JP2015071166A - 液中懸濁物質の回収方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セルローズ繊維を含む綿状物、不織布、糸、織布または編布を、陽イオン官能基を有する化合物で変性してなるイオン吸着材。該陽イオン官能基を有する化合物は、アミン、ポリアミン、ポリイミン、第4級アンモニウム塩またはポリ第4級アンモニウム塩である。該イオン吸着材はセルローズ繊維を含む綿状物、不織布、糸、織布または編布を界面活性剤水溶液処理する精練工程、洗浄工程、陽イオン官能基を含む化合物で変性する陽電荷処理工程、および洗浄・乾燥工程によって製造される。
【選択図】なし
Description
セルローズ繊維とは、分子構造にセルローズを含む繊維を意味し、綿、木材パルプ、植物繊維、再生紙、古紙などを粉砕して繊維状にしたものを広く意味する。そしてセルローズ繊維を綿状物、不織布、糸、織布または編布にしたものがイオン吸着材に使用される。なおセルローズ繊維は、綿状物、不織布、糸、織布または編布に10質量%以上含まれておればよく、例えば、ナイロン、ポリエステル、レーヨンなどの合成繊維と織物、あるいは編布として用いることができる。
本発明において、セルローズ繊維を変性する陽イオン性官能基を有する化合物として、クロロヒドリン基を有する第4級アンモニウム化合物、エポキシ基を有する第4級アンモニウム化合物、トリアジン基を有する第4級アンモニウム化合物、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミンを挙げることができる。
陽イオン性官能基を有する化合物でセルローズ繊維を変性させる方法は、セルローズ繊維の不織布等に、精練工程、水洗工程、陽電荷処理程および水洗・乾燥工程を含む。
精練工程は、処理溶液として、アルカリ溶液、例えば、5〜30質量%、好ましくは10〜25質量%のNaOH水溶液に、0.1〜5g/L、好ましくは0.3〜1g/Lの界面活性剤を含む。ここで界面活性剤は、ポリオキシエチレン基、糖(ソルビタン、ショ糖、グルコース)や、ヒドロキシ基などを親水基とする非イオン系界面活性剤、脂肪酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩を親水基とする陰イオン系界面活性剤、アミン塩、第4級アンモニウム塩、スルホニウム塩を親水基とする陽イオン系界面活性剤、アミノ酸型または第4級アンモニウム塩構造を有するベタイン型の両性界面活性剤が使用できる。好ましくは、陰イオン系界面活性剤である。特に、好適な界面活性剤としてサイゾール2EX(第一工業製薬株式会社)のような陰イオン系界面活性剤がある。
洗浄工程では、洗練工程におけるアルカリ溶液および余分な界面活性剤を除去するもので、上記精練処理したセルローズ繊維の不織布等を、水浴に浸漬またはシャワーで洗浄することで行なう。なお水浴は10℃から40℃の温度で2〜10分間処理する。
次に、セルローズ繊維の不織布などは、陽イオン官能基を含む化合物による陽電荷処理工程が行なわれる。洗浄工程の後、不織布などは、陽イオン官能基を含む化合物、例えばクロロヒドリン基を有する第4級アンモニウム化合物、エポキシ基を有する第4級アンモニウム化合物、トリアジン基を有する第4級アンモニウム化合物、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミンで変性される。
洗浄・乾燥工程では、陽電荷処理されたセルローズ繊維の表面に残存する、アルカリ溶液、および未反応の陽イオン官能基を含む化合物を洗浄除去することを目的とする。変性されたセルローズ繊維の不織布等を、水浴に浸漬またはシャワーで洗浄することで行なう。水浴は10℃から40℃の温度で、2〜10分間処理する。なお上記水洗に先立ち、湯洗をすることが好ましい。湯洗は50℃〜90℃の温度で2〜10分間行なうことが好ましい。上記水洗されたセルローズ繊維の不織布などの水分を除去するために乾燥機で、80℃〜100℃の温度で10〜15分間乾燥する。
本発明のイオン吸着材を用いて、セシウムなどの元素を吸着させるには次の方法を採用することができる。イオン吸着材は陰イオンが含まれる物質、あるいは陰イオンが含まれる物質に吸着された、例えばセシウムなどの汚染物質に直接接触させることで、これらの物質を吸着できる。また陰イオンを含有する溶液に接触させ、該イオン吸着材に該溶液中に含まれる陰イオンを吸着させることにより陰イオンを除去することができる。
本発明のイオン吸着材に放射能物質が吸着した場合は、硫酸(3.67〜6.67%)に浸漬し100℃から140℃で約1時間、炭化させ、減容化後に密封廃棄できる。また過酸化水素10cc/L、1号珪酸ソーダ5g/L、NaOH(24%)0.2g/L、130℃×1時間の処理をすると繊維と結合しているカチオン基が破壊され放射性物質を水中に溶出でき、透過膜を通過させて除去、減容化できる。また不純物除去バグフィルター付き燃焼炉で焼却し、抽出不純物で密封廃棄する。
陰イオンを吸着した吸着材を再生することができる。例えばイオン吸着材をアルカリ性溶液で処理することにより、吸着した陰イオンを溶離させるものである。イオン吸着材を再生する方法において用いられるアルカリ性溶液としては、特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液等を用いることができる。またアルカリ性溶液で処理される際の処理液のpHは、13〜14の範囲とされることが好ましく、より好ましくはpH13.5〜14である。また、陰イオンを吸着したイオン吸着材を、アルカリ性溶液で処理することにより、吸着した陰イオンを溶離させ、陰イオンに含まれる元素を回収することもできる。
本発明のイオン吸着材および凝集剤を併用して、液中懸濁物質を回収する方法には、次の方法を採用することができる。凝集剤は、液中に分散した懸濁物質を凝集させて、負電荷を帯びた集塊を形成させる。そして、イオン吸着材は、このような集塊を吸着できるので、懸濁物質を効率的に、回収、除去できる。たとえば、セシウムなどの放射性物質で汚染された土壌を回収し、液中に分散させた後、凝集剤を加えて集塊を形成させ、さらに本発明のイオン吸着材を加えて、該イオン吸着材に該集塊を吸着させて、汚染物質を纏めて回収することができる。すなわち、本発明の液中懸濁物質の回収方法には、液中において陰イオン性官能基を有する物質を凝集させて集塊を形成させる工程と、該集塊と本発明のイオン吸着材とを接触させる工程と、を含む、イオンの吸着方法が含まれる。
ここで、上記の方法に用いられる凝集剤は特に制限されず、無機系凝集剤、有機系凝集剤のいずれであっても良いが、好ましくはアニオン性凝集剤であることが好適である。そのような凝集剤として、たとえば、メタフロック30型(製品名:環境創研株式会社製)、Super Z M−0308CR、ECOHERE 3、AQUARIA−POP WP360、AQUARIA−POP WP460(いずれも製品名:有限会社ケーユーシステム製)、ハイモロックMSシリーズ、ハイモロックSSシリーズ、ハイモロックAPシリーズ(いずれも製品名および品番:ハイモ株式会社製)、サンフロックAHシリーズ、サンフロックASシリーズ、サンフロックRシリーズ(いずれも製品名および品番:三洋化成工業株式会社製)、ダイヤフロックAPシリーズ、ダイヤフロックKAシリーズ(いずれも製品名および品番:ダイヤニトリックス株式会社製)、アコフロックAシリーズ(製品名および品番:MTアクアポリマー株式会社製)などを挙げることができる。また、凝集剤がカチオン性、両性、ノニオン性である場合でも、集塊が全体として負電荷を帯びる場合には、アニオン性凝集剤と同様に、本発明の効果は示される。
以下の方法で実施例1〜4のイオン吸着材A〜CおよびF、ならびに比較例1〜3のイオン吸着材D、EおよびGを製造した。
(セルローズ繊維)
材料としてコットン不織布を用いた。目付50g/m2、幅90cmで長さ100m、質量が4.5kgを用いた。なお加工機は密閉式綿染色機を用いた。
水を45Lに、NaOHの24%水溶液を360g混合した。さらに非イオン界面活性剤として、SSK−60(松本油脂製薬株式会社製)を22.5g(0.5g/L)溶解して処理溶液を製造した。この処理溶液を100℃に調整し上記コットン不織布を10分間、浸漬処理した。
精練工程で処理したコットン不織布を60℃の温度の温浴に浸漬して5分間湯洗した。そして処理したコットン不織布を30℃の温度の水浴に浸漬して5分間水洗した。
水を45Lに、カチオノンKCN(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドおよび2,3−グリシジルトリメチルアンモニウムクロリドを主成分とする第4級アンモニウム塩:一方社油脂工業株式会社製)を3.375kg、NaOHの24%水溶液を2.07kg混合した。この処理溶液を60℃に調整し上記コットン不織布を40分間、浸漬処理した。
上記処理コットン不織布を60℃の温度の温浴に浸漬して5分間湯洗した後、30℃の温度の水浴に浸漬して5分間水洗した。水洗工程後に、コットン不織布を、遠心脱水機で脱水し、サクションコンベアー式乾燥機を用いて80℃の温度で10分間乾燥してイオン吸着材を得た。
(セルローズ繊維)
材料としてコットン不織布を用いた。目付50g/m2、幅90cmで長さ200m、質量が9.0kgを用いた。なお加工機は密閉式綿染色機を用いた。
水を150Lに、陰イオン界面活性剤として、サイゾール2EX(アニオン系界面活性剤:第一工業製薬株式会社製)を150g溶解して処理溶液を製造した。この処理溶液を60℃に調整し上記コットン不織布を10分間、浸漬処理した。
上記湯洗全精練工程で処理したコットン不織布を30℃の温度の水浴に浸漬して5分間水洗した。
前処理として、水150Lに、キレート剤としてキレストNTB(ニトリロ三酢酸ナトリウム:キレスト株式会社製)を45g、62.5%硫酸を59.4g、80%メタクリル酸を2700g、0.2%硫酸第1鉄を18g、35%過酸化水素を450g、含む水溶液を調整した。この処理溶液を90℃に調整し上記コットン不織布を60分間、浸漬処理した。その後、コットン不織布を60℃の温度の温浴に浸漬して5分間湯洗し、さらに30℃の水浴に浸漬して5分間水洗した。
精練工程で処理したコットン不織布を60℃の温度の温浴に浸漬して5分間湯洗した。その後、上記湯洗全精練工程で処理したコットン不織布を30℃の温度の水浴に浸漬して5分間水洗した。水洗後に、コットン不織布を、遠心脱水機で脱水し、サクションコンベアー式乾燥機を用いて80℃の温度で10分間乾燥してイオン吸着材を得た。
(セルローズ繊維)
材料としてコットン不織布を用いた。目付50g/m2、幅90cmで長さ200m、質量が9.0kgを用いた。なお加工機は密閉式綿染色機を用いた。
水を150Lに、陰イオン界面活性剤として、サイゾール2EX(アニオン系界面活性剤:第一工業製薬株式会社製)を150g加えて、処理溶液を製造した。この処理溶液を60℃に調整し上記コットン不織布を10分間、浸漬処理した。
上記湯洗全精練工程で処理したコットン不織布を30℃の温度の水浴に浸漬して5分間水洗した。
前処理として、キレート剤としてキレストNTB(ニトリロ三酢酸ナトリウム:キレスト株式会社製)を45g、62.5%硫酸を59.4g、80%メタクリル酸を2700g、0.2%硫酸第1鉄を18g、35%過酸化水素を450g含む水溶液を調整した。この処理溶液を90℃に調整し上記コットン不織布を60分間、浸漬処理した。
水洗後に、コットン不織布を、遠心脱水機で脱水し、サクションコンベアー式乾燥機を用いて80℃の温度で10分間乾燥してイオン吸着材を得た。
材料として、レーヨン綿を用いること以外は、実施例1と同様にして、イオン吸着材を得た。
実施例1と同じコットン不織布を用い、これを未処理のままで用いた。
(セルローズ繊維)
材料としてコットン不織布を用いた。目付50g/m2、幅90cmで長さ200m、質量が9.0kgを用いた。なお加工機は密閉式綿染色機を用いた。
水を150Lに、陰イオン界面活性剤として、サイゾール2EX(アニオン系界面活性剤:第一工業製薬株式会社製)を150g混合して処理溶液を製造した。この処理溶液を60℃に調整し上記コットン不織布を10分間、浸漬処理した。
上記湯洗全精練工程で処理したコットン不織布を30℃の温度の水浴に浸漬して5分間水洗した。
前処理として、キレート剤としてキレストNTB(ニトリロ三酢酸ナトリウム:キレスト株式会社製)を45g、62.5%硫酸を59.4g、80%メタクリル酸を2700g、0.2%硫酸第1鉄を18g、35%過酸化水素を450g含む水溶液を調整した。この処理溶液を90℃に調整し上記コットン不織布を60分間、浸漬処理した。
水洗後に、コットン不織布を、遠心脱水機で脱水し、サクションコンベアー式乾燥機を用いて80℃の温度で10分間乾燥してイオン吸着材を得た。
実施例4と同じレーヨン綿を用い、これを未処理のままで用いた。
(a)ビーカーに、土10gと水100mlと24%NaOH水溶液を0.3ml加えて10分間攪拌した。
(b)コットン不織布を表1に示す量を加えて、30分間攪拌した。
(c)コットン不織布をビーカーから取り出し、100ccの水で水洗を2回繰り返して乾燥した後、秤量した。
(d)ビーカー内のものを、沈殿と上澄に分けて、沈殿土を乾燥して秤量した。その結果を表1に示す。
実施例2、3および比較例1に関して、上記方法で製造されたイオン吸着材B、CおよびDを以下の方法で土の吸着試験を行った。
(a)ビーカーに、土10gと水100mlと24%NaOH水溶液を0.3ml加えて10分間攪拌した。
(b)コットン不織布を表1に示す量を加えて、30分間攪拌した。
(c)コットン不織布をビーカーから取り出し、100ccの水で水洗を2回繰り返した後、秤量した。
(d)ビーカー内のものを、沈殿と上澄に分けて、沈殿土を乾燥して秤量した。その結果を表2に示す。
実施例1、比較例1に関して、上記方法で製造されたイオン吸着材A、Dを以下の方法で汚染された草の除染試験を行った。
(a)バケツに水6Lと草500gと24%NaOH水溶液を6ml加えて10分間攪拌した。
(b)コットン不織布を表1に示す量を加えて、30分間攪拌した。
(c)コットン不織布をバケツから取り出し、手で絞り、水はバケツに戻した。
(d)不織布と草とバケツの水の放射線量を、線量測定機で測定した。測定はECOTEST社のTERRA−P+(テラピープラス)を用いて測定し、その結果を表1に示す。
実施例1、比較例1に関して、上記方法で製造されたイオン吸着材A、Dを以下の方法で汚染された粘土除染試験を行った。
(a)バケツに水10Lと粘土1kgと24%NaOH水溶液を10ml加えて10分間攪拌した。
(b)コットン不織布を表1に示す量を加えて、30分間攪拌した。
(c)コットン不織布をバケツから取り出し、手で絞り、水はバケツに戻した。上澄みを別のバケツに移し、残渣と分けた。
(d)事前に作業室内と粘土の放射線量を測定しておく。
(e)作業室内で上記残渣と不織布と上澄(処理後の水)の放射線量を、線量測定機で測定した。測定はECOTEST社のTERRA−Pを用いて測定した。
実施例1、比較例1に関して、上記方法で製造されたイオン吸着材A、Dを以下の方法で汚染された草の除染試験を行った。
(a)バケツに水10Lと砂1kgと24%NaOH水溶液を10ml加えて10分間攪拌した。
(b)コットン不織布を表1に示す量を加えて、30分間攪拌した。
(c)コットン不織布をバケツから取り出し、手で絞り、水はバケツに戻した。上澄みを別のバケツに移し、残渣と分けた。
(d)事前に作業室内と粘土の放射線量を測定しておく。
(e)作業室内で上記残渣と不織布と上澄(処理後の水)の放射線量を、線量測定機で測定した。測定はECOTEST社のTERRA−Pを用いて測定した。
(f)沈殿は乾燥して秤量した。
実施例1に関して、上記方法で製造されたイオン吸着材Aを以下の方法で排水の放射能測定を行った。
(a)バケツに高圧洗浄廃液10Lと24%NaOH水溶液を10ml加えて10分間攪拌した。
(b)コットン不織布を250g加えて、40分間攪拌した。
(c)コットン不織布をバケツから取り出し、手で絞り、水はバケツに戻した。
(d)放射能を、ATOMTEX社のAT1320Aの放射能測定機で測定した。
実施例4に関して、上記方法で製造されたイオン吸着材Fを用いて、高圧洗浄作業による排水からの放射能物質除去試験を、以下の方法で行なった。
(a)高圧洗浄作業により発生した放射性セシウムを含む排水(以下、高圧洗浄排水とも記す)を回収し、ゲルマニウム半導体検出器(型式「GC2520」:Canberra社製)を用いて、高圧洗浄排水の比放射能を測定した。
(b)バケツに高圧洗浄排水1.7Lを投入し、アニオン性凝集剤としてメタフロック30型(無機系凝集剤:環境創研株式会社製)を0.68g(0.4g/L)加えて、攪拌して懸濁物質の凝集沈殿を行なった。
(c)イオン吸着材Fを51g(30g/L)加えて、攪拌した。凝集沈殿物および懸濁物質が、イオン吸着材Fに十分吸着したことを目視によって確認し、イオン吸着材Fをバケツから回収した。
(d)イオン吸着材Fを回収後、イオン吸着材Fを絞って、イオン吸着材Fに含まれていた排水を回収した。そして、該回収された排水とバケツに残された排水とを混合した。次いで、上記と同様にして、該混合排水の比放射能を測定した。
実施例4に関して、市販の粘土、カオリンの懸濁液(以下、カオリン懸濁液とも記す)を用いて、上記方法で製造されたイオン吸着材Fのカオリン粘土吸着能を、以下の方法で評価した。
(a)濃度1%のカオリン懸濁液を用意した。
(b)ガラス製ビーカーに、カオリン懸濁液を100mLと、イオン吸着材Fを0.1g(1g/L)と、を加えて、短時間攪拌した。
(c)次いで、凝集剤(メタフロック30型)を0.02g(0.2g/L)加えて、さらに攪拌を続行した。
(d)1分間攪拌した後、イオン吸着材を回収して、液を絞り出して、乾燥した。同様にして、1.5分攪拌後、2分攪拌後、3分攪拌後、5分攪拌後に、イオン吸着材を回収して、液を絞り出して、乾燥した。
(e)イオン吸着材の試験後重量および試験前重量から、下記式(I)によって、吸着率を求めた。
(f)凝集剤を加えない以外は、(a)〜(e)と同様にして、イオン吸着材Fおよびイオン吸着材Gの吸着率をそれぞれ求めた。
実施例4に関して、上記方法により製造されたイオン吸着材Fの海水また塩化ナトリウム溶液中における吸着能を、以下の方法で評価した。
(a)ガラス製ビーカーに、海水または濃度3%の塩化ナトリウム溶液と、カオリンと、を加えて攪拌して、カオリンを均一に分散させ、カオリン濃度3%のカオリン懸濁液を得た。
(b)ガラス製ビーカーに、上記のようにして得たカオリン懸濁液100mLと、イオン吸着材Fを0.1g(1g/L)と、を加えて、短時間攪拌した。
(c)次いで、凝集剤(メタフロック30型)を0.02g(0.2g/L)加えて、さらに攪拌を続行した。
(d)2分間攪拌した後、イオン吸着材を回収して、液を絞り出して、乾燥した。
(e)イオン吸着材の試験後重量および試験前重量から、上記式(I)によって、吸着率を求めた。
(f)凝集剤を加えない以外は、(a)〜(e)と同様にして、イオン吸着材Fおよびイオン吸着材Gの吸着率をそれぞれ求めた。
Claims (6)
- セルローズ繊維を含む綿状物、不織布、織布、糸または編布を、陽イオン官能基を有する化合物で変性してなるイオン吸着材。
- 陽イオン官能基を有する化合物は、アミン、ポリアミン、ポリイミン、第4級アンモニウム塩またはポリ第4級アンモニウム塩である、請求項1に記載のイオン吸着材。
- セルローズ繊維を含む綿状物、不織布、糸、織布または編布を界面活性剤水溶液処理する精練工程、洗浄工程、陽イオン官能基を含む化合物で変性する陽電荷処理工程、および洗浄・乾燥工程よりなるイオン吸着材の製造方法。
- 請求項1に記載のイオン吸着材を、土壌または土壌懸濁水と接触させて、陰イオン性官能基を有する物質を吸着させることを特徴とする、イオンの吸着方法。
- 前記陰イオン性官能基を有する物質は、有機化合物、粘土鉱物または珪酸塩である、請求項4記載に記載のイオンの吸着方法。
- 請求項1に記載のイオン吸着材と、凝集剤と、を併用することを特徴とする、液中懸濁物質の回収方法。
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