JP2015069150A - 反射スクリーンおよび反射スクリーンを備えた映像表示システム - Google Patents

反射スクリーンおよび反射スクリーンを備えた映像表示システム Download PDF

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Abstract

【課題】熱履歴を受けた場合であっても反りを起こすことがなく、耐光性にも優れ、製造工程において余剰材料の無駄を低減できるとともに、3D映像表示システムにも適用できる反射スクリーンを提供する。【手段】映像源から投影される映像光を反射させて観察可能に表示する反射スクリーンであって、レンズ面と非レンズ面とを備え、背面側に凸となる単位レンズが複数配列されたフレネルレンズ層と、前記フレネルレンズ層のレンズ面の少なくとも一部に設けられた、光を反射する反射層と、前記反射部の背面側に設けられたバックコート層と、を少なくとも備え、前記フレネルレンズ層が、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂と光拡散粒子と着色材とを含んでなる樹脂組成物を一体成形して得られるものであることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、反射スクリーンに関し、より詳細には、投射された映像光を反射して表示する反射スクリーンおよびその反射スクリーンを備えた映像表示システムに関する。
近年、短焦点型の映像投射装置によって投射された映像光を良好に表示するために、単位レンズが複数配列されたリニアフレネルレンズ形状やサーキュラーフレネルレンズ形状を有するレンズ層に反射層を形成した反射スクリーン等が様々に開発されている(例えば、特許文献1)。
反射スクリーンの中には、映像源側から、表面層、拡散層ないし着色層、レンズ層、反射層、およびバックコート層の順で形成されている。例えば、特許文献1(特開2013−130837号公報)には、熱可塑性樹脂を用いて共押出成形により拡散層ないし着色層を作製した後、拡散層ないし着色層の一方の面に、紫外線硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を用いてレンズ形状を賦型し、形成されたレンズ層表面に反射層およびバックコート層を順に設け、最後に拡散層ないし着色層の表面にハードコート層形成用塗工液等を塗布して表面層を形成している。
上記のような形成工程を経て反射スクリーンを製造する場合、以下のような問題があった。即ち、熱可塑性樹脂を用いて共押出成形により拡散層ないし着色層を作製すると、押出成形後のフィルム延伸工程により内部歪みが残存しているため、例えば支持板等に貼り合わせた後に熱履歴を受けると、拡散層ないし着色層の収縮により反りが発生する場合がある。また、押出し形成工程および延伸工程を経て得られた拡散層ないし着色層はレタデーションを有するため、反射スクリーンに3D表示の投影機器からの映像光を投影した場合に不具合があった。さらに、紫外線硬化性樹脂を用いてレンズ賦型する際には、レンズ型の反対側である拡散層ないし着色層を介して紫外線を照射することになるため、拡散層ないし着色層に紫外線吸収剤を配合することができず、耐光性を向上させるには限界があった。また、紫外線硬化性樹脂を用いてレンズを賦型する場合、レンズ型に紫外線硬化性樹脂を充填し、余剰分の樹脂を掻き落とした後に紫外線を照射することが行われるが、余剰樹脂が、硬化後のレンズ層や拡散層ないし着色層に付着して製品を汚してしまうことがあった。
特開2013−130837号公報
本発明者らは、今般、上記したような層構成を有する反射スクリーンにおいて、レンズ層を熱可塑性樹脂で形成するとともに、レンズ層自体に光拡散剤および着色材を添加することにより、従来と同様の光学特性を維持しながら、上記したような問題を全て解消できるとの知見を得た。本発明はかかる知見によるものである。
したがって、本発明の目的は、熱履歴を受けた場合であっても反りを起こすことがなく、耐光性にも優れ、製造工程において余剰材料の無駄を低減できるとともに、3D映像表示システムにも適用できる反射スクリーンを提供することである。また、本発明の別の目的は、上記反射スクリーンを備えた映像表示システムを提供することである。
本発明による反射スクリーンは、映像源から投影される映像光を反射させて観察可能に表示する反射スクリーンであって、
レンズ面と非レンズ面とを備え、背面側に凸となる単位レンズが複数配列されたフレネルレンズ層と、
前記フレネルレンズ層のレンズ面の少なくとも一部に設けられた、光を反射する反射層と、
前記反射部の背面側に設けられたバックコート層と、を少なくとも備え、
前記フレネルレンズ層が、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂と光拡散粒子と着色材とを含んでなる樹脂組成物を一体成形して得られるものであることを特徴とする。
また、本発明の実施態様においては、前記光拡散粒子が、前記樹脂組成物中に質量基準で1〜5%含まれていてもよい。
また、本発明の実施態様においては、前記着色材が、前記樹脂組成物中に質量基準で0.1〜0.5%含まれていてもよい。
また、本発明の実施態様においては、前記樹脂組成物が、紫外線吸収剤をさらに含んでいてもよい。
また、本発明の実施態様においては、前記フレネルレンズ層の観測者側に表面層をさらに備えていてもよい。
また、本発明の実施態様においては、前記レンズ層が、熱硬化性樹脂と光拡散粒子と着色材とを含んでなる樹脂組成物をキャスト成形することにより形成されてもよい。
本発明の別の態様においては、前記反射スクリーンと、前記反射スクリーンに映像光を投射する映像源と、を備えた映像表示システムも提供される。
本発明によれば、熱履歴を受けた場合であっても反りを起こすことがなく、耐光性にも優れ、製造工程において余剰材料の無駄を低減できるとともに、3D映像表示システムにも適用できる反射スクリーンを実現することができる。
本発明による反射スクリーンの一実施形態の層構成を説明する図である。 反射スクリーンを構成するフレネルレンズ層を説明する図である。 本発明による反射スクリーンへ入射する映像光や外光の様子を説明する図である。 本発明による映像表示システムの一実施形態を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面等を参照しながら説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。また、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、適宜置き換えることができるものとする。また、本発明は、以下に説明する実施形態等に限定されものではない。
<反射スクリーン>
図1は、本発明による反射スクリーンの断面概略図である。また、図2は、本実施形態のフレネルレンズ層13を説明する図である。図2(a)は、フレネルレンズ層13を背面側正面方向から観察した様子を示しており、理解を容易にするために、反射層12やバックコート層11は省略して示している。図2(b)は、図1に示す断面の一部を示している。
本発明による反射スクリーン1は、図1に示すように、レンズ面131aと非レンズ面131bとを備え、背面側に凸となる単位レンズ131が複数配列されたフレネルレンズ層13と、前記フレネルレンズ層13のレンズ面131aの少なくとも一部に設けられた、光を反射する反射層12と、反射層12の背面側に設けられたバックコート層10と、を備えている。また、フレネルレンズ層13の単位レンズ131が設けられた面とは反対側の面上には、表面層15が設けられている。以下、反射スクリーン1を構成する各層について説明する。
フレネルレンズ層13は、光透過性を有する層であり、映像光をスクリーン面の略法線方向に向く略平行な光に変換して出射できるものであれば特に制限なく使用できるが、図2(a)に示すような、フレネルレンズ層13の面中央に対して偏心した位置に光学中心を有するサーキュラーフレネルレンズ形状であることが好ましい。映像光源を、反射スクリーンの下方側に配置する場合、フレネルレンズ層のフレネルレンズ形状の光学中心C1は、フレネルレンズ層13の面中央C2に対して下方側(即ち、映像光源側)に偏心していることが好ましい。なお、図2(a)において、光学中心C1は面131a外の位置に存在しているが、面131a内に存在していてもよい。このように光学中心C1が偏心した単位レンズ131を有するフレネルレンズ層13とすることにより、フレネルレンズ層13と映像光源との距離が短く、映像光の入射角が大きくなるような場合(短焦点の場合)であっても、映像光をスクリーン面の略法線方向に向く略平行な光に変換することができる。
本実施形態においては、フレネルレンズ層13の単位レンズの形状は、図2(a)に示したようなサーキュラーフレネルレンズ形状の他にも、使用用途に応じて、プリズムレンズ単位がスクリーン面の上下方向に複数配置されたリニアフレネルレンズ形状であってもよい。
単位レンズ131は、図1、図2(b)に示すように、スクリーン面に直交する方向(反射スクリーン10の厚み方向)に平行であって、単位レンズ131の配列方向に平行な断面における断面形状が、略三角形形状である。この単位レンズ131は、背面側に凸であり、レンズ面131aと、このレンズ面131aと対向する非レンズ面131bとを備えている。
反射スクリーン1の使用状態において、単位レンズ131は、レンズ面131aが頂点tを挟んで非レンズ面131bよりも鉛直方向上側に位置している。単位レンズ131において、図2(b)に示すように、レンズ面131aがスクリーン面に平行な面となす角度は、αであり、非レンズ面131bがスクリーン面に平行な面となす角度は、β(β>α)である。
また、単位レンズ131の配列ピッチは、Pであり、単位レンズ131のレンズ高さ(スクリーンの厚み方向における頂点tから単位レンズ131間の谷底となる点vまでの寸法)は、hである。
理解を容易にするために、図1および図2(b)等では、単位レンズ131の配列ピッチP、角度α,βは、単位レンズ131の配列方向において一定であるように示している。しかし、本実施形態の単位レンズ131は、実際には、配列ピッチP等が一定であるが、角度αが単位レンズ131の配列方向においてフレネルレンズ13の光学中心C1から離れるにつれて次第に大きくなっている。
なお、これに限らず、角度α等は、一定としてもよいし、配列ピッチPが、単位レンズ131の配列方向に沿って次第に変化する形態としてもよく、映像光を投影する映像源LSの画素(ピクセル)の大きさや、映像源LSの投射角度(反射スクリーン1のスクリーン面への映像光の入射角度)、反射スクリーン1の画面サイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜変更可能である。
また、単位レンズ131は、図2等に示す断面形状が略三角形形状である例を示したが、これに限らず、例えば、略台形形状であり、レンズ面と非レンズ面とが、スクリーン面に平行な頂面を挟んで対向する形態としてもよい。このとき、頂面は、映像光の反射に寄与しない領域に形成されることが好ましい。
単位レンズ131は、図2等に示す断面において、レンズ面131aおよび非レンズ面131bが直線状となる例を示したが、これに限らず、この断面において、例えば、レンズ面131aや非レンズ面131bの一部が曲線状となっていてもよい。また、各実施形態において、単位レンズ131のレンズ面131aおよび非レンズ面131bは、いずれも1つの面である例を示したが、これに限らず、例えば、少なくとも一方の面が、複数の面から構成される形態としてもよい。
上記したフレネルレンズ層13は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂と光拡散粒子と着色材とを含んでなる樹脂組成物を一体成形することにより得ることができる。例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂等の熱可塑性樹脂をフレネルレンズ形状を賦形する成形型ないし熱ロールに押圧して一体的に成形したり、あるいは、熱硬化性樹脂を使用してレネルレンズ形状を賦形する成形型に充填して熱硬化させるキャスト法により成形することができる。フレネルレンズ層を形成した後の残存内部応力を低減する点では、熱硬化性樹脂を使用することが好ましい。その結果、反射スクリーンを支持板等に貼り合わせた後に熱履歴を受けけたとしても、反射スクリーンが反ることがない。
キャスト法によりフレネルレンズ層13を形成する場合に用いられる熱硬化性樹脂としては、特に制限されるものではなく、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸エステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル等のアクリル酸エステル類、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等のスチレン類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル類が挙げられる。また、熱硬化させた後の光学的な透明性を満足する範囲で不飽和単量体として多官能性不飽和単量体を用いることも可能であり、ジビニルベンゼン、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、アルキルジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等を使用してもよい。
さらに、熱硬化性樹脂と併用してラジカル重合開始剤が含まれていてもよい。例えば、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、ジシクロヘキシルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート等の有機過酸化物系開始剤、2.2´−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2.2´−アゾビスイソブチレート、2.2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2.2´−アゾビス(2.4−ジメチルバレロニトリル)、2.2´−アゾビス(4−メトキシ−2.4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始剤ベンゾイルパーオキサイドとN.N−ジメチル−p−トルイジン、N.N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン、N.N−ジメチルアニリン等の第三級アミンの併用によるレドックス系開始剤が挙げられ、単独あるいは二種以上併用して用いられ、これらの中でもtert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、ジシクロヘキシルパーオキシネオデカノエート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、2.2´−アゾビス(2.4−ジメチルバレロニトリル)、2.2´−アゾビス(4−メトキシ−2.4−ジメチルバレロニトリル)等、半減期温度の低い開始剤が好ましく用いられる。
フレネルレンズ層13には、光拡散粒子(図示せず)が含まれている。フレネルレンズ層13に光拡散粒子が含まれることにより、視野角を広げたり、明るさの面内均一性の向上を図ることができる。そのため、従来の反射スクリーンに設けられていた拡散層を別途形成する必要がなくなる。
光拡散粒子としては、透明樹脂と光拡散粒子との間の屈折率差に起因して、または、光拡散粒子自体が有する反射性に起因して、光拡散層に入射した光が拡散し得るものであれば特に制限なく使用することができ、硫酸バリウム微粒子、ガラス微粒子、水酸化アルミニウム微粒子、炭酸カルシウム微粒子、シリカ(二酸化珪素)微粒子、酸化チタン微粒子等の無機系微粒子や、メラミンビーズ、アクリルビーズ、アクリル−スチレンビーズ、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ、ポリスチレンビーズ、塩ビビーズ、シリコンーン系ビーズ等の有機系微粒子を使用することができるが、透明性の観点からは有機系微粒子を使用することが好ましい。光拡散粒子の粒径は、特に限定されるものではないが、通常、1〜15μm程度のものが用いられる。
また、フレネルレンズ層13中の光拡散粒子の含有量は、樹脂組成物全体に対して質量基準で1〜5%であることが好ましく、1〜3%であることがより好ましい。1%未満であると、所望する視野角を得ることができなかったり、スクリーンに映し出される映像の面内均一性が不十分になる場合がある。一方、5%を超えるとスクリーンに映し出される映像がぼやけてしまい、解像性に劣る映像となってしまうおそれがある。
また、フレネルレンズ層13には、着色材(図示せず)が含まれている。フレネルレンズ層13に着色材が含まれることにより、反射スクリーン10に入射する照明光等の不要な外光を吸収させて、映像のコントラストを向上させることができる。このような着色材としては、光を吸収するものであれば特に制限なく使用することができ、例えば、黒色の染料や顔料、カーボンブラック等を好適に使用することができる。着色材の含有量は、反射スクリーンの使用用途によって適宜変更することができるが、樹脂組成物全体に対して質量基準で概ね0.1〜1.0質量%程度である。
また、フレネルレンズ層13には、紫外線吸収剤や酸化防止剤等の添加剤を含んでいてもよい。紫外線吸収剤としては、公知の化合物を使用することができ、例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリシレート系、ベンゾエート系等の有機系紫外線吸収剤や、無機系紫外線吸収剤が挙げられる。また、酸化防止剤としては、フェノール系、アミン系、硫黄系、リン系の酸化防止剤が挙げられる。
次に、反射層について説明する。反射層12は、光を反射する作用を有する層であり、レンズ面131aのすくなくとも一部に形成され、映像光源側から入射した光をレンズ面131aで内部反射させる。なお、本実施形態においては、反射層12は、図1や図2(b)に示すように、レンズ面131aに形成されている一方、非レンズ面131bには形成されていない。
反射層12は、従来公知の方法によって形成でき、例えば、アルミニウム、銀、ニッケル、クロムなどの反射率の高い金属を蒸着させることにより形成できる。また、蒸着に限らず、スパッタリング、CVD、メッキ、グラビアコーティング、グラビアリバースコーティング、スクリーン印刷、インクジェット方式による塗布等により形成してもよい。また、レンズ面131a上に、アルミニウム、銀、ニッケル、クロムなどの反射率の高い金属からなる箔を転写することにより形成してもよい。このようにして形成される反射層の厚さは、5〜30μm程度である。
次に、バックコート層10について説明する。バックコート層10は、フレネルレンズ層13、および反射層12の背面側に設けられ、反射層12を保護する作用と、光を吸収する作用とを有している。本実施形態のバックコート層10は、図1および図2(b)に示すように、反射層12および非レンズ面131bを被覆しており、非レンズ面131bにも形成された形態となっている。なお、反射層12を非レンズ面131bの表面にも設けた場合は、反射層11全体が被覆されるようにバックコート層10が設けられる。
バックコート層10は、黒色等の暗色系の塗料や、黒色等の暗色系の顔料や染料および光吸収作用を有するビーズ等と、アクリル系樹脂等のバインダー樹脂とを、適当な溶剤に溶解ないし分散させた塗工液(インキ)を、フレネルレンズ層13のレンズ面に形成した反射層の背面側に塗布し、乾燥させることにより形成される。バックコート層10を設けることにより、フレネルレンズ層13の非レンズ面131bに入射した光(例えば外光)を吸収することができる。
バックコート層10を形成する塗工液には、各種添加剤(例えば、増粘剤、レベリング剤等)の他、酸化防止剤や防湿剤を含有させてもよい。これにより、バックコート層10は、反射層12の酸化を防止するとともに、反射スクリーン10の背面側から浸入した水分が反射層12に到達するのをより一層抑制することができる。酸化防止剤は、塗工液中のバインダー樹脂成分に対する質量比が1〜3%の範囲となるように添加される。
酸化防止剤として、例えば、2,6−ジ−t−ブチルパラクレゾール(DBPC)、4,4‘メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’メチレンビス(6−t−ブチル−o−クレゾール)、フェニル−α−ナフチルアミン、フェノチアジン、P,P‘−ジオクチルジフェニルアミン、N,N’ジサリチリデン−1,2−ジアミノプロパン、ベンゾトリアゾール、2(n−ドデシルジチオ)ベンズイミダゾール等のうちいずれか一つ、もしくは、これらのうち複数種類の組み合わせを用いることができる。また、バックコート層11に含有される防湿剤としては、シリカゲルや、炭酸カルシウム等を用いることができる。
次に、表面層15について説明する。表面層15は、フレネルレンズ層13の映像源側(観察者側)に設けられる層である。本実施形態においては、表面層15は、この反射スクリーン1の映像源側の最表面に形成されている。表面層15は、反射スクリーン1の映像源側表面の傷つきを低減するハードコート機能と、スクリーンへの映り込みを低減する機能(防眩機能)とを有していることが好ましい。この表面層15は、その厚さが、1〜25μm程度である。
表面層15は、接着層(図示しない)を介してフレネルレンズ層13と貼合されていてもよく、また、上述のように、フレネルレンズ層13の面に直接、溶融押出成形等により表面層15を設ける形態としてもよい。
表面層15は、ハードコート機能、防眩機能を備える例を示したが、これに限らず、反射防止機能や紫外線吸収機能、防汚機能や帯電防止機能等を適宜選択してさらに付与してもよい。これらの層は、上述の表面層15とフレネルレンズ層13との間に別層として設けてもよいし、表面層15を形成する樹脂に、上述の機能を有するものを選択して形成してもよい。
また、本実施形態においては、反射スクリーン1が、背面側から、バックコート層10、反射層12、フレネルレンズ層13、表面層15の順で構成される例を説明したが、これに限定されない。例えば、フレネルレンズ層13と表面層15との間に、上下方向よりも左右方向に光を拡散する異方性拡散層(図示せず)を形成してもよい。
本実施形態の反射スクリーン1へ入射する映像光および外光の様子を説明する。図3は、反射スクリーン1へ入射する映像光や外光の様子を説明する図である。図3では、理解を容易にするために、反射スクリーン1の各層の屈折率差や拡散作用等は省略して示している。
図3に示すように、映像源LSから投影された大部分の映像光L1は、反射スクリーン10の下方から入射し、表面層15を透過してフレネルレンズ層13の単位レンズ131へ入射する。
そして、映像光L1は、レンズ面131aへ入射して反射層12によって反射され、観察者O側へ向かって反射スクリーン10から出射する。なお、角度β(図3(b)参照)は、映像光L1が反射スクリーン1の下方から投射され、反射スクリーン1の画面上下方向の各点における映像光L1の入射角度よりも大きいので、映像光L1が非レンズ面131bに直接入射することはなく、非レンズ面131bは、映像光L1の反射には影響しない。
一方、照明光等の不要な外光G1,G2は、図3に示すように、主として反射スクリーン1の上方から入射し、表面層15を透過してフレネルレンズ層13の単位レンズ131へ入射する。そして、一部の外光G1は、非レンズ面131bへ入射して、バックコート層10によって吸収される。また、一部の外光G2は、レンズ面131aで反射して、主として反射スクリーン1の下方側へ向かうので、観察者O側には直接届かず、また、届いた場合にもその光量は、映像光L1に比べて大幅に少ない。従って、反射スクリーン1では、外光G1,G2による映像のコントラスト低下を抑制できる。
<映像表示システム>
図4は、本実施形態の映像表示システム100を説明する図である。図4(a)は、映像表示システム100の斜視図であり、図4(b)は、映像表示システム100の側面図である。
映像表示システム100は、反射スクリーン1、映像源LS等を有している。本実施形態の映像表示システム100は、映像源LSから投影された映像光Lを反射スクリーン1が反射して、その画面上に映像を表示する一般的な映像表示システムである。
映像表示システム100は、例えば、フロントプロジェクションテレビシステム等として用いることができる。なお、映像表示システム100は、反射スクリーン1と映像源LSと反射スクリーンの観察画面上の入力部の位置を検出する位置検出部やパーソナルコンピュータ等を備えたインタラクティブボードシステムとしてもよい。
映像源LSは、映像光Lを反射スクリーン1へ投射する装置であり、汎用の短焦点型プロジェクタ等を用いることができる。この映像源LSは、使用状態において、反射スクリーン10の画面を法線方向(スクリーン面の法線方向)から見た場合に、反射スクリーン1の画面左右方向において中央であって、反射スクリーン1の画面(表示領域)よりも下方側となる位置に配置されている。なお、スクリーン面とは、この反射スクリーン全体として見たときにおける、反射スクリーンの平面方向となる面を示すものである。
この映像源LSは、反射スクリーン10の画面に直交する方向(反射スクリーン1の厚み方向)における反射スクリーン1との距離が、従来の汎用プロジェクタに比べて大幅に近い位置から映像光Lを投射できる。即ち、この映像源LSは、従来の汎用プロジェクタに比べて、反射スクリーン1までの投射距離が短く、その映像光Lの反射スクリーン1に対する入射角度も大きい。
反射スクリーン1は、映像源LSが投射した映像光Lを観察者O側へ向けて反射し、映像を表示するスクリーンである。使用状態において、この反射スクリーン1の観察画面は平面状であり、観察者O側から見て、その観察画面は、長辺方向が画面左右方向となる略矩形状である。
なお、以下の説明中において、画面上下方向、画面左右方向、厚み方向とは、特に断りが無い場合、この反射スクリーン1の使用状態における画面上下方向(鉛直方向)、画面左右方向(水平方向)、厚み方向(奥行き方向)であるとする。
反射スクリーン1は、その背面側に、平板状の支持板16が、粘着材等からなる不図示の接合層を介して設けられており、この支持板16により、その平面性を維持している。この反射スクリーン1は、対角80インチや100インチ等の大きな画面(表示領域)を有している。
粘着剤等からなる接合層(図示せず)には、上記した酸化防止剤や防湿剤を含有させてもよい。この場合においても、フレネルレンズ層13の背面側に設けられた接合層に酸化防止剤および防湿剤が含まれているので、反射スクリーンの外周側面や、背面側等から空気中の水分等が吸収されたとしても、反射層12に含まれる金属の酸化を抑制することができ、レンズ面131aから反射層12が剥離してしまうのを抑制することができる。
反射スクリーン1は、さらに、反射スクリーン1の画面の平面性を維持するために、ガラス製や樹脂製である剛性の高い基板層(図示せず)を備えてもよい。また、図4に図示したように、反射スクリーン1は、その背面側に設けられた支持板16に接合層を介して接合されており、略平板状である例を示したが、これに限らず、例えば、支持板16を備えず、反射スクリーンが接合層を介して壁面等に接合される形態としてもよいし、支持板16を裏面に接合した状態で壁面に固定されたり、フック等の支持部材で壁面に吊り下げられる形態等としてもよい。反射スクリーン1は、使用時および不使用時には略平板状である例を示したが、これに限らず、不使用時には巻き取って保管できる巻き取り可能な形態としてもよい。
1 反射スクリーン
10 バックコート層
12 反射層
13 レンズ層
131a レンズ面
131b 非レンズ面
141 光拡散層
142 着色層
15 表面層
16 支持板
100 映像表示システム
LS 映像源

Claims (7)

  1. 映像源から投影される映像光を反射させて観察可能に表示する反射スクリーンであって、
    レンズ面と非レンズ面とを備え、背面側に凸となる単位レンズが複数配列されたフレネルレンズ層と、
    前記フレネルレンズ層のレンズ面の少なくとも一部に設けられた、光を反射する反射層と、
    前記反射部の背面側に設けられたバックコート層と、を少なくとも備え、
    前記フレネルレンズ層が、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂と光拡散粒子と着色材とを含んでなる樹脂組成物を一体成形して得られるものであることを特徴とする、反射スクリーン。
  2. 前記光拡散粒子が、前記樹脂組成物中に質量基準で1.0〜5.0%含まれてなる、請求項1に記載の反射スクリーン。
  3. 前記着色材が、前記樹脂組成物中に質量基準で0.1〜0.5%含まれてなる、請求項1または2に記載の反射スクリーン。
  4. 前記樹脂組成物が、紫外線吸収剤をさらに含んでなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の反射スクリーン。
  5. 前記フレネルレンズ層の観測者側に表面層をさらに備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の反射スクリーン。
  6. 前記レンズ層が、熱硬化性樹脂と光拡散粒子と着色材とを含んでなる樹脂組成物をキャスト成形することにより形成される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の反射スクリーン。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の反射スクリーンと、
    前記反射スクリーンに映像光を投射する映像源と、
    を備える映像表示システム。
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