JP2015070225A - 太陽電池モジュール用の封止材シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】太陽電池モジュール用の封止材シート1の製造方法を、中間層用の封止材組成物からなる中間層11と、最外層用の封止材組成物からなる最外層12と、を積層して多層シートを成形するシート化工程と、前記多層シートに電離放射線の照射によって架橋処理を行う架橋工程と、を含んでなり、前記中間層用の封止材組成物には、炭素−炭素二重結合及び/又はエポキシ基を有する多官能モノマーである架橋助剤が含有されており、前記最外層用の封止材組成物には、架橋助剤が含有されていないことを特徴とする封止材シートの製造方法とする。
【選択図】図1
Description
本発明の封止材シートは、封止材組成物の溶融成形後に電離放射線による架橋処理を行って製造する太陽電池モジュール用の封止材シートである。又、本発明の封止材シートは、中間層と最外層を含んで成る多層の封止材シートである。そして、多層の封止材シートの中間層を形成するための中間層用の封止材組成物は、架橋助剤を必須の成分として含有する。又、最外層を形成するための最外層用の封止材組成物も低密度ポリエチレン樹脂をベース樹脂とするが、中間層用の封止材組成物と異なり、上記の架橋助剤は含有しない。
中間層用の封止材組成物は、本発明の多層の封止材シートの中間層を成形するために用いる封止材組成物である。中間層用の封止材組成物は、ポリエチレン系樹脂からなるちゅベース樹脂と、架橋助剤とを必須の成分として含有する。
中間層用の封止材組成物のベース樹脂(以下「中間層用のベース樹脂」とも言う)として用いるポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、又はメタロセン系直鎖低密度ポリエチレン(M−LLDPE)を好ましく用いることができる。
中間層用の封止材組成物には、必須成分として、ベース樹脂に加えて、架橋助剤が含有される。本発明においては架橋助剤として、炭素−炭素二重結合及び/又はエポキシ基を有する多官能モノマーを好ましく用いることができる。架橋助剤としてより好ましくは、多官能モノマーの官能基がアリル基、(メタ)アクリレート基、ビニル基であるものが用いられる。このような架橋助剤の添加により、低密度ポリエチレンの結晶性を低下させ、低温柔軟性に優れる架橋済みの封止材シートを得ることができる。
末端ビニル基数=0.231/(d×t)×A(910cm−1)
ビニリデン基数=0.271/(d×t)×A(888cm−1)
トランスビニレン基数=0.328/(d×t)×A(965cm−1)
全二重結合数=末端ビニル基数+ビニリデン基数+トランスビニレン基数上記方法による2000炭素当たりの全二重結合数のことを言うものとする。
最外層用の封止材組成物は、本発明の多層の封止材シートの少なくとも一方の最外面、好ましくは両方の最外面に成形される最外層を成形するために用いる封止材組成物である。最外層用の封止材組成物は、ポリエチレン系樹脂からなるベース樹脂とし、好ましくは、シラン変性ポリエチレン系樹脂等の密着性共重合体樹脂を含有する。
最外層用の封止材組成物のベース樹脂(以下「最外層用のベース樹脂」とも言う)として用いるポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、又はメタロセン系直鎖低密度ポリエチレン(M−LLDPE)を適宜好ましく用いることができる。
最外層用の封止材組成物には、ベース樹脂に加えて、シラン変性ポリエチレン系樹脂が含有されることが好ましい。シラン変性ポリエチレン系樹脂は、主鎖となる低密度ポリエチレン、好ましくは直鎖低密度ポリエチレンに、エチレン性不飽和シラン化合物を側鎖としてグラフト重合してなる樹脂である。このようなグラフト共重合体は、接着力に寄与するシラノール基の自由度が高くなるため、太陽電池モジュールにおける封止材シートの他の部材への密着性を向上することができる。尚、本明細書におけるシラン変性ポリエチレン系樹脂とは、例えば、下記の製造方法によって製造することができるシラン変性ポリエチレン系樹脂のことを言い、主鎖となる直鎖低密度ポリエチレン樹脂の少なくとも一部が、エチレン性不飽和シラン化合物とグラフト重合してなる樹脂のことを示す概念である。尚、上記の主鎖となる樹脂は、上記ベース樹脂と同様、密度0.870g/cm3以上0.900g/cm3以下のポリエチレン系樹脂であることが好ましい。
中間層用及び最外層用の各封止材組成物には、いずれについても、必要に応じて、適宜、以下の添加物を含有させることができる。
中間層用及び最外層用の各封止材組成物には、必要最小限度の架橋剤を含有させてもよいが、架橋剤はいずれの層にも添加しないことがより好ましい。上記の中間層への架橋助剤の添加によって、十分に適切な架橋を進行させることができる一方で、有機過酸化物等の架橋剤を別途添加したには、太陽電池モジュールとの一体化のための熱ラミネート処理時に、デガスによる発泡等の問題が生じるリスクが高まるからである。架橋剤を添加する場合、公知のものが使用でき特に限定されず、例えば公知のラジカル重合開始剤を用いることができる。
中間層用及び最外層用の各封止材組成物には、いずれについても、適宜、密着性向上剤を添加することにより、更に、他基材との密着耐久性を高めることができる。密着性向上剤としては、公知のシランカップリング剤を用いることができる。シランカップリング剤は特に限定されないが、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル系シランカップリング剤、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリロキシ系シランカップリング剤等を好ましく用いることができる。尚、これらは単独で又は二種以上を混合して使用することもできる。
中間層用及び最外層用の各封止材組成物において、ラジカル重合開始剤となる上記の架橋助剤と、それをクエンチするラジカル吸収剤とを併用することにより、架橋の程度を更に微細に調整することができる。このようなラジカル吸収剤としては、ヒンダードフェノール系等の酸化防止剤や、ヒンダードアミン系の耐候安定化等が例示できる。架橋温度付近でのラジカル吸収能力が高い、ヒンダードフェノール系のラジカル吸収剤が好ましい。ラジカル吸収剤の使用量は、封止材組成物の全樹脂成分の合計100質量部に対して0.01質量部以上3質量部以下含まれることが好ましく、より好ましくは0.05質量部以上〜2.0質量部以下の範囲である。
中間層用及び最外層用の各封止材組成物には、更にその他の成分を含有させることができる。例えば、本発明の封止材組成物の組合せセットを用いて製造された封止材シートに耐候性を付与するための耐候性マスターバッチ、各種フィラー、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等の成分が例示される。これらの含有量は、その粒子形状、密度等により異なるものではあるが、それぞれの封止材組成物の全樹脂成分の合計100質量部に対して0.001以上5質量部以下の範囲内であることが好ましい。これらの添加剤を含むことにより、封止材シートに対して、長期に亘って安定した機械強度や、黄変やひび割れ等の防止効果等を付与することができる。
本発明の封止材シートは、中間層と、中間層のいずれか一方、好ましくは両方の最外面に配置される最外層と、を含む複数の層によって構成される多層の封止材である。そして、中間層のみに、架橋助剤が含有されており、電離放射線の照射による架橋処理を経て製造された封止材シートにおいて、中間層の貯蔵弾性率よりも、電離放射線の照射面側に配置される照射面側最外層の貯蔵弾性率が小さく、照射面側最外層の貯蔵弾性率よりも、電離放射線の非照射面側に配置される非照射面側最外層の貯蔵弾性率の方が更に小さい構成となっていることを特徴とする。以下、本発明の好ましい一実施形態として、図1を参照しながら、単層である中間層の上下に各1層計2層の最外層を含む3層構造の封止材1について説明する。但し、本発明はこの実施形態に限られるものではない。尚、本明細書における架橋工程後の貯蔵弾性率とは、一般的な太陽電池モジュールの熱ラミネーション工程において、封止材シートが実際に到達する樹脂温度値として代表的な具体例である100℃の時点での貯蔵弾性率(E‘)のことを言うものとする。測定方法については、下記実施例に示した方法により測定することができる。又、この封止材シートの樹脂温度は、加熱時の封止材シートの上面部に温度センサー熱電対を貼付し、温湿度データロガーを用いて測定することが可能であり、本発明における樹脂温度とは、例えば、そのようにして測定した封止材シートの樹脂温度のことを言うものとする。
[シート化工程]
上記においてそれぞれその詳細を説明した中間層用及び最外層用の各組成物の溶融成形は、通常の熱可塑性樹脂において通常用いられる成形法、即ち、射出成形、押出成形、中空成形、圧縮成形、回転成形等の各種成形法により行われる。多層シートとしての成形方法としては、一例として、二種以上の溶融混練押出機による共押出により成形する方法が挙げられる。
上記のシート化工程後の未架橋の封止材シートに対して、電離放射線による架橋処理を施す架橋工程を、シート化工程の終了後、且つ、封止材シートを他の部材と一体化する太陽電池モジュール一体化工程の開始前に行う。この架橋処理によってゲル分率が2%以上80%以下となる封止材シートとする。架橋処理はシート化工程に続いて連続的にインラインで行われてもよく、オフラインで行われてもよい。
次に、本発明の太陽電池モジュールの好ましい一実施形態について、図2を参照しながら説明する。図2は、本発明の一実施形態である薄膜系太陽電池素子を備える太陽電池モジュール10について、その層構成の一例を示す断面図である。太陽電池モジュール10は、入射光の受光面側から、透明前面基板2、透明前面基板2上に成形された薄膜系太陽電池素子3、封止材シート1、及び裏面保護シート4が順に積層されている。この際、封止材シート1における電離放射線の照射面である非照射面側最外層が、薄膜系太陽電池素子3の金属電極31と対面し、電離放射線の照射面である照射面側最外層が、ガラスからなる透明前面基板2や、耐候性の樹脂シートからなる裏面保護シート6と対面するように配置されていることが好ましい。このような配置とすることにより、本発明の封止材シート1における非照射面側最外層の特に優れたモールディング特性を最大限に発揮させて、極めて耐候性に優れた太陽電池モジュールを構成することができる。
以下において説明する封止材組成物原料を下記表1の割合(質量部)で混合し、それぞれ実施例、比較例の封止材シートの中間層用の封止材組成物及び最外層用の封止材組成物とした。それぞれの封止材組成物をφ30mm押出し機、200mm幅のTダイを有するフィルム成形機を用いて、押出し温度210℃、引き取り速度1.1m/minで中間層用及び最外層用とするための各樹脂シートを作製し、これらの各樹脂シートを積層して、中間層と両最外層を備える実施例及び比較例1〜2の3層構造の封止材シートを製造した。実施例、比較例の各封止材の厚さは、いずれも、総厚さ600μmとした。実施例及び比較例の3層構造の封止材の各層の厚さの比については、いずれの封止材シートについても最外層:中間層:最外層の厚さ比が、1:4:1となるようにした。
中間層用のベース樹脂(表中にて「A」と表記、以下同様):密度0.880g/cm3、融点60℃であり、190℃でのMFRが3.5g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE)。
最外層用ベース樹脂(「B」):密度0.880g/cm3、融点60℃であり、190℃でのMFRが19.0g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE)。
耐候剤マスターバッチ1:ベース樹脂:100質量部。KEMISTAB62(HALS):0.6質量部。KEMISORB12(UV吸収剤):3.5質量部。KEMISORB79(UA吸収剤):0.6質量部。CHIMASORB202(UV吸収剤):0.07質量部。トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(架橋助剤):2.14質量部。
耐候剤マスターバッチ2:ベース樹脂:100重量部。トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(架橋助剤):2.04質量部。
耐候剤マスターバッチ3:ベース樹脂:100質量部。KEMISTAB62(HALS):0.6質量部。KEMISORB12(UV吸収剤):3.5質量部。KEMISORB79(UV吸収剤):0.6質量部。CHIMASORB202(UV吸収剤):0.07質量部。
架橋助剤を含有する耐候剤マスターバッチ1、2は、全ての実施例、比較例の中間層用の組成物のみにそれぞれベース樹脂100質量部に対して10質量部ずつ添加した。又、架橋助剤を含有しない耐候剤マスターバッチ3は、全ての実施例、比較例の外層用の組成物のみにそれぞれベース樹脂100質量部に対して10質量部ずつ添加した。
シラン変性ポリエチレン系樹脂:密度0.880g/cm3、MFRが30.0g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン100質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.15質量部とを混合し、200℃で溶融、混練して得たシラン変性ポリエチレン系樹脂。密度0.880g/cm3、MFR13.0g/10分。融点60℃。
シラン変性ポリエチレン系樹脂は、全ての実施例、比較例の最外層用の組成物のみにそれぞれベース樹脂100質量部に対して、15質量部ずつ添加した。
実施例、比較例の各層の貯蔵弾性率(E‘)をそれぞれ単膜にて以下の測定方法により、DMA測定し、100℃時点での貯蔵弾性率(E’)を各試料ごとに比較した。
(測定方法) 実施例、比較例の封止材シートを5×20mmに切り出したものを試料とし、UBM社製レオゲル・E−4000で測定を実施。引っ張りモードにて下記条件のもと測定した。
初期荷重100g、連続加振モード、波形:正弦波、周波数10hz、昇温速度3℃/min
結果を表1に示す。
耐熱クリープ試験を行った。シボ加工を施した大判のガラス板に5×7.5cmに切り出した実施例、比較例の封止材シートを2枚重ね置き、その上から5×7.5のシボガラスを重ね置き、150℃、10分で真空加熱ラミネータ処理を行い評価用試料を作成した。この加熱処理中におけるラミネート中の封止材シートの樹脂温度(到達温度)は100℃であった。この後、大判ガラスを垂直に置き、150℃で12時間放置し、放置後の5×7.5のシボガラスの移動距離(mm)を測定し、評価した。評価は以下の基準で行った。
(評価基準) A:0.00mm
B:0.00mm超え1.0mm未満
C:1.0mm以上
評価結果を「耐熱性」として表2中に記す。
この後、大判ガラスを垂直に置き、150℃で12時間放置し、放置後の5×7.5のシボガラスの移動距離(mm)を測定し、評価した。評価は以下の基準で行った。
(評価基準) A:0.00mm
B:0.00mm超え1.0mm未満
C:1.0mm以上
評価結果を「耐熱性」として表2中に記す。
実施例、比較例の各封止材シートの電離放射線の照射面側の最外層をガラス基板(白板フロート半強化ガラス JPT3.2 75mm×50mm×3.2mm)に密着させて、150℃、12分で真空加熱ラミネータ処理を行い評価用試料を作成した。そして、上記の評価用試料において、ガラス基板上に密着している封止材シートを15mm幅にカットし、剥離試験機(テンシロン万能試験機 RTF−1150−H)にて垂直剥離(50mm/min)試験を行い、ガラス密着強度を測定し、評価した。評価は以下の基準で行った。
A:30N/15mm以上
B:25N/15mm以上30N/15mm未満
C:20N/15mm以上25N/15mm未満
D:20N/15mm未満
評価結果を「密着性」として表2中に記す。
上記の耐熱クリープ試験に用いたものと同様のガラス基板上に、疑似的な太陽電池素子を想定した厚さ200μm、150mm×150mmのアルミ板を静置し、更に、そのアルミ板上にリード線(250μm径)を配置し、更にその上から、150mm×150mmにカットした実施例、比較例の各封止材シートを、各封止材シートの電離放射線の非照射面側を積層したものを、上記のアルミ板等に対面させる配置で、上記耐熱クリープ試験と同じ熱ラミネート条件により、真空加熱ラミネータ処理を行い、それぞれの実施例、比較例について太陽電池モジュール評価用サンプルを得た。これらの太陽電池モジュール評価用サンプルについて、目視観察により、下記の評価基準により、モールディング特性を評価した。
(評価基準) A:封止材シートが対面する基材面の凹凸に完全に追従。
C:封止材シートの一部が対面する基材面の凹凸に完全に追従せず、ラミネート不良部分が発生。
評価結果を「モールディング特性」として表2中に記す。
11 中間層
12 最外層
2 透明前面基板
3 薄膜系太陽電池素子
31 金属電極
4 裏面保護シート
10 太陽電池モジュール
Claims (9)
- 太陽電池モジュール用の封止材シートの製造方法であって、
密度0.870g/cm3以上0.970g/cm3以下のポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする中間層用の封止材組成物からなる中間層と、密度0.870g/cm3以上0.970g/cm3以下のポリエチレン系樹脂からなる最外層用の封止材組成物からなる最外層と、を積層して多層シートを成形するシート化工程と、
前記多層シートに電離放射線の照射によって架橋処理を行う架橋工程と、を含んでなり、
前記中間層用の封止材組成物には、炭素−炭素二重結合及び/又はエポキシ基を有する多官能モノマーである架橋助剤が含有されており、
前記最外層用の封止材組成物には、架橋助剤が含有されていないことを特徴とする封止材シートの製造方法。 - 前記中間層用の封止材組成物中の前記架橋助剤の含有量が0.2質量%〜1.0質量%である請求項1に記載の封止材シートの製造方法。
- 前記多層シートが前記中間層の両面に最外層が配置されている三層構造であって、
前記架橋工程後における中間層の貯蔵弾性率よりも、前記電離放射線の照射面側に配置される照射面側最外層の貯蔵弾性率の方が小さく、前記照射面側最外層の貯蔵弾性率よりも、前記電離放射線の非照射面側に配置される非照射面側最外層の貯蔵弾性率の方が更に小さくなる照射条件により、前記架橋工程を行う請求項1又は2に記載の封止材シートの製造方法。 - 前記架橋工程後の中間層の貯蔵弾性率が、7.0×105 Pa以上5.0×107 Pa以下であり、前記架橋工程後の前記照射面側最外層の貯蔵弾性率は、前記中間層の貯蔵弾性率の0.1%以上100%未満であり、前記非照射面側最外層の貯蔵弾性率は、前記照射面側最外層の貯蔵弾性率の15%以下である請求項3に記載の封止材シートの製造方法。
- 前記電離放射線の照射を一方の最外層面からの片面照射によってのみ行う請求項3又は4に記載の封止材シートの製造方法。
- 前記電離放射線の照射を、200kV以上1000kV未満の加速電圧で行う請求項5に記載の封止材シートの製造方法。
- 前記中間層用の封止材組成物は、密度0.870g/cm3以上0.970g/cm3以下のポリエチレン系樹脂からなる中間層用のベース樹脂を含有し、
前記中間層用のベース樹脂が、最外層用のベース樹脂よりも、赤外吸収スペクトル法による2000炭素当たりの全二重結合数が多い樹脂であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の封止材シートの製造方法。 - 電離放射線の照射によって架橋処理が行われた太陽電池モジュール用の封止材シートであって、
前記封止材シートは、中間層と、その両面に配置される最外層とを含んで成る三層構造の多層シートであり、
前記中間層は、密度0.870g/cm3以上0.970g/cm3以下のポリエチレン系樹脂であるベース樹脂と、架橋助剤と、を含有してなり、
前記中間層の貯蔵弾性率よりも、電離放射線の照射面側に配置される照射面側最外層の貯蔵弾性率が小さく、前記照射面側最外層の貯蔵弾性率よりも、電離放射線の非照射面側に配置される非照射面側最外層の貯蔵弾性率の方が更に小さい太陽電池モジュールの封止材シート。 - 請求項1から7のいずれかに記載の製造方法で製造された封止材シート又は請求項8に記載の封止材シートと、太陽電池素子と、を備える太陽電池モジュールであって、
前記封止材シートの前記照射面側最外層がガラス又は樹脂からなる基材と対面するように配置されていて、
前記封止材シートの前記非照射面側最外層が前記太陽電池素子の金属電極と対面するように配置されている太陽電池モジュール。
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