JP2005136365A - レーザ照射装置及びレーザ照射方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 レーザ光源に干渉性の高いレーザを用いても、光強度分布の均一化が良好に行われるレーザ照射装置を提供する。
【解決手段】レーザ照射装置は、第1のレーザビームを出射する第1のレーザ光源と、第2のレーザビームを出射する第2のレーザ光源と、第1及び第2のレーザ光源から出射した第1及び第2のレーザビームが入射するように配置された回折光学素子であって、回折光学素子に入射するレーザビームの断面形状と、回折光学素子から出射したレーザビームの回折光学素子の焦点面上での断面形状とを異ならせるビーム断面の整形、及び、回折光学素子から出射したレーザビームの回折光学素子の焦点面上でのビーム断面内の光強度分布を、回折光学素子に入射するレーザビームのビーム断面内の光強度分布より均一な分布に近づけるビーム断面内の光強度分布の均一化の少なくとも一方を行う回折光学素子とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザ照射装置及びレーザ照射方法に関し、特に、複数のレーザ光源から出射されたレーザビームを、レーザ被照射物に照射するレーザ照射装置及びレーザ照射方法に関する。
レーザビームは、様々な加工に用いられている。ビーム被照射領域内の加工の均質化を図るために、レーザビームのビーム断面内の光強度分布を均一化することが行われている。
光強度分布の均一化のために、例えば、ビームホモジナイザが用いられる。入射したレーザビームを、アレイレンズによりビーム断面内で複数のビームに分割し、分割された各ビームを、フォーカスレンズで拡大して互いに重ね合わせることにより、ホモジナイズ面におけるビームの断面内の光強度分布を均一化するビームホモジナイザが知られている。例えば、特許文献1に開示されたレーザ照射装置では、エキシマレーザ光源の出射するパルスレーザビームの光強度分布を均一化するために、ビームホモジナイザが用いられている。
特許文献2には、光強度分布を均一化する他の装置として、回折光学素子(DOE、DiffractiveOptical Element)を含むレーザ照射装置が記載されている。このレーザ照射装置
では、以下のようにして、光強度分布の均一化を行っている。回折光学素子により、入射したビームを複数のビームに分岐させ、分岐した各ビームを、集光レンズで集光する。回折光学素子で分岐された各ビームのビームスポットは、集光レンズの焦点面上では離散的に配置される。集光レンズの焦点から外れたデフォーカス面に像面が設置される。デフォーカス面において、回折光学素子で分岐された各ビームが互いに重なり合うことにより、デフォーカス面における光強度分布の均一化が図られる。
特開平9−36060号公報 特開2003−114400号公報
アレイレンズを用いたビームホモジナイザは、干渉性が高いレーザビーム(例えば、YAGレーザ等の固体レーザ光源の発するレーザビーム)に対しては、良好に機能しない。ビームホモジナイザに入射して、ビーム断面内で分割されたビーム同士が、互いに干渉することに起因して、ホモジナイズ面上のビーム断面内で、光強度分布の強弱のパタンが出来てしまう。干渉性が高いレーザビームであっても、良好に光強度分布の均一化ができるレーザ照射技術が望まれる。
本発明の一目的は、レーザ光源に干渉性の高いレーザを用いても、光強度分布の均一化が良好に行われるレーザ照射装置及びそれを用いたレーザ照射方法を提供することである。
本発明の他の目的は、新規な構成によりビーム断面内の光強度分布の均一化を行うことができるレーザ照射装置及びそれを用いたレーザ照射方法を提供することである。
本発明の一観点によれば、第1のレーザビームを出射する第1のレーザ光源と、第2のレーザビームを出射する第2のレーザ光源と、前記第1及び第2のレーザ光源から出射した第1及び第2のレーザビームが入射するように配置された回折光学素子であって、該回折光学素子に入射するレーザビームの断面形状と、該回折光学素子から出射したレーザビームの該回折光学素子の焦点面上での断面形状とを異ならせるビーム断面の整形、及び、該回折光学素子から出射したレーザビームの該回折光学素子の焦点面上でのビーム断面内の光強度分布を、該回折光学素子に入射するレーザビームのビーム断面内の光強度分布より均一な分布に近づけるビーム断面内の光強度分布の均一化の少なくとも一方を行う該回折光学素子とを有するレーザ照射装置が提供される。
本発明の他の観点によれば、1つの回折光学素子であって、それに入射するレーザビームの断面形状と、該回折光学素子から出射したレーザビームの該回折光学素子の焦点面上での断面形状とを異ならせるビーム断面の整形、及び、該回折光学素子から出射したレーザビームの該回折光学素子の焦点面上でのビーム断面内の光強度分布を、該回折光学素子に入射するレーザビームのビーム断面内の光強度分布より均一な分布に近づけるビーム断面内の光強度分布の均一化の少なくとも一方を行う該回折光学素子に、2台以上のレーザ光源から出射されたレーザビームを入射させて、レーザビームの断面の整形及びビーム断面内の光強度分布の均一化の少なくとも一方を行うレーザ照射方法が提供される。
回折光学素子は、第1及び第2のレーザ光源から出射した第1及び第2のレーザビームがともに入射するように配置される。第1及び第2のレーザビームを回折光学素子へ同時に入射させたとき、第1及び第2のレーザビームの双方に対して、断面の整形及び断面内の光強度分布の均一化の少なくとも一方を行って、レーザ被照射物に照射することができる。回折光学素子が光強度分布の均一化を行うとき、レーザ光源の干渉性が高くても、光強度分布の均一化が良好に行われる。
図1は、本発明の第1の実施例によるレーザ照射装置の概略図である。レーザ光源1aが、パルスレーザビームを出射する。レーザ光源1aとして、第2高調波の発生ユニットを含む、YAGレーザ、YLFレーザ、YVOレーザ等の固体レーザを用いることができる。レーザビームの波長は、YAGレーザ及びYVOレーザの第2高調波の波長が532nmであり、YLFレーザの第2高調波の波長が527nmである。なお、このような固体レーザは、エキシマレーザ等のガスレーザに比べて、干渉性が高い。制御装置10が、レーザ光源1aがパルスレーザビームを出射するタイミングを制御する。
レーザ光源1aを出射したレーザビームは、半波長板2で偏光面を回転され、偏光ビームスプリッタ4に対するS波にされる。半波長板2を出射したレーザビームは、折り返しミラー3で反射されて、偏光ビームスプリッタ4に入射する。
レーザ光源1bが、偏光ビームスプリッタ4に対してP波である連続波レーザビームを出射する。レーザ光源1bとして、レーザ光源1aと同様に、第2高調波の発生ユニットを含む、YAGレーザ、YLFレーザ、YVOレーザ等の固体レーザを用いることができる。
レーザ光源1bを出射したレーザビームは、レーザ光源1bと偏光ビームスプリッタ4との間の光路上に配置されたシャッタ5に入射する。シャッタ5は、レーザ光源1bを出射したレーザビームが、偏光ビームスプリッタ4に入射する状態と、入射しない状態とを切り換える。シャッタ5を用いることにより、レーザ光源1bから出射した連続波レーザビームを、所望のタイミングで所望の長さ(照射時間)だけ切り出して、偏光ビームスプリッタ4に入射させることができる。制御装置10が、シャッタ5を制御する。後に図2を参照して、シャッタ5のいくつかの構成例について説明する。
偏光ビームスプリッタ4は、入射したS波を反射させ、入射したP波を透過させる面4aを有する。レーザ光源1aを出射したレーザビームは、偏光ビームスプリッタ4の面4aの表側に、入射角45度で入射し、面4aで反射されて、偏光ビームスプリッタ4を出射する。レーザ光源1bを出射したレーザビームは、偏光ビームスプリッタ4の面4aの裏側に、入射角45度で入射し、面4aをそのまま透過して、偏光ビームスプリッタ4を出射する。
レーザ光源1aを出射して偏光ビームスプリッタ4の面4aに入射するレーザビームの光軸と、レーザ光源1bを出射して偏光ビームスプリッタ4の面4aに入射するレーザビームの光軸とが、面4a上で交差するように、両レーザビームと偏光ビームスプリッタ4との相対位置を調節されている。これにより、偏光ビームスプリッタ4を出射した両レーザビームが、同一光軸上に重畳される。
偏光ビームスプリッタ4を出射したレーザビームは、回折光学素子6に入射する。回折光学素子は、DOE(Diffractive Optical Element)とも呼ばれる。回折光学素子6及
びその焦点面7については、後に図3(B)を参照して説明する。
回折光学素子6を出射したレーザビームは、回折光学素子6の焦点面7に配置されたレーザ被照射物である半導体基板8の表面に入射する。半導体基板8は、ステージ9に保持されている。ステージ9が、半導体基板8を、半導体基板8の表面に平行な面内で移動させることにより、ビーム入射位置を半導体基板8の表面内で移動させることができる。制御装置10がステージ9を制御する。
図2(A)〜図2(D)は、シャッタ5の構成例を示す。図2(A)に示すシャッタ5は、ポッケルス効果を示す電気光学素子5a、偏光ビームスプリッタ5b、及び、ダンパ5cを含んで構成される。
レーザ光源1bから、偏光ビームスプリッタ5bに対してP波であるレーザビームが出射され、電気光学素子5aに入射する。制御装置10から送出される制御信号に基づいて、電気光学素子5aに電圧が印加されると、電気光学素子5aに入射したレーザビームは、偏光面が回転され、偏光ビームスプリッタ5bに対するS波となって、電気光学素子5aから出射する。一方、電気光学素子5aに電圧が印加されていない時、電気光学素子5aに入射したレーザビームは、電気光学素子5aからP波のまま出射する。
偏光ビームスプリッタ5bは、P波を透過させ、S波を反射する。偏光ビームスプリッタ5bを透過したP波のレーザビームBMは、図1の偏光ビームスプリッタ4に入射した後、半導体基板8に照射される。一方、偏光ビームスプリッタ5bで反射されたS波は、レーザビームを吸収し、光路の終端となるダンパ5cに入射する。このようにして、図2(A)に示すシャッタ5が、シャッタとして機能する。
なお、電気光学素子5aの応答時間は5ns程度なので、例えばステージ速度が1m/sと高速であっても、応答時間5nsの間にステージが移動する距離は高々5nm程度である。
図2(B)及び図2(C)に示すシャッタ5は、音響光学素子5d及びダンパ5eを含んで構成される。レーザ光源1bから出射したレーザビームが、音響光学素子5dに入射する。音響光学素子5dは、制御装置10から入力される制御信号に基づき、音響光学素子5dに入射したレーザビームを偏向させることができる。制御信号を変化させることにより、レーザビームの偏向角度を変化させることができる。制御信号の入力がないとき(ゼロのとき)、音響光学素子5dに入射したレーザビームは、偏向されずにそのまま直進する。
図2(B)に示すシャッタ5では、音響光学素子5dに制御信号が入力されないときに、光軸I1に沿って伝搬するレーザビームBMを、図1の偏光ビームスプリッタ4に入射させる。一方、音響光学素子5dに制御信号が入力されたときに、光軸I2に沿って伝搬するレーザビームを、ダンパ5eに入射させる。
図2(C)に示すシャッタ5では、音響光学素子5dにある水準の制御信号が入力されたときに、光軸I1に沿って伝搬するレーザビームBMを、図1の偏光ビームスプリッタ4に入射させる。一方、音響光学素子5dに他の水準の制御信号が入力されたときに、光軸I2に沿って伝搬するレーザビームを、ダンパ5eに入射させる。このようにして、図2(B)及び図2(C)に示すシャッタ5が、シャッタとして機能する。
図2(D)に示すシャッタ5は、ミラー5f、モータ5g、及び、ダンパ5hを含んで構成される。ミラー5fは、レーザ光源1bから出射したレーザビームの光軸と捩れの位置の関係にある軸の回りに揺動することができる。ミラー5fの姿勢を変化させることにより、レーザ光源1bから出射したレーザビームが、そのまま直進する状態と、ミラー5fに反射される状態とを切り換えることができる。モータ5gが、制御装置10から送出される制御信号に基づいて、ミラー5fの姿勢を制御する。
レーザ光源1bから出射し、直進したレーザビームBMは、図1の偏光ビームスプリッタ4に入射した後、半導体基板8に照射される。一方、ミラー5fに反射されたレーザビームは、ダンパ5hに入射する。このようにして、図2(D)に示すシャッタ5が、シャッタとして機能する。
次に、図3(A)を参照して、レーザ被照射物である半導体基板8について説明する。
半導体基板8は、表層8aに不純物が添加された半導体基板であり、例えばシリコンからなる基板である。表層8aのうち、基板表面から例えば0.3μm〜0.5μm程度の深さまでの表層8bに、例えばホウ素が添加されている。表層8bより深い表層8cに、例えばリンが添加されている。半導体基板8の表層8aが加熱されることにより、添加された不純物が活性化されている。
このような半導体基板8は、例えばパワートランジスタの作製に用いられる。不純物の活性化率を高めることにより、パワートランジスタのスイッチング特性が改善される。
図1に示したレーザ照射装置を用いて、このような半導体基板8にレーザを照射することにより、半導体基板8の表層8aに添加された不純物の活性化を行うことができる。後に図5を参照して説明するように、レーザ光源1aの出射するパルスレーザビームと、レーザ光源1bの出射する連続波レーザビームとを組み合わせて照射することにより、不純物の活性化が良好に行われる。
次に、図3(B)を参照して、回折光学素子6について説明する。図3(B)は、回折光学素子6へ入射して、出射するレーザビームの伝搬の様子を概略的に示す。XYZ直交座標系を考える。Z軸正方向へ進行するレーザビームが、回折光学素子6へ入射する。回折光学素子6のビーム入射面は、XY面に平行であり、レーザビームはこの面に垂直に入射する。回折光学素子6へ入射するレーザビームのビーム断面形状は、例えば円形であり、ビーム断面内の光強度は、例えば円の中心で最も強く、中心から離れるにしたがって弱くなり、ガウス分布で近似される。レーザビームが入射する回折光学素子6の表面に、微細な凹凸からなるパタンが形成されている。回折光学素子6に入射したレーザビームは、各入射点で、この微細な凹凸により回折される。
図には、回折光学素子6上の点6a〜6dでそれぞれ回折されたレーザビームが伝搬する様子を概略的に示す。回折光学素子6の表面上に所定のパタンの凹凸を形成しておくことにより、これらのレーザビームが、X軸方向については拡がらず、Y軸方向については拡がりながら、Z軸正方向に伝搬し、回折光学素子6の焦点面7上の一方向(図ではY軸方向)に細長い光照射領域7aにおいて重なるようにできる。また、他の入射点で回折されたレーザビームも、光照射領域7aにおいて重なるようにできる。そして、光照射領域7aの内部が、光照射領域7aの長尺方向についてほぼ均一な光強度で照射されるようにできる。
このように、回折光学素子6を用いて、回折光学素子6に入射するレーザビームの断面形状と、回折光学素子6から出射したレーザビームの焦点面7上での断面形状とを異ならせるような、ビーム断面の整形ができる。また、回折光学素子6を用いて、回折光学素子6から出射したレーザビームの焦点面7上でのビーム断面の内部の光強度分布が、回折光学素子6に入射するレーザビームのビーム断面内の光強度分布よりも均一な分布に近づくような、光強度分布の均一化を行うことができる。
なお、本願の明細書及び特許請求の範囲において、回折光学素子によるビーム断面形状の整形とは、回折光学素子に入射するレーザビームの断面形状と、回折光学素子から出射したレーザビームの該回折光学素子の焦点面上での断面形状とを異ならせることをいう。
また、本願の明細書及び特許請求の範囲において、回折光学素子によるビーム断面内の光強度の均一化とは、回折光学素子から出射したレーザビームの該回折光学素子の焦点面上でのビーム断面の内部の光強度分布を、回折光学素子に入射するレーザビームのビーム断面内の光強度分布よりも均一な分布に近づけることをいう。
なお、回折光学素子6から出射したレーザビームが入射するような、フォーカスレンズ6eを配置すれば、ビーム断面の整形及び光強度分布の均一化が行われる面を、図に示す焦点面7よりも、回折光学素子6に近づけることができる。これにより、装置の小型化が図れる。
さて、上記で説明したように回折光学素子6で断面を長尺化したレーザビームを、半導体基板8の表面に照射して、不純物活性化を行うことを考える。後に図5を参照して説明するように、不純物活性化は、パルスレーザを照射することで行われる。
ステージ9を動作させて半導体基板8をビーム断面の長尺方向と直交する方向(図3(B)では、X軸方向)に移動させながら、半導体基板8へのパルスレーザ照射を繰り返すことにより、基板表面でレーザビームが走査され、ビーム断面の長尺方向の長さを幅とする基板表面の帯状の領域に、ビーム照射を行うことができる。ビームの長尺方向の光強度分布が均一化されていることにより、上記の帯状の領域の幅方向について、活性化率のばらつきが抑制される。なお、上記の帯状の領域の長さ方向に関しては、互いに隣接して照射されるパルスのビーム断面の短尺方向の重なりを調節すること等により、ある程度活性化率の均一化を図ることができる。
被加工領域の一端から他端に亘る一本の帯状の領域へのビーム照射が終了したら、半導体基板8をY軸方向に移動させて、再び上記のようなビーム走査を行い、ビーム照射が終了した領域と接する帯状の領域にビーム照射を行う。このような工程を繰り返して、基板表面の所望の領域全体にビーム照射を行う。
このような加工をしたとき、基板の位置合わせ誤差等に起因して、互いに隣接する帯状の領域が接しないで、間隙を隔てたり、重なったりする不具合が生じ得る。つまり、帯状の領域同士の境界と、それ以外の領域とで、照射されたビーム強度が異なる斑が生じ得る。
ビームの走査方向と直交する方向に長尺化したビームを用いると、帯状の領域の幅を長くできるので、同方向に長尺化しなかったビームで上記と同様な加工を行う場合に比べて、帯状の領域同士の境界の数を減らすことができる。したがって、上記のような斑の発生を抑制できる。
なお、ビーム断面の端部が、スクライブライン上に位置するように位置決めし、スクライブラインに平行に走査してもよい。このような加工においては、不純物活性化をしたい領域に、ビーム断面の端部が照射されない。このため、ビーム断面の端部に起因する活性化率の不均一さの発生を防止することができる。
基板上に照射されるビームの断面の長尺方向の長さは、帯状領域の必要とされる幅によって決まる。短尺方向の長さ(ビーム断面の幅)は、好ましいパルスエネルギ密度、レーザ光源の出力等によって決定される。一般的に、被加工面上のビーム断面形状の短尺方向の長さと長尺方向の長さとの比は、1対100以上とすることが好ましい。なお、現在の技術では、回折光学素子6により、短尺方向の長さと長尺方向の長さとの比が、1対1000程度までの長尺ビームを作ることができる。
上記で説明したように、回折光学素子6によるビームの長尺化と、ビーム断面内の長尺方向についての光強度分布の均一化により、被加工面内での加工品質の均質化が図られる。
なお、回折光学素子6の焦点面7上のビームの断面内における光強度を、完全に一様とすることは困難である。ビーム断面内の光強度分布は、概ね、以下のような特徴を有する。ビーム断面内の光強度は、ビーム断面の縁で高く、縁からビーム断面の内部に向かって低下する。縁を除くビーム断面の内部では、光強度がほぼ均一となる。
よって、ビーム断面の長尺方向の光強度分布は、ビーム断面の両端を除く内部においては均一性が高く、ビーム断面の両端近傍においては(内部の光強度分布に比べて)均一性が低い。短尺方向の光強度分布も、同様な特徴を有する。
例えば、微小な領域の加工を行うために、ビーム断面の短尺方向の長さ(ビーム断面の幅)が非常に短く、かつ、断面内の短尺方向の光強度分布の均一性が高い長尺ビームを、基板に照射したいことがある。ビーム断面の幅が非常に短い(数μm以下の)長尺ビームを、回折光学素子で作ると、短尺方向の両端同士が近づくため、短尺方向の光強度分布の均一性を高くすることが困難である。以下に説明するようにすれば、ビーム断面の幅が短くても、断面内の幅内の光強度分布の均一性が高いビームを、基板に照射することができる。
ここで、回折光学素子6の焦点面7におけるビーム断面の幅が、ビーム断面の幅内に、光強度分布がほぼ均一な領域が存在する程度に長いとする。
図3(B)に示すように、半導体基板8の被加工面に近接するように(つまり、回折光学素子6の焦点面7に近接するように)、マスク20を配置する。被加工面(あるいは焦点面7)からマスク20までの距離を、1mm以内とすることが好ましい。
回折光学素子6から出射したレーザビームが、マスク20に入射する。マスク20に、遮光領域と光透過領域とが形成されている。マスク20の光透過領域に入射したビームのみが、半導体基板8の表面に照射される。マスク20が被加工面に近接しているため、被加工面において、マスク20の光透過領域と合同な領域の内部にレーザビームを照射することが可能である。マスク20の光透過領域の形は、短尺方向の長さと長尺方向の長さとの比が1対100以上の長尺形状である。光透過領域の短尺方向の長さを短くすれば、被加工面に照射されるビームの断面の幅が短くなる。
回折光学素子6の焦点面7上のビーム断面内の短尺方向について光強度分布の均一性が高い領域を照射する光が、マスク20の光透過領域を透過するように、マスク20が配置される。ビーム断面内の短尺方向の両端の強度が高い部分は、マスク20の遮光領域で遮光される。このようにすれば、ビーム断面の短尺方向の長さが短くても、断面内の短尺方向の光強度分布の均一性が高いビームを、被加工面に照射できる。
なお、図3(C)に示すように、回折光学素子6の焦点面7上に、マスク20を配置することもできる。マスク20の光透過領域を透過したレーザビームが、レンズ21で収束され、半導体基板8に入射する。
レンズ21として、例えば、球面レンズが用いられる。マスク20からレンズ21までの光路長、及び、レンズ21から半導体基板8の表面までの光路長を、マスク20の光透過領域が、半導体基板8の表面に結像するように調節する。これにより、被加工面において、マスク20の光透過領域と相似の形状の領域が、レーザビームに照射される。光透過領域の結像の縮小率(あるいは拡大率)を調節することにより、基板表面に照射されるビームのパワー密度が調節される。
ところで、回折光学素子は、1台のレーザ光源から出射するレーザビームを入射させて用いるように設計されている。よって、1つの回折光学素子に、2台以上のレーザ光源から出射したレーザビームを同時に入射させて利用することは想定されておらず、このような利用が可能であるかどうかは知られていなかった。
光の屈折や反射を用いたレンズやミラー等の光学系であれば、入射光に対する出射光の挙動を、比較的容易に理解することが可能である。しかし、回折光学素子は、光の回折を利用した光学素子であり、入射光に対する出射光の挙動を理解することは容易ではない。
1つの回折光学素子に、2台以上のレーザ光源から出射したレーザビームを同時に入射させるような想定外の使い方をすれば、両レーザビームが互いに想定外の干渉を起こし、回折光学素子が所望の機能を果たさないことが考えられる。そこで、本願発明者らは、以下に説明するような実験を行った。
本実験では、回折光学素子に、連続波レーザビームのみ、パルスレーザビームのみ、連続波レーザビーム及びパルスレーザビームを入射させる実験を行った。レーザ光源として第2高調波を発するYAGレーザを用いた。
以下、図4を参照して、実験結果について説明する。図4(A)は、回折光学素子に連続波レーザビームのみを入射させた場合の結果を示し、図4(B)は、回折光学素子にパルスレーザビームのみを入射させた場合の結果を示し、図4(C)は、回折光学素子に連続波レーザビームとパルスレーザビームとを同時に入射させた場合の結果を示す。矩形状の細長い外形を有する光照射領域7aA、7aB及び7aCが、回折光学素子の焦点面上のレーザビームが照射された領域である。
なお、この実験においては、回折光学素子とその焦点面との間にマスクを配置し、ビーム断面の短尺方向の両端の光を、マスクによりカットしている。そのため、光照射領域7aA、7aB及び7aCの形状は、回折光学素子から出射したビームの断面形状よりも、やや細くされている。
図4(A)〜図4(C)にはそれぞれ、光照射領域7aA、7aB及び7aCの内部の長尺方向及び短尺方向の光強度分布も併せて示す。光照射領域7aA内の長尺方向については、両端で強度が高く、両端から光照射領域7aAの内部に向かうにつれ強度がやや低下している。光照射領域7aAの両端近傍を除いた内部では強度がほぼ一定である。このような特徴は、光照射領域7aB及び7aCの長尺方向の光強度分布についても同様である。
光照射領域7aA内の短尺方向の強度分布は、両端から立ち上がり、光照射領域7aAの両端近傍を除いた内部ではほぼ一定となる形状である。このような特徴は、光照射領域7aB及び7aCの短尺方向の光強度分布についても同様である。
なお、マスクを用いない場合、回折光学素子の焦点面におけるビーム断面内において、短尺方向の両端の光強度は、長尺方向の両端の光強度と同様に高い。上記の実験では、短尺方向の両端の強度の高い部分をマスクでカットしている。これにより、短尺方向の強度分布が、上記で説明したような形状となっている。
なお、図4(A)〜図4(C)に示すグラフの強度のスケールは、一致していない。図4(A)〜図4(C)すべてにおいて、強度の水準が同程度であるかのように図示されているが、そうではない。連続波レーザとパルスレーザとを同時に入射させた図4(C)の場合の強度は、概ね、連続波レーザのみを入射させた図4(A)の場合の強度と、パルスレーザのみを入射させた図4(B)の場合の和に等しかった。
なお、図4(A)〜図4(C)の、短尺方向の強度分布を示すグラフにおいて、光照射領域の外側に、強度がゼロでない領域が示されているが、この領域の光照射は、マスクのエッジで散乱した光に起因するものと考えられる。例えば、エッジをシャープにすることにより、この光照射は抑制される。
以上説明したように、回折光学素子に、連続波レーザビームのみを入射させた場合と、パルスレーザビームのみを入射させた場合と、連続波レーザビーム及びパルスレーザビームを入射させた場合とで、同様の結果が得られた。つまり、連続波レーザビーム及びパルスレーザビームを同時に入射させた場合でも、回折光学素子により、ビーム断面の整形及びビーム断面内の光強度分布の均一化が行われることが確かめられた。
2台のレーザ光源がそれぞれ、連続波レーザビームとパルスレーザビームとを出射する場合について実験を行ったが、2台のレーザ光源がともにパルスレーザビームであっても、回折光学素子は所望の機能を果たすであろう。また、2台以上のレーザ光源から出射するレーザビームを同時に入射させた場合でも、回折光学素子は所望の機能を果たすであろう。
なお、図1に示したレーザ照射装置において、レーザ光源1a及び1bから出射したレーザビームを、偏光ビームスプリッタ4を用いて同一光軸上に重畳し、一本のビームにまとめた。これにより、ビーム断面が互いに離れた2本のレーザビームを回折光学素子6に入射させるよりも、回折光学素子6に入射するビームの断面積を小さくできる。よって、回折光学素子6が小さいもので済む。
図1に示したレーザ照射装置において、レーザ光源1aを出射して偏光ビームスプリッタ4の面4aに入射するレーザビームの光軸と、レーザ光源1bを出射して偏光ビームスプリッタ4の面4aに入射するレーザビームの光軸とが、面4a上で交差しないようにすれば、両レーザビームの光軸は一致せず、平行となる。このとき、両ビームの光軸の間隔を調節して、両ビームのビーム断面が重なるようにできる。このようにしても、ビーム断面が互いに離れた2本のレーザビームを回折光学素子6に入射させるよりも、回折光学素子6に入射するビームの断面積を小さくできる。
次に図5を参照して、本発明の第1の実施例による不純物活性化方法について説明する。図5(A)〜図5(C)は、半導体基板8にレーザビームを照射するタイミングを示すグラフである。各グラフの縦軸はレーザビームの強度を示し、横軸は時間を示す。
図5(A)に、比較例として、図1のレーザ光源1aから出射したパルスレーザビームLaのみを、半導体基板8に照射する場合を示す。パルスレーザビームLaのパルス幅waは、例えば100nsである。このパルスの照射により、半導体基板8の表層が加熱されて、不純物の活性化が起こる。しかし、パルスレーザビームLaは、ピーク強度は比較的高いものの、パルス幅が100ns程度と短い。このため、パルスレーザビームLaの照射による基板の加熱で活性化できるのは、基板表面から0.5μm程度の深さまでに存在する不純物のみである。以下、図3(A)の表層8bの厚さが0.5μmとして説明を
続ける。パルスレーザビームLaでは、表層8bに存在するホウ素を効率的に活性化することができるが、深い表層8cに存在するリンの活性化率を高めることができない。
図5(B)は、レーザ光源1aから出射したパルスレーザビームLaの照射に加え、図1のレーザ光源1bから出射したレーザビームLbの照射も行う場合を示す。レーザビームLbの照射時間wbは、シャッタ5を用いて変化させることができる。照射時間wbは、300ns〜数μs程度である。この実施例では、パルスレーザビームLaの照射時間中に、レーザビームLbの照射が開始されている。
図5(A)を参照して説明したように、パルスレーザビームLaが照射されると、基板表面が加熱され、表層8bの不純物の活性化が開始する。図5(B)に示すように、パルスレーザビームLaの照射に加えてレーザビームLbの照射を行うことにより、パルスレーザビームLaの照射で上昇した基板表面の温度が、パルスレーザビームLaの照射終了後も高い状態に維持される。これにより、活性化の反応が深い位置まで及び、表層8cに存在する不純物の活性化率を高めることができる。なお、レーザビームLbのみを基板表面に照射する場合は、レーザビームLbのピーク強度が比較的小さいため(例えば10W程度)、不純物の活性化がほとんど起こらない。
図5(B)に示した例では、パルスレーザビームLaの照射時間中に、レーザビームLbの照射を開始したが、レーザビームLbの照射開始タイミングはこれより遅くすることができる。パルスレーザビームLaにより上昇した基板表面の温度が高い状態であるうちに、レーザビームLbの照射を開始すればよい。時間的な目安としては、パルスレーザビームLaの照射終了時刻から、300ns以内に、レーザビームLbの照射を開始すればよい。
基板表面から0.5μmより深い位置に存在する不純物まで活性化するため、パルスレーザビームLaの照射開始時刻からレーザビームLbの照射終了時刻までの間に基板表面へレーザが照射される時間の総和を、300ns以上とすることが好ましい。
図5(C)は、図5(B)を参照して説明した方法の変形例を示す。この例では、連続波レーザビームから切り出したレーザビームLbを照射しながら、パルスレーザビームLaを照射する。パルスレーザビームLaの照射後も、レーザビームLbが照射され続けることにより、パルスレーザビームLaにより上昇した基板表面の温度が高い状態に維持される。この方法でも、1ショットのパルスレーザビームLaのみでは効率的に活性化できないような深い位置に存在する不純物の活性化率を高めることができる。
なお、パルスレーザビームLaの照射の前に、レーザビームLbを照射することにより、基板に予熱が与えられる。この予熱が、パルスLaの照射時の不純物活性化を促進する効果も期待できる。
なお、基板表面から浅い位置に存在する不純物のみを活性化したい場合は、図5(A)に示すように、パルスLaの照射のみを行えばよい。
次に図6を参照して、第1の実施例の変形例によるレーザ照射装置について説明する。図6に示すレーザ照射装置は、図1に示したレーザ照射装置から偏光ビームスプリッタ4を除き、ミラー11及びダンパ12を追加した構成である。ミラー11は、表側及び裏側がともに鏡面である。以下主に、図1のレーザ照射装置と異なる点について説明する。
レーザ光源1aから出射し、折り返しミラー3で反射されたレーザビームの光軸と、レーザ光源1bから出射したレーザビームの光軸とが、直角を成して交わっている。ミラー11の縁近傍が、両レーザビームが交わる領域に存在するように、ミラー11が配置されている。
ミラー11の表側の鏡面の縁近傍の領域に、レーザ光源1aから出射し、折り返しミラー3で反射されたレーザビームの一部が、入射角45度で入射する。レーザ光源1aから出射したレーザビームのうち、ミラー11で反射されたビームL1は、回折光学素子6に入射し、ミラー11で反射されなかったビームは、ダンパ12に入射する。
ミラー11の裏側の鏡面の縁近傍の領域に、レーザ光源1bから出射したレーザビームの一部が、入射角45度で入射する。レーザ光源1bから出射したレーザビームのうち、ミラー11で反射されなかったビームL2は、そのまま直進して回折光学素子6に入射し、ミラー11で反射されたビームは、ダンパ12に入射する。回折光学素子6に入射するレーザビームL1及びL2の光軸は、互いに平行である。また、レーザビームL1及びL2のビーム断面は、互いに接している。
図1のレーザ照射装置では、偏光ビームスプリッタ4を用いて、2台のレーザ光源1a及び1bから出射したレーザビームを、1本にまとめたが、図6のレーザ照射装置のように、ミラー11を用いて、両レーザビームを1本にまとめることもできる。
次に図7(A)を参照して、本発明の第2の実施例によるレーザ照射装置について説明する。レーザ光源1c、半波長板2c、折り返しミラー3c、及び、偏光ビームスプリッタ4bは、図1に示したレーザ照射装置のレーザ光源1a、半波長板2、折り返しミラー3、及び、偏光ビームスプリッタ4と同様の構成である。レーザ光源1cから出射したパルスレーザビームが、半波長板2cで偏光ビームスプリッタ4bに対するS波とされ、折り返しミラー3cで反射されて、偏光ビームスプリッタ4bに入射する。
レーザ光源1dは、偏光ビームスプリッタ4bに対してP波であるパルスレーザビームを出射する。レーザ光源1dとして、レーザ光源1cと同様に、固体レーザを用いることができる。レーザ光源1dから出射したパルスレーザビームが、偏光ビームスプリッタ4bに入射する。制御装置10aが、レーザ光源1c及び1dがパルスを出射するタイミングを制御する。
図1に示したレーザ照射装置で説明したのと同様にして、レーザ光源1c及び1dから出射したレーザビームが、偏光ビームスプリッタ4bにより同一光軸上に重畳される。偏光ビームスプリッタ4bを出射したレーザビームL3が、デエキスパンダ13に入射する。
レーザ光源1e、半波長板2e、折り返しミラー3e、レーザ光源1f、及び、偏光ビームスプリッタ4cは、それぞれ、図1のレーザ光源1c、半波長板2c、折り返しミラー3c、レーザ光源1d、及び、偏光ビームスプリッタ4bと同様の構成である。制御装置10aが、レーザ光源1e及び1fがパルスを出射するタイミングを制御する。
レーザ光源1eから出射したパルスレーザビームと、レーザ光源1fから出射したパルスレーザビームとが、偏光ビームスプリッタ4cにより、同一光軸上に重畳される。偏光ビームスプリッタ4cを出射して、折り返しミラー11aで反射されたレーザビームL4が、デエキスパンダ13に入射する。
折り返しミラー11aにより、レーザビームL4の光軸は、レーザビームL3の光軸と平行にされる。また、レーザビームL4のビーム断面と、レーザビームL3のビーム断面とが近接するように、折り返しミラー11aが配置されている。
デエキスパンダ13が、入射したレーザビームL3及びL4のビーム断面を縮小する。デエキスパンダ13を出射したレーザビームL3及びL4のビーム断面の間隔は、デエキスパンダ13に入射する前と比べて狭くされる。
デエキスパンダ13を出射したレーザビームL3及びL4は、回折光学素子6に入射し、ビーム断面を長尺化されるとともに、ビーム断面内の光強度を均一化される。レーザビームL3とL4とは、回折光学素子6の表面上の異なる位置に入射するが、焦点面7上(半導体基板8の表面上)の光照射領域は、両レーザビームで一致する。
次に、図7(B)を参照して、図7(A)に示すレーザ照射装置を用いた、第2の実施例による不純物活性化方法について説明する。図7(B)は、半導体基板8にレーザビームを照射するタイミングを示すグラフである。グラフの縦軸はレーザビームの強度を示し、横軸は時間を示す。
4つのパルスレーザビームLc〜Lfはそれぞれ、図7(A)のレーザ照射装置の4つのレーザ光源1c〜1fから出射されたものである。各パルスのパルス幅は、例えば100nsである。まず、1つ目のパルスLcが照射される。パルスLcの照射開始後に、2つ目のパルスLdが照射され、パルスLdの照射開始後に、3つ目のパルスLeが照射され、パルスLeの照射開始後に、4つ目のパルスLfが照射される。この例では、あるパルスの照射時間内に、そのパルスの次のパルスの照射が開始されている。
1つ目のパルスLcの照射により、基板表面が加熱され、表層8bの不純物の活性化が開始する。その後、連続的に複数のパルスを基板に照射することにより、パルスLcにより上昇した基板表面の温度が高い状態に維持される。このようにして、表層8bよりも深い領域に存在する不純物の活性化率を高めることができる。
図7(B)に示した例では、あるパルスの照射時間内に、そのパルスの次のパルスの照射を開始したが、あるパルスの照射終了後に、そのパルスの次のパルスの照射を開始することもできる。あるパルスにより上昇した基板表面の温度が高い状態であるうちに、そのパルスの次のパルスの照射を開始すればよい。時間的な目安としては、あるパルスの照射終了時刻から、300ns以内に、そのパルスの次のパルスの照射を開始すればよい。
基板表面から0.5μmより深い位置に存在する不純物の活性化率を高めるため、最初のパルスLcの照射開始時刻から最後のパルスLfの照射終了時刻までの間に、基板表面へレーザが照射される時間の総和を、300ns以上とすることが好ましい。なお、上記の例では4つのパルスの照射を行ったが、パルス幅が100nsのパルスであれば、3つのパルスで、300nsの照射を行うことができる。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
本発明の第1の実施例によるレーザ照射装置を示す概略図である。 図2(A)〜図2(D)は、シャッタの構成例を示す概略図である。 半導体基板の断面図である。 回折光学素子を出射する光の経路を示す概略図である。 回折光学素子と半導体基板との間に、マスクとレンズとを有する構成例を示す概略図である。 図4(A)〜図4(C)は、回折光学素子から出射したレーザビームにより照射された光照射領域及び光照射領域内の光強度分布を示すグラフである。 半導体基板にレーザビームが照射されるタイミングを示すグラフである。 第1の実施例の変形例によるレーザ照射装置を示す概略図である。 第2の実施例によるレーザ照射装置を示す概略図である。 半導体基板にレーザビームが照射されるタイミングを示すグラフである。
符号の説明
1a、1b レーザ光源
2 半波長板
3 折り返しミラー
4 偏光ビームスプリッタ
5 シャッタ
6 回折光学素子
7 (回折光学素子6の)焦点面
8 半導体基板
9 ステージ

Claims (2)

  1. 第1のレーザビームを出射する第1のレーザ光源と、
    第2のレーザビームを出射する第2のレーザ光源と、
    前記第1及び第2のレーザ光源から出射した第1及び第2のレーザビームが入射するように配置された回折光学素子であって、該回折光学素子に入射するレーザビームの断面形状と、該回折光学素子から出射したレーザビームの該回折光学素子の焦点面上での断面形状とを異ならせるビーム断面の整形、及び、該回折光学素子から出射したレーザビームの該回折光学素子の焦点面上でのビーム断面内の光強度分布を、該回折光学素子に入射するレーザビームのビーム断面内の光強度分布より均一な分布に近づけるビーム断面内の光強度分布の均一化の少なくとも一方を行う該回折光学素子と
    を有するレーザ照射装置。
  2. 1つの回折光学素子であって、それに入射するレーザビームの断面形状と、該回折光学素子から出射したレーザビームの該回折光学素子の焦点面上での断面形状とを異ならせるビーム断面の整形、及び、該回折光学素子から出射したレーザビームの該回折光学素子の焦点面上でのビーム断面内の光強度分布を、該回折光学素子に入射するレーザビームのビーム断面内の光強度分布より均一な分布に近づけるビーム断面内の光強度分布の均一化の少なくとも一方を行う該回折光学素子に、2台以上のレーザ光源から出射されたレーザビームを入射させて、レーザビームの断面の整形及びビーム断面内の光強度分布の均一化の少なくとも一方を行うレーザ照射方法。
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