JP2015070969A - 血圧計 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気弁の機械的な構成を複雑化することなく、最大加圧時におけるカフ内の気体の量に応じて排気速度を適切に制御可能な血圧計を提供する。
【解決手段】血圧計(10)は、カフ(50)と、カフに気体を流入させて加圧する加圧部(23)と、加圧部により加圧されたカフを徐々に減圧するスローリーク弁(29)と、スローリーク弁によるカフの減圧時に血圧測定を行う血圧測定部(43)と、カフ内の気体を強制排気するための電磁弁(27)と、加圧部により加圧されたカフ内の気体の量に応じて、スローリーク弁によるカフの減圧時に、スローリーク弁とともにカフを徐々に減圧させる補助スローリーク弁として電磁弁を機能させる制御部(42)とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、血圧計に関する。
一般的な減圧式のオシロメトリック血圧計では、腕にカフ(腕帯)を巻き、カフ内に空気を送り込んで腕の締め付け圧を上げ、動脈からの脈波が消失するところまで加圧させた後、一定流速で減圧するときの脈波の出現と消失の間の波高状態から血圧値を測定する。カフ内の圧縮空気を排気してカフを減圧するために、血圧計には、急速排気用の強制排気弁と定速排気用のスローリーク弁が設けられる。例えば、強制排気弁には電磁弁(ソレノイド弁)が用いられ、スローリーク弁にはゴムスローリーク弁が用いられる。こうした血圧計は、まず強制排気弁を遮蔽した状態で加圧ポンプを駆動してカフを加圧し、加圧終了後に、強制排気弁を遮蔽したままスローリーク弁によりカフ内の圧縮空気を徐々に排気しながら血圧測定を行う。そして、測定終了後に、強制排気弁を開放してカフ内の圧縮空気を強制的に排気する。
特許文献1には、カフ内の圧縮気体を所定の速度で排気するための電磁弁と、排気速度を検出する手段と、この排気速度を制御する信号を出力する手段とを備えた血圧計において、排気速度を制御する信号に周波数変調信号を用いることが記載されている。この血圧計では、従来急速排気用のみに使われていた電磁弁を、周波数変調信号で制御することにより定速排気弁としても兼用している。また、特許文献2には、加圧中に測定所要時間を推定する測定時間推定手段と、推定された測定所要時間に基づいて、減圧開始時(測定開始時)から測定終了時までの間、測定の進行状態を表示する測定経過表示手段とを備える電子血圧計が記載されている。
一般的なカフは、例えば上腕の腕周囲長が20〜32cm程度の標準的な腕の太さの人に対応した大きさであり、巻かれた腕の太さに応じて空気容量が約150〜300ml程度に変化する。ただし、これより腕が太い人のために、空気容量が多い太腕用カフがオプションとして提供されることがある。太腕用カフは、例えば上腕の腕周囲長が32〜42cm程度の腕の太さの人に対応した大きさであり、巻かれた腕の太さに応じて空気容量が約300〜600ml程度に変化する。太腕用カフが用いられる場合、標準的な腕の太さに対応したカフ(以下、「標準腕用カフ」という)の空気容量に合わせたゴムスローリーク弁では、血圧測定中の排気速度が空気容量に反比例して遅くなってしまう。このため、血圧計本体に内蔵されているゴムスローリーク弁とは別に、太腕用カフには補助ゴムスローリーク弁が設けられている。これにより、一般的な血圧計では、標準腕用カフと太腕用カフのどちらに対しても血圧計本体は共通の構成とした上で、空気容量が多い太腕用カフが使用される場合であっても、排気速度が遅くならないようにしている。
特開平10−057328号公報 特許第3057933号公報
近年の血圧計では、太腕用カフをオプションとして用意する代わりに、標準的な太さの腕と太い腕の両方に対応可能なカフを採用する動向がある。こうしたカフは、膨張収縮性を上記の標準腕用カフより向上させることで、標準腕用カフと太腕用カフの空気容量を包括する範囲で空気容量が大きく変化するように作られている。以下では、標準的な太さの腕と太い腕の両方に対応可能な広い範囲の空気容量を有するこのようなカフのことを、便宜的に「万能型カフ」という。万能型カフは、例えば上腕の腕周囲長が20〜42cm程度の腕の太さの人に対応可能であり、巻かれた腕の太さに応じて空気容量が約150〜600ml程度に変化する。
太腕用カフと異なり、万能型カフには補助スローリーク弁が設けられていない。万能型カフを用いる血圧計では、被測定者の腕の太さに応じて補助スローリーク弁なしのカフと補助スローリーク弁付きのカフを使い分けることができない。このため、万能型カフを用いる血圧計では、腕が太い人を測定する場合でも減圧時間が長くなり過ぎないように排気速度を制御するためには、例えば本体側に補助スローリーク弁を設けて、その補助スローリーク弁を併用する必要がある。しかしながら、その場合には、加圧時のカフの空気容量に応じて補助スローリーク弁を併用するか否かを制御しようとすると、排気される空気の流路を切り換えるための制御可能な空気路切換え弁が新たに必要になる。したがって、本体内の空気路の機構が複雑になり、血圧計の製造コストが高くなってしまう。
特許文献1の血圧計では、急速排気用の電磁弁を定速排気弁としても兼用しているが、本来強制排気弁(電磁弁)は開閉専用に用いられるものであるため、強制排気弁だけで定速排気させる構成では、被測定者の腕の太さに応じて排気速度の微細制御を行うことはできない。また、こうした微細制御を行うために、ゴムスローリーク弁に代えて、例えば電磁スローリーク弁を設けることも考えられるが、その場合でも、やはり構成が複雑になるため、血圧計の製造コストは高くなる。
そこで、本発明は、排気弁の機械的な構成を複雑化することなく、最大加圧時におけるカフ内の気体の量に応じて排気速度を適切に制御可能な血圧計を提供することを目的とする。
本発明に係る血圧計は、カフと、カフに気体を流入させて加圧する加圧部と、加圧部により加圧されたカフを徐々に減圧するスローリーク弁と、スローリーク弁によるカフの減圧時に血圧測定を行う血圧測定部と、カフ内の気体を強制排気するための電磁弁と、加圧部により加圧されたカフ内の気体の量に応じて、スローリーク弁によるカフの減圧時に、スローリーク弁とともにカフを徐々に減圧させる補助スローリーク弁として電磁弁を機能させる制御部とを有することを特徴とする。
本発明に係る血圧計では、制御部は、加圧部による最大加圧時におけるカフ内の気体の量が予め定められたしきい値以上であるときに、電磁弁を周波数駆動することで電磁弁を補助スローリーク弁として機能させることが好ましい。
本発明に係る血圧計では、制御部は、加圧部によりカフが予め定められた圧力に加圧されるまでに要する時間から、最大加圧時におけるカフ内の気体の量を判別することが好ましい。
本発明に係る血圧計では、制御部は、電磁弁が駆動波形に追従して開閉する周波数域より高くかつ電磁弁が開放される周波数域より低い駆動周波数で電磁弁を駆動することが好ましい。
本発明の血圧計によれば、排気弁の機械的な構成を複雑化することなく、最大加圧時におけるカフ内の気体の量に応じて排気速度を適切に制御することができる。
血圧計10の概略構成図である。 血圧計10のブロック図である。 電磁弁の駆動周波数と動作モードの関係を説明するための図である。 加圧時間によるカフ容量の推定について説明するためのグラフである。 血圧計10の動作例を示したフローチャートである。 血圧計10と比較例の血圧計でカフ内の空気を排気するときのカフ圧の時間変化を示したグラフである。 血圧計10と比較例の血圧計でカフ内の空気を排気するときの排気速度の時間変化を示したグラフである。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る血圧計について詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
強制排気弁として用いられる電磁弁は、後述するように、機械的に追従可能な周波数域より適度に高い周波数を付加して駆動すると、スローリーク弁として機能するような、遮蔽と開放の中間状態である「微少リーク」の状態になる。そこで、本発明に係る血圧計は、例えばこの状態の電磁弁を補助スローリーク弁として利用する。この血圧計は、カフの加圧時間からカフの最大加圧時の空気容量を推定し、その空気容量に応じて、スローリーク弁のみによる定速排気と、補助スローリーク弁として機能する電磁弁およびスローリーク弁による定速排気とを切り換える。このように、加圧時間の情報を基に電磁弁を併用するかどうかを判定することにより、この血圧計では、被測定者の腕の太さによらずに排気速度を適切に制御できるようにする。
図1(A)および図1(B)は、血圧計10の概略構成図である。図1(A)は斜視図として血圧計10の全体構成を示し、図1(B)は血圧計10の内部構成を示す。図2は、血圧計10のブロック図である。
血圧計10は、本体20と、カフ50と、空気管60とを有する。血圧計10は、カフ50を加圧した後、カフ50を減圧する過程で、被測定者の血圧を測定する。
カフ50は、図示しない本体20から送られる空気を溜める空気袋51を内蔵する。カフ50は、例えば被測定者の上腕部に巻き付けられて、面ファスナ52により固定される。図1(A)は巻かれた状態のカフ50を示し、図1(B)は開いた状態のカフ50を示す。なお、カフ50は、標準的な腕の太さに対応した標準腕用カフでもよいし、標準的な太さの腕と太い腕の両方に対応可能な広い範囲で空気容量が変化する万能型カフであってもよい。また、カフが固定される部位は、被測定者の手首など、上腕以外でもよい。
空気管60は、本体20からカフ50に空気を送り込むための管である。空気管60は、プラグ61とコネクタ62を介して本体20内の各部に接続され、反対側の端部がカフ50に接続される。
本体20は、表示部21と、操作部22と、加圧ポンプ23と、駆動回路24と、圧力センサ25と、発振回路26と、電磁弁27と、駆動回路28と、スローリーク弁29と、メモリ30と、制御部40とを有する。加圧ポンプ23、圧力センサ25、電磁弁27およびスローリーク弁29は、カフ50と空気管60で接続されている。
表示部21は、例えば液晶表示パネルで構成され、測定中の数値や、最高血圧値および最低血圧値の測定結果、測定結果が基準血圧の範囲内であるか否かなどを表示する。
操作部22は、例えば、測定の開始/停止を指示するためのスイッチや、被測定者を選択するためのスイッチなどを有する。
加圧ポンプ23は、カフ50に空気を送り込むことによって、カフ50の内部を加圧する。加圧ポンプ23は、カフ50に気体を流入させて加圧する加圧部の一例である。なお、空気以外の気体を用いてカフ50を加圧してもよい。
駆動回路24は、制御部40から与えられる制御信号に基づいて、加圧ポンプ23を駆動する。
圧力センサ25は、カフ50内の圧力を検出して電気信号に変換するセンサであり、圧力検出信号を発振回路26に出力する。カフ50内の圧力とは、カフ50に設けられた空気袋51内の圧力であり、以下では単に「カフ圧」という。
発振回路26は、圧力センサ25から取得した圧力検出信号を周波数信号に変換し、制御部40に出力する。カフ圧は、この周波数の変化から算出される。
電磁弁27は、電磁石により鉄心を動かすことで開閉する仕組みの弁であり、カフ内の空気を強制排気するための空気路開閉弁(強制排気弁)として用いられる。電磁弁27は、無通電のときに開放状態となり、直流で駆動(DC通電)されたときに遮蔽状態となる。また、以下で説明するように、電磁弁27は、周波数駆動されると、駆動周波数の大きさによって、開閉状態が変化する。
図3は、電磁弁の駆動周波数と動作モードの関係を説明するための図である。図3に示すように、電磁弁は、DC通電されたときには完全な遮蔽状態となる。また、電磁弁は、例えば400Hz以下などの比較的低い周波数で駆動されると、駆動波形に同期して開閉する。このような比較的低い周波数域は機械的な追従領域であり、それより高い周波数域は非機械的な追従領域となる。例えば、駆動周波数が600Hz以上などの高い周波数になると、電磁弁は、駆動波形に同期して開閉することができなくなって開放状態になる。そして、400〜600Hz程度の中間の周波数域では、電磁弁は、遮蔽と開放の中間状態のような微少リークの状態になる。すなわち、電磁弁は、駆動波形に追従して開閉する周波数域より高くかつ電磁弁が開放される周波数域より低い駆動周波数で駆動されると、完全な遮蔽でも完全な開放でもない、弁がわずかに開いた状態になる。なお、図3に示した具体的な周波数の数値は一例であり、実際には電磁弁の種類に応じた異なる値をとる。
電磁弁27は、加圧ポンプ23による加圧中およびスローリーク弁29による減圧中(血圧測定中)には、DC通電されることにより、本体20内の空気路を漏れがないように遮蔽する。また、電磁弁27は、測定終了時には、無通電となることで開放されて、速やかにカフ50内の空気を排気する。ただし、血圧測定中には、電磁弁27は、機械的な追従領域より適度に高い周波数の駆動波形で駆動されると、微少リークの状態になることで補助スローリーク弁として機能し、スローリーク弁29とともにカフ50に溜められた空気を定速で徐々に排気する。
駆動回路28は、制御部40から与えられる制御信号に基づいて電磁弁27をDC駆動または周波数駆動することにより、電磁弁27を開閉させる。
スローリーク弁29は、例えばゴムスローリーク弁であり、血圧測定中に、加圧ポンプ23により加圧されたカフ50内の空気を定速で排気して、カフ50を徐々に減圧する。
メモリ30は、血圧計10の動作に必要な情報を記憶する。特に、メモリ30は、カフ50の加圧時間とカフ50の空気容量(カフ容量)の関係を対応付けた情報を記憶する。
制御部40は、CPU、RAMおよびROMなどを含む制御回路として構成される。制御部40は、機能ブロックとして、加圧制御部41と、排気制御部42と、血圧値測定部43と、表示制御部44と、加圧時間計測部45と、補助リーク判定部46とを有する。
加圧制御部41は、圧力センサ25により検出される圧力が所定の加圧上限圧力(例えば200mmHg)になるまでカフ50を加圧するように、駆動回路24を制御する。
排気制御部42は、電磁弁27の開閉を制御するための制御信号を駆動回路28に与えて、電磁弁27によるカフ50内の空気の排気を制御する。例えば、排気制御部42は、加圧ポンプ23による加圧時には電磁弁27をDC通電して遮蔽し、測定終了時には電磁弁27を無通電として開放するように制御する。また、排気制御部42は、補助リーク判定部46により補助スローリークの併用が必要と判定されたときには、例えば電磁弁27を周波数駆動することで、スローリーク弁29とともにカフ50を徐々に減圧させる補助スローリーク弁として電磁弁27を機能させる。このとき、排気制御部42は、電磁弁27が駆動波形に追従して開閉する周波数域より高くかつ電磁弁27が開放される周波数域より低い駆動周波数で電磁弁27を駆動させる。一方、排気制御部42は、補助リーク判定部46により補助スローリークの併用が不要と判定されたときには、加圧時と同様に、電磁弁27をDC通電して遮蔽したままとする。
血圧値測定部43は、加圧ポンプ23によりカフ圧が加圧上限圧力になるまで加圧された後で、スローリーク弁29によりカフ50が減圧されるときに、被測定者の血圧値を算出する。血圧値測定部43は、発振回路26が生成した周波数信号の周波数の変化から検出される各脈波の開始圧力値やその測定時間などのデータに基づき、例えばオシロメトリック方式を利用して、被測定者の最高血圧値と最低血圧値を測定する。血圧値測定部43は血圧測定部の一例である。
表示制御部44は、血圧値測定部43により測定された最高・最低血圧値などを表示部21に表示させる。
加圧時間計測部45は、加圧ポンプ23によりカフ50の加圧が開始されてからカフ50が予め定められた圧力に加圧されるまでに要する時間を計測する。一般に、血圧計では、測定時にカフが巻かれている腕の太さを制御部が直接判別することができない。このため、血圧計10では、加圧時間計測部45がカフ50の加圧時間を計測して、その加圧時間から、被測定者の腕の太さに対応するカフ容量、すなわち、カフ圧が加圧上限圧力になるまで加圧された最大加圧時におけるカフ50内の空気の量を、補助リーク判定部46が推定する。
図4は、加圧時間によるカフ容量の推定について説明するためのグラフである。図4のグラフは、血圧測定時のカフ圧Pの変化を示しており、縦軸がカフ圧P、横軸が時間tを表す。カフ圧がPの状態から時間tに加圧が開始され、加圧上限圧力Pmaxに到達すると減圧が始まり、この減圧の過程で血圧値測定部43により血圧値が算出される。図4では、被測定者の腕が比較的細くカフ容量が少ない場合を実線のグラフで示し、上腕が比較的太くカフ容量が多い場合を一点鎖線のグラフで示し、腕の太さとカフ容量が中程度の場合を破線のグラフで示している。カフが巻かれている腕が太くなるほどカフ容量が多くなるため、カフ圧が加圧上限圧力Pmaxに到達するまでにより時間がかかる。そこで、加圧時間計測部45は、加圧ポンプ23によりカフ50の加圧が開始されてから、加圧上限圧力Pmaxより低い予め定められた圧力Pxにカフ圧が達するまでの加圧時間Txを計測する。
例えば、Px=100mmHgとしたときの加圧時間Txは、
上腕の腕周囲長が22cm(カフ容量が約200ml)のとき、Tx=約6秒
上腕の腕周囲長が32cm(カフ容量が約300ml)のとき、Tx=約10秒
上腕の腕周囲長が38cm(カフ容量が約550ml)のとき、Tx=約15秒
のように、カフ50が巻かれた腕の太さに応じて変化する。加圧時間Txの値は、使用される加圧ポンプ23やカフ50によって異なるため、血圧計10では、予め上腕の腕周囲長(カフ容量)を変化させながら加圧時間Txを計測しておき、上腕の腕周囲長(カフ容量)と加圧時間Txとの対応関係をメモリ30に記憶しておく。
補助リーク判定部46は、加圧ポンプ23により加圧されたカフ50内の空気の量に応じて、スローリーク弁29によるカフ50の減圧時に電磁弁27を補助スローリーク弁として機能させるか否かを判定する。例えば、補助リーク判定部46は、加圧ポンプ23による最大加圧時におけるカフ50内の空気の量が予め定められたしきい値以上であるときに、電磁弁27を周波数駆動して補助スローリーク弁として機能させると判定する。具体的には、このカフ容量のしきい値に応じて、加圧時間計測部45により計測される加圧時間Txのしきい値を設定しておく。そして、補助リーク判定部46は、加圧時間Txが予め定められたしきい値以上であるときに、電磁弁27を補助スローリークとして併用する必要があると判定する。一方、補助リーク判定部46は、加圧時間Txが予め定められたしきい値未満であるときは、電磁弁27を補助スローリークとして併用することは不要であると判定する。このように、補助リーク判定部46は、予め定められたカフ圧Pxになるまでの加圧時間Txから、カフ50が巻かれている腕の太さに対応するカフ容量を推定し、補助スローリークの要否を判定する。
加圧時間Txがしきい値A以上のときは、比較的太い腕にカフ50が巻かれており、カフ容量がしきい値以上である場合に相当する。この場合、スローリーク弁29だけでは減圧時の排気速度が十分でないため、電磁弁27を周波数駆動させて、補助スローリーク弁として機能させる。一方、加圧時間Txがしきい値A未満のときは、比較的細い腕にカフ50が巻かれており、カフ容量がしきい値未満である場合に相当する。この場合、スローリーク弁29だけで減圧時の排気速度は十分であるため、電磁弁27はDC通電で遮蔽した状態とし、スローリーク弁29のみでカフ50内の空気を排気させる。
上記の例では、カフ容量のしきい値は例えば300mlに設定され、これに対応して加圧時間Txのしきい値Aは10秒に設定される。これらのしきい値は、使用される加圧ポンプ23やカフ50に合わせて、カフ容量が多くても減圧時間が長くなり過ぎないように設定される。
図5は、血圧計10の動作例を示したフローチャートである。図5に示す処理フローは、制御部40のROMに予め記録されているプログラムに従って、制御部40のCPUが実行する。
測定開始前は、電磁弁27は無通電であり開放されている。測定開始のスイッチが操作されると、まず排気制御部42は、電磁弁27をDC通電させて遮蔽状態にする(S1)。また、加圧制御部41は、加圧ポンプ23をONにして、カフ50の加圧を開始させる(S2)。
このとき、加圧時間計測部45は、加圧ポンプ23によりカフ50の加圧が開始されてからカフ50が予め定められた圧力Px(例えば100mmHg)に加圧されるまでに要する加圧時間Txを計測する(S3)。その後、カフ50が加圧上限圧力(例えば200mmHg)になるまで加圧されると、加圧制御部41は、加圧ポンプ23をOFFにして、加圧を停止させる(S4)。
続いてカフ50の減圧が始まる前に、補助リーク判定部46は、ステップS3で計測された加圧時間Txがしきい値A以上であるか否かを判定する(S5)。加圧時間Txがしきい値A以上である(S5でYes)場合は、排気制御部42は、電磁弁27が微少リークの状態になるような駆動周波数(例えば450Hz)で、電磁弁27を駆動させる(S6)。このとき、カフ50内の空気は、スローリーク弁29と補助スローリーク弁として機能する電磁弁27とにより、定速で排気される。
一方、加圧時間Txがしきい値A未満である(S5でNo)場合は、排気制御部42は、ステップS6を実行せず、電磁弁27をDC通電で遮蔽したままの状態とする。このとき、カフ50内の空気は、スローリーク弁29のみにより、定速で排気される。
スローリーク弁29またはスローリーク弁29と電磁弁27の両方によりカフ50が減圧される過程で、血圧値測定部43は、被測定者の血圧値を算出する(S7)。血圧測定が終了すると、表示制御部44は、表示部21に測定結果を表示させる(S8)。また、排気制御部42は、電磁弁27を無通電にして開放させ、カフ50内の空気を急速に排気させる(S9)。以上で、血圧計10による血圧測定の動作は終了する。
図6(A)〜図6(C)は、血圧計10と比較例の血圧計でカフ内の空気を排気するときのカフ圧Pの時間変化を示したグラフである。また、図7(A)〜図7(C)は、血圧計10と比較例の血圧計でカフ内の空気を排気するときの排気速度Vの時間変化を示したグラフである。ここで、比較例の血圧計とは、ゴムスローリーク弁のみで定速排気を行う血圧計を意味する。
図6(A)と図7(A)は、カフが比較的細い腕に巻かれ、カフ容量が約200mlであるときのカフ圧と排気速度の時間変化を示す。このようにカフ容量が比較的少ない場合は、電磁弁27を補助スローリーク弁として併用可能な血圧計10とその構成を有しない比較例の血圧計のいずれでも、同じ結果となる。図6(A)に示すように、この場合は、減圧開始から80秒程度でカフ内の空気が排気される。また、図7(A)に示すように、排気速度は概ね3〜4mmHg/sの範囲で変化する。
図6(B)と図7(B)は、カフが比較的太い腕に巻かれ、カフ容量が約600mlであるときの、比較例の血圧計によるカフ圧と排気速度の時間変化を示す。この血圧計は、ゴムスローリーク弁のみで定速排気を行うため、約600mlではカフ容量が多すぎて、図6(B)に示すように、280mmHgから30mmHgに減圧するまでに160秒程度かかってしまう。また、図7(B)に示すように、排気速度は概ね1mmHg/sとなり、図7(A)の場合より低下していることがわかる。
図6(C)と図7(C)は、カフが比較的太い腕に巻かれ、カフ容量が約600mlであるときの、血圧計10によるカフ圧と排気速度の時間変化を示す。血圧計10では、カフ容量がしきい値300mlを超える場合は電磁弁27を補助スローリーク弁としてスローリーク弁29と併用する。これにより、図6(C)に示すように、カフが比較的太い腕に巻かれた場合であっても、減圧時間は比較例の血圧計の場合と比べて短縮され、110秒程度になる。また、図7(C)に示すように、排気速度は概ね2mmHg/sとなり、比較例の血圧計の場合より高い値となる。
なお、電磁弁27は、圧電素子(ピエゾ素子)を駆動源とするピエゾバルブであってもよい。ピエゾバルブは圧電素子を有し、その圧電素子に電圧を印加することにより生じる体積変化を利用して開閉度を調節する圧電素子弁である。この場合、排気制御部42は、補助リーク判定部46により補助スローリークの併用が必要と判定されたときに、電磁弁27を周波数駆動することに代えて、圧電素子に印加する電圧を変化させて弁の開閉度を調節することにより、圧電素子弁を補助スローリーク弁として機能させてもよい。
以上説明してきたように、血圧計10は、カフ50の加圧時間からカフ50が巻かれている被測定者の腕の太さに対応する空気容量(カフ容量)を推定し、加圧時間がしきい値以上である場合に、電磁弁27を補助スローリーク弁として機能させ、スローリーク弁29と併用して定速排気を行う。これにより、血圧計10では、太い腕に巻かれてカフ容量が多い場合であっても、排気速度を適切に制御することが可能になる。また、血圧計10では、電磁弁27を補助スローリーク弁として併用するための加圧時間の判定や周波数駆動の制御を制御部40で行うため、本体20のハードウエア構成は従来の血圧計と同じでよい。したがって、補助スローリーク弁を使用するための空気路の切換え機構を本体内に新たに設けるなど、排気弁の機械的な構成を複雑化することなく、最大加圧時におけるカフ内の空気の量に応じて排気速度を適切に制御することが可能になる。
10 血圧計
20 本体
23 加圧ポンプ
27 電磁弁
29 スローリーク弁
30 メモリ
40 制御部
42 排気制御部
43 血圧値測定部
45 加圧時間計測部
46 補助リーク判定部
50 カフ

Claims (4)

  1. カフと、
    前記カフに気体を流入させて加圧する加圧部と、
    前記加圧部により加圧された前記カフを徐々に減圧するスローリーク弁と、
    前記スローリーク弁による前記カフの減圧時に血圧測定を行う血圧測定部と、
    前記カフ内の気体を強制排気するための電磁弁と、
    前記加圧部により加圧された前記カフ内の気体の量に応じて、前記スローリーク弁による前記カフの減圧時に、前記スローリーク弁とともに前記カフを徐々に減圧させる補助スローリーク弁として前記電磁弁を機能させる制御部と、
    を有することを特徴とする血圧計。
  2. 前記制御部は、前記加圧部による最大加圧時における前記カフ内の気体の量が予め定められたしきい値以上であるときに、前記電磁弁を周波数駆動することで前記電磁弁を補助スローリーク弁として機能させる、請求項1に記載の血圧計。
  3. 前記制御部は、前記加圧部により前記カフが予め定められた圧力に加圧されるまでに要する時間から、前記最大加圧時における前記カフ内の気体の量を判別する、請求項2に記載の血圧計。
  4. 前記制御部は、前記電磁弁が駆動波形に追従して開閉する周波数域より高くかつ前記電磁弁が開放される周波数域より低い駆動周波数で前記電磁弁を駆動する、請求項2または3に記載の血圧計。
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