JP5808626B2 - 化成処理めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
[1]Al/Zn/Zn2Mgの三元共晶組織を含むめっき層を有する溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板と、前記溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板の表面に形成された、リン酸塩の結晶粒子を含むリン酸塩皮膜と、前記リン酸塩皮膜上に形成された、膜厚0.5〜10μmの化成処理皮膜と、を有する化成処理めっき鋼板であって;前記リン酸塩皮膜の形成面において、前記リン酸塩の結晶粒子は、前記溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板の表面の50面積%以上を被覆しており;前記化成処理皮膜は、カルボキシル基、スルホン酸基およびこれらの塩からなる群から選ばれる親水性官能基0.05〜5質量%とF原子7〜20質量%とを含有するフッ素含有樹脂と、前記フッ素含有樹脂に対して金属換算で0.1〜5質量%の4A族金属化合物と、平均粒子径0.1〜10μmの樹脂粒子とを含有し;前記化成処理皮膜の表面における前記樹脂粒子の面積占有率は、0.1面積%以上である、化成処理めっき鋼板。
[2]前記フッ素含有樹脂が有するカルボキシル基とスルホン酸基との比率は、カルボキシル基/スルホン酸基のモル比で5〜60の範囲内である、[1]に記載の化成処理めっき鋼板。
[3]前記樹脂粒子は、ポリエチレン樹脂粒子の表面にフッ素樹脂微粒子が結合されているポリエチレン−フッ素樹脂粒子である、[1]または[2]に記載の化成処理めっき鋼板。
[4]前記化成処理皮膜は、さらにポリエチレン樹脂を含有し;前記ポリエチレン−フッ素樹脂粒子は、前記化成処理皮膜の表面の一部において、前記化成処理皮膜の表面から突出しており;前記ポリエチレン樹脂は、前記化成処理皮膜の表面の残部の全部または一部を被覆している、[3]に記載の化成処理めっき鋼板。
[5]前記化成処理皮膜は、さらにリン酸塩を含有し;前記フッ素含有樹脂に対する前記リン酸塩の量は、P換算で0.05〜3質量%の範囲内である、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の化成処理めっき鋼板。
[6]前記化成処理皮膜は、さらにシランカップリング剤を含有し;前記フッ素含有樹脂に対する前記シランカップリング剤の量は、0.5〜5質量%の範囲内である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の化成処理めっき鋼板。
[7]前記4A族金属は、Ti、Zr、Hfおよびこれらの組み合わせからなる群から選ばれる、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の化成処理めっき鋼板。
[8]Al/Zn/Zn2Mgの三元共晶組織を含むめっき層を有する溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板を準備するステップと、前記溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板の表面に、リン酸イオン換算で0.03〜0.5モル/Lのリン酸塩を含有するリン酸塩処理液を塗布し、乾燥させて、リン酸塩の結晶粒子を含むリン酸塩皮膜を形成するステップと、前記リン酸塩皮膜上に化成処理液を塗布し、乾燥させて、膜厚が0.5〜10μmの化成処理皮膜を形成するステップとを含み;前記化成処理液は、カルボキシル基、スルホン酸基およびこれらの塩からなる群から選ばれる親水性官能基0.05〜5質量%とF原子7〜20質量%とを含有し、数平均分子量が1000〜200万の範囲内であるフッ素含有樹脂と、4A族金属の酸素酸塩、フッ化物、水酸化物、有機酸塩、炭酸塩または過酸化塩のいずれかと、平均粒子径が0.1〜10μmの樹脂粒子とを含有し;前記フッ素含有樹脂に対する、前記4A族金属の酸素酸塩、フッ化物、水酸化物、有機酸塩、炭酸塩または過酸化塩の量は、金属換算で0.1〜5質量%の範囲内であり;前記化成処理液中の固形分に対する、前記樹脂粒子の量は、0.5〜20質量%の範囲内である、化成処理めっき鋼板の製造方法。
[9]前記フッ素含有樹脂が有するカルボキシル基とスルホン酸基との比率は、カルボキシル基/スルホン酸基のモル比で5〜60の範囲内である、[8]に記載の化成処理めっき鋼板の製造方法。
[10]前記樹脂粒子は、ポリエチレン樹脂粒子の表面にフッ素樹脂微粒子が結合されているポリエチレン−フッ素樹脂粒子である、[8]または[9]に記載の化成処理めっき鋼板の製造方法。
[11]前記化成処理液は、さらにポリエチレン樹脂粒子を含有する、[10]に記載の化成処理めっき鋼板の製造方法。
[12]前記化成処理液は、さらにリン酸塩を含有し;前記フッ素含有樹脂に対する前記リン酸塩の量は、P換算で0.05〜3質量%の範囲内である、[8]〜[11]のいずれか一項に記載の化成処理めっき鋼板の製造方法。
[13]前記化成処理液は、さらにシランカップリング剤を含有し;前記フッ素含有樹脂に対する前記シランカップリング剤の量は、0.5〜5質量%の範囲内である、[8]〜[12]のいずれか一項に記載の化成処理めっき鋼板の製造方法。
[14]前記4A族金属は、Ti、Zr、Hfおよびこれらの組み合わせからなる群から選ばれる、[8]〜[13]のいずれか一項に記載の化成処理めっき鋼板の製造方法。
[15]前記リン酸塩処理液は、Ni、Co、FeおよびMnからなる群から選ばれる金属イオンを0.01〜0.5モル/Lの濃度でさらに含有する、[8]〜[14]のいずれか一項に記載の化成処理めっき鋼板の製造方法。
[16]前記リン酸塩処理液は、−NH2または=NHの少なくとも一方の官能基を有し、数平均分子量が200〜30000のポリアミン系有機インヒビターを0.01〜5質量%の濃度でさらに含有する、[8]〜[15]のいずれか一項に記載の化成処理めっき鋼板の製造方法。
[17]前記ポリアミン系有機インヒビターは、ポリエチルアミン、ポリエチレンイミン、ポリエーテルアミンおよびポリアミノアクリレートからなる群から選ばれる1種類または2種類以上の脂肪族アミンである、[16]に記載の化成処理めっき鋼板の製造方法。
本発明の化成処理めっき鋼板は、溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板(化成処理原板)と、溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板の表面に形成されたリン酸塩皮膜と、リン酸塩皮膜の上に形成された化成処理皮膜とを有する。本発明の化成処理めっき鋼板は、化成処理皮膜が親水性官能基(カルボキシル基やスルホン酸基など)を導入した高分子量のフッ素含有樹脂、4A族金属化合物および樹脂粒子(潤滑剤)を含むことを一つの特徴とする。
化成処理原板としては、耐食性および意匠性に優れる溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板が使用される。
リン酸塩皮膜は、上述の溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板(化成処理原板)の表面に形成されている。リン酸塩皮膜は、リン酸塩の結晶粒子を主成分として含み、その他の成分としてNiやCo、Fe、Mnなどの金属元素や脂肪族アミンなど(後述)を含んでいてもよい。リン酸塩皮膜は、必ずしも溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板の表面を完全に被覆しているわけではなく、リン酸塩の結晶粒子間では、溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板の表面が露出していることもある。リン酸塩皮膜は、従来から知られているように耐食性やその上に形成される化成処理皮膜の密着性を向上させるだけでなく、リン酸塩の結晶粒子が光を散乱させることにより防眩性も向上させる。
化成処理皮膜は、上述のリン酸塩皮膜の上に形成されている。化成処理皮膜は、リン酸塩の結晶粒子の上だけでなく、リン酸塩の結晶粒子間の空隙にも形成されていてよい。リン酸塩の結晶粒子間の空隙では、化成処理皮膜はめっき層の表面に直接接触していることもある。化成処理皮膜は、溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板の耐候性や耐黒変性、加工性(潤滑性)などを向上させる。
化成処理皮膜は、フッ素含有樹脂、より具体的にはフッ素含有オレフィン樹脂を主成分として含む。化成処理皮膜に主成分として含まれるフッ素含有樹脂の量は、70〜99質量%の範囲内が好ましい。前述の通り、化成処理皮膜を構成する有機樹脂としてフッ素含有樹脂を用いることで、化成処理皮膜の耐候性(耐紫外線性)を向上させることができる。
化成処理皮膜は、4A族金属化合物を含む。4A族金属化合物は、水系フッ素含有樹脂中のカルボキシル基やスルホン酸基などの官能基と反応しやすく、水系フッ素含有樹脂の硬化または架橋反応を促進する。そのため、低温乾燥でも化成処理皮膜の耐水性を向上させることができる。
化成処理皮膜は、樹脂粒子を含む。樹脂粒子は、化成処理皮膜中に分散しており、少なくともその一部は化成処理皮膜の表面において露出(突出)している(図3C参照)。化成処理皮膜の表面において突出している樹脂粒子は、成形加工時に「コロ」のように機能することで、化成処理皮膜表面の潤滑性を向上させる。その結果、化成処理めっき鋼板の加工性を向上させることができる。
化成処理皮膜がポリエチレン−フッ素樹脂粒子を含む場合、化成処理皮膜は、さらにポリエチレン樹脂を含むことが好ましい。通常、ポリエチレン樹脂は、化成処理皮膜の表面のうち、ポリエチレン−フッ素樹脂粒子が突出していない領域の全部または一部を被覆している(図2C参照)。この化成処理皮膜の表面を被覆しているポリエチレン樹脂は、製造工程において化成処理皮膜の表面にブリードしたポリエチレン樹脂である。ポリエチレン樹脂粒子は、ポリエチレン−フッ素樹脂粒子と共に化成処理皮膜表面の潤滑性を向上させることで、化成処理めっき鋼板の加工性をさらに向上させる。
化成処理皮膜は、さらにリン酸塩を含むことが好ましい。リン酸塩は、めっき層表面と化成処理皮膜とが直接接触している領域において、めっき層表面と反応して、化成処理皮膜の溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板への密着性を向上させる。
化成処理皮膜は、さらにシランカップリング剤を含むことが好ましい。シランカップリング剤を配合することで、化成処理皮膜の密着性をより向上させることができる。シランカップリング剤としては、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、アルコキシ基、ビニル基、スチリル基、イソシアネート基、クロロプロピル基などの官能基を1種類または2種類以上含むシラン化合物が使用される。
本発明の化成処理めっき鋼板の製造方法は、特に限定されないが、例えば以下の方法により製造されうる。
第1のステップでは、化成処理原板として前述の溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板を準備する。
第2のステップでは、リン酸塩処理液を準備する。
第3のステップでは、第1のステップで準備した溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板の表面に、リン酸塩皮膜を形成する。リン酸塩皮膜を形成するには、第2のステップで準備したリン酸塩処理液を第1のステップで準備した溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板の表面に塗布し、リン酸塩を析出させた後、洗浄し、乾燥させればよい。
第4のステップでは、前述の親水性官能基を有するフッ素含有樹脂(好ましくは、フッ素含有オレフィン樹脂)、4A族金属化合物および樹脂粒子を含む化成処理液を準備する。
第5のステップでは、第3のステップでリン酸塩皮膜を形成した溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板の表面に、化成処理皮膜を形成する。化成処理皮膜を形成するには、第4のステップで準備した化成処理液を第3のステップでリン酸塩皮膜を形成した溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板の表面に塗布し、乾燥させればよい。
1.化成処理めっき鋼板の作製
(1)化成処理原板の準備
板厚0.8mmのSPCCを基材として、溶融Zn−6質量%Al−3質量%Mg合金めっき鋼板(めっき付着量45g/m2)を作製した。本実施例では、この溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板を化成処理原板として使用した。
60℃に加温した表1に示す組成のリン酸塩処理液に、溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板をスプレー処理方式で5秒間接触させ、水洗、乾燥して、リン酸塩皮膜を形成した。リン酸塩皮膜の付着量を蛍光X線分析装置を用いて測定したところ、1.5g/m2であった。また、めっき鋼板表面におけるリン酸塩結晶の被覆率を走査型電子顕微鏡を用いて測定したところ、95%であった。
次いで、リン酸塩皮膜を形成した溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板の表面に、表2に示す組成の化成処理液を塗布し、到達板温140℃で加熱乾燥して、膜厚2.0μmの化成処理皮膜を形成した。
(1)促進耐候性試験
各化成処理めっき鋼板から試験片を切り出し、JIS K5600−7−7:2008に準拠して促進耐候性試験(キセノンランプ法)を実施した。本試験では、キセノンアーク灯の光を120分間照射する間に18分間水を噴射する工程を1サイクル(2時間)とし、この工程を0〜2000サイクル(0、1000、2000サイクル)繰り返した。
各化成処理めっき鋼板について、促進耐候試験前後の化成処理皮膜の厚さを断面検鏡により測定し、塗膜残存率を求めた。各化成処理めっき鋼板について、塗膜残存率が95%以上の場合は「◎」、80%以上95%未満の場合は「○」、60%以上80%未満の場合は「△」、30%以上60%未満の場合は「▲」、30%未満の場合は「×」と評価した。
各化成処理めっき鋼板について、促進耐候試験前後の化成処理皮膜の表面の明度差(ΔL*値)を測定し、耐黒変性を評価した。各化成処理めっき鋼板について、明度差(ΔL*値)が1以下の場合は「◎」、1を超え2以下の場合は「○」、2を超え5以下の場合は「△」、5を超え10以下の場合は「▲」、10を超える場合は「×」と評価した。
各化成処理めっき鋼板について、促進耐候試験後の試験片を用いて塩水噴霧試験(JIS Z2371に準拠;120時間)を行い、平坦部の白錆発生面積率を評価した。各化成処理めっき鋼板について、白錆発生面積率が5%以下の場合は「◎」、5%を超え10%以下の場合は「○」、10%を超え30%以下の場合は「△」、30%を超え50%以下の場合は「▲」、50%を超える場合は「×」と評価した。
各化成処理めっき鋼板から幅30mm、長さ300mmの試験片を切り出した。各試験片の両面にSKD11製の金型を接触させ、金型を介して600kgfの荷重を加えながら試験片を100mm/分の速度で引き抜いた。このときの引き抜き力を測定して、潤滑性を評価した。各化成処理めっき鋼板について、引き抜き力が200kgf以下の場合は「◎」、200kgfを超え250kgf以下の場合は「○」、250kgfを超え300kgf以下の場合は「△」、300kgfを超え400kgf以下の場合は「▲」、400kgfを超える場合は「×」と評価した。
各化成処理めっき鋼板について、化成処理皮膜の表面の60度鏡面光沢度を測定し、防眩性を評価した。60度鏡面光沢度の測定は、光沢度計を用いてJIS Z8741に準拠して行った。各化成処理めっき鋼板について、60度鏡面光沢度が100未満の場合は「◎」、100以上150未満の場合は「○」、150以上200未満の場合は「△」、200以上の場合は「×」と評価した。
[耐水密着性]
各化成処理めっき鋼板から試験片を切り出し、耐水密着性試験を行った。各試験片を90℃の熱水に2時間浸漬した後、熱水から引き上げた。熱水処理後の試験片を用いて碁盤目試験(JIS K5400に準拠)を行い、塗膜残存率を測定した。各試験片について、塗膜残存率が100%の場合は「◎」、80%以上100%未満の場合は「○」、60%以上80%未満の場合は「△」、30%以上60%未満の場合は「▲」、30%未満の場合は「×」として皮膜密着性を評価した。
各化成処理めっき鋼板から試験片を切り出し、加工密着性試験を行った。各試験片をエリクセン5mmで張り出し加工した。耐水密着性試験と同様に、加工後の試験片を用いて、碁盤目試験(JIS K5400に準拠)を行い、塗膜残存率を測定した。各試験片について、塗膜残存率が100%の場合は「◎」、80%以上100%未満の場合は「○」、60%以上80%未満の場合は「△」、30%以上60%未満の場合は「▲」、30%未満の場合は「×」として皮膜密着性を評価した。
各化成処理めっき鋼板(実施例1〜7、比較例1〜13)についての、リン酸塩皮膜の有無、使用した化成処理液の種類、ならびに耐候性試験、耐黒変性試験および平坦部耐食性試験の評価結果を表5に示す。また、各化成処理めっき鋼板(実施例1〜7、比較例1〜13)についての、リン酸塩皮膜の有無、使用した処理液の種類、ならびに防眩性試験および皮膜密着性の評価結果を表6に示す。
参考実験として、フッ素樹脂皮膜中の4A族金属の量および乳化剤の量と、透湿度との関係を調べた結果を示す。
120 化成処理液の塗膜
120’ 化成処理皮膜
122 ポリエチレン−フッ素樹脂粒子
124 ポリエチレン樹脂粒子
124’ ブリードしたポリエチレン樹脂
Claims (13)
- Al/Zn/Zn2Mgの三元共晶組織を含むめっき層を有する溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板と、
前記溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板の表面に形成された、リン酸塩の結晶粒子を含むリン酸塩皮膜と、
前記リン酸塩皮膜上に形成された、膜厚0.5〜10μmの化成処理皮膜と、を有する化成処理めっき鋼板であって、
前記リン酸塩皮膜の形成面において、前記リン酸塩の結晶粒子は、前記溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板の表面の50面積%以上を被覆しており、
前記化成処理皮膜は、カルボキシル基、スルホン酸基およびこれらの塩からなる群から選ばれる親水性官能基0.05〜5質量%とF原子7〜20質量%とを含有するフッ素含有樹脂と、前記フッ素含有樹脂に対して金属換算で0.1〜5質量%の4A族金属化合物と、平均粒子径0.1〜10μmの樹脂粒子とを含有し、
前記化成処理皮膜の表面における前記樹脂粒子の面積占有率は、0.1面積%以上であり、
前記樹脂粒子は、ポリエチレン樹脂粒子の表面にフッ素樹脂微粒子が結合されているポリエチレン−フッ素樹脂粒子であり、かつ前記化成処理皮膜の表面の一部において、前記化成処理皮膜の表面から突出しており、
前記4A族金属は、Ti、Zr、Hfおよびこれらの組み合わせからなる群から選ばれる、
化成処理めっき鋼板。 - 前記フッ素含有樹脂が有するカルボキシル基とスルホン酸基との比率は、カルボキシル基/スルホン酸基のモル比で5〜60の範囲内である、請求項1に記載の化成処理めっき鋼板。
- 前記化成処理皮膜は、さらにポリエチレン樹脂を含有し、
前記ポリエチレン樹脂は、前記化成処理皮膜の表面の残部の全部または一部を被覆している、
請求項1に記載の化成処理めっき鋼板。 - 前記化成処理皮膜は、さらにリン酸塩を含有し、
前記フッ素含有樹脂に対する前記リン酸塩の量は、P換算で0.05〜3質量%の範囲内である、
請求項1に記載の化成処理めっき鋼板。 - 前記化成処理皮膜は、さらにシランカップリング剤を含有し、
前記フッ素含有樹脂に対する前記シランカップリング剤の量は、0.5〜5質量%の範囲内である、
請求項1に記載の化成処理めっき鋼板。 - Al/Zn/Zn2Mgの三元共晶組織を含むめっき層を有する溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板を準備するステップと、
前記溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板の表面に、リン酸イオン換算で0.03〜0.5モル/Lのリン酸塩を含有するリン酸塩処理液を塗布し、乾燥させて、リン酸塩の結晶粒子を含むリン酸塩皮膜を形成するステップと、
前記リン酸塩皮膜上に化成処理液を塗布し、乾燥させて、膜厚が0.5〜10μmの化成処理皮膜を形成するステップとを含み、
前記化成処理液は、カルボキシル基、スルホン酸基およびこれらの塩からなる群から選ばれる親水性官能基0.05〜5質量%とF原子7〜20質量%とを含有し、数平均分子量が1000〜200万の範囲内であるフッ素含有樹脂と、4A族金属の酸素酸塩、フッ化物、水酸化物、有機酸塩、炭酸塩または過酸化塩のいずれかと、平均粒子径が0.1〜10μmの樹脂粒子とを含有し、
前記フッ素含有樹脂に対する、前記4A族金属の酸素酸塩、フッ化物、水酸化物、有機酸塩、炭酸塩または過酸化塩の量は、金属換算で0.1〜5質量%の範囲内であり、
前記化成処理液中の固形分に対する、前記樹脂粒子の量は、0.5〜20質量%の範囲内であり、
前記樹脂粒子は、ポリエチレン樹脂粒子の表面にフッ素樹脂微粒子が結合されているポリエチレン−フッ素樹脂粒子であり、
前記4A族金属は、Ti、Zr、Hfおよびこれらの組み合わせからなる群から選ばれ、
前記化成処理皮膜を形成するステップにおける前記化成処理液の乾燥温度は、前記ポリエチレン−フッ素樹脂粒子の少なくとも一部が溶融しない温度である、
化成処理めっき鋼板の製造方法。 - 前記フッ素含有樹脂が有するカルボキシル基とスルホン酸基との比率は、カルボキシル基/スルホン酸基のモル比で5〜60の範囲内である、請求項6に記載の化成処理めっき鋼板の製造方法。
- 前記化成処理液は、さらにポリエチレン樹脂粒子を含有する、請求項6に記載の化成処理めっき鋼板の製造方法。
- 前記化成処理液は、さらにリン酸塩を含有し、
前記フッ素含有樹脂に対する前記リン酸塩の量は、P換算で0.05〜3質量%の範囲内である、
請求項6に記載の化成処理めっき鋼板の製造方法。 - 前記化成処理液は、さらにシランカップリング剤を含有し、
前記フッ素含有樹脂に対する前記シランカップリング剤の量は、0.5〜5質量%の範囲内である、
請求項6に記載の化成処理めっき鋼板の製造方法。 - 前記リン酸塩処理液は、Ni、Co、FeおよびMnからなる群から選ばれる金属イオンを0.01〜0.5モル/Lの濃度でさらに含有する、請求項6に記載の化成処理めっき鋼板の製造方法。
- 前記リン酸塩処理液は、−NH2または=NHの少なくとも一方の官能基を有し、数平均分子量が200〜30000のポリアミン系有機インヒビターを0.01〜5質量%の濃度でさらに含有する、請求項6に記載の化成処理めっき鋼板の製造方法。
- 前記ポリアミン系有機インヒビターは、ポリエチルアミン、ポリエチレンイミン、ポリエーテルアミンおよびポリアミノアクリレートからなる群から選ばれる1種類または2種類以上の脂肪族アミンである、請求項12に記載の化成処理めっき鋼板の製造方法。
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