JP2015073462A - 食味強化用コーヒー粉末の製造方法及び食味強化用コーヒー粉末 - Google Patents
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Abstract
【課題】コーヒー豆を粉砕することによりコーヒー粉末を得て、食味強化用として利用する場合に、これまで知られていなかった強い食味成分を得る。
【解決手段】焙煎したコーヒー豆を液体窒素により凍結し、凍結状態のまま、コーヒー豆の細胞壁が破れるまで微粉砕する凍結粉砕工程を実行し、特に苦味と渋みを食品に加える食味強化用コーヒー粉末を凍結粉砕法で製造する。
【選択図】図1
【解決手段】焙煎したコーヒー豆を液体窒素により凍結し、凍結状態のまま、コーヒー豆の細胞壁が破れるまで微粉砕する凍結粉砕工程を実行し、特に苦味と渋みを食品に加える食味強化用コーヒー粉末を凍結粉砕法で製造する。
【選択図】図1
Description
本発明は、コーヒー豆を粉砕して食味強化用コーヒー粉末を製造する食味強化用コーヒー粉末の製造方法及び当該方法により製造される食味強化用コーヒー粉末と、本発明により製造される食味強化用コーヒー粉末を使用する特定の味が強化された食品の製造方法及び食品に関する。
食品業界において、コーヒー風味を添加或いは強化するのに、粉末状にしたコーヒー或いはペースト状にしたコーヒーを食品に添加することがよく行なわれている。
特許文献1に開示の技術では、焙煎コーヒー豆を微粉化してコーヒー粉末とし、これに植物性油脂を混合し更に微粉化してペースト状のコーヒーとする。このようにすることで、コーヒーの微粉を油膜で包み込みコーヒーの風味又は香を保持することができるとされている。この技術では、ペースト状のコーヒーを得、その形態を工夫することで、食品類への配合、添加が容易となり、さらに、微粉砕することで、コーヒー豆の完全利用が可能となる。特許文献1に開示の技術では、風味・香りを充分に保持することが、主な目的とされる。
特許文献2に開示の技術では、約5%未満の水分を有する乾燥粉砕焙焼豆と食用油とから、粉砕焙焼コーヒー約5〜約70%と食用油約95〜約30%とを含むスラリーを製造し、油の存在下で粉砕焙焼コーヒーを約0.1〜約20ミクロンの粒度にまで微粉砕する。結果、油中のコーヒーの安定な分散液を形成することで、焙焼コーヒー豆から安定なコーヒーフレーバーと芳香源とを製造することができる。
即ち、特許文献2に開示の技術が目的とするところも、いれたてのコーヒーに匹敵する強いフレーバーを有し、かつ安定な芳香源を得ることにある。
即ち、特許文献2に開示の技術が目的とするところも、いれたてのコーヒーに匹敵する強いフレーバーを有し、かつ安定な芳香源を得ることにある。
特許文献3に開示の技術では、焙煎コーヒー豆と水とを粉砕機に入れて粉砕してペースト状分散液とする粉砕工程、及び前記ペースト状分散液を乾燥して粉末レギュラーコーヒーとする乾燥工程を備えて、粉末レギュラーコーヒーを製造方法する。この乾燥工程には、ペースト状分散液に水を添加して希釈し、分散液とする希釈工程、及び分散液を噴霧乾燥する噴霧乾燥工程を含む、もしくは、ペースト状分散液を泡立て器により泡立ててフォーム状分散液とするフォーミング工程、フォーム状分散液を凍結して粉砕して凍結顆粒とする凍結粉砕工程、及び凍結顆粒を真空乾燥する真空乾燥工程を含むものとすることが好ましいとされている。
この特許文献3に開示の技術でも、焙煎コーヒーの粉砕時の香り成分の揮散を防止することによって、香り成分の含有量の豊富な粉末レギュラーコーヒーの製造することに重きが置かれている。
この特許文献3に開示の技術でも、焙煎コーヒーの粉砕時の香り成分の揮散を防止することによって、香り成分の含有量の豊富な粉末レギュラーコーヒーの製造することに重きが置かれている。
特許文献4に開示の技術では、食味強化用コーヒー粉末として、平均粒子径2μm以下のコーヒー微粉砕品を含有することを特徴とするコーヒー風味強化剤が開示されている。
この文献には、その製造方法として以下の方法が開示されている。
この文献には、その製造方法として以下の方法が開示されている。
実施例では、コーヒー粉末の製凍結粉砕コーヒー豆10g(リンレックスミルにて粉砕したもの平均粒子径約40μm、太陽化学株式会社製)、モノミリスチン酸ペンタグリセリン2g(サンソフトA−141E、HLB=13.0、太陽化学株式会社製)、大豆レシチン1g(サンレシチンA−1、HLB=15.0、太陽化学株式会社製)、水道水87gを使用した水溶性懸濁液を調製し、これをレディミル(株式会社アイメックス製)にかけ、レーザー回折型粒度分布測定によりコーヒーの平均粒子径が0.4μmとなったコーヒー風味強化剤を得ている。
従って、特許文献1に開示の技術では、乾式粉砕の後に湿式粉砕を行なっている。
従って、特許文献1に開示の技術では、乾式粉砕の後に湿式粉砕を行なっている。
特許文献4に開示の技術では、嗜好飲料に使用してザラツキをまったく感じずにコーヒー風味の強化ができる素材を提供することができるとされている。
特許文献1に開示の技術では、コーヒー風味及び香りが問題とされているが、色、香り、食味が検討されているのみであり(240頁、左下欄「結果・状態」の表)、特に食味に関しては、舌ざわり等が検討されているのみである。
特許文献2に開示の技術では、特に「コーヒーフレーバ」と「芳香」が問題とされている。
特許文献3に開示の技術では、「BRIX」及び「香気量」が問題とされている。
特許文献2に開示の技術では、特に「コーヒーフレーバ」と「芳香」が問題とされている。
特許文献3に開示の技術では、「BRIX」及び「香気量」が問題とされている。
特許文献4に開示の技術では、同明細書に記載の表1からも判明するように、官能試験の対象が「喉ごし」「旨み」「香り」「ざらつき」を対象としており、主に、コーヒー風味強化剤を飲用に使用することを目的としている。
また、この文献に開示の技術では、コーヒーを所定の粒子径まで落すのに、湿式粉砕過程を経るため、コーヒー豆独得の本願で提供しようとする食味(具体的には苦味、渋み、酸味又はコクのうち、少なくとも一つの味(特に苦味と渋み))が低下する場合もある。
また、この文献に開示の技術では、コーヒーを所定の粒子径まで落すのに、湿式粉砕過程を経るため、コーヒー豆独得の本願で提供しようとする食味(具体的には苦味、渋み、酸味又はコクのうち、少なくとも一つの味(特に苦味と渋み))が低下する場合もある。
以上のような状況に鑑み、本願の目的は、コーヒー豆を粉砕することによりコーヒー粉末を得て、食味強化用として利用する場合に、これまで知られていなかった強い食味成分を得ることができるとともに、比較的簡単な工程で、目的とする食味強化用コーヒー粉末を得ることができる技術を得ることにある。
上記目的を達成するための、コーヒー豆を粉砕して食味強化用コーヒー粉末を製造する食味強化用コーヒー粉末の製造方法の特徴構成は、
焙煎したコーヒー豆を液体窒素により凍結し、その凍結状態のまま、コーヒー豆の細胞壁が破れるまで微粉砕する凍結粉砕工程を実行し、苦味、渋み、酸味又はコクのうち、少なくとも一つの味を食品に加える食味強化用コーヒー粉末を凍結粉砕法で製造することにある。
焙煎したコーヒー豆を液体窒素により凍結し、その凍結状態のまま、コーヒー豆の細胞壁が破れるまで微粉砕する凍結粉砕工程を実行し、苦味、渋み、酸味又はコクのうち、少なくとも一つの味を食品に加える食味強化用コーヒー粉末を凍結粉砕法で製造することにある。
本願では、従来技術に開示のある手法ではなく、焙煎したコーヒー豆を液体窒素により凍結し、その凍結状態のまま、コーヒー豆の細胞壁が破れるまで微粉砕する凍結粉砕工程を実行する。このようにすると、以下に官能試験の結果で示すように、香りに大きな変化はないが、味については甘味が抑えられ、苦味、渋み、酸味又はコクのうち、少なくとも一つの味(特に苦味と渋み)が大きく増したコーヒー粉末を得ることができる。この事実は、これまで知られていなかった新知見である。また、コーヒー豆は、そのまま粉砕されるので、植物性油脂、食用油、水、その他の混合物の味が混ざることもなく、純粋に、コーヒー豆由来の苦味、渋みを食品に加え強化することができる。
また、本願に係る食味強化用コーヒー粉末は、コーヒー豆の細胞壁が破れるまで微粉砕するので、食感については口どけを滑らかにすることができる。
このようにして得られる食味強化用コーヒー粉末を食品に添加することで、コーヒー豆から得られる苦味、渋み、酸味又はコクのうち、少なくとも一つの味(特に苦味と渋み)が強化された食品を製造することができる。
このような強化食品は、コーヒー牛乳、チューハイ系の甘い飲料等の飲用食品、甘味が主要な食味となるケーキ、米菓、冷菓等の固形食品となる。
また、本願に係る食味強化用コーヒー粉末は、コーヒー豆の細胞壁が破れるまで微粉砕するので、食感については口どけを滑らかにすることができる。
このようにして得られる食味強化用コーヒー粉末を食品に添加することで、コーヒー豆から得られる苦味、渋み、酸味又はコクのうち、少なくとも一つの味(特に苦味と渋み)が強化された食品を製造することができる。
このような強化食品は、コーヒー牛乳、チューハイ系の甘い飲料等の飲用食品、甘味が主要な食味となるケーキ、米菓、冷菓等の固形食品となる。
上記の食味強化用コーヒー粉末の製造方法において、
前記凍結粉砕工程において、前記凍結状態のコーヒー豆を凍結粉砕後の平均粒子径が20μm未満、さらに好ましくは12μm以下となるまで凍結粉砕することが好ましい。
前記凍結粉砕工程において、前記凍結状態のコーヒー豆を凍結粉砕後の平均粒子径が20μm未満、さらに好ましくは12μm以下となるまで凍結粉砕することが好ましい。
凍結粉砕の環境温度域を充分に低い温度域とすることで、確実な微粉化を達成できる。
また、凍結粉砕においてその平均粒子径が20μm未満となっていると、以降に示すように、コーヒー豆組織の細胞の概ね過半を破った状態とでき、細胞内の成分を凍結状態のまま得ることができる。この平均粒子径に関しては、12μm以下とすると、コーヒー豆組織の細胞レベル以下の粉砕が確実に成されることとなる。
従って、発明者らが新たに見出したコーヒー豆の苦味、渋み、酸味又はコクのうち、少なくとも一つの味(特に苦味と渋み)の強化用粉末を、凍結粉砕における平均粒子径の調整で、簡便且つ効率的に製造することができる。
また、凍結粉砕においてその平均粒子径が20μm未満となっていると、以降に示すように、コーヒー豆組織の細胞の概ね過半を破った状態とでき、細胞内の成分を凍結状態のまま得ることができる。この平均粒子径に関しては、12μm以下とすると、コーヒー豆組織の細胞レベル以下の粉砕が確実に成されることとなる。
従って、発明者らが新たに見出したコーヒー豆の苦味、渋み、酸味又はコクのうち、少なくとも一つの味(特に苦味と渋み)の強化用粉末を、凍結粉砕における平均粒子径の調整で、簡便且つ効率的に製造することができる。
本発明に係る食味強化用コーヒー粉末の製造方法の実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明の食味強化用コーヒー粉末の製造方法は、図1の製造工程で示すように、洗浄した焙煎したコーヒー豆をそのまま液体窒素によって凍結し、その凍結した状態のコーヒー豆を−110℃〜−180℃に維持された雰囲気中でコーヒー豆の細胞壁が破れるまで微粉砕する凍結粉砕工程を実行しコーヒー粉末(本願における食味強化用コーヒー粉末)を製造する。具体的には、コーヒー粉末の平均粒子径を20μm未満、好ましくは10μm程度(10±2μm)にする。
本発明の食味強化用コーヒー粉末の製造方法は、図1の製造工程で示すように、洗浄した焙煎したコーヒー豆をそのまま液体窒素によって凍結し、その凍結した状態のコーヒー豆を−110℃〜−180℃に維持された雰囲気中でコーヒー豆の細胞壁が破れるまで微粉砕する凍結粉砕工程を実行しコーヒー粉末(本願における食味強化用コーヒー粉末)を製造する。具体的には、コーヒー粉末の平均粒子径を20μm未満、好ましくは10μm程度(10±2μm)にする。
このような凍結粉砕に使用する凍結粉砕システム100(リキッドガス社製リンレックスミル)について、図2に基づいて、先ず説明しておく。
この超低温凍結粉砕システム100は、原料となる焙煎後のコーヒー豆を液体窒素(−196℃)により予め凍結するフリーザ1と、そのフリーザ1に対しスクリュフィーダ2を介して接続される低温粉砕装置3を備え、フリーザ1と低温粉砕装置3には、液体窒素タンク4内の液体窒素が供給される。
低温粉砕装置3内は、液体窒素が供給されることで、−110℃〜−180℃の雰囲気に維持され、スクリュフィーダ2を介してフリーザ1から供給される凍結した状態の焙煎済みのコーヒー豆を、平均粒子径が12μmとなるように粉砕する。
この超低温凍結粉砕システム100は、原料となる焙煎後のコーヒー豆を液体窒素(−196℃)により予め凍結するフリーザ1と、そのフリーザ1に対しスクリュフィーダ2を介して接続される低温粉砕装置3を備え、フリーザ1と低温粉砕装置3には、液体窒素タンク4内の液体窒素が供給される。
低温粉砕装置3内は、液体窒素が供給されることで、−110℃〜−180℃の雰囲気に維持され、スクリュフィーダ2を介してフリーザ1から供給される凍結した状態の焙煎済みのコーヒー豆を、平均粒子径が12μmとなるように粉砕する。
低温粉砕装置3は、凍結したコーヒーを所定の平均粒子径まで粉砕して分級できるように、回転する多数のブレードを有する衝撃型粉砕機構と分級機構を内蔵する低温粉砕装置で、この低温粉砕装置3が、凍結したコーヒー豆を凍結状態で粉砕して所望の平均粒子径を有するコーヒー粉末とする。
粉砕された後のコーヒー粉末は、ブロワ5により冷気と一緒にサイクロン6に吸引搬送され、サイクロン6によって冷気から分離されて、サイクロン6の下方に設けられたダブルダンパー7から取り出される。
そして、サイクロン6からの冷気は、ブロワ5を通過した後、一部がフリーザ1と低温粉砕装置3に戻され、一部がシステム外へ排出される。
粉砕された後のコーヒー粉末は、ブロワ5により冷気と一緒にサイクロン6に吸引搬送され、サイクロン6によって冷気から分離されて、サイクロン6の下方に設けられたダブルダンパー7から取り出される。
そして、サイクロン6からの冷気は、ブロワ5を通過した後、一部がフリーザ1と低温粉砕装置3に戻され、一部がシステム外へ排出される。
以上、説明したように、本願に係る食味強化用コーヒー粉末の製造方法では、焙煎したコーヒー豆を、直接、凍結粉砕システム100に投入して、所望の平均粒子径未満まで粉砕するだけで、特定の食味を強化することができる食味強化用コーヒー粉末を得ることができる。
以下、本願の製造方法の優位性について、その検証結果について説明する。
この検証にあたっては、コーヒー粉末の粉砕度合を異ならせて検証を行った。
検証は、細胞壁が破れるまで粉砕を行なった実施例1と、細胞壁を破ることのない平均粒子径の二つの比較例1、2とを、官能試験により比較するものとした。
この検証にあたっては、コーヒー粉末の粉砕度合を異ならせて検証を行った。
検証は、細胞壁が破れるまで粉砕を行なった実施例1と、細胞壁を破ることのない平均粒子径の二つの比較例1、2とを、官能試験により比較するものとした。
〔実施例・比較例〕
実施例、比較例の製造条件は以下の通りである。
(実施例1)
平均粒子径12μmコーヒー粉末の作成
市販のコーヒー豆を先に説明した凍結粉砕システム100に投入し、平均粒子径12μmの微粉砕コーヒー粉末を得た。この時に粉砕温度は、−110℃〜−180℃の雰囲気であった。平均粒子径は島津製作所製レーザー式粒度分布計測装置を用いて測定し、コーヒーの平均細胞サイズの20μmを下回っていることを確認した。コーヒーの平均細胞サイズに関しては、書籍名「もっと知りたいコーヒー学:16頁〜23頁」(著者名:広瀬幸雄、出版社名:旭屋出版)を参考とした。
実施例、比較例の製造条件は以下の通りである。
(実施例1)
平均粒子径12μmコーヒー粉末の作成
市販のコーヒー豆を先に説明した凍結粉砕システム100に投入し、平均粒子径12μmの微粉砕コーヒー粉末を得た。この時に粉砕温度は、−110℃〜−180℃の雰囲気であった。平均粒子径は島津製作所製レーザー式粒度分布計測装置を用いて測定し、コーヒーの平均細胞サイズの20μmを下回っていることを確認した。コーヒーの平均細胞サイズに関しては、書籍名「もっと知りたいコーヒー学:16頁〜23頁」(著者名:広瀬幸雄、出版社名:旭屋出版)を参考とした。
(比較例1)
平均粒子径1200μmコーヒー粉末の作成
市販のコーヒー豆を常温粉砕機(業務用ミル)に投入し、平均粒子径1200μmのコーヒー粉末を得た。この時に粉砕温度は、18℃〜28℃の雰囲気であった。平均粒子径は島津製作所製レーザー式粒度分布計測装置を用いて測定した。
平均粒子径1200μmコーヒー粉末の作成
市販のコーヒー豆を常温粉砕機(業務用ミル)に投入し、平均粒子径1200μmのコーヒー粉末を得た。この時に粉砕温度は、18℃〜28℃の雰囲気であった。平均粒子径は島津製作所製レーザー式粒度分布計測装置を用いて測定した。
(比較例2)
平均粒子径300μmコーヒー粉末の作成
市販のコーヒー豆を、先に説明した凍結粉砕システム100に投入し、平均粒子径300μmの微粉砕コーヒー粉末を得た。この時に粉砕温度は、−110℃〜−180℃の雰囲気であった。平均粒子径は島津製作所製レーザー式粒度分布計測装置を用いて測定した。
平均粒子径300μmコーヒー粉末の作成
市販のコーヒー豆を、先に説明した凍結粉砕システム100に投入し、平均粒子径300μmの微粉砕コーヒー粉末を得た。この時に粉砕温度は、−110℃〜−180℃の雰囲気であった。平均粒子径は島津製作所製レーザー式粒度分布計測装置を用いて測定した。
〔微粉砕コーヒー粉末の構造観察〕
実施例1、比較例1、比較例2として得られた各コーヒー粉末の表面構造を電子顕微鏡(日本電子製SEM)で観察した。
(比較例1)
初めに、比較例1のコーヒー粉末を電子顕微鏡で観察した。この画像を図3(a)に示した。画像からも判明するように、表面に皺のような構造(細胞壁)があることが分かる。この皺がコーヒーの細胞壁と考えられ、比較例1では細胞壁が存在した状態である。
実施例1、比較例1、比較例2として得られた各コーヒー粉末の表面構造を電子顕微鏡(日本電子製SEM)で観察した。
(比較例1)
初めに、比較例1のコーヒー粉末を電子顕微鏡で観察した。この画像を図3(a)に示した。画像からも判明するように、表面に皺のような構造(細胞壁)があることが分かる。この皺がコーヒーの細胞壁と考えられ、比較例1では細胞壁が存在した状態である。
(比較例2)
次に、比較例2のコーヒー粉末を電子顕微鏡で観察した。この画像を図3(b)に示した。まだ表面に皺のような構造(細胞壁)があることが残っている事が分かる。
次に、比較例2のコーヒー粉末を電子顕微鏡で観察した。この画像を図3(b)に示した。まだ表面に皺のような構造(細胞壁)があることが残っている事が分かる。
(実施例1)
最後に、実施例のコーヒー粉末を電子顕微鏡で観察した。この画像を図3(c)に示した。比較例1、2で見られた皺のような構造(細胞壁)がなくなっていることが分かる。つまり、実施例では細胞サイズ以下に粉砕されている。
最後に、実施例のコーヒー粉末を電子顕微鏡で観察した。この画像を図3(c)に示した。比較例1、2で見られた皺のような構造(細胞壁)がなくなっていることが分かる。つまり、実施例では細胞サイズ以下に粉砕されている。
〔官能試験〕
実施例1、比較例1、比較例2のコーヒー粉末の官能試験を行なった。試験は正常な味覚を持つパネル30名に対して、各コーヒー粉末をそのまま食してもらい、「香り」「味」「食感」を評価した。なお、評価項目の詳細を表1に示した。それぞれの項目について、比較例1を基準として、実施例1、比較例2のコーヒー粉末を5段階で評価した。5段階は基準よりかなり強い(2点)、やや強い(1点)、同程度(0点)、やや弱い(−1点)、かなり弱い(−2点)とし、30名の平均値を計算した。
実施例1、比較例1、比較例2のコーヒー粉末の官能試験を行なった。試験は正常な味覚を持つパネル30名に対して、各コーヒー粉末をそのまま食してもらい、「香り」「味」「食感」を評価した。なお、評価項目の詳細を表1に示した。それぞれの項目について、比較例1を基準として、実施例1、比較例2のコーヒー粉末を5段階で評価した。5段階は基準よりかなり強い(2点)、やや強い(1点)、同程度(0点)、やや弱い(−1点)、かなり弱い(−2点)とし、30名の平均値を計算した。
比較例1を基準としたのは、ケーキ等にコーヒーの風味を添加する場合には、通常、比較例1程度の平均粒子径のコーヒー粉末が使用されるためである。
官能試験の結果を表2に示した。
結果、比較例2は比較例1と大差ない結果であったが、細胞サイズ以下にした実施例1では、比較例1、比較例2ともに大きく異なる結果が得られた。実施例1は香りに大きな変化はないが、味については、苦味、渋み、酸味又はコクが増加し、特に苦味と渋みが大きく増加した。一方で、甘味の低減に成功している。また、食感については口どけを滑らかにすることができる。
従って、コーヒー豆を凍結粉砕法により、その細胞壁が破れるまで微粉砕することで、苦味と渋みの増した食味強化用コーヒー粉末を得ることができる。
従って、コーヒー豆を凍結粉砕法により、その細胞壁が破れるまで微粉砕することで、苦味と渋みの増した食味強化用コーヒー粉末を得ることができる。
〔別実施形態〕
先の実施形態では、凍結粉砕に凍結粉砕システム(リキッドガス製リンレックスミル)を使用したが、凍結状態でコーヒー豆を、そのまま所定の粒子径まで粉砕できるのであれば、任意の凍結粉砕システムを採用できる。
先の実施形態では、凍結粉砕に凍結粉砕システム(リキッドガス製リンレックスミル)を使用したが、凍結状態でコーヒー豆を、そのまま所定の粒子径まで粉砕できるのであれば、任意の凍結粉砕システムを採用できる。
1 フリーザ
2 スクリュフィーダ
3 低温粉砕装置
4 液体窒素タンク
5 ブロワ
6 サイクロン
7 ダブルダンパー
2 スクリュフィーダ
3 低温粉砕装置
4 液体窒素タンク
5 ブロワ
6 サイクロン
7 ダブルダンパー
Claims (7)
- コーヒー豆を粉砕してコーヒー粉末を製造する食味強化用コーヒー粉末の製造方法であって、
焙煎したコーヒー豆を液体窒素により凍結し、凍結状態のまま、コーヒー豆の細胞壁が破れるまで微粉砕する凍結粉砕工程を実行し、苦味、渋み、酸味又はコクのうち、少なくとも一つの味を食品に加える食味強化用コーヒー粉末を凍結粉砕法で製造する食味強化用コーヒー粉末の製造方法。 - 苦味と渋みを食品に加える食味強化用コーヒー粉末を凍結粉砕法で製造する請求項1記載の食味強化用コーヒー粉末の製造方法。
- 前記凍結粉砕工程において、前記凍結状態のコーヒー豆を、凍結粉砕後の平均粒子径が20μm未満となるまで凍結粉砕する請求項1記載の食味強化用コーヒー粉末の製造方法。
- 請求項1から3の何れか一項記載の食味強化用コーヒー粉末の製造方法により製造された食味強化用コーヒー粉末。
- 請求項1又は3記載の食味強化用コーヒー粉末の製造方法により製造された食味強化用コーヒー粉末を食品に添加して、コーヒー豆から得られる苦味、渋み、酸味又はコクのうち、少なくとも一つの味が強化された強化食品を製造する強化食品の製造方法。
- 請求項5記載の強化食品の製造方法により製造される飲用食品。
- 請求項5記載の強化食品の製造方法により製造される固形食品。
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