JP2015071832A - 毛髪用繊維束及び頭飾製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、人毛に近い自然な光沢と柔らかい触感を有するとともに、カール保持性及びボリューム感が良好な毛髪用繊維束及び頭飾製品を提供する。
【解決手段】本発明は、ポリエステル系繊維とポリプロピレン系繊維を含む毛髪用繊維束であって、上記ポリエステル系繊維は、ポリエステル樹脂100重量部に対して臭素化エポキシ系難燃剤を5〜30重量部含み、上記ポリエステル樹脂は、ポリアルキレンテレフタレート及び/又はポリアルキレンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステルであり、上記毛髪用繊維束100重量部に対して上記ポリエステル系繊維を10〜90重量部含む毛髪用繊維束に関する。本発明は、また、上記の毛髪用繊維束を含む頭飾製品に関する。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、ポリエステル系繊維とポリプロピレン系繊維を含む毛髪用繊維束であって、上記ポリエステル系繊維は、ポリエステル樹脂100重量部に対して臭素化エポキシ系難燃剤を5〜30重量部含み、上記ポリエステル樹脂は、ポリアルキレンテレフタレート及び/又はポリアルキレンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステルであり、上記毛髪用繊維束100重量部に対して上記ポリエステル系繊維を10〜90重量部含む毛髪用繊維束に関する。本発明は、また、上記の毛髪用繊維束を含む頭飾製品に関する。
【選択図】なし
Description
本発明は、人毛の代替品として使用できる毛髪用繊維束とそれを用いた頭飾製品に関し、詳細には、ポリエステル系繊維とポリプロピレン系繊維を含む毛髪用繊維束とそれを用いた頭飾製品に関する。
かつら、ヘアーウィッグ、付け毛、ヘアーバンド、ドールヘアー等の頭飾製品においては、従来、人毛が使用されていた。しかしながら、近年、人毛の入手が次第に困難になり、人毛に代わって人工毛髪用繊維の重要性が高まっている。人工毛髪用繊維素材として、例えば、ポリエステル系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリアミド系繊維等の合成繊維が使われていた。例えば、特許文献1には、ポリエステル系繊維及びポリプロピレン系繊維等の合成繊維を含む人造毛髪が記載されている。また、特許文献2には、ポリプロピレン系繊維及びポリエステル系繊維等の合成繊維を含むミノ毛が記載されている。
しかし、ポリプロピレン系繊維及びポリエステル系繊維等の合成繊維は、人毛に比べて光沢が強いうえ、触感も硬く、櫛通りも悪く、頭飾製品、特にヘアーウィッグ、かつら等の人毛に取り付けるような頭髪製品に用いた場合、人毛との光沢や触感の違いにより頭髪全体として違和感があるという問題があった。加えて、頭飾製品の場合、ヘアーアイロンでカールを付与することが行われており、カール特性を有する人工毛髪が求められている。さらに、頭飾製品の場合、ボリューム感に優れるものが好まれている。
本発明は、上記従来の問題を解決するため、人毛に近い自然な光沢と柔らかい触感を有するとともに、櫛通り、ボリューム感及びカール保持性が良好な毛髪用繊維束及び頭飾製品を提供する。
本発明は、ポリエステル系繊維とポリプロピレン系繊維を含む毛髪用繊維束であって、上記ポリエステル系繊維は、ポリエステル樹脂100重量部に対して臭素化エポキシ系難燃剤を5〜30重量部含み、上記ポリエステル樹脂は、ポリアルキレンテレフタレート及び/又はポリアルキレンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステルであり、上記毛髪用繊維束100重量部に対して上記ポリエステル系繊維を10〜90重量部含むことを特徴とする毛髪用繊維束に関する。
本発明の毛髪用繊維束において、上記ポリプロピレン系繊維には繊維処理剤が付着しており、上記繊維処理剤はアクリル樹脂及び/又はコロイダルシリカ含有シリコーンオイルと、アミノ変性シリコーンを含むことが好ましい。また、上記ポリプロピレン系繊維100重量部に対して上記繊維処理剤が0.1〜1.5重量部付着していることが好ましい。
本発明は、また、上記の毛髪用繊維束を含むことを特徴とする頭飾製品に関する。
本発明は、ポリエステル系繊維とポリプロピレン系繊維を含む毛髪用繊維束において、特定のポリエステル系繊維を用いるととともに、毛髪用繊維束における該ポリエステル系繊維の含有量を調整することで、人毛に近い自然な光沢と柔らかい触感を有するとともに、櫛通り、カール保持性及びボリューム感が良好な毛髪用繊維束及び頭飾製品を提供することができる。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ポリエステル系繊維とポリプロピレン系繊維を含む毛髪用繊維束において、ポリエステル系繊維としてポリアルキレンテレフタレート及び/又はポリアルキレンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステルからなるポリエステル樹脂100重量部に対して臭素化エポキシ系難燃剤を5〜30重量部を含むポリエステル系繊維を用いるとともに、毛髪用繊維束100重量部に対して該ポリエステル系繊維を10〜90重量部含ませることにより、人毛に近い自然な光沢と柔らかい触感を有するとともに、櫛通り、カール保持性及びボリューム感が良好になることを見出し、本発明を完成するに至った。また、上記ポリプロピレン系繊維に、アクリル樹脂及び/又はコロイダルシリカ含有シリコーンオイルと、アミノ変性シリコーンを含む繊維処理剤を付着させることで、より人毛に近い自然な光沢と柔らかい触感を有し、櫛通りもより良好になることを見出した。
本発明で用いるポリエステル系繊維は、ポリエステル樹脂100重量部に対して臭素化エポキシ系難燃剤を5〜30重量部含む。ポリエステル樹脂100重量部に対する臭素化エポキシ系難燃剤の含有量の下限値は、好ましくは6重量部以上であり、より好ましくは7重量部以上である。また、ポリエステル樹脂100重量部に対する臭素化エポキシ系難燃剤の含有量の上限値は、好ましくは25重量部以下であり、より好ましくは20重量部以下である。臭素化エポキシ系難燃剤の含有量が上記範囲内であれば、ポリエステル系繊維の光沢及び触感を人毛に近似させることができるとともに、櫛通りとカール保持性にも優れる。
上記ポリエステル樹脂は、ポリアルキレンテレフタレート及び/又はポリアルキレンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステルからなる。上記ポリアルキレンテレフタレートとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等が挙げられる。上記ポリアルキレンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステルとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等のポリアルキレンテレフタレートを主体とし、他の共重合成分を含有する共重合ポリエステルが挙げられる。本発明において、「主体」とは、50モル%以上含有される成分のことを意味し、「ポリアルキレンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステル」は、ポリアルキレンテレフタレートを50モル%以上含有する共重合ポリエステルをいう。好ましくは、「ポリアルキレンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステル」は、ポリアルキレンテレフタレートを60モル%以上、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上含有する。
上記他の共重合成分としては、例えば、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スべリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の多価カルボン酸及びそれらの誘導体、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジヒドロキシエチル等のスルホン酸塩を含むジカルボン酸及びそれらの誘導体、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、4−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトン等が挙げられる。
上記ポリアルキレンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステルの具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートを主体とし、ビスフェノールAのエチレングリコールエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、イソフタル酸及び5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジヒドロキシエチルからなる群から選ばれる一種の化合物を共重合したポリエステル等が挙げられる。
上記ポリアルキレンテレフタレート及び/又は上記ポリアルキレンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステルは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ポリエステル系繊維において、臭素化エポキシ系難燃剤は、ポリエステル系人工毛髪用繊維の光沢及び触感を人毛に近似させ、人毛に近い自然な光沢と柔らかい触感を付与する効果を有する。ポリエステル系人工毛髪用繊維の光沢及び触感を人毛に近似させる観点から、臭素化エポキシ系難燃剤は、繊維中で凝集体として存在することが好ましい。
上記臭素化エポキシ系難燃剤は、ポリエステル系人工毛髪用繊維の光沢及び触感を人毛に近似させるものであればよく、特に限定されない。例えば、原料としては分子末端がエポキシ基、トリブロモフェノール等からなる臭素化エポキシ系難燃剤を用いることが好ましい。
上記臭素化エポキシ系難燃剤は、特に限定されないが、例えば、下記一般式(1)で表される構造式を分子中に有する化合物を用いることができる。
但し、上記一般式(1)において、mは1〜1000である。
上記一般式(1)で表される化合物として、具体的には、下記一般式(2)〜(4)で表される化合物を用いることができる。
但し、上記一般式(2)〜(4)において、mは1〜1000、R1は炭素数1〜10のアルキル基、yは0〜5を示す。
上記ポリエステル系繊維は、さらに、ポリエステル樹脂100重量部に対し、アンチモン化合物を0〜5重量部含むことが好ましい。アンチモン化合物を含むことにより、ポリエステル系繊維の難燃性が向上する。
上記アンチモン化合物は、アンチモン原子を有する化合物であればよく、特に限定されない。例えば、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム等が挙げられる。これらは1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。アンチモン化合物は水和物であっても良いが、水和物の場合は水和水を除いた重量で、ポリエステル樹脂100重量部に対して0〜5重量部含むことが好ましい。
上記ポリエステル系繊維は、ポリエステル樹脂、臭素化エポキシ系難燃剤、アンチモン化合物等を含むポリエステル樹脂組成物を通常の溶融紡糸法で溶融紡糸することにより得られる。上記ポリエステル樹脂組成物は、上述したポリエステル樹脂、臭素化エポキシ系難燃剤、アンチモン化合物等の各成分をドライブレンドした後、種々の一般的な混練機を用いて溶融混練することにより得ることができる。上記混練機としては、例えば、一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー等が挙げられる。中でも、二軸押出機が、混練度の調整、操作の簡便性の点から好ましい。
上記ポリエステル系繊維を、通常の溶融紡糸法で溶融紡糸する場合には、例えば、押出機、ギアポンプ、口金等の温度を250℃以上300℃以下とし、溶融紡糸し、紡出糸条を加熱筒に通過させた後、ポリエステル樹脂のガラス転移点以下に冷却し、50m/分以上5000m/分以下の速度で引き取ることにより紡出糸条(未延伸糸)が得られる。また、紡出糸条を冷却用の水を入れた水槽で冷却し、繊度のコントロールを行なうことも可能である。加熱筒の温度と長さ、冷却風の温度と吹付量、冷却水槽の温度、冷却時間及び引取速度は、ポリマーの吐出量及び口金の孔数によって適宜調整することができる。
上記において、得られた紡出糸条(未延伸糸)は熱延伸されることが好ましい。延伸は、紡出糸条を一旦巻き取ってから延伸する2工程法と、紡出糸条を巻き取ることなく連続して延伸する直接紡糸延伸法のいずれの方法によって行ってもよい。熱延伸は、1段延伸法又は2段以上の多段延伸法で行なわれる。熱延伸における加熱手段としては、加熱ローラ、ヒートプレート、スチームジェット装置、温水槽等を使用することができ、これらを適宜併用することもできる。
上記ポリエステル系繊維は、本発明の効果を阻害しない範囲内において、難燃剤、耐熱剤、光安定剤、蛍光剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、可塑剤、潤滑剤等の各種添加剤を適宜含有しても良い。
本発明で用いるポリプロピレン系繊維は、毛髪用繊維として用いることができるものであればよく、特に限定されない。ポリプロピレン系繊維を構成するポリプロピレン樹脂は、特に限定されず、プロピレンの単独重合体であってもよく、プロピレンとエチレン等の他のα−オレフィンとの共重合体であってもよい。
上記ポリプロピレン系繊維を、通常の溶融紡糸法で溶融紡糸する場合には、例えば、押出機、ギアポンプ、口金等の温度を200℃以上260℃以下とし、溶融紡糸し、紡出糸条を加熱筒に通過させた後、ポリプロピレン樹脂のガラス転移点以下に冷却し、50m/分以上5000m/分以下の速度で引き取ることにより紡出糸条(未延伸糸)が得られる。上記において、得られた紡出糸条(未延伸糸)は、ポリエステル系繊維の場合と同様に、熱延伸されることが好ましい。
上記ポリエステル系繊維とポリプロピレン系繊維は、人工毛髪に適するという観点から、繊度が10〜100dtexであることが好ましい。上記ポリエステル系繊維とポリプロピレン系繊維の繊度の下限値は、より好ましくは20dtex以上であり、さらに好ましくは35dtex以上である。上記ポリエステル系繊維とポリプロピレン系繊維の繊度の上限値は、より好ましくは90dtex以下であり、さらに好ましくは80dtex以下である。
上記ポリプロピレン系繊維は、櫛通り、柔らかい触感及び自然な光沢の観点から、アクリル樹脂及び/又はコロイダルシリカ含有シリコーンオイルと、アミノ変性シリコーンを含む繊維処理剤が付着していることが好ましい。上記繊維処理剤は、ポリプロピレン系繊維100重量部に対して0.1〜1.5重量部付着していることが好ましい。上記ポリプロピレン系繊維100重量部に対する繊維処理剤の付着量の下限値は、より好ましくは0.2重量部以上であり、さらに好ましくは0.3重量部以上であり、さらにより好ましくは0.4重量部以上である。上記ポリプロピレン系繊維100重量部に対する繊維処理剤の付着量の上限値は、より好ましくは1.2重量部以下であり、さらに好ましくは0.9重量部以下であり、さらにより好ましくは0.8重量部以下である。上記繊維処理剤の付着量が上記範囲内であることにより、べたつきの強い触感になることなく、櫛通りを良好にし、柔らかい触感及び自然な光沢を付与することができる。上記繊維処理剤が、アクリル樹脂、コロイダルシリカ含有シリコーンオイル及びアミノ変性シリコーンを含む場合、アクリル樹脂:コロイダルシリカ含有シリコーンオイル:アミノ変性シリコーンの重量比は、アクリル樹脂を1とした時に、1:0.5:0.5〜1:3:10であることが好ましく、1:1:1〜1:2:7であることがより好ましい。上記繊維処理剤が、アクリル樹脂とアミノ変性シリコーンを含む場合、アクリル樹脂:アミノ変性シリコーンの重量比は、アクリル樹脂を1とした時に、1:0.5〜1:10であることが好ましく、1:1〜1:5であることがより好ましい。上記繊維処理剤が、コロイダルシリカ含有シリコーンオイルとアミノ変性シリコーンを含む場合、コロイダルシリカ含有シリコーンオイル:アミノ変性シリコーンの重量比は、1:1〜1:10であることが好ましく、1:1〜1:5であることがより好ましい。なお、上記ポリプロピレン系繊維における繊維処理剤の付着量は、後述する通りに測定することができる。
上記ポリプロピレン系繊維への繊維処理剤の付着は、特に限定されないが、例えば、上記繊維処理剤を含む処理液に上記ポリプロピレン系繊維を浸漬することで行うことができる。上記繊維処理剤を含む処理液は、上記繊維処理剤を水性媒体に分散又は溶解、好ましくは分散させて得ることができる。水性媒体は、好ましくは水であり、例えば、蒸留水、イオン交換水、及び超純水等が使用できる。
上記アクリル樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル等の(メタ)アクリル酸エステル;ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタアクリレート等のヒドロキシル基含有のアクリル系モノマー;(メタ)アクリロニトリル、アクリルアミド、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド等のアクリル系モノマー等からなる群から選ばれる一種以上のモノマーを重合又は共重合したポリマーを用いることができる。上記アクリル樹脂は、必要に応じて、スチレン、酢酸ビニル、ビニルトルエン、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸等のモノマーからなる群から選ばれる一種以上のモノマーを加えられてもよい。上記アクリル樹脂は、上記モノマーを用い、界面活性剤を乳化剤とするか、あるいはポリビニルアルコール(PVA)を保護コロイドとして公知の方法により乳化(共)重合して得ることができる。
上記コロイダルシリカ含有シリコーンオイルとしては、特に限定されないが、水性媒体に分散可能なものであることが好ましい。例えば、北広ケミカル社製の商品名「シュワットTR−502」等を用いることができる。
上記アミノ変性シリコーンとしては、例えば、頭髪用繊維のコンディショナー成分として使用されているものが使用できる。上記アミノ変性シリコーンの官能基当量は、通常アミン当量で500以上4000未満、かつ平均分子量は5000〜100000の範囲である。
本発明の毛髪用繊維束は、毛髪用繊維束100重量部に対して、上記ポリエステル系繊維を10〜90重量部含む。上記毛髪用繊維束100重量部に対するポリエステル系繊維の含有量の下限値は、好ましくは20重量部以上であり、より好ましくは30重量部以上である。上記毛髪用繊維束100重量部に対するポリエステル系繊維の含有量の上限値は、好ましくは80重量部以下であり、より好ましくは70重量部以下である。また、本発明の毛髪用繊維束は、毛髪用繊維束100重量部に対して、上記ポリプロピレン系繊維を10〜90重量部含む。上記毛髪用繊維束100重量部に対するポリプロピレン系繊維の含有量の下限値は、好ましくは20重量部以上であり、より好ましくは30重量部以上である。上記毛髪用繊維束100重量部に対するポリプロピレン系繊維の含有量の上限値は、好ましくは80重量部以下であり、より好ましくは70重量部以下である。上記範囲を満たすことにより、コストを低減しつつ、人毛に近い自然な光沢と柔らかい触感を有し、櫛通り、カール保持性及びボリューム感も良好になる。
上記毛髪用繊維束は、本発明の効果を阻害しない範囲内において、上記ポリエステル系繊維と上記プロピレン繊維に加えて他の繊維を含んでもよい。他の繊維としては、モダアクリル繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ナイロン繊維、他のポリエステル繊維等の毛髪用合成繊維や、人毛、獣毛等の天然繊維、再生コラーゲン繊維等の天然物由来の繊維等が挙げられる。
上記毛髪用繊維束は、カール保持性に優れるという観点から、カール伸長率が30%未満であることが好ましく、29%以下であることがより好ましく、20%未満であることがさらに好ましく、19%以下であることが特に好ましい。上記毛髪用繊維束のカール伸長率は、後述する通りに測定することができる。
上記毛髪用繊維束は、ボリューム感に優れるという観点から、嵩高値が10mm以上であることが好ましく、13mm以上であることがより好ましく、15mm以上であることがさらに好ましく、17mm以上であることが特に好ましい。上記毛髪用繊維束の嵩高値は、後述する通りに測定することができる。
上記毛髪用繊維束を用いて本発明の頭飾製品を形成することができる。上記毛髪用繊維束を用いて形成した頭飾製品は、人毛に近い自然な光沢と柔らかい触感を有するとともに、カール保持性、ボリューム感にも優れる。また、上記毛髪用繊維束を用いて形成した頭飾製品は、好ましくは、櫛通りにも優れる。上記頭飾製品としては、例えば、ヘアーウィッグ、かつら、ウィービング、ヘアーエクステンション、ブレードヘアー、ヘアーアクセサリー及びドールヘアー等が挙げられる。
上記頭飾製品は、上記毛髪用繊維束のみで形成されていてもよい。また、上記頭飾製品は、上記毛髪用繊維束に、モダアクリル繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ナイロン繊維、他のポリエステル繊維等の毛髪用合成繊維や、人毛、獣毛等の天然繊維、再生コラーゲン繊維等の天然物由来の繊維等を組み合わせて形成してもよい。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(ポリエステル系繊維の製造例1)
水分量100ppm以下に乾燥したポリエチレンテレフタレート(日本ユニペット社製、商品名「BK−2180」)100重量部、臭素化エポキシ系難燃剤(阪本薬品工業社製、商品名「SRT−2MP」)20重量部、アンチモン酸ナトリウム(日本精鉱社製、商品名「SA−A」)2重量部を混合してドライブレンドした。ドライブレンドした樹脂組成物を二軸押出機に供給し、280℃で溶融混練し、ペレット化したのちに、水分量100ppm以下に乾燥させた。乾燥した樹脂ペレットを溶融紡糸機に供給し、280℃でノズル径0.5mmの丸断面ノズル孔を有する紡糸口金より溶融ポリマーを吐出し、口金下30mmの位置に設置した水温50℃の水浴中で冷却し、100m/分の速度で巻き取って紡出糸条を得た。得られた紡出糸条を80℃の温水浴中で延伸を行ない、4倍延伸糸とし、200℃に加熱したヒートロールを用いて、100m/分の速度で巻き取り、熱処理を行ない、単繊維繊度が50dtex前後のポリエステル系繊維A1(マルチフィラメント)を得た。
水分量100ppm以下に乾燥したポリエチレンテレフタレート(日本ユニペット社製、商品名「BK−2180」)100重量部、臭素化エポキシ系難燃剤(阪本薬品工業社製、商品名「SRT−2MP」)20重量部、アンチモン酸ナトリウム(日本精鉱社製、商品名「SA−A」)2重量部を混合してドライブレンドした。ドライブレンドした樹脂組成物を二軸押出機に供給し、280℃で溶融混練し、ペレット化したのちに、水分量100ppm以下に乾燥させた。乾燥した樹脂ペレットを溶融紡糸機に供給し、280℃でノズル径0.5mmの丸断面ノズル孔を有する紡糸口金より溶融ポリマーを吐出し、口金下30mmの位置に設置した水温50℃の水浴中で冷却し、100m/分の速度で巻き取って紡出糸条を得た。得られた紡出糸条を80℃の温水浴中で延伸を行ない、4倍延伸糸とし、200℃に加熱したヒートロールを用いて、100m/分の速度で巻き取り、熱処理を行ない、単繊維繊度が50dtex前後のポリエステル系繊維A1(マルチフィラメント)を得た。
(ポリエステル系繊維の製造例2)
水分量100ppm以下に乾燥したポリエチレンテレフタレート(日本ユニペット社製、商品名「BK−2180」)を溶融紡糸機に供給した以外は、上記ポリエステル系繊維の製造例1と同様の方法で単繊維繊度が50dtex前後のポリエステル系繊維A2(マルチフィラメント)を得た。
水分量100ppm以下に乾燥したポリエチレンテレフタレート(日本ユニペット社製、商品名「BK−2180」)を溶融紡糸機に供給した以外は、上記ポリエステル系繊維の製造例1と同様の方法で単繊維繊度が50dtex前後のポリエステル系繊維A2(マルチフィラメント)を得た。
(ポリプロピレン系繊維の製造例1)
ポリプロピレン(サンアロマー社製、商品名「PM900」、メルトフローレートMFR=30)を溶融紡糸機に供給し、紡糸温度230℃でノズル径0.5mmの丸断面ノズル孔を有する紡糸口金より溶融ポリマーを吐出し、口金下30mmの位置に設置した水温50℃の水浴中で冷却し、100m/分の速度で巻き取って紡出糸条を得た。得られた紡出糸条を80℃の温水浴中で延伸を行ない、3.5倍延伸糸とし、180℃に加熱したヒートロールを用いて、100m/分の速度で巻き取り、熱処理を行ない、単繊維繊度が50dtex前後のポリプロピレン系繊維B1(マルチフィラメント)を得た。
ポリプロピレン(サンアロマー社製、商品名「PM900」、メルトフローレートMFR=30)を溶融紡糸機に供給し、紡糸温度230℃でノズル径0.5mmの丸断面ノズル孔を有する紡糸口金より溶融ポリマーを吐出し、口金下30mmの位置に設置した水温50℃の水浴中で冷却し、100m/分の速度で巻き取って紡出糸条を得た。得られた紡出糸条を80℃の温水浴中で延伸を行ない、3.5倍延伸糸とし、180℃に加熱したヒートロールを用いて、100m/分の速度で巻き取り、熱処理を行ない、単繊維繊度が50dtex前後のポリプロピレン系繊維B1(マルチフィラメント)を得た。
(ポリプロピレン系繊維の製造例2)
ポリプロピレン系繊維の製造例1と同様にして製造したポリプロピレン系繊維B1(40cm、200g)を、繊維処理剤を含む処理液に10分間浸漬した後、室温にて自然乾燥して、ポリプロピレン系繊維B2を得た。上記繊維処理剤を含む処理液は、イオン交換水に、水性アクリル樹脂エマルジョン(アクリル樹脂成分40重量%、CAS番号27082−10−6)が0.14重量%、コロイダルシリカ含有シリコーンオイル(北広ケミカル社製、商品名「シュワットTR−502」)が0.1重量%、アミノ変性シリコーン(東レダウコーニング社製、商品名「FZ−4645」)が0.4重量%になるように添加して調整した。上記アクリル樹脂は、アクリル酸、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド及びメタクリル酸メチルをモノマーとするコポリマーである。なお、ポリプロピレン系繊維の製造例2で得られたポリプロピレン系繊維に付着している繊維処理剤の量は、下記に示す測定方法に従って測定した結果、0.7%omfであった。
ポリプロピレン系繊維の製造例1と同様にして製造したポリプロピレン系繊維B1(40cm、200g)を、繊維処理剤を含む処理液に10分間浸漬した後、室温にて自然乾燥して、ポリプロピレン系繊維B2を得た。上記繊維処理剤を含む処理液は、イオン交換水に、水性アクリル樹脂エマルジョン(アクリル樹脂成分40重量%、CAS番号27082−10−6)が0.14重量%、コロイダルシリカ含有シリコーンオイル(北広ケミカル社製、商品名「シュワットTR−502」)が0.1重量%、アミノ変性シリコーン(東レダウコーニング社製、商品名「FZ−4645」)が0.4重量%になるように添加して調整した。上記アクリル樹脂は、アクリル酸、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド及びメタクリル酸メチルをモノマーとするコポリマーである。なお、ポリプロピレン系繊維の製造例2で得られたポリプロピレン系繊維に付着している繊維処理剤の量は、下記に示す測定方法に従って測定した結果、0.7%omfであった。
(ポリプロピレン系繊維の製造例3)
以下の繊維処理剤を使用した以外はポリプロピレン系繊維の製造例2と同様にして、ポリプロピレン系繊維B3を得た。ポリプロピレン系繊維の製造例3において、繊維処理剤を含む処理液は、イオン交換水に、水性アクリル樹脂エマルジョン(アクリル樹脂成分40重量%、CAS番号27082−10−6)が0.07重量%、コロイダルシリカ含有シリコーンオイル(北広ケミカル社製、商品名「シュワットTR−502」)が0.05重量%、アミノ変性シリコーン(東レダウコーニング社製、商品名「FZ−4645」)が0.2重量%になるように添加して調整した。上記アクリル樹脂は、アクリル酸、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド及びメタクリル酸メチルをモノマーとするコポリマーである。なお、ポリプロピレン系繊維の製造例3で得られたポリプロピレン系繊維に付着している繊維処理剤の量は、下記に示す測定方法に従って測定した結果、0.35%omfであった。
以下の繊維処理剤を使用した以外はポリプロピレン系繊維の製造例2と同様にして、ポリプロピレン系繊維B3を得た。ポリプロピレン系繊維の製造例3において、繊維処理剤を含む処理液は、イオン交換水に、水性アクリル樹脂エマルジョン(アクリル樹脂成分40重量%、CAS番号27082−10−6)が0.07重量%、コロイダルシリカ含有シリコーンオイル(北広ケミカル社製、商品名「シュワットTR−502」)が0.05重量%、アミノ変性シリコーン(東レダウコーニング社製、商品名「FZ−4645」)が0.2重量%になるように添加して調整した。上記アクリル樹脂は、アクリル酸、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド及びメタクリル酸メチルをモノマーとするコポリマーである。なお、ポリプロピレン系繊維の製造例3で得られたポリプロピレン系繊維に付着している繊維処理剤の量は、下記に示す測定方法に従って測定した結果、0.35%omfであった。
(ポリプロピレン系繊維の製造例4)
以下の繊維処理剤を使用した以外はポリプロピレン系繊維の製造例2と同様にして、ポリプロピレン系繊維B4を得た。ポリプロピレン系繊維の製造例4において、繊維処理剤を含む処理液は、イオン交換水に、水性アクリル樹脂エマルジョン(アクリル樹脂成分40重量%、CAS番号27082−10−6)が0.24重量%、コロイダルシリカ含有シリコーンオイル(北広ケミカル社製、商品名「シュワットTR−502」)が0.17重量%、アミノ変性シリコーン(東レダウコーニング社製、商品名「FZ−4645」)が0.68重量%になるように添加して調整した。上記アクリル樹脂は、アクリル酸、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド及びメタクリル酸メチルをモノマーとするコポリマーである。なお、ポリプロピレン系繊維の製造例4で得られたポリプロピレン系繊維に付着している繊維処理剤の量は、下記に示す測定方法に従って測定した結果、1.2%omfであった。
以下の繊維処理剤を使用した以外はポリプロピレン系繊維の製造例2と同様にして、ポリプロピレン系繊維B4を得た。ポリプロピレン系繊維の製造例4において、繊維処理剤を含む処理液は、イオン交換水に、水性アクリル樹脂エマルジョン(アクリル樹脂成分40重量%、CAS番号27082−10−6)が0.24重量%、コロイダルシリカ含有シリコーンオイル(北広ケミカル社製、商品名「シュワットTR−502」)が0.17重量%、アミノ変性シリコーン(東レダウコーニング社製、商品名「FZ−4645」)が0.68重量%になるように添加して調整した。上記アクリル樹脂は、アクリル酸、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド及びメタクリル酸メチルをモノマーとするコポリマーである。なお、ポリプロピレン系繊維の製造例4で得られたポリプロピレン系繊維に付着している繊維処理剤の量は、下記に示す測定方法に従って測定した結果、1.2%omfであった。
(実施例1〜6、比較例1〜5)
上記で得られたポリエステル系繊維A1(PET−A1)、ポリエステル系繊維A2(PET−A2)、ポリプロピレン系繊維B1(PP−B1)、ポリプロピレン系繊維B2(PP−B2)、ポリプロピレン系繊維B3(PP−B3)、及びポリプロピレン系繊維B4(PP−B4)を下記表1及び2に示した配合割合で混合して毛束(毛髪用繊維束)を得た。
上記で得られたポリエステル系繊維A1(PET−A1)、ポリエステル系繊維A2(PET−A2)、ポリプロピレン系繊維B1(PP−B1)、ポリプロピレン系繊維B2(PP−B2)、ポリプロピレン系繊維B3(PP−B3)、及びポリプロピレン系繊維B4(PP−B4)を下記表1及び2に示した配合割合で混合して毛束(毛髪用繊維束)を得た。
実施例1〜6、比較例1〜5で得られた毛束の光沢、触感(柔らかさ)、カール保持性、ボリューム(嵩高性)、櫛通り、及びべたつきを下記のとおりに評価・測定し、その結果を下記表1及び表2に示した。また、ポリプロピレン系繊維における繊維処理剤の付着量(PP繊維における繊維処理剤の付着量)を下記のとおりに測定し、その結果も下記表1及び表2に示した。
(光沢)
人毛との比較により、以下の基準で官能評価した。
A:艶が抑制され、人毛に近似した自然な光沢を有する。
B:艶がある程度抑制されているが、人毛の光沢とやや差がある。
C:著しく艶があり、人毛の光沢とかなり差がある。
人毛との比較により、以下の基準で官能評価した。
A:艶が抑制され、人毛に近似した自然な光沢を有する。
B:艶がある程度抑制されているが、人毛の光沢とやや差がある。
C:著しく艶があり、人毛の光沢とかなり差がある。
(触感)
人毛との比較により、以下の基準で官能評価した。
A:人毛と同等の非常に柔らかな触感を有する。
B:人毛と比較してややがさつきがある。
C:がさつきが強く、触感が悪い。
人毛との比較により、以下の基準で官能評価した。
A:人毛と同等の非常に柔らかな触感を有する。
B:人毛と比較してややがさつきがある。
C:がさつきが強く、触感が悪い。
(カール保持性)
カール伸長率に基づいて下記の基準で評価した。
A:カール伸長率が20%未満であり、カール保持性がかなり良好である。
B:カール伸長率が20%以上かつ30%未満であり、カール保持性が良好である。
C:カール伸長率が30%以上であり、カール保持性が劣る。
カール伸長率に基づいて下記の基準で評価した。
A:カール伸長率が20%未満であり、カール保持性がかなり良好である。
B:カール伸長率が20%以上かつ30%未満であり、カール保持性が良好である。
C:カール伸長率が30%以上であり、カール保持性が劣る。
〈カール伸長率〉
(a)毛束(長さ20インチ、重さ2g)をよく混ぜ合わせ全長22インチになるようにずらした後、中心を輪ゴムで縛り二つ折りにし、長さが11インチになるようにした。
(b)得られた毛束(長さ11インチ)を直径16mmのアルミパイプに巻き幅2インチになるようにしながら毛束が重ならないように捻らずに巻きつけ毛先を不織布でまとめゴムで止めた。
(c)100℃に調温した乾燥機に入れ、60分静置後、乾燥機から取り出した。
(d)室温で60分間クーリンクした。
(e)毛束をアルミパイプから外し、櫛で解かし、カールを整えた。
(f)毛束の輪ゴムで縛った根元を固定し重力に沿うように垂らした状態で、根元0.5インチから毛先までの長さを測定し、これをセット直後のカール長とした。
(g)毛束の輪ゴムで縛った根元を固定し重力に沿うように垂らした状態で11日間放置した。11日経過後に、根元0.5インチから毛先までの長さを測定し、これを11日後のカール長とした。
(h)下記式に基づいてカール伸長率を算出した。
カール伸長率(%)=[(11日後のカール長−セット直後のカール長)/セット直後のカール長]×100
(a)毛束(長さ20インチ、重さ2g)をよく混ぜ合わせ全長22インチになるようにずらした後、中心を輪ゴムで縛り二つ折りにし、長さが11インチになるようにした。
(b)得られた毛束(長さ11インチ)を直径16mmのアルミパイプに巻き幅2インチになるようにしながら毛束が重ならないように捻らずに巻きつけ毛先を不織布でまとめゴムで止めた。
(c)100℃に調温した乾燥機に入れ、60分静置後、乾燥機から取り出した。
(d)室温で60分間クーリンクした。
(e)毛束をアルミパイプから外し、櫛で解かし、カールを整えた。
(f)毛束の輪ゴムで縛った根元を固定し重力に沿うように垂らした状態で、根元0.5インチから毛先までの長さを測定し、これをセット直後のカール長とした。
(g)毛束の輪ゴムで縛った根元を固定し重力に沿うように垂らした状態で11日間放置した。11日経過後に、根元0.5インチから毛先までの長さを測定し、これを11日後のカール長とした。
(h)下記式に基づいてカール伸長率を算出した。
カール伸長率(%)=[(11日後のカール長−セット直後のカール長)/セット直後のカール長]×100
(ボリューム感)
A:嵩高値が17mm以上であり、ボリューム感がかなり良好である。
B:嵩高値が10mm以上かつ17mm未満であり、ボリューム感が良好である。
C:嵩高値が10mm未満であり、ボリューム感が劣る。
A:嵩高値が17mm以上であり、ボリューム感がかなり良好である。
B:嵩高値が10mm以上かつ17mm未満であり、ボリューム感が良好である。
C:嵩高値が10mm未満であり、ボリューム感が劣る。
〈嵩高値の測定〉
(a)毛束(25インチ、20g)をよく混ぜ合わせ中心を輪ゴムで縛り二つ折りにした。
(b)得られた二つ折りの毛束をポリアセタール樹脂製くし(株式会社植原セル製、商品名「ニューデルリンコーム#826」)で10回解いた後、平たなアクリル板(長さ21.5cm、幅1.5cm)の上に静かに置き、アクリル板の重石(10g、長さ21.5cm、幅1.4cm)を毛束の上に乗せた。
(c)アクリル板間に挟まれている毛束の高さをノギスで3箇所測定した。
(d)サンプルのnを2とし、それらの平均値を毛束の嵩高値とした。
(a)毛束(25インチ、20g)をよく混ぜ合わせ中心を輪ゴムで縛り二つ折りにした。
(b)得られた二つ折りの毛束をポリアセタール樹脂製くし(株式会社植原セル製、商品名「ニューデルリンコーム#826」)で10回解いた後、平たなアクリル板(長さ21.5cm、幅1.5cm)の上に静かに置き、アクリル板の重石(10g、長さ21.5cm、幅1.4cm)を毛束の上に乗せた。
(c)アクリル板間に挟まれている毛束の高さをノギスで3箇所測定した。
(d)サンプルのnを2とし、それらの平均値を毛束の嵩高値とした。
(櫛通り)
毛束(長さ32cm、重さ20g)にポリアセタール樹脂製くし(株式会社植原セル製、商品名「ニューデルリンコーム#826」)を0.3m/sの速さで上部3cmの所から下へ、完全に30回以上通過させ、くしの通り易さを評価した。
A:ほとんど抵抗なく、櫛通りがかなり良好である。
B:若干抵抗があるが、櫛通りが良好である。
C:かなり抵抗がある或いは途中で引っかかり、櫛通りが悪い。
毛束(長さ32cm、重さ20g)にポリアセタール樹脂製くし(株式会社植原セル製、商品名「ニューデルリンコーム#826」)を0.3m/sの速さで上部3cmの所から下へ、完全に30回以上通過させ、くしの通り易さを評価した。
A:ほとんど抵抗なく、櫛通りがかなり良好である。
B:若干抵抗があるが、櫛通りが良好である。
C:かなり抵抗がある或いは途中で引っかかり、櫛通りが悪い。
(べたつき)
A:べたつきが殆どなく、人毛と同等の触感
B:人毛と比較してややべたつきがある。
C:べたつきが強く、人毛と異なる触感
A:べたつきが殆どなく、人毛と同等の触感
B:人毛と比較してややべたつきがある。
C:べたつきが強く、人毛と異なる触感
(ポリプロピレン系繊維の繊維処理剤の付着量の測定方法)
ポリプロピレン系繊維の繊維処理剤の付着量の測定は、迅速残脂抽出装置(インテック株式会社製、型式「OC−1ヒーターユニット」)を用いて測定した。繊維処理剤を付着させたポリプロピレン系繊維を、繊維長12〜15cmにカットし、約2gを秤量後、軽く手で揉み解し、まゆ状にして専用の試験管に入れた。この専用の試験管を迅速残脂抽出装置にセットし、エタノールとシクロヘキサンの混合溶剤(重量比1:1)35mlを専用の試験管に入れ、混合溶剤が1〜1.5滴/1秒で落下するように調整した。専用の試験管下部から落下する溶剤をヒーター付の台の上に置かれたトレイに受けた。なお、溶剤を受ける前のトレイを秤量し、その重さをW1とした。上記ヒーターを約80℃に加熱して、溶剤を揮発させた。溶剤の落下が止まってからも暫く放置してトレイ内の溶剤を揮発させた。さらにトレイを90℃の乾燥機に5分間放置して完全に溶剤を揮発させた後、トレイを取り出し冷却後、秤量を行い、その重さをW2とした。その後、下記式により、繊維に付着していた繊維処理剤量の付着量を計算した。
繊維処理剤量の付着量={(W2−W1)/繊維の重量}×100%
ポリプロピレン系繊維の繊維処理剤の付着量の測定は、迅速残脂抽出装置(インテック株式会社製、型式「OC−1ヒーターユニット」)を用いて測定した。繊維処理剤を付着させたポリプロピレン系繊維を、繊維長12〜15cmにカットし、約2gを秤量後、軽く手で揉み解し、まゆ状にして専用の試験管に入れた。この専用の試験管を迅速残脂抽出装置にセットし、エタノールとシクロヘキサンの混合溶剤(重量比1:1)35mlを専用の試験管に入れ、混合溶剤が1〜1.5滴/1秒で落下するように調整した。専用の試験管下部から落下する溶剤をヒーター付の台の上に置かれたトレイに受けた。なお、溶剤を受ける前のトレイを秤量し、その重さをW1とした。上記ヒーターを約80℃に加熱して、溶剤を揮発させた。溶剤の落下が止まってからも暫く放置してトレイ内の溶剤を揮発させた。さらにトレイを90℃の乾燥機に5分間放置して完全に溶剤を揮発させた後、トレイを取り出し冷却後、秤量を行い、その重さをW2とした。その後、下記式により、繊維に付着していた繊維処理剤量の付着量を計算した。
繊維処理剤量の付着量={(W2−W1)/繊維の重量}×100%
上記表1の結果から分かるように、ポリプロピレン系繊維と、臭素化エポキシ系難燃剤を含むポリエステル系繊維を含む実施例1〜6の毛髪用繊維束は、人毛に近い自然な光沢と柔らかい触感を有するとともに、櫛通り、ボリューム感及びカール保持性が良好であった。
また、上記表1の結果から分かるように、ポリプロピレン系繊維と、臭素化エポキシ系難燃剤を含むポリエステル系繊維を含む実施例1〜6の毛髪用繊維束は、ポリエステル系繊維のみで構成されている比較例1及び比較例4の毛髪用繊維束に対比して、ボリューム感に特に優れていた。また、ポリプロピレン系繊維と、臭素化エポキシ系難燃剤を含むポリエステル系繊維を含む実施例1〜6の毛髪用繊維束は、ポリプロピレン系繊維のみで構成されている比較例2及び比較例3の毛髪用繊維束に対比して、カール保持性に特に優れていた。また、ポリプロピレン系繊維と、臭素化エポキシ系難燃剤を含むポリエステル系繊維を含む実施例1〜6の毛髪用繊維束は、ポリプロピレン繊維のみで構成されている比較例3の毛髪用繊維束、臭素化エポキシ系難燃剤を含まないポリエステル系繊維のみで構成されている比較例4の毛髪用繊維束及び臭素化エポキシ系難燃剤を含まないポリエステル系繊維と繊維処理剤が付着していないポリプロピレン系繊維を含む比較例5の毛髪用繊維束に対比して、櫛通りに優れ、自然な光沢や柔らかい触感を有していた。
実施例1、実施例2及び実施例5の対比から、アクリル樹脂及び/又はコロイダルシリと、アミノ変性シリコーンを含む繊維処理剤が所定量付着されたポリプロピレン系繊維を含む場合、より自然な光沢、柔らかい触感を有するとともに、櫛通りにより優れることが分かった。
Claims (4)
- ポリエステル系繊維とポリプロピレン系繊維を含む毛髪用繊維束であって、
前記ポリエステル系繊維は、ポリエステル樹脂100重量部に対して臭素化エポキシ系難燃剤を5〜30重量部含み、前記ポリエステル樹脂は、ポリアルキレンテレフタレート及び/又はポリアルキレンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステルであり、
前記毛髪用繊維束100重量部に対して前記ポリエステル系繊維を10〜90重量部含むことを特徴とする毛髪用繊維束。 - 前記ポリプロピレン系繊維には繊維処理剤が付着しており、前記繊維処理剤はアクリル樹脂及び/又はコロイダルシリカ含有シリコーンオイルと、アミノ変性シリコーンを含む請求項1に記載の毛髪用繊維束。
- 前記ポリプロピレン系繊維100重量部に対して前記繊維処理剤が0.1〜1.5重量部付着している請求項2に記載の毛髪用繊維束。
- 前記請求項1〜3のいずれか1項に記載の毛髪用繊維束を含むことを特徴とする頭飾製品。
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-
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- 2014-03-12 ZA ZA2014/01808A patent/ZA201401808B/en unknown
- 2014-03-17 AP AP2014007510A patent/AP2014007510A0/xx unknown
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