剤、潤滑剤、還元剤、防腐剤、防黴剤、消臭剤、黄変防止剤、静電防止剤又は帯電調整剤等が挙げられる。それぞれの目的に応じて選択したり、組み合わせたりして配合することができる。コーティング組成物がこれらの配合剤を配合する場合、含有する配合剤の有機分は、コーティング組成物の樹脂固形分に含まれる。
上記配合剤の配合量は、コーティング組成物における上記(A)エマルジョンの樹脂固形分100重量部に対して通常10重量部未満、好ましくは5重量部未満である。
本発明のコーティング組成物には、通常塗膜に用いられる塗料や成型用樹脂に用いられる配合剤を配合することが出来る。例えば、光安定剤、紫外線吸収剤、増粘剤、レベリング剤、チクソ化剤、消泡剤、凍結安定剤、艶消し剤、架橋反応触媒、顔料、硬化触媒、架橋剤、皮張り防止剤、分散剤、湿潤剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レオロジーコントロール剤、成膜助剤、防錆剤、染料、可塑剤、潤滑剤、還元剤、防腐剤、防黴剤、消臭剤、黄変防止剤、静電防止剤又は帯電調整剤等が挙げられる。それぞれの目的に応じて選択したり、組み合わせたりして配合することができる。コーティング組成物がこれらの配合剤を配合する場合、含有する配合剤の有機分は、コーティング組成物の樹脂固形分に含まれる。
上記配合剤の配合量は、コーティング組成物における上記(A)エマルジョンの樹脂固形分100重量部に対して通常10重量部未満、好ましくは5重量部未満である。
特に本発明のコーティング組成物においては、コーティング組成物に含まれる上記(A)エマルジョン中の分散剤としてのPVA系樹脂(第1のPVA系樹脂)とは別の、第2のPVA系樹脂が配合されることが好ましい。これにより、エマルジョン粒子間隙が適度に増加するためか、塗膜とした場合の耐熱性がさらに向上する傾向がある。なお、コーティング組成物が第2のPVA系樹脂を含有する場合、その含有量は本発明のコーティング組成物における樹脂固形分に含まれる。
かかる第2のPVA系樹脂は、上記した分散剤たるPVA系樹脂と同様に、水溶性の公知のPVA系樹脂を用いることが可能である。
第2のPVA系樹脂のケン化度(JIS K6726に準拠して測定)は、通常80〜100モル%であり、好ましくは85〜100モル%である。かかるケン化度が低すぎると、熱や光等によって脱酢酸反応等が起こってポリビニルアルコール分子主鎖に共役構造が発生しやすくなり、耐熱性が低下する傾向がある。
第2のPVA系樹脂のケン化度(JIS K6726に準拠して測定)は、通常80〜100モル%であり、好ましくは85〜100モル%である。かかるケン化度が低すぎると、熱や光等によって脱酢酸反応等が起こってポリビニルアルコール分子主鎖に共役構造が発生しやすくなり、耐熱性が低下する傾向がある。
第2のPVA系樹脂の平均重合度(JIS K6726に準拠して測定)は、通常50〜2500であり、好ましくは100〜2500、より好ましくは300〜2400であり、特に好ましくは300〜1000である。目的とするコーティング組成物の粘度に応じて添加する第2のPVA系樹脂の重合度と濃度を任意に設定することが出来る。かかる平均重合度が低すぎる場合、コーティング組成物の粘度調整や樹脂分調整が困難となる傾向がある。また、平均重合度が高すぎる場合、同様に樹脂分調整が困難となる傾向があり、厚み制御の自由度が少なくなる傾向がある。
また、第2のPVA系樹脂においても、上記分散剤たるPVA系樹脂と同じく変性PVA系樹脂を用いることが可能である。しかし、第2のPVA系樹脂は、変性基を有さない無変性ポリビニルアルコール樹脂であることが好ましい。
第2のPVA系樹脂を用いる場合、本発明に用いるエマルジョンの分散剤たる第1のPVA系樹脂と第2のPVA系樹脂は、互いに完全相溶性(海―海構造)となり均一相を形成するか、或いは海島構造を形成する。本発明のコーティング組成物より得られる塗膜における、連続層の強度の観点から、海島構造を形成する場合はドメインサイズを小さく(通常ドメイン径1.5μ以下)制御することが好ましい。かかる観点から、第1のPVA系樹脂と第2のPVA系樹脂のケン化度差は、通常0〜15モル%、好ましくは3〜10モル%である。
また、本発明に用いるエマルジョンの分散剤たる第1のPVA系樹脂のけん化度が、第2のPVA系樹脂のけん化度より高いことが好ましい。かかる場合、コーティング組成物より得られる塗膜の連続相において、第1のPVA系樹脂が安定なマトリックスを形成することができる為、連続層の強度が良好に維持されると考えられる。
また、本発明に用いるエマルジョンの分散剤たる第1のPVA系樹脂のけん化度が、第2のPVA系樹脂のけん化度より高いことが好ましい。かかる場合、コーティング組成物より得られる塗膜の連続相において、第1のPVA系樹脂が安定なマトリックスを形成することができる為、連続層の強度が良好に維持されると考えられる。
エマルジョンの分散剤として用いられるPVA系樹脂が側鎖1,2−ジオール構造単位を有し、第2のPVA系樹脂が変性基を有さない無変性PVA樹脂である場合、得られる塗膜において、1級水酸基を有する低結晶性の側鎖1,2ジオール構造単位含有PVA系樹脂(これは主鎖1,3−ジオール構造を有する無変性PVA系樹脂の結晶ラメラに取り込まれない)が分散層と無変性PVA樹脂連続層との海面との間に連続相となって存在し、側鎖1,2ジオール構造単位含有PVA系樹脂が無変性PVA樹脂連続層中の酸化グラフェン微粒子と相互作用しやすくなるためか、かかる塗膜が高温条件下に晒されても、連続層の無変性PVA樹脂の分子運動性を抑制 でき、高レベルの耐熱性が得られる点で好ましい。
第2のPVA系樹脂を用いる場合、その配合量は上記と異なるものであってよく、コーティング組成物の通常0.1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%、特に好ましくは3〜10重量%である。
また、コーティング組成物における(A)エマルジョンの樹脂固形分100重量部に対して通常1〜1000重量部、好ましくは1〜100重量部、特に好ましくは1〜30重量部である。
また、コーティング組成物における(A)エマルジョンの樹脂固形分100重量部に対して通常1〜1000重量部、好ましくは1〜100重量部、特に好ましくは1〜30重量部である。
前記第2のPVA系樹脂は、上記(A)成分と(B)成分を混合した後に配合してもよいし、(A)成分、(B)成分のどちらかおよび両方について予め配合してもよい。
特に、予め(A)成分たるエマルジョンに配合してエマルジョン組成物としておくことが、(A)エマルジョンの分散質の分散安定性の点から好ましい。
特に、予め(A)成分たるエマルジョンに配合してエマルジョン組成物としておくことが、(A)エマルジョンの分散質の分散安定性の点から好ましい。
<コーティング組成物の説明>
本発明のコーティング組成物は、(A)PVA系樹脂を分散剤、アクリル系樹脂を分散質、水を分散媒に有するエマルジョン、および(B)酸化グラフェン微粒子を含む組成物である。
分散剤にPVA系樹脂、分散質にアクリル系樹脂を有するエマルジョンに対し、酸化グラフェン微粒子を含有するコーティング組成物を用いることにより、高レベルの耐熱性を有する塗膜が得られる。
本発明のコーティング組成物は、(A)PVA系樹脂を分散剤、アクリル系樹脂を分散質、水を分散媒に有するエマルジョン、および(B)酸化グラフェン微粒子を含む組成物である。
分散剤にPVA系樹脂、分散質にアクリル系樹脂を有するエマルジョンに対し、酸化グラフェン微粒子を含有するコーティング組成物を用いることにより、高レベルの耐熱性を有する塗膜が得られる。
コーティング組成物における(A)エマルジョンの配合量は、(A)エマルジョンの樹脂固形分にて通常5〜60重量%、好ましくは5〜55重量%、さらに好ましくは8〜50重量%、特に好ましくは8〜40重量%、殊に好ましくは10〜25重量%である。かかる量が上記範囲内にある場合、良好な耐熱性が得られやすい傾向がある。
コーティング組成物における(B)酸化グラフェン微粒子の配合量は、コーティング組成物が有する樹脂固形分100重量部に対して通常0.05〜10重量部であり、好ましくは0.1〜8重量部であり、さらに好ましくは1〜5重量部であり、特に好ましくは2〜4重量部である。
また、コーティング組成物における(B)酸化グラフェン微粒子の(A)エマルジョンの樹脂固形分100重量部に対する配合量は、通常通常0.05〜10重量部であり、好ましくは0.1〜9重量部であり、さらに好ましくは1〜6重量部であり、特に好ましくは2〜5重量部である。
かかる配合量が上記範囲内にある場合、得られる塗膜に高レベルの耐熱性が得られやすい傾向がある。
また、コーティング組成物における(B)酸化グラフェン微粒子の(A)エマルジョンの樹脂固形分100重量部に対する配合量は、通常通常0.05〜10重量部であり、好ましくは0.1〜9重量部であり、さらに好ましくは1〜6重量部であり、特に好ましくは2〜5重量部である。
かかる配合量が上記範囲内にある場合、得られる塗膜に高レベルの耐熱性が得られやすい傾向がある。
さらに本発明では、コーティング組成物に酸化グラフェン微粒子を採用することにより、従来の金属酸化物微粒子を配合する場合の配合量よりも非常に少ない配合量であっても、従来と比較して高レベルの耐熱性を有する塗膜を得ることができる。
従来技術に基づき耐熱性をさらに向上させるためには、通常は金属酸化物微粒子の配合量を高めることを想起する。しかしながら本発明では、コーティング組成物の酸化グラフェン微粒子の配合量を低くしても、得られる塗膜が高レベルの耐熱性を示す。すなわち、200℃を超える過酷な熱を受けた場合であっても体積変化(特に収縮)が抑制される。これは、従来の知見とは矛盾する結果であり、予想外の顕著な効果といえる。
従来技術に基づき耐熱性をさらに向上させるためには、通常は金属酸化物微粒子の配合量を高めることを想起する。しかしながら本発明では、コーティング組成物の酸化グラフェン微粒子の配合量を低くしても、得られる塗膜が高レベルの耐熱性を示す。すなわち、200℃を超える過酷な熱を受けた場合であっても体積変化(特に収縮)が抑制される。これは、従来の知見とは矛盾する結果であり、予想外の顕著な効果といえる。
コーティング組成物が有する樹脂固形分含有量は通常1〜60重量%であり、より好ましくは5〜58重量%であり、さらに好ましくは5〜55重量%であり、特に好ましくは10〜50重量%、殊に好ましくは10〜40重量%である。
かかる含有量が多すぎる場合、コーティング組成物の粘度が高くなる傾向や、塗工性やレベリング性等が低下する傾向があり、少なすぎる場合、コーティング組成物の保存安定性が低下する傾向がある。
かかる含有量が多すぎる場合、コーティング組成物の粘度が高くなる傾向や、塗工性やレベリング性等が低下する傾向があり、少なすぎる場合、コーティング組成物の保存安定性が低下する傾向がある。
かかるコーティング組成物を作成するにあたり、上記エマルジョン(またはエマルジョン組成物)および所望により配合剤を配合した分散液を、通常1000〜3000rpm、好ましくは1500〜2500rpmにて、通常0.1〜60分、好ましくは0.1〜30分、特に好ましくは0.1〜15分間攪拌する。
かかる攪拌工程は、複数段階にて行うことが可能である。
かかる攪拌工程は、複数段階にて行うことが可能である。
得られるコーティング組成物の粘度は通常100〜20000mPa・sであり、より好ましくは300〜10000mPa・sであり、特に好ましくは450〜8000mPa・sである。なお、コーティング組成物の粘度は、B型粘度計により測定された値を採用する。かかる粘度を調整するために、水や水との混和性を有する炭素数が1〜4のアルコール類、ケトン類を配合することも可能である。
<塗膜の製造方法>
本発明の塗膜は、上記(A)エマルジョンと特定の(B)酸化グラフェン微粒子を含むコーティング組成物より得られるものであり、分散相と連続相を有する塗膜である。かかる塗膜は(A)エマルジョンの分散質たるアクリル系樹脂に由来する非水溶性の分散相が主成分であり、(A)エマルジョンの分散剤たるPVA系樹脂に由来する水溶性の連続相を微量有するものである。
本発明のコーティング組成物を、基材に塗工、熱処理することで塗膜を得ることができる。
本発明の塗膜は、上記(A)エマルジョンと特定の(B)酸化グラフェン微粒子を含むコーティング組成物より得られるものであり、分散相と連続相を有する塗膜である。かかる塗膜は(A)エマルジョンの分散質たるアクリル系樹脂に由来する非水溶性の分散相が主成分であり、(A)エマルジョンの分散剤たるPVA系樹脂に由来する水溶性の連続相を微量有するものである。
本発明のコーティング組成物を、基材に塗工、熱処理することで塗膜を得ることができる。
かかる基材としては特に制限はなく、その素材としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などの合成樹脂、ガラス、アルミ箔などの金属材料、紙、木などの天然材料が挙げられる。その形状としては、フィルム、シート、不織布、各種成形品などを挙げることができる。
上記熱可塑性樹脂とは例えば、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、アイオノマー樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の芳香族ポリエステル系樹脂;ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート等の脂肪族ポリエステル系樹脂;ナイロン−6、ナイロン6,6、メタキシリレンジアミン−アジピン酸縮重合物等のポリアミド系樹脂;ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル等のスチレン系樹脂;トリ酢酸セルロース、ジ酢酸セルロースなどのセルロース系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン等のハロゲン含有樹脂;ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、液晶ポリマー等のエンジニアリングプラスチック;等を挙げることができる。
また、コーティング組成物の塗布前に、かかるプラスチック基材に対しプラズマ処理、コロナ処理、電子線処理などによって基材表面を活性化することも好ましい。
上述の基材に本発明のコーティング組成物を塗工する方法としては、ダイレクトグラビア法、リバースグラビア法などのグラビア法;2本ロールビートコート法、ボトムフィード3本ロール法等のロールコーティング法;ドクターナイフ法;ダイコート法;ディップコート法;バーコート法;スプレー法、;など、公知の塗工法を用いることができる。
本発明のコーティング組成物を基材に塗工した後、熱処理することにより本発明の塗膜が得られる。かかる熱処理は、塗工層の厚さによって適宜調節すべきものである。熱処理温度は通常40〜200℃であり、好ましくは50〜150℃、特に好ましくは60〜120℃である。
また、熱処理時間も、上述の熱処理温度に応じて適宜調節されるものであるが、通常は0.1〜200時間であり、好ましくは0.5〜1時間である。
かかる熱処理は、複数段階にて行うことも可能である。また、特に基材として融点の低いポリオレフィン系樹脂(多孔質被膜、フィルム、不織布など)を用いる場合は、基材へのダメージを抑制するために波長制御乾燥システム(日本ガイシ社等)を用いて通常40℃〜90℃条件下にて乾燥を行うことが好ましい。
また、熱処理時間も、上述の熱処理温度に応じて適宜調節されるものであるが、通常は0.1〜200時間であり、好ましくは0.5〜1時間である。
かかる熱処理は、複数段階にて行うことも可能である。また、特に基材として融点の低いポリオレフィン系樹脂(多孔質被膜、フィルム、不織布など)を用いる場合は、基材へのダメージを抑制するために波長制御乾燥システム(日本ガイシ社等)を用いて通常40℃〜90℃条件下にて乾燥を行うことが好ましい。
かかる塗膜において(B)酸化グラフェン微粒子の含有量は、上記コーティング組成物における含有量と対応する。また、含有する酸化グラフェン微粒子はほぼ連続相中に存在する。したがって、酸化グラフェン微粒子を少量のみ配合するにもかかわらず、高レベルの耐熱性が得られる。
かかる塗膜の連続相における酸化グラフェン微粒子の含有量は、塗膜中に存在する酸化グラフェン微粒子の総重量の通常、95〜100重量%、好ましくは99〜100重量%である。
塗膜の分散相における酸化グラフェン微粒子の含有量は、塗膜中に存在する酸化グラフェン微粒子の総重量に対して通常、0〜5重量%、好ましくは0〜1重量%である。
かかる酸化グラフェン微粒子の連続相と分散相における含有量は、例えば塗膜を粘弾性測定装置に供して得られるグラフの各樹脂相のtanδピーク高さや、塗膜の電子顕微鏡写真より判断することが可能である。
かかる塗膜の連続相における酸化グラフェン微粒子の含有量は、塗膜中に存在する酸化グラフェン微粒子の総重量の通常、95〜100重量%、好ましくは99〜100重量%である。
塗膜の分散相における酸化グラフェン微粒子の含有量は、塗膜中に存在する酸化グラフェン微粒子の総重量に対して通常、0〜5重量%、好ましくは0〜1重量%である。
かかる酸化グラフェン微粒子の連続相と分散相における含有量は、例えば塗膜を粘弾性測定装置に供して得られるグラフの各樹脂相のtanδピーク高さや、塗膜の電子顕微鏡写真より判断することが可能である。
かくして得られた本発明のコーティング組成物により得られる塗膜の膜厚は、目的とする用途により適宜調節することが可能である。通常1〜500μmであり、特には5〜100μmであり、特に5〜50μm、殊に10〜30μmである。かかる膜厚が薄すぎると、塗膜の強度が低下する傾向があり、一方、膜厚が厚すぎると、透明性が低下する傾向がある。
本発明のコーティング組成物より得られる塗膜は、200℃以上の過酷な熱に晒された場合であっても体積変化が小さく、高レベルの耐熱性に優れるものである。
本発明のコーティング組成物より得られる塗膜(2mm×2mm×300μm)を、熱分析装置(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製TMA Q 400)を用いて、圧縮プローブにて荷重5gf/mm2、昇温速度10℃/minにて測定したフィルムの体積変化率は、220℃で通常−10〜+10%であり、250℃で通常−15〜+15%である。
本発明のコーティング組成物より得られる塗膜(2mm×2mm×300μm)を、熱分析装置(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製TMA Q 400)を用いて、圧縮プローブにて荷重5gf/mm2、昇温速度10℃/minにて測定したフィルムの体積変化率は、220℃で通常−10〜+10%であり、250℃で通常−15〜+15%である。
得られた塗膜は通常、基材との多層構造体として用いる。かかる多層構造体は、上記塗膜層のほか、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などの合成樹脂、ガラス、アルミ箔などの金属材料、紙、木などの天然材料層を含有していても良い。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
尚、実施例中「部」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
尚、実施例中「部」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
<評価方法>
(1)耐熱性評価
本発明のコーティング組成物より得られる塗膜(2mm×2mm×300μm)を、熱分析装置(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製TMA Q 400)を用いて、圧縮プローブにて荷重5gf/mm2、昇温速度10℃/min、にて25℃から250℃のフィルム体積変化率の測定を行なった。かかる結果より、220℃と250℃の体積変化率を読み取った。
(1)耐熱性評価
本発明のコーティング組成物より得られる塗膜(2mm×2mm×300μm)を、熱分析装置(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製TMA Q 400)を用いて、圧縮プローブにて荷重5gf/mm2、昇温速度10℃/min、にて25℃から250℃のフィルム体積変化率の測定を行なった。かかる結果より、220℃と250℃の体積変化率を読み取った。
(2)粘弾性評価(測定周波数:10Hz、昇温速度:3℃/分、測定温度範囲:−50℃〜150℃)
コーティング組成物より得られる塗膜(25mm×5mm×50μm)を粘弾性測定装置DVA−225 (アイティー計測制御社製)によって測定し、アクリル系樹脂及びPVA系樹脂の各成分の非晶部の分子運動性の拘束の程度をtanδのピーク高さで比較/判断した。tanδのピーク高さが小さくなるほど非晶部の分子運動性が低下し、耐熱性が向上していると判断出来る。
コーティング組成物より得られる塗膜(25mm×5mm×50μm)を粘弾性測定装置DVA−225 (アイティー計測制御社製)によって測定し、アクリル系樹脂及びPVA系樹脂の各成分の非晶部の分子運動性の拘束の程度をtanδのピーク高さで比較/判断した。tanδのピーク高さが小さくなるほど非晶部の分子運動性が低下し、耐熱性が向上していると判断出来る。
[実施例1]
<コーティング組成物が含有する(A)エマルジョンの作製>
エマルジョンの分散媒として水、分散剤として上記化学式(1a)に示す1,2−ジオール構造単位を側鎖に含有するポリビニルアルコール樹脂(けん化度;98.5モル%、平均重合度300,1,2−ジオール構造単位含有量;8モル%)を用い、分散質たるアクリル系樹脂となるアクリル系モノマーとして、ブチルアクリレート/メチルメタクリレート=55/45(重量比)の混合モノマーを用いた。
水715部に上記化学式(1a)に示す1,2−ジオール構造単位を側鎖に含有するポリビニルアルコール樹脂(けん化度;98.5モル%、平均重合度300,1,2−ジオール構造単位含有量;8モル%)を46.2部溶解させた水溶液を作製した。また、アクリル系モノマーたるブチルアクリレート/メチルメタクリレート=55/45(重量比)の混合モノマーを700部用意した。
<コーティング組成物が含有する(A)エマルジョンの作製>
エマルジョンの分散媒として水、分散剤として上記化学式(1a)に示す1,2−ジオール構造単位を側鎖に含有するポリビニルアルコール樹脂(けん化度;98.5モル%、平均重合度300,1,2−ジオール構造単位含有量;8モル%)を用い、分散質たるアクリル系樹脂となるアクリル系モノマーとして、ブチルアクリレート/メチルメタクリレート=55/45(重量比)の混合モノマーを用いた。
水715部に上記化学式(1a)に示す1,2−ジオール構造単位を側鎖に含有するポリビニルアルコール樹脂(けん化度;98.5モル%、平均重合度300,1,2−ジオール構造単位含有量;8モル%)を46.2部溶解させた水溶液を作製した。また、アクリル系モノマーたるブチルアクリレート/メチルメタクリレート=55/45(重量比)の混合モノマーを700部用意した。
攪拌機と還流冷却器を備えたステンレス製反応容器に上記水溶液を仕込み、反応容器の温度を80℃に保った。
ここに、一段目の乳化重合用モノマーとして、上記混合モノマー〔ブチルアクリレート/メチルメタクリレート=55/45(重量比)〕を70部配合し、重合開始剤として過硫酸アンモニウム水溶液(10重量%濃度)を5.7部配合し、一段目の重合反応を開始した。反応温度を80℃にて、1時間重合を行った。
次いで2段目の乳化重合用モノマーとして、上記混合モノマー630部を用い、重合開始剤として前記過硫酸アンモニウム水溶液を11.3部を用いた。これらを反応容器に4時間かけて滴下しながら重合を続けた。
上記2段目の乳化重合終了後(すなわち滴下終了後)に、前記過硫酸アンモニウム水溶液を1.9部配合した、同80℃で1時間の追い込み重合を続けた。
ここに、一段目の乳化重合用モノマーとして、上記混合モノマー〔ブチルアクリレート/メチルメタクリレート=55/45(重量比)〕を70部配合し、重合開始剤として過硫酸アンモニウム水溶液(10重量%濃度)を5.7部配合し、一段目の重合反応を開始した。反応温度を80℃にて、1時間重合を行った。
次いで2段目の乳化重合用モノマーとして、上記混合モノマー630部を用い、重合開始剤として前記過硫酸アンモニウム水溶液を11.3部を用いた。これらを反応容器に4時間かけて滴下しながら重合を続けた。
上記2段目の乳化重合終了後(すなわち滴下終了後)に、前記過硫酸アンモニウム水溶液を1.9部配合した、同80℃で1時間の追い込み重合を続けた。
その後、室温まで冷却して、(A)エマルジョンを得た。かかるエマルジョンの樹脂固形分は、105℃、3時間乾燥による乾燥減量法により測定し、50.7重量%であった。
かかる(A)エマルジョンにポリビニルアルコール水溶液(20重量%濃度)(ポリビニルアルコールのケン化度:89モル%、平均重合度:500)を356重量部配合し、エマルジョン(A)を含むエマルジョン組成物を得た。
かかるエマルジョン組成物の樹脂固形分は、105℃、3時間乾燥による乾燥減量法により測定し、44.6重量%であった。
かかる(A)エマルジョンにポリビニルアルコール水溶液(20重量%濃度)(ポリビニルアルコールのケン化度:89モル%、平均重合度:500)を356重量部配合し、エマルジョン(A)を含むエマルジョン組成物を得た。
かかるエマルジョン組成物の樹脂固形分は、105℃、3時間乾燥による乾燥減量法により測定し、44.6重量%であった。
<コーティング組成物の作製>
上記エマルジョン組成物を用いた。また、酸化グラフェン微粒子として酸化グラフェン微粒子分散液(三菱瓦斯化学社製、”nanoGRAX(R)”酸化グラフェン微粒子含有量1重量%)を用いた。
上記エマルジョン組成物を用いた。また、酸化グラフェン微粒子として酸化グラフェン微粒子分散液(三菱瓦斯化学社製、”nanoGRAX(R)”酸化グラフェン微粒子含有量1重量%)を用いた。
かかるエマルジョン組成物100重量部、上記酸化グラフェン微粒子を55.8重量部(酸化グラフェン0.558重量部に相当)配合し、ニーダー(Thinky社製、錬太郎ARE−250)で2000rpmにて10分、その後2200rpmにて0.5分攪拌し、本発明のコーティング組成物を得た。
かかるコーティング組成物における樹脂固形分は28.6重量%である。かかるコーティング組成物におけるエマルジョン(A)の樹脂固形分は26.1重量%である。かかるコーティング組成物におけるエマルジョン(A)の樹脂固形分100重量部に対する酸化グラフェン微粒子の含有量は、1.37重量部である。
(1)の耐熱性評価用のサンプルについては次のように調整した。得られたコーティング組成物を、アルミカップに注ぎ込み、かかる試料を、23℃にて48時間保持し、次に105℃にて3時間保持することでフィルムを作成した。かかるフィルムは、アルミカップから、スパチュラにて剥し、五酸化燐入りデシケータで1週間乾燥させた。
(2)の粘弾性評価用のサンプルについては次のように調整した。得られたコーティング組成物を、350umアプリケーターを用いて、ポリテトラフルオロエチレン(以下PTFEと称することがある)シート上にキャストした。かかる試料を、23℃にて48時間保持し、次に105℃にて3時間保持することでフィルムを作成した。かかるフィルムは、PTFEシートから、スパチュラにて剥し、五酸化燐入りデシケータで1週間乾燥させた。
得られたフィルムについて、上記(1)(2)の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1において、酸化グラフェン微粒子の配合量を223.0重量部(酸化グラフェン分2.23重量部に相当)、とした以外は、実施例1と同様にしてコーティング組成物およびフィルムを作成し、同様の評価を行った。
かかるコーティング組成物における樹脂固形分含有量は13.8重量%である。かかるコーティング組成物におけるエマルジョン(A)の樹脂固形分は12.6重量%である。かかるコーティング組成物におけるエマルジョン(A)の樹脂固形分100重量部に対する酸化グラフェン微粒子の含有量は、5.48重量部である。
得られたフィルムについて、上記(1)(2)の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、酸化グラフェン微粒子の配合量を223.0重量部(酸化グラフェン分2.23重量部に相当)、とした以外は、実施例1と同様にしてコーティング組成物およびフィルムを作成し、同様の評価を行った。
かかるコーティング組成物における樹脂固形分含有量は13.8重量%である。かかるコーティング組成物におけるエマルジョン(A)の樹脂固形分は12.6重量%である。かかるコーティング組成物におけるエマルジョン(A)の樹脂固形分100重量部に対する酸化グラフェン微粒子の含有量は、5.48重量部である。
得られたフィルムについて、上記(1)(2)の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、酸化グラフェン微粒子を添加しない以外は、実施例1と同様にしてコーティング組成物およびフィルムを作成し、同様の評価を行った。
かかるコーティング組成物における樹脂固形分含有量は44.6重量%である。かかるコーティング組成物におけるエマルジョン(A)の樹脂固形分は40.7重量%である。
得られたフィルムについて、上記(1)(2)の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、酸化グラフェン微粒子を添加しない以外は、実施例1と同様にしてコーティング組成物およびフィルムを作成し、同様の評価を行った。
かかるコーティング組成物における樹脂固形分含有量は44.6重量%である。かかるコーティング組成物におけるエマルジョン(A)の樹脂固形分は40.7重量%である。
得られたフィルムについて、上記(1)(2)の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1において、金属酸化物微粒子として平均粒径13nmの球状(アスペクト比=1)の酸化アルミニウム微粒子(AEROXIDE Alu C、日本アエロジル社製)の粉末を1.25重量部用いた以外は、実施例1と同様にしてコーティング組成物およびフィルムを作成し、同様の評価を行った。
かかるコーティング組成物における樹脂固形分含有量は44.4重量%である。かかるコーティング組成物におけるエマルジョン(A)の樹脂固形分は40.5重量%である。かかるコーティング組成物におけるエマルジョン(A)の樹脂固形分100重量部に対する酸化グラフェン微粒子の含有量は、1.37重量部である。
得られたフィルムについて、上記(1)(2)の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、金属酸化物微粒子として平均粒径13nmの球状(アスペクト比=1)の酸化アルミニウム微粒子(AEROXIDE Alu C、日本アエロジル社製)の粉末を1.25重量部用いた以外は、実施例1と同様にしてコーティング組成物およびフィルムを作成し、同様の評価を行った。
かかるコーティング組成物における樹脂固形分含有量は44.4重量%である。かかるコーティング組成物におけるエマルジョン(A)の樹脂固形分は40.5重量%である。かかるコーティング組成物におけるエマルジョン(A)の樹脂固形分100重量部に対する酸化グラフェン微粒子の含有量は、1.37重量部である。
得られたフィルムについて、上記(1)(2)の評価を行った。結果を表1に示す。
[表1]
実施例1または2のように、酸化グラフェンを配合した本発明のコーティング組成物より得られるフィルムにおいて、220℃ならびに250℃のフィルム体積変化率がともに±10%以下となり、優れる結果となった。
これに対して酸化グラフェンを未配合のフィルム(比較例1)ならびに酸化アルミニウム微粒子を配合して得られたフィルム(比較例2)は体積変化率が15%以上となり、これより、本発明の効果の優位性が明らかである。
また、フィルム粘弾性のtanδピーク高さについて、酸化グラフェン微粒子を配合していない比較例1のフィルムと比較して、実施例1および2のフィルムにおけるピーク高さがPVA樹脂相、エマルジョン樹脂相共に低減していた。このことは、各樹脂と酸化グラフェン微粒子の相互作用が強く、フィルムとしての強度に優れていることを示唆している。
以上の結果より、本発明のコーティング組成物は、例えば200℃を超える過酷な熱に対する、高レベルの耐熱性が非常に優れていることが明らかである。
これに対して酸化グラフェンを未配合のフィルム(比較例1)ならびに酸化アルミニウム微粒子を配合して得られたフィルム(比較例2)は体積変化率が15%以上となり、これより、本発明の効果の優位性が明らかである。
また、フィルム粘弾性のtanδピーク高さについて、酸化グラフェン微粒子を配合していない比較例1のフィルムと比較して、実施例1および2のフィルムにおけるピーク高さがPVA樹脂相、エマルジョン樹脂相共に低減していた。このことは、各樹脂と酸化グラフェン微粒子の相互作用が強く、フィルムとしての強度に優れていることを示唆している。
以上の結果より、本発明のコーティング組成物は、例えば200℃を超える過酷な熱に対する、高レベルの耐熱性が非常に優れていることが明らかである。
本発明のコーティング剤およびそれから得られるフィルム、多層構造体は、高レベルの耐熱性を有するため、自動車のインストゥルメントパネル、建物外壁や屋外設置ディスプレイパネル等、使用中に直射日光に晒され高温になったり、又は各種2次イオン電池用セパレータ等、発熱等が起こる環境下に晒される部材を保護し、かつ体積変化が抑制される塗膜およびそれを含有する多層構造体を形成するコーティング組成物として有用である。
Claims (7)
- (A)ポリビニルアルコール系樹脂を分散剤、アクリル系樹脂を分散質、水を分散媒に有するエマルジョン、および(B)酸化グラフェン微粒子を含むコーティング組成物。
- 上記ポリビニルアルコール系樹脂が、下記化学式(1)で示される構造単位を有するポリビニルアルコール系樹脂である請求項1記載のコーティング組成物。
- コーティング組成物における(B)酸化グラフェン微粒子の配合量が、コーティング組成物中の(A)エマルジョンの樹脂固形分100重量部に対して0.05〜10重量部である請求項1または2記載のコーティング組成物。
- 第2のポリビニルアルコール系樹脂を有する請求項1〜3いずれか記載のコーティング組成物。
- 請求項1〜4記載のコーティング組成物より得られる塗膜。
- 基材上に請求項5記載の塗膜層を有する多層構造体。
- 請求項1〜4に記載のコーティング組成物を基材上に塗布、製膜して多層構造体を得る多層構造体の製造方法。
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