JP2015072774A - 多心ケーブル及びその製造方法 - Google Patents

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基 松田
Motoi Matsuda
基 松田
康宏 高井
Yasuhiro Takai
康宏 高井
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Abstract

【課題】2本の絶縁電線が平行に並列された2心平行ケーブルを複数本一括して撚り合わせ、外被を施してなる多心ケーブルにおいて、単位時間に多く製造できる2心平行ケーブルを使用して、多心ケーブル内での2心平行ケーブルの配列を安定化し、且つ全ての2心平行ケーブルの減衰特性を良好に保つ。【解決手段】本発明による多心ケーブル1は、2本の絶縁電線が平行に並列された2心平行ケーブル11を複数本一括して撚り合わせ、外被14を施してなる。2心平行ケーブル11は、上記2本の絶縁電線と共にドレイン線11cを並列した状態で金属テープ11dが縦添えされ、金属テープ11dの外側に樹脂が押出形成されて被覆11eが形成されてなる。被覆11eは、セカントモジュラスが200MPa以上400MPa以下の樹脂とする。【選択図】図1

Description

本発明は、2本の絶縁電線が平行に並列された2心平行ケーブルを複数本一括して撚り合わせた多心ケーブル、及びその製造方法に関する。
2心の信号導体を電気的に絶縁した対信号線は、高速デジタル信号を伝送するのに用いる信号線としてよく知られている。この対信号線を用いた信号伝送方法は、位相を180度反転させた信号を2心の信号導体に同時に入力して送信し、受信側で差分合成するので、差動伝送とも言われていて受信側で信号出力を2倍にすることができる。また、信号の伝送経路中で受けたノイズは、2心の導体に等しく加えられているので、受信側で差動信号として出力したときにキャンセルされ、ノイズ除去機能も有している。
電子機器の配線に用いられるSAS(Serial Attached SCSI)ケーブルやminiSASケーブル等の多心ケーブルは、上述した対信号線は(コア電線とも言う)を複数本集合させたものである。
特許文献1に記載の多心ケーブルは、2本の絶縁電線が平行に並列してなるコア電線を、複数本撚り合せて絶縁テープで押え巻きし、その外側に金属テープを巻き付けてシールド層とし、その上に外被(シースとも言う)が施されている。
ここで、2本の絶縁電線が平行に並列してなるコア電線は、2心平行ケーブルとも呼ばれ、高速パラレル伝送時の伝播時間差(スキュー)の発生が小さい。そして、この多心ケーブルは、金属テープをコア電線の撚り合せ方向と同方向に巻き付けてシールド層とすることで、全てのコア電線の減衰特性が均一であるようにしている。
特開2011−142070号公報
しかしながら、特許文献1に記載の多心ケーブルでは、それを作るときに金属テープを巻くのに時間がかかる。
本発明は、上述した実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、2本の絶縁電線が平行に並列された2心平行ケーブルを複数本一括して撚り合わせ、外被を施してなる多心ケーブルにおいて、単位時間に多く製造できる2心平行ケーブルを使用して、多心ケーブル内での2心平行ケーブルの配列を安定化し、且つ全ての2心平行ケーブルの減衰特性を良好に保つことにある。
本発明による多心ケーブルは、2本の絶縁電線が平行に並列された2心平行ケーブルを複数本一括して撚り合わせ、外被を施してなる。上記2心平行ケーブルは、上記2本の絶縁電線と共にドレイン線を並列した状態で金属テープが縦添えされ、上記金属テープの外側に樹脂が押出形成されて被覆が形成されてなり、上記被覆は、セカントモジュラスが200MPa以上400MPa以下の樹脂である。
本発明による多心ケーブルの製造方法は、2本の絶縁電線が平行に並列された2心平行ケーブルを複数本一括して撚り合わせ、外被を施してなる多心ケーブルを製造する製造方法であって、上記2本の絶縁電線と共にドレイン線を平行に並列させ、その外側に金属テープを縦添えし、上記金属テープの外側にセカントモジュラスが200MPa以上400MPa以下の樹脂を押出形成して被覆を形成することで、上記2心平行ケーブルを製造する工程と、上記2心平行ケーブルを複数本一括して撚り合せる工程と、撚り合わせた複数本の上記2心平行ケーブルに外被を施す工程と、を含む。
本発明の多心ケーブルは、2本の絶縁電線が平行に並列された2心平行ケーブルのシースが樹脂を押出被覆したものであるため、単位時間当たり生産性が良い。また、本発明の多心ケーブルでは、セカントモジュラスが200MPa以上400MPa以下の樹脂を用いているため、多心ケーブル内での2心平行ケーブルの配列を安定化し、且つ全ての2心平行ケーブルの減衰特性を良好に保つことができる。
本発明による多心ケーブルの一例を示す概略図である。 本発明に係る多心ケーブルの製造方法の一例を説明するための図である。 第1の比較例の多心ケーブルにおける2心平行ケーブルの配列を示す断面図である。 第2の比較例の多心ケーブルに収容する2心平行ケーブルの信号減衰特性を示す図である。 第2の比較例の多心ケーブルに収容した2心平行ケーブルの信号減衰特性を示す図である。 第3の比較例の多心ケーブルに収容する2心平行ケーブルの信号減衰特性を示す図である。 第3の比較例の多心ケーブルに収容した2心平行ケーブルの信号減衰特性を示す図である。 本発明の多心ケーブルに収容した2心平行ケーブルの信号減衰特性を示す図である。
図面を参照しながら、本発明の多心ケーブルについて説明する。
図1に示すように、本発明による多心ケーブル1は、コア集合体10、押え巻きテープ12、シールド層13、及び外被(シース)14を備える。多心ケーブル1は、例えばSASやminiSAS等のケーブル、InifiniBandやEthernet(登録商標)等のケーブルとして使用される。
コア集合体10は、2心平行ケーブル11が複数本一括して撚り合わされて集合したものである。なお、本例では、8本の2心平行ケーブル11からなる多心ケーブル1を挙げて説明するが、2心平行ケーブル11の数はこれに限ったものではなく、2以上であればよい。また、2心平行ケーブル11の構成については後述する。
コア集合体10の外周は、電気絶縁性の押え巻きテープ12を螺旋状に巻き付けて(つまり横巻きして)、多心ケーブル1を曲げたときなどでバラケたりしないように、コア集合体10の集合状態を保持するもので、電気絶縁性のある紙テープ又は樹脂テープが用いられる。樹脂テープとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)テープを用いることができ、また、柔軟性に優れた多孔性フッ素樹脂テープなどを用いることもできる。なお、この押え巻きテープ12の厚さは、例えば、0.01mm〜0.05mm程度のものを用いることができる。
押え巻きテープ12を巻き付けた外側には、シールド層(以下、シールドテープという)13を横巻きして共通のシールド層とする。シールドテープ13は、樹脂フィルムにアルミ箔又は銅箔を貼り付けたもの、或いは、樹脂フィルムにアルミ又は銅を蒸着したものを用いることができる。このテープ厚さは、例えば、アルミ又は銅の金属部分は0.007mm〜0.025mmで、PETフィルム部分は0.007mm〜0.025mmで、全体の厚さは0.014mm〜0.05mmのものが用いられる。
なお、シールドテープ13は、例えば、押え巻きテープ12の上から重なり部分がテープ幅の1/8〜2/3程度で螺旋状に巻き付けられ、その巻きピッチは例えば3mm〜60mmとなる。また、シールドテープ13の巻きピッチに対する2心平行ケーブル11の撚りピッチの比は、10〜14が好ましい。
また、シールドテープ13の外周面には、編組からなるシールド導体を配して、シールド層を補強するようにしてもよい。この編組シールド導体の導電材としては、コア電線に用いるものと同様、軟銅又は錫メッキ軟銅線を用いることができる。
また、シールドテープ13を巻き付けた外側は、押出し成形等によりシース14を施し、全体を保護する。このシース14としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリウレタンなどの樹脂を用いることができる。シース14を施した多心ケーブル1の外径は、例えば、後述の信号導体11aがAWG33相当の導体径をもつ場合に1.5〜12.0mmとなる。
なお、押え巻きテープ12、シース14の一方又は双方を設けずに、シールドテープ13だけでコア集合体10を覆うように構成することもできる。また、本発明の多心ケーブル1の構造は、2心平行ケーブル11以外については基本的に特許文献1に記載の多心ケーブルと同様の構造を採用することができる。
次に、本発明の主たる特徴である2心平行ケーブル11について説明する。
2心平行ケーブル11は、2本の絶縁電線が平行に(つまり撚らずに)並列されたケーブルであり、対信号線又はコア電線とも呼ばれる。各絶縁電線は、信号導体11aが絶縁体11bで被覆された電線である。信号導体11aは、軟銅又は錫メッキ軟銅線で、例えば、AWG24〜33相当の単線又は撚り線が用いられる。絶縁体11bは、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂やフッ素系樹脂が用いられる。絶縁電線の径は0.55〜1.70mmである。
そして、2心平行ケーブル11は、2本の絶縁電線と共にドレイン線11cを並列した状態でその外側に金属テープ(シールドテープ)11dが縦添えされ、さらにそのシールドテープ11dの外側に被覆11eが施されてなる。ここで、2本の絶縁電線は平行に密着して並列されており、それにドレイン線11cを添わせている。ドレイン線11cは1本で図示しているが、2心平行ケーブルの絶縁電線の並列面の反対側にもう1本追加し、合計2本としてもよい。
2心平行ケーブル11は、概略的には、長辺と短辺を有する長円状、楕円状、めがね状などの外形断面で形成されるが、ドレイン線11cの位置がやや突出した形状となってもよい。また、2心平行ケーブル11は、その外径断面に依らず、基本的に被覆11eの厚みはどの位置でも一定とし、例えば0.05〜0.30mmの厚みの被覆11eが用いられる。
そして、このような2心平行ケーブル11をコア集合体10として撚り合せることになるが、撚り合わせる本数に制限はなく、例えば2〜24対程度で撚り合される。撚り合せのピッチは、例えば100mm〜500mmピッチで、ほぼ円形となるように撚り合される。このような撚り合わせにより、ほぼ円形になるようにコア集合体10が形成されるが、何らかの対策を施さないと、ケーブル化後の形状・配列は不確定であり不安定なものとなる。
そのため、本発明で用いる被覆11eは、セカントモジュラスが200MPa以上400MPa以下の軟らかい樹脂とする。このような範囲の対象となる材料としては、ポリエチレン(特に低密度ポリエチレン)が挙げられ、架橋されたものであってもよい。また、上記範囲の対象となる他の材料としては、ポリプロピレンやフッ素樹脂であってもよく、また発泡させたものであってもよい。また、被覆11eは、このような樹脂を押出成形により被覆したものである。
ここで、樹脂の硬さの指標として用いたセカントモジュラスは、応力度−ひずみ度曲線上の任意の点と原点を結んだ直線の勾配(傾き)であり、特に伸び率が2%となったときの抗張力を50倍した値(換言すれば2%伸ばしたときのヤング率)を指す。また、伸び率2%は、サンプルを引張試験機で例えば引張速度50mm/分で引張ることで得ればよい。
本発明の多心ケーブル1は、2心平行ケーブルの被覆としてセカントモジュラスが200MPa以上400MPa以下の軟らかい樹脂を用いているため、多心ケーブル内での2心平行ケーブルの配列(長手方向に垂直な断面内における配置)が安定化し、ケーブル化による各2心平行ケーブル(電線コア)の減衰特性のばらつきが生じず、全ての電線コアの減衰特性を良好に保つことができる。
次に、このような多心ケーブル1の製造方法について、図1,図2を参照しながら簡単に説明する。図2は、上述した多心ケーブル1の製造方法の一例を説明するための図である。
多心ケーブル1の製造方法は、2心平行ケーブルを製造する工程(以下、コア電線製造工程)と、2心平行ケーブルを複数本一括して撚り合せる工程(以下、撚り合わせ工程)と、撚り合わせた複数本の2心平行ケーブルに外被を施す工程(以下、外被被覆工程)と、を含む。
コア電線製造工程では、図1に示すように、信号導体11aに絶縁体11bを施して絶縁電線を製造し、製造された2本の絶縁電線と共にドレイン線11cを平行に並列させる。ここで、絶縁電線を2本を並列させ、それにドレイン線11cを添わせるが、これらの工程は同時に実行することもできる。
次いで、コア電線製造工程では、その外側にシールドテープ11dを縦添え(タバコ巻きとも言う)し、シールドテープ11dの外側に、セカントモジュラスが200MPa以上400MPa以下の軟らかい樹脂を押出被覆することで、被覆11eを施す。
シールドテープ11dの縦添えに際しては、合わせ目がケーブルの長さ方向に一致するように一部を重ねて巻くとよい。シールドテープ11dを横巻きするのに比べて縦添えする方が、線速が上がる(単位時間に製造できるケーブルが長い)ため、製造効率が高くなる。また、樹脂を押出被覆することで、シールドテープ11dが開かないように固定しながら被覆することができる。
2心平行ケーブル11から多心ケーブル1を製造するための製造装置は、図2に示すように、例えば供給リール21、目板22、ダイス23、テープ巻き付け装置24,25、案内ローラ26、キャプスタン27、ケーブル巻取りリール28、及び撚線ローラ29を備える。
撚り合わせ工程では、上述のようにして製造された2心平行ケーブル11を複数本一括して撚り合わせる。具体的には、複数本の2心平行ケーブル11が、それぞれ個別に供給リール21から繰り出されて、ケーブル製造ラインに供給される。複数本の2心平行ケーブル11は、目板22の挿通孔に通され、ダイス23で集合されコア集合体10とされる。キャプスタン27とケーブル巻取りリール28が回転して、複数本の2心平行ケーブル11が互いに撚り合され、撚線ローラ29により2心平行ケーブル11が撚られるときにコア集合体10のパスラインが固定され、撚りが逃げないようにされる。
外被被覆工程では、このようにして集合された複数本の2心平行ケーブルを、押え巻きテープ12で押さえ巻き、その上にシールドテープ13により一括シールドし、さらにシース14をつける。
具体的に説明すると、まずコア集合体10の外周には、第1のテープ巻き付け装置24により押え巻きテープ12が所定の方向で巻き付けられる。なお、この第1のテープ巻き付け装置24が押え巻きテープ12を巻き付ける方向は任意である。次いで、押え巻きテープ12が巻かれたコア集合体10は、第2のテープ巻き付け装置25によりシールドテープ13が所定の方向で巻き付けられる。この後、キャプスタン27により引取られ、案内ローラ26により案内されて、ケーブル巻取りリール28に巻き取られる。
第2のテープ巻き付け装置25が、シールドテープ13を巻き付ける方向は、コア電線の撚り方向とする。図2の装置では、第2のテープ巻き付け装置25でシールドテープ13を、押え巻きテープ12が巻かれたコア集合体10に添えるだけでシールドテープ13の巻き方向は、2心平行ケーブル11の撚り方向と同じになる。しかし、それではシールドテープ13の巻きピッチと2心平行ケーブル11の撚りピッチが同じになる場合も含まれる。したがって、第2のテープ巻き付け装置25がシールドテープ13を押え巻きテープ12が巻かれたコア集合体10に巻き付けるとし、このときに、巻き付けピッチを2心平行ケーブル11の撚りピッチと変えておけばよい。
なお、この例では、シールドテープ13を、複数本の2心平行ケーブル11を集合させる撚り合せ方向と同じ方向に巻き付けている。これにより、高周波伝送において各線の減衰量のバラツキがなく、優れた伝送特性をもたせたることができる。但し、異なる方向に撚り合わせを行ってもよい。
この後、ケーブル巻取りリール28に巻き取られたシールドテープ13が巻かれたコア集合体10を再度繰り出して、押出し成形機によりシース14が施される。
次に、本発明の多心ケーブル1と従来の多心ケーブル1aとの違いについて、図3〜図6を参照しながら説明する。
図3は、第1の比較例として示す多心ケーブル1aにおける2心平行ケーブルの配列を示す断面図である。図4Aは、第2の比較例の多心ケーブルに収容する2心平行ケーブルの信号減衰特性を示す図で、図4Bは、その多心ケーブルに収容した2心平行ケーブルの信号減衰特性を示す図である。図5Aは、第3の比較例の多心ケーブルに収容する2心平行ケーブルの信号減衰特性を示す図で、図5Bは、その多心ケーブルに収容した2心平行ケーブルの信号減衰特性を示す図である。図6は、本発明の多心ケーブルに収容した2心平行ケーブルの信号減衰特性を示す図である。なお、図4A〜図6で示す信号減衰特性は、縦軸に減衰量(dB/m)、横軸に伝送信号の周波数(GHz)で示してある。
<本発明の試験例及び従来技術による第1〜第3の比較例に共通のパラメータ>
信号導体11aとして導体径がAWG26の単線を採用し、その信号導体に厚さ0.4mmの発泡ポリエチレンで被覆した絶縁電線を用いた。2心平行ケーブルは、このような2本の絶縁電線と共にドレイン線11cを並列した状態でAl−PETテープを縦添えし、その外側に厚さが均等になるような樹脂を押出して被覆11eを形成し、Twinax構造とした。本発明の試験例及び第1〜第3の比較例では、この被覆11eに用いる樹脂を異ならせて試験している。
そして、この2心平行ケーブルを8本、撚りピッチ250mmで撚り合わせ、コア集合体を作成した。また、コア集合体の周囲には、金属部分とPET部分の合計の厚さが0.025mmのAl−PETテープを巻きピッチ22mmm、テープ幅の1/4の重なりをもたせて巻き付け、その外周面には、編組からなるシールド導体を配してシールド層を補強した。また、多心ケーブルのシースにはPVCを用いた。
<第1の比較例>
上記被覆として、セカントモジュラスが600MPaの高密度ポリエチレン(HDPE)を用いた。
その結果、本比較例では、図示しないが各2心平行ケーブルでの減衰量はほぼ一致し、2心平行ケーブル間での減衰特性の差はなく問題はなかった。
しかし、本比較例では、元々図1の2心平行ケーブル11のようにドレイン線11cが全て外側を向いていたが、図3に示すように多心ケーブル1a内で2心平行ケーブル11′が反転した箇所が存在した。つまり、本比較例の多心ケーブル1aでは、ドレイン線11cの位置がケーブル途中で逆になり、捻れている箇所が存在した。このような多心ケーブル1aは、反転した箇所で端末加工し難い。この原因は、本比較例における2心平行ケーブルの被覆が硬すぎ、2心平行ケーブルを撚り合わせ難いことが考えられる。
このように本比較例では、ケーブル化した際に2心平行ケーブルの撚り合わせによるテープフォーミング状態に変化が起こり難く、減衰特性は良いが、内部の2心平行ケーブルの構造の配列が崩れ、加工し難くなる。
<第2の比較例>
上記被覆として、セカントモジュラスが50MPaのPVCを用いた。
その結果、本比較例では、第1の比較例のような多心ケーブル内での2心平行ケーブルの反転は生じなかった。
しかし、本比較例では、図4Aにケーブル化前の8本の2心平行ケーブルNo.1〜8それぞれの減衰量を示し、図4Bにケーブル化後の8本の2心平行ケーブルNo.1〜8それぞれの減衰量を示したように、ケーブル化前では減衰量のバラツキが多くないが、ケーブル化することで減衰量のバラツキが多くなっている。つまり、本比較例では、ケーブル化後に2心平行ケーブル間での減衰特性に差が生じている。ケーブル化時に2心平行ケーブルを一括して撚るときに、PVCが撚られて変形して動き、その下の縦添えのシールド層(金属テープ)がずれる(一部開く)ため、シールド性が悪くなると考えられる。
このように、本比較例の多心ケーブルでは、2心平行ケーブルの配列は維持できるものの、2心平行ケーブルの被覆が軟らかすぎ、ケーブル化時の撚り応力で、2心平行ケーブル内のテープフォーミングに悪影響を及ぼし、それにより減衰特性が悪化する。
<第3の比較例>
上記被覆として、セカントモジュラスが150MPaの低密度ポリエチレン(LDPE)を用いた。
その結果、本比較例では、第1の比較例のような多心ケーブル内での2心平行ケーブルの反転は生じなかった。
しかし、本比較例では、図5Aにケーブル化前の8本の2心平行ケーブルNo.1〜8それぞれの減衰量を示し、図5Bにケーブル化後の8本の2心平行ケーブルNo.1〜8それぞれの減衰量を示したように、ケーブル化前では減衰量のバラツキが多くないが、ケーブル化することで減衰量のバラツキが多くなっている。つまり、本比較例では、ケーブル化後に2心平行ケーブル間での減衰特性に差が生じている。本比較例でも被覆は軟らかいものであるため、第2の比較例と同様に、ケーブル化時に2心平行ケーブルを一括して撚るときに被覆が撚られて変形して動き、その下の縦添えの金属テープがずれるため、シールド性が悪くなると考えられる。
このように、本比較例の多心ケーブルにおいても、2心平行ケーブルの配列は維持できるものの、2心平行ケーブルの被覆が軟らかすぎ、ケーブル化時の撚り応力で、2心平行ケーブル内のテープフォーミングに悪影響を及ぼし、それにより減衰特性が悪化する。
<本発明の試験例>
本発明の試験例では、第1の比較例と第2,第3の比較例の中間として、2心平行ケーブルの被覆材として、セカンドモジュラスが300MPaのLDPEを用いた。
その結果、本試験例では、第1の比較例のような多心ケーブル内での2心平行ケーブルの反転は生じなかった。
また、本試験例では、図6にケーブル化後の8本の2心平行ケーブルNo.1〜8それぞれの減衰量を示したように、ケーブル化後においても少なくとも15GHzまでで減衰量のバラツキが殆どなかった。つまり、本試験例では、ケーブル化後においても2心平行ケーブル間での減衰特性に差が生じていないことが分かる。
このように、本試験例の多心ケーブルでは、2心平行ケーブルの配列が維持できると共に、2心平行ケーブルの被覆の堅さが丁度良く、ケーブル化時の撚り応力によっても2心平行ケーブル内のテープフォーミング状態に変化が起こり難く、減衰特性が良好となる。
また、図示しないが、セカントモジュラスが300MPaである場合に限らず、少なくとも200MPa以上400MPa以下の範囲で同様の結果が得られた。
さらに、その他のサイズの多心ケーブルについても試験したが、本試験例と同様な結果が得られた。例えば、2心平行ケーブル内の金属テープとしてAl−PETテープの代わりにCu−PETテープを用いる場合、信号電線がAWG24〜33の場合、2心平行ケーブルの撚りピッチが100〜500mm(本試験例で採用した250mmを除く)の場合など、図1を参照しながら説明した範囲で各パラメータを変更しながら試験を行ったが、いずれも本試験例と同様の結果が得られた。
1…多心ケーブル、10…コア集合体、11…2心平行ケーブル、11a…信号導体、11b…絶縁体、11c…ドレイン線、11d…2心平行ケーブル内の金属テープ(シールドテープ)、11e…被覆、12…押え巻きテープ、13…シールド層(シールドテープ)、14…シース、21…供給リール、22…目板、23はダイス、24…第1のテープ巻き付け装置、25…第2のテープ巻き付け装置、26…案内ローラ、27…キャプスタン、28…ケーブル巻取りリール、29…撚線ローラ。

Claims (2)

  1. 2本の絶縁電線が平行に並列された2心平行ケーブルを複数本一括して撚り合わせ、外被を施してなる多心ケーブルであって、
    前記2心平行ケーブルは、前記2本の絶縁電線と共にドレイン線を並列した状態で金属テープが縦添えされ、該金属テープの外側に樹脂が押出形成されて被覆が形成されてなり、
    該被覆は、セカントモジュラスが200MPa以上400MPa以下の樹脂である、多心ケーブル。
  2. 2本の絶縁電線が平行に並列された2心平行ケーブルを複数本一括して撚り合わせ、外被を施してなる多心ケーブルを製造する製造方法であって、
    前記2本の絶縁電線と共にドレイン線を平行に並列させ、その外側に金属テープを縦添えし、該金属テープの外側にセカントモジュラスが200MPa以上400MPa以下の樹脂を押出形成して被覆を形成することで、前記2心平行ケーブルを製造する工程と、
    前記2心平行ケーブルを複数本一括して撚り合せる工程と、
    撚り合わせた複数本の前記2心平行ケーブルに外被を施す工程と、
    を含む、多心ケーブルの製造方法。
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