JP2015077614A - 異厚厚板板取り方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】仕上げ圧延された厚板鋼板を加速冷却設備で加速冷却する場合に、一枚の加速冷却厚板鋼板から板厚の異なる加速冷却厚板製品を取得することを可能として、板厚の異なる加速冷却厚板製品の製造効率を向上する。
【解決手段】特定の加速冷却厚板製品を当該製品の冷却停止温度にするための通板速度及び冷却長さを算出し、算出された通板速度及び冷却長さによって特定の加速冷却厚板製品以外の加速冷却厚板製品を当該製品の冷却停止温度にすることが可能な加速冷却厚板製品が存在するか否かを判定し、冷却停止温度にすることが可能な加速冷却厚板製品が存在する場合、当該存在する加速冷却厚板製品と特定の加速冷却厚板製品とを板厚が段階的に変化する一枚の加速冷却厚板鋼板から取得する板厚の異なる加速冷却厚板製品として検出する。
【選択図】図2

Description

本発明は、板厚の異なる厚板製品を取得する異厚厚板板取り方法に関し、特に板厚が段階的に変化し且つ加速冷却設備で加速冷却される一枚の加速冷却厚板鋼板から板厚の異なる加速冷却厚板製品を取得するのに好適なものである。
製鉄所における厚板製品製造工程では、圧延工程の出側に加速冷却設備を設置し、圧延後の厚板鋼板を加速冷却設備に通板して加速冷却を行うことで厚板鋼板の機械的特性を制御するTMCP(Thermo-Mechanical Control Process)が行われている。このような加速冷却設備において、一枚の厚板鋼板のなかで板厚が変化する圧延鋼板を加速冷却する方法として、例えば下記特許文献1及び特許文献2に記載されるものがある。このうち、下記特許文献1に記載される冷却方法は、板厚が長手方向に連続して変化する厚板鋼板に対し、加速冷却設備に通板する前に厚板鋼板の長手方向複数箇所の温度を実測し、その実測値に基づいて各箇所の最適冷却条件を求め、通板する厚板鋼板の板厚に応じて冷却中の通板速度を修正することにより、厚板鋼板を均一に冷却するものである。また、下記特許文献2に記載される冷却方法は、通板される厚板鋼板の上下に冷却ノズルを複数配置すると共に、各冷却ノズルの出側に上部水切りロール及び下部テーブルロールを対向配置し、長手方向に板厚が異なる厚板鋼板を通板して上下の冷却ノズルから冷却水を噴射すると共に、通板する厚板鋼板の板厚に応じて上部水切りロールを上下方向に位置調整することにより、厚板鋼板を均一に冷却するものである。
特開昭62−166013号公報 特開2006−262274号公報
ところで、一枚の鋼板から複数の製品を取得するために、一枚の鋼板に複数の製品を割付けすることを板取りという。板取りに際しては、製品の納期を確保しながら、例えば、割付けの隙間を最小化して歩留ロスを削減したり、製造限界まで割付け重量を最大化して製造効率を向上したりするように配慮される。加速冷却厚板鋼板についても同様で、いかに効率よく、加速冷却厚板製品を板取りできるかを考慮して板取りが行われている。一般的に、加速冷却厚板製品の成分は勿論、板厚についても同じ板厚の加速冷却厚板製品を同じ板厚の一枚の加速冷却厚板鋼板に板取りする。しかしながら、実際の板取りにおいては、板厚の異なる加速冷却厚板製品が残存することがある。そして、そのような場合、残存した板厚の異なる加速冷却厚板製品数分、板厚の異なる加速冷却厚板鋼板を製造し、それらの加速冷却厚板鋼板から夫々板厚の異なる加速冷却厚板製品を取得している。そのため、加速冷却厚板製品の製造効率がよくない場合がある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、一枚の加速冷却厚板鋼板から板厚の異なる加速冷却厚板製品を取得することを演算機能で可能として、板厚の異なる加速冷却厚板製品の製造効率を向上することが可能な異厚厚板板取り方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の異厚厚板板取り方法は、板厚が段階的に変化し且つ加速冷却設備で加速冷却される一枚の加速冷却厚板鋼板から板厚の異なる加速冷却厚板製品を取得するために演算機能を有する計算機によって実行する異厚厚板板取り方法であって、要求される加速冷却厚板製品のうち、成分が等しく且つ板厚が異なり且つ板厚の差が予め設定された許容範囲内にある加速冷却厚板製品を選出し、選出された加速冷却厚板製品のうちの特定の加速冷却厚板製品を当該製品の冷却停止温度にするための通板速度及び冷却長さを算出し、前記選出された加速冷却厚板製品のうちの前記特定の加速冷却厚板製品以外の加速冷却厚板製品の中に、前記算出された通板速度及び冷却長さにて加速冷却を行うことで当該製品の冷却停止温度にすることが可能な加速冷却厚板製品が存在するか否かを判定し、前記冷却停止温度にすることが可能な加速冷却厚板製品が存在する場合、当該存在する加速冷却厚板製品と前記特定の加速冷却厚板製品とを前記板厚が段階的に変化する一枚の加速冷却厚板鋼板から取得する板厚の異なる加速冷却厚板製品として検出することを特徴とするものである。
また、前記冷却停止温度にすることが可能な加速冷却厚板製品が存在するか否かを判定する際、前記選出された加速冷却厚板製品のうちの前記特定の加速冷却厚板製品以外の加速冷却厚板製品の冷却開始温度を算出し、前記算出された通板速度及び冷却長さでの加速冷却によって前記選出された加速冷却厚板製品のうちの前記特定の加速冷却厚板製品以外の加速冷却厚板製品を当該製品の冷却開始温度から当該製品の冷却停止温度にすることが可能か否かを判定することを特徴とするものである。
また、前記冷却停止温度にすることが可能な加速冷却厚板製品が存在しない場合、前記特定の加速冷却厚板製品を前記選出された加速冷却厚板製品から除外し、選出された加速冷却厚板製品のうちの異なる加速冷却厚板製品を前記特定の加速冷却厚板製品に指定し、前記判定及び前記検出を繰り返すことを特徴とするものである。
而して、本発明の異厚厚板板取り方法によれば、板厚が段階的に変化し且つ加速冷却設備で加速冷却される一枚の加速冷却厚板鋼板から板厚の異なる加速冷却厚板製品を取得するために演算機能を有する計算機によって実行する場合に、まず要求される加速冷却厚板製品のうち、成分が等しく且つ板厚が異なり且つ板厚の差が予め設定された許容範囲内にある加速冷却厚板製品を選出する。次いで、選出された加速冷却厚板製品のうちの特定の加速冷却厚板製品を当該製品の冷却停止温度にするための通板速度及び冷却長さを算出する。次いで、選出された加速冷却厚板製品のうちの特定の加速冷却厚板製品以外の加速冷却厚板製品の中に、算出された通板速度及び冷却長さにて加速冷却を行うことで当該製品の冷却停止温度にすることが可能な加速冷却厚板製品が存在するか否かを判定する。そして、冷却停止温度にすることが可能な加速冷却厚板製品が存在する場合、当該存在する加速冷却厚板製品と特定の加速冷却厚板製品とを板厚が段階的に変化する一枚の加速冷却厚板鋼板から取得する板厚の異なる加速冷却厚板製品として検出する。そのため、加速冷却設備における同じ冷却長さを一定の通板速度で板厚が段階的に変化する加速冷却厚板鋼板を通板することにより、加速冷却厚板製品の性状、特に製品の強度特性を確保する上で重要な冷却停止温度を当該鋼板の各板厚部分で安定して達成することができ、これにより板厚の異なる加速冷却厚板製品を加速冷却厚板鋼板の各板厚部分に板取りすることが可能となる。そして、これにより板厚の異なる加速冷却厚板製品の製造効率を向上することが可能となる。
また、冷却停止温度にすることが可能な加速冷却厚板製品が存在するか否かを判定する際、選出された加速冷却厚板製品のうちの特定の加速冷却厚板製品以外の加速冷却厚板製品の冷却開始温度を算出する。そして、算出された通板速度及び冷却長さでの加速冷却によって選出された加速冷却厚板製品のうちの特定の加速冷却厚板製品以外の加速冷却厚板製品を当該製品の冷却開始温度から当該製品の冷却停止温度にすることが可能か否かを判定する。これにより、特定の加速冷却厚板製品以外の加速冷却厚板製品の強度を確保することができ、その結果、板厚の異なる加速冷却厚板製品の製造効率をより一層向上することが可能となる。
また、冷却停止温度にすることが可能な加速冷却厚板製品が存在しない場合、特定の加速冷却厚板製品を選出された加速冷却厚板製品から除外し、選出された加速冷却厚板製品のうちの異なる加速冷却厚板製品を特定の加速冷却厚板製品に指定し、前記判定及び前記検出を繰り返す。これにより、板厚が段階的に変化する一枚の加速冷却厚板鋼板から板取りできる板厚の異なる加速冷却厚板製品を正確に且つ効率よく検出することが可能となり、その結果、板厚の異なる加速冷却厚板製品の製造効率をより一層向上することが可能となる。
本発明の異厚厚板板取り方法が適用された厚板製造工程の概略構成図である。 図1のプロセスコンピュータで行われる異厚厚板板取り方法の演算処理を示すフローチャートである。 図2の演算処理の作用の説明図である。 従来の異厚厚板板取り方法で通板速度を変更したときの作用の説明図である。
次に、本発明の異厚厚板板取り方法の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の異厚厚板板取り方法が適用された厚板製造工程の概略構成図である。図の左方が工程の入側、図の右方が工程の出側であり、図の左方にも例えば圧延工程などが存在し、図の右方にも例えばシャーによる切断工程などが存在する。図中の符号1は、仕上げ圧延機である。厚板鋼板Sは、仕上げ圧延機1から入側搬送装置2、加速冷却設備3、出側搬送装置4の順に搬送されて加速冷却厚板鋼板Sとなる。加速冷却厚板鋼板Sはシャーによって切断されて加速冷却厚板製品になる。なお、入側搬送装置2や出側搬送装置4に代えて、他の装置や設備を配置することも可能である。
この厚板製造工程は、演算機能を有するプロセスコンピュータ(計算機)5によって制御されている。プロセスコンピュータ5は、例えば仕上げ圧延機1の圧延状態、入側搬送装置2、加速冷却設備3、出側搬送装置4による厚板鋼板Sの搬送速度、加速冷却設備3による厚板鋼板Sの冷却状態などを制御する。また、本実施形態の加速冷却設備3は、厚板鋼板Sの上下面に冷却水を噴射して厚板鋼板Sを冷却する。この加速冷却設備3は、厚板鋼板Sの搬送方向に複数の冷却ステーションを接続して構成され、出側から冷却ステーション毎に冷却水を噴射しないようにすることで冷却長さ、即ち加速冷却を行う搬送方向長さを短くすることができる。冷却長さを長くする場合には、冷却水を噴射していない冷却ステーション毎に入側から冷却水を噴射する。なお、加速冷却設備3による厚板鋼板Sの冷却状態は、厚板鋼板Sの搬送速度及び加速冷却設備3中の冷却長さによって制御されるものとし、厚板鋼板Sの板厚及び搬送速度が一定であれば単位冷却長さ当たりの厚板鋼板Sの温度低下量は一定であるものとする。従って、搬送速度が大きくなれば単位冷却長さ当たりの温度低下量は小さくなり、搬送速度が小さくなれば単位冷却長さ当たりの温度低下量は大きくなる。
次に、図1の厚板製造工程で製造される異厚厚板の板取り方法について、図2のフローチャートを用いて説明する。異厚厚板板取り方法は、一枚の加速冷却厚板鋼板Sから板厚の異なる加速冷却厚板製品を取得する(板取りする)方法である。そのためには、板厚が段階的に変化する加速冷却厚板鋼板Sを製造する必要がある。このように板厚が段階的に変化する加速冷却厚板鋼板Sは、例えば仕上げ圧延機1の圧延パス回数を一枚の厚板鋼板Sの搬送方向途中で変えればよい。理論的には、3段階以上に板厚が変化する加速冷却厚板鋼板Sを製造することも可能であるが、実際には2段階に板厚が変化する加速冷却厚板鋼板Sを製造することが殆どである。また、加速冷却厚板鋼板Sの段階的に異なる各板厚は、この演算処理によって検出された板取り可能な加速冷却厚板製品の板厚に応じて設定される。
この演算処理は、要求される加速冷却厚板製品の情報、例えば製品の成分、諸元、強度、納期などが入力され、それらの製品を取得するための加速冷却厚板鋼板Sが製造される前に図1には図示しない上位コンピュータ(計算機)により行われる。この演算処理では、まずステップS1で、要求される加速冷却厚板製品のうち、成分が等しく且つ板厚が異なり且つ板厚の差が予め設定された許容範囲内にある加速冷却厚板製品を選出する。成分が等しい製品を選出するのは、同一スラブから板厚の異なる厚板製品を含む厚板鋼板に圧延することを念頭においているためである。また、板厚の差の許容範囲については、仕上げ圧延機1で付与することが可能な板厚差を設定しておけばよい。
次にステップS2に移行して、前記ステップS1で選出された加速冷却厚板製品のうちの何れか一つを特定の製品に指定する。
次にステップS3に移行して、前記ステップS1で選出された加速冷却厚板製品のうちの特定の加速冷却厚板製品を当該製品の冷却停止温度にするための通板速度及び冷却長さを算出する。この通板速度及び冷却長さの算出には、例えば特定の加速冷却厚板製品を加速冷却厚板鋼板から取得する際、仕上げ圧延後の厚板鋼板の圧延終了温度はこれまでの同一種の厚板鋼板の圧延実績から予め求められるから、当該特定の加速冷却厚板製品の板厚の厚板鋼板が或る通板速度で仕上げ圧延機から加速冷却設備に到達したときの温度を冷却開始温度として求め、その通板速度で特定の加速冷却厚板製品の冷却開始温度を冷却停止温度にするために必要な冷却長さが求められる。なお、加速冷却厚板製品の強度が与えられると、その加速冷却厚板製品を取得するために加速冷却設備から排出されるときの冷却停止温度が決定される。
次にステップS4に移行して、選出された加速冷却厚板製品のうちの特定の加速冷却厚板製品以外の加速冷却厚板製品の冷却開始温度を算出する。冷却開始温度は、加速冷却厚板製品夫々について予め求められる圧延終了温度及び前記ステップS3で算出された通板速度を用いて算出することができる。
次にステップS5に移行して、選出された加速冷却厚板製品のうちの特定の加速冷却厚板製品以外の加速冷却厚板製品で、前記ステップS4で算出された冷却開始温度から前記ステップS3で算出された通板速度及び冷却長さで冷却を施すことによって、当該製品の冷却停止温度となる加速冷却圧延製品が存在するか否かを判定し、そのような加速冷却圧延製品が存在する場合にはステップS6に移行し、そうでない場合にはステップS7に移行する。
前記ステップS7では、前記ステップS5の判定で冷却停止温度に到達することが可能な加速冷却厚板製品が存在しないので、前記ステップS3〜ステップS5で用いた特定の加速冷却厚板製品を選出された加速冷却厚板製品から除外し、選出された加速冷却厚板製品のうちの異なる加速冷却厚板製品を前記特定の加速冷却厚板製品に指定してからステップS8に移行する。
前記ステップS8では、選出された製品に、もはや特定の製品以外が残っていないか否かを判定し、選出された製品に特定の製品以外が残っていない場合には処理を終了し、そうでない場合には前記ステップS3に移行する。
一方、前記ステップS6では、前記ステップS5の判定で、冷却停止温度に到達することが可能な加速冷却厚板製品が存在するので、その存在する加速冷却厚板製品と特定の加速冷却厚板製品とを板厚が段階的に変化する一枚の加速冷却厚板鋼板から取得する、つまり板取り可能な板厚の異なる加速冷却厚板製品として検出してからステップS9に移行する。
前記ステップS9では、個別の演算処理に従って、圧延条件など、その他の諸条件の検討を行ってから処理を終了する。
この演算処理によれば、要求される加速冷却厚板製品のうち、成分が等しく、且つ板厚が異なり、且つ板厚の差が許容範囲内にある加速冷却厚板製品を抽出する。これらは冷却条件が同等であれば、板厚が段階的に変化する一枚の加速冷却厚板鋼板から取得することが可能な加速冷却厚板製品群である。そして、これらの加速冷却厚板製品群のうちの一つを特定の加速冷却厚板製品とし、その特定の加速冷却厚板製品を冷却停止温度にするための通板速度及び冷却長さを算出する。
本実施形態では、後述するように通板速度と冷却長さを一定として、その通板速度と冷却長さによる加速冷却で冷却停止温度が達成可能な他の加速冷却厚板製品を探し出し、そのような他の加速冷却厚板製品が存在するならば、その加速冷却厚板製品と特定の加速冷却厚板製品を板厚が段階的に変化する一枚の加速冷却厚板鋼板から取得することができる、つまり板取り可能な組合せとして検出する。
例えば図3は、本実施形態の異厚厚板板取り方法で板取りされた加速冷却厚板鋼板の温度分布の説明図である。この例では、一枚の加速冷却厚板鋼板のうち右半分の板厚が大きく、左半分の板厚が小さい。また、この例では、この加速冷却厚板鋼板が仕上げ圧延機から加速冷却設備に装入されるときの冷却開始温度は、板厚に関わらず、全長にわたって均一である。また、この加速冷却厚板鋼板の目標とする冷却停止温度は、板厚の大きい右半分部で大きく、板厚の小さい左半分部で小さい。周知のように、通板速度が同じで冷却長さが同じであれば、板厚の大きい部分では冷却停止温度が大きく、板厚の小さい部分では冷却停止温度が小さくなる。本実施形態では、通板速度及び冷却長さを同じにして、冷却開始温度から冷却停止温度まで冷却される、特定の加速冷却厚板製品と、特定の加速冷却厚板製品とは板厚の異なる加速冷却厚板製品とを組合せて板取りするので、結果的に加速冷却厚板鋼板の各板厚部分の実際の冷却停止温度を目標とする冷却停止温度に一致又はほぼ一致させることができる。
これに対し、図4は、従来の板取り方法で板取りし、通板速度を調整したときの加速冷却厚板鋼板の温度分布の説明図である。この例では、前記図3と同じく、右半分の板厚が大きく、左半分の板厚が小さい、一枚の加速冷却厚板鋼板から、目標とする冷却停止温度の等しい加速冷却厚板製品を板取りしようとしている。また、この加速冷却厚板鋼板も、前記図3と同じく、仕上げ圧延機から加速冷却設備に装入されるときの冷却開始温度が、板厚に関わらず、全長にわたって均一である。このように冷却開始温度も目標とする冷却停止温度も等しい、しかしながら板厚が段階的に変化する加速冷却厚板鋼板で目標とする冷却停止温度を達成するためには、例えば図の右半分部から図の左半分部の順に厚板鋼板を通板する場合、板厚の変わり目で通板速度を大きく(逆の場合は通板速度を小さく)変更しなければならない。このとき、通板速度は瞬時に変化するものではないから、板厚の変わり目の近傍で実際の冷却停止温度が目標とする冷却停止温度からずれてしまう。このように実際の冷却停止温度が目標とする冷却停止温度からずれてしまうと、特に板厚の異なる加速冷却厚板製品の強度が仕様からずれてしまう。このような冷却停止温度のずれは、例えば加速冷却厚板鋼板の板厚の変わり目で冷却長さを変更するような場合にも発生することが分かる。
こうした従来の異厚厚板板取り方法の問題点に着目し、板厚が段階的に変化する加速冷却厚板鋼板であっても、通板速度と冷却長さを一定とし、その通板速度と冷却長さで達成可能な冷却停止温度、より厳密には冷却開始温度から冷却停止温度まで冷却される加速冷却厚板製品を検出し、それらの加速冷却厚板製品を一枚の加速冷却厚板鋼板で板取りすれば、実際の冷却停止温度を目標とする冷却停止温度に一致又はほぼ一致させることが可能となる。本実施形態の異厚厚板板取り方法で行った異なる板厚の加速冷却厚板製品の実施例を下記表1に示す。
Figure 2015077614
このように本実施形態の異厚厚板板取り方法では、板厚が段階的に変化し且つ加速冷却設備3で加速冷却される一枚の加速冷却厚板鋼板Sから板厚の異なる加速冷却厚板製品を取得するための演算を計算機によって実行する場合に、まず要求される加速冷却厚板製品のうち、成分が等しく且つ板厚が異なり且つ板厚の差が予め設定された許容範囲内にある加速冷却厚板製品を選出する。次いで、選出された加速冷却厚板製品のうちの特定の加速冷却厚板製品を当該製品の冷却停止温度にするための通板速度及び冷却長さを算出する。次いで、選出された加速冷却厚板製品のうちの特定の加速冷却厚板製品以外の加速冷却厚板製品の中に、算出された通板速度及び冷却長さにて加速冷却を行うことで当該製品の冷却停止温度にすることが可能な加速冷却厚板製品が存在するか否かを判定する。そして、冷却停止温度にすることが可能な加速冷却厚板製品が存在する場合、当該存在する加速冷却厚板製品と特定の加速冷却厚板製品とを板厚が段階的に変化する一枚の加速冷却厚板鋼板から取得する板厚の異なる加速冷却厚板製品として検出する。そのため、加速冷却設備3における同じ冷却長さを一定の通板速度で板厚が段階的に変化する加速冷却厚板鋼板を通板することにより、加速冷却厚板製品の性状、特に強度を確保するために重要な冷却停止温度を当該鋼板の各板厚部分で安定して達成することができ、これにより板厚の異なる加速冷却厚板製品を加速冷却厚板鋼板の各板厚部分に板取りすることが可能となる。そして、これにより板厚の異なる加速冷却厚板製品の製造効率を向上することが可能となる。
また、冷却停止温度にすることが可能な加速冷却厚板製品が存在するか否かを判定する際、選出された加速冷却厚板製品のうちの特定の加速冷却厚板製品以外の加速冷却厚板製品の冷却開始温度を算出する。そして、算出された通板速度及び冷却長さでの加速冷却によって選出された加速冷却厚板製品のうちの特定の加速冷却厚板製品以外の加速冷却厚板製品を当該製品の冷却開始温度から当該製品の冷却停止温度にすることが可能か否かを判定する。これにより、特定の加速冷却厚板製品以外の加速冷却厚板製品の強度を確保することができ、その結果、板厚の異なる加速冷却厚板製品の製造効率をより一層向上することが可能となる。
また、冷却停止温度にすることが可能な加速冷却厚板製品が存在しない場合、特定の加速冷却厚板製品を選出された加速冷却厚板製品から除外し、選出された加速冷却厚板製品のうちの異なる加速冷却厚板製品を特定の加速冷却厚板製品に指定し、判定及び検出を繰り返す。これにより、板厚が段階的に変化する一枚の加速冷却厚板鋼板から板取りできる板厚の異なる加速冷却厚板製品を正確に且つ効率よく検出することが可能となり、その結果、板厚の異なる加速冷却厚板製品の製造効率をより一層向上することが可能となる。
1 仕上げ圧延機
2 入側搬送装置
3 加速冷却設備
4 出側搬送装置
5 プロセスコンピュータ(計算機)
S 厚板鋼板(加速冷却厚板鋼板)

Claims (3)

  1. 板厚が段階的に変化し且つ加速冷却設備で加速冷却される一枚の加速冷却厚板鋼板から板厚の異なる加速冷却厚板製品を取得するために演算機能を有する計算機によって実行する異厚厚板板取り方法であって、
    要求される加速冷却厚板製品のうち、成分が等しく且つ板厚が異なり且つ板厚の差が予め設定された許容範囲内にある加速冷却厚板製品を選出し、
    選出された加速冷却厚板製品のうちの特定の加速冷却厚板製品を当該製品の冷却停止温度にするための通板速度及び冷却長さを算出し、
    前記選出された加速冷却厚板製品のうちの前記特定の加速冷却厚板製品以外の加速冷却厚板製品の中に、前記算出された通板速度及び冷却長さにて加速冷却を行うことで当該製品の冷却停止温度にすることが可能な加速冷却厚板製品が存在するか否かを判定し、
    前記冷却停止温度にすることが可能な加速冷却厚板製品が存在する場合、当該存在する加速冷却厚板製品と前記特定の加速冷却厚板製品とを前記板厚が段階的に変化する一枚の加速冷却厚板鋼板から取得する板厚の異なる加速冷却厚板製品として検出することを特徴とする異厚厚板板取り方法。
  2. 前記冷却停止温度にすることが可能な加速冷却厚板製品が存在するか否かを判定する際、前記選出された加速冷却厚板製品のうちの前記特定の加速冷却厚板製品以外の加速冷却厚板製品の冷却開始温度を算出し、前記算出された通板速度及び冷却長さでの加速冷却によって前記選出された加速冷却厚板製品のうちの前記特定の加速冷却厚板製品以外の加速冷却厚板製品を当該製品の冷却開始温度から当該製品の冷却停止温度にすることが可能か否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の異厚厚板板取り方法。
  3. 前記冷却停止温度にすることが可能な加速冷却厚板製品が存在しない場合、前記特定の加速冷却厚板製品を前記選出された加速冷却厚板製品から除外し、選出された加速冷却厚板製品のうちの異なる加速冷却厚板製品を前記特定の加速冷却厚板製品に指定し、前記判定及び検出を繰り返すことを特徴とする請求項1又は2に記載の異厚厚板板取り方法。
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