JP2007151940A - 電子血圧計 - Google Patents
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Abstract
【課題】カフのコンプライアンス変化が脈波成分に与える影響を抑制する。
【解決手段】電子血圧計1には、測定部位に巻き付けられるカフ4に直接に容積一定のタンク5が接続されて、タンク5とカフ4によりカフ系が構成される。ポンプ7による加圧または弁8による減圧はカフ系全体に為される。タンク5のコンプライアンス変化割合(低圧時のコンプライアンスの値に対する高圧時のコンプライアンスの値の割合)は、カフ4のコンプライアンス変化割合より小さい。したがって、カフ系全体のコンプライアンス変化割合を小さくできるから、コンプライアンス変化による脈波の歪みを抑制できる。
【選択図】図1
【解決手段】電子血圧計1には、測定部位に巻き付けられるカフ4に直接に容積一定のタンク5が接続されて、タンク5とカフ4によりカフ系が構成される。ポンプ7による加圧または弁8による減圧はカフ系全体に為される。タンク5のコンプライアンス変化割合(低圧時のコンプライアンスの値に対する高圧時のコンプライアンスの値の割合)は、カフ4のコンプライアンス変化割合より小さい。したがって、カフ系全体のコンプライアンス変化割合を小さくできるから、コンプライアンス変化による脈波の歪みを抑制できる。
【選択図】図1
Description
この発明は電子血圧計に関し、特に、カフ(腕帯)を介して圧迫された血管の容積変化に基づき生じるカフ圧変化から血圧値を算出する電子血圧計に関する。
生体の一部の測定部位に巻いたカフを加減圧することにより、測定部位において圧迫された血管の容積変化に基づいて生じるカフ圧力変化(以降、圧脈波と記載する)から血圧値を算出するオシロメトリック法を用いた電子血圧計が提供されている。このような電子血圧計においては、血管の容積変化がカフ圧変化として正確に反映されることが重要である。
図31(A)〜(D)を参照して、オシロメトリック法について説明する。図31(A)には、オシロメトリック法に従う血圧測定の手順T1〜T4が示されて、各手順に対応して、検出される値の変化が示される。血圧測定時にカフ圧P(mmHg)が変化すると、拍動に対する血管の容積変化量にも変化が起こる(ステップT1)。血管の容積変化とカフ圧Pの変化の関係が図31(D)に示される。このような血管の容積変化は圧脈波として検出されて、検出された圧脈波によって形成される脈波包絡線(圧脈波の集合からなる曲線)に基づき、最高血圧値および最低血圧値が算出される(ステップT4)。脈波包絡線に基づく血圧および脈拍数の算出手順は公知のものに従うので詳細は略す。
図31(D)のように血管容積が変化する場合、カフ圧Pの変化が正確に動脈の容積変化を反映することが望まれている。つまり、動脈の容積変化の大きさに比例したカフ内圧力変化の大きさが出力されること(すなわち圧脈波が歪まないこと)が重要となる。図31(D)のように血管容積変化が検出された場合、カフ圧変化は図31(C)のように検出されて、圧脈波の集合である脈波包絡線は図31(B)のように形成される。このように、図31(D)の血管の容積変化が、その大きさに比例したカフ圧変化として伝達されることが望ましい。
しかしながら、カフの圧力・容積などが変化すると、血管の容積変化がカフ圧変化として伝達される過程でその伝達感度に変化が生じ、血圧測定精度悪化の原因となる。つまりカフの状態が変化すると、同じ大きさの血管容積変化に対して得られる圧力変化の大きさが変わってくるのである。この伝達時の感度を評価できる一つの指標として、カフコンプライアンスがある。カフコンプライアンス(Cp=dV/dP)とは、カフ内の圧力変化(dP)に対するカフの容積変化(dV)を表す指標であり、カフコンプライアンスCpが大きいほど伝達時感度が低くなる。つまり、同じ大きさの容積変化に対する圧力変化の大きさは、カフコンプライアンスが大きいほど小さくなる。
図32(A)〜(C)には、カフコンプライアンスCpの変化による圧脈波の出方の違いが示される。図32(A)に示されるように、一般に、カフ圧Pが高いほどカフコンプライアンスCpの値は小さくなり、カフ圧が低いほど、カフコンプライアンスCpは大きくなる。カフの一定の容積変化(dV)に対して生じる圧脈波(dP)は、そのときのカフコンプライアンス(Cp)に影響を受ける。つまりカフコンプライアンスCpが大きい場合、検出される圧脈波は小さくなり、カフコンプライアンスCpが小さいほど、検出される圧脈波は大きくなる。したがって図32(A)のようなカフコンプライアンスCpのカフ圧に応じた変化曲線を考慮すると、カフ圧の変化に伴う一定の容積変化(図32(B)を参照)に対して生じる圧脈波(dP)は、図32(C)に示されるように、一定の圧脈波として検出されずカフの容積変化がカフ圧として正確に伝達されないことがわかる。
このカフコンプライアンスの変化を考慮して血圧を測定する従来技術に特許文献1と2に示す以下のような方法がある。
特許文献1では、カフ圧に対するカフの容積変化特性を予め備えておき、そのデータを用いて、カフ圧力変化の信号を容積変化へと換算しなおす。そして、それを用いて血圧値を決定する方法を示している。
特許文献2では、カフコンプライアンスの変化特性を算出する手段を有し、当該手段で得られるデータから圧脈波を補正することで血圧値を正確に求めようとする方法を示している。
特開平5−329113号公報
特開平5−319707号公報
しかしながら、特許文献1ではカフの変化特性をカフ材料により決めるために、カフの巻き方や生体周長による変化に対応できない。また、特許文献2ではカフの容積算出手段を備える必要があり、生体周長や巻き方などにより無限に変化する容積変化特性をカバー出来るだけの容積算出手段を予め与えておくには限界がある。したがって、カフ圧などにより生じる圧脈波の歪みを、もっと簡単に補正できる、或いは、その影響を小さく出来る方法が必要である。
この発明の目的は、カフのコンプライアンス変化(カフ内の圧力変化に対するカフの容積変化)が脈波成分に与える影響を抑制する電子血圧計を提供することである。
この発明のある局面に従うと、電子血圧計は、血圧測定部位に装着するカフと、カフに接続されるタンクとからなるカフ系と、カフ系内への空気の供給または排気をしてカフに加える圧力を調整する加圧・減圧手段と、カフ内の圧力信号を検出する圧力検出手段と、圧力検出手段により検出した圧力信号に含まれる脈波成分に基づき血圧を算する血圧算出手段と、を備える。このタンクは、カフの前記加圧・減圧手段による圧力の変化に応じたカフの容積変化率よりも小さい容積変化率を有する。ここで容積変化率とは、内圧が変化したときの、たとえば低圧→高圧に変化したときの容積変化の割合のことを指す。
好ましくは、カフは測定部位の周囲に巻付けられて装着されて、測定部位の周囲の長さに従い、カフに接続されるタンクの容積が可変に制御される。
好ましくは、周囲が長いほど、カフに接続されるタンクの容積を大きくする。
好ましくは、タンクは複数の部分タンクを含み、周囲の長さに従い、複数の部分タンクから選択した1つ以上の部分タンクがカフに接続される。
好ましくは、タンクは複数の部分タンクを含み、周囲の長さに従い、複数の部分タンクから選択した1つ以上の部分タンクがカフに接続される。
この発明の他の局面に従うと、電子血圧計は、血圧測定部位に装着するカフと、カフに接続されるタンクとからなるカフ系と、カフ系内への空気の供給または排気をしてカフに加える圧力を調整する加圧・減圧手段と、カフ内の圧力信号を検出する圧力検出手段と、圧力検出手段により検出した圧力信号に含まれる脈波成分に基づき血圧を算する血圧算出手段と、カフ系の加圧・減圧手段による圧力の変化に応じたカフ系のコンプライアンスを一定とするようにタンクの容積を可変に制御する容積制御手段とを備える。
好ましくは、カフは測定部位の周囲に巻付けられて装着されて、容積制御手段は、カフ系の加圧・減圧手段による圧力の変化に応じたカフに接続されるタンクの容積を、測定部位の周囲の長さ、および加圧・減圧手段による圧力変化速度に従い可変に制御する。
好ましくは、カフは測定部位の周囲に巻付けられて装着されて、容積制御手段は、カフ系の前記加圧・減圧手段による圧力の変化に応じたカフに接続されるタンクの容積を、測定部位の周囲の長さ、加圧・減圧手段による圧力変化速度、および加圧・減圧手段による最大加圧値に従い可変に制御する。
好ましくは、上述の電子血圧計は周囲の長さを検出する周囲長検出部をさらに備える。
好ましくは、上述の電子血圧計は周囲の長さを、外部から入力するための操作部をさらに備える。
好ましくは、上述の電子血圧計は周囲の長さを、外部から入力するための操作部をさらに備える。
この発明によれば、電子血圧計の血圧計のカフに、圧力変化に伴う容積変化率がカフに較べて小さいタンク、あるいは、容積を可変に調整できるタンクを接続する構成とした。これにより、加圧・減圧手段によりカフを介して測定部位への加圧レベルが調整される血圧測定時には、高圧から低圧に変化したときのカフの容積変化率は変わらないけれどもタンクが接続されたカフ系全体の容積変化率は小さくなる。
これにより、カフ内の圧力信号に含まれる脈波成分における、カフの容積変化率が大きいことに起因した歪みの出現を抑制できて、血管の容積変動を正確に伝達する脈波成分を得ることができる。その結果、脈波成分を用いて算出される血圧の精度は向上する。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
(実施の形態1)
(構成)
図1を参照して本実施の形態1に係る電子血圧計100は、血圧計本体30と、被測定者の血圧測定部位に装着されて空気圧により加圧するための空気袋を内蔵する腕帯であるカフ4と、および血圧測定中のカフ4の容積変化の影響を小さくするための空気室であるタンク5とを備える。カフ4とタンク5と血圧計本体30は樹脂材料などからなるエア管15により繋がれている。タンク5は血圧計本体30の内部にあってもよい。ここでは、カフ4とタンク5の容積の関係はカフの大きさ>タンクの大きさとし、カフ4は最大300ccの容積を有し、タンク5は100ccの容積を有すると想定する。
(構成)
図1を参照して本実施の形態1に係る電子血圧計100は、血圧計本体30と、被測定者の血圧測定部位に装着されて空気圧により加圧するための空気袋を内蔵する腕帯であるカフ4と、および血圧測定中のカフ4の容積変化の影響を小さくするための空気室であるタンク5とを備える。カフ4とタンク5と血圧計本体30は樹脂材料などからなるエア管15により繋がれている。タンク5は血圧計本体30の内部にあってもよい。ここでは、カフ4とタンク5の容積の関係はカフの大きさ>タンクの大きさとし、カフ4は最大300ccの容積を有し、タンク5は100ccの容積を有すると想定する。
血圧計本体30は被測定者が表示内容を確認可能なように設けられた表示器3、被測定者が外部から操作可能なように設けられた電源スイッチ140を有する操作部14、測定部位に装着(巻付け)される空気袋であるカフ4を介して検出される測定部位の脈圧の変化を脈波の信号として出力するための圧力センサ6、圧力センサ6から出力される脈波信号を示す電圧信号に従う周期のパルス信号を出力する発振回路10、カフ4による加圧(空気圧)レベルを調整するためのポンプ7および弁8、ポンプ7を駆動するポンプ駆動回路11、弁8の開閉を調整するための弁駆動回路12、メモリ2、計時動作して計時データを出力するタイマ16、および電源部13ならびにこれら各部を制御するCPU(Central Processing Unit)1を有する。カフ4とタンク5とは、圧力センサ6、ポンプ7および弁8とのそれぞれパラレルにエア管15を介して接続される。ここでは、電源部13により各部に駆動用の電源が供給される。電源部13はバッテリであってもよく、または商用電源から構成されるとしてもよい。CPU1は、発振回路10から入力するパルス信号に基づき血圧値(最高血圧、最低血圧、平均血圧など)および脈拍数などを算出する。
操作部14の電源スイッチ140がオン操作されると、血圧測定開始の指示信号がCPU1に与えられるので、CPU1は当該指示信号を入力すると、応じて電源部13を制御して各部に電力の供給を開始するように制御する。電源スイッチ140がオフ操作されると血圧測定動作は終了して各部への電力供給は停止する。
メモリ2には、測定結果データ、血圧測定動作、表示器3を介した表示動作などを制御するための各種プログラムおよびデータが格納される。各種プログラムはCPU1によりメモリ2から読出されて実行されるもとにより、対応の各種の動作が実現される。
上述した構成において、血圧測定に際しては、CPU1は発振回路10から出力されたパルス信号(圧力信号)をデジタルデータに変換した後、当該データについて所定のアルゴリズムを適用して最高血圧・最低血圧を決定するとともに、脈拍数を算出する。このような測定の手順は従来から提供される周知の手順を適用できるから、ここではその詳細説明は略す。発振回路10から出力されたパルス信号(圧力信号)は、カフ圧に重畳した脈波成分を示す圧脈波の信号である。
(容積一定のタンクを繋ぐケース)
本実施の形態では、血圧測定に用いる空気袋(カフ4)に、容積一定のタンク5を繋ぐことで、血圧測定中のカフ4とタンク5からなるカフ系の容積変化率を小さくし、それにより圧脈波の歪みを小さくするようにしている。
本実施の形態では、血圧測定に用いる空気袋(カフ4)に、容積一定のタンク5を繋ぐことで、血圧測定中のカフ4とタンク5からなるカフ系の容積変化率を小さくし、それにより圧脈波の歪みを小さくするようにしている。
図2には、本実施の形態1に係る構成が概略的に示される。図2を参照して、カフ4には、エア管15の一端が接続されて他方端は分岐して、分岐の一端にはタンク5が接続されて他端には血圧計本体30が接続されている。
図3には、血圧測定中のカフ圧P(mmHg)の変化に対するコンプライアンスCp(cc/mmHg)の変化が示される。ここでは、エア管15の容量(容積の変化)は無視している。カフ4の空気袋は伸縮自在の材料からなり容積は可変であるのに対して、タンク5は、できるだけ容積変化率の小さいものが望ましく、たとえば硬い樹脂製の材料からなり、その内部の圧力にかかわらず容積は不変である。したがって、血圧測定中のタンク5のコンプライアンス変化は、カフ4のコンプライアンス変化に比べて小さい。具体的には、図4に示されるように、血圧測定中のカフ圧P(mmHg)の変化に対する、タンク5のコンプライアンス変化を示す曲線A1とカフ4のコンプライアンス変化を示す曲線Bとを比較すると、カフ5のコンプライアンス変化率はカフ4のコンプライアンスの変化率よりもはるかに小さい。
本実施の形態では、図2に示すようにカフ4にエア管15を介してタンク5が直接に接続されることにより、カフ4とタンク5からなるカフ系に対するポンプ7を用いた加圧時のカフ4のコンプライアンス変化は、図4の曲線Bの変化率に曲線A1の変化率を加算したものとなる。これにより、図3の曲線Bで示されるタンク5を接続しない場合の血圧測定中のカフのコンプライアンス変化率は、タンク5を接続することにより図3の曲線Aで示される変化率を示すようになる。つまり、曲線Bは、タンク5のコンプライアンスCp分だけ上側にシフトした曲線Aとなる。図3から、曲線Aの高圧から低圧に減圧したときのカフ系のコンプライアンスCpの変化率は、曲線BのカフのコンプライアンスCpの変化率よりも小さくなっていることがわかる。これにより圧脈波に歪みが生じるのを抑制できるから圧脈波包絡線における歪みも小さくできて、正確な血圧測定(算出)が可能となる。
図5のように血圧測定中のカフの容積変化が一定となる場合においては、タンク5を繋いだ場合にはカフ4の容積変化に対する圧脈波の歪みは図6のように小さくなる。一方、タンク5が繋がれずカフ4のみであった場合は、図7に示されるように歪みの大きな圧脈波となる。
より具体的に図8と図9を参照して説明する。図8には、血圧測定時のカフ圧Pの変化(ただしカフ4の容積変化は一定)に対するカフ4のみである場合のコンプライアンスCpの変化とタンク5を繋いだカフ系を用いた場合のコンプライアンスCpの変化とがグラフで示される。
一定容積変化に対するカフ圧が160mmHgにおける圧変化(圧脈波の振幅)の大きさを1とした場合、同様の一定容積変化に対するカフ圧が40mmHgでの圧変化(圧脈波の振幅)の大きさは、カフ4のみの場合0.52倍となり、カフ4にタンク5を繋いだカフ系の場合0.6倍となり、タンク5をカフ4に接続した場合の方が、圧変化の歪みが小さくなることがわかる。図9には、このような条件における圧変化と、コンプライアンスCpの変化と、カフ4の容積が10ml変化した場合のカフ圧の変化(mmHg)とが、対比して示されている。
本実施の形態の図1の電子血圧計100による血圧測定の手順が図10に示される。図10のフローチャートを参照して電子血圧計100における血圧測定を説明する。
動作において、ユーザは、カフ4を測定部位(上腕部)に巻付けて、操作部14の電源スイッチ140を押下すると、血圧測定が開始される。
血圧測定が開始されると(電源スイッチ140が押下されると)、応じてCPU1は、各部を初期化処理する。たとえば、圧力センサ6の0mmHg調整などをする(ステップS(以下、単にSと略す)1)。
次に、CPU1は、ポンプ駆動回路11を介してポンプ7を駆動させるので、一定容積の空気室であるタンク5が接続された状態のカフ4に空気が送られて、測定部位に対するカフ4とタンク5からなるカフ系を介した加圧が開始される(S11)。その後、最高血圧よりも所定分だけ高い圧力にまで加圧されたことを、圧力センサ6および発振回路10を介してCPU1が検出すると、ポンプ駆動回路11を介してポンプ7を停止させ、カフ系を介した測定部位への加圧を終了させる(S13)。なお、初期化(S1)〜加圧終了(S13)の間においては、CPU1は弁駆動回路12を介して弁8を全閉状態としている。
その後、CPU1は弁駆動回路12を介して弁8を徐々に開放させるので、カフ4内の空気は徐々に排気されてカフ圧は徐々に減圧を開始し始める(S15)。
CPU1は、減圧が開始されると脈波包絡線を形成可能な期間、発振回路10から入力する圧脈波の信号をサンプリングして、サンプリングした圧脈波信号を用いて脈波包絡線を生成(検出)する(S17)。検出される圧脈波の信号はカフ圧に信号に含まれる脈波成分である。ここで脈波包絡線を形成するとは、サンプリングした脈波信号の振幅とその時点のカフ圧とを対応付けて順次にメモリ2に格納することをいう。格納された各脈波信号の振幅のピークを繋ぐことで、あるいはそれを繋いで平滑化を行うことで脈波包絡線を得ることができる。
脈波包絡線が検出されると、CPU1は弁8を全開とし、カフ4内の空気を急速に排気させるようにするので、カフ圧は急速に減圧し、その後大気圧レベルにまで低下して減圧が終了する(S19)。その後、CPU1は、S17で検出した脈波包絡線に基づき所定の手順で血圧値(最高血圧、最低血圧および平均血圧)、また必要であれば脈拍数などを算出し(S21)、算出した血圧値または脈拍数を表示器3に表示して一連の血圧測定を終了する(S21、S23)。
このようにカフ4にタンク5を繋ぐことでカフ圧Pの変化に対するカフ4の容積変化の影響を少なくまたは一定とすることが可能となる。これにより測定部位の血管の容積変化をカフ圧変化として歪みが小さい状態で伝達することが可能となるから、カフ圧変化として検出される圧脈波に歪みが生じることが抑制される。その結果、歪みの小さい脈波包絡線を検出できて、より精度が高い血圧測定(算出)が可能となる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、血圧測定に用いるカフ4に内蔵された空気袋に、容積可変のタンク部51を繋ぐことで、血圧測定中のカフ系のカフ圧の変化に対する容積変化率を小さくし、それにより圧脈波の歪みを小さくするよう構成される。
本実施の形態では、血圧測定に用いるカフ4に内蔵された空気袋に、容積可変のタンク部51を繋ぐことで、血圧測定中のカフ系のカフ圧の変化に対する容積変化率を小さくし、それにより圧脈波の歪みを小さくするよう構成される。
図11には、本実施の形態2に係る電子血圧計110の構成が示される。図11の構成と図1の構成とを比較し異なる点は、タンク5に代替してタンク部51と、電子血圧計本体30に代替して電子血圧計本体40を備える点にある。電子血圧計本体40は電子血圧計本体30の構成に追加してタンク容積変化機構9を設けており、そしてCPU1に代替してタンク容積変化機構9の制御機能を有するCPU101を備え、さらにメモリ2に代替してメモリ200を備える。電子血圧計110の他の構成は、図1に示されたそれと同じであるので説明は略す。
図12には、図11の電子血圧計110の電気的な構成が示される。図12において電子血圧計110は、血圧測定のための各部を収容するための筐体に、エア管15を介してカフ4が接続されている。筐体内には、エア管15を介して容積可変のタンク部51が接続されている。タンク部51とカフ4により1つの空間(カフ系)をなす構造を採用している。エア管15の一方端にはカフ4が接続され、他方端は分岐しており、分岐した1方にはタンク部51が接続されて他方は3分岐して1つにはポンプ7、他の1つには弁8およびさらに他の1つには圧力センサ6が接続される。
タンク部51は、硬質の樹脂材料からなる注射器のような構造を有し、注射器にシリンダに相当の円柱状の筐体512とピストン511とを有する。筐体612の底面にはエア管15が接続されて、筐体512内の空気はエア管15を介してカフ4との間で流通している。ピストン511は円板部と円板部に取り付けられた軸とを有する。軸の一端には円板部が接続されて他端にはタンク容積変化機構9に相当するソレノイド20が接続される。ソレノイド20の電磁誘導により軸が筐体512の底面方向にプッシュされる、または反対方向にプルされることで、円板部はその周辺を筐体512の内壁に接しながら滑るようにして自在に移動して、移動後の位置で固定される。移動量はソレノイド20に印加される電圧レベルに基づき調整される。図12の状態においては、ピストン511の円板部は筐体512(シリンダ)の中ほどにおいて停止させられている。このようにしてピストン511の円板部とエア管15が接続された筐体512の面とを挟んで形成される容積可変の空気室がカフ4に繋がれて、1つの空間(カフ系)が形成される。ここでも、当該カフ系におけるエア管15の容積は無視している。
図13には、図11または図12の構成について、カフ4とタンク部51と血圧計本体40がエア管15を介して接続されている状態が模式的に示されている。このような構成において、本実施の形態に係る電子血圧計110におけるCPU101は、タンク部51のコンプライアンスとカフ4のカフコンプライアンスの合計が血圧測定時には一定となるように制御することにより、圧脈波の歪みを防止している。
図14には、本実施の形態に係る血圧測定時のカフ圧P(mmHg)の変化に応じたカフ4のコンプライアンスCp(cc/mmHg)の変化が示される。カフ4のみを用いて(タンク部51は用いずに)血圧測定した場合、カフ圧Pの変化に対するコンプライアンスCpの変化は、図14の曲線Bで示される。これに対し、本実施の形態のように血圧測定においてカフ4にエア管15を介してタンク部51を直接に接続し、タンク部51の容積をタンク容積変化機構9を介して可変に制御する。具体的には同様のカフ圧Pの変化において、線分Cのようにカフ4のコンプライアンスCpをほぼ一定となるようにタンク部51の容積を可変に制御する。具体的には、図15に示されるようにカフ4のみである場合のコンプライアンスCpの変化の曲線Bに、タンク部51のコンプライアンス変化の曲線C1を加算するような制御をして、タンク部51の曲線C1で示すコンプライアンス分だけ曲線Bのカフ4のコンプライアンスCpを上昇させる。これにより、カフ系のコンプライアンスCpは、すなわちカフ系のカフ圧変化に対するカフ容積変化は、線分Cで示すように一定となる。
図16に示すように、カフ系のコンプライアンスを一定とするようにタンク部51の容積が可変制御されているので、一定の容積変化により検出される圧脈波は、図17に示されるように、そのときのカフ圧によらず振幅(mmHg)一定となって、カフ4の容積変化に対する圧脈波の歪みが打消されることがわかる。これに対して、カフ4のみを用いた場合には、図18のように、カフ4のコンプライアンス変化が大きくなり、一定の容積変化に対する圧脈波の歪みが顕著に生じている。
このように本実施の形態では、血圧測定時には、カフ圧Pの変化に関係なくタンク部51のコンプライアンスとカフ4のコンプライアンスとの合計が、常に一定となるようにCPU101はタンク容積変化機構9を介してタンク部51の容積を可変制御するので、圧脈波の歪みはなくなり、それにより圧脈波包絡線の歪みの影響も小さくなって、正確な血圧測定が可能となる。
(実施の形態3)
本実施の形態3では、血圧測定の各種条件に従い実施の形態2のタンク部51の容積を可変に制御する場合を説明する。
本実施の形態3では、血圧測定の各種条件に従い実施の形態2のタンク部51の容積を可変に制御する場合を説明する。
今、血圧測定部位が被測定者の上腕部であったと想定する。上腕部にカフ4を血圧測定可能なように巻付けた場合、血圧測定部位(上腕)が太いほど、すなわち腕周が長いほど、測定部位に巻付けられて(拘束されて)いるカフ4の容積は大きくなる。つまり、腕周が長いほど(腕が太いほど)、カフ4の容積(あるいはコンプライアンス)が大きくなる。したがって、同じ容積のタンクをカフ4に繋いだ場合、カフ系のコンプライアンスの補正効果(カフ圧の低圧側と高圧側とのコンプライアンスの比を一定に近づける効果)は、細い腕(腕周が短い腕)の方が大きくなる。それゆえに、腕周の長さにかかわらず正確に血圧測定をするためには、腕周の長さにかかわらずカフ系のコンプライアンス補正効果が同じとなるように、カフ4に連結するタンク部51の容積を変更する必要がある。このように、腕周の長さにかかわらず同じカフ系のコンプライアンス補正効果を得るために、腕が太い(腕周が長い)場合には、タンク部51の容積を大きくするようにし、腕が細い(腕周が短い)場合にはタンク部51の容積が小さくなるように、また、その中間の腕の太さ(腕周が中くらい)である場合にはタンク部51の容積がその中くらいとなるように制御される。
図19には、腕周の長さ毎に、カフ圧Pの変化に対応して、腕周の長さ(測定部位の腕の太さ)に応じて容積が可変調整されるタンク部51をカフ4に連結した場合のカフ4のコンプライアンスCpの変化(図中、実線の曲線)と、タンク部51を連結しない場合のカフ4のコンプライアンスCpの変化(図中、破線の曲線)とが示される。図19において測定部位の腕の太さ(太い、中くらい、細い)の別毎に、カフ4のコンプライアンスCpの変化の曲線(実線と破線の曲線)が示される。図19からは、容積可変のタンク部51をカフ4に接続することで、腕周の長さにかかわらずカフ4のコンプライアンスCpの補正効果が同じとなるように、すなわち腕が太い、中くらい、および細いのそれぞれにおいてカフ4のコンプライアンスCpの補正効果が一定となるようにタンク部51の容積が可変に制御される。図19を参照してカフ4のコンプライアンスCpの補正効果とは、腕が細い場合を例にすると、低圧側と高圧側の補正前(カフ4のみの場合)のコンプライアンスCpを示す値a1と値b1との比と、低圧側と高圧側の補正後(タンク部51を接続した場合)のコンプライアンスCpを示す値aと値bとの比とを一定にする効果をいう。
本実施の形態では、測定部位の腕周の長さ(上腕部の太さ)に応じてカフ4にエア管15を介して接続するタンク部51の容積を変化させる。つまり、腕周が太いほどタンク部51の容積を大きくし、細いほどその容積を小さくする。
本実施の形態では、腕周の長さに応じたタンク部51の容積の可変制御は、手動切換または自動切換でなされる。
手動切換の場合、実験の結果に基づき腕周ごとに予め定められた異なる容積を有する複数のタンクがタンク部51に設けられて、外部からのユーザによる腕周に応じた切換指示の入力に従い、タンク部51において当該切換指示が示す腕周に対応の容積を有したタンクが選択されて、選択されたタンクがカフ4に接続される。
自動切換の場合は、測定部位にカフ4が巻付けられると、巻付けられた腕周の太さが検出されて、検出結果に基づき、タンク部51の検出結果が示す腕周に応じた容積を有するタンクが選択されて、選択されたタンクがカフ4に接続される。
手動切換の場合の構成が図20に示される。図20を参照して、タンク部51は複数の部分タンクからなる。複数の部分タンクとして、腕が太い場合に選択される容積が大きい大タンク511、腕の太さが中くらい(太くもなく細くもない)の場合に選択される容積が中くらいの中タンク512および腕が細い場合に選択される容積が小さい小タンク513を有する。容積の大きさに関して、大タンク511>中タンク512>小タンク513の関係を有している。各タンクの容積は実験などにより予め求められたものを適用している。
タンク511〜513のそれぞれは、弁521、522および523を介してカフカフ4に対して並列にエア管15を介して接続される。弁521、522および523は、タンク容積可変制御機構9に相当のタンク容積制御部91から与えられる信号520に基づき開閉が制御される。弁521、522および523の開閉を制御する信号520は、たとえば弁521、523および523がデジタル信号により制御される場合には、信号520が“100”を示すとき大タンク511が全開となり、他の弁522および523は全閉となって、大タンク511のみがエア管15を介してカフ4に接続される。また、信号520が“101”を示すとき中タンク512の弁522のみが全開となり、他の弁521および523は全閉となって、中タンク512のみがエア管15を介してカフ4に接続される。また、信号520が“001”を示すとき、弁523のみが全開となり、弁521および522は全閉となるので、小タンク513のみがエア管15を介してカフ4に接続される。ここでは、信号520はデジタル信号を示すとしたが、これに限定されるものではない。
血圧測定において、たとえばユーザが操作部141に予め設けられた測定部位の腕周(腕の太さ)に応じたスイッチ161、162および163のうち、ユーザが血圧測定をしようとする腕周の太さ(太い、中、細い)の別を判断し、その判断に応じてスイッチ161、162および163のいずれか1つを押下すると、当該スイッチの押下信号はCPU101に与えられる。CPU101は、操作されたスイッチに応じた種類の信号をタンク容積制御部91に与える。したがって、タンク容積制御部91は操作されたスイッチに応じたレベルの信号520を出力する。具体的にはスイッチ161が押下されると信号520のレベルは‘100’となり、スイッチ162が押下されると信号520のレベルは‘010’となり、スイッチ163が押下されると信号520のレベルは‘001’となる。
ここでは、ユーザがスイッチ161、162および163のいずれを押下するかの判断の目安は次のようにして与えられる。つまり、カフ4が測定部位に巻付けられるとき、カフ4に予め付けられている腕の太さ(腕周の長さ)を示す目印を基準にして、巻付けられたときのカフ4の一端が位置する目印により、腕の太さの判断の目安が与えられる。与えられる目印に基づき、腕の太さを認識し、その認識結果に基づきユーザがスイッチ161〜163のいずれかを操作する。
図21には、カフ4に接続するタンク部51の容積を自動で切換える場合の概略構成が示される。ここでは、図22のように測定部位(上腕)にカフ41が巻付けられる。カフ41は、カフ4の内側に、電磁石スイッチを構成する電磁石42、43、44および45が内蔵されたものである。電磁石43、44および45は、カフ41が上腕に巻付けられた場合に、腕の太さに応じて電磁石42が達する位置に設けられている。つまり、腕が太いほど、カフ41の一方端に設けられた電磁石42はカフ41の他方端のより外側に設けられた電磁石に達するであろう。ここでは、腕が太い場合には、電磁石42は電磁石45に当接し、中ぐらいである場合には電磁石44に当接し、細い場合には電磁石43に当接すると想定している。各電磁石を設ける位置は実験などにより、腕周の長さに応じたカフコンプライアンスを考慮して正確な血圧測定を可能とするための位置として求められると想定する。
カフ41を血圧測定部位(上腕)に巻き付けることで電磁石42が電磁石43、44および45のいずれかに当接すると、当接した電磁石からは、いずれのスイッチがオンしたかを示す信号521が出力されてCPU101に与えられる。CPU101は、メモリ2に予め格納されたプログラムを実行して、信号521に基づき腕周を検出する腕周検出部80を有する。腕周検出部80は、入力した信号521に基づき、腕周の長さ(腕の太さ)を判別して、その判別結果に応じた信号をタンク容積制御部91に与える。タンク容積制御部91は与えられる信号に基づき、前述したような信号520をタンク部51へ出力する。したがって、血圧測定時に、カフ41を測定部位(上腕)に巻付けると同時に、測定部位の腕周が検出されて、その検出結果に基づきタンク部51の大タンク511、中タンク512および小タンク513の1つがカフ41に接続される。
信号521は、ここでは図22に示すようにエア管15内に挿通されたケーブルを介してCPU101に与えられるとしているが、たとえば無線(電磁波または赤外線の信号)によりCPU101に与えられるとしてもよい。
図20と図21のタンク部51の構成においては、腕周の長さに応じた容積を有した複数の部分タンクは、エア管15に並列に接続されているとしたが、図23のように、容積が同じような複数の部分タンク、たとえば第1タンク510、第2タンク510および第3タンク510を弁523、522および521を介してエア管15に直列に接続されるようにしてもよい。ここでは、信号520が“111”を示すとき、弁521、522および523は全て全開状態となって、カフ4には第1〜第3タンク510の容積を合計した容積を有するタンクが接続された状態となる。したがって、すべての弁が全開状態となったとき、図20に示されるような大タンク511がカフ4に接続された状態と同等となる。また、信号520が“110”を示すとき、弁521は全閉となり、弁522および523は全開となるので、カフ4には第1タンク510と第2タンク510のみが接続される。この状態のとき、図20に示したように中タンク512のみが接続された状態と同等となる。また、信号520が“100”を示すと、弁523のみが全開となるので、第1タンクのみがカフ4に接続されて、図20の小タンク513のみがカフ4に接続された状態と同等となる。なお、カフ4の容積をタンク部51の複数のタンクの切替えで容積を可変制御する場合においても、両者の間を繋ぐエア管15の容積は無視している。
図23では、第1〜第3タンク510は同じ容積としているが、腕周に応じて、図20の切替えと同じような容積の切替えを行なうことができるのであれば、図23のように直列接続されるタンクの数、または各タンクの容積は図23に示したものに限定されえない。
(腕周に従う血圧測定処理手順)
図24には、図20の構成においてカフ4に容積可変のタンク部51を接続する場合の、血圧測定時の処理フローチャートが示される。
図24には、図20の構成においてカフ4に容積可変のタンク部51を接続する場合の、血圧測定時の処理フローチャートが示される。
動作において、ユーザは、カフ4を測定部位(上腕部)に巻付けて、操作部141の電源スイッチ140を押下すると、血圧測定が開始される。
血圧測定が開始されると(電源スイッチ140が押下されると)、応じてCPU101は、血圧測定の各部を初期化処理する。たとえば、圧力センサ6の0mmHg調整などをする(ステップS(以下、単にSと略す)1)。
次に、CPU101は、ユーザのスイッチ161〜163のいずれかの操作に基づく腕周データの入力、または、電磁石42〜45によるスイッチの信号521に基づく腕周データを入力する(S3)。そして、腕周検出部80は、入力したデータに基づき腕周をレベル分けする。たとえば、信号520または521が、腕周が小さい(腕が細い)ことを示せば、小タンク513をカフ4に接続するようにタンク容積制御部91を介して信号520を出力させる。また、腕周が中と判定すると、中タンク512を接続するように、タンク容積制御部91を介して信号520を出力させる。また、太いと判定すると、大タンク511がカフ4に接続されるように、タンク容積制御部91を介して信号520を出力させる(S7、S9およびS10)。
このようにして、カフ4に大タンク511〜513のいずれかが接続された状態となると、CPU101はポンプ駆動回路11を介してポンプ7を駆動させるので、カフ4に空気が送られて、測定部位に対するカフ4を介した加圧が開始される(S11)。その後、最高血圧よりも所定分だけ高い圧力にまで加圧されたことを、圧力センサ6および発振回路10を介してCPU101が検出すると、ポンプ駆動回路11を介してポンプ7を停止させ、カフ4を介した測定部位への加圧を終了させる(S13)。なお、初期化(S1)〜加圧終了(S13)の間においては、弁駆動回路12を介して弁8は全閉状態にある。
その後、CPU101は弁駆動回路12を介して弁8を徐々に開放させるので、カフ4内の空気は徐々に排気されてカフ圧は徐々に減圧を開始し始める(S15)。
CPU101は、減圧が開始されると脈波包絡線を形成可能な期間、発振回路10から入力する脈波信号をサンプリングして、サンプリングした脈波信号を用いて脈波包絡線を生成(検出)する(S17)。
脈波包絡線が検出されると、CPU101は弁8を全開とし、カフ4内の空気を急速に排気させるようにするので、カフ圧は急速に減圧し、その後大気圧レベルにまで低下して減圧が終了する(S19)。その後、CPU101は、S17で検出した脈波包絡線に基づき所定の手順で血圧値(最高血圧、最低血圧および平均血圧)、また必要であれば脈拍数などを算出し(S21)、算出した血圧値または脈拍数を表示器3に表示して一連の血圧測定を終了する(S21、S23)。
このように測定部位の腕周の長さ(腕の太さ)に応じてカフ4に接続されるタンク部51の容積を変更することで、腕周の長さに関係なくカフ4のコンプライアンスの補正効果は同じとされるので、腕周の長さに拘わらずステップS21において同じ血圧測定(血圧算出)のアルゴリズムを用いるとしても、歪みが抑制された脈波包絡線を用いた正確な血圧測定が可能となる。
図24のステップS7、S9およびS10では、図20または図21のタンク切替えを適用したが、適用される切替え機構は、図23のようであってもよい。または、図12のようにソレノイド20を用いてピストン511を筐体512内を移動させることにより、カフ4に繋がるタンク部51の容積を腕周の長さに応じて切替える機構を採用してもよい。その場合には、検出した腕の太さ(腕周の長さ)に応じてタンク部51の容積を可変とするために、メモリ200に腕の太さ(太い、中、細い)の別に対応してソレノイド20に印加する電圧レベルを登録したテーブル21を格納しておく。CPU101は検出(入力)した腕の太さのデータに基づきメモリ2のテーブル21を検索して、対応の電圧レベルを読出し、読出した電圧レベルの電圧をソレノイド20に印加する。これによりピストン511が、印加された電圧レベルに相当する分だけ図12の→方向に移動する。これにより、検出した腕の太さに相当の容積を有するタンク部51がカフ4に接続されることになり、図20または図21のタンク切替えと同様の効果を得ることができる。
なお、電子血圧計100の電源オフ時(血圧測定終了時)またはステップS1の初期化時には、カフ4または41に接続されるタンク部51の容積はゼロとなるように設定される。すなわち図12の構成の場合にはソレノイド20に印加する電圧レベルはゼロであるのでピストン511の円板は筐体512のエア管15が繋がれた面に接した状態である。また、図20と図21と図23の構成の場合には弁521、522および523の全てが全閉状態である。
(腕周とカフの状態に従う血圧測定処理)
次に、タンク部51の容積の可変制御の方法を、測定部位の腕周データとカフの状態(カフの巻付けの強さまたは腕の柔らかさ)から決定する手順について図25のフローチャートに従い説明する。ここでは図12の構成を有するタンク部51が用いられる。
次に、タンク部51の容積の可変制御の方法を、測定部位の腕周データとカフの状態(カフの巻付けの強さまたは腕の柔らかさ)から決定する手順について図25のフローチャートに従い説明する。ここでは図12の構成を有するタンク部51が用いられる。
図25を参照して、カフ4が測定部位に巻付けられて、ユーザが電源スイッチ141を押下すると、血圧測定が開始されて、前述したような初期化(S31)および腕周データの入力(または検出)(S33)がなされる。その後、CPU101はポンプ駆動電圧を決定する(S35)。ポンプ駆動電圧の決定は、ステップS33における入力された腕周データに基づき、カフ4を加圧するためのポンプ7を駆動するポンプ駆動回路11への駆動電圧を決定することをいう。
ポンプ駆動回路11の駆動電圧を制御することによりポンプ7の回転速度、すなわちカフ4に対する加圧速度を制御できる。たとえば、腕周データが“太い”を示す場合には、ポンプ駆動回路11への印加電圧を6.0V、細ければ、5.0V、中くらい(標準)であれば5.5Vと駆動電圧を決定し、決定した駆動電圧をポンプ駆動回路11に印加する。このように、ポンプ駆動電圧を決定することにより、測定部位の腕周の長さ(腕の太さ)によらず、カフ4を介した測定部位へのポンプ7による加圧速度を一定とすることができる。
なお、このような加圧速度を一定とするための腕周データに対応のポンプ駆動電圧は予め実験により求められてメモリ200のテーブル22に格納されている。したがって、CPU101はステップS33で入力した腕周を示す腕周データに基づきテーブル22を検索して対応するポンプ駆動電圧を読出すことでポンプ駆動電圧を決定できる。そして、決定した駆動電圧に基づきポンプ駆動回路11を制御する。
このようにして決定されたポンプ駆動電圧によりポンプ7が回転開始するので、カフ4に対して空気の送り込み開始されてカフ4を介した測定部位への加圧が開始される(ステップS37)。加圧開始後の加圧速度は腕周によらず一定速度となるはずである。
CPU101は、ステップS39において実際の加圧速度をタイマ16から入力の計時データと検出されるカフ圧に基づき単位時間あたりのカフ圧の上昇である加圧速度を検出して(ステップS39)、検出した加圧速度に基づきカフ4に接続するタンク部51の容積を決定する(ステップS41)。
具体的には、CPU101によりステップS35で決定したポンプ駆動電圧を用いてポンプ7が駆動されてカフ4を介して測定部位が加圧されると、圧力センサ6および発振回路10を介して検出した脈波信号に基づき、カフ圧を検出する。検出するカフ圧がたとえば40mmHgになるまでは、ステップS35で決定した駆動電圧でポンプ7を駆動して、加圧を継続させる。この間、CPU101はステップS37で加圧を開始してから40mmHgまでのカフ圧が上昇するのに要する加圧時間をタイマ16で計り、計った加圧時間を基に、測定部位の腕の柔らかさやカフ4の巻付け具合(巻きつけが固い/ゆるい)を判定する。
たとえば、40mmHgまでの加圧時間がメモリ200に予め格納された時間データTが示す所定時間より長い、すなわち加圧速度が時間データTに相当の所定速度よりも遅い場合には、腕は柔らかいまたはカフ4は緩く巻かれている(緩巻き)と判定する。また、所定時間通りである、すなわち加圧速度は所定速度に一致するならば、腕の硬さは標準またはカフ4は測定部位にぴったりと巻かれている(ぴったり巻き)と判定する。また、所定時間よりも短い、すなわち加圧速度は所定速度よりも速ければ、腕は固いまたはカフ4は腕にきつく巻かれている(きつ巻き)と判定する。柔らかまたは緩巻きと判定された場合をケース(d)とし、標準またはぴったり巻きと判定されたケースをケース(e)とし、固いまたはきつ巻きと判定されたケースをケース(f)とする。
このようにして圧力変化データが取得されると(S39)、タンク制御方法が決定される(S41)。つまり、ステップ33で得られた腕周データと、ステップS39で得られた腕の状態や巻付け具合を示すカフの状態の各種ケースをもとに、タンク制御方式を決定する。このタンク制御方式の決定の詳細は後述する。
次に、CPU101は、決定されたタンク制御方法に従いタンク部51の容積の切換制御を開始し(S43)、加圧過程において検出される脈波信号に基づく脈波包絡線を前述のステップS17と同様に検出する(S45)。その後、脈波包絡線を取得できると、または所定血圧のレベル、たとえば最高血圧よりも少し高めにまでカフ圧が上昇したことを検出すると、CPU101はポンプ7を停止するようにポンプ駆動回路11を制御する。これにより、加圧は終了する(S47)。
次に、CPU101はタンク部51のタンクの切換制御を終了する(S49)。つまり、タンク部51は前述したような初期状態に設定される。
その後、弁8を全開にして、カフ4内の空気を排気することにより、カフ圧は急激に減少し、ほぼ大気圧にまで落とされる(S51)。
その後CPU101は、検出した脈波包絡線に基づき、前述したステップS21およびS23と同様にして、血圧値および脈拍数などを算出し、算出結果を、表示器3を介して表示する(S53、S55)。
ここで、ステップS41のタンク制御方法の決定手順について説明する。
図25のステップS35で決定したポンプ駆動電圧に基づきポンプ7を駆動すると、加圧速度が一定となってカフ4を介して測定部位である上腕部の加圧が開始される。この場合、上腕部が柔らかいまたはカフ4が緩巻きである場合には、カフ4の空気袋は膨らみやすい状態にあるので、カフ圧の単位時間当りの上昇は小さい、すなわち加圧速度が遅い。したがって、加圧速度が遅い場合には、腕が柔らかいまたはカフ4は緩巻きと判定することができる。
図25のステップS35で決定したポンプ駆動電圧に基づきポンプ7を駆動すると、加圧速度が一定となってカフ4を介して測定部位である上腕部の加圧が開始される。この場合、上腕部が柔らかいまたはカフ4が緩巻きである場合には、カフ4の空気袋は膨らみやすい状態にあるので、カフ圧の単位時間当りの上昇は小さい、すなわち加圧速度が遅い。したがって、加圧速度が遅い場合には、腕が柔らかいまたはカフ4は緩巻きと判定することができる。
また、固い腕またはカフ4がきつ巻きである場合には、カフ4の空気袋は膨らみにくい状態にあるので、単位時間当りのカフ圧の上昇は大きく、その結果、加圧速度は速い。加圧速度が速いという結果に基づき、上腕部が固いまたはカフ4はきつ巻きと判定することができる。実験によれば、図26のように、加圧開始からの時間経過に対するカフ圧は、前述したケース(d)、(e)および(f)のそれぞれに応じて実線で示されるような傾きで変化する。加圧開始してから所定のカフ圧(40mmHg)に達するのに要する時間は、ケース(f)が一番短く、すなわち加圧速度が速く、ケース(e)はそれよりも遅く、ケース(d)はさらに遅くなる。
したがって、ケース(d)の場合には、カフ4内の圧力変化(ΔP)に対するカフ4の容積変化(ΔV)が大きくなる傾向にある、すなわちカフ4のコンプライアンスCpが大きくなり、固いほど、またはきつ巻きであるほど、カフ4内の圧力変化(ΔP)に対するカフ4の容積変化(ΔV)は小さく、カフ4のコンプライアンスCpは小さくなる。
この結果に基づき、血圧測定時にカフ4のコンプライアンスCpを一定にするためにタンク部51のカフ圧の変化に応じたコンプライアンスの変化は、図27に示されるような目標曲線を辿るように制御される。
図27では、カフ4の加圧開始時のポンプ駆動電圧に関して、前述の6.0V、5.5V、および5.0Vを、それぞれケース(a)、(b)および(c)とする。これに、カフの状態を示す前述のケース(d)、(e)および(f)を組み合わせる。組み合わせは図27に示すように3ケース×3ケースの合計9個となる。この9個の組み合わせP1〜P9のそれぞれに対応して、カフ圧の変化に応じたタンク部51の目標とするコンプライアンスの変化を示す曲線は、実験によれば図27のようになる。組み合わせP1〜P9のそれぞれ毎に、図27の対応の曲線で示される目標のコンプライアンスの曲線を辿るように、CPU101はタンク部51の容積を可変に制御する。
具体的には、図27の組み合わせP1〜P9のそれぞれ毎のタンク部51の目標コンプライアンスの変化に応じた、タンク部51の容積の変化を表わすと、図28のようになる。図27の曲線から図28の曲線への変換は所定の変換式を用いることにより実現できる。または図27の曲線を得るための実験において並行して得ることができる。
電子血圧計101においては、組み合わせP1〜P9のそれぞれ毎に図28の曲線を示すデータをメモリ200のテーブルTB1〜TB9に予め格納しておく。テーブルTB1〜TB9のそれぞれは同様な構成を有する。テーブルTB1〜TB9のそれぞれは、図28のカフ圧を示す複数のカフ圧データのそれぞれに対応して、該当する組み合わせの曲線が示すタンク部51の容積を示す容積データが格納されている。
図25のステップS41では、ステップS35で得たポンプ駆動電圧とステップS39で得たカフの状態とに基づき、タンク部51の容積可変制御の方法、すなわち図28の組み合わせP1〜P9のいずれかの曲線を、すなわちテーブルTB1〜TB9のいずれかを選択する。これにより、タンク部51の容積可変の制御方法が決定される。
ステップS43では、CPU101はポンプ7を介したカフ4の加圧に従い逐次検出されるカフ圧に基づき、ステップS41で選択したテーブルを検索して、対応の容積データを読出す。そして読出した容積データを所定手順(所定変換式)に従いソレノイド20に印加する電圧レベルに変換する。そして変換後の電圧レベルに応じた電圧をソレノイド20に印加する。したがって、カフ圧の上昇に従いタンク部51の容積を図28の曲線に従い可変に制御できる。これにより、腕周の長さ(腕の太さ)およびカフの状態(腕の柔らかさまたはカフ4の巻きつけの強さ)にかかわらず、カフ4のコンプライアンスCpを一定とする事ができる。これにより、カフ4の容積変化による圧脈波の歪は打ち消されて、正確に血圧を測定(算出)できる。
(腕周、カフの状態および最大加圧値に従う血圧測定処理)
前述した血圧測定は、加圧期間において検出された脈波包絡線を用いてなされているが、図29の手順では、減圧過程で検出された脈波包絡線を用いて血圧測定がされる。
前述した血圧測定は、加圧期間において検出された脈波包絡線を用いてなされているが、図29の手順では、減圧過程で検出された脈波包絡線を用いて血圧測定がされる。
図29には、前述した腕周の3ケース(ケース(a)、(b)および(c))ならびにカフの状態の3ケース(ケース(d)、(e)および(f))に、さらに最大加圧値の3ケース(後述のケース(g)、(h)および(i))の組み合わせに従って、カフ4のコンプライアンスCpを一定にするようにタンク部51の容積を可変に制御しながら、血圧測定する手順が示される。
図29では、電源投入がなされて血圧測定が開始されると、ステップS31、S33、S35およびS37が図25と同様に行なわれる。
ステップS37で加圧が開始されると徐々にカフ圧が上昇する。その加圧過程において、ステップS39Aでは前述と同様にカフの状態が得られるとともに、最大加圧値が検出される。
その後、CPU101は所定カフ圧(たとえば、最高血圧)にまで加圧したことを判定すると、ポンプ7の駆動を停止して加圧動作が終了する(S57)。その後、弁駆動回路11を介して弁8を徐々に開放するように制御する。これにより、カフ圧は徐々に減圧を開始する(S59)。
減圧が開始されると、CPU101はカフ4のコンプライアンスCpが腕周の長さ、カフの状態および最大加圧値にかかわらず一定となるように、タンク部51の容積を可変制御する方法を決定する(S61)。そして、決定した制御方法に従いタンク部51の容積を可変制御する(S63)。
このようにタンク部51の容積を可変に制御しながら減圧する過程において検出される脈波信号をサンプリング収集して、脈波包絡線が検出される(S65)。血圧測定可能な脈波包絡線を検出すると、弁8が全開されて減圧が終了し(S67)、タンク部51の容積可変制御が終了する(S69)。その後、検出した脈波包絡線に基づき、CPU101は血圧値を算出するとともに、その結果を表示器3に表示する(S71、S73)。
ここで、ステップS61におけるタンク制御方法の決定について説明する。加圧過程で検出した最大加圧値によって、前述した組み合わせP1〜P9の図27に示した9個の曲線のそれぞれは、さらに3個のケースに分類される。したがって、タンク部51のコンプライアンス曲線は9×3=27の組み合わせに分類される。すなわち、検出した最大加圧値が低い(たとえば140〜180mmHg)場合をケース(g)とし、最大加圧値が普通(180〜220mmHg)の場合をケース(h)とし、最大加圧値が高い(220〜260mmHg)場合をケース(i)とする。
図30(A)には、ケース(g)、(h)および(i)に応じたタンク部51のコンプライアンス目標制御特性の曲線が示される。まず、図30(B)を参照して、たとえば腕周が32cmの腕を測定部位として減圧過程で血圧測定した場合の、最大加圧値に応じたカフのコンプライアンスの変化を説明する。図30(B)に示すように、同じカフを用いて同じ腕を測定部位にして血圧測定しても、最大加圧値を180mmHgと280mmHgと異ならせることで、180mmHgまで加圧した後の減圧過程でのカフのコンプライアンスの変化率と、280mmHgまで加圧した後の減圧過程でのカフのコンプライアンスの変化率とは異なってしまう。図30(B)では最大加圧値が低いほど、カフのコンプライアンス変化率が大きいことがわかる。このように最大加圧値でカフのコンプライアンスの変化率が異なる原因は、最大化圧値まで加圧する過程におけるカフ内の空気袋の伸び方と、減圧過程での空気袋の縮み方にヒステリシスが在るためである。
したがって、最大加圧値にかかわらずカフ4のコンプライアンスCpを一定にするには、図30(A)に示すように、最大加圧値が高いほど(ケース(i)参照)、図中の↓で示すようにタンク部のコンプライアンス曲線の傾斜を小さくする、すなわちタンク部のコンプライアンスの変化率を小さくするようにタンク部51の容積を可変に制御する必要がある。逆に、最大加圧値が低いほど(ケース(g)参照)、図中の↑で示すようにタンク部のコンプライアンス曲線の傾斜を大きくする、すなわちタンク部のコンプライアンスの変化率を大きくするようにタンク部51の容積を可変に制御する必要がある。
このような容積可変の制御手順は、図25に示した手順と同様である。つまり、メモリ220にテーブルTB1〜TB9に代替して、上述の27個の組み合わせに従う27個のテーブルを準備して、27個のテーブルから、腕周の長さ、カフの状態および最大加圧値に従い選択したテーブルをカフ圧に基づき検索することでタンク部51の容積データを読み出すことができる。そして、読み出した容積データをソレノイド20の電圧レベルに変換して、変換後の電圧レベルに応じた電圧をソレノイド20に印加する。これにより、図25で説明したのと同様に、腕周の長さ、カフの状態および最大加圧値にかかわらずカフ4のコンプライアンスCpを一定にすることができる。
図29に示す手順に従えば、腕周の長さ、カフの状態および最大加圧値にかかわらず、カフ4のコンプライアンスCpを一定とする事ができる。これにより、カフ4の容積変化による圧脈波の歪は打ち消されて、正確な血圧算出が可能となる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
4,41 カフ、5 タンク、51 タンク部、9 タンク容積変化機構、30,40 血圧計本体、91 タンク容積制御部、100,101 電子血圧計。
Claims (9)
- 血圧測定部位に装着するカフと、前記カフに接続されるタンクとからなるカフ系と、
前記カフ系内への空気の供給または排気をして前記カフに加える圧力を調整する加圧・減圧手段と、
カフ内の圧力信号を検出する圧力検出手段と、
前記圧力検出手段により検出した前記圧力信号に含まれる脈波成分に基づき血圧を算する血圧算出手段と、を備え、
前記タンクは、前記カフの前記加圧・減圧手段による圧力の変化に応じた前記カフの容積変化率よりも小さい容積変化率を有する、電子血圧計。 - 前記カフは前記測定部位の周囲に巻付けられて装着されて、
前記測定部位の周囲の長さに従い、前記カフに接続される前記タンクの容積が可変に制御される、請求項1に記載の電子血圧計。 - 前記周囲が長いほど、前記カフに接続される前記タンクの容積を大きくする、請求項2に記載の電子血圧計。
- 前記タンクは複数の部分タンクを含み、
前記周囲の長さに従い、前記複数の部分タンクから選択した1つ以上の部分タンクが前記カフに接続される、請求項2または3に記載の電子血圧計。 - 血圧測定部位に装着するカフと、前記カフに接続されるタンクとからなるカフ系と、
前記カフ系内への空気の供給または排気をして前記カフに加える圧力を調整する加圧・減圧手段と、
カフ内の圧力信号を検出する圧力検出手段と、
前記圧力検出手段により検出した前記圧力信号に含まれる脈波成分に基づき血圧を算する血圧算出手段と、
前記カフ系の前記加圧・減圧手段による圧力の変化に応じた前記カフ系のコンプライアンスを一定とするように前記タンクの容積を可変に制御する容積制御手段とを備える、電子血圧計。 - 前記カフは前記測定部位の周囲に巻付けられて装着されて、
前記容積制御手段は、
前記カフ系の前記加圧・減圧手段による圧力の変化に応じた前記カフに接続される前記タンクの容積を、前記測定部位の周囲の長さ、および前記加圧・減圧手段による圧力変化速度に従い可変に制御する、請求項5に記載の電子血圧計。 - 前記カフは前記測定部位の周囲に巻付けられて装着されて、
前記容積制御手段は、
前記カフ系の前記加圧・減圧手段による圧力の変化に応じた前記カフに接続される前記タンクの容積を、前記測定部位の周囲の長さ、前記加圧・減圧手段による圧力変化速度、および前記加圧・減圧手段による最大加圧値に従い可変に制御する、請求項5に記載の電子血圧計。 - 前記周囲の長さを検出する周囲長検出部をさらに備える、請求項2または6に記載の電子血圧計。
- 前記周囲の長さを、外部から入力するための操作部をさらに備える、請求項2または6に記載の電子血圧計。
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JP2010207513A (ja) * | 2009-03-12 | 2010-09-24 | Omron Healthcare Co Ltd | 腕帯選定装置 |
CN102348409A (zh) * | 2009-03-12 | 2012-02-08 | 欧姆龙健康医疗事业株式会社 | 功能追加模块 |
JP2017529139A (ja) * | 2014-08-28 | 2017-10-05 | コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. | 振動非侵襲血圧(nibp)測定に対する方法及びnibp装置に対する制御ユニット |
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2005
- 2005-12-07 JP JP2005353749A patent/JP2007151940A/ja not_active Abandoned
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