本発明が適用された遊技島について、図面に基づいて説明する。図1は、本発明が適用された遊技島の内部構造を示す断面図である。図2は、図1のA−A断面図である。図3は、図1のB−B断面図である。図4は、遊技島の中央下部の内部構造を示す平面図である。尚、以下の説明において、説明の便宜上、図1の手前側を遊技島の前側、奥側を後側、左右方向を左右側として説明する。
図1に示されるように、遊技島1は、左右方向に向けて細長に形成されており、その前後面には、遊技機の一例であるパチンコ遊技機2及び該パチンコ遊技機2において遊技に使用する遊技球としてのパチンコ球の貸出を実施させる球貸処理機(図示略)が、長手方向(左右方向)に向けて複数列設されている。
遊技島1の略中央上部には、パチンコ球が貯留される上部タンク3が設けられており、この上部タンク3内に貯留されたパチンコ球は、遊技島1内の長手方向両端部に向かってそれぞれ下方に傾斜するように配設された左右の供給樋4に流入するようになっている。これら左右の供給樋4には、流下するパチンコ球を各パチンコ遊技機2に供給するための支流樋5が、供給樋4の前後(球の流下方向に向かって左右)の側板に、流下方向に向かって所定間隔おきに複数配設されており、これら支流樋5に供給されたパチンコ球は、各パチンコ遊技機2の背面に設けられた球タンク6に供給されるようになっている。
左右の供給樋4それぞれの下流側端部には、例えばメンテナンス時等において供給樋4内のパチンコ球を後述する流下溝9L,9R内にそれぞれ流出させる球抜き管7が設けられている。尚、通常時にはこの球抜き管7内をパチンコ球が流下しないようになっている。
遊技島1の内部には、パチンコ遊技機2より排出されたアウト球を受け入れて後述する流下溝9L,9Rに排出するアウトタンク8が、パチンコ遊技機2が載置される膳板13の上面に、各パチンコ遊技機2に対応するように複数設けられている。尚、各アウトタンク8からは排出ノズル8aが下方に向けて延設されており、受け入れた球をこの排出ノズル8aを介して排出するようになっている。
また、上部タンク3からは、該上部タンク3内部に貯留されるパチンコ球の貯留量が所定量以上となってオーバーフローしたパチンコ球を、後述する流下溝9L,9Rそれぞれに導くオーバーフロー樋12が左右に向けて延設されているとともに、これら左右のオーバーフロー樋12の下流側端部からは、オーバーフロー管18が垂下されている。
左右の流下溝9L,9Rは遊技球流路を構成しており、図1〜図3に示されるように、当該遊技島1の内部前後左右側にそれぞれ配置される木製の側板9a〜9d及び底板9eにより、上面が開口する横長箱状にそれぞれ形成されており、遊技島1の長手方向の略中央位置に配置される揚送装置25及び清浄装置30を挟んでその左右側、つまり遊技島1の左右両側(長手方向の両側)の下部にそれぞれ配置される。
流下溝9L,9Rそれぞれにおける前後の側板9a,9b及び底板9eは、遊技島1の左右方向に向けて横長に形成されている。底板9eは、その上面が遊技島1の長手方向の端部側から中央の揚送装置25及び清浄装置30側に向けて下方に傾斜するように配設されており、パチンコ球が流下(移動)する遊技球流路を構成している。また、この底板9eの上面には、該底板9eの上面を幅方向にわたり保護するための流路保護部材50(以下、流路保護部材50と略称する)が、底板9eの長手方向に向けて敷設されている。
図2及び図3に示されるように、流路保護部材50は、底板9eの前後幅方向の側端部、つまりパチンコ球の流下方向に向かって左右側端部にそれぞれ配設される一対の側部樋51,52から構成されている。尚、底板9e、側部樋51,52の幅方向とは、図1における前後幅方向、つまりパチンコ球の流下方向(各部材の長手方向)に向かって直交する方向である。
これら一対の側部樋51,52とは、塩化ビニル樹脂材を押し出し成形により流下溝9Lの底板9eの長手方向に向けて連続する板状にそれぞれ別個に形成されている。特に側部樋51,52にあっては、いわゆる2色・異材質成形により、後述する球受部56が軟質材、板状部54及び側壁部55が硬質材にて一体的に形成されており、球受部56にてアウトタンク8から排出ノズル8aを介して排出されるパチンコ球の衝撃及び衝撃音を吸収できるようになっている。尚、流路保護部材50の材質は上記塩化ビニル樹脂材に限定されるものではなく、該流路保護部材50上に落下されるパチンコ球(例えばパチンコ遊技機2の球タンク6や供給樋4,オーバーフロー樋12等から零れ落ちた球等)による衝撃により破損することなく、かつ、衝撃や衝撃音を吸収しうる性質を有するものであれば、他の合成樹脂材あるいは金属材等にて構成してもよい。また、このような流路保護部材50は必ずしも設けられていなくてもよい。
側部樋51,52は、所定幅寸法を有する板状部54と、該板状部54の外側端部から上方に向けて連設される側壁部55と、該側壁部55の上部に内向きに突設される球受部56と、から構成され、それぞれ球の流下方向に向かって左右対称に形成されている。つまり、これら一対の側部樋51,52は、押し出し成形により所定長さに形成した2つの部材を、底板9eの上面に互いに対向配置すればよいため、製造コストを効果的に低減できる。なお、パチンコ球が流下する流路底面54aを構成する板状部54の上面は、幅方向の中央に向けて若干下方に傾斜するように形成されており、パチンコ球が外側端部に滞留することが防止されている。
また、遊技島1の左側端部には、遊技者が獲得したパチンコ球を計数するための計数装置15が配設されており、この計数装置15内に投入されたパチンコ球は、該計数装置15に設けられている球投入口15aから連設された返却路16を介して、流下溝9L内に配設された誘導樋19に流入し、該誘導樋19により揚送装置25側まで誘導された後、流下溝9L内に落下するようになっている。つまり、計数装置15にて計数された計数済み球は、遊技島1の内部左側に配設された流下溝9Lに返却されるようになっている。
尚、本実施例では、遊技者が獲得したパチンコ球を計数するための計数装置15が遊技島1の左側端部に一つ、つまり、複数のパチンコ遊技機2に対応して一の計数装置15が配設されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、計数装置を各パチンコ遊技機2に対応して配設してもよい。
誘導樋19は、図1及び図3に示されるように、所定の前後幅寸法を有するとともに前後幅方向に向けて略水平をなす水平面部19aと、該水平面部19aにおける前後幅方向の両端側から外方に向けて上方に傾斜するように連設される傾斜面部19b,19bとが屈曲形成されてなる1枚の金属板からなり、流下溝9Lの内部における前後幅方向の中央所定高さ位置に、返却路16から揚送装置25側に向けて下方に傾斜するように延設されている。尚、該誘導樋19の上面には、ゴム製の保護シート(図示略)が敷設されており、流下するパチンコ球との当接や、遊技島1の内部上方から落下してくるパチンコ球(例えばパチンコ遊技機2の球タンク6や供給樋4,オーバーフロー樋12等から零れ落ちた球等)による誘導樋19の損傷が防止されている。
また、誘導樋19の下流側端部は、図1に示されるように流下溝9L内部における揚送装置25側に立設された区画板21まで延設されており、該誘導樋19上を流下してくる計数球は、流下溝9L内部における区画板21よりも上流側に落下されるようになっている。尚、誘導樋19上を流下してくる計数球は、流下途中または下流側端部に設けられた幅方向を向く球受板(図示略)に衝突すること等により、該水平面部19aから傾斜面部19bに乗り上げて該傾斜面部19bの外端縁から落下するようになっている(図4参照)。
流下溝9L内部における区画板21よりも上流側に落下した球は、区画板21の下部に形成された連通口21a(図1参照)を通過して区画板21よりも下流側に形成される合流部22内に流入した後、後述する接続樋10L及び合流通路11を介して清浄装置30に供給されて清浄された後、揚送装置25に供給される。
誘導樋19の前後幅方向の両側方には、図3に示されるように、遊技島1の前後面にそれぞれ配設された各アウトタンク8から排出されるパチンコ球を回収する回収樋17,17が並設されている。回収樋17,17は、硬質の塩化ビニル樹脂により樋状に形成されており、流下溝9Lの内部における誘導樋19よりも若干上方位置に、計数装置15側から揚送装置25側に向けて下方に傾斜するように配設されており、その下流側端部は区画板21の上方を越えて合流部22まで延設されている。
このように、各パチンコ遊技機2からアウトタンク8を介して排出されるパチンコ球は、回収樋17,17を流下して合流部22内に排出されるため、誘導樋19を流下する計数球よりも優先して揚送装置25に誘導されるようになっている。
すなわち、流下溝9L,9Rは、中央の揚送装置25から左右端部側に向けてそれぞれ並設される各パチンコ遊技機2からアウトタンク8を介して排出されるパチンコ球を長手方向にわたり受け入れることができるように構成されており、左側の流下溝9Lは、計数装置15にて計数された計数済み球を長手方向にわたり受け入れることができるように構成されている。
左右の流下溝9L,9Rにおける揚送装置25側に配置される側板9cの下部には、揚送装置25の本体下部に形成されたパチンコ球の流入口37(図4参照)に連通する連通口10aが形成されている。流下溝9L,9R内のパチンコ球は、連通口10aから流出した後、該連通口10aに接続される接続樋10L,10R(図4参照)をそれぞれ流下し、合流通路11にて合流され清浄装置30に流入し清浄された後、流入口37から揚送装置25の本体内部に流入し、揚送装置25により上方に揚送される。
尚、清浄装置30は、特に詳細な図示はしないが、水平に配置された揺動板の上面に敷設された清浄布等の清浄部材(研磨部材とも言う)の上面に遊技球を流入させ、該揺動板を水平方向に揺動回転させることで清浄部材を遊技球に摺接させて清浄しつつ所定の流出口から流出させて揚送装置25に供給するものであるが、このような清浄装置に限定されるものではなく、種々の清浄装置を適用可能である。また、清浄された後に揚送装置25にて揚送された遊技球は、上部タンク3内上部に配置される排出口38(図1参照)から上部タンク3内に排出されるようになっている。
これら遊技島1内に配設される供給樋4、支流樋5、オーバーフロー樋12、回収樋17,17、オーバーフロー管18、誘導樋19、流下溝9L,9R、接続樋10L,10R、合流通路11、清浄装置30および揚送装置25により、遊技島1内におけるパチンコ球の循環経路が構成されており、これらのうち供給樋4、支流樋5、オーバーフロー樋12、回収樋17,17、誘導樋19、流下溝9L,9R、接続樋10L,10R、合流通路11は、パチンコ球が移動(本実施例では自然流下)する遊技球流路を構成している。また、これらのうち回収樋17,17、誘導樋19、流下溝9L,9R、接続樋10L,10R、合流通路11、清浄装置30は、パチンコ遊技機2から排出された遊技球を回収して揚送装置25に誘導する回収通路を構成している。
尚、本実施例における遊技島1は、上部タンク3や流下溝9L,9R内部に貯留された遊技球のみを制御により循環して使用するいわゆる独立式の遊技島であるが、例えば遊技場内に並設される他の遊技島と上部タンク同士を適宜連結樋等により連結して、他の遊技島間で遊技球の貯留量の調整を行うことができるようにしてもよい。また、遊技者が獲得した遊技球を計数する計数装置が各パチンコ遊技機2に対応して設けられ、各遊技島内において遊技球を循環使用することが可能に構成されたユニット式の遊技島であってもよい。
次に、本実施例1の揚送装置25の詳細な構造について、図5〜図17に基づいて説明する。図5は、(A)は揚送装置の駆動ユニットを斜め前から見た状態を示す斜視図、(B)は斜め後ろから見た状態を示す斜視図である。図6は、駆動ユニットを示す正面図、左側面図、右側面図、平面図である。図7は、図6のC−C断面図である。図8は、図6のD−D断面図である。図9は、(A)は通路部材を示す分解斜視図、(B)は斜視図、(C)は弾性部材を示す正面図である。図10は、(A)は(B)のK−K断面図、(B)は通路部材を示す右側面図、(C)は平面図である。図11は、(A)はスプロケットを示す斜視図、(B)はスプロケットの要部を示す側面図、(C)は(B)のE−E断面図である。図12は、駆動ユニットを示す分解斜視図である。図13は、(A)はアール状通路に遊技球が供給されている状態、(B)はアール状通路に遊技球が供給されていない状態を示す断面図である。図14は、(A)は図13(A)のF−F断面図、(B)はG−G断面図である。図15は、(A)は図13(A)のH−H断面図、(B)はI−I断面図、(C)はJ−J断面図である。図16は、(A)(B)は遊技球がアール状通路から揚送通路へ搬送される状況を示す断面図である。図17は、(A)(B)は遊技球がアール状通路から揚送通路へ搬送される状況を示す断面図、(C)は(B)の要部を示す平面図である。
図5〜図8に示すように、揚送装置25は、略立方体状に形成される駆動ユニット25Aと、駆動ユニット25Aの上面左側部に接続される揚送通路部材25Bと、から主に構成され、図1に示すように、遊技島1の長手方向(左右方向)の略中央位置に配設され、駆動ユニット25Aは床面上に設置されるとともに、揚送通路部材25Bは、駆動ユニット25Aの上面左側部から遊技島1の上部に設けられた上部タンク3まで延設されている。
駆動ユニット25Aは、清浄装置30から流出した遊技球を誘導する誘導通路400(図8中網線領域参照)と、誘導通路400にて誘導された遊技球を案内する略円弧状の案内面422a,423a,424aを有するアール状通路401(図8中網点領域参照)と、該アール状通路401の一端部から上方に延びる第1揚送通路402A(図8中斜線領域参照)と、案内面422a,423a,424aに対向する位置に回動可能に設けられた回動体としてのスプロケット403と、スプロケット403を回動させる駆動手段としての揚送モータ404と、揚送通路402の下部位置に設けられ遊技球が該下部位置から下方へ逆流することを阻止するワンウェイクラッチ405と、ワンウェイクラッチ405よりもアール状通路401側に設けられ、第1揚送通路402Aへ搬送されたもののワンウェイクラッチ405まで揚送されていない遊技球がアール状通路401へ逆流することを阻止する弾性部材450と、を備えている。
誘導通路400、アール状通路401、第1揚送通路402A及び第2揚送通路402Bは、前後方向に並設された複数列(例えば、5列)の遊技球通路からなり、駆動ユニット25Aの右側面には、清浄装置30から流出した遊技球が流入する流入口410が設けられている。流入口410に流入した遊技球は、誘導通路400、アール状通路401、第1揚送通路402Aを移動し、駆動ユニット25Aの上面左側部に設けられた接続口411を通過して揚送通路部材25Bにて形成された第2揚送通路402Bに流入するようになっている。
誘導通路400は、ステンレス材等により四角筒状に形成された第1通路部材421にて構成され、流入口410から左側に向けて下方に傾斜するように設けられており、該誘導通路400の右端部の流入口410には、清浄装置30から流出した遊技球を流入口410に誘導する接続通路30a(図4参照)が接続される。
アール状通路401は、第2通路部材422と、第3通路部材423と、第4通路部材424の下部とにより、誘導通路400と第1揚送通路402Aとを接続するように、スプロケット403の周面下半部に沿うように正面視略上向きC字形状をなすように形成されている。尚、誘導通路400とアール状通路401との間には、誘導通路400にて誘導された遊技球をアール状通路401に誘導する第5通路部材425が設けられている。
第2通路部材422は、図14(A)に示すように、スプロケット403の外周に沿うように正面視略円弧状に形成された案内面422aを有する凸条422bが一体化されてなり、各案内面422aが各遊技球通路に対応するように、スプロケット403の右側方に対向して設けられている。また、第2通路部材422は、図8に示すように、駆動ユニット25Aに設けられた前後方向を向く揺動軸426に下端が軸支されており、図示しないトーションバネにより案内面422aがスプロケット403側に向けて押圧付勢されている。
第3通路部材423は、図14(B)に示すように、スプロケット403の外周に沿うように正面視略円弧状に形成され、各遊技球通路に跨るように前後方向に延設された案内面423aを有し、スプロケット403の下方に対向して設けられている。
第4通路部材424は、図15(A)に示すように、スプロケット403の外周に沿うように正面視略円弧状に形成された凹状の案内面424aを有し、各案内面424aが各遊技球通路に対応するように、スプロケット403の左側方に対向して設けられている。尚、第4通路部材424の詳細については後述する。
これら各第1〜4通路部材422,423,424の各円弧状の案内面422a,423a,424aは、スプロケット403の周方向に連続するように設けられ、これら各案内面422a,423a,424aに対向する位置にはスプロケット403が回動可能に設けられる。尚、案内面424aは、詳しくは、案内面423aと隣り合う始端からスプロケット403の回動軸430の左側方位置までの円弧状部と、該円弧状部の終端(上端)から第1揚送通路402Aの内面441a(図10参照)の始端(下端)までの直線状部と、から構成されている。つまり、第1揚送通路402Aは、円弧状の案内面424aの終端(上端)を通過する接線方向の上方に向けて略垂直に延設されている。
尚、本実施例では、第1揚送通路402A及び第2揚送通路402Bは略垂直に配設されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、揚送装置25を正面から見て遊技球を上方に搬送できるものであれば、斜め上方に延設されていてもよい。
図11に示すように、スプロケット403は、前後方向を向く回動軸430と、該回動軸430に該回動軸430周りに相対回転不能に固着された筒状部材431と、から構成されている。筒状部材431の周面における各遊技球通路に対応する位置には、遊技球を収容可能な略半球凹状の球受部432が周方向に向けて所定間隔おきに複数形成されている。各球受部432は、図11(C)に示すように、遊技球の約1/3以上を収容可能な大きさに形成されており、スプロケット403が各案内面422a,423a,424aに対向する位置に配設された状態において、アール状通路401に流入する遊技球を各球受部432に受け入れ、各球受部432と各案内面422a,423a,424aとの間で遊技球を保持することができるようになっている。よって、スプロケット403が回動することで、各球受部432と各案内面422a,423a,424aとの間に保持された遊技球が各案内面422a,423a,424aに沿って移動される。
また、各遊技球通路に対応して配置された複数の球受部432は、図11(A)中2点鎖線で示すように、それぞれ回動軸430の軸心方向に隣り合う球受部432に対し周方向にずれた位置に配設されている。詳しくは、回動軸430の軸心方向に隣り合う各球受部432の中心位置を通過する直線が軸心に対し若干傾斜するように配設されている。これにより、誘導通路400にて誘導されてきた各遊技球通路の遊技球が全て同じタイミングで球受部432に収容されることが回避されるので、各遊技球通路で一斉に球噛みが発生することを防止できるとともに、後述するようにアール状通路401にて搬送された各遊技球通路の遊技球を全て同じタイミングで第1揚送通路402Aへ押し上げることが回避されるので、スプロケット403に各遊技球通路の遊技球の自重が一斉にかかり揚送モータ404に負荷がかかることを防止できる。
また、各遊技球通路に対応する各球受部432の底部には、周方向に向けて連続する環状の凹溝433が各球受部432にわたり形成されている。つまり、各球受部432は回動軸430方向にそれぞれ分割して形成されている。
尚、本実施例では、各遊技球通路に対応する複数の球受部432が凹溝433により回動軸430方向に分割して形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、円盤の周縁に複数の球受部が形成されてなるスプロケットを適用してもよい。
このように構成されたスプロケット403は、図5及び図6に示すように、回動軸430の前端が駆動ユニット25Aの前側に立設された前壁434(図6参照)に回動可能に軸支されるとともに、後端が駆動ユニット25Aの後側に立設された後壁435(図5参照)に回動可能に軸支されている。また、回動軸430の後端は、後壁435を貫通して背面側に突出されており、該突出された後端には従動ギヤ436が固着されている。
また、スプロケット403の右上側方位置には、揚送モータ404が固設されている。揚送モータ404は、駆動軸404aが後壁435を貫通して背面側に突出するように設けられ、該背面側に突出した後端には駆動ギヤ437が固着されている。駆動ギヤ437には、後壁435に回動可能に軸支された中間ギヤ438に噛合され、該中間ギヤ438が従動ギヤ436にも噛合されていることで、揚送モータ404により駆動ギヤ437が回動することにより、該回動力が中間ギヤ438、従動ギヤ436を介して回動軸430に伝達され、スプロケット403が回動するようになっている。
図9及び図10に示すように、第4通路部材424は、縦長板状に形成され、駆動ユニット25Aの左側部に起立姿勢で設けられている。第4通路部材424の上面には各遊技球通路に対応する接続口411が複数形成されており、各接続口411からは、複数の円筒状の遊技球通路からなる第1揚送通路402Aが上下方向の略中央位置よりもやや下方位置まで延設されている。第4通路部材424の右側面における第1揚送通路402Aの下方には、正面視円弧状の凹部440が形成されていることにより右側方に開放されており、該凹部440には、アール状通路401の案内面424aが各遊技球通路に対応して複数並設されている。
左側壁441における第1揚送通路402Aの各遊技球通路の下部に対応する位置には、縦長の挿通孔443が形成されており、各挿通孔443には、後述するワンウェイクラッチ405の一部が遊技球通路に突出するように挿通されている(図7参照)。
右側壁442における第1揚送通路402Aの各遊技球通路の下部に対応する位置には、右側方に突出する板状の案内壁444が形成されている。案内壁444は、第1揚送通路402Aの各遊技球通路の前後幅方向の略中央位置に配置され、下面にはスプロケット403の回動軸430を中心とする円弧に沿う正面視円弧状の円弧面444aが形成されており、該円弧面444aは、第1揚送通路402Aの長手方向に対して傾斜している。円弧面444aを含む案内壁444は、第1揚送通路402A及びアール状通路401の長手方向に沿うように配置されている。
また、図8に示すように、案内壁444の下部は、スプロケット403の各球受部432内における凹溝433に対応する位置に、円弧面444aがスプロケット403における筒状部材431の外周よりも回動軸430側に入り込むように配置されることで、各球受部432と案内面424aとに保持された遊技球に当接して該遊技球を球受部432から離脱させて、アール状通路401から第1揚送通路402Aへ案内することができるようになっている。
案内壁444には、ステンレス等の金属材にて板状に形成される弾性部材450が取り付けられている。図9(C)に示すように、弾性部材450は、各案内壁444の円弧面444aに沿うように配置される弾性片部450Aと、各弾性片部450Aの上端を連結する前後方向に延びる連結片部450Bと、により櫛歯状に形成されている。尚、前後の弾性片部450Aの上部からは取付片部450Cが左方に向けて屈曲形成されており、これら連結片部450B及び取付片部450Cにはネジ孔が形成され、図示しないネジにより案内壁444に止着される。
弾性片部450Aは、連結片部450Bから下方に垂下される第1片451aと、第1片451aの下端から左側に向けて屈曲して円弧面444aに沿うように傾斜状に配置される第2片451bと、第2片451bの下端から左斜め上向きに屈曲される第3片451cと、第3片451cの上端から第2片451b側に屈曲して略水平に延びる第4片451dと、から構成されている。第2片451bは、第1片451aに対し所定角度θ1(例えば、θ1=約45度)屈曲して斜めに形成され、第3片451cは、垂線に対し所定角度(例えば、θ2=約15度)傾斜して形成されている。このように、弾性片部450Aの下部は上向きフック状に形成されている。また、第2片451bの2箇所には下方に屈曲する屈曲部452a,452bが形成されている。
弾性部材450は、図10(A)中拡大図に示すように、図示しないネジにより案内壁444に止着されたとき、各第2片451bが各円弧面444aに沿って配置され、屈曲部452a,452bが円弧面444aに当接するようになっている。このように弾性部材450は、第1揚送通路402Aを構成する左側壁441及び右側壁442のうち、案内面424aの終端から連設される内面441aに対向する右側壁442に形成された案内壁444に取り付けられ、第2片451bが下方に向けて左側壁441側に傾斜するように配置される。また、弾性片部450Aの下端である第3片451c及び第4片451dは、右側壁442における第1揚送通路402A側の内面442aよりも通路側に突出するように配置される。
このとき、第3片451cは、下端から上端、つまり、遊技球の搬送方向に向けて左側壁441側に傾斜するように設けられ、第3片451cと第4片451dとの屈曲部から左側壁441における第1揚送通路402A側の内面441aとの離間幅寸法L1は、遊技球の直径よりも小寸とされている。
また、弾性片部450Aは、スプロケット403の各球受部432内における凹溝433に対応する位置に、スプロケット403における筒状部材431の外周よりも回動軸430側に入り込むように配置されることで、各球受部432と案内面424aとに保持されることで搬送されてきた遊技球が第3片451cに衝突するようになっている。
そして、弾性部材450の各弾性片部450Aは、帯板状の金属片にて弾性可能に構成されていることで、上記のようにアール状通路401を搬送されてきた遊技球が第3片451cに当接すると、該遊技球を球受部432から離脱させて第1揚送通路402Aへ誘導するとともに、誘導した遊技球が第3片451cを通過するときに、該遊技球が第3片451cを右側壁442側に押圧することにより第3片451cが弾性変形して遊技球の通過を許容し、遊技球が第3片451cを通過した後、弾性力により第3片451cが左側壁441側に復帰することで、通過した遊技球を第4片451d上に保持して落下、つまり、逆流を阻止する。
このように弾性部材450は、アール状通路401から第1揚送通路402Aに遊技球を誘導して1球ずつ送り出すとともに、該第1揚送通路402Aに送り出した遊技球が下方に落下してアール状通路401に逆流することがないように保持するものであり、本発明の第2逆流防止手段を構成している。
図8に示すように、ワンウェイクラッチ405は、一方の方向のみに回転力を伝達するクラッチ機構であり、特に詳細な図示はしないが、例えば、外輪(アウターレース)と内輪(インナーレース)の間にスプラグと呼ばれる、だるま形の輪留めが組み込まれた構造をなし、インナーレースに対してアウターレースが一方へ回転するとスプラグがかみ合ってトルクを伝達し、逆回転した場合はスプラグのかみ合いが外れてトルクは伝達されなくなるスプラグ式のワンウェイクラッチや、外輪と内輪、ローラ、スプリングで構成され、外輪の内側または内輪の外側にカム面を持ったポケットが設けられる。ポケットの内部にはローラが配置され、スプリングによって外輪のカム面と内輪の外側、あるいは内輪のカム面と外輪の内側に接触するように保たれている。内輪に対して外輪がある一方向に回転しようとするとカム面とローラとの接触面圧が高くなり、抵抗となって内輪への動力を伝達する。逆方向に回転すると、カム面とローラとの接触面圧が低くなり、滑って動力伝達を切断するカム式のワンウェイクラッチ等が適用可能である。
本実施例のワンウェイクラッチ405は、周縁に複数の球受部が形成されたスプロケット405Aが外輪として構成され、該スプロケット405Aは、第1揚送通路402Aの下部における各遊技球通路に対応して複数並設され、前後幅方向に延びる回動軸405Bを中心として一方向(正面視反時計回り)に回転可能、逆方向(正面視時計回り)に回転不能に設けられている。回動軸405Bは、第4通路部材424の左側面に挿通孔443を覆うように設けられたカバー部材405Cの前後壁に支持されており、複数のスプロケット405Aはカバー部材405Cにて被覆されている。
また、各スプロケット405Aの周縁の一部は、挿通孔443を介して第1揚送通路402Aに突出するように設けられ、遊技球を球受部と右側壁442の内面442aとの間に保持したまま回転して上方への移動を許容する。尚、球受部と右側壁442の内面442aとの間に保持した遊技球が下方の後続球により押し上げられなくなっても、スプロケット405Aが保持した遊技球の自重により逆方向(正面視時計回り)に回転することがないので、遊技球をそのままの位置に保持して逆流を阻止する。
尚、本実施例では、第1揚送通路402Aにおける遊技球の逆流を阻止する第1逆流阻止手段として、ワンウェイクラッチ405が適用されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、一方向のみに回転力を伝達するクラッチ機構だけでなく、遊技球の上方への移動を許容し下方への移動を不可とするものであれば、弾性部材450等の逆流防止部材等、他の逆流阻止手段を適用してもよい。
図12に示すように、このように構成された駆動ユニット25Aは、前壁434を取り外すことにより、各遊技球通路を構成する第1〜5通路部材421〜425を取り外して、第4通路部材424を除く第1〜3通路部材421〜423及び第5通路部材425は前方に、第4通路部材424は左側方に取り出すことができるため、スプロケット403は、これら各第1〜5通路部材421〜425とともに回動軸430方向である前方に引き出すことができる。
このように、前壁434を取り外すことで簡単に各第1〜5通路部材421〜425やスプロケット403を取り外すことができるため、誘導通路400、アール状通路401、第1揚送通路402Aにて球詰まりが発生した場合や、釘等の異物が進入した場合など、メンテナンス作業を容易に行うことができる。
次に、このように構成された駆動ユニット25Aにおける遊技球の搬送状況について説明する。
本実施例の揚送装置25は、例えば、流入口410や接続通路30a等に設けたセンサ(図示略)により遊技球が検出されると、揚送モータ404によりスプロケット403が正面視時計回りに回動されて揚送が開始され、前記センサ(図示略)が遊技球を検出しなくなったときから該遊技球を検出しない状態が所定時間継続したときに、揚送モータ404によるスプロケット403の回動が停止されて揚送が停止されるようになっている。尚、本実施例では、このように流入口410に遊技球が流入しているときにスプロケット403が回動されて遊技球の揚送が開始されるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球の流入状況に関わりなく、遊技場の営業の開始から終了までスプロケット403の回動を継続するようにしてもよい。
まず、図13(A)に示すように、清浄装置30から接続通路30aを流下して流入口410に流入した遊技球は、誘導通路400を流下してアール状通路401に到達すると、スプロケット403の球受部432に入り込み、該スプロケット403が回動することにより案内面422a,423a,424aと球受部432とに保持された状態でアール状通路401を搬送されていく。そして、アール状通路401と第1揚送通路402Aとの間に到達すると、弾性部材450により周方向への移動が規制されて球受部432から離脱され、案内面424aの下流側端部から上方に延びる第1揚送通路402Aへ案内される。
図13(B)に示すように、第1揚送通路402Aへ搬送された遊技球は、弾性部材450により下部が支持され、第1揚送通路402Aからアール状通路401への逆流が防止されることで第1揚送通路402Aに滞留する。そして、第1揚送通路402Aへ後続球が案内される度に上方に押し上げられ、第1揚送通路402A内に複数の遊技球が数珠繋ぎ状態で滞留していく。また、後続球がない場合は、第1揚送通路402Aにある遊技球のうち最下位の遊技球P1の下部が弾性部材450にて支持されることで、第1揚送通路402Aに保持されて逆流が阻止される。
また、弾性部材450の第4片451dにて下部が支持された遊技球は、後続球により押し上げられるとき、ワンウェイクラッチ405のスプロケット405Aの周縁に接触して該スプロケット405Aを回動させ、スプロケット405Aの球受部と右側壁442の内面442aとの間に保持される。ここで、スプロケット405Aは正面視時計回りの回動は規制されているため、スプロケット405Aの球受部と右側壁442の内面442aとの間に保持されると、下方への移動、つまり、逆流が阻止される。
尚、本実施例では、弾性部材450を通過して第1揚送通路402Aへ搬送された遊技球のうち、第4片451dにて下部が支持された遊技球P1及び該遊技球P1の上方の遊技球P2の荷重は弾性部材450に作用し、遊技球P2より上方の遊技球P3を含む上方の遊技球の荷重はスプロケット405Aの球受部に作用するようになっている。
つまり、ワンウェイクラッチ405のスプロケット405Aよりも上方にある遊技球P3を含む複数の遊技球の荷重はスプロケット405Aに作用し、該スプロケット405Aと弾性部材450との間にある2球の遊技球P1,P2の荷重は弾性部材450に作用するようになっている。
また、弾性部材450により下方から支持された遊技球P1は、スプロケット403の外周から完全に離脱されるので、後続球がないままスプロケット403の回動が継続されても、スプロケット403の外周に接触して該スプロケット403を傷つける虞がない。
次に、アール状通路401から第1揚送通路402Aへ遊技球が搬送されるときの弾性部材450の変形状況について、図16及び図17に基づいて説明する。
まず、図16(A)に示すように、スプロケット403の一の球受部432と案内面424aとの間に保持された遊技球PAは、アール状通路401と第1揚送通路402Aとの接続部(アール状通路401の終端)に到達すると、弾性部材450の第3片451cに衝突する。ここで、弾性部材450がなければ、球受部432がアール状通路401の終端部を通過した後に上向き姿勢に変更されていくため、遊技球PAは、自重により球受部432に保持されたままスプロケット403の回動により周方向に搬送されてしまうが、弾性部材450がスプロケット403の外周よりも回動軸430側に入り込んで配設されていることで、遊技球PAの周方向への移動が阻止される。
また、図16(B)に示すように、遊技球PAは、弾性部材450の第3片451cに衝突して周方向への移動が阻止されたまま、スプロケット403の回動に伴って球受部432の下縁部により上方に向けて押し上げられることで、第2片451bを右側方に押し広げていく。このとき、弾性片部450Aの弾性力により内面441a側、つまり、スプロケット403から離れる方向に向けて付勢されるので、球受部432から漸次に離脱するように第3片451cにより内面441aに押し付けられながら、第3片451cにより上方に向けて摺接案内されていく。
尚、弾性片部450Aは、第1片451aと第2片451bとの屈曲部を中心に下端側が右側方に向けて変形し、該変形に伴って円弧面444aから離れていくが、各屈曲部452a,452bや、第2片451bと第3片451cとの屈曲部でも屈曲することも可能であるため、第1片451aと第2片451bとの屈曲部のみに負荷がかかり該屈曲部が折れやすくなることが防止される。
次いで、図17(A)に示すように、遊技球の中心点P0が第3片451cの上端位置よりも上方に位置すると、遊技球PAの外面下半部の所定箇所を内面411a側に向けて付勢することになるので、遊技球PAが球受部432から離脱して押し上げられなくなっても、弾性片部450Aの弾性力により遊技球PAは上方に押し上げられていく。
そして、図17(B)に示すように、遊技球PAが第3片451cを通過し、第3片451cと第4片451dとの屈曲部と内面441aとの2点または第4片451dと内面441aとの2点で支持され、第1揚送通路402Aの下部に保持される。これにより、該遊技球PAの下方への落下、つまり、第1揚送通路402Aからアール状通路401への逆流が阻止される。また、このとき、遊技球PAは球受部432から完全に離脱されているので、スプロケット403の外周に接触することはない。尚、正面視ではスプロケット403の外周に遊技球PAが接触しているように見えるが、図17(C)の平面図に示すように、遊技球PAの外周とスプロケット403の外周とは接触していない。よって、後続球が搬送されてこない状態でスプロケット403が回動を続けているときに、第1揚送通路402Aに搬送されたもののワンウェイクラッチ405まで上昇されずに弾性部材450により逆流が阻止されている遊技球PAがスプロケット403の外周に接触してスプロケット403が傷ついたりすることが防止される。
以上説明したように、本発明の実施例としての揚送装置25は、遊技球を案内する略円弧状の案内面424aを有するアール状通路401と、該アール状通路401の上端から上方に延びる第1揚送通路402A及び第2揚送通路402Bからなる揚送通路402と、案内面424aに対向する位置に回動可能に設けられた回動体としてのスプロケット403と、スプロケット403を回動させる駆動手段としての揚送モータ404と、を備え、揚送モータ404がスプロケット403を回動させることで該スプロケット403と案内面424aとの間の遊技球がアール状通路401から第1揚送通路402Aへ搬送され該第1揚送通路402Aの遊技球を押し上げて揚送する揚送装置25であって、第1揚送通路402Aの下部に設けられ遊技球が該所定位置から下方へ逆流することを阻止する第1逆流阻止手段としてのワンウェイクラッチ405と、ワンウェイクラッチ405よりもアール状通路401側に設けられ、第1揚送通路402Aへ搬送されたもののワンウェイクラッチ405まで揚送されていない遊技球がアール状通路へ401逆流することを阻止する第2逆流阻止手段としての弾性部材450と、を備える。
このようにすることで、第1揚送通路402Aの所定位置まで揚送された遊技球が逆流することが第1逆流阻止手段としてのワンウェイクラッチ405により阻止されることで、ワンウェイクラッチ405より上方に揚送された遊技球の荷重がスプロケット403に加わり揚送モータ404に負荷がかかることを防止できるとともに、アール状通路401から第1揚送通路402Aへ搬送されたもののワンウェイクラッチ405まで揚送されていない遊技球がアール状通路401へ逆流することが第2逆流阻止手段としての弾性部材450により阻止されることで、ワンウェイクラッチ405まで揚送されていない遊技球が逆流しスプロケット403に接触して傷つけることが防止される。
また、本実施例では、第2逆流阻止手段が、弾性変形可能に形成された弾性部材450にて構成されていることで、例えば、ワンウェイクラッチ機構等のような複雑な機構を搭載する必要がなく構造が簡素であるため、第1揚送通路402Aにおけるスプロケット403側の右側壁442に、該スプロケット403により近づけて配設することができるため、球受部432から離脱した直後に遊技球の下部を支持して逆流を阻止することが可能となる。
また、本実施例では、第2逆流阻止手段としての弾性部材450により、球受部432に保持された遊技球を離脱させて第1揚送通路402Aに誘導するようになっていることで、右側壁442等に遊技球が直接衝突することがないので、右側壁442が損傷したりすることがないとともに、弾性部材450により遊技球との衝突による衝撃が弾性変形により緩衝されるため、接触音や振動の発生を抑制できる。
尚、本実施例では、第1揚送通路402Aへ搬送された遊技球のうち最下位の遊技球が第2逆流阻止手段としての弾性部材450により逆流が阻止された状態において、該遊技球はスプロケット403に接触しないようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、弾性部材450により逆流が阻止された遊技球の荷重全てがかからない状態であれば、該遊技球がスプロケット403に接触するようになっていてもよい。
また、本実施例では、ワンウェイクラッチ405と弾性部材450との間に2球の遊技球が滞留するように構成されていたが、3球以上滞留するようにしてもよいし、1球のみ滞留するようにワンウェイクラッチ405と弾性部材450との配置間隔を変更してもよい。
また、本実施例では、第2逆流阻止手段の一例として、金属片にて弾性変形可能に構成された弾性部材450が適用されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球の上方への移動を許容し下方への移動を不可とするものであれば、ワンウェイクラッチ405と同じようなワンウェイクラッチなど、他のクラッチ機構等を適用してもよい。
さらに、第2逆流阻止手段は弾性変形可能に構成された弾性部材に限定されるものではなく、例えば、第1揚送通路402Aに突出して遊技球の逆流を阻止する阻止位置と第1揚送通路402Aから退避する退避位置との間で移動可能に設けられた阻止部材と、該阻止部材を阻止位置に向けて常時付勢するバネ等の付勢手段とを設け、遊技球がアール状通路401から第1揚送通路402Aへ移動するときは付勢手段の付勢力に抗して退避位置に退避して通過を許容し、遊技球が通過すると付勢手段の付勢力にて退避位置から阻止位置に移動して、第1揚送通路402Aからアール状通路401への遊技球の移動を阻止するものであってもよい。このように付勢手段により付勢された阻止部材等も弾性部材に含まれる。
また、上記阻止部材をバネ等の付勢手段ではなく、阻止位置と退避位置との間で移動可能に駆動する駆動手段等を適用してもよいし、あるいは、スプロケット403の回動に応じて阻止部材が阻止位置と退避位置との間を往復移動するように連動させる連動機構等を適用してもよい。
また、弾性部材450の形状は実施例に記載の形状に限定されるものではなく、種々に変形可能である。
また、第1揚送通路402Aは、案内面424aに連設される第1案内壁部としての左側壁441と、該左側壁441に対向して配設される第2案内壁部としての右側壁442と、を有し、第2逆流阻止手段は、右側壁442から左側壁441に向けて遊技球を付勢可能に設けられた逆流阻止部としての弾性片部450Aを有する付勢部材としての弾性部材450からなり、アール状通路401から搬送されてきた遊技球が弾性片部450Aの第3片451cに接触したときには付勢力に抗して右側壁442側に退避して該遊技球を通過させ、該遊技球が通過した後は左側壁441に向けて付勢されることで該通過した遊技球の下方位置に突出して該遊技球の下部を支持して逆流を阻止する。
このようにすることで、アール状通路401から搬送されてきた遊技球は、弾性片部450Aの第3片451cにより左側壁441側、つまりスプロケット403から離れる方向に付勢されながら通過するので、通過後に弾性片部450Aの第3片451cにより逆流が阻止された遊技球をよりスプロケット403に接触しにくくすることができる。
また、回動体は、複数の球受部432が周方向に形成され該球受部432と案内面424aとの間に遊技球を保持した状態で回動することによりアール状通路401から第1揚送通路402Aへ搬送するスプロケット403であり、スプロケット403は、複数の球受部432にわたり連続して形成される凹溝433を有し、弾性部材450の少なくとも弾性片部450Aは、凹溝433に配置されていることで、弾性片部450Aをスプロケット403の内部に入り込ませるように配置することができるので、駆動ユニット25Aをコンパクト化することができるばかりか、遊技球を球受部432からスムーズに離脱させつつ第1揚送通路402Aに搬送して逆流を阻止することができる。
また、スプロケット403は、弾性部材450を有する第4通路部材424を揚送装置25の本体である駆動ユニット25Aから取り外すことで、駆動ユニット25Aに対し回動軸430方向に取り外し可能となるため、スプロケット403のメンテナンス作業等を容易に行うことができる。
次に、本発明の実施例2としての揚送清浄装置2500について、図18〜図30に基づいて説明する。図18は、(A)は本発明の実施例2としての揚送清浄装置を示す断面図、(B)は本体を開放位置に移動した状態を示す断面図である。図19は、揚送清浄装置の要部を示す断面図である。図20は、揚送清浄装置と流下溝との接続構造を示す概略断面図である。図21は、図18(A)のL−L断面図である。図22は、本体の上部及びテンションユニットを示す側面図である。図23は、本体の上部及びテンションユニットを示す平面図である。図24は、本体及びテンションユニットを示す正面図である。図25は、(A)は図22のM−M断面図、(B)はN−N断面図である。図26は、(A)は本体とテンションユニットを示す分解側面図、(B)は(A)のO−O断面図である。図27は、テンションユニットの要部を示す側面図である。図28は、(A)はロックアームの先端を示す拡大図、(B)は(A)のP−P断面図である。図29は、(A)(B)はテンションユニットの取り付け方法を示す説明図である。図30は、(A)はテンションユニットの取り付け方法を示す説明図、(B)は(A)のQ−Q断面図である。
尚、本実施例2の揚送清浄装置2500や遊技島1において、前記実施例1にて説明した揚送装置25や遊技島1と同様に構成される部位に関しては同様の符号を付すことで詳細な説明は省略することとする。前記実施例1では、揚送装置の一例として、回動体としてのスプロケット403を回動させることにより遊技球を上方に揚送する揚送装置25を記載したが、回動体はスプロケット403に限定されるものではなく、後述するように搬送ベルト103を適用してもよい。
図18〜図20に示すように、本実施例2における揚送清浄装置2500は、直方体形状に形成された清浄部材固定躯体350内に設けられた本体100と、本体100の搬送ベルト103により搬送された遊技球を上方の上部タンク3に向けて誘導する揚送通路358Aを形成する揚送通路部材358と、搬送ベルト103により搬送される遊技球を清浄する清浄部材としての清浄布116と、から主に構成されている。揚送清浄装置2500は、図20に示すように、前記実施例1の揚送装置25と同様に、遊技島1の長手方向略中央位置に配設されている。尚、本体100の詳細な構造については後述する。
清浄部材固定躯体350内には、遊技球を清浄するための清浄部材としての清浄布116が、清浄部材固定躯体350の底面左右側にそれぞれ立設された一対の支持板353(図21参照)に設けられている。清浄布116は、清浄面を後側から前側に向けて斜め上方に傾斜するように上向きに配設され、左右一対の支持板353に回動可能に軸支された被巻取りローラ351に巻回された清浄布116が、左右一対の支持板353に回動可能に軸支された巻取りローラ352が回転駆動されることにより巻き取り可能とされている。つまり、汚れた清浄布116を適宜巻き取って新規な清浄布116が引き出されるようになっている。
本体100は、清浄布116の上面に沿うように配置され、後述する下部ローラ102の回転軸102aが清浄部材固定躯体350の所定箇所に軸支されており(図示略)、図18(A)に示すように、搬送ベルト103が清浄布116の上面に対向する清浄位置と、搬送ベルト103が清浄布116の上面に対向しない開放位置と、の間で揺動可能に設けられている。よって、清浄布116を安定して支持できるようになっている。また、清浄布116の交換作業やメンテナンス作業を行う際に、本体100を清浄位置から開放位置に揺動させることで清浄面を簡単に露呈させることができる。
また、本体100は、清浄布116及び被巻取りローラ351や巻取りローラ352を支持する支持板353に設けられた2つの係止フック354に係止可能な係止部355が取り付けられており、清浄位置において、係止フック354を係止部355に係止することにより、清浄位置に保持されるようになっている。このように、本体100の左右側面を構成するフレーム板100L,100Rが清浄部材固定躯体350に係止されることで、フレーム板100L,100Rと清浄布116との位置関係に誤差が生じにくくなっている。
また、本体100には、清浄部材固定躯体350に取り付けられた係止フック356に係止可能な係止部357が取り付けられており、清浄位置において、係止フック356を係止部357に係止することにより、清浄位置に保持されるようになっている。また、清浄部材固定躯体350には、搬送ベルト103にて搬送された遊技球Pを上方に誘導する揚送通路部材358が設けられ、フレーム板100L,100Rの他端側は、清浄布116が搬送ベルト103の外面103aに対向する清浄位置において、清浄部材固定躯体350に係止可能に設けられていることで、フレーム板100L,100Rを安定して支持できる。
本実施例2では、図20に示すように、流下溝9L,9Rの連通口10aに一端が接続された接続樋10L,10Rの他端は、清浄部材固定躯体350の背面下部に形成された揚送清浄装置2500への流入口37に連通する合流通路11に接続されている。よって、流下溝9L,9R内を流下し連通口10aから流出した遊技球は、前記実施例1のように清浄装置30を介すことなく、接続樋10L及び合流通路11を介して流入口37へ供給されるようになっている。
また、本実施例2では、接続樋10L,10Rにシャッタ装置200L,200Rが設けられている。シャッタ装置200L,200Rは、接続樋10L,10Rに対し出退可能に設けられた可動板201L,201Rと、該可動板201L,201Rを接続樋10L,10Rから上方に退避する開放位置と接続樋10L,10Rに向けて突出する閉鎖位置との間で移動させるシャッタモータ202L,202Rと、から構成される。つまり、シャッタ装置200L,200Rは、可動板201L,201Rを開放位置に移動させて遊技球の流入口37への流下を許容する許容状態と、可動板201L,201Rを閉鎖位置に移動させて遊技球の流入口37への流下を許容しない非許容状態(流下を規制する規制状態)と、に変化可能とされている。また、シャッタ装置200L,200Rは、左右の可動板201L,201Rが揚送清浄装置2500の流入口37の左右方向の略中心位置からそれぞれ同じ所定距離L20離れた箇所に配設されている。
また、流下溝9L,9R内には、該流下溝9L,9R内を流下し連通口10aを介して流入口37へ供給される遊技球を検出する近接センサ210L,210Rが設けられている。近接センサ210L,210Rは、可動板201L,201Rからそれぞれ同じ所定距離L21離れた箇所に配設されている。本実施例では、距離L21は距離L20よりも長寸とされているが、距離L21は距離L20と同じまたは短寸とされていてもよい。
本実施例では、シャッタ装置200L,200Rが非許容状態となることにより、接続樋10L,10Rにて可動板201L,201Rにより遊技球の流下が規制されて、接続樋10L,10Rから上流側の流下溝9L,9Rに向けて揚送清浄装置2500にて揚送清浄される遊技球が滞留(待機)されるようになっている。また、近接センサ210L,210Rにより遊技球が所定時間(例えば、10秒)連続して検出されたときには、揚送清浄装置2500にて揚送清浄される遊技球が接続樋10L,10Rから流下溝9L,9Rにかけて所定量(例えば、可動板201L,201Rから近接センサ210L,210Rがある位置までに滞留される遊技球数)以上滞留しているとして、後述する揚送清浄動作の開始条件が成立する。
一方、シャッタ装置200L,200Rが許容状態となることにより、接続樋10L,10Rにて可動板201L,201Rによる遊技球の流下規制が解除され流下可能な状態において、近接センサ210L,210Rにより遊技球が所定時間(例えば、10秒)検出されなかったときには、揚送清浄装置2500にて揚送清浄される遊技球が接続樋10L,10Rから流下溝9L,9Rにかけて所定量(例えば、可動板201L,201Rから近接センサ210L,210Rがある位置までに滞留される遊技球数)以上滞留していないとして、後述する揚送清浄動作の停止条件が成立する。
尚、以下においては、近接センサ210L,210Rにより遊技球が所定時間(例えば、10秒)連続して検出されたときに近接センサ210L,210R;onと判定され、近接センサ210L,210Rにより遊技球が所定時間(例えば、10秒)以上検出されなかったときに近接センサ210L,210R;offと判定されるものとする。また、近接センサ210L,210R;onと判定された場合、近接センサ210L,210R;offと判定されるまで近接センサ210L,210R;onと判定されたままとされるとともに、近接センサ210L,210R;offと判定された場合、近接センサ210L,210R;onと判定されるまで近接センサ210L,210R;offと判定されたままとされるようになっている。
尚、本実施例では、揚送清浄装置2500にて揚送清浄される遊技球が接続樋10L,10Rから流下溝9L,9Rにかけて所定量以上滞留しているか否かを判定するための検出手段として、近接センサ210L,210Rが適用されているが、近接センサ以外の検出スイッチ等を適用してもよい。また、本実施例では、可動板201L,201Rから近接センサ210L,210Rの位置まで滞留可能な遊技球数を予め設定し、流下溝9L,9Rの所定箇所に配設した近接センサ210L,210Rが遊技球を検出することで、揚送清浄装置2500にて揚送清浄される遊技球が接続樋10L,10Rから流下溝9L,9Rにかけて所定量以上滞留しているか否かを判定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、各パチンコ遊技機2やアウト球タンクから排出される遊技球を計数し、該計数された遊技球数に基づいて、揚送清浄装置2500にて揚送清浄される遊技球が接続樋10L,10Rから流下溝9L,9Rにかけて所定量以上滞留しているか否かを判定するようにしてもよいし、回収通路にかかる遊技球の重量に基づいて判定するようにしてもよい。
次に、揚送清浄装置2500の詳細な構造について説明すると、揚送清浄装置2500は、図18〜図23に示されるように、本体100と、本体100の上部(遊技球の移送方向の下流側、前側)に設けられた左右方向(水平方向)を向く回転軸101a周りに回動自在に設けられる上部ローラ101と、本体100の下部(遊技球の移送方向の上流側、後側)に設けられた左右方向(水平方向)を向く回転軸102a周りに回動自在に設けられる下部ローラ102と、これら上部ローラ101と下部ローラ102とに掛け渡される所定幅を有する回動体としての無端帯状の搬送ベルト103と、本体100の後面側の一側辺を中心に回動自在に設けられ、搬送ベルト103の上昇路に対向して配置される上下斜め方向に延びる直線状の清浄搬送通路115(図19参照)を形成する清浄搬送通路カバー104と、上部ローラ101の周面に対向して配置され、搬送ベルト103に遊技球を押圧するために該上部ローラ101の外周面に沿って略円弧状に形成されたアール状通路105Aを形成するアール状通路カバー105と、下部ローラ102の周面に対向して配置され、搬送ベルト103に遊技球を押圧するために該下部ローラ102の外周面に沿って略円弧状に形成された球導入通路106Aを形成する球導入通路カバー106と、搬送ベルト103の下降路に対向して配置される背面通路カバー122と、から主に構成されている。
本体100は、図21〜図23に示すように、長板状の第1フレーム板としてのフレーム板100Lと、該フレーム板100Lに対し離れて並設される長板状の第2フレーム板としてのフレーム板100Rと、これら左右のフレーム板100L,100Rの間における長手方向の一端側と他端側とに架設される2つの回転軸101a,102aと、左右のフレーム板100L,100Rの前側辺に沿うように回転軸101a,102aの間に所定間隔おきに複数設けられ、該左右のフレーム板100L,100Rに両端が支持された複数のガイド軸109aと、左右のフレーム板100L,100Rの後側辺における回転軸102aの近傍位置に設けられ、該左右のフレーム板100L,100Rに両端が支持されたガイド軸107aと、から構成され、これら回転軸101a,102a、ガイド軸109a、ガイド軸107aにより左右一対のフレーム板100L,100Rが互いに平行をなすように離間配置された状態で一体化されている。
また、フレーム板100L,100Rの後長辺100a,100bにおける上部ローラ101とガイドローラ107との間には、側面視略三角形状をなす切欠凹部150a,150bがそれぞれ形成されている。切欠凹部150a,150bは、フレーム板100L,100Rにおいて搬送ベルト103を挟んで対向する後長辺100a,100bの長手方向の同位置に形成されている。
ガイド軸107aにはガイドローラ107が回動可能に設けられ、各ガイド軸109aにはガイドローラ109が回動可能に設けられている。また、フレーム板100L,100Rそれぞれの後長辺100a,100bには、後端面100c,100dそれぞれに突設された前後方向を向くガイド軸140a周りに回動可能に設けられたガイドローラ140が、後長辺100a,100bそれぞれの長手方向に向けて所定間隔おきに複数設けられている。このように、上部ローラ101と下部ローラ102とに掛け渡された搬送ベルト103は、複数のガイドローラ107,109により内面103bが案内されて内側への撓みが防止され、後側辺においては左右側端面が左右のガイドローラ140により案内されて左右方向の蛇行が防止されている(図22,図23参照)。
これら搬送ベルト103の外面103aに対向して配置されるアール状通路カバー105、球導入通路カバー106は、上部ローラ101及び下部ローラ102の回転により周回する搬送ベルト103に遊技球を押圧して搬送するための通路部材を構成している。
尚、下部ローラ102は、図示しない揚送清浄モータ80により駆動する駆動ローラとされ、上部ローラ101は従動ローラとされており、図18中矢印方向(右側面視時計回り)に回転するようになっている。また、図18に示すように、下部ローラ102の上方近傍位置、つまり、上部ローラ101とガイドローラ107との間における切欠凹部150a,150bに対応する位置には、搬送ベルト103の張力を調整可能なテンションローラ108が配置されており、搬送ベルト103の外面103aにおける上部ローラ101とガイドローラ107との間に当接して内側に押圧付勢することにより搬送ベルト103に対し所定の張力を付与している。
清浄搬送通路カバー104は、斜め上下方向に延びる板状部材にて構成され、図19及び図21に示されるように、左右一対の支持板353の上端に跨るように配設さている。清浄搬送通路カバー104の内面には、特に図21に示されるように、上下方向に延設される清浄搬送通路115を形成するための略半球状の凹溝113が複数列(本実施例では7列)並設して形成された縦長の通路板114が、複数のコイルバネ117を介して搬送ベルト103に向けて付勢された状態で配置されており、清浄搬送通路カバー104を閉塞位置に位置したときに、搬送ベルト103の外面103aに対向配置され、これら複数の凹溝113により、斜め上下方向に延びる複数列の清浄搬送通路115が形成される。
そしてこれら各凹溝113にガイドされる各清浄搬送通路115内の遊技球Pは、この通路板114により搬送ベルト103に押圧されることにより、搬送ベルト103の移動により通路内を上方に向けて移動して揚送されるようになっている。つまり、通路板114における遊技球Pとの対向面(内面)は、遊技球Pの移送面を構成している。
また、この通路板114の内面側には、各通路内を移送する遊技球Pに摺接することにより清浄する清浄部材としての清浄布116が敷設されていることで、この清浄布116を介して通路板114により遊技球Pが搬送ベルト103に向けて押圧されることで、搬送ベルト103の移動により、遊技球Pが清浄布116に摺接(当接)されながら移送されるため、遊技球Pが揚送とともに清浄(研磨)されるようになっている。つまり、本実施例における揚送清浄装置2500は、遊技球Pを清浄しながら揚送する。
この清浄布116は帯状をなし、清浄搬送通路カバー104の通路板114の内面に沿って上下方向(遊技球の移送方向の上流側から下流側)に張設される。該張設された清浄布116の上側は、清浄搬送通路カバー104の上端部(下流側折返し部)にて外側下向きに折返された後、被巻取りローラ351に巻回され、清浄布116の下側は、清浄搬送通路カバー104の下端部(上流側折返し部)にて外側下向きに折返された後、巻取りローラ352に巻回されている。
尚、本実施例では、清浄布116は巻取りローラ等を介して自動的に未使用部が清浄部に引き出されるようになっていたが、手動にて未使用部を引き出して清浄部に配置するようにしてもよい。
このように清浄搬送通路カバー104により形成される清浄搬送通路115は、図18に示すように、回転軸101aから回転軸102aにかけて本体100の下側、つまり搬送ベルト103の上昇側に形成されている。そして清浄搬送通路115を上方に移送された遊技球Pは、アール状通路105Aから揚送通路358Aへ搬送され、最終的には、上部タンク3内に排出されるようになっている。
図19に示すように、アール状通路105A(図19中網点領域参照)は、清浄搬送通路115にて搬送されてきた遊技球を案内する略円弧状の案内面105aを有し、揚送通路358A(図19中斜線領域参照)は、アール状通路105Aの上端部から上方に延びるように設けられている。また、回動体としての搬送ベルト103は、案内面105aに対向する位置に回動可能に設けられており、該上部ローラ101により案内面105a側に押圧されることで、搬送ベルト103の外面103aと案内面105aとの間に挟持できるようになっている。よって、揚送清浄モータ80(図示略)により下部ローラ102を回転駆動し、上部ローラ101及び下部ローラ102に掛け渡された搬送ベルト103を周回させることで、上部ローラ101を介して搬送ベルト103の外面103aにより案内面105aに押圧された遊技球Pが、搬送ベルト103の移動により案内面105aに沿って転動しながら搬送されるようになっている。
また、揚送通路358Aの下部位置に設けられ遊技球が該下部位置から下方へ逆流することを阻止するワンウェイクラッチ405と、ワンウェイクラッチ405よりもアール状通路401側に設けられ、第1揚送通路402Aへ搬送されたもののワンウェイクラッチ405まで揚送されていない遊技球がアール状通路401へ逆流することを阻止する弾性部材450と、を備えている。
尚、本実施例2では、ワンウェイクラッチ405及び弾性部材450は、揚送通路部材358の前壁358Cに設けられている。弾性部材450は、前壁358Cに形成された孔部358Eを通して先端が揚送通路358A内に突出するように取り付けられており、アール状通路105Aから搬送されてきた遊技球が第3片451c(図10参照)を通過するときに、該遊技球が第3片451cを前壁358C側に押圧することにより第3片451cが弾性変形して遊技球の通過を許容し、遊技球が第3片451cを通過した後、弾性力により第3片451cが後壁358D側に復帰することで、通過した遊技球を第4片451d(図10参照)上に保持して落下、つまり、逆流を阻止するようになっている。
また、このように弾性部材450を前壁358C側に設ける場合において、弾性部材450における第3片451c及び第4片451dが、揚送通路358Aに搬送された遊技球の下部における該遊技球の中心よりも後壁358D側に当接して支持するようにすれば、該遊技球を前壁358C側、つまり、上部ローラ101の反対側に寄せて保持することができるので、上部ローラ101との接触を回避することができる。
このように、弾性部材450は、前記実施例1のように、揚送通路358Aにおける回動体(上部ローラ101)側の後壁358Dに取り付けられるものに限定されるものではなく、回動体(上部ローラ101)と対向する壁部である前壁358Cあるいは左右側壁のいずれに設けられていてもよい。
また、第2逆流阻止手段は弾性変形可能に構成された弾性部材に限定されるものではなく、例えば、第1揚送通路402Aに突出して遊技球の逆流を阻止する阻止位置と第1揚送通路402Aから退避する退避位置との間で移動可能に設けられた阻止部材と、該阻止部材を阻止位置に向けて常時付勢するバネ等の付勢手段とを設け、遊技球がアール状通路401から第1揚送通路402Aへ移動するときは付勢手段の付勢力に抗して退避位置に退避して通過を許容し、遊技球が通過すると付勢手段の付勢力にて退避位置から阻止位置に移動して、第1揚送通路402Aからアール状通路401への遊技球の移動を阻止するものであってもよい。このように付勢手段により付勢された阻止部材等も弾性部材に含まれる。
尚、上記阻止部材が阻止位置にあるとき、阻止部材を通過して第1揚送通路402Aに移動した遊技球の下部が該阻止部材により支持されるが、阻止部材の上面(遊技球の支持面)が前壁358C側に向けて下方に傾斜するように形成することで、遊技球を前壁358C側、つまり、上部ローラ101の反対側に寄せて保持することができるので、上部ローラ101との接触を回避することができる。
また、弾性部材450は、アール状通路105Aから揚送通路358Aに遊技球を誘導して1球ずつ送り出すとともに、該揚送通路358Aに送り出した遊技球が下方に落下してアール状通路105Aに逆流することがないように保持するものであり、本発明の第2逆流防止手段を構成している。
本実施例2では、図19に示すように、流入口37に流入した遊技球は、球導入通路106Aから清浄搬送通路115へ誘導され、清浄搬送通路115を上昇する途中で清浄布116に摺接されることにより清浄された後、アール状通路105Aに到達すると、搬送ベルト103の外面103aと案内面105aとに挟持された状態でアール状通路105Aを搬送されていく。そして、アール状通路105Aと揚送通路358Aとの間に到達すると、後壁358Dにより周方向への移動が規制され、案内面105aの下流側端部から上方に延びる揚送通路358Aへ案内される。
揚送通路358Aへ搬送された遊技球は、弾性部材450により下部が支持され、揚送通路358Aからアール状通路105Aへの逆流が防止されることで揚送通路358Aに滞留する。そして、揚送通路358Aへ後続球が案内される度に上方に押し上げられ、揚送通路358A内に複数の遊技球が数珠繋ぎ状態で滞留していく。また、後続球がない場合は、揚送通路358Aにある遊技球のうち最下位の遊技球の下部が弾性部材450にて支持されることで、揚送通路358Aに保持されて逆流が阻止される。
また、弾性部材450の第4片451d(図10参照)にて下部が支持された遊技球は、後続球により押し上げられるとき、ワンウェイクラッチ405のスプロケット405Aの周縁に接触して該スプロケット405Aを回動させ、スプロケット405Aの球受部と後壁358Dの内面との間に保持される。ここで、スプロケット405Aは正面視時計回りの回動は規制されているため、スプロケット405Aの球受部と後壁358Dの内面との間に保持されると、下方への移動、つまり、逆流が阻止される。
尚、本実施例では、弾性部材450を通過して揚送通路358Aへ搬送された遊技球のうち、第4片451dにて下部が支持された遊技球及び該遊技球の上方の4つの遊技球の荷重は弾性部材450に作用し、5つ目の遊技球より上方の遊技球の荷重はスプロケット405Aの球受部に作用するようになっている。
つまり、ワンウェイクラッチ405のスプロケット405Aよりも上方にある遊技球P3を含む複数の遊技球の荷重はスプロケット405Aに作用し、該スプロケット405Aと弾性部材450との間にある4球の遊技球の荷重は弾性部材450に作用するようになっている。
また、弾性部材450により下方から支持された遊技球は、搬送ベルト103の外面103aから完全に離脱されるので、後続球がないまま搬送ベルト103の回動が継続されても、搬送ベルト103の外面103aに接触して該搬送ベルト103を傷つける虞がない。
清浄搬送通路115の下方、つまり上流側には、前述した球導入通路カバー106により形成される球導入通路106Aが形成されており、清浄部材固定躯体350の背面下部に設けられた流入口37から流入される遊技球を、上方の清浄搬送通路115に向けて誘導するようになっている。
次に、本体100の詳細について、図21〜図30に基づいて説明する。図21〜図26に示すように、本体100は、一方のフレーム板100Lと、該フレーム板100Lに対し略平行をなすように離間して配置された他方のフレーム板100Rと、が回転軸101a,102a、ガイド軸109a、ガイド軸107aにより一体化されることで一の構造体を構成している。尚、本実施例では、フレーム板100L,100Rは回転軸101a,102a、ガイド軸109a、ガイド軸107aにより一体化されているが、これら軸部材以外の連結フレームにて一体化されていてもよい。
図26に示すように、切欠凹部150a,150bは、後側に開放する側面視略三角形状に形成され、少なくとも開口幅L3はテンションローラ108の直径L4よりも長寸(L3>L4)とされ、深さL3’はテンションローラ108の直径L4よりも短寸(L3’<L4)とされている。尚、深さL3’を、テンションローラ108の直径L4と同寸(L3’=L4)または長寸(L3’>L4)としてもよい。本実施例では、後述するように搬送ベルト103を押圧付勢した状態において、テンションローラ108の前半部、詳しくは、回動軸が後長辺100a,100bよりも前側に配置される程度に配置可能な深さL3’を有しており、左右のフレーム板100L,100Rにおいて搬送ベルト103を挟んで対向する後長辺100a,100bの長手方向の同位置に形成されている。
搬送ベルト103は、左右のフレーム板100L,100R同士の離間幅寸法L1よりも小寸の左右幅寸法L2を有し、フレーム板100L,100Rの周縁よりも外側を周回するように上部ローラ101、下部ローラ102、ガイドローラ107,109、テンションローラ108に掛け渡されている。また、テンションローラ108を除く上部ローラ101、下部ローラ102、ガイドローラ107,109は、無端状の搬送ベルト103の内側に配設されて該搬送ベルト103の内面に当接され、テンションローラ108は、無端状の搬送ベルト103の外側に配設されて該搬送ベルト103の外面103aにおける上部ローラ101とガイドローラ107との間に当接し搬送ベルト103の外面103aが内側に凹むように押圧付勢する。これにより、搬送ベルト103は切欠凹部150a,150bに差し掛かったところで、該切欠凹部150a,150bの縁辺に沿うように上下に移動する。
次に、テンションローラ108を含むテンションユニット160について説明する。テンションユニット160は、テンションローラ108と、該テンションローラ108を支持する支持体161と、から構成される。支持体161は、フレーム板100L,100Rそれぞれの外面に固定される左右一対の支持アーム162a,162b及びこれら左右一対の支持アーム162a,162bの上端を連結する連結片162cにより平面視略上向きコ字形をなすアーム部材162と、連結片162cにネジにて取り付けられる側面視前向きコ字形をなすガイド部材163と、ガイド部材163に対し斜め前後方向に移動可能に設けられる正面視前向きコ字形をなす軸受部材164と、アーム部材162に取り付けられ該アーム部材162がフレーム板100L,100Rそれぞれの外面に係止された状態を維持するためのロック部材165と、から主に構成される。
図26(A)に示すように、支持アーム162a,162bそれぞれの下端辺には、連結片162cに向けて延びる軸支溝170a,170bが形成されており、フレーム板100L,100Rの外側面に突設された軸支部材180に軸支可能とされている。軸支部材180は、図26(B)に示すように、軸支部180aと、該軸支部180aの先端に形成される軸支部180aよりも大径の頭部180bと、から構成されており、軸支部180aに軸支溝170a,170bを挿入することで、支持アーム162a,162bを軸心方向の移動を規制した状態で揺動可能に支持できるようになっている。
また、支持アーム162a,162bそれぞれの前長辺の所定箇所には、後長辺に向けて延びる係止溝171a,171bが形成されており、フレーム板100L,100Rの外側面に突設された係止部材190に係止可能とされている。係止部材190は、図26(B)に示すように、係止部190aと、該係止部190aの先端に形成される係止部190aよりも大径の頭部190bと、から構成されており、係止部190aに係止溝171a,171bを挿入することで、支持アーム162a,162bの軸心方向の移動及び揺動を規制できるようになっている。
尚、軸支部180aの長さL10は、支持アーム162a,162bの板厚より若干長寸に形成され、係止部190aの長さL11は、支持アーム162a,162bの板厚より長寸で、支持アーム162a,162bの板厚と後述するロック片178の板厚とを合算した長さよりも若干短寸とされ、後述するように、係止部190aに係止溝171a,171bを係止した状態で後述するロック片178を圧入可能とされている。
係止溝171a,171bから後側に離れた位置には、ロック部材165を軸支するための軸孔172a,172bが形成されている。また、支持アーム162a,162bの内面における軸孔172a,172bの近傍位置には、搬送ベルト103の左右側面をガイドするガイドローラ195が斜め上下方向を向く軸部材196を介して回動可能に支持されている。
このようにアーム部材162は、軸支部材180に軸支溝170a,170bを挿入することで、フレーム板100L,100Rに対し揺動可能に支持される。具体的には、テンションローラ108及び軸受部材164の少なくとも一部が切欠凹部150a,150bに配置される第1位置(図29(B)参照)と、テンションローラ108及び軸受部材164の少なくとも一部が切欠凹部150a,150bに配置されない第2位置(図29(A)参照)と、の間で揺動可能に支持され、係止溝171a,171bは、第1位置において係止部材190の係止部190aに係止される。
図22に示すように、上部ローラ101及び下部ローラ102の直径L7は、フレーム板100L,100Rの後長辺100a,100bに対し直交する短手幅寸法L8よりも長寸とされ(L7>L8)、搬送ベルト103の左右幅寸法L2(図23参照)は、フレーム板100L,100Rの離間幅寸法L1(図23参照)よりも小寸とされ(L2<L1)、フレーム板100L,100Rそれぞれの周端面の一部である後端面100c,100d及び支持アーム162a,162bの内面には、搬送ベルト103の左右側面をガイドするガイド部としてのガイドローラ140,195が設けられていることで、搬送ベルト103がフレーム板100L,100Rの後端面100c,100dよりも外側で、かつ、フレーム板100L,100Rの間を周回することで、ガイドローラ140,195をフレーム板100L,100Rの後端面100c,100dに配設することができるため、ガイドローラ140,195をフレーム板100L,100Rの間に配置する場合よりもフレーム板100L,100Rの離間幅寸法L1を短寸とすることができるばかりか、支持アーム162a,162bにガイドローラ140,195が設けられることで、切欠凹部150a,150bの近傍位置にもガイドローラ195を配設することが可能となる。
ロック部材165は、支持アーム162a,162bの外面側にそれぞれ配置される左右一対のロックアーム175a,175bと、ロックアーム175a,175bの一辺同士を連結する連結片175cと、から構成される。ロックアーム175a,175bには軸孔176a,176bが形成されており、該ロックアーム175a,175bを支持アーム162a,162bの外側に配置した状態で軸孔172a,172bと軸孔176a,176bとを合致させ、軸部材177a,177b(図23参照)をそれぞれ外側から挿通することで、アーム部材162に対しロック部材165が軸部材177a,177bを中心として揺動可能に設けられる。
詳しくは、図27に示すように、ロック部材165は、アーム部材162に対し、連結片175cの下辺が支持アーム162a,162bの後側辺に近接するロック位置(図27中実線位置)と、連結片175cの上辺が支持アーム162a,162bの後側辺に当接するロック解除位置(図27中2点鎖線位置)と、の間で揺動可能に軸支され、図示しないコイルバネ等により常時ロック位置側に向けて回動するように付勢されている。
図27及び図28(A)に示すように、ロックアーム175a,175bの先端には、それぞれロック片178が形成されている。ロック片178は、ロック位置において係止溝171a,171bの一縁側に沿うように配置され、該係止溝171a,171b側には係止突部178aが形成されている。また、ロック片178は、図28(B)に示すように、所定の板厚を有し、その外面には、係止溝171a,171bに向けて支持アーム162a,162b側に傾斜するテーパ面178bが形成されており、板厚が係止溝171a,171b側に向けて漸次肉薄になるように横断面略楔形に形成されている。
図25に示すように、ガイド部材163は、テンションローラ108に沿うように延設される側面視略前向きコ字形をなす金属板にて構成され、接続板163cが連結片162cにネジにより取り付けられている。前板163aには貫通孔300a,300bが形成されているとともに、後板163bにおける貫通孔300a,300bに対応する位置には貫通孔301a,301bが形成されている。
軸受部材164は、テンションローラ108に沿うように延設される長板164aと、該長板164aの左右側端から前側に屈曲される軸受板164b,164cと、により正面視略下向きコ字形をなす金属板にて構成される。軸受板164b,164cには、テンションローラ108の回動軸108aの左右端が回動可能に支持されている。また、長板164aの後面にはガイド軸302a,302bが突設されており、これらガイド軸302a,302bがガイド部材163の貫通孔300a,300b、301a,301bに挿通されていることにより、軸受部材164及びテンションローラ108は、ガイド部材163に対し斜め前後方向に移動可能に支持されている。
また、図24及び図25に示すように、長板164aの前辺左位置からは支持片303が上方に向けて延設されており、該支持片303には、左側のガイド軸302aに環装された固定部材304が支持されている。また、ガイド軸302aにおける固定部材304と後板163bとの間には、圧縮コイルバネ305が、軸受部材164及びテンションローラ108をガイド部材163から離れる方向、つまり、搬送ベルト103側に向けて付勢するように環装されており、搬送ベルト103に対する付勢力を微調整できるようになっている。尚、ガイド軸302a,302bの先端にはストッパ302cが設けられており、ガイド軸302a,302bの貫通孔300a,300b、301a,301bからの逸脱が規制されている。
尚、本実施例では、左右のうち一方のガイド軸302aにのみテンションローラ108を付勢する圧縮コイルバネ305が環装されていたが、他方のガイド軸302bにも圧縮コイルバネ305を設けてもよい。また、特に圧縮コイルバネ305を設けなくてもよい。
また、図26(A)に示すように、このように構成された支持体161は、左右一対の支持アーム162a,162bを有するアーム部材162と、テンションローラ108を回動可能に支持する回動支持アームとしてのガイド部材163及び軸受部材164とを有し、回動支持アームとしてのガイド部材163及び軸受部材164は、左右一対の支持アーム162a,162bを有するアーム部材162に対し該支持アーム162a,162bの基端側(軸支溝170a,170b側)に向けて鋭角(例えば、角度θ=約45度)に取り付けられていることで、アーム部材162に対し回動支持アームとしてのガイド部材163及び軸受部材164を鈍角に取り付ける場合よりも、テンションローラ108をアーム部材162の揺動軸心となる軸支部180aに近づけて配置できるので、アーム部材162に対するガイド部材163及び軸受部材164の取付強度が向上する。
また、搬送ベルト103が回動すると該搬送ベルト103の下降路側に配置されるテンションローラ108には後向きの力、つまり、テンションローラ108がアーム部材162から離れる方向に力が作用するが、アーム部材162は、左右のフレーム板100L,100Rの外面に一端が軸支され、他端が搬送ベルト103の外側に配置されるように上方に向けて外側に傾斜するように配置され、該アーム部材162に対し回動支持アームとしてのガイド部材163及び軸受部材164が鋭角に取り付けられることで、テンションローラ108が搬送ベルト103とアーム部材162との間に挟まれるように配置されるため、アーム部材162によりテンションローラ108を搬送ベルト103に対し強く押し付けることが可能となる。さらに、テンションローラ108を搬送ベルト103の外面103aに対し略直交する方向に押圧付勢することができる。
また、図23に示すように、テンションローラ108の左右幅寸法L5及び該テンションローラ108の左右側部を回動可能に支持する回動軸108aや軸受部材164の左右幅寸法L6は、左右のフレーム板100L,100R同士の離間幅寸法L1よりも長寸とされている(L5,L6>L1)が、フレーム板100L,100Rには、テンションローラ108や軸受部材164の少なくとも一部を配置可能な大きさを有する切欠凹部150a,150bが形成されていることで、テンションローラ108や軸受部材164の前部をフレーム板100L,100Rに接触させることなく、後長辺100a,100bより前側に配置することが可能となっている。
次に、このように構成されたテンションユニット160のフレーム板100L,100Rへの取り付け状況について、図29及び図30に基づいて説明する。
まず、図29(A)に示すように、左右の支持アーム162a,162bがフレーム板100L,100Rの外側面に配置し、支持アーム162a,162bをフレーム板100L,100Rの長手方向に対し略直交する姿勢で軸支溝170a,170bを軸支部材180の軸支部180aに挿入する。尚、このときテンションローラ108は、圧縮コイルバネ305の付勢力により、ガイド部材163から離れた位置に配置されている。
次いで、図29(B)に示すように、支持アーム162a,162bを軸支部180aに支持させた第2位置から右側面視で反時計回りに回動させ、テンションローラ108を搬送ベルト103の外面103aに当接させた後、さらに搬送ベルト103の外面103aを押圧するように回動させて第1位置まで移動し、係止溝171a,171bを係止部190aに係止させる。尚、搬送ベルト103の外面103aを押圧するとき、支持アーム162a,162bの上端の軸支溝170a,170bが軸支部180aに軸支されていることにより、テンションユニット160の軸支溝170a,170bの反対側の端部を搬送ベルト103側に押し付けるように支持アーム162a,162bを回動させるだけで、テンションユニット160を搬送ベルト103側に強く押し付けることができるとともに、テンションローラ108を切欠凹部150a,150bに容易に配置することができる。尚、このときテンションローラ108は、圧縮コイルバネ305の付勢力に抗してガイド部材163に近づく。
次いで、図30(A)に示すように、支持アーム162a,162bが第1位置にあるときに、ロック部材165の連結片175cの上辺を押し上げるように右側面視時計回りに回動させて、ロック部材165をロック解除位置からロック位置に向けて移動させる。ここで、図30(B)に示すように、ロック部材165のロック片178のテーパ面178b側の肉薄部が、支持アーム162a,162bの外面と頭部180bとの間に入り込む。そして、ロック部材165の連結片175cの下辺をさらに強く押し上げることにより、ロック片178のテーパ面178b側の肉薄部が支持アーム162a,162bの外面と頭部180bとの間に挟持されることにより、支持アーム162a,162bの内面がフレーム板100L,100Rの外面に強く圧接され、その摩擦抵抗力が搬送ベルト103の張力より上回ることにより、支持アーム162a,162bが第2位置側へ押し戻されることが防止され、第2位置にてロック(維持)される。
また、ロック部材165により支持アーム162a,162bが第1位置に維持された状態において、搬送ベルト103の張力により支持アーム162a,162bを第2位置側へ押し戻す力が働くと、ロック部材165のロック片178のテーパ面178b側の肉薄部が支持アーム162a,162bの外面と頭部180bとの間により深く入り込むため、支持アーム162a,162bを第2位置にロック(維持)する力が増大して第2位置から回動しにくくなる。
さらに、係止突部178aが係止溝171a,171bの開口側に配置されることで、支持アーム162a,162bが搬送ベルト103の弾性力により第1位置から第2位置側に戻されそうになったときに係止部190aが係止突部178aに接触することで第1位置から第2位置側への移動が規制される。
このように、支持アーム162a,162bが第1位置に維持された状態において、搬送ベルト103の外面103aにおける上部ローラ101とガイドローラ107との間がテンションローラ108により前側(内側)に押圧付勢され、切欠凹部150a,150bの縁辺に沿うように側面視略三角形状をなすように凹む。これにより、上部ローラ101と下部ローラ102との間に掛け渡された搬送ベルト103に所定の張力が付与される。
テンションローラ108は、上部ローラ101と下部ローラ102との間に掛け渡された搬送ベルト103の外面103aにおける下降路の外側(後側)に配置され、上部ローラ101とガイドローラ107との間の直線状部の一部をフレーム板100L,100R側に凹ませるように押圧することにより搬送ベルト103に所定の張力を発生させるが、フレーム板100L,100Rに切欠凹部150a,150bが形成されていることにより、テンションローラ108の左右幅寸法L5及び該テンションローラ108の左右側部を回動可能に支持する回動軸108aや軸受部材164の左右幅寸法L6よりも、左右のフレーム板100L,100R同士の離間幅寸法L1を長寸としなくても、テンションローラ108や回動軸108a、軸受部材164をフレーム板100L,100Rに接触させることなく、テンションローラ108や回動軸108a、軸受部材164の一部がフレーム板100L,100Rの後長辺100a,100bよりも前側に位置するように、つまり、テンションローラ108や回動軸108a、軸受部材164の一部を切欠凹部150a,150bに配置することができるため、フレーム板100L,100Rの離間幅寸法L1を極力短寸として本体100を小型化することができる。
これにより、テンションユニット160が外側に大きく膨出することが防止されるばかりか、フレーム板100L,100Rの離間幅寸法L1を、テンションローラ108の左右幅寸法L5や回動軸108aや軸受部材164の左右幅寸法L6よりも長寸にしなくて済むため、左右幅を極力コンパクト化することができるため、遊技島1の内部に広い設置スペースを確保せずとも揚送清浄装置2500を設置することが可能となる。
また、図30(A)に示すように、支持アーム162a,162bは、係止溝171a,171bを係止部190aに係止させた第1位置に維持された状態において、フレーム板100L,100Rに対し斜めに傾斜して配置されるとともに、軸受部材164やガイド部材163からなる回動支持アームがアーム部材162に対し鋭角に設けられ、かつ、回動支持アームのガイド軸302a,302bが搬送ベルト103の外面103aに対しテンションローラ108を略直交する方向に付勢するように配置されるため、搬送ベルト103を好適に付勢することができる。
以上説明したように、本発明の実施例としての揚送清浄装置2500にあっては、遊技球を案内する略円弧状の案内面105aを有するアール状通路105Aと、該アール状通路105Aの上端から上方に延びる揚送通路358Aと、案内面105aに対向する位置に回動可能に設けられた回動体としての搬送ベルト103と、搬送ベルト103を回動させる駆動手段としての揚送清浄モータ80と、を備え、揚送清浄モータ80が下部ローラ102を駆動して搬送ベルト103を回動させることで、該搬送ベルト103と案内面105aとの間の遊技球がアール状通路105Aから揚送通路358Aへ搬送され該揚送通路358Aの遊技球を押し上げて揚送する揚送清浄装置2500であって、揚送通路358Aの下部に設けられ遊技球が該下部位置から下方へ逆流することを阻止する第1逆流阻止手段としてのワンウェイクラッチ405と、ワンウェイクラッチ405よりもアール状通路105A側に設けられ、揚送通路358Aへ搬送されたもののワンウェイクラッチ405まで揚送されていない遊技球がアール状通路105Aへ逆流することを阻止する第2逆流阻止手段としての弾性部材450と、を備えることで、揚送通路358Aの所定位置まで揚送された遊技球が逆流することがワンウェイクラッチ405により阻止されることで、ワンウェイクラッチ405より上方に揚送された遊技球の荷重が搬送ベルト103に加わり、下部ローラ102を介して揚送清浄モータ80に負荷がかかることを防止できるとともに、アール状通路105Aから揚送通路358Aへ搬送されたもののワンウェイクラッチ405まで揚送されていない遊技球がアール状通路105Aへ逆流することが弾性部材450により阻止されることで、ワンウェイクラッチ405まで揚送されていない遊技球が逆流し搬送ベルト103に接触して傷つけることが防止される。
また、本実施例では、揚送装置の一例として、回動体としての搬送ベルト103と案内面との間に挟持された遊技球を該搬送ベルト103の回動により搬送するとともに、清浄搬送通路115にて搬送する間に遊技球を清浄する機能を備えた揚送清浄装置2500が適用されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、このような清浄搬送通路115は必ずしも設けられていなくてもよく、例えば、清浄搬送通路115において清浄布116を敷設せず、単に揚送する通路として機能させてもよい。
また、回動体は、前記実施例1のスプロケット403や本実施例2の搬送ベルト103に限定されるものではなく、例えば、前記実施例1のスプロケット403の代わりに、本実施例2の上部ローラ101等を適用してもよく、この場合、プーリの外周面と案内面105aとの間に遊技球を挟持して搬送されるようにすればよい。
また、長板状の第1フレーム板としてのフレーム板100Lと、該フレーム板100Lに対し離れて並設される長板状の第2フレーム板としてのフレーム板100Rと、フレーム板100Lとフレーム板100Rとの間における長手方向の一端側と他端側それぞれに架設される2つの軸部材としての回転軸101a,102aと、該2つの回転軸101a,102aそれぞれに回動可能に設けられた2つの回動ローラとしての上部ローラ101及び下部ローラ102と、上部ローラ101と下部ローラ102とに掛け渡された無端帯状の搬送ベルト103と、該搬送ベルト103の外面103aに対向して配置された清浄部材としての清浄布116と、を備え、下部ローラ102を駆動させて搬送ベルト103を周回させることにより該搬送ベルト103と清浄布116との間に挟持された遊技球Pを搬送しながら清浄する揚送清浄装置2500において、フレーム板100L,100Rにおいて搬送ベルト103を挟んで対向する後長辺100a,100bの長手方向の同位置に形成される切欠凹部150a,150bと、搬送ベルト103の外面103aに当接し付勢されることで該搬送ベルト103に所定の張力を付与するテンションローラ108と、テンションローラ108を回動可能に支持する支持体161と、を備え、切欠凹部150aは、該テンションローラ108または支持体161の少なくとも一部を配置可能な大きさを有することで、テンションローラ108が搬送ベルト103の外面103aに当接し付勢されるときにフレーム板100L,100Rとの離間幅寸法L1に制限されることなく、テンションローラ108の少なくとも一部をフレーム板100L,100Rの後長辺100a,100bより内側に配置することができるため、揚送清浄装置2500をコンパクトにすることができる。
また、支持体161は、フレーム板100L,フレーム板100Rそれぞれに支持される2つの支持アーム162a,162bを有することで、テンションローラ108の左右端部を、フレーム板100L,100Rそれぞれに支持された2つの支持アーム162a,162bを介して安定して支持できる。
尚、本実施例では、支持体161はフレーム板100L,100Rに係止することにより取り付けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、本体100以外の箇所に取り付けられていても良い。また、回動軸108aの左右端部がそれぞれ別個のフレーム板100L,100Rに支持されていたが、左右いずれか一方のフレーム板にて支持されていても良い。
また、フレーム板100L,100Rは、支持アーム162a,162bを、テンションローラ108または支持体161の少なくとも一部が切欠凹部150a,150bに配置される第1位置(例えば、図30(A)に示す位置)とテンションローラ108または支持体161の少なくとも一部が切欠凹部150a,150bに配置されない第2位置(例えば、図29(A)に示す位置)との間で揺動可能に支持する軸支部180aと、支持アーム162a,162bそれぞれに設けられた係止溝171a,171bが係止される係止部190aと、を備え、係止溝171a,171bは、第1位置にて係止部190aに係止される(例えば、図29(B)参照)ことで、支持アーム162a,162bを、第2位置において軸支部180aに支持させて位置決めした状態で第1位置まで揺動(回動)することで、係止溝171a,171bを係止部190aに容易に係止させることができるため、テンションローラ108または支持体161の少なくとも一部を切欠凹部150a,150bに容易に配置することができる。
また、テンションローラ108を支持する支持体161を揺動(回動)可能に支持する軸支部材180が、搬送ベルト103の回動を支持するフレーム板100L及びフレーム板100Rに設けられていることで、搬送ベルト103に対するテンションローラ108の相対位置が不変となるため、例えば、本体100が揺動(移動)可能に設けられている場合でも(図18参照)、テンションローラ108を常に搬送ベルト103の同じ位置で押圧付勢することができる。
また、支持体161に設けられ、係止部190aと係止溝171a,171bとの係止状態を維持する維持部としてのロック片178を有するロック部材165を備え、該ロック部材165は、ロック片178が係止部190aと係止溝171a,171bとの間に圧入されて係止状態を維持する維持位置(例えば、図30(A)に示す位置)と、ロック片178が係止部190aと係止溝171a,171bとの間から離脱して係止状態の維持が解除される解除位置(例えば、図29(A)に示す位置)と、の間で移動可能であることで、ロック部材165を支持体161に対し移動させるだけで、係止部190aと係止溝171a,171bとの係止状態の維持または解除を容易に行うことができる。
尚、本実施例では、係止部190aと係止溝171a,171bとの係止状態を維持する維持部としてのロック片178を有するロック部材165を備えていたが、このように係止部と被係止部との係止状態を維持する維持部材は特に設けなくてもよい。また、維持部として、係止部と被係止部とを挟持することにより係止状態を維持するものに限定されるものではなく、係止部と被係止部とに挿通されて相対移動を規制するもの等であっても良い。
また、上部ローラ101、下部ローラ102の直径L7は、フレーム板100L,100Rの後長辺100a,100bに対し直交する短手幅寸法L8よりも長寸とされ(L7>L8)、搬送ベルト103の左右幅寸法L2は、フレーム板100L,100Rの離間幅寸法L1よりも小寸とされ(L2<L1)、フレーム板100L,100Rそれぞれの後端面100c,100d及び支持アーム162a,162bの内面には、搬送ベルト103の幅方向の両側面をガイドするガイドローラ140,195が設けられていることで、搬送ベルト103がフレーム板100L,100Rの後端面100c,100dよりも外側で、かつフレーム板100L,100Rとの間を周回することで、ガイド部をフレーム板100L,100Rの後端面100c,100dに配設することができるため、ガイドローラ140,195をフレーム板100L,100Rとの間に配置する場合よりもフレーム板100L,100Rの離間幅寸法L1を短寸としてコンパクト化することができるばかりか、支持アーム162a,162bにガイドローラ195が設けられることで、切欠凹部150a,150の近傍位置にもガイドローラ195を配設することが可能となる。
支持体161は、支持アーム162a,162bと、テンションローラ108を回動可能に支持するガイド部材163及び軸受部材164と、を有し、ガイド部材163及び軸受部材164は、支持アーム162a,162bに対し該支持アーム162a,162bの基端側に向けて鋭角(例えば、約45度)に取り付けられることで、アーム部材162に対し回動支持アームとしてのガイド部材163及び軸受部材164を鈍角に取り付ける場合よりも、テンションローラ108をアーム部材162の揺動軸心となる軸支部180aに近づけて配置できるので、支持アーム162a,162bに対するガイド部材163及び軸受部材164の取付強度が向上する。
尚、本実施例2では、テンションローラ108は、上部ローラ101の近傍位置に配設されていたが、テンションローラ108の配設位置は本実施例1に記載の位置に限定されるものではなく、例えば、搬送ベルト103における清浄布116と反対側の下降路における下部ローラ102の近傍位置に配設されていてもよい。
図31(A)には、揚送清浄装置2500の回路構成の一例が示されている。図31は、(A)は揚送清浄装置の回路構成の一例を示す説明図、(B)は揚送清浄動作、(C)は清浄開始待ち時間の設定状況を示す説明図である。
揚送清浄装置2500は、揚送清浄装置2500の駆動を制御するための各種回路が搭載されている。揚送清浄基板221には、例えば揚送清浄装置2500の駆動を制御するための揚送清浄制御用コントローラ220や、遊技球検出用の近接センサ210L,210Rからの検出信号を取り込んで揚送清浄制御用コントローラ220に伝送するスイッチ回路223、揚送清浄制御用コントローラ220からのモータ駆動信号をシャッタモータ202L,202R、揚送清浄モータ80に伝送する出力回路224などが搭載されている。
揚送清浄制御用コントローラ220は、揚送清浄制御用のプログラム等を記憶するROM(ReadOnlyMemory)230と、揚送清浄制御用のワークエリアを提供するRAM(RandomAccessMemory)231と、揚送清浄制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(CentralProcessingUnit)232と、I/O(Input/Outputport)233とを備えて構成される。
揚送清浄制御用コントローラ220には、揚送清浄装置2500に供給するための電力を直流電力から交流電力に変換するためのインバータ240を介して電力が供給されている。また、インバータ240は、図20及び図38に示すように、金属ボックス241に覆われた状態で収納されており、インバータ240が必要な周波数や電圧を自在に作り出すのに、トランジスタを高速でON,OFFすることで発生するノイズにより周辺機器に影響を与えることを回避できるようになっている。また、揚送清浄制御用コントローラ220は、遊技島1に設置され該遊技島1内における各種機器(例えば、計数装置15など)に接続される島コントローラ250に接続されている。
図38に示すように、金属ボックス241は、上面が開口する箱状の本体と、該本体の上面開口を開閉可能な蓋体(図示略)と、から構成されており、金属ボックス241内には、インバータ240と、揚送清浄基板221と、電源ライン等から侵入するノイズによる誤動作事故を防止するとともに、インバータ240で発生するノイズが電源ラインに漏洩したり、揚送清浄制御用コントローラ220などに漏洩することを防ぐためのノイズフィルター243と、電流センサ242と、がそれぞれ設けられており、上面開口を蓋体(図示略)にて閉塞することで、これら各電子機器の周囲が金属板にて覆われるようになっている。また、配線にフェライトコイル(磁性材料)を配置することによりノイズ漏れを抑制できるようにしてもよい。
図31(B)の説明図に示すように、揚送清浄制御用コントローラ220は、近接センサ210L,210Rによる遊技球の検出結果に基づいて、揚送清浄装置2500の揚送清浄モータ80及びシャッタモータ202L,202Rの駆動制御を行う。具体的には、揚送清浄制御用コントローラ220は、揚送清浄装置2500の駆動初期状態においては、シャッタ装置200L,200Rを非許容状態とする。そして、接続樋10L,10Rから流下溝9L,9Rに向けて揚送清浄装置2500にて揚送清浄される遊技球が滞留し、いずれかの近接センサ210L,210R;onであると判定したとき(近接センサ210L,210R;on)、揚送清浄装置2500にて揚送清浄される遊技球が接続樋10L,10Rから流下溝9L,9Rにかけて所定量以上滞留している、つまり、揚送清浄動作の開始条件が成立したとして、設定された清浄開始待ち時間(ta)が経過したときに、on判定された近接センサに対応する側のシャッタモータ202L,202Rにより可動板201L,201Rを閉鎖位置から開放位置に移動させ、シャッタ装置200L,200Rを許容状態とするとともに、揚送清浄モータ80を駆動して、揚送清浄動作を開始する。
また、揚送清浄動作を開始した後、いずれかの近接センサ210L,210R;offであると判定したとき(近接センサ210L,210R;off)、揚送清浄装置2500にて揚送清浄される遊技球が接続樋10L,10Rから流下溝9L,9Rにかけて所定量以上滞留していない、つまり、揚送清浄動作の停止条件が成立したとして、off判定された近接センサに対応する側のシャッタモータ202L,202Rにより可動板201L,201Rを開放位置から閉鎖位置に移動させ、シャッタ装置200L,200Rを非許容状態とした後、予め定められた清浄停止待ち時間(tb)が経過したとき、揚送清浄モータ80の駆動を停止して、揚送清浄動作を停止する。
この清浄停止待ち時間(tb)は、揚送清浄装置2500への遊技球の流入を規制したときに既に可動板201L,201Rを通過した全ての遊技球が揚送されるまでに要する時間を設定することが好ましい。具体的には、可動板201L,201Rが閉鎖位置に移動したときに揚送清浄装置2500内、つまり、清浄搬送通路115や球導入通路106Aに残存している遊技球に加え、可動板201L,201Rの下流側にある遊技球、つまり、図20に示すように、可動板201L,201Rから流入口37までの距離L20間に滞留している遊技球全てが揚送清浄装置2500内に供給され排出口38から排出されるまでに要する時間とされる。よって、近接センサ210L,210R;offであると判定したとき(近接センサ210L,210R;off)から清浄停止待ち時間(tb)が経過した時点で揚送清浄装置2500の揚送清浄駆動を停止することで、揚送清浄装置2500に残存する遊技球、合流通路11、接続樋10L,10Rにある遊技球を全て揚送して、少なくとも揚送清浄装置2500内部、つまり、清浄搬送通路115や球導入通路106Aに遊技球が残存しない状態としてから揚送清浄駆動を停止させることができる。
このように揚送清浄駆動を間欠的に行う場合において、揚送駆動を停止させたときに揚送経路(例えば、清浄搬送通路115や球導入通路106A)内に遊技球が残存しないことで、揚送清浄駆動を再開させる際に遊技球による負荷がかからない状態で揚送清浄モータ80の駆動を開始させることができる(駆動初期時にかかる負荷を軽減できる)。また、後述する搬送ベルト103にも駆動開始時に大きな負荷がかからないので、搬送ベルト103が破損すること等を防止できる。
尚、このように揚送清浄動作の停止条件が成立したときから予め定められた清浄停止待ち時間(tb)が経過したときに揚送清浄駆動を停止するのではなく、例えば揚送清浄装置2500の排出口38(図1参照)に遊技球の検出センサ等を設け、揚送清浄装置2500への遊技球の流入を規制した後、前記検出センサが遊技球を検出してから所定時間内に新たな遊技球が検出されなくなったことを条件に、揚送清浄駆動を停止させるようにしてもよい。
また、揚送清浄装置2500のメンテナンス作業等を実施する場合等には、特定の停止操作を行うことにより、揚送清浄装置2500の揚送駆動を手動で停止させることができるようになっているが、この場合においても、シャッタ装置200L,200Rにより揚送清浄装置2500への遊技球の流入を規制した後、所定期間が経過した時点で揚送清浄装置2500の揚送清浄駆動を停止する。
また、揚送清浄制御用コントローラ220は、近接センサ210L,210Rにより遊技球が所定時間(例えば、10秒)検出されず近接センサ210L,210R;offと判定したときから停止期間タイマにより計時を開始し、次回、近接センサ210L,210Rにより遊技球が所定時間(例えば、10秒)連続して検出され近接センサ210L,210R;onと判定するまでの時間、つまり、揚送清浄動作が停止されている停止期間(tc)を計時する。
そして、図31(C)に示すように、揚送清浄制御用コントローラ220は、近接センサ210L,210R;onと判定したときに、停止期間タイマにより計時された時間(停止期間:tc)が、0〜30秒の範囲内である場合は、後述する清浄停止待ち時間であり、可動板201L,201Rが閉鎖位置であるが、揚送清浄モータ80は駆動している状態、つまり、揚送清浄動作の実行中であるため、清浄開始待ち時間(ta)を設定せず(ta=0秒)、即座に遊技球を検出した近接センサに対応する側のシャッタモータ202L,202Rを介して可動板201L,201Rを閉鎖位置から開放位置に移動させてシャッタ装置200L,200Rを許容状態とし、揚送清浄動作を継続する。
尚、本実施例では、特に詳細な図示はしないが、揚送清浄制御用コントローラ220は、揚送清浄装置2500の起動処理において、清浄開始待ち時間(ta)として所定時間(例えば、30秒)を設定するようにしているため、起動後、最初に近接センサ210L,210R;onと判定したときは、清浄開始待ち時間(ta)30秒が経過したときに、近接センサに対応する側のシャッタモータ202L,202Rを介して可動板201L,201Rを閉鎖位置から開放位置に移動させてシャッタ装置200L,200Rを許容状態とし、揚送清浄動作を開始する。
また、停止期間(tc)が31〜120秒の範囲内である場合は、清浄開始待ち時間(ta)として120秒を設定し、近接センサ210L,210R;onと判定したときから120秒が経過したときに、遊技球を検出した近接センサに対応する側のシャッタモータ202L,202Rを介して可動板201L,201Rを閉鎖位置から開放位置に移動させてシャッタ装置200L,200Rを許容状態とする。また、停止期間(tc)が121秒以上である場合は、清浄開始待ち時間(ta)として180秒を設定し、近接センサ210L,210R;onと判定したときから180秒が経過したときに、遊技球を検出した近接センサに対応する側のシャッタモータ202L,202Rを介して可動板201L,201Rを閉鎖位置から開放位置に移動させ、シャッタ装置200L,200Rを許容状態とする。
すなわち、本実施例では、揚送清浄動作の開始条件が成立したとき、所定の清浄開始待ち時間(ta)が経過したことに基づいて揚送清浄動作を開始するが、この清浄開始待ち時間(ta)が、前回の揚送清浄動作が停止してから新たな揚送清浄開始条件が成立するまでの時間に応じて変更される、つまり、停止期間に応じて異なる清浄開始待ち時間が設定される。
例えば、揚送清浄動作を停止したときから回収通路に所定量以上の遊技球が滞留するまでの時間が短い場合、つまり、稼働しているパチンコ遊技機2が多い場合は、上部タンク3の貯留量が減少してパチンコ遊技機2への遊技球の供給が途絶えることがないように、清浄開始待ち時間として短い時間が設定されるので清浄動作が早く開始される。一方、揚送清浄動作を停止したときから回収通路に所定量以上の遊技球が滞留するまでの時間が長い場合、つまり、稼働しているパチンコ遊技機2が少ない場合は、上部タンク3の貯留量が減少してパチンコ遊技機2への遊技球の供給が直ちに途絶えることがなく、清浄開始待ち時間として長い時間が設定されるので、清浄動作が余裕をもって開始されるなど、パチンコ遊技機2の稼働状況に応じて効率よく清浄動作を行うことが可能となる。
尚、本実施例では、停止期間(tc)が31〜120秒の範囲内である場合は、清浄開始待ち時間(ta)が120秒に変更(設定)され、停止期間(tc)が121秒以上である場合は、清浄開始待ち時間(ta)が180秒に変更(設定)されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、停止期間(tc)や該停止期間(tc)に応じて設定される清浄開始待ち時間(ta)は上記以外の時間を設定するようにしてもよい。
また、本実施例では、停止期間(tc)に応じて清浄開始待ち時間(ta)が120秒または180秒に変更(設定)されるようになっていたが、3以上の清浄開始待ち時間(ta)に変更(設定)可能としてもよい。
また、本実施例では、近接センサ210L,210R;offと判定したことに基づいて対応するシャッタ装置200L,200Rを非許容状態に変化させるタイミングは、流入口37からシャッタ装置200L,200Rの上流側まで遊技球が滞留している状態とされている。具体的には、近接センサ210L,210R;offと判定されたときに、流入口37からシャッタ装置200L,200Rの上流側まで遊技球が滞留されているように、近接センサ210L,210Rは、可動板201L,201Rからそれぞれ同じ距離L21だけ上流側に離れた箇所に配設されている。
つまり、揚送清浄装置2500の駆動が開始された後、回収された遊技球が新たに加わることなく、流入口37から近接センサ210L,210Rにかけて滞留している遊技球がシャッタ装置200L,200Rの上流側付近まで減少するのに要する時間が約10秒以上、すなわち、近接センサ210L,210Rにより遊技球が検出されなくなってから近接センサ210L,210R;offと判定されるまでに要する時間である10秒よりも長い時間となる距離L21とされていればよい。このようにすることで、可動板201L,201Rが開放位置から閉鎖位置に移動したときに、その上流側にも遊技球が存在することになるので、回収された遊技球が直接可動板201L,201Rに衝突して損傷することを防止できる。
次に、揚送清浄制御用コントローラ220が実行する揚送清浄処理について、図32のフローチャートに基づいて説明する。図32は、揚送清浄制御用コントローラが実行する揚送清浄処理の制御内容を示すフローチャートである。尚、揚送清浄処理は、揚送清浄装置の起動処理を行った後のタイマ割込み処理にて実行される処理である。
揚送清浄制御用コントローラ220は、まず、揚送清浄装置2500の揚送清浄モータ80が駆動して揚送清浄動作が実行されていることを示す清浄中フラグがRAM231にセットされているか否かを判定する(ステップS101)。清浄中フラグがセットされていない場合(ステップS101;No)、揚送清浄動作の開始条件が成立したと判定されてから揚送清浄動作を行うまでの清浄開始待ち時間(ta)であることを示す清浄開始待ちフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS102)。
清浄開始待ちフラグがセットされていない場合(ステップS102;No)、近接センサ210L,210R;onであるか否か、つまり、近接センサ210L,210Rにより遊技球が所定時間である10秒連続して検出されたか否かを判定する(ステップS103)。近接センサ210L,210R;onでない場合は、揚送清浄装置2500にて揚送清浄される遊技球が接続樋10L,10Rから流下溝9L,9Rにかけて所定量以上滞留していないとして、そのまま処理を終了する。また、近接センサ210L,210R;onである場合、つまり、揚送清浄装置2500にて揚送清浄される遊技球が接続樋10L,10Rから流下溝9L,9Rにかけて所定量以上滞留している場合は(ステップS103;Yes)、停止期間タイマのカウント値を確認し、該停止期間タイマの値が31〜120秒の範囲の値であるか否かを判定する(ステップS104)。停止期間タイマの値が31〜120秒の範囲の値である場合(ステップS104;Yes)、清浄開始待ちタイマに120秒に相当する値をセットする(ステップS105)。また、停止期間タイマの値が31〜120秒の範囲の値でない場合(ステップS104;No)、清浄開始待ちタイマに180秒に相当する値をセットする(ステップS107)。そして、ステップS105またはステップS107の後、清浄開始待ちフラグをセットし(ステップS106)、終了する。尚、停止期間タイマの値が30秒以内の場合は、後述する清浄停止待ち時間であって清浄中フラグがセットされているので、後述するステップS128〜130の処理が行われる。
清浄開始待ちフラグがセットされている場合(ステップS102;Yes)、清浄開始タイマのタイマ値を1減算し(ステップS108)、清浄開始待ちタイマのタイマ値が0になったか否か、つまり、近接センサ210L,210R;offと判定されてから、ステップS105またはステップS107にて設定された時間が経過したか否かを判定する(ステップS109)。清浄開始待ちタイマのタイマ値が0になっていないときは(ステップS109;No)、清浄開始待ち時間であるとして、そのまま処理を終了する。また、清浄開始待ちタイマのタイマ値が0になっているときは(ステップS109;Yes)、可動板201L,201Rを閉鎖位置から開放位置へ移動させるとともに(ステップS110)、揚送清浄モータ80を駆動させて揚送清浄動作を開始させる(ステップS111)。そして、清浄開始待ちフラグをクリアし(ステップS112)、清浄中フラグをセットした後(ステップS113)、処理を終了する。
また、ステップS101にて清浄中フラグがセットされている場合(ステップS101;Yes)、揚送清浄動作の停止条件が成立したと判定されてから揚送清浄動作を停止するまでの清浄停止待ち時間(tb)であることを示す清浄停止待ちフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS120)。清浄停止待ちフラグがセットされていない場合(ステップS120;No)、近接センサ210L,210R;offであるか否か、つまり、近接センサ210L,210Rにより遊技球が所定時間である10秒検出されなかったか否かを判定し(ステップS121)、近接センサ210L,210R;offでない場合(ステップS121;No)は、そのまま処理を終了する。また、近接センサ210L,210R;offである場合(ステップS121;Yes)は、揚送清浄装置2500にて揚送清浄される遊技球が接続樋10L,10Rから流下溝9L,9Rにかけて所定量以上滞留していないとして、可動板201L,201Rを開放位置から閉鎖位置へ移動させるとともに(ステップS122)、清浄停止待ちタイマ値に清浄停止待ち時間である30秒に相当する値をセットし(ステップS123)、清浄停止待ちフラグをセットした後(ステップS124)、停止期間タイマのタイマをスタートさせ(ステップS125)、処理を終了する。
清浄停止待ちフラグがセットされている場合(ステップS120;Yes)、清浄停止待ちタイマのタイマ値を1減算し(ステップS126)、清浄停止待ちタイマのタイマ値が0になったか否かを判定する(ステップS127)。清浄停止待ちタイマのタイマ値が0になっていない場合(ステップS127;No)、近接センサ210L,210R;onであるか否か、つまり、近接センサ210L,210Rにより遊技球が所定時間である10秒連続して検出されたか否かを判定し(ステップS128)、近接センサ210L,210R;onでない場合(ステップS128;No)は、揚送清浄装置2500にて揚送清浄される遊技球が接続樋10L,10Rから流下溝9L,9Rにかけて所定量以上滞留していないとして、そのまま処理を終了する。また、近接センサ210L,210R;onである場合、つまり、揚送清浄装置2500にて揚送清浄される遊技球が接続樋10L,10Rから流下溝9L,9Rにかけて所定量以上滞留している場合は(ステップS128;Yes)、清浄停止待ち時間中であることから、停止期間タイマの値は0〜30秒の範囲内であるため、清浄開始待ちタイマに所定時間を設定することなく、可動板201L,201Rを閉鎖位置から開放位置へ移動させるとともに(ステップS129)、清浄停止待ちフラグをクリアして(ステップS130)、処理を終了する。つまりこの場合、揚送清浄動作は継続して実行される。
また、清浄停止待ちタイマのタイマ値が0になった場合(ステップS127;Yes)、揚送清浄モータ80の駆動を停止して(ステップS131)、揚送停止待ちフラグ及び清浄中フラグをクリアし(ステップS132)、処理を終了する。
次に、図33及び図34に基づいて、揚送清浄動作に伴う遊技球の回収状況の一例を説明する。図33は、(A)〜(C)は揚送清浄動作に伴う遊技球の回収状況の一例を示す説明図である。図34は、(D)〜(F)は揚送清浄動作に伴う遊技球の回収状況の一例を示す説明図である。尚、ここでは揚送清浄装置2500、右側のシャッタ装置200R、近接センサ210Rの動作状況について説明し、左側のシャッタ装置200L、近接センサ210Lの動作状況は同一であるため説明は省略する。
図33(A)に示すように、シャッタ装置200Rを非許容状態とされている場合において、各パチンコ遊技機2から排出された遊技球は、流下溝9R内に落下し、該流下溝9Rから接続樋10Rに向けて流下して回収されていく。そして、接続樋10Rにおいて、閉鎖位置にある可動板201Rにより流下が規制されることで、揚送清浄装置2500により揚送清浄される遊技球が、接続樋10Rの可動板201Rから流下溝9Rに向けて滞留(待機)されていく。
そして図33(B)に示すように、パチンコ遊技機2から新たに排出された遊技球が滞留している遊技球群の最後尾に次々と滞留していく。そして、滞留している遊技球群の最後尾が近接センサ210R付近に到達し、近接センサ210Rにより遊技球が所定時間である10秒連続して検出されたと判定されると(近接センサ210R;on)、揚送清浄装置2500にて揚送清浄される遊技球が接続樋10Rから流下溝9Rにかけて所定量以上滞留しているとして、近接センサ210R;onと判定された時点から所定の清浄開始待ち時間(ta)が経過したときに、可動板201Rが閉鎖位置から開放位置に移動されるとともに、揚送清浄モータ80が駆動されて揚送清浄動作が開始される。これにより、該可動板201Rにて規制され滞留していた遊技球が流入口37に誘導され、揚送清浄装置2500の内部に流入されていく(図33(C)参照)。
また、揚送清浄動作が行われることで、図34(D)に示すように、流入口37から合流通路11、接続樋10Rを介して流下溝9Rに向けて滞留している遊技球が揚送清浄装置2500に取り込まれて減少していく一方で、各パチンコ遊技機2から排出され回収される遊技球があれば、流入口37から合流通路11、接続樋10Rを介して流下溝9Rに向けて遊技球が滞留している状況が継続する。そして、各パチンコ遊技機2から排出され回収される遊技球数より揚送清浄装置2500に取り込まれる遊技球数が上回ると、滞留している遊技球は減少していく。尚、揚送清浄装置2500に取り込まれる遊技球数が各パチンコ遊技機2から排出され回収される遊技球数より上回ると、滞留している遊技球は維持または増加する。
そして、滞留している遊技球が減少し、滞留している遊技球群の最後尾が近接センサ210Rから離れていくと、近接センサ210L,210Rにより遊技球が所定時間である10秒検出されなくなると、揚送清浄装置2500にて揚送清浄される遊技球が接続樋10L,10Rから流下溝9L,9Rにかけて所定量以上滞留していないとして、図34(E)に示すように、可動板201Rが開放位置から閉鎖位置に移動される。
尚、前述したように、シャッタ装置200Rの上流側に遊技球がある状態で可動板201Rが開放位置から閉鎖位置に移動されるように距離L21が設定されていることで、可動板201Rが開放位置から閉鎖位置に移動したときに上流側に遊技球がいない状況となることがないので、接続樋10Rを流下する遊技球が可動板201Rに直接衝突することが防止されている。
そして、近接センサ210R;offと判定され可動板201Rが開放位置から閉鎖位置に移動されてから、清浄停止待ち時間である30秒が経過するまでに近接センサ210Rが新たにonとならなければ、揚送清浄モータ80の駆動が停止される。この後、図33(A)の状態に戻ることになる。
次に、図35及び図36に基づいて、揚送清浄動作の開始、停止状況の一例を説明する。図35は、(A)は停止期間が121秒以上の場合、(B)は停止期間が30秒〜120秒の場合の揚送清浄動作の開始タイミングを示すタイミングチャートである。図36は、停止期間が0〜30秒の場合の揚送清浄動作の開始タイミングを示すタイミングチャートである。
図35(A)に示すように、例えば、近接センサ210R;onと判定された場合、その時点から清浄開始待ちタイマによるカウントが開始され、清浄開始待ち時間(ta1)として30秒が設定されている場合、該30秒が経過した時点で、可動板201Rが閉鎖位置から開放位置へ移動するとともに、揚送清浄モータ80が駆動されて揚送清浄動作が開始される。
そして、揚送清浄動作中において近接センサ210R;offと判定された場合、清浄停止待ちタイマによるカウントが開始されるとともに、停止期間タイマによるカウント(計時)が開始される。そして、清浄停止待ち時間(tb)である30秒が経過した時点で、揚送清浄モータ80の駆動が停止され、揚送清浄動作が終了する。
次いで、近接センサ210R;offと判定された後、近接センサ210R;onと判定されたとき、その時点での停止期間タイマの値が121秒以上である場合、つまり、前回の近接センサ210R;offと判定されたときから121秒以上の時間が経過している場合、清浄開始待ち時間(ta2)として180秒が設定される。よって、近接センサ210R;onと判定されたときから180秒が経過した時点で、可動板201Rが閉鎖位置から開放位置へ移動するとともに、揚送清浄モータ80が駆動されて揚送清浄動作が開始される。
また、図35(B)に示すように、揚送清浄動作中において近接センサ210R;offと判定された後、再度近接センサ210R;onと判定されたとき、その時点での停止期間タイマの値が31秒〜120秒の間である場合、つまり、前回の近接センサ210R;offと判定されたときから31秒〜120秒以内の時間が経過していた場合、清浄開始待ち時間(ta3)として120秒が設定される。よって、近接センサ210R;onと判定されたときから120秒が経過した時点で、可動板201Rが閉鎖位置から開放位置へ移動するとともに、揚送清浄モータ80が駆動されて揚送清浄動作が開始される。
また、図36(A)に示すように、右側の近接センサ210R;onと判定されたことに基づいて揚送清浄動作が実行されている場合において、例えば遊技島1の左側のパチンコ遊技機2から回収される遊技球が増加して、左側の近接センサ210L;onと判定されたとき、その時点での停止期間タイマの値が30秒以内である場合、つまり、前回の近接センサ210R;offと判定されたときから30秒以内の時間が経過していた場合は、右側の近接センサ210R;offと判定されたことに基づく清浄停止待ち時間内であって、右側の可動板201Rは閉鎖位置にあるが揚送清浄モータ80による揚送清浄動作が実行中であるため、清浄開始待ち時間(ta4)は設定されず、左側の可動板201Lが閉鎖位置から開放位置へ移動するとともに、揚送清浄モータ80による揚送清浄動作は継続される。
このように、清浄停止待ち時間内において近接センサ210L,210R;onと判定された場合、つまり、停止期間タイマの値が30秒以内の時間である場合、閉鎖位置にある可動板201L,201Rを直ちに開放位置に移動して揚送清浄動作を継続するようになっていることで、揚送清浄動作を停止した後に直ちに開始するといった無駄な制御を行わずに済むとともに、遊技球を速やかに上部タンク3に揚送することができるので、パチンコ遊技機2への遊技球の供給が途絶えることを回避できる。
尚、本実施例では、上記のように、清浄停止待ち時間内において近接センサ210L,210R;onと判定された場合、つまり、停止期間タイマの値が30秒以内の時間である場合、閉鎖位置にある可動板201L,201Rを直ちに開放位置に移動して揚送清浄動作を継続するようになっているが、清浄開始待ち時間として所定時間(例えば、60秒など)を設定し、一旦、揚送清浄動作を停止した後、清浄開始待ち時間が経過してから揚送清浄動作を新たに開始するようにしてもよい。
以上説明したように、本発明の実施例としての遊技島1にあっては、複数設置されたパチンコ遊技機2から排出される遊技球を回収する回収通路としての回収樋17,17、誘導樋19、流下溝9L,9R、接続樋10L,10R、合流通路11と、これら回収通路にて回収された遊技球を清浄する揚送清浄装置2500と、を備え、揚送清浄制御用コントローラ220は、図32に示す揚送清浄処理におけるステップS103において近接センサ210L,210R;onになったか否か、つまり、揚送清浄装置2500にて揚送清浄される遊技球が接続樋10L,10Rから流下溝9L,9Rにかけて所定量以上滞留しているか否かを判定し、図32に示す揚送清浄処理におけるステップS103において近接センサ210L,210R;onになったと判定した後、ステップS109において清浄開始待ちタイマのタイマ値が0になったと判定したときに可動板201L,201Rを開放位置に移動して揚送清浄モータを駆動させ、また、ステップS121において近接センサ210L,210R;offになったと判定した後、ステップS127において清浄停止待ちタイマのタイマ値が0になったと判定したときに可動板201L,201Rを閉鎖位置に移動して揚送清浄モータを停止させる。また、揚送清浄制御用コントローラ220は、図32に示す揚送清浄処理におけるステップS121において近接センサ210L,210R;offになったと判定したとき、ステップS125にて停止期間タイマをスタートさせて計時を開始させ、図32に示す揚送清浄処理におけるステップS103において近接センサ210L,210R;onになったと判定したとき、ステップS104にて停止期間タイマの値が31〜120秒の間であるときにはステップS105にて清浄開始待ちタイマに120秒をセットし、ステップS104にて停止期間タイマの値が31〜120秒の間でないときにはステップS107にて清浄開始待ちタイマに180秒をセットし、ステップS128にて近接センサ210L,210R;onになったと判定したときには、清浄開始待ちタイマに値をセットせずに可動板201L,201Rを開放位置に移動させる。
このようにすることで、回収通路に所定量以上の遊技球が滞留していると判定したときに揚送清浄動作を開始させ、回収通路に所定量以上の遊技球が滞留していないと判定したときに揚送清浄動作を停止させる、つまり、揚送清浄装置2500を間欠駆動できるため、無駄な揚送清浄動作、例えば、揚送清浄する遊技球が少ないにもかかわらず揚送清浄動作を実行してしまうこと等が防止される。
また、揚送清浄動作を停止したときから回収通路に所定量以上の遊技球が滞留するまでの時間が短い場合、つまり、稼働しているパチンコ遊技機2が多い場合は揚送清浄動作を早く開始させ、回収通路に所定量以上の遊技球が滞留するまでの時間が長い場合、つまり、稼働しているパチンコ遊技機2が少ない場合は余裕をもって揚送清浄動作を開始させるなど、パチンコ遊技機2の稼働状況に応じて効率よく揚送清浄動作を行うことが可能となる。
また、本実施例では、流下溝9L,9R、接続樋10L,10R、合流通路11に滞留している遊技球を検出する検出手段としての近接センサ210L,210Rと、揚送清浄装置2500と近接センサ210L,210Rとの間に設けられ、該揚送清浄装置2500への遊技球の流入を許容する許容状態と許容しない非許容状態とに変化可能な可動手段としてのシャッタ装置200L,200Rと、を備え、揚送清浄制御用コントローラ220は、図32に示す揚送清浄処理におけるステップS103において近接センサ210L,210R;onになったか否かを判定し、また、ステップS121において近接センサ210L,210R;offになったと判定したとき、ステップS122にてシャッタ装置200L,200Rを非許容状態に変化させ、ステップS123にて清浄停止待ちタイマに30秒に相当する値をセットし、その後、ステップS127にて清浄停止待ちタイマの値が0になったと判定したときに、ステップS131にて揚送清浄モータ80を停止させる。
このようにすることで、揚送清浄装置2500内に遊技球が残存する状態で揚送清浄動作が停止することが防止できるとともに、シャッタ装置200L,200Rが非許容状態にあるときに遊技球が直接シャッタ装置200L,200Rの可動板201L,201Rに衝突することを防止できる。
また、本実施例では、揚送清浄装置2500に供給するための電力を直流電力から交流電力に変換するためのインバータ240と、インバータ240を囲う金属製の金属ボックス241と、を備えることで、インバータ240を使用することにより発生するノイズにより周辺機器(例えば、揚送清浄制御用コントローラ220や近接センサ210L,210R、パチンコ遊技機2の各種電子機器等)に影響を与えることを回避できる。
尚、本実施例では、本発明の清浄装置の一例として、遊技島1の下部に回収された遊技球を、遊技島1の上部の上部タンク3に揚送しつつ清浄する揚送清浄装置2500が適用されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を遊技島1の上部に揚送せずに清浄機能のみを有する清浄装置に適用してもよい。具体的には、例えば、揚送装置とは別個に、遊技島1の内部に配設された遊技球流路の一部に本発明が適用された清浄装置を配設すればよい。さらに、清浄装置は、遊技島1に配設されるものに限定されるものではなく、遊技島1以外の箇所で単独で使用されるものでもよい。
また、本実施例では、近接センサ210L,210R;offと判定されたとき、所定の清浄停止待ち時間が経過してから揚送清浄モータ80の駆動を停止するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、近接センサ210L,210R;offと判定されたとき、所定の清浄停止待ち時間の経過を待つことなく、直ちに揚送清浄モータ80の駆動が停止されるようにしてもよい。
また、本実施例では、近接センサ210L,210R;onと判定されたことに基づいて揚送清浄動作が開始された後、近接センサ210L,210R;offと判定されたことに基づいて揚送清浄動作の停止条件が成立するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、揚送清浄動作が開始されてから所定時間経過後に揚送清浄動作の停止条件が成立するようにしてもよい。
また、本実施例では、図32に示す揚送清浄処理において、ステップS121にて近接センサ210L,210R;offと判定されたことに基づいて、ステップS125にて停止期間タイマによる計時を開始するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ステップS121にて近接センサ210L,210R;offと判定された場合、ステップS122〜124の処理のみを実行し、ステップS131にて揚送清浄モータ80の駆動を停止したことに基づいて、停止期間タイマによる計時を開始するようにしてもよい。
図37には、本発明の変形例としての揚送清浄処理の一例が示されている。
前記実施例では、図32に示す揚送清浄処理において、ステップS121にて近接センサ210L,210R;offと判定されたことに基づいて、ステップS125にて停止期間タイマによる計時を開始するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、図37に示すように、ステップS103にて近接センサ210L,210R;onと判定された場合、ステップS104〜107の処理を実行した後、ステップS106aにおいて、清浄開始待ち時間設定用タイマをリセットし、該清浄開始待ち時間設定用タイマによる計時を開始するようにしてもよい。また、この場合、ステップS104aにおいて、清浄開始待ち時間設定用タイマのタイマ値が200〜300秒であるか否かを判定するようにすればよい。
このようにした場合、ステップS103にて近接センサ210L,210R;onと判定されたことに基づいて、ステップS111にて揚送清浄動作を開始するとともに、当該揚送清浄動作が停止された後、次回、ステップS103にて近接センサ210L,210R;onと判定されたときに、前回近接センサ210L,210R;onと判定されたときから今回近接センサ210L,210R;onと判定されるまでの時間に応じて、ステップS105またはステップS107にて清浄開始待ち時間が設定(変更)される。
すなわち、本発明は、前記実施例のように、近接センサ210L,210R;offと判定されたときから次に近接センサ210L,210R;onと判定されるまでの時間、つまり、揚送清浄動作が停止されている時間に応じて清浄開始待ち時間を設定(変更)するものに限定されるものではなく、本変形例のように、近接センサ210L,210R;onと判定されてから次に近接センサ210L,210R;onと判定されるまでの時間、つまり、前回揚送清浄動作が実行された期間とその後に揚送清浄動作が停止されていた期間とを合算した期間に応じて清浄開始待ち時間を設定(変更)するようにしてもよい。
また、本変形例の場合においても、ステップS103にて近接センサ210L,210R;onと判定されたときに、ステップS106aにて清浄開始待ち時間設定用タイマによる計時を新たに開始するものに限定されるものではなく、ステップS103にて近接センサ210L,210R;onと判定され、ステップS111にて揚送清浄モータ80の駆動を開始したことに基づいて、清浄開始待ち時間設定用タイマによる計時を開始するようにしてもよい。
また、本実施例では、接続樋10L,10Rにシャッタ装置200L,200Rが設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、流下溝9L,9R等、他の回収通路に配設されていてもよいし、特にこのようなシャッタ装置200L,200Rは設けられていなくてもよい。また、本実施例のシャッタ装置200L,200Rのように、シャッタ装置は各接続樋10L,10Rに対応して2箇所に配設されるものに限定されず、合流通路11における流入口37の手前に1つのみ配設されていてもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例2の揚送清浄装置2500は、本体100の上下に設けられた上部ローラ101と下部ローラ102とに掛け渡され、上部ローラ101及び下部ローラ102の回転により周回する搬送ベルト103と、下部ローラ102を駆動させる揚送清浄モータ80と、を備え、揚送清浄モータ80を駆動して下部ローラ102を回転させて搬送ベルト103を回転させることにより遊技球を揚送する揚送清浄装置2500が適用されていたが、例えば、揚送清浄モータ80を駆動して上部ローラ101を回転させて搬送ベルト103を回転させるものでもよい。
また、前記実施例では、遊技島1は、パチンコ遊技機2を設置可能な遊技島であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技機から排出される遊技球を回収可能な回収通路が必要な第1遊技機としての通常のパチンコ遊技機(前記実施例に記載のパチンコ遊技機2)だけでなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される封入式パチンコ遊技機(図示略)や、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(図示略)と、を含む複数種類の遊技機を設置可能としてもよい。
特に図示しないが、例えば、所定の間隔を隔てて立設される複数の支持体と、該複数の支持体間における該支持体の下端より上方の上方位置に架設される長板状の設置板と、前記設置板の下方に該設置板の長手方向に沿って配設される腰板とを備え、該設置板の長手方向に沿って遊技機が設置される遊技島において、前記設置板は、前記遊技機にて遊技を行う遊技者側から見て前記腰板の奥側に配設される該遊技機に関連する関連設備が必要な第1遊技機と、前記関連設備が不要な第2遊技機と、を含む複数種類の遊技機を設置可能であり、前記設置板に前記第1遊技機が設置されるときの態様であって前記腰板により前記設置板の下方における前記複数の支持体間に遊技者側空間が形成されない第1態様と、前記設置板に前記第2遊技機が設置されるときの態様であって前記設置板の下方における前記複数の支持体間の少なくとも下部に遊技者側空間が形成される第2態様と、のいずれかに変更可能としてもよい。
このように、前記実施例に記載のパチンコ遊技機2は、遊技機から排出される遊技球を回収可能な回収通路や揚送装置等の遊技機に関連して設置される関連設備が必要な遊技機であったが、例えば、遊技島1に設置する遊技機を上記封入式パチンコ遊技機(図示略)やスロットマシンのように関連設備が不要な遊技機に変更する場合、揚送清浄装置2500は不要となり、該揚送清浄装置2500を設置しておくためのスペースを有効に利用できなくなる。よって、前述したように本体100が極力コンパクト化されることで、関連設備が不要な遊技機を設置する場合において清浄装置が邪魔になることを極力回避できる。