JP2015073172A - 撮像装置、制御方法及びそのプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 被写体の輝度変化に応じた露出制御を行いつつ、ダイナミックレンジ拡大処理に用いる露出量の異なる複数の画像を適正に取得することを可能とする。【解決手段】 入射光量に応じた電荷を蓄積し画像を出力する撮像手段と、第1画像と第1画像とは露出量の異なる第2画像とを合成に用いられる組として第1画像から順に周期的に連続して撮像手段に出力させる制御手段と、撮像手段に入射する光量を調節する光量調節部材の駆動を制御することで、光量調節度合を変化させる駆動制御手段と、を有し、駆動制御手段は、第1画像の電荷の蓄積開始前に光量調節度合を変化させ第1画像の電荷の蓄積中と第2画像の電荷の蓄積中は光量調節度合を変化させず、第1画像と第2画像とで光量調節度合を変化させないように光量調節部材の駆動を制御することを特徴とする構成とした。【選択図】 図2
Description
本発明は、ダイナミックレンジ拡大処理に用いる露出量の異なる複数の画像を取得する撮像装置とその制御方法及びプログラムに関する。
従来、撮像装置において、ダイナミックレンジを拡大する技術として、同一のシーンで露出量が異なる複数の被合成画像を取得し、該被合成画像同士を合成するHDR(High Dynamic Range)合成処理という技術が一般的に知られている。
このHDR合成処理としては、まず、被写体の測光結果に応じた露出量(適正露出の露出量)の画像を取得する。そして、該適正露出の露出量よりも相対的に少ない露出量(アンダー露出の露出量)、及び、相対的に多い露出量(オーバー露出の露出量)で撮像した画像の一方、若しくは両方を取得する。その後、取得した露出量の異なる被合成画像同士を合成することで広いダイナミックレンジを有する合成画像を取得することが出来る。
以上の構成を動画に適用した、所謂、動画HDRの技術として、特許文献1には露出量の異なる画像を周期的に取得(撮像)し、当該画像同士を撮像装置の内部で合成して連続的に出力することが可能な撮像装置について提案されている。
しかしながら、特許文献1には、被写体の輝度が変化した場合に、該輝度の変化に追従するための露出制御(以下、輝度変化に応じた露出制御と称す)についての開示はされていない。
上述した輝度変化に応じた露出制御を、撮像素子への入射光量を調節する機構(絞り等)を駆動して行う場合、該機構の駆動中は被合成画像の露出量は当初意図していたものとは異なってしまう。この場合、ダイナミックレンジ拡大処理に用いる露出量の異なる複数の画像として適正な画像が取得されない可能性があった。
本発明の目的は、被写体の輝度変化に応じた露出制御を行いつつ、ダイナミックレンジ拡大処理に用いる露出量の異なる複数の画像を適正に取得することを可能とすることである。
上記目的を達成するための本発明としての撮像装置は、入射光量に応じた電荷を蓄積し画像を出力する撮像手段と、第1画像と前記第1画像とは露出量の異なる第2画像とを合成に用いられる組として前記第1画像から順に周期的に連続して前記撮像手段に出力させる制御手段と、前記撮像手段に入射する光量を調節する光量調節部材の駆動を制御することで、光量調節度合を変化させる駆動制御手段と、を有し、前記駆動制御手段は、前記第1画像の電荷の蓄積開始前に前記光量調節度合を変化させ前記第1画像の電荷の蓄積中と前記第2画像の電荷の蓄積中は前記光量調節度合を変化させず、前記第1画像と前記第2画像とで前記光量調節度合を変化させないように前記光量調節部材の駆動を制御することを特徴とする。
また、上記目的を達成するためのその他の本発明としての撮像装置は、入射光量に応じた電荷を蓄積し画像を出力する撮像手段と、第1画像と前記第1画像とは露出量の異なる第2画像とを合成に用いる組として前記第1画像から順に周期的に連続して前記撮像手段から出力させる制御手段と、前記光量調節部材の駆動を制御し、当該光量調節部材の状態を変化させることで前記撮像手段に入射する光量を調節する駆動制御手段と、を有し、前記駆動制御手段は、前記第1画像の電荷の蓄積開始から前記第2画像の電荷の蓄積終了まで前記光量調節部材の状態を変化させないことを特徴とする。
本発明によれば、被写体の輝度変化に応じた露出制御を行いつつ、ダイナミックレンジ拡大処理に用いる露出量の異なる複数の画像を適正に取得することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態について図1を参照して説明する。図1は本実施形態に係る撮像装置であるカメラ1の構成例を示したブロック図である。
以下、本発明の実施形態について図1を参照して説明する。図1は本実施形態に係る撮像装置であるカメラ1の構成例を示したブロック図である。
光学レンズ群(以下、単にレンズと称す)2は、フォーカスレンズやズームレンズなどを含む複数のレンズからなり、被写体の光学像をカメラ1の内部へと導く。絞り3は、レンズ2を介して入射する光量を調節するための光量調節部材である。このレンズ2と絞り3とを総称して光学ブロック4とする。
尚、本実施形態のカメラ1は、該光学ブロック4とカメラ本体とが一体的に設けられている構成であるが、これに限定されるものではない。例えば、光学ブロック4がカメラ本体に対して、取り外し可能な構成であっても良い。
レンズ制御部7は、光学ブロック4(レンズ2と絞り3)の駆動制御部であって、該レンズ制御部7が光学ブロック4を制御することでズームやフォーカス、絞り値の調整などの制御を実行する。
撮像素子5は、被写体の光学像を電気信号の画像データに変換するCCDやCMOSなどの電荷蓄積型の固体撮像素子である。
AFE(Analog Front End)6は、撮像素子5で変換された画像データに対して、ゲイン調整、サンプリング、A/D変換等を行い、アナログ信号の画像データをデジタル信号に変換するための変換部である。尚、後述するISO感度はAFE6のゲイン調整により変更される。また、上述した撮像素子5やAFE6などが本実施形態における撮像手段となる。
タイミング発生部8は撮像素子5やAFE6に対してクロック信号や制御信号を供給する。また、タイミング発生部8は、撮像素子5のリセットタイミング(読み出し)を制御可能な電子シャッタとしての役目も果たす。例えば、不図示のメカシャッタと同期して制御されることで撮像素子5における露出時間(蓄積時間)を設定することも可能である。
画像処理部9は、AFE6から出力された画像に対して、画素補間処理や色変換処理などの種々の画像処理を行う回路である。尚、画像処理部9の内部には、後述する測光演算部17や露出制御部18、合成部19の他に、取得された動画像の暗号化、符号化を行う不図示のエンコード部などが設けられている。
画像処理部9の内部の測光演算部17では、AFE6から出力されたデジタル信号の画像データに基づいて被写体輝度を算出する。そして、測光演算部17の算出結果に応じて、露出制御部18が後述するHDR合成処理に用いる露出量の異なる複数の画像データ(以下、被合成画像と称す)の露出量を設定する。詳細としては、露出量の設定指示がバスと後述のCPU10を介してレンズ制御部7やタイミング発生部8へと伝えられ、該指示に従って、絞り値、蓄積時間、ISO感度を変更することで露出制御が行われる。そして、被合成画像ごとに露出量を変化させて、前述した撮像素子5によってアナログ信号の画像データの取得をおこなう。尚、被合成画像それぞれの露出量の詳細については後述する。
画像処理部9で処理された被合成画像の画像データはバッファメモリ12に一時的に保存される。そして、メモリ制御部11によって、バッファメモリ12における画像データの保存および消去などの制御がおこなわれる。尚、被合成画像のみでなく、後述するHDR合成処理が施された合成画像データ(以下、単に合成画像と称す)についても同様にバッファメモリ12に一時的に保存される。
合成部19は、取得した被合成画像同士を合成しHDR合成処理を行うためのダイナミックレンジ拡大手段であり、被合成画像をバッファメモリ12から読出しHDR合成処理を行う。そして、HDR合成処理後の合成画像は、再びバッファメモリ12、及びメモリ14に出力される。
カードスロット15は、例えばSDカード等の着脱可能な記録媒体16を差し込み可能である。そして、記録媒体16は、カードスロット15に差し込まれた状態で、バスを介してメモリ14に記録されている画像データを記録媒体16へと記録することが可能である。また、記録媒体16の内部に記録されたデータをカメラ1で読み出すことも可能である。
液晶表示素子からなるTFTなどの表示部13は、種々の処理後の画像、及び、各種メニューやガイドなどの表示を行う。尚、カメラ1に不図示の外部通信用のインターフェースを設け、ケーブル等を介して不図示の外部表示装置を用いて上述したような表示を行う構成であってもよい。
メモリ14は本実施形態において使用される種々のデータの記憶と、カメラ1の撮影処理に応じて出力されるデータを保存するための記憶部である。例えば、タイミング発生部8における各部の駆動タイミングや種々の露出条件、カメラ1内の処理で使用する算出式、及び図3、図4や図8に示すフローと同様の動作を指示するためのプログラムなどのデータがメモリ14に記憶されている。
CPU10は、バスを介して上述したようなカメラ1内の各部へと接続されており、カメラ1内の各部を統括的に制御する制御部である。本実施形態では、CPU10は、レンズ制御部7、タイミング発生部8、画像処理部9、メモリ制御部11、露出制御部18に対して、カメラ1内の各部の制御を指示する。尚、上述したような制御部や処理部を設けずに、CPU10がカメラ1内の各部の駆動を制御する構成でも良い。また、CPU10を設けずに上述した制御部や処理部がそれぞれ連動して制御(処理)をおこなうことでカメラ1内の各部の駆動を制御する構成であってもよい。
電源ボタン20は、カメラ1の内部へと電源供給のON/OFFを切り替えるためのボタンである。電源ボタン20がONされることで、不図示の電源からカメラ1内部に設けられたバスを介して、カメラ1の各部へと電力が供給される。
レリーズボタン21は、静止画、及び動画の撮影(記録)を開始(及び終了)させるためのボタンである。また、レリーズボタン21は、2段階の押圧操作が可能であって、半押し操作(SW1)で被写体に対する焦点合わせ等の撮影準備動作が実行され、全押操作(SW2)で画像の撮影が実行される。
ズームレバー22は、予め決められた範囲で回動可能であって、該ズームレバー22の回動に応じてレンズ2が調整して焦点距離を変更可能な操作部材である。
操作ボタン23は、カメラ1の各種設定を行うための複数のボタンからなる入力部である。また、モードダイヤル24は、カメラ1において設定可能な各種のモードを切り替えるための操作ダイヤルである。
以上説明した、各種のボタン、レバー、及びダイヤルはCPU10に接続されており、該ボタン等の入力に対応した指示信号がCPU10へと入力される。そして、該CPU10からカメラ1の各部に対応する動作の実行が指示される。尚、上述のボタン、レバー、ダイヤルなどはユーザのからの物理的な入力が可能なものであればどの様な構成であっても良いし、CPU10を介することなくカメラ1の各部に対応する指示を直接入力するような構成であっても良い。
以下、本実施形態に係る撮像装置であるカメラ1の基本動作について説明する。まず、ユーザが電源ボタン20をオンすることで、不図示の電源はカメラ1を構成する各部へと電力を供給する。
次に、レンズ制御部7の電力が供給され不図示のシャッタが開き、撮像素子5に、光学ブロック4を通過して導かれた被写体の光学像が結像される。また、表示部13に各種のパラメータを設定するためのグラフィカルインターフェース(以下、GUIと称する)が表示される。
次に、レリーズボタン21は半押し状態(SW1)でオンとなり、被写体の撮影準備を開始される。撮影準備の詳細としては、レンズ制御部7によりレンズ2と絞り3の駆動が制御されることで前述したフォーカス、ズーム、絞りなどの制御が必要に応じて実行される。
次に、レリーズボタン21は全押し状態(SW2)でオンとなる。この状態で、タイミング発生部8によって、メモリ14の内部に記憶されている電荷の蓄積を開始するタイミングに基づき、不図示のシャッタの駆動(開閉)が制御される。そして、当該シャッタの駆動(開閉)によって被写体の光学像が撮像素子5で撮像される(電荷が蓄積される)。
次に、ユーザによる操作ボタン23、モードダイヤル24の操作に応じて、GUIに表示された各種のパラメータの選択と設定がされる。尚、本実施形態においてHDR合成処理を行う動画撮影モードである動画HDRモードの選択は、当該操作ボタン23又はモードダイヤル24をユーザが操作することで行う。また、本実施形態での説明は行わないが、HDR合成処理を行わない動画撮影モードである通常動画モードの選択を行うことも可能である。
また、上述の操作ボタン23によって、ライブビューの開始、及び終了の実行も可能である。例えば、ライブビューの開始については、GUI上のライブビュー開始のラベルを選択することに応じて撮像素子5から定期的(例えば1秒に60回)に画像データが取り込まれ、各種処理を実行した後にメモリ14へ配置する。これにより、撮像素子5から取り込んだ画像データを表示部13に逐次表示(ライブビュー)することができる。尚、ライブビューは操作ボタン23等により指示するのではなく、電源ボタン20のオンと同時に開始されるような構成でも良い。
更に、ユーザは、ライブビュー中にGUI上の動画記録開始/終了の表示を選択することで、動画の記録が開始または終了を実行できる。尚、ライブビューされていない状態で、動画記録開始/終了の表示を選択することにより、表示部13へのライブビューを開始するとともに動画記録の開始をおこなうような構成でも良い。以上が、本実施形態の撮像装置であるカメラ1の構成と基本動作の例であるが、上述した構成はその要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
次に、本実施形態に係る露出制御について図2を参照して例示的に説明する。図2(a)は、本実施形態に係るカメラ1の露出制御に関するタイミングチャートである。図中の横方向に示されている符合1、2、…9は、単位時間に、ある露出量の画像を出力する範囲(以下、フレームと称す)の番号を示しており、以下では、それぞれ、フレーム1、フレーム2…フレーム9として称して説明する。また、フレーム1、フレーム2…フレーム9において、行われるそれぞれの露出を露出1、露出2…露出9と称する。更に、それぞれの露出における蓄積時間をT1、T2、…T9とする。
尚、本実施形態では、ISO感度を固定として被合成画像の取得するため、絞り3の駆動によって露出量が変化しない場合は、被合成画像を撮像するための露出量の変化と、被合成画像を取得するための蓄積時間の変化とは同一となる。
図2(a)からわかるように、本実施形態では、フレーム毎に異なる露出量の画像が出力可能であって、3つの被合成画像を合成に用いる1組として周期的に連続して被合成画像が出力される。そして、出力された複数の被合成画像を合成して1つの合成画像を出力することによってHDR合成処理が行われる。
尚、本実施形態における3つの被合成画像の露出量としては、被写体の輝度に対する平均的な露出量である適正露出量(基準露出量)、該適正露出量よりも露出量の少ないアンダー露出量、該適正露出量よりも露出量の多いオーバー露出量とする。従って、これらの露出量に対応するそれぞれの画像である、適正露出画像(第3画像)、アンダー露出画像(第1画像)、オーバー露出画像(第2画像)が本実施形態のHDR合成処理に用いられる被合成画像となる。
これらの被合成画像は、前述したバッファメモリ12のそれぞれの領域(バッファ1、2、3)に一時的に記憶される。そして、合成の1組として用いる全ての被合成画像の取得(出力)が終了した後に、HDR合成処理を行い合成画像が出力される。そして、この合成画像を3つのフレームごとに1つ出力し、該合成画像を1つの表示画像として順につなぎ合わせることで合成画像が動画像として(前述したメモリ14に)記録される。
尚、それぞれの被合成画像の露出量の差(以下、露出差と称す)は、被合成画像ごとに蓄積時間を変化させることで実現する。例えば、図中のフレーム1〜3で取得される被合成画像による合成の組では、露出1〜3の順にアンダー露出画像、適正露出画像、オーバー露出画像が取得され、それぞれの被合成画像の蓄積時間の関係は、T1<T2<T3となる。即ち、合成の1組となる被合成画像は、蓄積時間が相対的に短いものから順に出力される。
また、本実施形態において被合成画像間の露出差は、APEX単位で露出量が2段分少なく、又は多くなるように設定される。即ち、アンダー露出画像の露出量は適正露出画像よりも2段分少なく、オーバー露出画像は適正露出画像よりも2段分露出量が多い。
尚、被合成画像間の露出差を、それぞれ2段とは異なる露出差とするような構成でも良い。更に、ユーザが被合成画像間の露出差を設定するだけでなく、メモリ14に予め記憶された所定の算出式と測光演算部17による被写体輝度の算出結果に従って露出差の算出(設定)を行うような構成でもあっても良い。
上述した被合成画像は、被写体輝度の異なる範囲をそれぞれカバーするように取得する。従って、3つの被合成画像を用いてHDR合成処理を行うことで、被写体輝度の広い範囲をカバーする合成画像を取得することが出来る。即ち、広いダイナミックレンジを有する合成画像を取得することが出来る。
図2(b)は、カメラ1に係る絞り3の駆動(変化)タイミングを示すタイミングチャートである。図中の上段部分はフレーム数、中段部分はそれぞれの露出における蓄積時間、そして下段部分に示すグラフは、縦軸が、光量調節度合を表す絞り値、横軸が該絞り値の時間変化を示すグラフである。尚、該グラフにおいて、絞り値は下側が開放側(明)で上側が小絞り側(暗)である。即ち、当該グラフにおいて絞り3の絞り径は、(レンズ2の位置が変化しない場合)下側から上側に向かって小さくなる。
以下、被写体輝度の変化に応じた露出制御の概要について説明する。例えば、図2(b)の〈A〉に示すタイミングで被写体輝度が暗い状態から明るい状態へと変化した場合、該変化に応じて、画像を撮像するための露出量を少なくするように露出制御を行う必要がある。
ここで、上述した露出制御(輝度変化に応じた露出制御)を絞り3の駆動することで実現する場合、絞り3を開放側から小絞り側に向けて駆動する必要がある。図中の点線で示すラインは、絞り3の駆動に制限を設けずに、目標となる絞り値に向けて絞り3を駆動した場合の、絞り値の変化量を示す軌跡(要求絞り動作軌跡)である。尚、被写体輝度の測光演算は、後述するように適正露出画像を用いて行う。
しかしながら、図からわかるように、該破線に沿って絞り3の駆動を行うと、フレーム1〜3の間で取得するそれぞれの被合成画像は、二点鎖線で示すように当初意図したものとは異なる絞り値の画像が取得されてしまう。これは、絞り3を駆動することによって、被合成画像を取得する際の実際の絞り値が、被合成画像同士で変化されてしまうからである。
この場合、絞り値の変化に応じて、被合成画像の露出量も当初意図していたものとは異なってしまうため、HDR合成処理を行うために必要な適正な被合成画像を取得することができない。尚、本実施形態における適正な被合成画像とは、合成の1組となる被合成画像同士で絞り値が変化されていない状態のものを指す。
また、絞り3は、目標となる値(当初設定された絞り値)に向かって、当該絞り3の(絞り径の)状態を時間的に変化させて駆動する。従って、合成の組となる複数の被合成画像を取得中に絞り3を駆動する場合は、被合成画像ごとに、露出量だけでなく被写界深度も異なってしまう。
例えば、被合成画像の露出量が当初意図したものとなるようにISO感度などのパラメータで当該露出量を補償したとしても、被合成画像同士の被写界深度は異なるものとなってしまう。この場合、被写界深度が異なる被合成画像同士でHDR合成処理を行うので、取得される合成画像は不自然なものになってしまう可能性がある。
そこで、本実施形態では、被合成画像同士で絞り値を変化させないように、絞り3の駆動を制御することによって上述の問題を解決する。以下、その詳細について説明する。
図2(b)に示すように、本実施形態において、輝度変化に応じた露出制御を絞り3を駆動することで行う場合は、合成の組となる最先の被合成画像の取得前に絞り3の駆動を行う。詳細としては、例えばフレーム1〜3を1つの合成の組とする場合、フレーム1で取得するアンダー露出画像の電荷の蓄積開始前に、絞り3の駆動を完了し、絞り値を目標となる値まで変化させる。尚、目標となる絞り値は、フレーム2の露出2のタイミングで必要とする絞り値とする。
そして、フレーム1でのアンダー露出画像の電荷の蓄積開始からフレーム3でのオーバー露出画像の電荷の蓄積終了までは、絞り3を駆動しない。即ち、絞り3の絞り径の状態を、被合成画像同士で変化させない(レンズ2の位置関係が変化しない場合)。従って、絞り3を駆動することによって実際に変化させる絞り値は、被合成画像同士で変化しない。即ち、フレーム3が終了するまで被合成画像ごとで固定の絞り値となる。
尚、絞り3の駆動を開始するタイミングは、フレーム1で取得するアンダー露出画像の直前の合成に用いる被合成画像の取得後である。即ち、フレーム1でアンダー露出画像を取得する直前に取得する、オーバー露出画像の電荷の蓄積終了後に絞り3の駆動(絞り値の変更)を開始する。
従って、本実施形態において絞り3の駆動は、図中のT0で示すような、オーバー露出画像の電荷の蓄積終了後からアンダー露出画像の電荷の蓄積開始前の期間で行う。尚、1つの合成の組となる被合成画像の内、最初にアンダー露出画像を取得するのは、該アンダー露出画像の蓄積時間が他の被合成画像に比べて相対的に短いため、絞り3の駆動を行う期間が長く出来るからである。
以上の構成に係るHDR合成処理の動作について図3を参照して説明する。図3は、本実施形態に係るカメラ1のHDR合成処理に関するフローを説明した図である。尚、以下のフローにおける各処理の結果はメモリ14に記憶され、必要な際にはメモリ14から適宜出力されるものとする。
HDR合成処理が開始されると、ステップS101で測光演算部17は被写体輝度の測光演算を行う。ここで、本実施形態では、合成の組ごとに被写体輝度の測光演算が1度行われる。即ち、3フレームに一度だけ測光演算が行われる。詳細としては、適正露出画像を用いて測光演算部17で測光をする。そして、オーバー露出画像の取得に合わせて、測光演算部17は、先の適正露出画像の取得時に行った測光の結果からの被写体輝度を演算する。
尚、測光演算のタイミングはこれに限定されるものではない。例えば、オーバー露出画像を用いて測光演算を行うような構成でも良い。その場合、オーバー露出画像は適正露出画像よりも2段分露出量が多いことを加味して被写体輝度の算出を行う。また、後述する本実施形態における絞り3の駆動に影響しない場合は、測光演算を毎フレームごとに行い、被写体輝度の情報を毎フレームごとに更新するような構成であっても良い。
更に、本実施形態では、測光演算によって得られた被写体輝度に応じた露出制御は、被写体輝度が得られた次の合成の組(例えば、フレーム1〜3)に反映されるがこれに限定されるものではない。例えば、フレーム1で行った測光演算により算出した輝度変化に応じて、更に次の合成の組(例えば、フレーム4〜6の組)で露出制御を行うような構成であっても良い。
尚、現在のフレームがHDR合成処理の開始後、初めてのフレームである場合は、メモリ14に予め記憶された露出条件で撮影処理が行われる。この場合、例えば、メモリ14に予め決められた露出条件の予備画像を記憶させておき、該予備画像を用いて測光演算を行う。
次に、ステップS102で露出制御部18は、先に算出した被写体輝度に応じた絞り値(目標絞り値)を算出する。即ち、本実施形態では、現在処理中の合成の組よりも一つ前の合成の組の適正露出画像の取得からオーバー露出画像の取得に合わせて、測光演算と目標絞り値の算出をする。
次に、ステップS103でCPU10は、現在のフレーム(処理を開始するフレーム)のフレーム数が、ひとつ前に処理が行われていたフレーム数+1であるとして処理を開始する。尚、HDR合成処理の開始後、初めてのフレームである場合は、現在処理が行われているフレーム数を1(フレーム1)とする。
次に、ステップS104でCPU10は、現在のフレームが何番目のフレームであるかを判定する。判定の詳細としては、3N−2(1つめ)、3N−1(2つめ)、3N(3つめ)の内の何れのフレームであるかを判定する(括弧内は被合成画像の取得順序)。尚、Nは1以上の自然数とする。本実施形態では、3N−2のフレームでアンダー露出画像、3N−1のフレームで適正露出画像、3Nのフレームでオーバー露出画像の撮像がそれぞれ行われる。
ステップS104でCPU10が、現在のフレーム数が3N−2であり、アンダー露出のフレームであると判定した場合は、ステップS105において露出制御部18は、現在設定されている絞り値が目標絞り値か否かを判定する。
ステップS105で、現在の絞り値が目標絞り値でないと判定した場合は、ステップS106で露出制御部18は絞り駆動処理を開始する。
以下、この絞り駆動処理の動作のフローについて図4を参照して説明する。図4は、本実施形態に係るカメラ1の絞り駆動処理の動作に関するフローである。
絞り駆動処理が開始されると、ステップS201で露出制御部18は、絞り値が目標絞り値になるために必要となる絞り3の駆動量を算出する。そして、ステップS202で露出制御部18は、ステップS201で算出した絞り駆動量に応じた絞り3の絞り駆動速度を算出する。
次に、ステップS203で露出制御部18は、先のステップで算出した絞り3の駆動条件に合わせて、絞り3への通電開始タイミングを算出する。前述したように、本実施形態では合成に用いる被合成画像の取得開始前に絞り3の駆動をおこない絞り値を変化させる。ここで、絞り3を駆動するために、絞り3に内蔵された不図示のモータへの通電をする必要があるが、該モータへの通電開始から実際に絞りが駆動するまでに時間的なズレが生じる。従って、絞り3への通電開始のタイミングは、実際に絞り3を駆動したい期間(例えば、図2(b)のT0の絞り駆動期間など)に合わせて補正する必要がある。
次に、ステップS204で露出制御部18は、先のステップまでに算出した絞り駆動量、絞り駆動速度から、目標絞り値に向かって必要な絞り3の駆動時間(以下、絞り切り替え時間)が被合成画像を取得していない時間内で終了できるか否かを判定する。詳細としては、ある合成の1組に用いるオーバー露出画像の電荷の蓄積終了から次の合成の組に用いるアンダー露出画像の電荷蓄積開始までの期間(絞り駆動期間)が、絞り切り替え時間よりも長いか否かを判定する。
次に、ステップS204での判定により、絞り切り替え時間が上述した期間よりも長いと判定した場合はステップS205へ進み、絞り3の駆動に関する例外処理を行う。
ステップS206に進み例外処理〈a〉を行う場合は、露出制御部18は、アンダー露出画像の電荷の蓄積開始後も、目標絞り値になるまで絞り値を変化させるように絞り3の駆動を継続することを指示する。そして、そして露出制御部18からの指示によりAFE6は、アンダー露出画像の取得期間中に絞り3を駆動することで変化した露出量を、ISO感度を変更することで補償する。この構成の場合、少なくともアンダー露出画像を取得するフレーム内で絞り3の駆動を完了することが望ましい。
ステップS207に進み例外処理〈b〉を行う場合は、露出制御部18は、今回の絞り駆動期間で駆動可能な上限まで絞り3を駆動し、次の絞り駆動期間で残りの駆動を行う。
例えば、上述の例外処理〈b〉を行うのは、輝度変化に応じた露出制御において、絞り3の駆動量が多い時などに有効である。この状態を示した絞り3の駆動に関するタイミングチャートが図5である。以下、この図5を参照して、例外処理〈b〉について説明する。
図5に示すように、例えば、前述した図4のステップS204で、絞り切り替え時間が絞り駆動期間(T0)よりも短い場合は、2つの絞り駆動時間において絞り3を駆動して、1つの目標絞り値を実現する。尚、本実施形態では、例外処理〈b〉を行う場合、次の合成の組に、新たに行った測光演算の結果は反映させないが、残りの駆動量と新たな駆動量とを足し合わせて絞り3の駆動を行うような構成であっても良い。
以上の構成によって、1つの絞り駆動期間(T0)で絞り3の駆動が完了しない場合であっても、被合成画像同士で絞り値を変化させることなくHDR合成処理を行うことが出来る。
また、絞り3を急激に変化させると、撮像される画像の輝度も急激に変化してしまい、ユーザが所望する画像が得られない場合がある。この様な場合も、例外処理〈b〉を行うことで、絞り3を緩やかに駆動(変化)することが出来るため、ユーザが所望する画像の取得に有効的である。
以上説明した2つの例外処理〈a〉と〈b〉は、ユーザの任意操作によって、何れかの処理を適宜選択可能である。尚、本実施形態では上述した二つの例外処理を行うような構成であるが、これに限定されるわけでなくその他の例外処理を行うような構成でも良い。
例えば、絞り切り替え時間が絞り駆動時間よりも短くなるように、アンダー露出画像の蓄積時間を少なくする構成であっても良い。この場合、蓄積時間を減らした分だけ露出量は減少するので、減少した分の露出量はISO感度を変化させて補償する。
図4のフローに戻り、ステップS208で露出制御部18は、先に算出した絞り駆動量、絞り駆動速度、通電タイミング、例外処理での絞り3の駆動条件(例外処理を行う場合のみ)から、実際の絞り3の駆動の詳細(絞り駆動パラメータ)を設定する。この、ステップS208で設定した絞り駆動パラメータが絞り3の駆動に関する諸条件の最終決定値であり、露出制御部18からバスを介して、レンズ制御部7、タイミング発生部8などのカメラ1の各部へと動作を指示し、絞り駆動処理を終了する。
図3に戻り、S107でレンズ制御部7は、絞り駆動処理にて設定された絞り駆動パラメータに基づいて絞り駆動期間で絞り3を駆動することで、絞り値を変化させる。
そして、ステップS108で撮像素子5は、タイミング発生部8からの指示に従いアンダー露出画像を撮像(取得)する。該取得されたアンダー露出画像は、メモリ制御部11の指示に従いバッファメモリ12に一時的に記憶され、アンダー露出画像の取得が終了する。アンダー露出画像の撮像が終了したら、ステップS102へと戻り、次のフレームの処理を開始する。
ステップS104で、現在のフレーム数が3N−1のフレームであると判定した場合、ステップS109へと進み撮像素子5は、タイミング発生部8から指示に従い適正露出画像を撮像(取得)する。該取得された適正露出画像は、メモリ制御部11の指示に従いバッファメモリ12へと一時的に記憶され、適正露出画像の取得が終了する。
尚、前述したように、この3N−1のフレームでは絞り3を駆動しないので、適正露出画像の絞り値は先に取得したアンダー露出画像の絞り値と同じ値である(例外処理〈a〉を行っていない場合)。適正露出画像の取得が終了したらステップS103へと戻り、フレーム数を1つ更新して次のフレームの処理を開始する。
ステップS104で、現在のフレーム数が3Nのフレームであると判定した場合、ステップS110へと進み撮像素子5は、タイミング発生部8からの指示に従い、オーバー露出画像を撮像(取得)する。該取得されたオーバー露出画像は、メモリ制御部11の指示に従いバッファメモリ12に一時的に記憶され、オーバー露出画像の取得が終了する。尚、オーバー露出画像の絞り値も、合成の1組となる前述のアンダー露出画像、適正露出画像の絞り値と同じ値である。
次に、ステップS111で合成部19は、今までに取得したアンダー露出画像、適正露出画像、オーバー露出画像を合成して合成処理(ダイナミックレンジ拡大処理)をおこなう。
合成処理の詳細としては、まず、被合成画像毎に画像を複数のブロックに分割し、該ブロック内部の所定の画素について、それぞれの被合成画像ごとを比較することで被合成画像同士の位置合わせをおこなう。
次に、被合成画像の所定の画素毎に輝度値を積算し平均輝度値を算出する。そして、積算した平均輝度値が所定の閾値を超えるか否かで画像中の黒つぶれ輝度領域、および白とび輝度領域を検出する。そして検出された黒つぶれ領域と白とび領域を合成の対象から画素から除外する(除外処理)。以上の動作を3つの被合成画像でおこなう。
最後に、適正露出画像の輝度レベルを基準として被合成画像の輝度レベルを合わせ、所定の合成比率に応じての被合成画像同士の合成が実行され合成画像の画像データがメモリ14へ出力される。尚、本実施形態に係る撮像装置において、合成処理は前述の動作をおこなうものに限定されるものではなく、例えば、被合成画像同士の加算平均をおこなうだけでも良い。また、上述した合成処理は、画像処理部9、CPU10、メモリ14、露出制御部18などを適宜用いることで実現する。
ステップS111での合成処理が終了したら、ステップS112で画像処理部9内に設けられた不図示のエンコード部で合成画像をメモリ14から読出し(エンコード処理)を行い、動画像データを生成する。生成された動画像データは表示部13に出力されることでライブビューの更新が行われる。尚、HDR合成処理後はじめての処理である場合は、ライブビューの表示を開始する。
次に、ステップS113でCPU10は、先の工程で生成した動画像データをメモリ14へと出力することで、カメラ1の内部に該動画像データを記憶する。また、ライブビュー表示だけでなく動画像の記録も行う場合は、このタイミングで、カードスロット15を介して記録媒体16にも動画像データの記録が行われる。
その後、ステップS114へと進み、HDR合成処理を終了するか否かに応じて、処理を継続する場合はステップS101へと戻り、次の合成の組に応じた処理を開始する。以上が本実施形態に係るカメラ1のHDR合成処理の動作である。
以上の説明より、本実施形態では、被合成画像の取得中は絞り3を駆動しないため、被合成画像同士で、該絞り3の駆動によって変化される絞り値が変化することを抑制できる。即ち、ダイナミックレンジ拡大処理を適用する動画の撮影中であっても、被写体の輝度変化に応じた露出制御を行いつつ、HDR合成処理に用いる適正な被合成画像を取得することが出来る。
また、合成の1組となる被合成画像同士で被写界深度が変化してしまうことを抑制することが出来るので、取得される合成画像が不自然なものになってしまうことを抑制することが出来る。
尚、本実施形態では、アンダー露出画像の電荷の蓄積開始時からオーバー露出画像の電荷の蓄積終了まで絞り3を駆動せず、絞り値を変化させない構成である。これは絞り3の駆動タイミングが煩雑になることを抑制するためである。しかしながら、本実施形態は上述の構成に限定されるものではなく、例えば、それぞれの被合成画像間の非蓄積時間に、一時的に絞り値を変化させる構成であっても良い。
例えば、電力の消費を抑えるために、被合成画像間の非蓄積時間で絞り3の駆動用モータへの通電を停止させ、一時的に絞り値が変化されるような構成であっても良い。この場合、当該モータへの通電を停止する期間を、アンダー露出画像の電荷の蓄積終了後から適正露出画像の電荷の蓄積開始までや、適正露出画像の電荷の蓄積終了後からオーバー露出画像の電荷の蓄積開始までとする。この構成の場合も、被合成画像同士で絞り値が変化されることはないため、上述した本発明の効果を得ることが出来る。
即ち、本実施形態では、被合成画像の取得(電荷の蓄積)中に、絞り3を駆動することによって、絞り値が変化されないような構成であって、被合成画像同士で絞り値が(変化されずに)同一であれば、前述した本発明の効果を得ることが出来る。
尚、本実施形態では絞り3を駆動する場合について言及したが、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、撮像素子5へ入射する光量を調節(制御)するための光量調節部材として、NDフィルタを使用するような構成であっても構わない。
この場合、NDフィルタとしては、減光特性を有するNDフィルタを1枚、又は複数枚、撮像素子5への光路に挿入または退避させることで、光量調節度合を表す光の透過率を変化させ撮像素子5への入射光量を制御するものである。この、NDフィルタの使用例としては、前述の絞り3についての説明と同様に被写体輝度の変化や、ユーザの手動操作に応じて撮像素子5への入射光量を変化させるなどが考えられる。
以下、図6を参照して、ユーザの手動操作によってNDフィルタの駆動が指示された場合の露出制御について説明する。尚、図6は、本実施形態に係るカメラ1の、NDフィルタの駆動(変化)タイミングを示すタイミングチャートである。
図中の下段に示すグラフは、縦軸がNDフィルタを変化(駆動)することによって変化される光の透過率を示しており、横軸はその時間変化を表している。それ以外の段については前述の図2(b)と同様であるので説明は省略する。
図6より、例えば、図中の〈B〉の位置でユーザの手動操作により、撮像素子5への入射光量が明るい状態から暗い状態へと変化するようにNDフィルタの駆動が指示された場合も、実際にNDフィルタを駆動するのは期間T0である。尚、この場合のT0は、前述の絞り駆動期間と同様に、露出1で蓄積時間T1の電荷蓄積を行う直前の被合成画像の電荷の蓄積終了から該蓄積時間T1での電荷蓄積開始までの期間である。
この場合も、前述した絞り3と同様に、合成の1組となる被合成画像の取得中(電荷の蓄積中)は撮像素子5への光路にあるNDフィルタの枚数(光の透過率)を変化させない。従って、被合成画像を取得する間で、蓄積時間の変化以外の要因について撮像素子5に入射する光量を同じにすることが出来るため、HDR合成処理に用いる適正な被合成画像を取得することが出来る。尚、ユーザの手動操作によって絞り3の駆動を指示した場合も、上述のNDフィルタと同様の動作を行う。
尚、NDフィルタとしては、上述したように挿入と退避を行うようなものだけなく、電気的に光の透過率(フィルタの濃度)の変更が可能な液晶NDフィルタなどでも構わない。また、段階的に光の透過率が異なる1枚のNDフィルタを用いて、撮像素子5の光路中の該NDフィルタの位置を移動することで光の透過率を変更するような構成でも構わない。
以上説明したように、本実施形態に係る構成は、絞り3やNDフィルタなどの光量調節部材によって光量調節度合を表す絞り値や光の透過率などを変化させることで、撮像素子5に入射する光量を制御するような構成において特に有効である。
即ち、合成の1組となるアンダー露出画像の電荷蓄積開始前に光量調節度合を変化させ、被合成画像の取得中(電荷の蓄積中)は該光量調節度合を変化させないように、光量調節部材の駆動を制御することで上述したような本発明の効果を得ることが出来る。
(第2実施形態)
前述した第1実施形態では、被合成画像を取得するフレームで絞り3を駆動し、絞り値を変化させる場合について説明した。本実施形態では、第1実施形態と同様の構成を有しつつ、絞り駆動用のフレーム(被合成画像の取得をしないフレーム)で絞り3を駆動する場合について説明する。
前述した第1実施形態では、被合成画像を取得するフレームで絞り3を駆動し、絞り値を変化させる場合について説明した。本実施形態では、第1実施形態と同様の構成を有しつつ、絞り駆動用のフレーム(被合成画像の取得をしないフレーム)で絞り3を駆動する場合について説明する。
例えば、前述した第1実施形態では、絞り駆動期間内で絞り3の駆動(絞り値の変化)が完了しない場合、前述したような例外処理を行うことで対応していた。しかしながら、例外処理〈a〉を行う場合は、絞り値が目標絞り値となるまで絞り3を駆動することは出来る。しかしながら、合成の1組となるアンダー露出画像の絞り値は絞り3を駆動することによって変化されているため、他の被合成画像の絞り値とは異なる値となってしまう。この場合、アンダー露出画像の取得期間における絞り3の駆動量が少量であればHDR合成処理への影響は少ない。しかし、絞り3の駆動量が多いとHDR合成処理への影響も大きくなり、該HDR合成処理によって取得される合成画像が不自然なものとなってしまう可能性がある。
また、例外処理〈b〉を行う場合は、合成の1組となる被合成画像同士で絞り値が変化されることはない。しかしながら、当該合成の組においては、目標絞り値に対して絞り3の駆動を完了することが出来ない。従って、撮影の為の露出量を、被写体輝度の変化に応じたものへとすぐに変更することができない。
そこで、本実施形態では、絞り3の駆動を行うためのフレーム(絞り駆動フレーム)を新たに設けることで上述の問題に対応する。以下、その詳細について図7を参照して説明する。図7は、本実施形態に係るカメラ1の、露出制御と絞りの駆動(変化)に関するタイミングチャートである。
図7より、本実施形態では、4つのフレームを1つの合成の組とし、2つ目のフレームから4つ目のフレームで取得された被合成画像を合成処理に使用する。即ち、合成の組において最初のフレームを絞り駆動フレームとして設け、当該絞り駆動フレームでは、被合成画像の取得をしない。
尚、絞り駆動フレームの詳細としては、合成の1組となるアンダー露出画像の直前に取得するオーバー露出画像の電荷の蓄積が終了してから、その次のフレーム(アンダー露出画像を取得するフレームの一つ前のフレーム)の終了までの期間である。
以上の構成によって、前述の第1実施形態における絞り駆動時間時間T0だけで絞り3の駆動が完了しないような場合であっても、絞り3の駆動が可能な期間を十分に確保することが可能となる。
以下、この構成における動作について図8を参照して説明する。図8は、本実施形態に係るカメラ1の動作を示すフローである。尚、前述の第1実施形態と同様の処理を行う工程については説明を省略する。
ステップS304でCPU10は、現在処理が行われているフレーム数が4N−3であるか否かを判定する。該判定によって、現在のフレーム数が4N−3であればステップS305へと進み、4N−3でなければステップS308へと進む。
ステップS305で露出制御部18は、現在の絞り値が、先に求めた目標絞り値であるか否かを判定する。尚、本実施形態における被写体輝度の測光演算も前述の第1実施形態と同様に一つ前の合成の組の適正露出画像を用いて行うがこれに限定されるものではない。本実施形態の場合は、新たに絞り駆動フレームを設けたので(合成の組となるフレームが一つ増えたので)、オーバー露出画像を用いて測光演算を行い、絞り駆動フレームが終了する前に目標絞り値を算出するような構成であっても良い。
以下、ステップ307までは前述の第1実施形態と同様であるので説明は省略する。尚、本実施形態では、絞り駆動フレームを予め設けてあるため、前述の第1実施形態の図4で示したような例外処理〈a〉、〈b〉は行わない。
また、本実施形態では、絞り駆動フレームでのみ絞り3を駆動するような構成であるがこれに限定されるものではない。例えば、絞り駆動フレームに加えて、絞り駆動フレームの終了からアンダー露出画像の電荷の蓄積開始までの期間で絞り3の駆動するような構成であっても良い。
次に、ステップS304の判定によって、現在のフレーム数が4N−3でないと判定された場合、ステップS308へと進む。以下、HDR合成処理の終了までは前述の第1実施形態と同様であるので説明は省略する。尚、ステップS308からステップS309までの工程(アンダー露出画像の撮像工程)については,ステップS305からS307までの間ですでに絞り3の駆動が完了し絞り値が変化されているので、アンダー露出画像の取得のみを行う。
以上説明したように、新たにフレームを設け絞り3の駆動を行うような場合であっても、合成の1組に用いる被合成画像同士で絞り値が変化してしまうことを抑制することが出来る。即ち、被写体の輝度変化に応じた露出制御を行いつつ、HDR合成処理に用いる適正な被合成画像を取得することが出来る。
また、本実施形態では、絞り3を駆動するフレームを、被合成画像の取得フレームとは別に設けているため、例えば、輝度変化に応じて必要となる絞り3の駆動量が多い場合であっても、被合成画像同士で絞り値が変化されることを抑制できる。従って、絞り3の駆動量が多い場合であっても、輝度変化に応じた露出制御を行いつつ、HDR合成処理に用いる適正な被合成を取得することが出来る。即ち、適正にHDR合成処理を行うことが出来る。
尚、本実施形態では絞り駆動フレームを1つだけ設けるような構成であるがこれに限定されるものではない。例えば、必要となる絞り3の駆動量に応じて絞り駆動フレームを1つ以上とするような構成であっても良い。
また、本実施形態では、絞り駆動フレームを初めから有するような構成であるが、例えば、測光演算の結果に応じて、絞り駆動フレームを設けるか否かを設定するような構成であっても良い。この場合、前述の第1実施形態で示したような絞り駆動期間T0だけでは絞り3の駆動(絞り値の変化)が完了しないときのみ絞り駆動フレームを設けられるため、不必要にフレームを設けることを抑制することが出来る。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、前述の実施形態では、3つの被合成画像を合成の1組とするような構成であるが2つの被合成画像を合成の1組とするような構成でも良い。
この場合、適正露出画像に加えて、アンダー露出画像、又はオーバー露出画像の内のどちらか1つを合成の1組としてHDR合成処理を行う。そして、合成の1組となる被合成画像の内、相対的に蓄積時間が短い方の画像の直前に取得した被合成画像の電荷の蓄積終了後から該蓄積時間が短い方の画像の電荷の蓄積開始までに、絞り3を駆動する。尚、この場合は、先に取得する被合成画像を用いて測光演算を行う。そして、該測光演算によって算出された被写体輝度に応じて、次の合成の組における目標絞り値を算出する。
また、前述の実施形態では、被合成画像間の露出差の設定は蓄積時間を変化させることで行うが、例えば、被合成画像ごとにISO感度を変化させて被合成画像間の露出差を設定するような構成であっても良い。
また、前述の実施形態では、合成の1組となる被合成画像は、アンダー露出画像、適正露出画像、オーバー露出画像の順に取得するような構成であるがこれに限定されるものではない。例えば、オーバー露出画像や、適正露出画像から取得を開始するような構成でも良いが、その場合は、絞り3の駆動期間がアンダー露出画像から出力する場合よりも短くなる。
また、前述の実施形態では、カメラ1の内部で合成処理を行う場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、被合成画像をPCなどの画像合成機能を有する不図示の外部装置へと出力し、該外部装置で合成処理をするような構成であっても良い。
更に、本発明においてカメラ1内の各部の駆動は、レンズ制御部7、タイミング発生部8、画像処理部9、メモリ制御部11、露出制御部18などによって制御されるがこれに限定されるものではない。例えば、前述した図3、図4、及び図8のフローに従ったプログラムをメモリ14に記憶させておき、CPU10が該プログラムを実行することでカメラ1内の各部の駆動を制御するような構成であってもよい。
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
1 カメラ(撮像装置)
3 絞り(光量調節部材)
5 撮像素子
6 AFE
7 レンズ制御部(駆動制御手段)
10 CPU(制御手段)
3 絞り(光量調節部材)
5 撮像素子
6 AFE
7 レンズ制御部(駆動制御手段)
10 CPU(制御手段)
Claims (19)
- 入射光量に応じた電荷を蓄積し画像を出力する撮像手段と、
第1画像と前記第1画像とは露出量の異なる第2画像とを合成に用いられる組として前記第1画像から順に周期的に連続して前記撮像手段に出力させる制御手段と、
前記撮像手段に入射する光量を調節する光量調節部材の駆動を制御することで、光量調節度合を変化させる駆動制御手段と、
を有し、
前記駆動制御手段は、前記第1画像の電荷の蓄積開始前に前記光量調節度合を変化させ前記第1画像の電荷の蓄積中と前記第2画像の電荷の蓄積中は前記光量調節度合を変化させず、前記第1画像と前記第2画像とで前記光量調節度合を変化させないように前記光量調節部材の駆動を制御することを特徴とする撮像装置。 - 前記駆動制御手段は、前記第1画像の電荷の蓄積開始前であって、当該第1画像の直前に前記撮像手段に出力させる前記第2画像の電荷の蓄積終了後に、前記光量調節部材を駆動して前記光量調節度合を変化させることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記制御手段は、前記第1画像と、前記第1画像よりも相対的に蓄積時間の長い第2画像とを周期的に連続して出力させることを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
- 前記第1画像の直前に前記撮像手段に出力させる前記第2画像の電荷の蓄積を行うフレームと当該第1画像の電荷の蓄積を行うフレームとの間に前記光量調節部材を駆動することで前記光量調節度合を変化させるフレームを有することを特徴とする請求項2又は3に記載の撮像装置。
- 前記撮像手段は、前記光量調節度合を変化させるフレームでは画像の電荷の蓄積を行わないことを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
- 前記制御手段は、合成に用いられる組として、前記第1画像と前記第2画像とは露出量の異なる第3画像を、前記第1画像と前記第2画像を出力させる間の期間で前記撮像手段に出力させ、
前記駆動制御手段は、前記第3画像の電荷の蓄積中に前記光量調節度合を変化させず、前記第1画像と前記第2画像と前記第3画像とで前記光量調節度合を変化させないように前記光量調節部材の駆動を制御することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の撮像装置。 - 前記駆動制御手段は、前記第1画像の電荷の蓄積開始前に前記光量調節度合を変化させ、前記第1画像の電荷の蓄積開始から前記第2画像の電荷の蓄積終了まで前記光量調節度合を変化させないように前記光量調節部材の駆動を制御することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の撮像装置。
- 前記駆動制御手段は、前記第1画像の電荷の蓄積開始前に前記光量調節度合の変化が完了する場合は前記第1画像の電荷の蓄積中と前記第2画像の電荷の蓄積中とで前記光量調節度合を変化させず、前記第1画像の電荷の蓄積開始前に前記光量調節度合の変化が完了しない場合は前記第1画像の電荷の蓄積中に前記光量調節度合を変化させ前記第2画像の電荷の蓄積中に前記光量調節度合を変化させないように前記光量調節部材の駆動を制御することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の撮像装置。
- 前記光量調節部材を駆動し前記光量調節度合を変化させることで被写体の輝度変化に応じた露出量の制御を行う撮像装置であって、
前記駆動制御手段は、前記第1画像の電荷の蓄積開始前に前記光量調節度合の変化が完了しない場合は、前記第1画像の電荷の蓄積開始後に前記光量調節部材を駆動することによって変化した露出量を、ISO感度を変化させて補償することを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。 - 前記光量調節部材は絞りであり、前記光量調節度合は絞り値であって、
前記駆動制御手段は、前記第1画像の電荷の蓄積開始前に前記絞り値を変化させ、前記第1画像の電荷の蓄積中と前記第2画像の電荷の蓄積中は前記絞り値を変化させず、前記第1画像と前記第2画像とで前記絞り値が変化しないように前記絞りの駆動を制御することを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の撮像装置。 - 前記光量調節部材はNDフィルタであり、前記光量調節度合は光の透過率であって、
前記駆動制御手段は、前記第1画像の電荷の蓄積開始前に前記光の透過率を変化させ、前記第1画像の電荷の蓄積中と前記第2画像の電荷の蓄積中は前記光の透過率を変化させず、前記第1画像と前記第2画像とで前記光の透過率が変化しないように前記NDフィルタの駆動を制御することを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の撮像装置。 - 前記駆動制御手段は、前記NDフィルタを前記撮像装置への光路に挿入または、当該光路から退避させることで前記光量調節度合を変化させることを特徴とする請求項11に記載の撮像装置。
- 入射光量に応じた電荷を蓄積し画像を出力する撮像手段と、
第1画像と前記第1画像とは露出量の異なる第2画像とを合成に用いる組として前記第1画像から順に周期的に連続して前記撮像手段から出力させる制御手段と、
前記光量調節部材の駆動を制御し、当該光量調節部材の状態を変化させることで前記撮像手段に入射する光量を調節する駆動制御手段と、
を有し、
前記駆動制御手段は、前記第1画像の電荷の蓄積開始から前記第2画像の電荷の蓄積終了まで前記光量調節部材の状態を変化させないことを特徴とする撮像装置。 - 前記光量調節部材は絞りであって、前記駆動制御手段は、前記第1画像の電荷の蓄積開始から前記第2画像の電荷の蓄積終了まで前記絞りの絞り径を変化させないことを特徴とする請求項13に記載の撮像装置。
- 前記光量調節部材はNDフィルタであって、前記駆動制御手段は、前記第1画像の電荷の蓄積開始から前記第2画像の電荷の蓄積終了まで前記NDフィルタの光の透過率を変化させないことを特徴とする請求項13に記載の撮像装置。
- 前記光量調節部材はNDフィルタであって、前記駆動制御手段は、前記第1画像の電荷の蓄積開始から前記第2画像の電荷の蓄積終了まで前記NDフィルタの光路へ挿入させた状態又は光路から退避させた状態を変化させないことを特徴とする請求項13に記載の撮像装置。
- 入射光量に応じた電荷を蓄積し画像を出力する撮像手段を有する撮像装置の制御方法であって、
第1画像と前記第1画像とは露出量の異なる第2画像とを合成に用いられる組として前記第1画像から順に周期的に連続して前記撮像手段に出力させる制御工程と、
前記撮像手段に入射する光量を調節する光量調節部材の駆動を制御することで、光量調節度合を変化させる駆動制御工程と、
を有し、
前記駆動制御工程では、前記第1画像の電荷の蓄積開始前に前記光量調節度合を変化させ前記第1画像の電荷の蓄積中と前記第2画像の電荷の蓄積中は前記光量調節度合を変化させず、前記第1画像と前記第2画像とで前記光量調節度合を変化させないように前記光量調節部材の駆動を制御することを特徴とする撮像装置の制御方法。 - 入射光量に応じた電荷を蓄積し画像を出力する撮像手段を有する撮像装置の制御方法であって、
第1画像と前記第1画像とは露出量の異なる第2画像とを合成に用いる組として前記第1画像から順に周期的に連続して前記撮像手段から出力させる制御工程と、
前記光量調節部材の駆動を制御し、当該光量調節部材の状態を変化させることで前記撮像手段に入射する光量を調節する駆動制御工程と、
を有し、
前記駆動制御工程は、前記第1画像の電荷の蓄積開始から前記第2画像の電荷の蓄積終了まで前記光量調節部材の状態を変化させないことを特徴とする撮像装置の制御方法。 - 請求項17又は18に記載の撮像装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータで読み取り可能なプログラム。
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Cited By (2)
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- 2013-10-02 JP JP2013207016A patent/JP2015073172A/ja active Pending
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