JP2015070150A - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ソース・ゲート間の耐圧が高く、ゲートに大きな電圧が印加されも特性が劣化しない高耐圧トランジスタを提供する。
【解決手段】ソース領域12と、ドレイン領域14と、ソース領域とドレイン領域の間に形成された凹所内の絶縁膜18と、ソース領域とドレイン領域の中間に配置されるよう前記絶縁膜上に形成されたゲート電極20と、前記絶縁膜を挟んでゲート電極に対向する前記素子領域内の対向領域とソース領域の間に形成され不純物濃度がソース領域より低い第1電界緩和領域24aと、前記素子領域内の対向領域とドレイン領域の間に形成され不純物濃度がドレイン領域より低い第2電界緩和領域24bと、第1電界緩和領域および第2電界緩和領域を囲み不純物濃度が素子領域より高い高濃度領域28とを備え、ゲート電極は平面視において第1電界緩和領域および第2電界緩和領域から離隔し、ゲート電極の両端は平面視において前記高濃度領域に重なる。
【選択図】図1
【解決手段】ソース領域12と、ドレイン領域14と、ソース領域とドレイン領域の間に形成された凹所内の絶縁膜18と、ソース領域とドレイン領域の中間に配置されるよう前記絶縁膜上に形成されたゲート電極20と、前記絶縁膜を挟んでゲート電極に対向する前記素子領域内の対向領域とソース領域の間に形成され不純物濃度がソース領域より低い第1電界緩和領域24aと、前記素子領域内の対向領域とドレイン領域の間に形成され不純物濃度がドレイン領域より低い第2電界緩和領域24bと、第1電界緩和領域および第2電界緩和領域を囲み不純物濃度が素子領域より高い高濃度領域28とを備え、ゲート電極は平面視において第1電界緩和領域および第2電界緩和領域から離隔し、ゲート電極の両端は平面視において前記高濃度領域に重なる。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体装置に関する。
横方向拡散MOSトランジスタ(Lateral diffused Metal Oxide Semiconductortransistor;以下、LDMOSトランジスタと呼ぶ)は、ソース・ドレイン間に高電圧を印加可能な高耐圧トランジスタである。
しかしLDMOSトランジスタのゲート酸化膜は、ロジック回路を構成するMOSトランジスタと同程度の膜厚を有する。このためLDMOSトランジスタのソース・ゲート間の耐圧(ゲート絶縁膜が絶縁破壊を起こす電圧)は、高々10V程度である。さらには、ゲートに大きな電圧が印加されると、たとえ絶縁破壊が起きなくてもゲート絶縁膜にキャリアがトラップされトランジスタ特性が変化することがある。
上記の問題を解決するために、本装置の一観点によれば、半導体基板に設けられた第1導電型の素子領域と、前記素子領域に形成された前記第1導電型とは反対の第2導電型のソース領域と、前記素子領域に形成された前記第2導電型のドレイン領域と、少なくとも前記ソース領域と前記ドレイン領域の間に形成された凹所に設けられた絶縁膜と、平面視において前記ソース領域と前記ドレイン領域の間に配置されるように前記絶縁膜上に形成されたゲート電極と、前記絶縁膜を挟んで前記ゲート電極に対向する前記素子領域内の前記対向領域と前記ソース領域の間に少なくとも一部が形成され前記第2導電型の不純物の濃度が前記ソース領域より低い前記第2導電型の第1電界緩和領域と、前記前記素子領域内の対向領域と前記ドレイン領域の間に少なくとも一部が形成され前記第2導電型の不純物の濃度が前記ドレイン領域より低い前記第2導電型の第2電界緩和領域と、前記素子領域において前記第1電界緩和領域および前記第2電界緩和領域を囲み前記第1導電型の不純物の濃度が前記素子領域より高い前記第1導電型の高濃度領域とを備え、前記ゲート電極は平面視において前記第1電界緩和領域および前記第2電界緩和領域から離隔し、前記ゲート電極の両端は平面視において前記高濃度領域に重なっている半導体装置が提供される。
開示の装置によれば、ソース・ゲート間の耐圧が高くしかもゲートに大きな電圧が印加されも特性が殆ど変化しない高耐圧トランジスタが提供される。
以下、図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。尚、図面が異なっても対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
(1)構造
図1は、実施の形態の半導体装置2の平面図である。図2は、半導体装置2のより詳しい平面図である。図3は、図2のIII-III線に沿った断面図である。図4は、図2のIV-IV線に沿った断面図である。
図1は、実施の形態の半導体装置2の平面図である。図2は、半導体装置2のより詳しい平面図である。図3は、図2のIII-III線に沿った断面図である。図4は、図2のIV-IV線に沿った断面図である。
図1及び3に示すように、半導体装置2は、半導体基板4(図3参照)に設けられた第1導電型(例えば、n型)の素子領域を有している。図1〜4に示す例では、素子領域はウェル6である。半導体基板4は、例えば第1導電型とは反対の第2導電型(例えば、p型)のシリコン基板である。ウェル6の不純物濃度は、例えば5×1015cm−3〜5×1016cm−3である。
図1及び2には、半導体基板4(図3参照)の表面における半導体装置2の構造が示されている。図1及び2には、層間絶縁膜8(図3参照)および層間絶縁膜8に設けられたビア10(図3参照)は示されていない。ビア10は例えば、図示されていない配線に接続される。
図1及び3に示すように、半導体装置2はさらに、ウェル6に形成された第1導電型(例えば、n型)とは反対の第2導電型(例えば、p型)のソース領域12を有している。半導体装置2はさらに、ウェル6に形成された第2導電型(例えば、p型)のドレイン領域14を有している。
半導体装置2はさらに、少なくともソース領域12とドレイン領域14の間に形成された基板4の凹所16(図3参照)に設けられた絶縁膜(以下、ゲート絶縁膜と呼ぶ)18を有している。ゲート絶縁膜18は、例えばシリコン酸化膜である。
図1〜4に示す例では凹所16及びゲート絶縁膜18は、ソース領域12とドレイン領域14の間だけでなく、ウェル6の表面の大半を覆っている。
半導体装置2はさらに、ゲート電極20を有している。ゲート電極20は、図1に示すように平面視においてソース領域12とドレイン領域14の中間に配置されるように、ゲート絶縁膜18(図3参照)上に形成されている。ゲート電極20の側面には、サイドウォール22(図3参照)が形成されていてもよい。
半導体装置2はさらに、図1及び3に示すように、第2導電型(例えば、p型)の不純物を有し、その濃度がソース領域12の不純物濃度より低い第2導電型(例えば、p型)の第1電界緩和領域24aを有している。第1電界緩和領域24aは、図3に示すように、ゲート絶縁膜18を挟んでゲート電極20に対向するチャネル領域(素子領域6内の対向領域)26とソース領域12の間に少なくとも一部が形成された領域である。
半導体装置2はさらに、図1及び3に示すように、第2導電型(例えば、p型)の不純物を有し、その濃度がドレイン領域14の不純物濃度より低い第2導電型(例えば、p型)の第2電界緩和領域24bを有している。第2電界緩和領域24bは、図3に示すように、チャネル領域26とドレイン領域14の間に少なくとも一部が形成された領域である。
ゲート絶縁膜18の厚さは、好ましくは50nm以上である。このため半導体装置2のソース・ゲート間耐圧(ゲート絶縁膜の絶縁破壊が起きる電圧)は、ゲート酸化膜厚が高々十数nm程度のLDMOSトランジスタのソース・ゲート間耐圧より格段に高い。ただしゲート酸化膜が厚くなり過ぎると、閾値が大きくなり過ぎる。従って、ゲート絶縁膜18の厚さは、好ましくは500nm以下である。
ゲート絶縁膜18の厚さは、好ましくは50nm以上500nm以下である。更に好ましくは、ゲート絶縁膜18の厚さは100nm以上400nm以下である。最も好ましくは、ゲート絶縁膜18の厚さは200nm以上300nm以下である。
図3に示すソース領域12は、内層部分12Iと表層部分12Sとを有している。同様に図3に示すドレイン領域14は、内層部分14Iと表層部分14Sとを有している。ただしソース領域12およびドレイン領域14は、単層であってもよい。
半導体装置2と共にLDD(Lightly Doped Drain)型MOSトランジスタを半導体
基板4上に形成した場合、内層部分12I, 14IはLDD構造の低濃度部分と共に形成することができる。表層部分12S, 14Sは、LDD構造の低濃度部分のうち高濃度部分と重なる部分と共に形成される。すなわち表層部分12S, 14Sは、LDD構造の低濃度部分と高濃度部分とを形成することで得られる領域である。
基板4上に形成した場合、内層部分12I, 14IはLDD構造の低濃度部分と共に形成することができる。表層部分12S, 14Sは、LDD構造の低濃度部分のうち高濃度部分と重なる部分と共に形成される。すなわち表層部分12S, 14Sは、LDD構造の低濃度部分と高濃度部分とを形成することで得られる領域である。
ソース領域12およびドレイン領域14の不純物濃度は、例えば1×1020cm−3以上である。
第1電界緩和領域24aおよび第2電界緩和領域24bの不純物濃度は、好ましくは5×1015cm−3〜5×1016cm−3である。さらに好ましくは、第1電界緩和領域24aおよび第2電界緩和領域24bの不純物濃度は、1×1016cm−3〜4×1016cm−3である。最も好ましくは、第1電界緩和領域24aおよび第2電界緩和領域24bの不純物濃度は、2×1016cm−3〜3×1016cm−3である。
このように不純物濃度が低いので、第1電界緩和領域24aおよび第2電界緩和領域24bの比抵抗は高い。従ってソース領域12とドレイン領域14の間の電界強度が緩和されて、ソース・ドレイン間の耐圧が高くなる。
ソース領域12から第1電界緩和領域24aのゲート電極側端辺までの距離D1(図2参照)は、例えば1〜2μm(好ましくは、1.4μm程度)である。同様にドレイン領域14から第2電界緩和領域24bのゲート電極側端辺までの距離D2(図2参照)は、例えば1〜2μm(好ましくは、1.4μm程度)である。
―ウェル高濃度領域とゲート電極―
図1に示すように、半導体装置2はさらに、ウェル6において第1電界緩和領域24a、第2電界緩和領域24b、および第1電界緩和領域24aと第2電界緩和領域24bに挟まれた領域27を平面視において囲むウェル高濃度領域28を有する。したがってウェル高濃度領域28は、ソース領域12およびドレイン領域14も囲む。
図1に示すように、半導体装置2はさらに、ウェル6において第1電界緩和領域24a、第2電界緩和領域24b、および第1電界緩和領域24aと第2電界緩和領域24bに挟まれた領域27を平面視において囲むウェル高濃度領域28を有する。したがってウェル高濃度領域28は、ソース領域12およびドレイン領域14も囲む。
ウェル高濃度領域28は、第1導電型(例えば、n型)の不純物を有しその濃度がウェル6より高い第1導電型の領域である。ウェル高濃度領域28の不純物濃度は、好ましくは半導体基板4の不純物濃度の1.5倍〜4.0倍(例えば、2倍程度)である。
ゲート電極20の両端は図1に示すように、平面視においてウェル高濃度領域28に重なっている。ただし、図4に示すようにゲート電極20は、ゲート絶縁膜18によりウェル高濃度領域28から離隔されている。
具体的には例えば、図1に示すように、ウェル高濃度領域28は第1突出部30aと第2突出部30bとを有し、ゲート電極20は第1突出部30aおよび第2突出部30bとに重なっている。
図5は、第1突出部30aの近傍を拡大した図である。第1突出部30aは好ましくは、ゲート電極20の一端に向かって突出し第1電界緩和領域24aと第2電界緩和領域24bの間に入り込んだ領域である。同様に第2突出部30b、ゲート電極20の他端に向かって突出し第1電界緩和領域24aと第2電界緩和領域24bの間に入り込んだ領域である。
ソース領域12と同じ電位がウェル高濃度領域28に印加されると、第1電界緩和領域24aと第2電界緩和領域24bを囲む電位障壁が形成される。その結果キャリアの流れが、チャネル層26に制限される。これにより、キャリアをトラップするゲート絶縁膜18の範囲が狭くなる。
ウェル高濃度領域28は、第1突出部30aおよび第2突出部30bを有さなくてもよい。この場合には例えば、ゲート電極20がウェル高濃度領域28に向かって延びて、ウェル高濃度領域に重なればよい。
第1電界緩和領域24aとウェル高濃度領域28の間隔G1(図5参照)は、例えば0.72μm程度である。第1突出部30aの長さL(図5参照)は、例えば1.00μm程度である。したがって第1突出部30aは、第1電界緩和領域24aと第2電界緩和領域24bの間に0.28μm程度入り込む。第2突出部30bについても、同様である。
図1に示すように、ゲート電極20は、平面視において第1電界緩和領域24aおよび第2電界緩和領域24bから離隔していることが好ましい。理由については、後述する。
ゲート電極20と第1電界緩和領域24aの間隔G2(図5参照)は、好ましくは0.1μm〜0.4μm(例えば、0.2μm程度)である。同様にゲート電極20と第2電界緩和領域24bの間隔も、好ましくは0.1μm〜0.4μm(例えば、0.2μm程度)である。
ゲート電極20の幅W1(図参照)は、例えば2μm〜6μm(好ましくは、4.6μm程度)である。
―コンタクト領域―
図2及び3に示すように、ウェル高濃度領域28の中央部には、第1コンタクト領域32aが設けられることが好ましい。第1コンタクト領域32aは第1導電型(例えば、n型)の不純物を有し、その濃度はウェル高濃度領域28の不純物濃度より高い。第1コンタクト領域32aには、ビア10が接続される。
図2及び3に示すように、ウェル高濃度領域28の中央部には、第1コンタクト領域32aが設けられることが好ましい。第1コンタクト領域32aは第1導電型(例えば、n型)の不純物を有し、その濃度はウェル高濃度領域28の不純物濃度より高い。第1コンタクト領域32aには、ビア10が接続される。
ウェル6の周囲の基板表面(半導基板4の表面)には、第2コンタクト領域32bが設けられることが好ましい。第2コンタクト領域32bは第2導電型(例えば、p型)の不純物を有し、その濃度は半導体基板4の不純物濃度より高い。第2コンタクト領域32bには、別のビア10が接続される。
ビア10は、ソース領域12とドレイン領域12とゲート電極20にも接続される。
―素子分離膜―
図3に示すように、第1コンタクト領域32aの外側には、素子分離膜34が設けられてもよい。一方、ゲート絶縁膜18は、第1コンタクト領域32aの内側に設けられる。
図3に示すように、第1コンタクト領域32aの外側には、素子分離膜34が設けられてもよい。一方、ゲート絶縁膜18は、第1コンタクト領域32aの内側に設けられる。
ゲート電極20が形成される凹所16(図3参照)は、素子分離膜34が形成される素子分離溝38と同時に形成することができる。同様にゲート絶縁膜18は、素子分離膜34と同時に形成することができる。
―閾値調整領域―
チャネル領域26を含む領域36(以下、閾値調整領域と呼ぶ)には、半導体装置2の閾値を調整するため不純物が導入されてもよい。
チャネル領域26を含む領域36(以下、閾値調整領域と呼ぶ)には、半導体装置2の閾値を調整するため不純物が導入されてもよい。
(2)動作
第1導電型がn型の場合、半導体装置2は一種のpチャネルMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタである。この場合、第1コンタクト領域32a(図2参照)、第2コンタクト領域32b、およびソース領域12には、例えば基板電位(0V)が印加される。ドレイン領域14には例えば、例えばソース領域12より10V以上低い電圧(例えば、−14V)が印加される。
第1導電型がn型の場合、半導体装置2は一種のpチャネルMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタである。この場合、第1コンタクト領域32a(図2参照)、第2コンタクト領域32b、およびソース領域12には、例えば基板電位(0V)が印加される。ドレイン領域14には例えば、例えばソース領域12より10V以上低い電圧(例えば、−14V)が印加される。
この状態で、ソース領域12とゲート電極20の間に、例えば0Vが印加されると半導体装置2はOFF状態になる。一方、ソース領域12とゲート電極20との間に例えば−14Vが印加されると、半導体装置2はON状態になる。半導体装置2の閾値は例えば−3.2Vである。
ロジック回路を構成するMOSトランジスタのゲート酸化膜18の厚さは、高々十数nm(例えば、18nm程度)である。このため耐圧は、高々10V程度である。一方、ゲート絶縁膜18の膜厚が300nmの場合、ゲート絶縁膜18の耐圧は100V以上になる。
したがって、ソース領域12とゲート電極20の間に−10V〜−20V程度の高電圧を印加しても、ゲート酸化膜18は破壊されない。このため、車載用バッテリーが発生する電圧(例えば、12V)を直接ゲート電極20に印加しても、ゲート酸化膜18は破壊されない。
さらに、ソース領域12とゲート電極20も間に例えば40V程度のサージ電圧が印加されても、ゲート酸化膜18は破壊されない。
ドレイン領域14とソース領域12の間には、10V以上の電圧を印加することができる。このような高電圧を印加してもチャネル領域26に発生する電界は、第1電界緩和領域24aおよび第2電界緩和領域24bにより緩和される。このため、チャネル層26は破壊されない。ソース領域12とドレイン領域14の間の耐圧は、例えば52Vである。
なお、第1導電型がp型の場合、半導体装置2は一種のnチャネルMOSトランジスタである。この場合、第1コンタクト領域32a、第2コンタクト領域32b、およびソース領域12には、例えば基板電位(0V)が印加される。ドレイン領域14には、例えばソース領域12より10V以上高い電圧(例えば、14V)が印加される。
(3)特性
図6は、実施の形態の半導体装置2に類似した半導体装置102の一例を示す平面図である。図7は、図6のVII-VII線に沿った断面図である。
図6は、実施の形態の半導体装置2に類似した半導体装置102の一例を示す平面図である。図7は、図6のVII-VII線に沿った断面図である。
この半導体装置102のゲート電極20は、図6及び7に示すように、平面視において第1電界緩和領域124aおよび第2電界緩和領域124bに重なっている。一方、ゲート電極20は、平面視においてウェル高濃度領域128から離隔している。
図8は、実施の形態の半導体装置2および図6の半導体装置102の特性を示す図である。図8(a)には、図6の半導体装置102の特性が示されている。横軸は、ゲート電圧(ソース領域12とゲート電極20の間の電圧)である。縦軸は、ドレイン電流である。後述する図8(b)〜図9(b)についても、同様である。
図8(a)の特性は、第1コンタクト領域32aと第2コンタクト領域32bとソース領域12とに基板電位(0V)を印加し、ドレイン領域14に−14Vを印加した状態で測定した。ゲート電圧は、10V〜−42Vである。図8(b)〜図9(b)に示す特性ついても、同様である。
図8(a)中の曲線A1は、ゲート電極20にストレス電圧を印加する前の特性を示している。図8(a)中の曲線B1は、ゲート電極20に−80Vのストレス電圧を印加した後の特性を示している。
ストレス電圧は、第1コンタクト領域32aと第2コンタクト領域32bとソース領域12とドレイン領域14とに基板電位(0V)が印加された状態で印加される(以下、同様)。
曲線B1が示すようにストレス電圧が印加されると、半導体装置102のオフリーク電流(半導体装置がOFF状態の時のドレイン電流)は増加する。これは、ストレス電圧の印加によりゲート絶縁膜18にホールがトラップされて、半導体装置102の特性が変化するためと考えられる。
図8(b)には、実施の形態の半導体装置2の特性が示されている。図8(b)中の曲線A2は、ゲート電極20にストレス電圧を印加する前の特性を示している。図8(b)中の曲線B2は、ゲート電極20に−80Vのストレス電圧を印加した後の特性を示している。
図8(b)に示すように、実施の形態の半導体装置2によれば、ゲート電極20にストレス電圧を印加してもオフリーク電流は殆ど増加しない。すなわち実施の形態によれば、ソース・ゲート間に大きな電圧を印加しても特性が変化しない半導体装置2が得られる。
図9は、実施の形態の半導体装置2に類似した別の半導体装置の特性を示す図である。図9(a)は、ゲート電極20が平面視において第1電界緩和領域24aおよび第2電界緩和領域24bに重なるとともにゲート電極20の両端がウェル高濃度領域28の突出部(第1突出部30aと第2突出部30b)に重なった半導体装置の特性を示している。
図9(a)中の曲線A3は、ゲート電極20にストレス電圧を印加する前の特性を示している。図9(a)中の曲線B3は、ゲート電極20に−80Vのストレス電圧を印加した後の特性を示している。図9(a)に示すように、ゲート電極20にストレス電圧を印加すると上記半導体装置のオフリーク電流は増加する。
図9(b)は、ゲート電極20が平面視において第1電界緩和領域24aおよび第2電界緩和領域24bに重ならないとともにゲート電極20の両端がウェル高濃度領域128から離隔した半導体装置の特性を示している。
図9(b)中の曲線A4は、ゲート電極20にストレス電圧を印加する前の特性を示している。図9(b)中の曲線B4は、ゲート電極20に−80Vのストレス電圧を印加した後の特性を示している。図9(b)に示すように、ゲート電極20にストレス電圧を印加すると上記半導体装置のオフリーク電流は増加する。
以上の結果は、ゲート電極20が第1電界緩和領域24aおよび第2電界緩和領域24bから離隔し更にウェル高濃度領域28に両端が重なる構造により、オフリーク電流の増加が抑制されることを示している。この構造は、実施の形態の半導体装置2が有する構造である。
図10は、図6の半導体装置102のゲート電極20にストレス電圧を印加した場合のオフリーク電流の時間変化を示す図である。横軸は、ストレス電圧の印加を開始してからの経過時間である。縦軸は、オフリーク電流である。
図10の特性は、第1コンタクト領域32aと第2コンタクト領域32bとソース領域12とゲート電極20に基板電位(0V)を印加し、ドレイン領域14に−14Vを印加した状態で測定した。ストレス電圧は、−40V、−50V,−60V,および−80Vである。後述する図11についても、同様である。
図10に示すように、半導体装置102のオフリーク電流は、ストレス電圧を高々10秒程度印加しただけで増加し始める。
図11は、実施の形態の半導体装置2のゲート電極20にストレス電圧を印加した場合のオフリーク電流の時間変化を示す図である。
図11に示すように、ストレス電圧の大きさが60V以下であれば、半導体装置2のオフリーク電流は殆ど増加しない。
(4)他の半導体素子との集積化
半導体基板4には、半導体装置2とともに別の半導体素子を形成してもよい。この場合半導体基板4には好ましくは、素子分離溝38(図3参照)に形成され、この半導体素子と半導体装置2を電気的に分離する素子分離膜34が形成される。上記半導体素子は例えば、pチャネルLDMOSトランジスタ68(図22参照)である。この半導体素子は、ロジック回路を構成するMOSトランジスタやnチャネルLDMOSトランジスタであってもよい。
半導体基板4には、半導体装置2とともに別の半導体素子を形成してもよい。この場合半導体基板4には好ましくは、素子分離溝38(図3参照)に形成され、この半導体素子と半導体装置2を電気的に分離する素子分離膜34が形成される。上記半導体素子は例えば、pチャネルLDMOSトランジスタ68(図22参照)である。この半導体素子は、ロジック回路を構成するMOSトランジスタやnチャネルLDMOSトランジスタであってもよい。
素子分離溝38は、所定の深さ(例えば、350nm)を有している。半導体装置2の凹所16(図3参照)は、好ましくはこの所定の深さを有する。素子分離膜34の材料は、例えば酸化シリコンである。ゲート絶縁膜18は、この素子分離膜34の材料で形成されることが好ましい。この場合、素子分離膜34とゲート絶縁膜18とを同時に形成することは容易である。したがって、半導体装置2は他の半導体素子との親和性が高い。
素子分離溝38の深さ(すなわち、凹所16の深さ)は、好ましくは100nm以上600nm以下である。更に好ましくは、素子分離溝38の深さは200nm以上500nm以下である。最も好ましくは、素子分離溝38の深さは300nm以上400nm以下である。
他の半導体素子がLDMOSトランジスタの場合、LDMOSのドリフト領域74(図22(b)参照)は所定の濃度の第2導電型(例えば、p型)の所定の不純物を有する。半導体装置2の第1電界緩和領域24aおよび第2電界緩和領域24bは、第2導電型の上記所定の不純物を上記所定の濃度有することが好ましい。上記所定の濃度は、例えば5×1015cm−3〜5×1016cm−3である。
なおLDMOD68(図22参照)は、ドレイン領域70とチャネル領域72の間に少なくとも一部が形成されたドリフト領域74を有するトランジスタである。以上の例では、ドリフト領域は第2導電型(例えば、p型)である。
(5)製造方法
図12〜22は、半導体装置2の製造方法の一例を説明する図である。図12(a)、13(a) …… 22(a)は平面図である。図12(b)、13(b) …… 22(b)はそれぞれ、図12(a)、13(a) …… 22(a)のXIIB-XIIB, XIIIB-XIIIB,……XXIIB-XXIIB線に沿った断面図である。
図12〜22は、半導体装置2の製造方法の一例を説明する図である。図12(a)、13(a) …… 22(a)は平面図である。図12(b)、13(b) …… 22(b)はそれぞれ、図12(a)、13(a) …… 22(a)のXIIB-XIIB, XIIIB-XIIIB,……XXIIB-XXIIB線に沿った断面図である。
図12〜22には、実施の形態の半導体装置2とLDMOSを同一基板に形成する場合の製造方法が示されている。図12(a)〜22(b)の左側には、実施の形態の半導体装置2に対応する領域が示されている。図12(a)〜22(b)の右側には、LDMOSに対応する領域が示されている。
―ゲート酸化膜および素子分離膜の形成(図12〜14)―
例えば比抵抗が10Ω・cm程度のP型半導体基板4(例えば、P型Si基板)を用意する。この半導体基板4の表面を酸化して、厚さ15nm程度の保護酸化膜(図示せず)を形成する。
例えば比抵抗が10Ω・cm程度のP型半導体基板4(例えば、P型Si基板)を用意する。この半導体基板4の表面を酸化して、厚さ15nm程度の保護酸化膜(図示せず)を形成する。
この保護酸化膜の上に、気相成長法により窒化膜を150nm程度形成する。さらにこの窒化膜の上に、半導体装置2の凹所16および素子分離溝38に対応するレジスト膜を形成する。このレジスト膜を介して窒化膜をエッチングし、図12に示すように、エッチングマスク40を形成する。
このエッチングマスク40を介して半導体基板4をエッチングし、凹所16および素子分離溝38を形成する。凹所16および素子分離溝38の深さは、例えば350nmである。
次に、酸化雰囲気で半導体基板4を1100℃でアニールし、半導体基板4の露出面を40nm程度酸化する。その後、半導体基板4の上に気相成長法より厚さ675nm程度の絶縁膜(例えば、酸化シリコン)を堆積し、凹所16および素子分離溝38を埋める。
図13に示すように、この絶縁膜をエッチングマスク40が露出するまでCMP(Chemical Mechanical Polishing)により研磨して、ゲート絶縁膜18および素子分離膜34を形成する。
その後、図14に示すように、エッチングマスク40と保護酸化膜をウェットエッチングにより除去する。この時、ゲート絶縁膜18および素子分離膜34も15nm程度エッチングされる。保護酸化膜の除去により露出した半導体基板4の表面を再び酸化雰囲気中で酸化して、厚さ10nm程度の保護酸化膜(図示せず)を成長する。酸化温度は例えば、900℃程度である。
―ウェルおよびNボディへの不純物導入(図15)―
図15に示すように、半導体装置2のウェル6およびLDMOSトランジスタのNボディそれぞれに対応する開口部が設けられたレジスト膜42を、半導体基板4の上に形成する。このレジスト膜42を介して、半導体基板4に燐イオン(P+)をイオン注入する。加速電圧は、例えば2MeVである。ドーズ量は、例えば2.50×1012cm−2である。その後さらにオン(P+)をイオン注入する。加速電圧は、例えば500keVである。ドーズ量は、例えば1.50×1012cm−2である。
図15に示すように、半導体装置2のウェル6およびLDMOSトランジスタのNボディそれぞれに対応する開口部が設けられたレジスト膜42を、半導体基板4の上に形成する。このレジスト膜42を介して、半導体基板4に燐イオン(P+)をイオン注入する。加速電圧は、例えば2MeVである。ドーズ量は、例えば2.50×1012cm−2である。その後さらにオン(P+)をイオン注入する。加速電圧は、例えば500keVである。ドーズ量は、例えば1.50×1012cm−2である。
このイオン注入により、ウェル6に対応する領域44およびNボディに対応する領域46に、n型不純物が導入される。その後、レジスト膜42を剥離する。
尚、図15(a)には、レジスト膜42は図示されていない。図16(a)、図17(a)、図18(a)、図20(a)、および図21(a)についても、同様である。
―電界緩和領域およびドリフト領域への不純物導入(図16)―
図16に示すように、半導体装置2の第1電界緩和領域24a、半導体装置2の第2電界緩和領域24b、およびLDMOSトランジスタのドリフト領域74それぞれに対応する開口部が設けられたレジスト膜142を、半導体基板4の上に形成する。このレジスト膜142を介して、半導体基板4にホウ素イオン(B+)をイオン注入する。加速電圧は、例えば150keVである。ドーズ量は、例えば5.50×1012cm−2である。
図16に示すように、半導体装置2の第1電界緩和領域24a、半導体装置2の第2電界緩和領域24b、およびLDMOSトランジスタのドリフト領域74それぞれに対応する開口部が設けられたレジスト膜142を、半導体基板4の上に形成する。このレジスト膜142を介して、半導体基板4にホウ素イオン(B+)をイオン注入する。加速電圧は、例えば150keVである。ドーズ量は、例えば5.50×1012cm−2である。
このイオン注入により、第1電界緩和領域24aに対応する領域48と第2電界緩和領域24bに対応する領域50とドリフト領域74に対応する領域52それぞれに、p型不純物が導入される。その後、レジスト膜142を剥離する。
電界緩和領域24a,24bに対応するレジストマスク142の開口部は、ゲート電極20の形成位置から例えば0.2μm程度離れるように形成される。この距離は、スッテパーの位置合せ誤差より十分広い。したがって、ゲート電極20と電界緩和領域24a,24bが平面視において重なることはない。
―閾値調整領域への不純物導入(図17)―
図17に示すように、半導体装置2の閾値調整領域36に対応する開口部が設けられたレジスト膜242を、半導体基板4の上に形成する。このレジスト膜242を介して、半導体基板4にホウ素イオン(B+)をイオン注入する。加速電圧は、例えば150keVである。ドーズ量は、例えば7.0×1012cm−2である。
図17に示すように、半導体装置2の閾値調整領域36に対応する開口部が設けられたレジスト膜242を、半導体基板4の上に形成する。このレジスト膜242を介して、半導体基板4にホウ素イオン(B+)をイオン注入する。加速電圧は、例えば150keVである。ドーズ量は、例えば7.0×1012cm−2である。
このイオン注入により、閾値調整領域36に対応する領域54にp型不純物が導入される。その後、レジスト膜242を剥離する。
―ウェル高濃度領域への不純物導入(図18)―
図18に示すように、半導体装置2のウェル高濃度領域28に対応する開口部が設けられたレジスト膜342を、半導体基板4の上に形成する。このレジスト膜342を介して、半導体基板4に燐素イオン(P+)とヒ素イオン(As+)をイオン注入する。燐素イオンおよびヒ素イオンの加速電圧はそれぞれ、例えば500keVおよび180keVである。燐素イオンおよびヒ素イオンのドーズ量はそれぞれ、例えば2.8×1013cm−2および4.1×1012cm−2である。
図18に示すように、半導体装置2のウェル高濃度領域28に対応する開口部が設けられたレジスト膜342を、半導体基板4の上に形成する。このレジスト膜342を介して、半導体基板4に燐素イオン(P+)とヒ素イオン(As+)をイオン注入する。燐素イオンおよびヒ素イオンの加速電圧はそれぞれ、例えば500keVおよび180keVである。燐素イオンおよびヒ素イオンのドーズ量はそれぞれ、例えば2.8×1013cm−2および4.1×1012cm−2である。
このイオン注入により、ウェル高濃度領域28に対応する領域56にn型不純物が導入される。その後、レジスト膜342を剥離する。
―活性化アニール―
これまでにイオン注入した不純物を活性化するため、半導体基板4をアニールする。熱処理温度は、例えば1000℃である。熱処理時間は、例えば10secである。熱処理雰囲気は、例えばN2である。
これまでにイオン注入した不純物を活性化するため、半導体基板4をアニールする。熱処理温度は、例えば1000℃である。熱処理時間は、例えば10secである。熱処理雰囲気は、例えばN2である。
以上により、ウェル高濃度領域28等が形成される。
アニール後、半導体基板4の表面に形成された保護酸化膜(図示せず)をウェットエッチングにより除去する。保護酸化膜を除去する際、ゲート絶縁膜18および素子分離膜34の表面もエッチングされる。従って、これまで繰り返された保護酸化膜の除去により、ゲート絶縁膜18および素子分離膜34はある程度薄くなる。ゲート絶縁膜18および素子分離膜34の厚さは例えば、270nm程度になる。
―ゲート電極の形成(図19)―
次に気相成長法により半導体基板4の上に、ポリシリコン膜を例えば180nm程度成長する。このポリシリコン膜をフォトリソグラフィー技術とエッチングによりパターンニングし、図19に示すように半導体装置2およびLDMOSトランジスタのゲート電極20,57を形成する。
次に気相成長法により半導体基板4の上に、ポリシリコン膜を例えば180nm程度成長する。このポリシリコン膜をフォトリソグラフィー技術とエッチングによりパターンニングし、図19に示すように半導体装置2およびLDMOSトランジスタのゲート電極20,57を形成する。
―ソース領域およびドレイン領域の形成(図20及び21)
ここでは、半導体装置2およびLDMOSトランジスタと共にLDD(Lightly Doped Drain)構造のPチャネルMOSトランジスタを半導体基板4に形成する場合の工程の一例を説明する。
ここでは、半導体装置2およびLDMOSトランジスタと共にLDD(Lightly Doped Drain)構造のPチャネルMOSトランジスタを半導体基板4に形成する場合の工程の一例を説明する。
まず、図20に示すように、半導体装置2とLDMOSトランジスタとPチャネルMOSトランジスタそれぞれのソース領域とドレイン領域に対応する開口部および第2コンタクト領域32bに対応する開口部が設けられたレジスト膜442を、半導体基板4の上に形成する。なお図20には、PチャネルMOSトランジスタに対応する領域は示されていない。後述する図21についても、同様である。
このレジスト膜442を介して、半導体基板4にBF2+をイオン注入する。加速電圧は、例えば80keVである。ドーズ量は、例えば4.5×1013cm−2である。
このイオン注入により、各トランジスタのソース領域およびドレイン領域に対応する領域58およびウェル周囲のコンタクト領域(第2コンタクト領域32b)に対応する領域59に、p型不純物が導入される。その後、レジスト膜442を剥離する。
次に図21に示すように、各トランジスタのゲート電極の側面にサイドウォール22を形成する。
その後図21(b)に示すように、各トランジスタのソース領域とドレイン領域、ウェルの周囲に設けられるコンタクト領域(例えば、第2コンタクト領域32b)、および各トランジスタのゲート電極20を覆わないようにレジスト膜542を、半導体基板4の上に形成する。
このレジスト膜542を介して、半導体基板4にB+イオンとF+イオン注入する。B+イオンとF+イオンの加速電圧はそれぞれ、例えば5keVと8keVである。B+イオンとF+イオンのドーズ量は、例えば2.0×1015cm−2と4.0×1014cm−2である。その後、レジスト剥離542を剥離する。
このイオン注入により、ゲート電極20にp型不純物が導入される。各トランジスタのソース領域およびドレイン領域に対応する領域62には、p型不純物が再度導入される。さらに、ウェル周囲のコンタクト領域(第2コンタクト領域32b)に対応する領域60に、p型不純物が再度導入される。
―活性化アニール―
上記イオン注入により導入した不純物を活性化するため、半導体基板4をアニールする。熱処理温度は、例えば1000℃である。熱処理時間は、例えば10secである。熱処理雰囲気は、例えばN2である。これにより、各トランジスタのソース領域とドレイン領域等が形成される。
上記イオン注入により導入した不純物を活性化するため、半導体基板4をアニールする。熱処理温度は、例えば1000℃である。熱処理時間は、例えば10secである。熱処理雰囲気は、例えばN2である。これにより、各トランジスタのソース領域とドレイン領域等が形成される。
―Nボディ内コンタクト領域の形成―
LDMOSのNボディ46内の領域64(図21(a)参照)にn型不純物をイオン注入し、アニールにより活性化する。これにより、Nボディ46内にコンタクト領域76(図22(b)参照)が形成される。
LDMOSのNボディ46内の領域64(図21(a)参照)にn型不純物をイオン注入し、アニールにより活性化する。これにより、Nボディ46内にコンタクト領域76(図22(b)参照)が形成される。
―コンタクト電極の形成(図22)―
次に、各トランジスタのソース領域とドレイン領域に上に形成された保護酸化膜を除去する。その後、半導体基板4の表面に例えば厚さ6nm程度のコバルト膜を、スパッターにより形成する。
次に、各トランジスタのソース領域とドレイン領域に上に形成された保護酸化膜を除去する。その後、半導体基板4の表面に例えば厚さ6nm程度のコバルト膜を、スパッターにより形成する。
その後コバルト膜を形成した半導体基板4をアニールして、コバルトシリサイドを1次形成する。アニール温度は、例えば540℃である。アニール雰囲気は、例えばN2である。アニール時間は、例えば30秒である。その後、未反応のコバルトを自己形成的に除去する。その後半導体基板4をさらにアニールして、コバルトシリサイドを2次形成する。
これにより図22に示すように、ソース領域とドレイン領域とゲート電極上にコンタクト電極66が形成される。以上により、半導体装置2およびLDMOS68が形成される(配線部分を除く)。尚、図1〜3等ではコンタクト電極は省略されている。
―コンタクトプラグの形成―
コンタクト電極66を形成した半導体基板4の上に層間絶縁膜8(図3参照)を堆積し、さらにビア10および配線(図示せず)を形成して半導体装置2およびLDMOSトランジスタ68を含む集積回路を完成する。
コンタクト電極66を形成した半導体基板4の上に層間絶縁膜8(図3参照)を堆積し、さらにビア10および配線(図示せず)を形成して半導体装置2およびLDMOSトランジスタ68を含む集積回路を完成する。
形成された半導体装置2の閾値は、例えば−3.2Vである。測定条件は、ソース電位が0V、ドレイン電位が−14V、素子温度が27℃である。閾値は、ドレイン電流が1nA/μmとなる時のゲート電圧である。
オン電流は、例えば−12μA/μmである。測定条件は、ゲート電圧が−14V、ドレイン電位が−14V、ソース電位とウェル電位と基板電位が0Vである。素子温度は27℃である。
ソース・ドレイン間の耐圧は、例えば52Vである。測定条件は、ゲート電圧が0V、ソース電位とウェル電位と基板電位が0Vである。素子温度は27℃である。上記耐圧は、ドレイン電流が0.1μAになる時のソース・ドレイン間電圧である。
実施の形態では、第1導電型はp型であり、第2導電型はn型である。しかし第1導電型がn型であり、第2導電型がp型であってもよい。
実施の形態では、半導体基板4はシリコン基板である。しかし、半導体基板4は他の半導体基板(例えば、GaAs基板やInP基板)であってもよい。
実施の形態では、ゲート絶縁膜18および素子分離膜34の材料は酸化シリコンである。しかし、ゲート絶縁膜18および素子分離膜34の材料は、他の材料たとえばSiOCであってもよい。
実施の形態では、素子領域6は第2導電型の半導体基板に設けられた第1導電型のウェルである。しかし素子領域6は、第1導電型の半導体基板に設けられた第1導電型の領域であってもよい。
実施の形態では、ソース領域は第1電界緩和領域内に形成される。しかし、ソース領域は第1電界緩和領域のゲート電極とは反対側の一辺に接していてもよい。ドレイン領域についても、同様である。
以上の実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
半導体基板に設けられた第1導電型の素子領域と、
前記素子領域に形成された前記第1導電型とは反対の第2導電型のソース領域と、
前記素子領域に形成された前記第2導電型のドレイン領域と、
少なくとも前記ソース領域と前記ドレイン領域の間に形成された凹所に設けられた絶縁膜と、
平面視において前記ソース領域と前記ドレイン領域の間に配置されるように、前記絶縁膜上に形成されたゲート電極と、
前記絶縁膜を挟んで前記ゲート電極に対向する前記素子領域内の対向領域と前記ソース領域の間に少なくとも一部が形成され、前記第2導電型の不純物の濃度が前記ソース領域より低い前記第2導電型の第1電界緩和領域と、
前記素子領域内の前記対向領域と前記ドレイン領域の間に少なくとも一部が形成され、前記第2導電型の不純物の濃度が前記ドレイン領域より低い前記第2導電型の第2電界緩和領域と、
前記素子領域において前記第1電界緩和領域および前記第2電界緩和領域を囲み、前記第1導電型の不純物の濃度が前記素子領域より高い前記第1導電型の高濃度領域とを備え、
前記ゲート電極は、平面視において前記第1電界緩和領域および前記第2電界緩和領域から離隔し、
前記ゲート電極の両端は、平面視において前記高濃度領域に重なっている
半導体装置。
半導体基板に設けられた第1導電型の素子領域と、
前記素子領域に形成された前記第1導電型とは反対の第2導電型のソース領域と、
前記素子領域に形成された前記第2導電型のドレイン領域と、
少なくとも前記ソース領域と前記ドレイン領域の間に形成された凹所に設けられた絶縁膜と、
平面視において前記ソース領域と前記ドレイン領域の間に配置されるように、前記絶縁膜上に形成されたゲート電極と、
前記絶縁膜を挟んで前記ゲート電極に対向する前記素子領域内の対向領域と前記ソース領域の間に少なくとも一部が形成され、前記第2導電型の不純物の濃度が前記ソース領域より低い前記第2導電型の第1電界緩和領域と、
前記素子領域内の前記対向領域と前記ドレイン領域の間に少なくとも一部が形成され、前記第2導電型の不純物の濃度が前記ドレイン領域より低い前記第2導電型の第2電界緩和領域と、
前記素子領域において前記第1電界緩和領域および前記第2電界緩和領域を囲み、前記第1導電型の不純物の濃度が前記素子領域より高い前記第1導電型の高濃度領域とを備え、
前記ゲート電極は、平面視において前記第1電界緩和領域および前記第2電界緩和領域から離隔し、
前記ゲート電極の両端は、平面視において前記高濃度領域に重なっている
半導体装置。
(付記2)
付記1に記載の半導体装置において、
前記高濃度領域は、前記ゲート電極の一端に向かって突出し前記第1電界緩和領域と前記第2電界緩和領域の間に入り込んだ第1突出部と、前記ゲート電極の他端に向かって突出し前記第1電界緩和領域と前記第2電界緩和領域の間に入り込んだ第2突出部とを有し、
前記ゲート電極の一端は、前記第1突出部に重なり、
前記ゲート電極の他端は、前記第2突出部に重なっていることを
特徴とする半導体装置。
付記1に記載の半導体装置において、
前記高濃度領域は、前記ゲート電極の一端に向かって突出し前記第1電界緩和領域と前記第2電界緩和領域の間に入り込んだ第1突出部と、前記ゲート電極の他端に向かって突出し前記第1電界緩和領域と前記第2電界緩和領域の間に入り込んだ第2突出部とを有し、
前記ゲート電極の一端は、前記第1突出部に重なり、
前記ゲート電極の他端は、前記第2突出部に重なっていることを
特徴とする半導体装置。
(付記3)
付記1又は2に記載の半導体装置において、
前記半導体基板にはさらに、前記半導体装置とは異なる半導体素子と、素子分離溝に形成され前記半導体装置と前記半導体素子とを電気的に分離する素子分離膜とが設けられ、
前記素子分離溝は、第1の深さを有し、
前記半導体装置の前記凹所は、前記第1の深さを有し、
前記半導体装置の前記絶縁膜は、前記素子分離膜の材料で形成されていることを
特徴とする半導体装置。
付記1又は2に記載の半導体装置において、
前記半導体基板にはさらに、前記半導体装置とは異なる半導体素子と、素子分離溝に形成され前記半導体装置と前記半導体素子とを電気的に分離する素子分離膜とが設けられ、
前記素子分離溝は、第1の深さを有し、
前記半導体装置の前記凹所は、前記第1の深さを有し、
前記半導体装置の前記絶縁膜は、前記素子分離膜の材料で形成されていることを
特徴とする半導体装置。
(付記4)
付記1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記半導体基板にはさらに、ドレイン領域とチャネル領域の間に少なくとも一部が形成された前記第2導電型のドリフト領域を有する横方向拡散MOSトランジスタが設けられ、
前記ドリフト領域は、前記第2導電型の第1の不純物を第1の濃度有し、
前記半導体装置の前記第1電界緩和領域および前記第2電界緩和領域は、前記第2導電型の前記第1の不純物を前記第1の濃度有することを
特徴とする半導体装置。
付記1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記半導体基板にはさらに、ドレイン領域とチャネル領域の間に少なくとも一部が形成された前記第2導電型のドリフト領域を有する横方向拡散MOSトランジスタが設けられ、
前記ドリフト領域は、前記第2導電型の第1の不純物を第1の濃度有し、
前記半導体装置の前記第1電界緩和領域および前記第2電界緩和領域は、前記第2導電型の前記第1の不純物を前記第1の濃度有することを
特徴とする半導体装置。
(付記5)
付記1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記絶縁膜の厚さは、50nm以上であることを
特徴とする半導体装置。
付記1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記絶縁膜の厚さは、50nm以上であることを
特徴とする半導体装置。
(付記6)
付記1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記素子領域内の前記対向領域は、チャネル領域であることを特徴とする半導体装置。
付記1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記素子領域内の前記対向領域は、チャネル領域であることを特徴とする半導体装置。
2・・・半導体装置
4・・・半導体基板
6・・・ウェル(素子領域)
12・・・ソース領域
14・・・ドレイン領域
16・・・凹所
18・・・ゲート絶縁膜
20・・・ゲート電極
24a・・・第1電界緩和領域
24b・・・第2電界緩和領域
26・・・チャネル領域
28・・・ウェル高濃度領域
30a・・・第1突出部
30b・・・第2突出部
38・・・素子分離溝
68・・・LDMOSトランジスタ
4・・・半導体基板
6・・・ウェル(素子領域)
12・・・ソース領域
14・・・ドレイン領域
16・・・凹所
18・・・ゲート絶縁膜
20・・・ゲート電極
24a・・・第1電界緩和領域
24b・・・第2電界緩和領域
26・・・チャネル領域
28・・・ウェル高濃度領域
30a・・・第1突出部
30b・・・第2突出部
38・・・素子分離溝
68・・・LDMOSトランジスタ
Claims (5)
- 半導体基板に設けられた第1導電型の素子領域と、
前記素子領域に形成された前記第1導電型とは反対の第2導電型のソース領域と、
前記素子領域に形成された前記第2導電型のドレイン領域と、
少なくとも前記ソース領域と前記ドレイン領域の間に形成された凹所に設けられた絶縁膜と、
平面視において前記ソース領域と前記ドレイン領域の間に配置されるように、前記絶縁膜上に形成されたゲート電極と、
前記絶縁膜を挟んで前記ゲート電極に対向する前記素子領域内の対向領域と前記ソース領域の間に少なくとも一部が形成され、前記第2導電型の不純物の濃度が前記ソース領域より低い前記第2導電型の第1電界緩和領域と、
前記素子領域内の前記対向領域と前記ドレイン領域の間に少なくとも一部が形成され、前記第2導電型の不純物の濃度が前記ドレイン領域より低い前記第2導電型の第2電界緩和領域と、
前記素子領域において前記第1電界緩和領域および前記第2電界緩和領域を囲み、前記第1導電型の不純物の濃度が前記素子領域より高い前記第1導電型の高濃度領域とを備え、
前記ゲート電極は、平面視において前記第1電界緩和領域および前記第2電界緩和領域から離隔し、
前記ゲート電極の両端は、平面視において前記高濃度領域に重なっている
半導体装置。 - 請求項1に記載の半導体装置において、
前記高濃度領域は、前記ゲート電極の一端に向かって突出し前記第1電界緩和領域と前記第2電界緩和領域の間に入り込んだ第1突出部と、前記ゲート電極の他端に向かって突出し前記第1電界緩和領域と前記第2電界緩和領域の間に入り込んだ第2突出部とを有し、
前記ゲート電極の一端は、前記第1突出部に重なり、
前記ゲート電極の他端は、前記第2突出部に重なっていることを
特徴とする半導体装置。 - 請求項1又は2に記載の半導体装置において、
前記半導体基板にはさらに、前記半導体装置とは異なる半導体素子と、素子分離溝に形成され前記半導体装置と前記半導体素子とを電気的に分離する素子分離膜とが設けられ、
前記素子分離溝は、第1の深さを有し、
前記半導体装置の前記凹所は、前記第1の深さを有し、
前記半導体装置の前記絶縁膜は、前記素子分離膜の材料で形成されていることを
特徴とする半導体装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記半導体基板にはさらに、ドレイン領域とチャネル領域の間に少なくとも一部が形成された前記第2導電型のドリフト領域を有する横方向拡散MOSトランジスタが設けられ、
前記ドリフト領域は、前記第2導電型の第1の不純物を第1の濃度有し、
前記半導体装置の前記第1電界緩和領域および前記第2電界緩和領域は、前記第2導電型の前記第1の不純物を前記第1の濃度有することを
特徴とする半導体装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記素子領域内の前記対向領域は、チャネル領域であることを特徴とする半導体装置。
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