JP2015077629A - レーザ加工方法及び加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザを用いて加工対象物の表面を研磨する、あるいは加工対象物の表面に合わせて形状加工する等の場合に、エネルギー密度がほぼ一定となる光軸方向の長さを大きくし、熱影響による不良の発生を防止して良好な加工面を得る。【解決手段】加工対象物の表面にレーザビームを集光させて、該表面を加工するレーザ加工方法であって、レーザビームの光軸と直交する一の半径方向をx方向、該x方向に直交する半径方向をy方向とするとき、レーザビームの拡がり角をx方向とy方向とで異ならせて伝搬させた後に集光させるによって、レーザビームのエネルギー密度が加工対象物の材料の加工閾値以上で、且つほぼ一定となる光軸方向の長さを大きくする。【選択図】 図1
Description
本発明は、加工対象物の表面を研磨する、あるいは加工対象物の表面に合わせて形状加工する等の場合に有効なレーザ加工方法及び加工装置に関する。
切削工具の切刃に用いられるインサートのチャンファー加工やホーニング加工をレーザを用いて行う場合、集光したビームの側面を加工対象物の表面に当て、目標とする形態に倣ってビームを走査することにより、加工対象物の表面を研磨する方法が知られている。
このようなレーザ研磨加工では、加工時間の短縮のため、zステージ(試料台)の移動などによりビームの焦点位置を変えることなく、z方向(ビーム伝搬方向)に深い領域まで研磨加工が出来ることが望ましい。
そこで、特許文献1では、集光レンズの開口数を0.2以下とすることにより、ビームの焦点深度(集光ビームの加工エネルギー領域断面径を光軸方向で略一定にした範囲)を大きくする方法が提案されている。また、特許文献2では、ビームを2つに分割し、それぞれのビームの焦点位置(z座標)を変えて同時に照射することで2つのビームの和としての焦点深度を大きくする方法が提案されている。
このようなレーザ研磨加工では、加工時間の短縮のため、zステージ(試料台)の移動などによりビームの焦点位置を変えることなく、z方向(ビーム伝搬方向)に深い領域まで研磨加工が出来ることが望ましい。
そこで、特許文献1では、集光レンズの開口数を0.2以下とすることにより、ビームの焦点深度(集光ビームの加工エネルギー領域断面径を光軸方向で略一定にした範囲)を大きくする方法が提案されている。また、特許文献2では、ビームを2つに分割し、それぞれのビームの焦点位置(z座標)を変えて同時に照射することで2つのビームの和としての焦点深度を大きくする方法が提案されている。
特許文献1のように集光レンズの開口数を小さくする方法では、集光スポット直径が大きくなるために、加工に必要なエネルギー密度まで高めるためには、ビームの出力を増加する必要があった。しかし、装置上の出力限界による制約や、過剰なエネルギーが投入されることによる加工対象物への熱影響などの問題があった。また、特許文献2の方法では、2つのビームを高精度に合わせるための装置の構成が複雑になり、ビームの照射位置精度が低下するなどの懸念があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、レーザを用いて加工対象物の表面を研磨する、あるいは加工対象物の表面に合わせて形状加工する等の場合に、エネルギー密度が加工対象物の材料の加工閾値以上で、且つほぼ一定となる光軸方向の長さを大きくし、熱影響による不良の発生を防止して良好な加工面を得ることができるレーザ加工方法及び加工装置を提供することを目的とする。
本発明のレーザ加工方法は、加工対象物の表面にレーザビームを集光させて、該表面を加工するレーザ加工方法であって、前記レーザビームの光軸と直交する一の半径方向をx方向、該x方向に直交する半径方向をy方向とするとき、前記レーザビームの拡がり角をx方向とy方向とで異ならせて伝搬させた後に集光させることを特徴とする。
レーザビームの拡がり角をx方向とy方向とで異ならせて伝搬させた後に集光すると、ビーム断面が楕円状となるため、その焦点位置がx方向とy方向とで異なった状態で集光される。その焦点をx方向焦点、y方向焦点とすると、x方向焦点とy方向焦点とが光軸方向(z方向)にずれて配置され、その結果、x方向焦点位置とy方向焦点位置との間でレーザビームが収束した細い状態となり、その間を焦点深度とみなすことができる。したがって、所定の長さの範囲でエネルギー密度がほぼ一定となり、その範囲でエネルギー密度を加工対象物に固有の最適値にして加工することができ、熱影響による変質層やクラック等の発生を防止して良好な加工面を得ることができる。
本発明のレーザ加工方法において、前記レーザビームを光軸回りに回転又は所定角度で往復回動させるとよい。
レーザビームの拡がり角をx方向とy方向とで異ならせたことにより、レーザビームの断面が楕円状に形成される。このため、レーザビームの周面を使って加工対象物を研磨加工する場合などには、楕円の長径側周面で加工する場合と、短径側周面で加工する場合とでは、加工により表面に生じる凹凸状態が異なることになる。そこで、レーザビームを光軸回りに回転又は所定角度で往復回動させることにより、均一な表面状態に加工することができる。
レーザビームの拡がり角をx方向とy方向とで異ならせたことにより、レーザビームの断面が楕円状に形成される。このため、レーザビームの周面を使って加工対象物を研磨加工する場合などには、楕円の長径側周面で加工する場合と、短径側周面で加工する場合とでは、加工により表面に生じる凹凸状態が異なることになる。そこで、レーザビームを光軸回りに回転又は所定角度で往復回動させることにより、均一な表面状態に加工することができる。
本発明のレーザ加工装置は、レーザ発振機と、発振されたレーザビームの光軸と直交する一の半径方向をx方向、該x方向に直交する半径方向をy方向とするとき、前記レーザビームの拡がり角をx方向とy方向とで異ならせる拡がり角制御手段と、該拡がり角制御手段を経由したレーザビームを加工対象物の表面に向けて集光する集光レンズとを備えることを特徴とする。
また、本発明のレーザ加工装置において、前記拡がり角制御手段を経由したレーザビームを光軸回りに回転又は所定角度で往復回動させるビーム回転手段を備えているとよい。
1本のレーザビームによって焦点深度を長くすることができ、装置構成を簡単にすることができる。
また、本発明のレーザ加工装置において、前記拡がり角制御手段を経由したレーザビームを光軸回りに回転又は所定角度で往復回動させるビーム回転手段を備えているとよい。
1本のレーザビームによって焦点深度を長くすることができ、装置構成を簡単にすることができる。
本発明によれば、レーザビームの所定長さの範囲でエネルギー密度を加工対象の材料の加工閾値以上で、且つほぼ一定にすることができるので、熱影響による不良の発生を防止し、良好な加工面を得ることができる。しかも1本のレーザビームを用いた簡単な装置構成により達成することができる。
以下、本発明に係るレーザ加工方法及びレーザ加工装置の一実施形態を図面を参照しながら説明する。
まず、レーザ加工装置の実施形態について説明する。この実施形態のレーザ加工装置1は、図1に示すように、加工対象物2にレーザ光3を照射して加工する装置であり、加工対象物1にレーザ光を照射するレーザ照射手段5と、加工対象物2を保持した状態で回転及びx,y,z軸方向に移動可能なステージを有するワーク保持手段6と、これらレーザ照射手段5及びワーク保持手段6を制御するコンピュータからなる制御手段7とを備える。
まず、レーザ加工装置の実施形態について説明する。この実施形態のレーザ加工装置1は、図1に示すように、加工対象物2にレーザ光3を照射して加工する装置であり、加工対象物1にレーザ光を照射するレーザ照射手段5と、加工対象物2を保持した状態で回転及びx,y,z軸方向に移動可能なステージを有するワーク保持手段6と、これらレーザ照射手段5及びワーク保持手段6を制御するコンピュータからなる制御手段7とを備える。
レーザ照射手段5は、例えばレーザ光3を一定の繰り返し周波数でパルス発振するレーザ発振機11と、レーザ光3のビーム(レーザビームとし、レーザ光と同じ符号3を用いる)の拡がり角を調整する拡がり角制御手段12と、レーザビーム3を光軸回りに回転させるビーム回転手段13と、レーザビーム3を走査する走査手段14と、レーザビーム3をスポット状に集光する集光レンズ15と、光路を屈曲する複数のミラー16とを備えている。図1にレーザビーム3の伝搬方向を直線矢印で示している。また、レーザビーム3の回転についても矢印で示した。
レーザ発振機11には、190nm〜1100nmの波長のレーザ光3を照射できる光源を使用することができ、例えば本実施形態では、波長355nmのレーザ光3を発振して出射できるものを用いている。
レーザ発振機11には、190nm〜1100nmの波長のレーザ光3を照射できる光源を使用することができ、例えば本実施形態では、波長355nmのレーザ光3を発振して出射できるものを用いている。
拡がり角制御手段12は、図示例では、二組のシリンドリカルレンズL1〜L4と各組のシリンドリカルレンズL1〜L4の距離を調整するレンズ距離調整器(図示略)とによって構成されている。
シリンドリカルレンズL1〜L4は、例えば、一の表面が縦割り円柱状の凸面又は凹面の形状の屈折面、反対面が平面に形成されたレンズであり、入射光に対して屈折面によって周方向に沿う1軸方向にのみ集光又は発散させることができる。このシリンドリカルレンズL1〜L4を屈折面が凹面と凸面、あるいは凸面どうしを対向させて一組とする。
そして、レーザビーム3の光軸と直交する一の半径方向をx方向、x方向に直交する半径方向をy方向とするとき、一組を屈折面の周方向がx方向に沿うように配置し、他の一組を屈折面の周方向がy方向に沿うように配置するというように、相互に直交させた状態で光軸に沿って並べて配置した構成とされる。図示はしないが、二組のうち、屈折面の周方向をx方向に沿って配置した組をx方向制御器、屈折面の周方向をy方向に沿って配置した組をy方向制御器とする。
シリンドリカルレンズL1〜L4は、例えば、一の表面が縦割り円柱状の凸面又は凹面の形状の屈折面、反対面が平面に形成されたレンズであり、入射光に対して屈折面によって周方向に沿う1軸方向にのみ集光又は発散させることができる。このシリンドリカルレンズL1〜L4を屈折面が凹面と凸面、あるいは凸面どうしを対向させて一組とする。
そして、レーザビーム3の光軸と直交する一の半径方向をx方向、x方向に直交する半径方向をy方向とするとき、一組を屈折面の周方向がx方向に沿うように配置し、他の一組を屈折面の周方向がy方向に沿うように配置するというように、相互に直交させた状態で光軸に沿って並べて配置した構成とされる。図示はしないが、二組のうち、屈折面の周方向をx方向に沿って配置した組をx方向制御器、屈折面の周方向をy方向に沿って配置した組をy方向制御器とする。
つまり、レーザビーム3はx方向制御器によりx方向に発散もしくは収束され、y方向制御器によりy方向に拡散もしくは収束される。その一方、レーザビームは、x方向制御器においてはy方向には変化なくコリメートした状態で通過し、y方向制御器においてはx方向には変化なくコリメートした状態で通過する。これらx方向制御器及びy方向制御器において、対をなしている一組のシリンドリカルレンズL1,L2の距離D12、他の組のシリンドリカルレンズL3,L4の距離D34、一方の組の後段のシリンドリカルレンズL2と他方の組の前段のシリンドリカルレンズL3との離間距離A、及び最も後段のシリンドリカルレンズL4と走査手段14との間の距離Bをレンズ距離調整器によって変えることができるようになっている。そして、これらの距離を適切に調整することにより、x方向及びy方向のレーザビーム3の拡がり角をそれぞれ調整して、レーザビームの断面を任意の楕円形とすることができる。
ビーム回転手段13は、例えば像回転プリズムとしてのダブプリズムを回転させる構成とされ、レーザビーム3を光軸回りに連続的に回転させる。
走査手段14は、例えば2枚のミラーを動かすことでレーザビーム3を走査するガルバノスキャナが用いられる。また、集光レンズ15はF−θレンズであり、走査手段14のガルバノスキャナと一体に設けられている。
また、走査手段14には加工対象物2を撮像するCCDカメラ等の撮像手段17が付属して設けられている。
走査手段14は、例えば2枚のミラーを動かすことでレーザビーム3を走査するガルバノスキャナが用いられる。また、集光レンズ15はF−θレンズであり、走査手段14のガルバノスキャナと一体に設けられている。
また、走査手段14には加工対象物2を撮像するCCDカメラ等の撮像手段17が付属して設けられている。
ワーク保持手段6は、加工対象物2を搭載してx,y,z軸方向に移動可能なステージ21x〜21zを有している。具体的には、水平面に平行なx方向に移動可能なx軸ステージ部21xと、そのx軸ステージ部21xの下に設けられx方向に対して垂直で、かつ水平面に平行なy方向に移動可能なy軸ステージ部21yと、y軸ステージ部21yの下に設けられ水平面に対して垂直方向に移動可能なz軸ステージ部21zとを備える構成とされている。
制御手段7は、拡がり角制御手段12、ビーム回転手段13、走査手段14、ワーク保持手段6をそれぞれ制御するものであり、加工対象物2へのレーザビーム3の照射位置をCCDカメラ17によって確認しながら制御することができる。
次に、このレーザ加工装置1を用いて加工対象物2を研磨加工する方法について説明する。
ワーク保持手段6に加工対象物2を保持し、レーザビーム3とワーク保持手段6のステージ部21x〜21zとを制御しながら加工対象物2にレーザビーム3を照射し、加工対象物2の表面を研磨加工する。
この研磨加工において、レーザビーム3は、拡がり角制御手段12によってx方向とy方向との拡がり角を個別に制御してビームの断面を楕円状に形成することにより、集光レンズ15で絞られたレーザビーム3の焦点付近の断面積がほぼ一定となる範囲が光軸方向に所定長さで形成される。
ワーク保持手段6に加工対象物2を保持し、レーザビーム3とワーク保持手段6のステージ部21x〜21zとを制御しながら加工対象物2にレーザビーム3を照射し、加工対象物2の表面を研磨加工する。
この研磨加工において、レーザビーム3は、拡がり角制御手段12によってx方向とy方向との拡がり角を個別に制御してビームの断面を楕円状に形成することにより、集光レンズ15で絞られたレーザビーム3の焦点付近の断面積がほぼ一定となる範囲が光軸方向に所定長さで形成される。
具体的には、一対のシリンドリカルレンズn,m(例えばL1とL2)を通したビームの拡がり角θnm[rad]は、一つ目のシリンドリカルレンズ(例ではL1)に入射するビームがコリメートされていたとすると、次の数1で求めることが出来る。数1のfn、fmは各シリンドリカルレンズの焦点距離[mm]であり、Wnは一つ目のシリンドリカルレンズ(L1)に入射するビームの半径[mm]、Wmは次のシリンドリカルレンズ(L2)に入射するビームの半径[mm]である。また、Dnmは2つのシリンドリカルレンズ(L1,L2)間の距離[mm]である。
なお、他の組のシリンドリカルレンズL3,L4においても同様であり、数1の添え字のnmについて、(n,m)=(1,2)または(3,4)とする。
なお、他の組のシリンドリカルレンズL3,L4においても同様であり、数1の添え字のnmについて、(n,m)=(1,2)または(3,4)とする。
一方、拡がり角θnmを持つビームを集光レンズ(F−θレンズ)へ入射したときの、集光レンズ位置からビームの焦点位置までの距離dnm[mm]は、集光レンズに入射するビームの半径をWnm[mm]、集光レンズに入射するビームの拡がり角をθnm[rad]、集光レンズの焦点距離をf[mm]とすると、次の数2で表される。
数2の添字nmは数1と揃えて用い、仮に光学系の調整によりシリンドリカルレンズL1とL2を、集光レンズにおいてx方向のビームの拡がりに対応するよう設定すれば、d12=dx(x方向の焦点距離の意味)と表される(図2参照)。また、シリンドリカルレンズL3とL4を、集光レンズにおいてy方向のビームの拡がりに対応するように設定すれば、d34=dy(y方向の焦点距離の意味)で表される。なお、集光レンズに入射するビームの半径wnmは、図1のAやBの距離の変更により調整すれば良い。
数2の添字nmは数1と揃えて用い、仮に光学系の調整によりシリンドリカルレンズL1とL2を、集光レンズにおいてx方向のビームの拡がりに対応するよう設定すれば、d12=dx(x方向の焦点距離の意味)と表される(図2参照)。また、シリンドリカルレンズL3とL4を、集光レンズにおいてy方向のビームの拡がりに対応するように設定すれば、d34=dy(y方向の焦点距離の意味)で表される。なお、集光レンズに入射するビームの半径wnmは、図1のAやBの距離の変更により調整すれば良い。
このようにdnmのx方向の焦点距離とy方向の焦点距離とを適宜に設定することにより、図2に示すように、集光レンズ15で絞られたレーザビーム3の断面積がほぼ一定となる範囲が光軸方向に所定長さFで形成される。したがって、この所定長さFの範囲でエネルギー密度がほぼ一定となり、その範囲で加工対象物の表面を加工することができ、変質層やクラックの発生を防止して良好な加工面を得ることができる。
焦点付近における光軸方向のエネルギー密度をグラフ化すると、従来のレーザビームの場合は図4に示すように、焦点位置において最もエネルギー密度が大きく、その前後で小さくなるのに対して、本実施形態の場合は、図3に示すように、所定長さの範囲でエネルギー密度がほぼ一定になる。これらのグラフは、いずれも集光レンズの焦点fを100mm、集光レンズに入射するレーザビームの半径を6mm、集光レンズで集光された部分の直径を約9μm、出力を12Wに設定して求めた。また、x方向及びy方向の焦点のずれは図4においては0、図3においては1200μmとした。
ここで、加工可能なエネルギー密度以上のレーザビーム伝搬方向(z軸方向)の範囲をHとすると、Hは、図4では約1200μmであるのに対して、図3では約1800μmに増加する。また、白抜き矢印で示す領域が加工に適正なエネルギー密度の領域であるとすると、図4の従来技術においては、エネルギー密度が高過ぎる(加工適正上限を超える)領域が存在することになり、その領域において加工対象物に過大な熱影響が付与され、変質層やクラックが生じるおそれがある。これに対して、図3の本実施形態の場合は、加工に適正な領域(加工閾値以上で加工適正上限以下の加工適正範囲)内のほぼ一定のエネルギー密度となり、良好な加工面を得ることができる。
なお、レーザビームの断面が楕円形となるため、楕円の長径側周面で加工する場合と、短径側周面で加工する場合とでは、加工により表面に生じる凹凸状態が異なることになるが、ビーム回転手段13によってレーザビームを光軸回りに回転させることにより、加工対象物表面に対する照射位置を楕円の外周面に沿って移動しながら加工することができ、均一な表面状態に加工することができる。
この場合、ビーム回転手段は、必ずしもレーザビームを連続的に回転させる必要はなく、光軸回りに所定角度で往復回動させる構成でもよい。
この場合、ビーム回転手段は、必ずしもレーザビームを連続的に回転させる必要はなく、光軸回りに所定角度で往復回動させる構成でもよい。
図5及び図6は、多結晶ダイヤモンド(PCD)を波長355nmの同じQスイッチパルスレーザ発振機を用いてレーザ研磨加工を行った面のSEM像である。図6はx方向及びy方向でビームのz方向における焦点位置がほぼ一致する従来方法で加工を行った場合で、図5はx方向及びy方向で焦点位置を1000μmずらして適正なエネルギー密度を持つz方向の範囲を広くした場合であり、光軸回りの回転はせずに加工した。ビームの照射方向は、SEM像の上から下へ向かう方向であり、試料台のzステージを移動しながら複数回ビームの走査を行った。
いずれの図も右側の像は左の像の部分拡大である。図6の像では、加工部表面が変質層に覆われており、また、一度のビーム走査による加工深さも浅く、パルスビームによる加工痕は明確には見られなかった。一方、図5では加工部表面の変質層はなく、内部組織が識別出来る程度の平滑な表面が見られており(右側の像で白と黒に見えるのはそれぞれCoバインダーとダイヤモンド粒子)、また、パルスビームによる加工痕も顕著に現れていた。加工時間は、図6に示す従来技術より図5の本発明の方が2割程度短かった。
いずれの図も右側の像は左の像の部分拡大である。図6の像では、加工部表面が変質層に覆われており、また、一度のビーム走査による加工深さも浅く、パルスビームによる加工痕は明確には見られなかった。一方、図5では加工部表面の変質層はなく、内部組織が識別出来る程度の平滑な表面が見られており(右側の像で白と黒に見えるのはそれぞれCoバインダーとダイヤモンド粒子)、また、パルスビームによる加工痕も顕著に現れていた。加工時間は、図6に示す従来技術より図5の本発明の方が2割程度短かった。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
上述の実施形態では加工対象物の表面を研磨する場合について説明したが、本発明は、研磨加工に限らず、加工対象物の表面に彫刻する場合等にも用いることができる。
上述の実施形態では加工対象物の表面を研磨する場合について説明したが、本発明は、研磨加工に限らず、加工対象物の表面に彫刻する場合等にも用いることができる。
1 レーザ加工装置
2 加工対象物
3 レーザ光(レーザビーム)
5 レーザ照射手段
6 ワーク保持手段
7 制御手段
11 レーザ発振機
12 拡がり角制御手段
13 ビーム回転手段
14 走査手段
15 集光レンズ
16 ミラー
17 撮像手段
21x,21y、21z ステージ
2 加工対象物
3 レーザ光(レーザビーム)
5 レーザ照射手段
6 ワーク保持手段
7 制御手段
11 レーザ発振機
12 拡がり角制御手段
13 ビーム回転手段
14 走査手段
15 集光レンズ
16 ミラー
17 撮像手段
21x,21y、21z ステージ
Claims (4)
- 加工対象物の表面にレーザビームを集光させて、該表面を加工するレーザ加工方法であって、前記レーザビームの光軸と直交する一の半径方向をx方向、該x方向に直交する半径方向をy方向とするとき、前記レーザビームの拡がり角をx方向とy方向とで異ならせて伝搬させた後に集光させることを特徴とするレーザ加工方法。
- 前記レーザビームを光軸回りに回転又は所定角度で往復回動させることを特徴とする請求項1記載のレーザ加工方法。
- レーザ発振機と、発振されたレーザビームの光軸と直交する一の半径方向をx方向、該x方向に直交する半径方向をy方向とするとき、前記レーザビームの拡がり角をx方向とy方向とで異ならせる拡がり角制御手段と、該拡がり角制御手段を経由したレーザビームを加工対象物の表面に向けて集光する集光レンズとを備えることを特徴とするレーザ加工装置。
- 前記拡がり角制御手段を経由したレーザビームを光軸回りに所定角度で往復回動又は周方向に回転させるビーム回転手段を備えていることを特徴とする請求項3記載のレーザ加工装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108857047A (zh) * | 2017-05-15 | 2018-11-23 | 蓝思科技(长沙)有限公司 | 一种玻璃热弯用石墨模具的模仁表面加工方法 |
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---|---|---|---|---|
WO1996012300A1 (fr) * | 1994-10-13 | 1996-04-25 | Hitachi Construction Machinery Co., Ltd. | Dispositif et procede permettant d'usiner une barre de liaison |
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CN108857047A (zh) * | 2017-05-15 | 2018-11-23 | 蓝思科技(长沙)有限公司 | 一种玻璃热弯用石墨模具的模仁表面加工方法 |
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