JP2015076266A - 絶縁電線 - Google Patents
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Abstract
【課題】架橋シリコーンゴムを含む絶縁層を有する絶縁電線において、耐摩耗性および耐熱性に優れる絶縁電線を提供すること。
【解決手段】導体の周囲が架橋シリコーンゴムを含む絶縁層で被覆されている絶縁電線において、絶縁層が、BET比表面積30m2/g以下のフィラーを含有している。上記フィラーとしては、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムの少なくとも1種以上が好ましい。上記フィラーの含有量は、架橋シリコーンゴム100質量部に対し、0.1〜100質量部の範囲内であることが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】導体の周囲が架橋シリコーンゴムを含む絶縁層で被覆されている絶縁電線において、絶縁層が、BET比表面積30m2/g以下のフィラーを含有している。上記フィラーとしては、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムの少なくとも1種以上が好ましい。上記フィラーの含有量は、架橋シリコーンゴム100質量部に対し、0.1〜100質量部の範囲内であることが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は絶縁電線に関し、さらに詳しくは、自動車等の車両に好適に用いられる絶縁電線に関するものである。
自動車等の車両に使用される絶縁電線の絶縁材料には、機械特性、難燃性、耐熱性、耐寒性等の種々の特性が要求される。従来、この種の絶縁材料には、塩化ビニル樹脂やハロゲン系難燃剤を配合したコンパウンドなどのハロゲンを含むものが良く用いられている。
この種の絶縁材料は、ハロゲンを含むことから、焼却廃棄した場合に腐食性ガスを発生することがある。そこで、環境保護などの観点から、ハロゲンを含まない絶縁材料を用いる試みがある。
例えば特許文献1には、絶縁電線の絶縁材料として、未架橋のシリコーンゴムに水酸化アルミニウムを配合したノンハロゲン系の絶縁材料を用いることが記載されている。
絶縁電線の絶縁材料としてゴム材料(シリコーンゴム)を用いると、例えば塩化ビニル樹脂を用いた場合などに比べ、絶縁層が軟らかく、摩耗しやすいという問題がある。これに対し、フィラーを添加すると、絶縁層の耐熱性が低下するという問題がある。
本発明の解決しようとする課題は、架橋シリコーンゴムを含む絶縁層を有する絶縁電線において、耐摩耗性および耐熱性に優れる絶縁電線を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明に係る絶縁電線は、導体の周囲が架橋シリコーンゴムを含む絶縁層で被覆されている絶縁電線において、前記絶縁層が、BET比表面積30m2/g以下のフィラーを含有していることを要旨とするものである。
前記フィラーは、炭酸カルシウム粉末、酸化マグネシウム粉末、水酸化マグネシウム粉末の少なくとも1種以上が好ましい。
前記フィラーの含有量は、前記架橋シリコーンゴム100質量部に対し、0.1〜100質量部の範囲内であることが好ましい。
本発明に係る絶縁電線によれば、架橋シリコーンゴムを含む絶縁層がBET比表面積30m2/g以下のフィラーを含有することにより、耐摩耗性および耐熱性に優れる。
この場合、前記フィラーが炭酸カルシウム粉末、酸化マグネシウム粉末、水酸化マグネシウム粉末の少なくとも1種以上であると、耐摩耗性を向上する効果が高い。
そして、前記フィラーの含有量が架橋シリコーンゴム100質量部に対し、0.1〜100質量部の範囲内であると、耐寒性の低下を抑えつつ、耐摩耗性および耐熱性の向上を図ることができる。
次に、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明に係る絶縁電線は、導体とこの導体の周囲を被覆する絶縁層とを有している。絶縁層は、架橋シリコーンゴムと特定のフィラーとを含有している。
この絶縁層は、未架橋のシリコーンゴムを含む絶縁層用のゴム組成物を用いて形成される。未架橋のシリコーンゴムは、架橋剤を混練した後、加熱架橋させることで弾性体となるミラブル型(加熱架橋型)、或いは架橋前は液状である液状ゴム型のいずれを用いてもよい。液状ゴム型シリコーンゴムは、室温付近で架橋が可能な室温架橋型(RTV)と、混合後100℃付近で加熱すると架橋する低温架橋型(LTV)がある。
未架橋のシリコーンゴムとしては、ミラブル型シリコーンゴムが好ましい。ミラブル型シリコーンゴムは、架橋温度が180℃以上と比較的高温であり安定性が良いので、混練の際の混合がし易く、作業性に優れるという利点がある。これに対し、液状ゴム型シリコーンゴムは、架橋温度が通常120℃程度と低温であるため、安定性が低く混練の際の発熱を低く抑制する必要があり、温度管理などの面から作業性にやや劣る。ミラブル型シリコーンゴムは、直鎖状のオルガノポリシロキサンを主原料(生ゴム)として、補強充填剤、増量充填剤、分散促進剤、その他添加剤などを配合したゴムコンパウンドとして市販されているものを用いてもよい。
絶縁層は、上記架橋シリコーンゴムとともに、BET比表面積30m2/g以下のフィラーを含有する。シリコーンゴムはゴム材料であり、比較的摩耗しやすいが、フィラーを含有することで耐摩耗性が向上する。また、シリコーンゴムはフィラーを含有すると耐熱性が低下しやすいが、添加するフィラーを上記特定のフィラーにすることで、耐熱性の低下が抑えられる。これは、フィラーのBET比表面積が大きいと補強効果が高くなるが、補強効果が高くなるにしたがい、伸びが低下するためであり、添加するフィラーを上記特定のフィラーにすることで、伸びの低下を抑えて熱劣化を抑えるからである。
フィラーのBET比表面積は、フィラーの平均粒径やフィラーへの表面処理などによって調整することができる。つまり、フィラーの平均粒径だけで決まるものではない。なお、フィラーのBET比表面積は、フィラーの平均粒径が大きくなると、小さくなる傾向にある。また、表面処理により、小さくなる傾向にある。
フィラーのBET比表面積は、耐熱性の観点からいえば、小さいほうが好ましい。しかし、主としてフィラーの平均粒径を大きくすることによりフィラーのBET比表面積を小さくする場合には、フィラーによる耐摩耗性の向上効果が低下する場合がある。これは、フィラーの平均粒径が大きいと絶縁層が摩擦力を受けたときにフィラーが脱落しやすくなり、フィラーによる耐摩耗性の向上効果がフィラーの脱落によって低下するおそれがあるからである。また、フィラーの平均粒径が大きいとフィラーの分散性が低下する傾向にあり、フィラーによる耐摩耗性の向上効果がフィラーの分散性に影響されることがあるからである。
よって、フィラーのBET比表面積に関し、フィラーの平均粒径の影響が大きい場合には、耐摩耗性に優れるものとするなどの観点から、フィラーのBET比表面積は0.1m2/g以上であることが好ましい。より好ましくは0.5m2/g以上である。
上記フィラーの種類としては、特に限定されるものではないが、炭酸カルシウム粉末、酸化マグネシウム粉末、水酸化マグネシウム粉末などが挙げられる。これらは、架橋シリコーンゴムを含む絶縁層の強度向上に効果がある。絶縁層の強度を向上させることにより、耐摩耗性をより向上させることができる。つまり、これらは、絶縁層にゴム材料を用いた場合の耐摩耗性の低下を抑える点で好ましい。
上記フィラーの含有量は、架橋シリコーンゴム100質量部に対し、0.1質量部以上であることが好ましい。より好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは1質量部以上である。また、120質量部以下であることが好ましい。より好ましくは100質量部以下、さらに好ましくは90質量部以下である。上記フィラーの含有量が0.1質量部以上であれば、補強効果で耐摩耗性をより高めることができる。また、上記フィラーの含有量が120質量部以下であれば、耐寒性の低下を抑える効果が高く、100質量部以下であれば、その効果が特に高い。
上記フィラーの平均粒径は、上記BET比表面積の値を満足しやすく、耐熱性を満足しやすいなどの観点から、0.01μm以上であることが好ましい。より好ましくは0.05μm以上である。また、耐寒性および耐摩耗性を良好にしやすいなどの観点から、上記フィラーの平均粒径は、5.0μm以下であることが好ましい。より好ましくは4.0μm以下である。上記フィラーの平均粒径が小さいと、絶縁層が表面平滑性に優れ、摩擦力を受けたときにフィラーが脱落しにくく、これによって耐摩耗性が向上する。また、上記フィラーの平均粒径が小さいと、フィラーの分散性が高まり、これによって耐摩耗性および耐寒性が向上する。なお、平均粒径は、レーザー光回折法などによる粒度分布測定装置を用いて累積重量平均値D50(またはメジアン径)として求めることができる。
上記フィラーは、凝集を抑える、シリコーンゴムとの親和性を高めるなどの観点から、表面処理されていてもよい。表面処理剤としては、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィンの単独重合体、もしくは相互共重合体、或いはそれらの混合物、脂肪酸、ロジン酸、シランカップリング剤などが挙げられる。
上記表面処理剤は、変性されていてもよい。変性剤としては、不飽和カルボン酸やその誘導体を用いることができる。具体的には不飽和カルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。不飽和カルボン酸の誘導体としては、無水マレイン酸(MAH)、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステルなどが挙げられる。このうちで好ましいのは、マレイン酸、無水マレイン酸などである。なお、これらの表面処理剤の変性剤は1種単独で使用しても、2種以上を併用してもいずれでもよい。
表面処理剤に酸を導入する方法としては、グラフト法や直接法などが挙げられる。また酸変性量としては、表面処理剤の0.1〜20質量%、好ましくは0.2〜10質量%、さらに好ましくは0.2〜5質量%である。
表面処理剤による表面処理方法としては、特に限定されるものではない。例えば、所定の粒径のフィラーに表面処理してもよいし、フィラーの合成時に同時に処理してもよい。また処理方法としては、溶媒を用いた湿式処理でもよいし、溶媒を用いない乾式処理でもよい。湿式処理の際、好適な溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒などを用いることができる。また、絶縁層の組成物を調製する際に、表面処理剤を他のゴム原料などの材料と同時に混練してもよい。
上記フィラーとしての炭酸カルシウム粉末には、化学反応によって作られる合成炭酸カルシウムと、石灰石を粉砕して作られる重質炭酸カルシウムとがある。合成炭酸カルシウムは、脂肪酸やロジン酸やシランカップリング剤などの表面処理剤で表面処理を行うことによりサブミクロン以下(数十nm程度)の一次粒子径の微粒子として用いることができる。表面処理された微粒子の平均粒径は一次粒子径で表される。一次粒子径は、電子顕微鏡観察により測定することができる。重質炭酸カルシウムは粉砕品であり、特段、脂肪酸などで表面処理を行わなくてもよく、数百nm〜1μm程度の平均粒径の粒子として用いることができる。炭酸カルシウム粉末としては、合成炭酸カルシウムおよび重質炭酸カルシウムのいずれを用いることもできる。
上記フィラーとしての炭酸カルシウム粉末としては、具体的には、例えば、白石カルシウム社製の白艶華CC(BET比表面積=27m2/g、平均粒径=0.05μm)、白艶華CCR(BET比表面積=18m2/g、平均粒径=0.08μm)、白艶華DD(BET比表面積=23m2/g、平均粒径=0.05μm)、Vigot10(BET比表面積=12m2/g、平均粒径=0.10μm)、Vigot15(BET比表面積=9.3m2/g、平均粒径=0.15μm)、白艶華U(BET比表面積=26m2/g、平均粒径=0.04μm)などが挙げられる。
上記フィラーとしての酸化マグネシウムとしては、具体的には、例えば、宇部マテリアルズ社製のUC95S(BET比表面積=21m2/g、平均粒径=3.1μm)、UC95M(BET比表面積=8.5m2/g、平均粒径=3.0μm)、UC95H(BET比表面積=6.0m2/g、平均粒径=3.3μm)などが挙げられる。
上記フィラーとしての水酸化マグネシウムは、海水から結晶成長法で合成するもの、塩化マグネシウムと水酸化カルシウムの反応で合成するものなどの合成水酸化マグネシウム、或いは天然に産出する鉱物を粉砕した天然水酸化マグネシウムなどを用いることができる。上記フィラーとしての水酸化マグネシウムとしては、具体的には、例えば、宇部マテリアルズ社製のUD−650−1(BET比表面積=29m2/g、平均粒径=3.5μm)、UD653(BET比表面積=22m2/g、平均粒径=3.5μm)などが挙げられる。
絶縁層用のゴム組成物において、未架橋のシリコーンゴムは、加熱等により架橋することが可能であるが、架橋剤(加硫剤)を用いて架橋しても良い。
架橋剤は、未架橋のゴムの種類や架橋条件などに応じて適宜選択することができる。架橋剤としては、例えば、有機過酸化物などのラジカル発生剤、金属石けん、アミン、チオール、チオカルバミン酸塩、有機カルボン酸などの化合物を挙げることができる。架橋剤としては、有機過酸化物などが、架橋速度の向上の点から好ましい。
有機過酸化物としては、例えば、ジへキシルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンなどのジアルキルパーオキサイド、n−ブチル4,4−ジ(t―ブチルパーオキサイド)バレレートなどのパーオキシケタールなどを挙げることができる。
架橋剤の配合量は、適宜決定することができる。架橋剤の配合量は、例えば、未架橋のゴムと架橋剤の合計量に対し、0.01〜10質量%の範囲で配合するのが好ましい。
絶縁層は、架橋ゴム、特定のフィラーの他に、絶縁層の特性を損なわない範囲で、各種の添加剤を含有していても良いし、含有していなくてもよい。このような添加剤としては、絶縁電線の絶縁層に用いられる一般的な添加剤を挙げることができる。具体的には、難燃剤、架橋剤、充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、顔料などを挙げることができる。
本発明に係る絶縁電線は、例えば次のようにして製造することができる。すなわち、まず、絶縁層を形成するための絶縁層用のゴム組成物を調製する。次いで、調製したゴム組成物を導体の周囲に押出して、導体の周囲に未架橋ゴムを含む被覆層を成形する。次いで、加熱などの架橋手段により、被覆層の未架橋ゴムを架橋する。これにより、導体の周囲が架橋ゴムを含む絶縁層により被覆された絶縁電線を製造することができる。また、本発明に係る絶縁電線は、導体の周囲に絶縁層用のゴム組成物を塗工して被覆層を形成し、加熱などの架橋手段により被覆層の未架橋ゴムを架橋することによっても製造することができる。
絶縁層用のゴム組成物は、未架橋のシリコーンゴムと、特定のフィラーと、必要に応じて配合される架橋剤などの各種添加剤とを混練することにより調製することができる。ゴム組成物の成分を混練する際には、例えば、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、混練押出機、二軸混練押出機、ロールなどの通常の混練機を用いることができる。
絶縁層用のゴム組成物の押出成形には、通常の絶縁電線の製造に用いられる電線押出成形機などを用いることができる。導体は、通常の絶縁電線に使用されるものを利用できる。例えば、銅系材料やアルミニウム系材料よりなる単線の導体や撚線の導体を挙げることができる。また、導体の径や絶縁層の厚みなどは特に限定されず、絶縁電線の用途などに応じて適宜決めることができる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例えば、上記態様の絶縁電線は、単一層の絶縁層から構成したが、本発明の絶縁電線は、2層以上の絶縁層から構成してもよい。
本発明に係る絶縁電線は、自動車、電子・電気機器に使用される絶縁電線に利用することができる。
以下、本発明の実施例、比較例を示す。
〔実施例1〜11〕
表1に示す配合組成となるように各成分を混合することにより、未架橋のシリコーンゴムおよびフィラーを含む絶縁層用のゴム組成物を調製した。次いで、押出成形機を用いて、軟銅線を7本撚り合わせた軟銅撚線の導体(断面積0.5mm2)の外周に絶縁層用のゴム組成物を0.2mm厚で押出することにより、未架橋のゴムを含む被覆層を形成した。次いで、200℃×4時間の条件で被覆層の熱処理を行うことにより、未架橋のゴムを架橋させた。これにより、実施例1〜11の絶縁電線を得た。
表1に示す配合組成となるように各成分を混合することにより、未架橋のシリコーンゴムおよびフィラーを含む絶縁層用のゴム組成物を調製した。次いで、押出成形機を用いて、軟銅線を7本撚り合わせた軟銅撚線の導体(断面積0.5mm2)の外周に絶縁層用のゴム組成物を0.2mm厚で押出することにより、未架橋のゴムを含む被覆層を形成した。次いで、200℃×4時間の条件で被覆層の熱処理を行うことにより、未架橋のゴムを架橋させた。これにより、実施例1〜11の絶縁電線を得た。
〔比較例1〜8〕
表2に示す配合組成となるように各成分を混合することにより、未架橋のシリコーンゴムおよびフィラーを含む絶縁層用の組成物を調製した。次いで、実施例と同様にして、比較例1〜8の絶縁電線を得た。
表2に示す配合組成となるように各成分を混合することにより、未架橋のシリコーンゴムおよびフィラーを含む絶縁層用の組成物を調製した。次いで、実施例と同様にして、比較例1〜8の絶縁電線を得た。
実施例1〜11、比較例1〜8の絶縁電線について、耐寒性試験、耐摩耗性試験、耐熱性試験を行い、評価した。その結果を表1及び表2に合わせて示す。尚、表1及び表2の各成分組成、試験方法及び評価は、下記の通りである。
〔表1及び表2の成分〕
・シリコーンゴム1:信越化学社製、931(組成:ジメチルシロキサン)
・シリコーンゴム2:信越化学社製、541(組成:ジメチルシロキサン)
・シリコーンゴム3:東芝社製、2267(組成:ジメチルシロキサン)
・シリコーンゴム4:東芝社製、2277(組成:ジメチルシロキサン)
・白艶華CC:白石カルシウム社製炭酸カルシウム粉末(BET比表面積=27m2/g、平均粒径=0.05μm)
・UC95H:宇部マテリアルズ社製酸化マグネシウム粉末(BET比表面積=6.0m2/g、平均粒径=3.3μm)
・白艶華AA:白石カルシウム社製炭酸カルシウム粉末(BET比表面積=38m2/g、平均粒径=0.05μm)
・アクチフォート700:白石カルシウム社製炭酸カルシウム粉末(BET比表面積=60m2/g、平均粒径=0.02μm)
・架橋剤:日本油脂社製、パーへキシルD(ジ−t−へキシルパーオキサイド)
・シリコーンゴム1:信越化学社製、931(組成:ジメチルシロキサン)
・シリコーンゴム2:信越化学社製、541(組成:ジメチルシロキサン)
・シリコーンゴム3:東芝社製、2267(組成:ジメチルシロキサン)
・シリコーンゴム4:東芝社製、2277(組成:ジメチルシロキサン)
・白艶華CC:白石カルシウム社製炭酸カルシウム粉末(BET比表面積=27m2/g、平均粒径=0.05μm)
・UC95H:宇部マテリアルズ社製酸化マグネシウム粉末(BET比表面積=6.0m2/g、平均粒径=3.3μm)
・白艶華AA:白石カルシウム社製炭酸カルシウム粉末(BET比表面積=38m2/g、平均粒径=0.05μm)
・アクチフォート700:白石カルシウム社製炭酸カルシウム粉末(BET比表面積=60m2/g、平均粒径=0.02μm)
・架橋剤:日本油脂社製、パーへキシルD(ジ−t−へキシルパーオキサイド)
〔耐寒性試験方法〕
JIS C3055に準拠して行った。すなわち作製した絶縁電線を38mmの長さに切断し試験片とした。この試験片を耐寒性試験機に装着し、所定の温度まで冷却し、打撃具で打撃して、試験片の打撃後の状態を観察した。5本の試験片を用いて、5本の試験片が全て割れた温度を耐寒温度とした。
JIS C3055に準拠して行った。すなわち作製した絶縁電線を38mmの長さに切断し試験片とした。この試験片を耐寒性試験機に装着し、所定の温度まで冷却し、打撃具で打撃して、試験片の打撃後の状態を観察した。5本の試験片を用いて、5本の試験片が全て割れた温度を耐寒温度とした。
〔耐摩耗性試験方法〕
社団法人自動車技術規格「JASO D618」に準拠して、ブレード往復法により試験を行った。すなわち、実施例、比較例の絶縁電線を750mmの長さに切り出して試験片とした。そして、23±5℃の室温下で試験片の被覆材(絶縁層)に対し軸方向に10mm以上の長さでブレードを毎分50回の速さで往復させ、導体に接するまでの往復回数を測定した。この際、ブレードにかかる荷重は、7Nとした。回数については200回以上のものを合格「○」とし、200回未満のものを不合格「×」とした。また、回数が300回以上のものは特に優れる「◎」とした。
社団法人自動車技術規格「JASO D618」に準拠して、ブレード往復法により試験を行った。すなわち、実施例、比較例の絶縁電線を750mmの長さに切り出して試験片とした。そして、23±5℃の室温下で試験片の被覆材(絶縁層)に対し軸方向に10mm以上の長さでブレードを毎分50回の速さで往復させ、導体に接するまでの往復回数を測定した。この際、ブレードにかかる荷重は、7Nとした。回数については200回以上のものを合格「○」とし、200回未満のものを不合格「×」とした。また、回数が300回以上のものは特に優れる「◎」とした。
〔耐熱性試験方法〕
絶縁電線の導体を除去した絶縁層からなる円筒状サンプル(長さ100mm)で初期および250℃×10日後の伸びを測定した。伸びの残率が50%以上であるものを合格「○」、このうち伸びの残率が70%以上であるものを特に優れる「◎」とし、伸びの残率が50%未満であるものを不合格「×」とした。
絶縁電線の導体を除去した絶縁層からなる円筒状サンプル(長さ100mm)で初期および250℃×10日後の伸びを測定した。伸びの残率が50%以上であるものを合格「○」、このうち伸びの残率が70%以上であるものを特に優れる「◎」とし、伸びの残率が50%未満であるものを不合格「×」とした。
表1に示すように実施例1〜11の絶縁電線は、いずれも耐摩耗性および耐熱性に優れることが確認された。また、耐寒性にも優れることが確認された。一方、表2に示すように、比較例1〜8の絶縁電線は、いずれも耐熱性に劣ることが確認された。そして、実施例1、5、7、8、9、比較例1、6、8の比較や、実施例2、6、比較例2、7の比較など、実施例と比較例とを比べると、フィラーのBET比表面積が特定範囲にあることで、架橋シリコーンゴムを含む絶縁層を有する絶縁電線において耐摩耗性および耐熱性に優れることがわかる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
Claims (3)
- 導体の周囲が架橋シリコーンゴムを含む絶縁層で被覆されている絶縁電線において、
前記絶縁層が、BET比表面積30m2/g以下のフィラーを含有していることを特徴とする絶縁電線。 - 前記フィラーが、炭酸カルシウム粉末、酸化マグネシウム粉末、水酸化マグネシウム粉末の少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁電線。
- 前記フィラーの含有量が、前記架橋シリコーンゴム100質量部に対し、0.1〜100質量部の範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の絶縁電線。
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