JP2015069754A - 正極活物質及び正極活物質の製造方法並びにリチウム電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池の放電容量を増大させることが可能な正極活物質を提供する。
【解決手段】下記式(1)で表される空間群fm−3mに属する複合酸化物の粒子内に、Ni−Co合金を有する、正極活物質とする。
LiNiCoMnTiO … (1)
【選択図】図1

Description

本発明は電池の放電容量を増大させることが可能な正極活物質に関する。
リチウム電池の正極活物質の一種にLiMXO(MはNi、Co、Mn等、XはP、Si、Ti等)で表されるポリアニオン系化合物があり、その性能を向上させるべく様々な研究がなされている。例えば、特許文献1によれば、所定の平均一次粒子径を有するポリアニオン系化合物粒子を炭素粒子に担持させることで放電容量及びレート特性に優れた電気化学素子を形成可能、とされている。
また、特許文献2、3によれば、活物質の性能を向上させるには、活物質に合金を担持させる、或いは、合金相を備えさせることも有効とされている。
特開2010−86772号公報 特許第3578992号 特開2006−185716号公報
しかしながら、本発明者が鋭意研究を進めたところ、上記したポリアニオン系化合物のうちTiO系化合物を電池の正極活物質として用いた場合、十分な放電容量が得られない場合があることを知見した。
そこで、本発明は電池の放電容量を増大させることが可能な正極活物質を提供することを課題とする。
本発明者は鋭意研究により以下の着想・知見に至った。
(1)従来のLiMTiO系複合酸化物は、構造上、リチウムイオンの拡散パスが存在するものの、十分にリチウムが脱離せず、正極活物質として理論容量の半分程度の実容量しか得られていない。これはリチウムイオンの拡散係数が低く、リチウムの拡散パスが十分でないためと考えられる。
(2)当該複合酸化物においてリチウムは2個分動くはずであるが、従来技術では1電子分しか反応していない。2電子反応に至るには、構造上、拡散パスを広く確保することが必要と考えられる。
(3)当該複合酸化物に金属粒子を担持させ、電子伝導性を向上させることにより、拡散パスを広く確保でき、容量を増大させることができる。
(4)一方で金属粒子は電池の充電中に高電位に曝されると電解液と反応して溶出する虞がある。金属粒子の溶出を抑制するには金属粒子を複合酸化物粒子内に内包させることが有効である。
(5)金属粒子を複合酸化物粒子内に内包させるには、複合酸化物の合成過程において金属粒子を生成させればよい。
本発明は上記着想・知見により完成されたものである。すなわち、
第1の本発明は、下記式(1)で表される空間群fm−3mに属する複合酸化物の粒子内に、Ni−Co合金を有することを特徴とする、正極活物質である。
LiNiCoMnTiO … (1)
本発明において「下記式(1)で表される空間群fm−3mに属する複合酸化物」とは、Li、Co、Ni、Mn、Ti及びOからなる不規則岩塩構造を有する複合酸化物をいう。すなわち、このような構造を採ってさえいれば、式(1)中のa、b、x、y、zの値は特に限定されるものではない。例えばa=2、b=4、x=1/3、y=1/3、z=1/3の複合酸化物が挙げられるが、これに限定されるものではない。
「複合酸化物の粒子」とは、複合酸化物からなる粒子であることが好ましいが、厳密には不規則岩塩構造を構成しないLi、Mn、Ti、Oが一部確認されるような粒子であってもよい。すなわち、正極活物質についてXRD測定を行った場合に、不規則岩塩構造に由来する回折ピークと、後述のNi−Co合金に由来する回折ピークとが確認できればよい。
「複合酸化物の粒子内に、Ni−Co合金を有する」とは、少なくとも粒子内に、Ni−Co合金が存在していることを意味する。すなわち、複合酸化物粒子表面に露出しているNi−Co合金が存在していてもよい趣旨である。
本発明において、「Ni−Co合金」の存在は、正極活物質についてXRD測定を行った場合における回折ピークの有無によって確認できる。また「複合酸化物の粒子内に、Ni−Co合金を有する」ことについては以下の方法により確認できる。すなわち、正極活物質を電解液電池の正極に適用したうえで、電池充電前後の当該正極のXRD回折ピークと、電池放電前後の当該正極のXRD回折ピークとを確認する。充放電前後のいずれにおいても、複合酸化物に由来するピークとともにNi−Co合金に由来するピークが確認できる場合、電池の充放電時においてNi−Co合金が電解液に溶出していない、すなわち、複合酸化物の粒子内にNi−Co合金を有する、と判断できる。
第2の本発明は、第1の本発明に係る正極活物質を備えるリチウム電池である。
本発明において「リチウム電池」は、正極中に本発明に係る正極活物質が用いられていればよく、その他の構成については特に限定されるものではない。
第3の本発明は、下記式(1)で表される空間群fm−3mに属する複合酸化物に比してNi及びCoを過剰に含む混合物を還元剤の共存下で焼成することで、当該複合酸化物の粒子とNi−Co合金とを生成させるとともに、当該複合酸化物の粒子内にNi−Co合金を担持させることを特徴とする、正極活物質の製造方法である。
LiNiCoMnTiO … (1)
本発明において、「…複合酸化物に比してNi及びCoを過剰に含む混合物」とは、不規則岩塩構造を構成し得るLi、Ni、Co、Mn、Ti及びOの組成比と混合物における組成比とを比較して、混合物中にNi及びCoが過剰に含まれていることを意味する。このような混合物を「還元剤の共存下で焼成」することで、複合酸化物を合成しながらNi−Co合金を生成させることができ、少なくとも一部のNi−Co合金を複合酸化物粒子中に容易に内包させることができる。
第3の本発明においては、還元剤として有機酸由来の有機物を用いることができる。「有機物」は還元剤として機能するものであればよく、分子中に炭素を含む化合物であればよい。例えば、溶液法によって複合酸化物を合成する場合は、原料混合時に添加される有機酸由来の残留物、或いは、原料として有機酸塩を用いた場合は当該有機酸塩由来の残留物をそのまま「有機物」として用いることができる。
本発明に係る正極活物質においては、所定の複合酸化物粒子中にNi−Co合金が含まれる。これにより、電子伝導性を向上させて拡散パスを広く確保できる一方で、電池反応時における合金の溶出を適切に抑制できる。すなわち本発明によれば、電池の放電容量を増大させることが可能な正極活物質を提供することができる。
本発明に係る正極活物質を説明するための概略図である。 実施例、比較例に係る試料それぞれについてのXRD測定結果を示す図である。 実施例に係る試料のSEM観察結果であり、(A)は2次電子像、(B)は反射電子像である。 実施例に係る試料を正極活物質として用いた場合における電池の充放電試験結果を示す図である。 比較例に係る試料を正極活物質として用いた場合における電池の充放電試験結果を示す図である。 実施例に係る試料について、充放電後のXRD測定結果を示す図である。
1.正極活物質
本発明に係る正極活物質は、下記式(1)で表される空間群fm−3mに属する複合酸化物の粒子内に、Ni−Co合金を有することを特徴とする。
LiNiCoMnTiO … (1)
図1に一実施形態に係る本発明の正極活物質10を概略的に示す。図1に示すように、正極活物質10は複合酸化物粒子1の内にNi−Co合金2を有している。本発明では、少なくとも複合酸化物粒子1内にNi−Co合金2が存在していればよく、図1に示すように、複合酸化物粒子1の表面にNi−Co合金2の一部が露出していてもよい。
1.1.複合酸化物粒子1
複合酸化物粒子1は、上記式(1)で表される空間群fm−3mに属する複合酸化物の粒子である。当該複合酸化物は、Li、Co、Ni、Mn、Ti及びOからなる不規則岩塩構造を有するものであればよい。このような構造を採ってさえいれば、式(1)中のa、b、x、y、zの値は特に限定されるものではない。例えばa=2、b=4、x=1/3、y=1/3、z=1/3の複合酸化物が挙げられるが、これに限定されるものではない。通常、a=1.5〜2.5、b=3〜4、x=0〜1、y=0〜1、z=0〜1である。
本発明において複合酸化物粒子1は、正極活物質10についてXRD測定を行った場合に、不規則岩塩構造に由来する回折ピークが確認できるものであればよく、不規則岩塩構造に由来する回折ピークのみが確認されるものが好ましい。
複合酸化物粒子1の大きさについては特に限定されるものではないが、その一次粒子径は好ましくは10nm以上1μm以下、より好ましくは10nm以上500nm以下である。複合酸化物粒子1の大きさは合成条件等によって調整することができる。
1.2.Ni−Co合金2
正極活物質10は複合酸化物粒子1内にNi−Co合金2を有する。Ni−Co合金2は少なくとも粒子1内に存在していればよく、その大きさ・形態は限定されるものではない。例えば、後述する溶液法によって正極活物質を製造した場合、粒子状のNi−Co合金を析出させることができる。この場合の一次粒子径は好ましくは10nm以上300nm以下、より好ましくは10nm以上100nm以下である。尚、上述したように、Ni−Co合金2は、その一部が複合酸化物粒子1の表面に露出していても良い。
正極活物質10におけるNi−Co合金の含有量は、本発明の効果が奏される限り、特に限定されるものではない。
以上の通り、正極活物質10においては、複合酸化物粒子1中にNi−Co合金2が含まれる。これにより、電子伝導性を向上させて拡散パスを広く確保できる一方で、電池反応時における合金2の溶出を適切に抑制でき、電池の放電容量を増大させることが可能である。
2.リチウム電池
本発明はリチウム電池としての側面も有する。すなわち、上記した本発明に係る正極活物質を備えるリチウム電池である。リチウム電池の構成については、本発明に係る正極活物質が正極中に用いられてさえいれば、電解質や負極、集電体等のその他構成については特に限定されるものではない。その他構成については従来からリチウム電池に適用されてきた構成をそのまま採用することが可能である。尚、上述の通り、本発明に係る正極活物質は、電池充放電中のNi−Co合金の溶出を抑制可能とされているため、電解液(特に非水電解液)を用いたリチウム電池にも適用可能である。
3.正極活物質の製造方法
本発明に係る正極活物質は、例えば以下に説明するような特徴的な製造方法によって容易に製造することができる。すなわち、本発明に係る正極活物質の製造方法は、下記式(1)で表される空間群fm−3mに属する複合酸化物に比してNi及びCoを過剰に含む混合物を還元剤の共存下で焼成することで、複合酸化物の粒子とNi−Co合金とを生成させるとともに、複合酸化物の粒子内にNi−Co合金を担持させることを特徴とする。
LiNiCoMnTiO … (1)
すなわち、本発明においては、上記複合酸化物に係る組成比よりもNi及びCoを過剰に含む混合物を用い、当該混合物のNi−Co源を還元しながら焼成することで、複合酸化物の合成・焼結過程でNi−Co合金を生成させる。このことで、複合酸化物粒子内にNi−Co合金が取り込まれた正極活物質を容易に製造可能である。
混合物はLi源、Ni源、Co源、Mn源、Ti源を少なくとも含んでいればよい。還元剤はNi源及びCo源をNi−Co合金に転化させ得るものであればよく、各種有機物を用いることが可能である。以下、溶液法により正極活物質を製造する場合について説明する。
溶液法によって正極活物質を合成する場合は、溶液として例えば硝酸溶液を用いることができ、また、Li源、Ni源、Co源、Mn源として各種酢酸塩を用いることができ、Ti源として酸化チタンを用いることができる。混合物における組成比は、既に説明したように、最終的に得られる正極活物質において不規則岩塩構造の複合酸化物とNi−Co合金とが所定量含まれるよう、Ni源、Co源が過剰量となるように適宜調整すればよい。
ここで、溶液法によって正極活物質を合成する場合、溶液中に有機酸を添加することで、各種原料を容易に溶解させることができる。ただし、各種原料が溶解されることなく分散されていてもよい。有機酸は焼成工程における還元剤としても機能し得る。或いは、上記したように原料として各種酢酸塩を用いた場合、当該酢酸も焼成工程における還元剤として機能し得る。
すなわち、溶液法において、各種原料を混合してなる混合分散溶液を攪拌・乾燥させてゲルを得た後で当該ゲルをか焼するにあたり、通常のか焼温度よりも低温で、或いは、通常のか焼時間よりも短時間でか焼することで意図的に有機物を残存させる。そして有機物が残存した粉体をそのまま焼成することによって、有機物を還元剤として機能させてNi−Co合金を生成させつつ、所望の複合酸化物を合成できる。
か焼は水分を除去しつつ有機物を残存させ得るような条件であればよく、例えば空気雰囲気下、200℃で5時間程度の熱処理とすることが好ましい。一方、焼成は本発明に係る正極活物質を製造可能な条件であればよく、焼成雰囲気、焼成温度、焼成時間について特に限定されるものではない。例えば、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、800℃〜1000℃程度で3時間〜24時間程度焼成する、好ましくは900℃で10時間程度焼成することで、本発明に係る正極活物質を製造可能である。
尚、本発明に係る製造方法は上記した溶液法による形態に限定されるものではない。例えば、固相反応によって上記した複合酸化物を合成するにあたり、Ni源及びCo源が過剰に含まれた粉体混合物を用意し、ここにさらに固体有機物等を混合したうえで焼成を行うことで、Ni−Co合金の生成と所望の複合酸化物の合成とを同時に進行させることが可能と言える。ただし、均質性に優れた正極活物質を低温にて容易に製造できる観点、電池に適用するに好適な微細な正極活物質が得られる観点等からは、溶液法によって正極活物質を製造することが好ましい。
以下、実施例に基づいて、本発明に係る正極活物質について詳述するが、本発明は以下の具体的な形態に限定されるものではない。尚、実施例においては、LiNi1/3Co1/3Mn1/3TiOの合成過程でNi−Co合金を生成させ、複合酸化物の粒子内に合金を担持させるものとした。
1.正極活物質の作製
1.1.実施例に係る正極活物質
以下の合成手順で、実施例に係る正極活物質を得た。
(1)硝酸水溶液に酢酸リチウム、酢酸マンガン、酢酸ニッケル、酢酸コバルト、グリコール酸を溶解させ、溶液Aを得た。この際、Ni、Coが複合酸化物組成よりも過剰となるように、酢酸ニッケル、酢酸コバルトを余分に溶解させた。
(2)得られた溶液Aに酸化チタンを分散させ、溶液Bを得た。
(3)溶液Bを80℃で保持しながら攪拌し、水分を除去しつつゲル化させた。
(4)得られたゲルを回収し、大気中で200℃、5時間熱処理し、水分を除去しつつも有機物を残存させた粉体を得た。
(5)得られた粉体をアルゴン雰囲気下、900℃で10時間焼成し、正極活物質を得た。
1.2.比較例に係る正極活物質
以下の合成手順で、比較例に係る正極活物質を得た。
(1)硝酸水溶液に酢酸リチウム、酢酸マンガン、酢酸ニッケル、酢酸コバルト、グリコール酸を溶解させ、溶液A’を得た。
(2)得られた溶液Aに酸化チタンを分散させ、溶液B’を得た。溶液B’において、各種原料は組成比がLiNi1/3Co1/3Mn1/3TiOと一致させるようにした。
(3)溶液Bを80℃で保持しながら攪拌し、水分を除去しつつゲル化させた。
(4)得られたゲルを回収し、大気中で350℃、10時間熱処理し、水分とともに残留有機物も除去して粉体を得た。
(5)得られた粉体をアルゴン雰囲気下、900℃で10時間焼成し、正極活物質を得た。
2.正極活物質の評価
2.1.XRD測定結果
図2に、実施例及び比較例に係る正極活物質のXRD回折パターンを示す。図2から明らかなように、実施例に係る正極活物質は、空間群fm−3mに属する複合酸化物に由来する回折ピークとともにNi−Co合金に由来する回折ピークが確認できた。すなわち、Ni及びCoを過剰に含ませるとともに、ゲルのか焼において有機物を意図的に残留させることで、焼成時にNi−Co源を還元することができ、正極活物質にNi−Co合金を含ませることができたと言える。一方、比較例に係る正極活物質は、当該複合酸化物に由来する回折ピークのみが確認された。すなわち、ゲルのか焼において有機物を完全に除去したため、正極活物質中にNi−Co合金を生成させることができなかったと言える。
2.2.SEM観察結果
図3に、実施例に係る正極活物質のSEM画像を示す。図3(A)が2次電子像、図3(B)反射電子像である。また、下記表1に、図3(B)にて確認できる白い斑点部分におけるEDX測定結果(スペクトル1、2)及びそれ以外の領域におけるEDX測定結果(スペクトル3、4)を示す。
図3及び表1の結果から、図3(B)における白い斑点部分は他の領域と比較してNi及びCoの存在比率が高く、Ni−Co合金が存在していると言える。すなわち、実施例に係る正極活物質は、複合酸化物の合成過程でNi−Co合金を生成させたことで、複合酸化物の粒子内にNi−Co合金を含有し、且つ、合金の一部は粒子の表面に露出していることが分かる。すなわち、実施例に係る正極活物質は、図1に示すような構造を採っていることが確認できた。
2.3.充放電試験結果
実施例及び比較例に係る正極活物質と、さらに以下に示す各部材とを用いてコインセルを作製し、充放電試験を行った。充放電試験においては、4.8Vを上限とした定電流モードで充電した後で2Vまで放電を行い、放電容量とした。実施例に係る結果を図4に、比較例に係る結果を図5に示す。
(正極層)
層中に含まれる正極活物質、導電助剤、バインダーの比率を、正極活物質:アセチレンブラック:PVdF=85:10:5(質量比)とした。分散剤としてはN−メチル−2−ピロリドン(ナカライテスク社製)を用いた。
(正極集電体)
アルミニウム箔を使用した。
(非水電解液)
EC:DMC=1:1(体積比)とした混合溶媒に、電解質としてLiPFを1mol/Lとなるように配合したものを用いた。
(負極層)
金属リチウムを使用した。
(負極集電体)
SUSを使用した。
(筐体)
SUS製2032型コインセルを使用した。
図4、5から明らかなように、実施例に係る正極活物質を用いた電池は、比較例に係るものよりも放電容量が2倍程度増加し、200mAh/gの放電容量が得られた。正極活物質において複合酸化物粒子中にNi−Co合金を担持したことによる顕著な効果が確認できた。
2.4.Ni−Co合金が複合酸化物粒子中に含まれていることの確認
充放電試験の前後における正極のXRD回折パターンを確認した。結果を図6に示す。
図6から明らかなように、充放電前後に亘ってNi−Co合金起因のピークが確認できた。すなわち、充放電中にNi−Co合金が電解液中に溶出していないことが示された。このことは、Ni−Co合金が複合酸化物粒子内に存在していることを裏付けている。
以上のように、実施例によって、本発明に係る正極活物質の特有の構成及び顕著な効果を確認することができた。
本発明はリチウム電池等の正極活物質として広く利用可能である。本発明によれば電池の放電容量を増大させることが可能である。
1 複合酸化物
2 Ni−Co合金
10 正極活物質

Claims (4)

  1. 下記式(1)で表される空間群fm−3mに属する複合酸化物の粒子内に、Ni−Co合金を有することを特徴とする、正極活物質。
    LiNiCoMnTiO … (1)
  2. 請求項1に記載の正極活物質を備えるリチウム電池。
  3. 下記式(1)で表される空間群fm−3mに属する複合酸化物に比してNi及びCoを過剰に含む混合物を還元剤の共存下で焼成することで、前記複合酸化物の粒子とNi−Co合金とを生成させるとともに、前記複合酸化物の粒子内にNi−Co合金を担持させることを特徴とする、正極活物質の製造方法。
    LiNiCoMnTiO … (1)
  4. 前記還元剤が有機酸由来の有機物である、請求項3に記載の製造方法。
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