JP2015070250A - 熱電変換材料及び熱電変換素子 - Google Patents

熱電変換材料及び熱電変換素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2015070250A
JP2015070250A JP2013206361A JP2013206361A JP2015070250A JP 2015070250 A JP2015070250 A JP 2015070250A JP 2013206361 A JP2013206361 A JP 2013206361A JP 2013206361 A JP2013206361 A JP 2013206361A JP 2015070250 A JP2015070250 A JP 2015070250A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermoelectric conversion
compound
dispersant
group
general formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013206361A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6009423B2 (ja
Inventor
加納 丈嘉
Takeyoshi Kano
丈嘉 加納
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2013206361A priority Critical patent/JP6009423B2/ja
Priority to PCT/JP2014/076056 priority patent/WO2015050113A1/ja
Publication of JP2015070250A publication Critical patent/JP2015070250A/ja
Priority to US15/086,510 priority patent/US20160211433A1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP6009423B2 publication Critical patent/JP6009423B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D5/00Coating compositions, e.g. paints, varnishes or lacquers, characterised by their physical nature or the effects produced; Filling pastes
    • C09D5/24Electrically-conducting paints
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N10/00Thermoelectric devices comprising a junction of dissimilar materials, i.e. devices exhibiting Seebeck or Peltier effects
    • H10N10/80Constructional details
    • H10N10/85Thermoelectric active materials
    • H10N10/856Thermoelectric active materials comprising organic compositions
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N10/00Thermoelectric devices comprising a junction of dissimilar materials, i.e. devices exhibiting Seebeck or Peltier effects
    • H10N10/80Constructional details
    • H10N10/85Thermoelectric active materials
    • H10N10/857Thermoelectric active materials comprising compositions changing continuously or discontinuously inside the material
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F220/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride ester, amide, imide or nitrile thereof
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/10Process efficiency
    • Y02P20/129Energy recovery, e.g. by cogeneration, H2recovery or pressure recovery turbines

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Composite Materials (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Abstract

【課題】熱電変換性能に優れた熱電変換材料、及び当該材料を用いた熱電変換素子を提供する。【解決手段】(a)カーボンナノチューブと、(b)下記一般式で表す繰り返し単位を含む分散剤を含有する熱電変換材料、及びこれを用いた熱電変換素子。Raは電子受容性基、Laは単結合、2価の連結基、Rは水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基、Xは酸素原子又は−NH−、Rbはポリアルキレンオキシド化合物、ポリ(メタ)アクリレート化合物、ポリシロキサン化合物、ポリアクリロニトリル化合物、ポリスチレン化合物から誘導される1価の基又はこれらを組み合わせた1価の基、炭素原子数5以上のアルキル基を表す。【選択図】図1

Description

本発明は、熱電変換材料、及びそれを用いた熱電変換素子に関する。
熱エネルギーと電気エネルギーを相互に変換することができる熱電変換材料は、熱電発電素子やペルチェ素子のような熱電変換素子に用いられている。熱電変換材料や熱電変換素子を応用した熱電発電は、熱エネルギーを直接電力に変換することができ、可動部を必要とせず、体温で作動する腕時計や僻地用電源、宇宙用電源等に用いられている。
熱電変換素子の熱電変換性能を評価する指標の1つとして、無次元性能指数ZT(以下、単に性能指数ZTということがある)がある。この性能指数ZTは、下記式(A)で示され、熱電変換性能の向上には、絶対温度1K当りの熱起電力(以下、熱起電力ということがある)Sおよび導電率σの向上、熱伝導率κの低減が重要である。
性能指数ZT=S・σ・T/κ (A)
式(A)において、 S(V/K):絶対温度1K当りの熱起電力(ゼーベック係数)
σ(S/m):導電率
κ(W/mK):熱伝導率
T(K):絶対温度
熱電変換材料には良好な熱電変換性能が要求され、現在主に実用化されているのは無機材料である。しかし、無機材料は、熱電変換素子への加工工程が複雑であり、高価で、有害物質を含む場合がある。
一方、有機熱電変換素子は、比較的廉価に製造でき、成膜等の加工も容易であること等から、近年、盛んに研究が進められ、有機熱電変換材料やそれを用いた熱電変換素子が報告されるに至っている。熱電変換の性能指数ZTを高めるためには、ゼーベック係数および導電率が高く、熱伝導率が低い有機素材が求められる。
例えば、特許文献1には、導電性高分子と熱励起効率を向上させうる化合物とを用いた、熱起電力に優れる熱電変換材料が提案されている。
また、導電性に優れた有機材料として、カーボンナノチューブが知られている。しかし、カーボンナノチューブは凝集しやすく、分散性が低い。そのため、カーボンナノチューブの分散性を高めることが試みられている。例えば、特許文献2には、カーボンナノチューブの分散性に優れる組成物として、カーボンナノチューブとともに導電性高分子等を含有した組成物が提案され、当該組成物を熱電変換材料として用いることが提案されている。
特開2013−84947号公報 特開2013−95821号公報
本発明は、カーボンナノチューブとカーボンナノチューブの分散剤とを含有し、当該カーボンナノチューブの分散性が良好で且つ熱起電力に優れた熱電変換材料、及びこれを用いた熱電変換素子を提供することを課題とする。
本発明者等は上記課題に鑑み、カーボンナノチューブとともに用いることで、カーボンナノチューブの分散性を向上させる化合物について検討した。その結果、電子受容性基と、立体反発基とを有する特定の高分子化合物が、溶媒中でカーボンナノチューブを良好に分散しうることを見出した。さらに、当該化合物とカーボンナノチューブとを含有する組成物が、優れた熱起電力を発揮し、熱電変換材料として有用であることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成された。
すなわち、上記の課題は以下の手段により達成された。
<1> (a)カーボンナノチューブと、(b)下記一般式(1A)で表される繰り返し単位及び下記一般式(1B)で表される繰り返し単位を含む分散剤、とを含有する熱電変換材料。
Figure 2015070250
(一般式(1A)において、Raは電子受容性基を表す。Laは単結合又は2価の連結基を表す。Rは水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。Xは酸素原子又は−NH−を表す。
一般式(1B)において、Rbはポリアルキレンオキシド化合物、ポリ(メタ)アクリレート化合物、ポリシロキサン化合物、ポリアクリロニトリル化合物、若しくはポリスチレン化合物から誘導される1価の基又はこれらを組み合わせた1価の基、又は炭素原子数5以上のアルキル基を表す。Lbは単結合又は2価の連結基を表す。R及びXは一般式(1A)と同義である。)
<2> (b)分散剤が、下記数式(I)を満たす、<1>項記載の熱電変換材料。
数式(I)
0.1eV≦|カーボンナノチューブのHOMO|−|分散剤のLUMO|≦1.9eV
(数式(I)中、|カーボンナノチューブのHOMO|はカーボンナノチューブのHOMO(最高被占軌道)のエネルギー準位の絶対値を、|分散剤のLUMO|は分散剤のLUMO(最低空軌道)のエネルギー準位の絶対値をそれぞれ表す。)
<3> 一般式(1A)において、Raがペリレンビスイミド化合物、テトラシアノキノジメタン化合物、フタロシアニン化合物、C60フラーレン化合物、又はC70フラーレン化合物から誘導される1価の基である、<1>又は<2>項記載の熱電変換材料。
<4> 一般式(1B)において、Rbがポリ(メタ)アクリレート化合物から誘導される1価の基である、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の熱電変換材料。
<5> 溶媒を含有する、<1>〜<4>のいずれか1項に記載の熱電変換材料。
<6> 基材上に、第1の電極、熱電変換層及び第2の電極を有する熱電変換素子であって、該熱電変換層が<1>〜<5>のいずれか1項記載の熱電変換材料を用いて形成される、熱電変換素子。
本発明において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本発明において、置換基に関してxxx基というときには、そのxxx基に任意の置換基を有していてもよい。また、同一の符号で示された基が複数ある場合は、互いに同じであっても異なっていてもよい。
各式で示される繰り返し構造は、まったく同じ繰り返し構造でなくとも、式に示される範囲であれば、異なった繰り返し構造をも含む。例えば、繰り返し構造がアルキル基を有する場合、各式で示される繰り返し構造は、メチル基を有する繰り返し構造のみでもよく、メチル基を有する繰り返し構造に加えて、他のアルキル基、例えばエチル基を有する繰り返し構造を含んでいてもよい。
本発明の熱電変換材料は、カーボンナノチューブの分散性がよく、塗布方法で熱電変換層を成膜するのに適している。当該材料を用いて形成された熱電変換層を備えた本発明の熱電変換素子は、優れた熱起電力を発揮する。
本発明の熱電変換素子の一例の断面を模式的に示す図である。図1中の矢印は素子の使用時に付与される温度差の方向を示す。 本発明の熱電変換素子の別の一例の断面を模式的に示す図である。図2中の矢印は素子の使用時に付与される温度差の方向を示す。
本発明の熱電変換材料は、(a)カーボンナノチューブと、(b)当該カーボンナノチューブの分散剤とを必須成分とし、必要に応じて他の成分を含有してなる。
[(a)カーボンナノチューブ]
本発明で用いるカーボンナノチューブ(以下、CNTともいう)は、1枚の炭素膜(グラフェン・シート)が円筒状に巻かれた単層CNT、2枚のグラフェン・シートが同心円状に巻かれた2層CNT、および複数のグラフェン・シートが同心円状に巻かれた多層CNTがある。本発明においては、単層CNT、2層CNT、多層CNTを各々単独で用いてもよく、2種以上を併せて用いてもよい。特に、導電性および半導体特性において優れた性質を持つ単層CNTおよび2層CNTを用いることが好ましく、単層CNTを用いることがより好ましい。
単層CNTの場合、グラフェンシートのグラフェンの六角形の向きに基づく螺旋構造の対称性を軸性カイラルといい、グラフェン上にある6員環の基準点からの2次元格子ベクトルのことをカイラルベクトルという。このカイラルベクトルを指数化した(n,m)をカイラル指数といい、このカイラル指数によって金属性と半導体性に分かれる。具体的には、n−mが3の倍数であるものが金属性を示し、3の倍数でないものが半導体性を示す。
本発明で用いる単層CNTは、半導体性のものであっても、金属性のものであってもよく、両者を併せて用いてもよい。また、CNTには金属等が内包されていてもよく、フラーレン等の分子が内包されたもの(特にフラーレンを内包したものをピーポッドという)を用いてもよい。
CNTはアーク放電法、化学気相成長法(以下、CVD法という)、レーザー・アブレーション法等によって製造することができる。本発明に用いられるCNTは、いずれの方法によって得られたものであってもよいが、好ましくはアーク放電法およびCVD法により得られたものである。
CNTを製造する際には、同時にフラーレンやグラファイト、非晶性炭素が副生成物として生じることがある。これら副生成物を除去するために精製してもよい。CNTの精製方法は特に限定されないが、洗浄、遠心分離、ろ過、酸化、クロマトグラフ等の方法が挙げられる。その他に、硝酸、硫酸等による酸処理、超音波処理も不純物の除去には有効である。併せて、フィルターによる分離除去を行うことも、純度を向上させる観点からより好ましい。
精製の後、得られたCNTをそのまま用いることもできる。また、CNTは一般に紐状で生成されるため、用途に応じて所望の長さにカットして用いてもよい。CNTは、硝酸、硫酸等による酸処理、超音波処理、凍結粉砕法等により短繊維状にカットすることができる。また、併せてフィルターによる分離を行うことも、純度を向上させる観点から好ましい。
本発明においては、カットしたCNTだけではなく、あらかじめ短繊維状に作製したCNTも同様に使用できる。このような短繊維状CNTは、例えば、基板上に鉄、コバルト等の触媒金属を形成し、その表面にCVD法により700〜900℃で炭素化合物を熱分解してCNTを気相成長させることによって、基板表面に垂直方向に配向した形状で得られる。このようにして作製された短繊維状CNTは基板から剥ぎ取る等の方法で取り出すことができる。また、短繊維状CNTはポーラスシリコンのようなポーラスな支持体や、アルミナの陽極酸化膜上に触媒金属を担持させ、その表面にCNTをCVD法にて成長させることもできる。触媒金属を分子内に含む鉄フタロシアニンのような分子を原料とし、アルゴン/水素のガス流中でCVDを行うことによって基板上にCNTを作製する方法でも配向した短繊維状のCNTを作製することもできる。さらには、エピタキシャル成長法によってSiC単結晶表面に配向した短繊維状CNTを得ることもできる。
CNTの平均長さは特に限定されないが、製造容易性、成膜性、導電性等の観点から、0.01〜1000μmであることが好ましく、0.1〜100μmであることがより好ましい。また、CNTの平均直径は特に限定されないが、耐久性、透明性、成膜性、導電性等の観点から、0.4nm以上100nm以下(より好ましくは50nm以下、さらに好ましくは15nm以下)であることが好ましい。
熱電変換材料中のカーボンナノチューブの含有量は、熱電変換性能の点で、熱電変換材料の全固形分中、すなわち熱電変換層中、5〜80質量%であることが好ましく、5〜70質量%であることがより好ましく、5〜50質量%であることが特に好ましい。
カーボンナノチューブは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
[(b)カーボンナノチューブの分散剤]
本発明で用いる分散剤は、下記一般式(1A)で表される繰り返し単位及び下記一般式(1B)で表される繰り返し単位を含む高分子化合物である。当該分散剤は、電子受容性基と、立体反発基とを有する。電子受容性基は、カーボンナノチューブへの吸着基としても機能する。これらの構造によって、当該分散剤は、熱電変換材料中でのカーボンナノチューブの分散性を高め、さらには、当該材料により形成された熱電変換層を備えた熱電変換素子に優れた熱起電力を発現させる。そのメカニズムは明らかではないが、下記のように推測される。
すなわち、カーボンナノチューブと本発明の分散剤を溶媒や樹脂に配すると、分散剤が吸着基の作用によりカーボンナノチューブへ吸着する。分散剤の吸着したカーボンナノチューブ同士は、分散剤の立体反発基の作用により互いに反発して、凝集しにくくなる。その結果、カーボンナノチューブの分散性が良好となる。熱電変換材料にカーボンナノチューブとともに当該分散剤を用いることで、カーボンナノチューブの分散性に優れた熱電変換材料が得られる。このような熱電変換材料は、塗布方法によって熱電変換層を成膜するのに、非常に適している。
さらに、分散剤が電子受容性基(吸着基)を有することで、カーボンナノチューブからの熱励起効率が向上し、熱励起キャリア数が増加するため、熱電変換材料の熱起電力が向上する。その結果、熱電変換性能が向上する。
分散剤は、下記数式(I)を満たす化合物であることが好ましい。

数式(I)
0.1eV≦|カーボンナノチューブのHOMO|−|分散剤のLUMO|≦1.9eV

数式(I)中、|カーボンナノチューブのHOMO|はカーボンナノチューブのHOMO(最高被占軌道)のエネルギー準位の絶対値を、|分散剤のLUMO|は分散剤のLUMO(最低空軌道)のエネルギー準位の絶対値をそれぞれ表す。
分散剤のLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital;最低空軌道)は、カーボンナノチューブのLUMOよりもエネルギー準位が低く、カーボンナノチューブのHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital;最高被占軌道)から発生した熱励起電子のアクセプター準位として機能する。
カーボンナノチューブのHOMOのエネルギー準位の絶対値と分散剤のLUMOのエネルギー準位の絶対値とが数式(I)を満たす関係にあるとき、熱励起効率が向上し、熱励起キャリア数が増加して、熱電変換材料は優れた熱起電力を備えたものとなり、好ましい。
なお、カーボンナノチューブ及び分散剤のHOMO及びLUMOのエネルギー準位は、HOMOエネルギーレベルに関しては、単一の各成分の塗布膜(ガラス基板)をそれぞれ作製し、光電子分光法によりHOMO準位を測定できる。LUMO準位に関しては、紫外可視分光光度計を用いてバンドギャップを測定した後、上記で測定したHOMOエネルギーに加えることにより、LUMOエネルギーを算出できる。本発明においてカーボンナノチューブ及び分散剤のHOMO及びLUMOのエネルギー準位は、当該方法により測定・算出された値を用いる。
本発明の分散剤は、下記一般式(1A)で表される繰り返し単位、及び下記一般式(1B)で表される繰り返し単位を含む共重合体である。
Figure 2015070250
一般式(1A)において、Raは電子受容性基を表す。Laは単結合又は2価の連結基を表す。Rは水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。Xは酸素原子又は−NH−を表す。
一般式(1B)において、Rbはポリアルキレンオキシド化合物、ポリ(メタ)アクリレート化合物、ポリシロキサン化合物、ポリアクリロニトリル化合物、若しくはポリスチレン化合物から誘導される1価の基又はこれらを組み合わせた1価の基、又は炭素原子数5以上のアルキル基を表す。Lbは単結合又は2価の連結基を表す。R及びXは一般式(1A)と同義である。
一般式(1A)のRaにおいて、電子受容性基は、電子受容体化合物から誘導される1価の基で、電子受容体として機能して熱励起効率を高めるとともに、カーボンナノチューブへの吸着基としても機能する。
Raは、ペリレンビスイミド化合物、テトラシアノキノジメタン化合物、フタロシアニン化合物、C60フラーレン化合物、又はC70フラーレン化合物から誘導される1価の基であることが好ましい。
ペリレンビスイミド化合物は、ペリレンビスイミド骨格を有する化合物であればよく、具体的には、下記の化合物1〜15が挙げられる。
Figure 2015070250
ペリレンビスイミド化合物として好ましくは、溶解性の観点から、上記化合物4〜6、9〜10、及び14〜15である。
テトラシアノキノジメタン化合物は、テトラシアノキノジメタン骨格を有する化合物であればよく、具体的には下記の化合物1〜6が挙げられる。
Figure 2015070250
テトラシアノキノジメタン化合物として好ましくは、LUMO準位の深さ及び合成しやすさの点から、上記化合物1、2、3及び6である。
フタロシアニン化合物は、フタロシアニン骨格を有する化合物であればよく、具体的には、銅フタロシアニン、ビスマスフタロシアニン、アンチモンフタロシアニン、コバルトフタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、鉛フタロシアニン、錫フタロシアニン、バナジウムフタロシアニン、チタンフタロシアニン、ウランフタロシアニン、マグネシウムフタロシアニン、銅フッ素化フタロシアニン、ビスマスフッ素化フタロシアニン、アンチモンフッ素化フタロシアニン、コバルトフッ素化フタロシアニン、亜鉛フッ素化フタロシアニン、鉛フッ素化フタロシアニン、錫フッ素化フタロシアニン、バナジウムフッ素化フタロシアニン、チタンフッ素化フタロシアニン、及びウランフッ素化フタロシアニンが挙げられる。なかでも、好ましくは、銅フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、銅フッ素化フタロシアニン、及び亜鉛フッ素化フタロシアニンである。
C60フラーレン化合物は、C60フラーレン骨格を有する化合物であればよく、具体的には、C60ピロリジントリスアシッド、C60ピロリジントリスアシッドエチルエステル、Bis[60]PCBM(Phenyl−C61−Butyricacid−Methyl ester)、[60]PCBM(Phenyl−C61−Butyricacid−Methyl ester)、[60]PCBB(Phenyl−C61−Butyricacid−butyl ester)、[60]PCBO(Phenyl−C61−Butyricacid−Octyl ester)、又は[60]ThCBM(Thienyl−C61−Butyricacid−methyl ester)が挙げられる。なかでも好ましくは、[60]PCBM(Phenyl−C61−Butyricacid−Methyl ester)、[60]PCBB(Phenyl−C61−Butyricacid−butyl ester)、又は[60]PCBO(Phenyl−C61−Butyricacid−Octyl ester)である。
C70フラーレン化合物は、C70フラーレン骨格を有する化合物であればよく、具体的には、[70]PCBM、[70]PCBB、[70]PCBO、[70]ThCBMが挙げられる。なかでも好ましくは、[70]PCBMである。
一般式(1A)において、Laの2価の連結基は、アルキレン基、−O−、−CO−、−COO−、−CONH−、−NR11−、−N1112−、−S−、−S(=O)−、又はこれらを組み合わせた2価の基が挙げられる。ここで、R11及びR12はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表し、当該アルキル基の炭素原子数は、それぞれ1〜2であることが好ましい。アルキレン基は、置換基を有してもよく、置換基としては水酸基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アンモニウム基が挙げられる。
アルキレン基の炭素原子数は1〜7が好ましい。
Laは好ましくは、アルキレン基、アルキレン基及び−O−を組み合わせた2価の基、アルキレン基、−O−及び−CO−を組み合わせた2価の基である。複数の基を組み合わせる場合、アルキレン基を介してXと結合することがより好ましい。
Rのアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、好ましくは、直鎖アルキル基である。当該アルキル基は置換されていてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、酸素原子、又は硫黄原子が好ましい。当該アルキル基の炭素原子数は1〜3が好ましく、1〜2がより好ましい。
Rとして好ましくは、炭素原子数1〜2のアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
Xは酸素原子が好ましい。
一般式(1A)で表される繰り返し単位(以下、繰り返し単位(1A)ともいう)の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以降、繰り返し単位(1A)の例示においてC70とあるのは、C70フラーレン化合物を表す。
Figure 2015070250
一般式(1B)のRbは立体反発基として機能する。
Rbのアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖アルキル基が好ましい。当該アルキル基の炭素原子数は5以上であり、5〜20が好ましく、6〜20がより好ましい。当該アルキル基は、置換基を有していてもよい。
Rbが、ポリアルキレンオキシド化合物、ポリ(メタ)アクリレート化合物、ポリシロキサン化合物、ポリアクリロニトリル化合物、若しくはポリスチレン化合物から誘導される1価の基の場合、それぞれのポリマー主鎖の末端基でLbと結合することが好ましい。
ポリアルキレンオキシド化合物、ポリ(メタ)アクリレート化合物、ポリシロキサン化合物、ポリアクリロニトリル化合物、ポリスチレン化合物を構成する各モノマーの繰り返し数は、30〜5000が好ましく、30〜1000がより好ましい。
当該ポリアルキレンオキシド化合物、ポリ(メタ)アクリレート化合物、ポリシロキサン化合物、ポリアクリロニトリル化合物、若しくはポリスチレン化合物は、置換基を有していてもよい。
ポリアルキレンオキシド化合物として具体的には、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシドが挙げられ、ポリエチレンオキシドが好ましい。
ポリ(メタ)アクリレート化合物として具体的には、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸イソブチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸プロピル、ポリメタクリル酸イソプロピル、ポリメタクリル酸イソボルニル、ポリメタクリル酸2エチルヘキシル、ポリメタクリル酸シクロヘキシル、ポリメタクリル酸ステアリル、ポリメタクリル酸テトラヒドロフルフリル、ポリメタクリル酸トリデシル、ポリメタクリル酸ベンジル、ポリメタクリル酸ラウリルが挙げられ、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸イソブチルが好ましい。
ポリシロキサン化合物として具体的には、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサンが挙げられ、ジメチルポリシロキサンが好ましい。
ポリアクリロニトリル化合物として具体的には、ポリアクリロニトリルが挙げられる。
ポリスチレン化合物として具体的には、ポリスチレン、ポリ(4−メトキシスチレン)が挙げられ、ポリスチレンが好ましい。
Rbとして好ましくは、ポリ(メタ)アクリレート化合物又はポリスチレン化合物から誘導される1価の基であり、より好ましくはポリ(メタ)アクリレート化合物から誘導される1価の基である。
Lbの2価の連結基として、アルキレン基、−O−、−CO−、−COO−、−CONH−、−NR11−、−N1112−、−S−、−S(=O)−、又はこれらを組み合わせた2価の基が挙げられる。ここで、R11及びR12はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表し、当該アルキル基の炭素原子数は、それぞれ1〜2であることが好ましい。当該アルキレン基は置換基を有してもよく、置換基としては水酸基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アンモニウム基、エステル基が挙げられる。アルキレン基の炭素原子数は1〜7が好ましい。また、Lbの炭素原子数は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましい。
Lbとして好ましくは、アルキレン基、−O−、−CO−、及び−S−を組み合わせた2価の基である。この場合、アルキレン基を介してXと結合し、−S−を介してRbと結合することがより好ましい。
一般式(1B)のR及びXは一般式(1A)と同義で、好ましい範囲も同様である。
一般式(1B)で表される繰り返し単位(以下、繰り返し単位(1B)ともいう)の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の具体例において、n、mはそれぞれ1以上の整数を表す。
Figure 2015070250
一般式(1A)で表される繰り返し単位、及び一般式(1B)で表される繰り返し単位の組み合わせの具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の具体例において、n、mはそれぞれ1以上の整数を表す。
Figure 2015070250
Figure 2015070250
Figure 2015070250
Figure 2015070250
本発明の分散剤は、繰り返し単位(1A)及び(1B)以外の繰り返し単位を含んでもよいが、繰り返し単位(1A)及び(1B)からなる共重合体が好ましい。
繰り返し単位(1A)及び(1B)を含む共重合体は、グラフト共重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体のいずれであってもよい。分散物の表面に立体反発基を均一且つ高密度に配置しやすいこと、及び合成のしやすさから、グラフト共重合体であることが好ましい。このような共重合体は、モノマーとマクロモノマーを共重合してグラフト共重合体を得る方法、モノマーと重合開始部位を有するモノマーとを共重合してポリマー鎖から重合をする方法、反応性基を有するポリマーに、もう1つのポリマーを高分子反応させグラフト共重合体を合成する方法、等により合成できる。中でも、グラフト鎖の導入率、及びグラフト鎖長等を制御しやすいという点から、モノマーとマクロモノマーを共重合してグラフト共重合体を得る方法が好ましい。
当該グラフト共重合体は、主鎖が繰り返し単位(1A)と繰り返し単位(1B)の共重合により形成され、繰り返し単位(1B)の立体反発基が側鎖となるものが好ましい。この場合、共重合体中の繰り返し単位(1B)部分はマクロモノマーから形成されることが好ましい。すなわち、繰り返し単位(1B)を形成しうるマクロモノマーと、繰り返し単位(1A)を形成しうるモノマーとを共重合してグラフト共重合体を合成することが好ましい。
繰り返し単位(1A)及び(1B)を含む共重合体において、繰り返し単位(1A)と(1B)との組成比は、モル基準で、繰り返し単位(1A):繰り返し単位(1B)が20〜90:80〜10が好ましく、40〜80:60〜20がより好ましい。
また、当該共重合体の重量平均分子量は、1,000〜80万が好ましく、1万〜30万がより好ましい。なお、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定できる。例えば、高分子化合物をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、高速GPC装置(例えば、HLC−8220GPC(東ソー株式会社製))を用いて、ポリスチレン換算で算出する事ができる。
熱電変換材料中の分散剤の含有率は、熱電変換性能の点から、カーボンナノチューブ100質量部に対して、5〜100質量部が好ましく、10〜80質量部がより好ましい。
本発明の熱電変換材料には、分散剤を1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
[(c)分散媒]
本発明の熱電変換材料は、分散媒を含有することが好ましい。
分散媒は、カーボンナノチューブを分散できればよく、水、有機溶媒およびこれらの混合溶媒を用いることができる。好ましくは有機溶媒であり、アルコール、クロロホルム等の脂肪族ハロゲン系溶媒、DMF、NMP、DMSO等の非プロトン性の極性溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、テトラメチルベンゼン、ピリジン等の芳香族系溶媒、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケントン等のケトン系溶媒、ジエチルエーテル、THF、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、ジグライム等のエーテル系溶媒等が好ましく、クロロホルム等の脂肪族ハロゲン系溶媒、DMF、NMP等の非プロトン性の極性溶媒、ジクロロベンゼン、キシレン、テトラリン、テトラメチルベンゼン等の芳香族系溶媒、THF等のエーテル系溶媒等がより好ましい。
本発明の熱電変換材料には分散媒を1種単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
また、分散媒は、あらかじめ脱気しておくことが好ましい。分散媒中における溶存酸素濃度を、10ppm以下とすることが好ましい。脱気の方法としては、減圧下超音波を照射する方法、アルゴン等の不活性ガスをバブリングする方法等が挙げられる。
さらに、分散媒は、あらかじめ脱水しておくことが好ましい。分散媒中における水分量を、1000ppm以下とすることが好ましく、100ppm以下とすることがより好ましい。分散媒の脱水方法としては、モレキュラーシーブを用いる方法、蒸留等、公知の方法を用いることができる。
熱電変換材料中の分散媒量は、熱電変換材料の全量に対して、25〜99.99質量%であることが好ましく、30〜99.95質量%であることがより好ましく、30〜99.9質量%であることがさらに好ましい。
[他の成分]
本発明の熱電変換材料は、カーボンナノチューブ、分散剤、分散媒に加えて、他の成分を含有していてもよい。
他の成分としては、上述の分散剤以外の高分子化合物(以下、他の高分子化合物)、酸化防止剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、可塑剤等が挙げられる。
他の高分子化合物としては、共役高分子及び非共役高分子が挙げられる。
酸化防止剤としては、イルガノックス1010(日本チガバイギー製)、スミライザーGA−80(住友化学工業(株)製)、スミライザーGS(住友化学工業(株)製)、スミライザーGM(住友化学工業(株)製)等が挙げられる。
耐光安定剤としては、TINUVIN 234(BASF製)、CHIMASSORB 81(BASF製)、サイアソーブUV−3853(サンケミカル製)等が挙げられる。
耐熱安定剤としては、IRGANOX 1726(BASF製)が挙げられる。可塑剤としては、アデカサイザーRS(アデカ製)等が挙げられる。
他の成分の含有率は、熱電変換材料の全固形分中、5質量%以下が好ましく、0〜2質量%がより好ましい。
[熱電変換材料の調製]
本発明の熱電変換材料は、上記の各成分を混合して調製することができる。好ましくは、分散媒にカーボンナノチューブ、分散剤、所望により他の成分を混合して、カーボンナノチューブを分散させて調製する。
熱電変換材料の調製方法に特に制限はなく、通常の混合装置等を用いて常温常圧下で行うことができる。例えば、各成分を溶媒中で撹拌、振とう、混練して溶解または分散させて調製すればよい。溶解や分散を促進するため超音波処理を行ってもよい。
また、上記分散工程において溶媒を室温以上沸点以下の温度まで加熱する、分散時間を延ばす、または撹拌、浸とう、混練、超音波等の印加強度を上げる等によって、カーボンナノチューブの分散性を高めることができる。
[熱電変換素子]
本発明の熱電変換素子は、基材上に、第1の電極、熱電変換層および第2の電極を有し、該熱電変換層は本発明の熱電変換材料によって形成される。
熱電変換素子は、熱電変換層の厚さ方向または面方向に温度差を維持することで機能するため、熱電変換層にはある程度の厚みが必要である。そのため、熱電変換層を塗布方法により成膜する場合、塗布する熱電変換材料に良好な塗布性や成膜性が要求される。本発明の熱電変換材料は、カーボンナノチューブの分散性が良好で塗布性や成膜性においても優れ、熱電変換層への成形・加工に適する。
本発明の熱電変換素子は、基材上に、第1の電極、熱電変換層及び第2の電極を有し、熱電変換層の少なくとも一方の面が第1の電極及び第2の電極に接するように配置されていればよく、第1の電極および第2の電極と熱電変換層との位置関係等、その他の構成については特に限定されない。例えば、熱電変換層が第1の電極および第2の電極で挟まれる態様、すなわち、基材上に第1の電極、熱電変換層および第2の電極をこの順に有している態様であってもよい。また、第1の電極および第2の電極が熱電変換層の一方の面に接するように配置される態様、すなわち、第1の電極及び第2の電極が同一基材上に互いに離間して形成され、両電極上に熱電変換層が積層された態様であってもよい。
本発明の熱電変換素子の構造の一例として、図1および図2に示す素子の構造が挙げられる。図1および図2中、矢印は、熱電変換素子の使用時における温度差の向きを示す。
図1に示す熱電変換素子1は、第1の基材12上に、第1の電極13および第2の電極15を含む一対の電極と、該電極13および15間に本発明の熱電変換材料で形成された熱電変換層14を備えている。第2の電極15の他方の表面には第2の基材16が配設されており、第1の基材12および第2の基材16の外側には互いに対向して金属板11および17が配設されている。
図2に示す熱電変換素子2は、第1の基材22上に、第1の電極23および第2の電極25が配設され、その上に本発明の熱電変換材料で形成された熱電変換層24が設けられている。
熱電変換層保護の観点から、熱電変換層の表面は電極又は基材により覆われることが好ましい。例えば、図1に示すように、熱電変換層14の一方の表面が第1の電極13を介して第1の基材12で覆われ、他方の表面が第2の電極15を介して第2の基材16で覆われていることが好ましい。この場合、第2の電極15の外側に第2の基材16を設けることなく第2の電極15が最表面として空気に晒されていてもよい。また、図2に示すように、熱電変換層24の一方の表面が第1の電極23及び第2の電極25並びに第1の基材22で覆われ、他方の表面も第2の基材26により覆われることが好ましい。
また、熱電変換素子に使用される基材の表面(熱電変換層との圧着面)には、予め電極が形成されていることが好ましい。基材又は電極と熱電変換層との圧着は、密着性向上の観点から100℃〜200℃程度に加熱して行うことが好ましい。
本発明の熱電変換素子の基材(熱電変換素子1における第1の基材12、第2の基材16)は、ガラス、透明セラミックス、金属、プラスチックフィルム等の基材を用いることができる。本発明の熱電変換素子において、基材はフレキシビリティーを有しているのが好ましく、具体的には、ASTM D2176に規定の測定法による耐屈曲回数MITが1万サイクル以上であるフレキシビリティーを有しているのが好ましい。このようなフレキシビリティーを有する基材は、プラスチックフィルムが好ましく、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−フタレンジカルボキシレート、ビスフェノールAとイソおよびテレフタル酸のポリエステルフィルム等のポリエステルフィルム、ゼオノアフィルム(商品名、日本ゼオン社製)、アートンフィルム(商品名、JSR社製)、スミライトFS1700(商品名、住友ベークライト社製)等のポリシクロオレフィンフィルム、カプトン(商品名、東レ・デュポン社製)、アピカル(商品名、カネカ社製)、ユーピレックス(商品名、宇部興産社製)、ポミラン(商品名、荒川化学社製)等のポリイミドフィルム、ピュアエース(商品名、帝人化成社製)、エルメック(商品名、カネカ社製)等のポリカーボネートフィルム、スミライトFS1100(商品名、住友ベークライト社製)等のポリエーテルエーテルケトンフィルム、トレリナ(商品名、東レ社製)等のポリフェニルスルフィドフィルム等が挙げられる。入手の容易性、耐熱性(好ましくは100℃以上)、経済性および効果の観点から、市販のポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、各種ポリイミドやポリカーボネートフィルム等が好ましい。
基材は、熱電変換層との圧着面に電極を設けて用いることが好ましい。基材上に設ける第1の電極および第2の電極を形成する電極材料としては、ITO、ZnO等の透明電極、銀、銅、金、アルミニウム等の金属電極、CNT、グラフェン等の炭素材料、PEDOT/PSS等の有機材料、銀、カーボン等の導電性微粒子を分散した導電性ペースト、銀、銅、アルミニウム等の金属ナノワイヤーを含有する導電性ペースト等が使用できる。これらの中でも、アルミニウム、金、銀または銅の金属電極、又はこれらの金属を含有する導電性ペーストが好ましい。
基材の厚さは、取り扱い性、耐久性等の点から、好ましくは30〜3000μm、より好ましくは50〜1000μm、さらに好ましくは100〜1000μm、特に好ましくは200〜800μmである。基材の厚みをこの範囲にすることで、熱伝導率が低下せず、外部衝撃による熱電変換層の損傷も起こりにくい。
熱電変換層の層厚は、0.1〜1000μmが好ましく、0.5〜100μmがより好ましい。膜厚をこの範囲にすることで、温度差を付与しやすく、膜内の抵抗の増大を防ぐことができる。
一般に、熱電変換素子では、有機薄膜太陽電池用素子等の光電変換素子と比べて、簡便に素子を製造できる。特に、本発明の熱電変換材料を用いると有機薄膜太陽電池用素子と比較して光吸収効率を考慮する必要がないため100〜1000倍程度の厚膜化が可能であり、空気中の酸素や水分に対する化学的な安定性が向上する。
熱電変換層の成膜方法は、特に限定されず、例えば、スピンコート、エクストルージョンダイコート、ブレードコート、バーコート、スクリーン印刷、ステンシル印刷、ロールコート、カーテンコート、スプレーコート、ディップコート等、公知の塗布方法を用いることができる。この中でも特に、スクリーン印刷が熱電変換層の電極への密着性に優れる観点で特に好ましい。
成膜後は、必要に応じて乾燥工程を行い、溶媒を除去することが好ましい。例えば、加熱乾燥、熱風を吹き付けることにより、溶媒を揮発、乾燥させることができる。
本発明の熱電変換素子は、優れた熱電変換性能を示し、熱電発電用物品の発電素子として好適に用いることができる。このような発電素子として、具体的には、温泉熱発電機、太陽熱発電機、廃熱発電機等の発電機、腕時計用電源、半導体駆動電源、(小型)センサー用電源等が挙げられる。
以下、実施例によって本発明をより詳しく説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
実施例に用いた分散剤を下記に示す。これらの分散剤の分子量は下記の通りである。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した。
分散剤1:重量平均分子量=21,000
分散剤2:重量平均分子量=21,000
分散剤3:重量平均分子量=25,000
分散剤c1:重量平均分子量=32,000
Figure 2015070250
ポリメチルメタクリレート(PMMA)のマクロモノマー合成
250mL容の3つ口フラスコに、メチルメタクリレート100g、チオプロピオン酸0.35gを投入し、80℃に加熱した。加熱後にAIBN(アゾビスイソブチロニトリル、和光純薬製)を17mg投入し40分反応させ、その後繰り返して2回AIBN(和光純薬製)を17mg投入し40分反応させた。その後、テトラヒドロフランを10g投入して反応を終了させた。反応液を再沈殿させ、中間体Aを60g得た。
250mL容の3つ口フラスコに、得られた中間体Aを15g、キシレン30g、グリシジルメタクリレート0.28g、ハイドロキノン0.01g、ジメチルラウリルアミン0.01gを投入し、リフラックス条件下で5時間反応させた。その後、反応液を再沈殿させ、ポリメチルメタクリレート(PMMA)のマクロモノマーを10g得た。
合成例1:分散剤1の合成
500mL容の3つ口フラスコに、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボキシリックジアンヒドリド4g、1−ヘプチルオクチルアミン4.5g、イミダゾール20gを投入し、180℃で5時間反応させた。反応液をエタノール、2N塩酸水で処理した後、有機層を取り出し、水洗、溶媒除去を行った。得られた反応物をカラム精製し、NN’−ビス(1−ヘプチルオクチル)ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボキシルビスイミド(化合物1A)を5g得た。
250mL容の3つ口フラスコに、上記で得られた化合物1A 4g、ターシャリーブタノール85mL、KOH 0.5gを投入し、加熱リフラックスさせた後に30分間攪拌した。反応液を冷却後、酢酸と2N塩酸水で反応液を処理した。処理後、反応液を水洗し、溶媒を除去して固体を得た。得られた固体を、150mLの10%炭酸カリウム水溶液で30分間リフラックス加熱した。反応液を、10%炭酸カリウム水溶液、2N塩酸水溶液、水で洗浄した後、溶媒を除去し、固体を得た。得られた固体を、トリエチルアミン水溶液で30分間リフラックス加熱した。反応液をフィルターろ過した後、2N塩酸水溶液で24時間処理した。得られた反応液をフィルターろ過した後、水洗、乾燥し、カラム精製を行い、N−(1−ヘプチルオクチル)ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボキシル−3,4−アンヒドリド−9,10−イミド(化合物1B)を1g得た。
250mL容の3つ口フラスコに、上記で得られた化合物1B 1g、6−アミノヘキシルアルコール0.5g、イミダゾール6gを投入し、160℃で4時間反応させた。反応後、エタノールで希釈し、2N塩酸水で24時間攪拌した。反応液をろ過し、乾燥させ、N−(1−ヘプチルオクチル)―N’―(6−アミノヘキシル)ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボキシルビスイミド(化合物1C)を1g得た。
250mL容の3つ口フラスコに、上記で得られた化合物1C 1g、メタクリル酸クロライド0.3g、トリエチルアミン0.3g、ジメチルアセトアミド3gを投入し、5℃で12時間反応させた。得られた反応液に酢酸エチルを加え、重曹水、水で洗浄した後、溶媒を除去して、目的とするペリレンビスイミド構造とメタクリレート構造とを有するモノマー1を0.8g得た。
250mL容の3つ口フラスコに、上記で得られたモノマー1を0.8g、上記で合成したPMMAのマクロモノマーを2g、ジメチルアセトアミドを4g投入し、80℃に加熱した。その後、重合開始剤V−601(和光純薬製)を0.0127g投入し、2時間反応させた。さらにV−601(和光純薬製)を0.0127g投入して2時間反応させる工程を2度繰り返した。得られた反応液を再沈殿させ、目的のポリマー1(分散剤1)を2g得た。
合成例2:分散剤2の合成
250mL容の3つ口フラスコに、ジメチルアセトアミドを4g投入して、80℃に加熱した。その溶液中に、上記分散剤1の合成過程で得られたモノマー1を0.8g、2−エチルヘキシルメタクリレートを2g、ジメチルアセトアミドを4g添加した上、重合開始剤V−601(和光純薬製)を0.05g溶解させた溶液を2時間かけて滴下した。滴下後さらに3時間反応させ、得られた反応液を再沈殿させ、目的のポリマー2(分散剤2)を2g得た。
合成例3:分散剤3の合成
250mL容の3つ口フラスコに、[60]PCBN(アルドリッチ製)10g、エチレングリコール50gを投入し、80℃で8時間反応させた。その後、ジクロロメタンを投入し、水洗、溶媒留去し、さらにカラム精製して、中間体3Aを2g得た。
250mL容の3つ口フラスコに、上記で得られた中間体3A 1g、0.3gメタクリル酸クロライド、0.3gトリエチルアミン、3gジクロロメタンを投入し、5℃で12時間反応させた。得られた反応液にジクロロメタンを加え、重曹水、水で洗浄した後、溶媒を除去して、目的とするC60構造とメタクリレート構造を有するモノマー3を0.6g得た。
250mL容の3つ口フラスコに、上記で得られたモノマー3を0.6g、上記で合成したPMMAのマクロモノマーを2g、ジメチルアセトアミドを4g投入し、80℃に加熱した。その後、重合開始剤V−601(和光純薬製)を0.0127g投入し、2時間反応させた。さらにV−601(和光純薬製)を0.0127g投入して2時間反応させる工程を2度繰り返した。得られた反応液を再沈殿させ、目的のポリマー3(分散剤3)を2g得た。
合成例4:分散剤c1の合成
250mL容の3つ口フラスコに、ブロモアセチルピレン(アルドリッチ製)5g、ジメチルプロピルアクリルアミド2.7g、テトラヒドロフラン100mLを投入し、室温で3時間反応させた。析出した固体をろ過して、モノマーc1を6g得た。
250mL容の3つ口フラスコに、上記で得られたモノマーc1を2.5g、上記で合成したPMMAのマクロモノマーを10g、ジメチルアセトアミドを20g投入し、80℃に加熱した。その後、重合開始剤V−601(和光純薬製)を0.03g投入し、2時間反応させた。さらにV−601(和光純薬製)を0.03g投入して2時間反応させる工程を2度繰り返した。得られた反応液を再沈殿させ、目的の分散剤c1を10g得た。
実施例1
熱電変換素子101
分散剤1 5mg、単層CNT(KH-chemical社製)5mgを、オルトジクロロベンゼン10ml中に添加し、超音波ホモジナイザーにて20分間分散させ分散液101を調製した。
基材として厚さ1.1mm、大きさ40mm×50mmのガラス基板を用いた。この基材をアセトン中で超音波洗浄した後、10分間UV−オゾン処理を行った。その後、この基材上の両端部側それぞれに、大きさ30mm×5mm、厚さ10nmの金を第1の電極および第2の電極として形成した。
調製した分散液101を、電極が形成された基材上にテフロン(登録商標)製の枠を貼り付け、その枠内に溶液を流し込み、60℃のホットプレート上で1時間乾燥させ、乾燥後に枠を取り外し、厚さ約1.1μmの熱電変換層を形成し、図1に示す構成の熱電変換素子101を作製した。
分散剤1のかわりに表1に示す分散剤を用いた以外は分散液101及び熱電変換素子101と同様にして、分散液102、103、c101及び熱電変換素子102、103、c101を作製した。
分散液のCNT分散性、及び熱電変換素子の熱起電力を下記の方法で評価した。また、用いたCNTと分散剤のHOMO及びLUMOエネルギーレベルを下記の方法で測定した。
[分散性]
分散液を室温で2日間放置して、CNTの沈降性を下記の基準により評価した。
A:目視でCNTの沈降が確認されなかった。
B:目視でCNTの沈降が確認された。
[熱起電力S]
各熱電変換素子の第1の電極を一定温度に保ったホットプレート上に設置し、第2の電極上に温度制御用のペルチェ素子を設置した。
ホットプレートの温度を一定(100℃)に保ちつつ、ペルチェ素子の温度を低下させることにより両電極間に温度差(0Kを超え4K以下の範囲)を付与した。
この時、両電極間に発生した熱起電力(μV)を両電極間に生じた特定の温度差(K)で除することにより、単位温度差当たりの熱起電力S(μV/K)を算出した。
[HOMO及びLUMOエネルギーレベルの測定]
下記の方法により、CNTと分散剤それぞれのHOMOエネルギー準位及びLUMOエネルギー準位を求めた。
HOMOエネルギー準位は、単一の各成分の塗布膜をガラス基板上にそれぞれ作製し、光電子分光法(理研計器社製:AC−2)によりHOMOエネルギー準位を測定した。LUMOエネルギー準位は、紫外可視分光光度計((株)島津製作所製:UV−3600)を用いて、バンドギャップを測定した後、先に測定したHOMOエネルギー準位に加えることにより、LUMOエネルギー準位を算出した。
次いで、CNTのHOMOのエネルギー準位の絶対値と分散剤のLUMOのエネルギー準位の絶対値との差|CNTのHOMO|−|分散剤のLUMO|を求めた。
Figure 2015070250
表1から明らかなように、電子受容性基を有する分散剤1〜3を用いたCNT分散液101〜103は優れた分散性を示した。さらに、これを用いた熱電変換素子101〜103は、電子受容性基を有しない分散剤c1を用いた熱電変換素子c101と比べて、高い熱起電力を示した。
実施例2
実施例1において、基材をポリイミド基板(東レデュポン製:カプトン)に変更した以外は熱電変換素子101と同様にして熱電変換素子201を作製した。
熱電変換素子201は熱電変換素子101と同様の高い熱起電力を示すとともに、曲げる事ができ、フレキシブル性に富むものであった。
1、2 熱電変換素子
11、17 金属板
12、22 第1の基材
13、23 第1の電極
14、24 熱電変換層
15、25 第2の電極
16、26 第2の基材

Claims (6)

  1. (a)カーボンナノチューブと、(b)下記一般式(1A)で表される繰り返し単位及び下記一般式(1B)で表される繰り返し単位を含む分散剤、とを含有する熱電変換材料。
    Figure 2015070250
    (一般式(1A)において、Raは電子受容性基を表す。Laは単結合又は2価の連結基を表す。Rは水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。Xは酸素原子又は−NH−を表す。
    一般式(1B)において、Rbはポリアルキレンオキシド化合物、ポリ(メタ)アクリレート化合物、ポリシロキサン化合物、ポリアクリロニトリル化合物、若しくはポリスチレン化合物から誘導される1価の基又はこれらを組み合わせた1価の基、又は炭素原子数5以上のアルキル基を表す。Lbは単結合又は2価の連結基を表す。R及びXは一般式(1A)と同義である。)
  2. 前記(b)分散剤が、下記数式(I)を満たす、請求項1記載の熱電変換材料。
    数式(I)
    0.1eV≦|カーボンナノチューブのHOMO|−|分散剤のLUMO|≦1.9eV
    (数式(I)中、|カーボンナノチューブのHOMO|はカーボンナノチューブのHOMO(最高被占軌道)のエネルギー準位の絶対値を、|分散剤のLUMO|は分散剤のLUMO(最低空軌道)のエネルギー準位の絶対値をそれぞれ表す。)
  3. 前記一般式(1A)において、Raがペリレンビスイミド化合物、テトラシアノキノジメタン化合物、フタロシアニン化合物、C60フラーレン化合物、又はC70フラーレン化合物から誘導される1価の基である、請求項1又は2記載の熱電変換材料。
  4. 前記一般式(1B)において、Rbがポリ(メタ)アクリレート化合物から誘導される1価の基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱電変換材料。
  5. 溶媒を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱電変換材料。
  6. 基材上に、第1の電極、熱電変換層及び第2の電極を有する熱電変換素子であって、該熱電変換層が請求項1〜5のいずれか1項記載の熱電変換材料を用いて形成される、熱電変換素子。
JP2013206361A 2013-10-01 2013-10-01 熱電変換材料及び熱電変換素子 Expired - Fee Related JP6009423B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013206361A JP6009423B2 (ja) 2013-10-01 2013-10-01 熱電変換材料及び熱電変換素子
PCT/JP2014/076056 WO2015050113A1 (ja) 2013-10-01 2014-09-30 熱電変換材料及び熱電変換素子
US15/086,510 US20160211433A1 (en) 2013-10-01 2016-03-31 Thermoelectric conversion material and thermoelectric conversion element

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013206361A JP6009423B2 (ja) 2013-10-01 2013-10-01 熱電変換材料及び熱電変換素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015070250A true JP2015070250A (ja) 2015-04-13
JP6009423B2 JP6009423B2 (ja) 2016-10-19

Family

ID=52778701

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013206361A Expired - Fee Related JP6009423B2 (ja) 2013-10-01 2013-10-01 熱電変換材料及び熱電変換素子

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20160211433A1 (ja)
JP (1) JP6009423B2 (ja)
WO (1) WO2015050113A1 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018529957A (ja) * 2015-10-15 2018-10-11 レイセオン カンパニー 薄膜ベースの熱基準源
JP2020107643A (ja) * 2018-12-26 2020-07-09 東洋インキScホールディングス株式会社 熱電変換材料及びそれを用いた熱電変換素子
JP2020107642A (ja) * 2018-12-26 2020-07-09 東洋インキScホールディングス株式会社 熱電変換材料及びそれを用いた熱電変換素子
JP2020109802A (ja) * 2019-01-07 2020-07-16 有限会社Icea 薄膜熱電変換素子および熱電発電モジュール
JP7451932B2 (ja) 2019-10-17 2024-03-19 artience株式会社 熱電変換材料及びそれを用いた熱電変換素子

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20230050869A1 (en) 2018-12-18 2023-02-16 Toyo Ink Sc Holdings Co., Ltd. Thermoelectric conversion material, and thermoelectric conversion element prepared therewith
CN110233201B (zh) * 2019-07-12 2020-09-01 中国科学院化学研究所 一种六氰基三甲烯环丙烷掺杂酞菁铜的多层薄膜器件
CN110808329B (zh) * 2019-11-13 2021-03-23 四川大学 酞菁铜磺酸掺杂聚合物基热电材料及其制备方法和应用
JP7400384B2 (ja) 2019-11-20 2023-12-19 東洋インキScホールディングス株式会社 熱電変換材料及び熱電変換素子

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012166154A (ja) * 2011-02-15 2012-09-06 Nof Corp 炭素材料用分散剤、炭素材料分散液および炭素材料組成物
JP2013095821A (ja) * 2011-10-31 2013-05-20 Fujifilm Corp 導電性組成物、並びにこれを用いた導電性膜及び導電性積層体

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2814993C (en) * 2010-10-18 2017-02-14 Wake Forest University Thermoelectric apparatus and applications thereof
US9595654B2 (en) * 2013-05-21 2017-03-14 Baker Hughes Incorporated Thermoelectric polymer composite, method of making and use of same

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012166154A (ja) * 2011-02-15 2012-09-06 Nof Corp 炭素材料用分散剤、炭素材料分散液および炭素材料組成物
JP2013095821A (ja) * 2011-10-31 2013-05-20 Fujifilm Corp 導電性組成物、並びにこれを用いた導電性膜及び導電性積層体

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018529957A (ja) * 2015-10-15 2018-10-11 レイセオン カンパニー 薄膜ベースの熱基準源
US10527500B2 (en) 2015-10-15 2020-01-07 Raytheon Company In-situ thin film based temperature sensing for high temperature uniformity and high rate of temperature change thermal reference sources
US10527499B2 (en) 2015-10-15 2020-01-07 Raytheon Company In-situ thin film based temperature sensing for high temperature uniformity and high rate of temperature change thermal reference sources
JP2020107643A (ja) * 2018-12-26 2020-07-09 東洋インキScホールディングス株式会社 熱電変換材料及びそれを用いた熱電変換素子
JP2020107642A (ja) * 2018-12-26 2020-07-09 東洋インキScホールディングス株式会社 熱電変換材料及びそれを用いた熱電変換素子
JP2020109802A (ja) * 2019-01-07 2020-07-16 有限会社Icea 薄膜熱電変換素子および熱電発電モジュール
JP7451932B2 (ja) 2019-10-17 2024-03-19 artience株式会社 熱電変換材料及びそれを用いた熱電変換素子

Also Published As

Publication number Publication date
US20160211433A1 (en) 2016-07-21
WO2015050113A1 (ja) 2015-04-09
JP6009423B2 (ja) 2016-10-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6009423B2 (ja) 熱電変換材料及び熱電変換素子
JP5789580B2 (ja) 熱電変換材料及び熱電変換素子
JP5848284B2 (ja) 熱電変換素子及びこれを用いた熱電変換材料
JP6110818B2 (ja) 熱電変換材料、熱電変換素子ならびにこれを用いた熱電発電用物品およびセンサー用電源
US20160211434A1 (en) Thermoelectric conversion material, thermoelectric conversion element and method for manufacturing thermoelectric conversion element
JP5931807B2 (ja) 熱電変換材料、これを用いた熱電変換素子及び熱電発電用物品、並びに熱電変換素子の製造方法
US20200066958A1 (en) THERMOELECTRIC CONVERSION ELEMENT, n-TYPE THERMOELECTRIC CONVERSION LAYER, AND COMPOSITION FOR FORMING n-TYPE THERMOELECTRIC CONVERSION LAYER
JP6205326B2 (ja) 熱電変換素子、熱電変換材料
WO2014119468A1 (ja) 熱電変換材料、熱電変換素子並びにこれを用いた熱電発電用物品及びセンサー用電源
WO2014119469A1 (ja) 熱電変換材料、熱電変換素子並びにこれを用いた熱電発電用物品及びセンサー用電源
JP5931763B2 (ja) 熱電変換材料、熱電変換素子並びにこれを用いた熱電発電用物品及びセンサー用電源
WO2017104757A1 (ja) 熱電変換層、熱電変換素子および熱電変換層形成用組成物
JP5931762B2 (ja) 熱電変換材料、熱電変換素子並びにこれを用いた熱電発電用物品及びセンサー用電源
WO2018159685A1 (ja) 熱電変換層、熱電変換層形成用組成物、熱電変換素子、熱電変換モジュール
WO2018012370A1 (ja) n型半導体層、熱電変換層、熱電変換素子、熱電変換モジュール、及びn型半導体層形成用組成物
JP6220983B2 (ja) 熱電変換素子、熱電変換層、熱電変換層形成用組成物
WO2017104591A1 (ja) n型熱電変換層、熱電変換素子およびn型熱電変換層形成用組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160906

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160914

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6009423

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees