JP2015068885A - 干渉フィルター、光学フィルターデバイス、光学モジュール、及び電子機器 - Google Patents

干渉フィルター、光学フィルターデバイス、光学モジュール、及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】反射膜上に電極を設ける場合でも配線信頼性の向上を図れる干渉フィルター、光学フィルターデバイス、光学モジュール、及び電子機器を提供する。
【解決手段】波長可変干渉フィルター5は、複数層からなり、かつ、当該複数層の最表面の層が固定導電層542である固定反射膜54と、可動反射膜55と、を備え、固定反射膜54は、可動反射膜55に対向する第一領域54Aと、第一領域54Aの外周縁から当該第一領域54A外に連続する第二領域54Bと、を有し、第二領域54Bの固定導電層542の一部は、配線接続が可能な端子部である。
【選択図】図3

Description

本発明は、干渉フィルター、光学フィルターデバイス、光学モジュール、及び電子機器に関する。
従来、互いに対向する一対の反射膜を有し、この反射膜間の距離(ギャップ寸法)を変化させることで、測定対象の光から所定波長の光を選択して射出させる干渉フィルターが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1の干渉フィルターでは、各反射膜上に電極が配置され、電極間に電圧を印加することで、反射膜間のギャップ寸法を変化させることが可能となる。また、反射膜として誘電体多層膜が用いられ、スペクトルの半値幅が小さい(分解能が高い)光を透過させることができる。
特開平11−142752号公報
ところで、干渉フィルターにおいて、反射膜上に保持された電荷を除去するために、反射膜上に帯電防止用の電極を設ける構成や、各反射膜上に静電容量検出用の電極を配置し、これらの電極間の静電容量を検出する構成等、反射膜上に電極を設ける構成が提案されている。この場合、反射膜上の電極から、反射膜の外側に引き出された引出電極を形成し、引出電極に設けられた端子から回路に電気的接続を行う。
しかしながら、蒸着やスパッタリング等により、反射膜の端面(他方の反射膜に対向する上面に直交した側面)に電極や引出電極を形成すると、例えば当該端面において電極や引出電極が断線してしまうという課題がある。この場合、反射膜上の電極に対して電気的導通を適切にとることができず、配線信頼性が低下するという課題がある。特に、上記特許文献1のように、反射膜として誘電体多層膜を用いる場合、単層の反射膜に比べて厚み寸法が大きくなるため、より断線のリスクが高くなる。
本発明は、配線信頼性の向上を図れる干渉フィルター、光学フィルターデバイス、光学モジュール、及び電子機器を提供することを目的とする。
本発明の干渉フィルターは、複数層からなり、かつ、当該複数層の最表面の層が導電層である第一反射膜と、第二反射膜と、を備え、前記第一反射膜は、前記第二反射膜に対向する第一領域と、前記第一領域の外周縁から当該第一領域外に連続する第二領域と、を有し、前記第二領域の前記導電層の一部は、配線接続が可能な端子部であることを特徴とする。
本発明では、第一反射膜の最表面が導電層であり、この第一反射膜は、第二反射膜に対向する第一領域と、第一領域から外側に連続した第二領域とを有し、第二領域の一部が、例えば外部からの配線を接続可能な端子部となっている。
このような構成では、第二領域の端子部に対して配線を接続すれば、第一反射膜の導電層全体が電気的に接続されることになる。したがって、第一反射膜の第一領域に設けられた導電層を電極として機能させることができ、例えば、第一反射膜における帯電を防止したり、静電容量の検出を実施したりすることができる。この際、本発明では、第一反射膜の最表面の層が導電層であり、当該導電層も第一領域から第二領域に亘って設けられている。したがって、例えば、反射膜の表面から反射膜の端面を通り、当該反射膜が設けられた基板の外周部まで延出した接続電極を別途設ける場合に比べて、断線のリスクを低減でき、干渉フィルターにおける配線信頼性を向上させることができる。
また、例えば、第一反射膜が基板に設けられ、当該基板に溝等の凹部や突起等の凸部があり、これらの凹凸部上を横切るように第一反射膜を形成する場合でも、複数層により構成された第一反射膜により凹凸部の傾斜面やエッジ部を滑らかにすることができる、したがって、複数層の最表面の導電層は、滑らかな傾斜面または平面上に設けられることになり、導電層の破断が抑制される。したがって、第一反射膜を設ける基板の形状によらず、干渉フィルターにおける配線信頼性の向上を図れる。
本発明の干渉フィルターにおいて、前記第二反射膜は、複数層からなり、当該複数層の最表面の層が導電層であるとともに、前記第一反射膜の第一領域に対向する第三領域と、前記第三領域の外周縁から当該第三領域外に連続する第四領域を有し、前記第四領域の前記導電層の一部は、配線接続が可能な端子部であることが好ましい。
本発明では、更に第二反射膜も複数層により構成され、かつ、その最表面が導電層となる。そして、この第二反射膜は、第一反射膜の第一領域に対向する第三領域と、その第三領域から外側に延出した第四領域とを有し、第四領域の一部に配線接続が可能な端子部が設けられる。このため、第一反射膜と同様、第二反射膜も電極として機能させることができる。また、上記第一反射膜と同様、導電層が第三領域から第四領域に亘って形成されているので、上記発明と同様、断線のリスクを低減でき、干渉フィルターにおける配線信頼性を向上させることができる。
本発明の干渉フィルターにおいて、前記第一反射膜が設けられた第一基板と、前記第二反射膜が設けられ、前記第一基板に対向する第二基板と、前記第一基板に設けられた第一電極と、前記第二基板に設けられ、前記第一電極に対向する第二電極と、を備え、前記第一電極は、前記第一基板を基板厚み方向から見た平面視において、前記第一領域の外に設けられ、前記第二電極は、前記第二反射膜の導電層上に設けられたことが好ましい。
本発明では、第一電極と第二電極とが対向して配置されているため、これらの電極間に電圧を印加することで静電引力により、第一反射膜の第一領域と、第二反射膜の第三領域との間のギャップ寸法を変更することができる。これにより、干渉フィルターから出射させる光の波長を変化させることができる。
この時、第二電極が第二反射膜の導電層上に設けられているため、例えば、第二反射膜における第四領域の端子部を基準電位(例えばグラウンド電位)に設定することで、第二反射膜の第三領域、及び第二電極の双方を同じ基準電位に設定することができる。
この場合、例えば、第一反射膜の端子部に対して同様の基準電位を設定すれば、第一反射膜における第一領域、及び第二反射膜の第三領域の双方において同電位が設定されるので、クーロン力の発生を抑制できる。また、第一電極の電位を所望値に設定するだけで、第一電極及び第二電極間に所望の電圧差を容易に設定することができる。
本発明の干渉フィルターにおいて、前記第一電極及び前記第二電極の間のギャップ寸法は、前記第一反射膜の前記第一領域における前記導電層、及び前記第二反射膜の前記第三領域における前記導電層の間のギャップ寸法よりも小さいことが好ましい。
上述のように第一電極及び第二電極間に電圧を印加し、静電引力によりギャップ寸法を変化させる静電アクチュエーターでは、電極間の距離が小さい程、ギャップ寸法の制御が困難となる。これに対して、上記のように、第一反射膜の導電層と第二反射膜の導電層との間のギャップ寸法よりも、電極間のギャップ寸法を大きくすれば、駆動時のギャップ精度を向上させることができる。
本発明の干渉フィルターにおいて、前記導電層は、所定波長域に対して透光性を有する金属酸化物であることが好ましい。
本発明では、上述した導電層として、透光性の金属酸化物が用いられる。ここで述べる透光性とは、干渉フィルターの使用目的により予め設定された所定の波長域に対して透光性を有すればよい。このような構成では、干渉フィルターにおいて、上記波長域の光が導電層により吸収される不都合を低減でき、干渉フィルターの性能低下を抑制できる。また、最表面に金属酸化物を用いることで、例えば、金属膜や合金膜を用いる場合に比べて、劣化等が生じにくく、干渉フィルターの性能低下を抑制でき、長寿命化を図れる。
本発明の干渉フィルターにおいて、前記端子部には、金属膜が設けられたことが好ましい。
上述のように、導電層を金属酸化物により構成した場合、端子部に配線を実施した際、接触抵抗が大きくなる。これに対して、本発明では、端子部に金属膜が設けられている。この場合、金属膜に対して配線を実施可能となるため、接触抵抗の増大を抑えることができる。
本発明の干渉フィルターにおいて、前記第一反射膜が設けられた第一基板と、前記第二反射膜が設けられた第二基板と、前記第一基板及び前記第二基板の少なくともいずれか一方に設けられた電極と、を備え、前記電極と前記金属膜とが同一素材により構成されたことが好ましい。
本発明では、上記のような金属膜は、第一基板や第二基板に設けられた電極と同一素材により構成される。この場合、第一基板や第二基板に設けられた電極と、金属膜とを同時に形成することができ、製造効率性を向上させることができる。
本発明の干渉フィルターにおいて、前記第二反射膜が設けられた第二基板を備え、前記第二基板には、前記第一反射膜の導電層の端子部に接続された接続電極が設けられたことが好ましい。
本発明では、第二基板において、第一反射膜の導電層の端子部に接続される接続電極が設けられている。このような構成では、1つの基板(第二基板)に対して、配線接続を実施する電極端子を纏めることができ、例えばワイヤーボンディング等の配線接続時における効率性を向上させることができる。
本発明の干渉フィルターにおいて、前記第一反射膜及び前記第二反射膜は、誘電体多層膜を含む複数層により構成されたことが好ましい。
本発明では、各反射膜として、所定波長域に対して高反射率となる誘電体多層膜を用いるため、干渉フィルターから出射される光の半値幅が小さくなり、分解能を向上させることができる。
本発明の光学フィルターデバイスは、複数層からなり、かつ、当該複数層の最表面の層が導電層である第一反射膜、及び、第二反射膜を備えた干渉フィルターと、前記干渉フィルターを収納する筐体と、を具備し、前記第一反射膜は、前記第二反射膜に対向する第一領域と、前記第一領域の外周縁から当該第一領域外に連続する第二領域を有し、前記第二領域の前記導電層の一部は、配線接続が可能な端子部であることを特徴とする。
本発明では、第一反射膜が複数層からなり、その最表面が導電層により構成されている。そして、第一反射膜が第二反射膜に対向する第一領域から、第一領域外の第二領域に亘って設けられ、第二領域の一部が端子部を構成している。このため、上記発明と同様に、端子部に配線を接続することで、第一反射膜の第一領域を電極として機能させることができ、配線信頼性を向上させることができる。
また、干渉フィルターが筐体内に収納されているため、例えば反射膜への異物の付着等を抑制でき、衝撃等から干渉フィルターを保護することもできる。
本発明の光学モジュールは、複数層からなり、かつ、当該複数層の最表面の層が導電層である第一反射膜、及び、第二反射膜を備えた干渉フィルターと、前記干渉フィルターから出射された光を受光する受光部と、を具備し、前記第一反射膜は、前記第二反射膜に対向する第一領域と、前記第一領域の外周縁から当該第一領域外に連続する第二領域を有し、前記第二領域の前記導電層の一部は、配線接続が可能な端子部であることを特徴とする。
本発明では、上記発明と同様の構成により、配線信頼性を向上させることができる。したがって、当該干渉フィルターを有する光学モジュールにおいても、配線信頼性が高めることができる。
本発明の電子機器は、複数層からなり、かつ、当該複数層の最表面の層が導電層である第一反射膜、及び、第二反射膜を備えた干渉フィルターと、前記干渉フィルターを制御する制御部と、を備え、前記第一反射膜は、前記第二反射膜に対向する第一領域と、前記第一領域の外周縁から当該第一領域外に連続する第二領域を有し、前記第二領域の前記導電層の一部は、配線接続が可能な端子部であることを特徴とする。
本発明では、上記発明と同様の構成により、配線信頼性を向上させることができる。したがって、当該干渉フィルターを有する電子機器においても、配線信頼性が高めることができる。
第一実施形態の分光測定装置の概略構成を示すブロック図。 第一実施形態の波長可変干渉フィルターの概略構成を示す平面図。 図2におけるA−A´線における断面図。 第一実施形態の波長可変干渉フィルターの固定基板の概略構成を示す平面図。 第一実施形態の波長可変干渉フィルターの可動基板の概略構成を示す平面図。 第一実施形態の固定基板形成工程の各状態を示す概略図。 第一実施形態の可動基板形成工程の各状態を示す概略図。 第二実施形態の光学フィルターデバイスの概略構成を示す断面図。 本発明の他の実施形態における波長可変干渉フィルターを示す断面図。 図9の波長可変干渉フィルターの可動基板を固定基板側から見た平面図。 本発明の電子機器の他の一例である測色装置の概略構成を示すブロック図。 本発明の電子機器の他の一例であるガス検出装置の概略図。 図12のガス検出装置の制御系を示すブロック図。 本発明の電子機器の他の一例である食物分析装置の概略構成を示すブロック図。 本発明の電子機器の他の一例である分光カメラの概略構成を示す模式図。
[第一実施形態]
以下、本発明に係る第一実施形態について、図面に基づいて説明する。
[分光測定装置の構成]
図1は、本発明に係る分光測定装置の概略構成を示すブロック図である。
分光測定装置1は、本発明の電子機器の一例であり、測定対象Xで反射した測定対象光における各波長の光強度を分析し、分光スペクトルを測定する装置である。なお、本実施形態では、測定対象Xで反射した測定対象光を測定する例を示すが、測定対象Xとして、例えば液晶パネル等の発光体を用いる場合、当該発光体から発光された光を測定対象光としてもよい。
そして、この分光測定装置1は、図1に示すように、光学モジュール10と、光学モジュール10から出力された信号を処理する制御部20と、を備えている。
[光学モジュールの構成]
光学モジュール10は、波長可変干渉フィルター5と、ディテクター11と、I−V変換器12と、アンプ13と、A/D変換器14と、駆動制御部15とを備える。
この光学モジュール10は、測定対象Xで反射された測定対象光を、入射光学系(図示略)を通して、波長可変干渉フィルター5に導き、波長可変干渉フィルター5を透過した光をディテクター11(受光部)で受光する。そして、ディテクター11から出力された検出信号は、I−V変換器12、アンプ13、及びA/D変換器14を介して制御部20に出力される。
[波長可変干渉フィルターの構成]
次に、光学モジュール10に組み込まれる波長可変干渉フィルター5について説明する。
図2は、波長可変干渉フィルター5の概略構成を示す平面図である。図3は、図2におけるA−A´線で波長可変干渉フィルター5を切断した断面図である。
波長可変干渉フィルター5は、図2及び図3に示すように、本発明の第一基板である固定基板51、及び本発明の第二基板である可動基板52を備えている。これらの固定基板51及び可動基板52は、それぞれ例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等の各種ガラスや、水晶等により形成されている。そして、固定基板51の第一接合部513及び可動基板52の第二接合部523が、例えばシロキサンを主成分とするプラズマ重合膜などにより構成された接合膜53により接合されることで、一体的に構成されている。
固定基板51の可動基板52に対向する面には、本発明の第一反射膜を構成する固定反射膜54が設けられ、可動基板52の固定基板51に対向する面には、本発明の第二反射膜を構成する可動反射膜55が設けられている。固定反射膜54は、ギャップG1を介して、可動反射膜55に対向する。
また、波長可変干渉フィルター5には、ギャップG1のギャップ寸法を調整(変更)するのに用いられる静電アクチュエーター56が設けられている。この静電アクチュエーター56は、固定基板51に設けられた第一電極を構成する固定電極561と、可動基板52に設けられた第二電極を構成する可動電極562により構成される。
なお、以降の説明に当たり、固定基板51又は可動基板52の基板厚み方向から見た平面視、つまり、固定基板51及び可動基板52の積層方向から波長可変干渉フィルター5を見た平面視を、フィルター平面視と称する。また、本実施形態では、フィルター平面視において、固定反射膜54の中心点及び可動反射膜55の中心点は、一致し、平面視におけるこれらの反射膜54,55の中心点をOで示す。
(固定基板の構成)
図4は、固定基板51を可動基板52側から見た平面視である。
図3及び図4に示すように、固定基板51は、例えばエッチング等により形成された第一溝511及び第二溝512を備える。
第一溝511は、フィルター平面視で、固定基板51のフィルター中心点Oを中心とした環状に形成されている。第二溝512は、フィルター平面視において、フィルター中心点Oを中心とした円形状に形成された溝であり、第一溝511よりも深さ寸法が大きい。
また、固定基板51には、第一溝511に連続する第三溝511A、及び第四溝511Bが設けられている。第三溝511Aは、溝底面が第一溝511の溝底面と同一平面となり、固定基板51の外周縁の辺C1−C2まで延出する。第四溝511Bは、溝底面が第一溝511の溝底面と同一平面となり、固定基板51の外周縁の辺C3−C4まで延出する。また、第三溝511Aには、可動基板52に向かって突出するバンプ511Cが設けられている。
第一溝511の溝底面には、静電アクチュエーター56を構成する固定電極561が設けられている。固定電極561は、第一溝511の溝底面に直接設けられてもよく、他の薄膜(層)等を介して設けられていてもよい。
この固定電極561は、フィルター中心点Oを中心とした円弧状(C字状)に形成されており、第三溝511Aに近接する一部にC字開口部が設けられる。また、固定電極561の外周縁には、固定引出電極561Aが連続する。固定引出電極561Aは、図4に示すように、第三溝511Aに沿い、バンプ511Cまで設けられている。ここで、バンプ511Cには、固定反射膜54と同一厚み寸法の厚補助部511Dが設けられており、この厚補助部511Dの上面(可動基板52に対向する面)に固定引出電極561Aが配置される。
このような固定電極561及び固定引出電極561Aを形成する材料としては、例えば、Au等の金属膜や、Cr/Au等の金属積層体などが挙げられる。
なお、本実施形態では、第一溝511の溝底面に1つの固定電極561が設けられる構成を示すが、例えば、フィルター中心点Oを中心とした同心円となる2つの電極が設けられる構成(二重電極構成)などとしてもよい。
第二溝512は、上述したように、第一溝511と同軸上で、第一溝511よりも小さい径寸法となる略円形状の溝である。第二溝512の溝底面は、第一溝511の溝底面、及び、可動基板52の可動面521A(後述)に対して平行な平面となる。
そして、第二溝512の溝底面には、固定反射膜54が設けられる。
なお、本実施形態では、反射膜54,55として、誘電体多層体を含む反射膜を用いる。したがって、単層の反射膜を用いる場合に比べて、膜厚寸法が大きくなるので、第二溝512の溝底面に固定反射膜54を設けている。しかしながら、上記構成に限定されず、例えば、分光測定装置1による測定する対象となる波長域によって、反射膜54,55間のギャップG1の初期値を小さくする場合等では、第一溝511の中心部から可動基板52側に突出する突出部を設け、突出部の可動基板52に対向する面に固定反射膜54を設ける構成などとしてもよい。
固定反射膜54は、図2ないし図4に示すように、フィルター平面視において、第二溝512の溝底面を覆う円形状の第一領域54Aと、第一領域54Aの外周縁から外側に連続し、固定電極561のC字開口部を通って、第一溝511及び第三溝511Aから、バンプ511Cまで延出する第二領域54Bとを有する。
また、固定反射膜54は、図3に示すように、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層した誘電体多層膜541と、誘電体多層膜541上に設けられ、固定反射膜54の最表面を構成する固定導電層542とを含んで構成されている。誘電体多層膜541としては、例えば、高屈折率層をTiO、低屈折率層をSiOとした積層体が例示できる。固定導電層542は、分光測定装置1により測定を実施する波長域に対して透光性を有する導電性の金属酸化物により構成されており、例えば、インジウム系酸化物である酸化インジウムガリウム(InGaO)、酸化インジウムスズ(Snドープ酸化インジウム:ITO)、Ceドープ酸化インジウム(ICO)、フッ素ドープ酸化インジウム(IFO)、スズ系酸化物であるアンチモンドープ酸化スズ(ATO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化スズ(SnO)、亜鉛系酸化物であるAlドープ酸化亜鉛(AZO)、Gaドープ酸化亜鉛(GZO)、フッ素ドープ酸化亜鉛(FZO)、酸化亜鉛(ZnO)、等が用いられる。また、インジウム系酸化物と亜鉛系酸化物からなるインジウム亜鉛酸化物(IZO:登録商標)を用いてもよい。
そして、固定反射膜54の第二領域54Bのうち、バンプ511C上に位置する部分は、本発明の第一反射膜における端子部を構成し、この端子部には、図3及び図4に示すように、本発明の金属膜である固定端子膜54Cが設けられている。固定端子膜54Cは、固定電極561と同じ材料により構成されていてもよく、その他の金属膜材を用いてもよい。また、この固定端子膜54Cは、誘電体多層膜541よりも厚み寸法が小さい。
本実施形態では、固定基板51は、第一溝511及び第二溝512の境界、第三溝511A及びバンプ511Cの境界で、急斜面やエッジが形成され段差が生じることがある。しかしながら、固定反射膜54の誘電体多層膜541が形成される際、当該誘電体多層膜541がこれらの段差を覆うように積層されるため、段差が緩やかな傾斜面となる。したがって、最表面の導電層542は、緩やかな傾斜面又は平坦面に形成されることになり、第二領域54Bにおける破断が防止される。
したがって、固定反射膜54は、第一領域54Aから第二領域54Bに亘って、最表面の固定導電層542が連続し、固定端子膜54Cに入力された電気信号を固定反射膜54の第一領域54A上の固定導電層542に伝達させることができる。また、固定反射膜54における第一領域54Aの固定導電層542上の電荷を、固定端子膜54Cから外部に逃がすことも可能となる。
また、固定基板51の光入射面(固定反射膜54が設けられない面)には、固定反射膜54に対応する位置に反射防止膜を形成してもよい。この反射防止膜は、例えば、低屈折率膜及び高屈折率膜を交互に積層することで形成することができ、固定基板51の表面での可視光の反射率を低下させ、透過率を増大させる。
(可動基板の構成)
図5は、可動基板52を固定基板51側から見た平面視である。
可動基板52は、図2、図3、及び図5に示すように、フィルター平面視においてフィルター中心点Oを中心とした円形状の可動部521と、可動部521と同軸であり可動部521を保持する保持部522と、保持部522の外側に設けられた第二接合部523とを備えている。また、可動基板52の辺C1´−C2´は、固定基板の辺C1−C2よりも外側に突出し、電装部524Aを構成する。また、可動基板の辺C3´−C4´は、固定基板51の辺C3−C4よりも外側に突出し電装部524Bを構成する。
可動部521は、保持部522よりも厚み寸法が大きく形成され、例えば、本実施形態では、可動基板52(第二接合部523)の厚み寸法と同一寸法に形成されている。この可動部521は、フィルター平面視において、少なくとも固定電極561の外周縁の径寸法よりも大きい径寸法に形成されている。そして、この可動部521の固定基板51に対向する可動面521Aには、可動反射膜55が設けられている。可動反射膜55は、可動面521Aに直接設けてもよいし、可動面521Aの上に他の薄膜(層)を設け、その上に設置してもよい。
可動反射膜55は、可動面521Aにおいて、少なくとも、固定反射膜54の第一領域54A、及び固定電極561に対向する領域を覆って設けられている。
可動反射膜55における固定反射膜54の第一領域54Aに対向する第三領域55Aは、所定のギャップG1を介して第一領域54Aに対向する。また、可動反射膜55は、第三領域55Aの外周縁に連続する第四領域55Bを有する。この第四領域55Bは、第三領域55Aの外周縁に亘って連続する円環状の第四円環領域55B1と、第四円環領域55B1の外周縁から外側に連続し、第四溝511Bに対向する領域を通って、電装部524Bまで延出する第四引出領域55B2とを有する。
このような可動反射膜55は、固定反射膜54と同様の構成を有し、図3に示すように、誘電体多層膜551と、誘電体多層膜551上に設けられ、可動反射膜55の最表面を構成する可動導電層552とを含んで構成されている。誘電体多層膜551としては、誘電体多層膜541と同様の構成であり、例えば、高屈折率層をTiO、低屈折率層をSiOとした積層体により構成される。可動導電層552は、固定導電層542と同様、分光測定装置1により測定を実施する波長域に対して透光性を有する導電性の層により構成されており、例えば、インジウム系酸化物である酸化インジウムガリウム(InGaO)、酸化インジウムスズ(Snドープ酸化インジウム:ITO)、Ceドープ酸化インジウム(ICO)、フッ素ドープ酸化インジウム(IFO)、スズ系酸化物であるアンチモンドープ酸化スズ(ATO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化スズ(SnO2)、亜鉛系酸化物であるAlドープ酸化亜鉛(AZO)、Gaドープ酸化亜鉛(GZO)、フッ素ドープ酸化亜鉛(FZO)、酸化亜鉛(ZnO)、等が用いられる。また、インジウム系酸化物と亜鉛系酸化物からなるインジウム亜鉛酸化物(IZO:登録商標)等を用いてもよい。
可動反射膜55の第四円環領域55B1には、固定電極561に対向する円環状の可動電極562が設けられている。この可動電極562は、第四円環領域55B1上の可動導電層552に直接設けられてもよく、その他の導電性膜を介して設けられてもよい。すなわち、可動導電層552及び可動電極562は、電気的に接続され、同電位となる。
なお、可動電極562としては、固定電極561と同様、例えば、Au等の金属膜や、Cr/Au等の金属積層体などが挙げられる。
なお、本実施形態では、図3に示すように、静電アクチュエーター56を構成する固定電極561及び可動電極562間のギャップG2は、反射膜54,55間のギャップG1よりも大きいが、これに限定されない。例えば、測定対象光として赤外線や遠赤外線を用いる場合等、測定対象光の波長域によっては、ギャップG1がギャップG2よりも大きくなる構成としてもよい。
可動反射膜55の第四引出領域55B2は、上述のように、電装部524Bまで延出しており、この電装部524Bにおいて、本発明の第二反射膜の端子部を構成し、この端子部には、図3及び図5に示すように、本発明の金属膜である可動端子膜55Cが設けられている。可動端子膜55Cは、可動電極562と同じ材料により構成されており、その厚み寸法は、誘電体多層膜551よりも小さい。
そして、可動端子膜55Cは、例えばワイヤーボンディング等による配線接続により、駆動制御部15と電気的に接続される。
また、可動基板52には、固定基板51の第三溝511Aに設けられたバンプ511Cに対向する領域から、電装部524Aに亘って、接続電極571,572が設けられている。これらの接続電極571,572は、それぞれ、可動電極562、可動端子膜55Cと同じ材料により構成されており、例えばAu等の金属や、Cr/Au等の金属積層体等により構成される。ここで、接続電極571は、固定反射膜54の固定端子膜54Cに接触して導通する。また、接続電極572は、固定引出電極561Aに接触して導通する。そして、これらの接続電極571,572は、電装部524Aにおいて、例えば、ワイヤーボンディング等の配線接続が実施されることで、駆動制御部15に電気的に接続される。
保持部522は、可動部521の周囲を囲うダイヤフラムであり、可動部521よりも厚み寸法が小さく形成されている。このような保持部522は、可動部521よりも撓みやすく、僅かな静電引力により、可動部521を固定基板51側に変位させることが可能となる。この際、可動部521が保持部522よりも厚み寸法が大きく、剛性が大きくなるため、可動部521が静電引力により固定基板51側に引っ張られた場合でも、可動部521の形状変化をある程度抑制できる。
なお、本実施形態では、ダイヤフラム状の保持部522を例示するが、これに限定されず、例えば、可動部521のフィルター中心点Oを中心として、等角度間隔で配置された梁状の保持部が設けられる構成などとしてもよい。
[光学モジュールのディテクター、I−V変換器、アンプ、A/D変換器の構成]
次に、図1に戻り、光学モジュール10について説明する。
ディテクター11は、波長可変干渉フィルター5を透過した光を受光(検出)し、受光量に基づいた検出信号をI−V変換器12に出力する。
I−V変換器12は、ディテクター11から入力された検出信号を電圧値に変換し、アンプ13に出力する。
アンプ13は、I−V変換器12から入力された検出信号に応じた電圧(検出電圧)を増幅する。
A/D変換器14は、アンプ13から入力された検出電圧(アナログ信号)をデジタル信号に変換し、制御部20に出力する。
[駆動制御部の構成]
駆動制御部15は、制御部20の制御に基づいて、波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に対して駆動電圧を印加する。これにより、静電アクチュエーター56の固定電極561及び可動電極562間で静電引力が発生し、可動部521が固定基板51側に変位する。なお、本実施形態では、駆動制御部15は、固定端子膜54Cに対して、基準電位(例えばグラウンド電位)を設定し、可動導電層552上の可動電極562、及び、可動反射膜55の第三領域55Aが同じ基準電位に設定される。また、駆動制御部15は、固定電極561と電気的に接続された接続電極572に対して、ギャップG1を所望のギャップ寸法に設定するための電位を設定する。これにより、固定電極561及び可動電極562間に、固定電極561に設定した電位に応じた電圧が印加され、静電引力により可動部521が変位する。
また、駆動制御部15は、固定反射膜54の固定端子膜54Cに電気的に接続された接続電極571に対して、基準電位(例えばグラウンド電位)を設定する。これにより、固定導電層542及び可動導電層552が同電位となり、固定反射膜54の第一領域54A、及び可動反射膜55の第三領域55Aの間において、クーロン力の発生を抑制でき、静電アクチュエーター56により駆動制御の精度が向上する。また、固定導電層542及び可動導電層552上の電荷をそれぞれ逃がすことができ、帯電による不都合をも抑制できる。
なお、固定導電層542及び可動導電層552間に、静電アクチュエーター56の駆動に影響を与えない程度の高周波電圧を印加し、第一領域54A及び第三領域55A間の静電容量を検出可能な構成などとしてもよい。
[制御部の構成]
次に、分光測定装置1の制御部20について説明する。
制御部20は、例えばCPUやメモリー等が組み合わされることで構成され、分光測定装置1の全体動作を制御する。この制御部20は、図1に示すように、波長設定部21と、光量取得部22と、分光測定部23と、を備えている。また、制御部20のメモリーには、波長可変干渉フィルター5を透過させる光の波長と、当該波長に対応して静電アクチュエーター56に印加する駆動電圧との関係を示すV−λデータが記憶されている。
波長設定部21は、波長可変干渉フィルター5により取り出す光の目的波長を設定し、V−λデータに基づいて、設定した目的波長に対応する駆動電圧を静電アクチュエーター56に印加させる旨の指令信号を駆動制御部15に出力する。
光量取得部22は、ディテクター11により取得された光量に基づいて、波長可変干渉フィルター5を透過した目的波長の光の光量を取得する。
分光測定部23は、光量取得部22により取得された光量に基づいて、測定対象光のスペクトル特性を測定する。
[波長可変干渉フィルターの製造方法]
次に、上述したような波長可変干渉フィルター5の製造方法について、図面に基づいて説明する。
波長可変干渉フィルター5の製造では、まず、固定基板51を形成するための第一ガラス基板M1(図6参照)、及び可動基板52を形成するための第二ガラス基板M2(図7参照)を用意し、固定基板形成工程、及び可動基板形成工程を実施する。この後、基板接合工程を実施し、固定基板形成工程により加工された第一ガラス基板M1と、可動基板形成工程により加工された第二ガラス基板M2とを接合する。更に、切断工程を実施し、第一ガラス基板M1及び第二ガラス基板M2を個片化して波長可変干渉フィルター5を形成する。
以下、各工程について、図面に基づいて説明する。
(固定基板形成工程)
図6は、固定基板形成工程における第一ガラス基板M1の状態を示す図である。
固定基板形成工程では、まず、固定基板51の製造素材である第一ガラス基板M1の両面を、表面粗さRaが1nm以下となるまで精密研磨し、例えば500μmの厚み寸法にする。
次に、図6(A)に示すように、第一ガラス基板M1の基板表面をエッチングにより加工する。
具体的には、フォトリソグラフィ法によりパターニングされたレジストパターンをマスクに用いて、第一ガラス基板M1に対して、例えばフッ酸系(BHF等)を用いたウエットエッチングを繰り返し施す。まず、第一溝511、第二溝512、第三溝511A、及び第四溝511Bを、第一溝511の深さ位置までエッチングする。
この際、第三溝511Aにおいて、バンプ511Cに対応する部分にもレジストを形成しておく。これにより、第一ガラス基板M1の一部をバンプ511Cとして機能させることができる。また、厚補助部511Dは、バンプ511Cに対して一部エッチングを実施することで形成してもよい。バンプ511Cに別途樹脂等により厚補助部511Dを設けてもよい。
この後、第二溝512を、所望の深さ位置までエッチングする。
なお、本例では、ウエットエッチングにより、バンプ511Cを形成する例を示すが、例えば、第三溝511Aに対して別途バンプ511Cを設ける構成などとしてもよい。
次に、第一ガラス基板M1に固定電極561、及び固定引出電極561A(図6では図示を省略する)を形成する電極材料(例えばAu等の金属膜や、Cr/Au等の金属積層体、ITO等の金属酸化物)を、蒸着法やスパッタリング法等を用いて成膜する。そして、第一ガラス基板M1にレジストを塗布し、フォトリソグラフィ法を用いて固定電極561、及び固定引出電極561Aの形状に合わせてレジストをパターニングする。そして、ウエットエッチングにより、固定電極561及び固定引出電極561Aをパターニングした後、レジストを除去する。
これにより、図6(B)に示すように、固定電極561、及び固定引出電極561A(図示省略)が形成される。
この後、図6(C)に示すように、固定反射膜54を形成する。
本実施形態では、固定反射膜54として、誘電体多層膜541及び固定導電層542の積層体を形成する。この場合、フォトリソグラフィ法等により、第一ガラス基板M1上の反射膜形成部分以外にレジスト(リフトオフパターン)を形成する。この後、固定反射膜54を形成するための材料(例えば、誘電体多層膜541を構成する各誘電体膜、及び固定導電層542を形成する金属酸化物)をスパッタリング法又は蒸着法等により成膜する。この後、リフトオフにより、不要部分の膜を除去する。
この際、第一ガラス基板M1に、ウエットエッチング等によって、急斜面やエッジを有する段差が存在する場合でも、誘電体多層膜541の形成時に各誘電体層が積層されることで、段差部の傾斜が緩やかになる。したがって、誘電体多層膜541の上に固定導電層542を形成する際に、当該固定導電層542が段差部分で破断することがなく、第一領域54Aから第二領域54Bに亘って電気的に導通する固定導電層542を形成することが可能となる。
この後、図6(D)に示すように、第二領域54Bの端子部に対して、固定端子膜54Cを形成する。具体的には、例えば、第一ガラス基板M1に金属膜を、蒸着法やスパッタリング法等により成膜する。そして、第一ガラス基板M1にレジストを塗布し、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングし、ウエットエッチングを実施して、固定端子膜54Cを形成する。なお、固定電極561の膜材としてITO等の金属酸化物を用いた場合、固定端子膜54Cの形成を同時に、バンプ511C上の固定引出電極561Aに対して、金属膜による端子を形成してもよい。これにより、固定電極561を金属酸化物で形成した場合でも、接続電極572と接触させた際の接触抵抗を低減させることができる。
以上により、固定反射膜54、固定電極561、及び固定引出電極561Aが配置された固定基板51が複数アレイ状に配置された第一ガラス基板M1が形成される。
(可動基板形成工程)
図7は、可動基板形成工程における第二ガラス基板M2の状態を示す図である。
可動基板形成工程では、まず、可動基板52の製造素材である第二ガラス基板M2の両面を、表面粗さRaが1nm以下となるまで精密研磨し、例えば500μmの厚み寸法にする。
そして、第二ガラス基板M2の表面にCr/Au層を形成し、このCr/Au層をエッチングマスクとし、例えばフッ酸系(BHF等)を用いて、保持部522に相当する領域をエッチングする。この後、エッチングマスクとして使用したCr/Au層を除去することで図6(A)に示すように、可動基板52の基板形状が形成される。
次に、図6(B)に示すように、可動反射膜55を形成する。この可動反射膜55の形成も、固定反射膜54と同様の方法により形成することができる。
すなわち、フォトリソグラフィ法等により、第二ガラス基板M2上の反射膜形成部分以外にレジスト(リフトオフパターン)を形成する。この後、可動反射膜55を形成するための材料(例えば、誘電体多層膜551を構成する各誘電体膜、及び可動導電層552を形成する金属酸化物)をスパッタリング法又は蒸着法等により成膜する。この後、リフトオフにより、不要部分の膜を除去する。
この後、図7(C)に示すように、可動電極562、及び可動端子膜55Cを形成する。可動電極562、及び可動端子膜55Cの形成は、上記固定基板51における固定電極561の形成と同様の方法を用いることができる。本実施形態では、可動電極562、及び可動端子膜55Cは、可動導電層552上に積層形成され、それぞれ、同一の電極材料により形成することができる。したがって、可動電極562の形成工程と、可動端子膜55Cの形成工程とを分ける必要がなく、製造効率性の向上を図れる。
以上により、可動電極562、及び可動反射膜55が形成された可動基板52が複数アレイ状に配置された第二ガラス基板M2が製造される。
(基板接合工程)
次に、基板接合工程及び切断工程について説明する。
基板接合工程では、まず、第一ガラス基板M1の第一接合部513と、第二ガラス基板M2の第二接合部523とに、ポリオルガノシロキサンを主成分としたプラズマ重合膜を、例えばプラズマCVD法等により成膜する。ここで、これらのプラズマ重合膜を積層して構成される接合膜53の厚み寸法は、接続電極571及び固定端子膜54Cが電気的に接続可能な程度の接触圧を受ける程度に設定されている。つまり、接続電極571と誘電体多層膜541と固定導電層542と固定端子膜54Cとの合計膜厚と同じ、若しくは、前記接触圧を設定可能な程度に、接続電極571と誘電体多層膜541と固定導電層542と固定端子膜54Cとの合計膜厚よりも小さく形成されている。
そして、第一ガラス基板M1及び第二ガラス基板M2のプラズマ重合膜に対して活性化エネルギーを付与するために、Oプラズマ処理又はUV処理を行う。Oプラズマ処理の場合は、O流量1.8×10−3(m/h)、圧力27Pa、RFパワー200Wの条件で30秒間実施する。また、UV処理の場合は、UV光源としてエキシマUV(波長172nm)を用いて3分間処理する。
プラズマ重合膜に活性化エネルギーを付与した後、これらの第一ガラス基板M1及び第二ガラス基板M2のアライメント調整を行い、プラズマ重合膜を介して第一ガラス基板M1及び第二ガラス基板M2を重ね合わせ、接合部分に例えば98(N)の荷重を10分間かける。これにより、第一ガラス基板M1及び第二ガラス基板M2同士が接合される。
(切断工程)
次に、切断工程について説明する。
切断工程では、固定基板51及び可動基板52をチップ単位で切り出し、図2及び図3に示すような波長可変干渉フィルター5を形成する。第一ガラス基板M1及び第二ガラス基板M2の切断には、例えばスクライブブレイクやレーザー切断等を利用することができる。
[第一実施形態の作用効果]
本実施形態では、固定反射膜54が、誘電体多層膜541と、誘電体多層膜541上に設けられた固定導電層542とにより構成されている。そして、当該固定反射膜54は、可動反射膜55に対向する第一領域54Aと、この第一領域54Aに連続する第二領域54Bとを有し、第二領域54Bに接続電極571に接続される端子部が設けられている。
このような構成では、第一領域54Aから第二領域54Bの端子部に亘って、誘電体多層膜541が設けられ、その上に固定導電層542が設けられる構成となる。この場合、誘電体多層膜541の表面にエッジや急斜面等が形成されないため、固定導電層542の断線のリスクを低減できる。したがって、波長可変干渉フィルター5における配線信頼性を向上させることができる。これにより、このような波長可変干渉フィルター5を用いた光学モジュール10や、分光測定装置1においても、機器信頼性を高めることができる。
また、本実施形態では、可動反射膜55においても、固定反射膜54と同様、誘電体多層膜551と、当該誘電体多層膜551上に設けられた可動導電層552とにより構成されている。そして、当該可動反射膜55は、固定反射膜54に対向する第三領域55Aと、この第三領域55Aに連続する第四領域55Bとを有し、第四領域55Bに駆動制御部15に電気的に接続可能な端子部が設けられている。
このため、可動反射膜55においても、固定導電層542の断線のリスクを低減できるため、より配線信頼性を向上させることができ、光学モジュール10や分光測定装置1における機器信頼性を高めることができる。
本実施形態では、固定基板51に固定電極561が設けられ、可動基板52に設けられた可動反射膜55上に可動電極562が設けられている。
このため、固定電極561及び可動電極562間に電圧を印加することで、反射膜54,55間のギャップG1の寸法を変更することができ、所望波長の光を波長可変干渉フィルター5から出射させることができる。
また、可動電極562が可動導電層552上に設けられており、駆動制御部15において、可動端子膜55Cには基準電位が設定されている。このため、固定電極561の電位を設定するだけで、固定電極561及び可動電極562間に電位差を生じさせることができる。また、可動導電層552上の電荷を可動端子膜55Cから駆動制御部15のグランド回路に逃がすことができるので、可動反射膜55上の電荷を除去することができる。
本実施形態では、反射膜54,55間のギャップG1よりも、電極561,562間のギャップG2が大きい。したがって、静電アクチュエーター56の制御時に、高精度な駆動を実現できる。
本実施形態では、固定導電層542及び可動導電層552として、測定対象となる波長域に対して透光性を有する金属酸化物が用いられている。このため、波長可変干渉フィルター5を使用する上で、各導電層542,552での光の吸収等を抑制できる。
また、導電層542,552は、各反射膜54,55の最表面に配置される層であるため、これらの導電層542,552に金属膜や金属合金膜を用いると、酸化等による劣化が生じる。これに対して、本実施形態では、導電層542,552として金属酸化物を用いるため、上述のような劣化を抑制でき、波長可変干渉フィルター5の長寿命化を図れる。
本実施形態では、固定導電層542の端子部に固定端子膜54Cが設けられ、可動導電層552の端子部に可動端子膜55Cが設けられる。導電層542,552として、金属酸化物を用いる場合、端子部において配線等を接続する際に接触抵抗が大きくなるという不都合がある。これに対して、本実施形態では、金属膜からなる端子膜54C,55Cに配線を接続することができ、接触抵抗の増大を抑制できる。
本実施形態では、可動電極562と、可動端子膜55Cとが同一の電極材料により構成されている。したがって、可動電極562と可動端子膜55Cとを同一工程で同時に形成することができ、製造効率性の向上を図れる。
また、可動端子膜55Cは、誘電体多層膜551よりも厚み寸法が小さく、コスト低減を図れる。固定端子膜54Cにおいても同様であり、誘電体多層膜541よりも厚み寸法が小さく、コスト低減を図れる。
本実施形態では、固定端子膜54Cが、可動基板52の接続電極571に接続され、固定引出電極561Aが、可動基板52の接続電極572に接続されている。すなわち、波長可変干渉フィルター5に配線接続を実施する際に、可動基板52に設けられた電装部524Aの接続電極571,572、及び電装部524Bの可動端子膜55Cに対してワイヤーボンディング等の配線接続をすればよく、作業効率性を向上させることができる。
本実施形態では、固定反射膜54は、誘電体多層膜541を有し、可動反射膜55は、誘電体多層膜551を有する。このような誘電体多層膜541,551は、所定波長域に対して、高い反射率を有するので、波長可変干渉フィルター5においても、鋭いピークの光を出射させることができる。すなわち、波長可変干渉フィルター5を透過する光は、半値幅が小さい光となり、分解能の向上を図れる。したがって、このような波長可変干渉フィルター5を用いた光学モジュール10では、所望波長の光のより正確な光量を検出することができ、分光測定装置1における分光測定処理の精度も高めることができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について、図面に基づいて説明する。
上記第一実施形態の分光測定装置1では、光学モジュール10に対して、波長可変干渉フィルター5が直接設けられる構成とした。しかしながら、光学モジュールとしては、複雑な構成を有するものもあり、特に小型化の光学モジュールに対して、波長可変干渉フィルター5を直接設けることが困難な場合がある。本実施形態では、そのような光学モジュールに対しても、波長可変干渉フィルター5を容易に設置可能にする光学フィルターデバイスについて、以下に説明する。
図8は、本発明の第二実施形態に係る光学フィルターデバイスの概略構成を示す断面図である。
図8に示すように、光学フィルターデバイス600は、筐体610と、筐体610の内部に収納される波長可変干渉フィルター5を備えている。
筐体610は、図8に示すように、ベース620と、リッド630と、を備えている。これらのベース620及びリッド630が接合されることで、内部に収容空間が形成され、この収容空間内に波長可変干渉フィルター5が収納される。
(ベースの構成)
ベース620は、例えばセラミック等により構成されている。このベース620は、台座部621と、側壁部622と、を備える。
台座部621は、フィルター平面視において例えば矩形状の外形を有する平板状に構成されており、この台座部621の外周部から筒状の側壁部622がリッド630に向かって立ち上がる。
台座部621は、厚み方向に貫通する開口部623を備えている。この開口部623は、台座部621に波長可変干渉フィルター5を収容した状態で、台座部621を厚み方向から見た平面視において、反射膜54,55と重なる領域を含むように設けられている。
また、台座部621のリッド630とは反対側の面(ベース外側面621B)には、開口部623を覆うガラス部材627が接合されている。台座部621とガラス部材627との接合は、例えば、ガラス原料を高温で熔解し、急冷したガラスのかけらであるガラスフリット(低融点ガラス)を用いた低融点ガラス接合、エポキシ樹脂等による接着などを利用できる。本実施形態では、収容空間内が減圧下に維持された状態で気密に維持する。したがって、台座部621及びガラス部材627は、低融点ガラス接合を用いて接合されることが好ましい。
また、台座部621のリッド630に対向する内面(ベース内側面621A)には、波長可変干渉フィルター5の接続電極571,572及び可動端子膜55Cに接続される内側端子部624が設けられている。内側端子部624と、接続電極571,572及び可動端子膜55Cとは、例えばワイヤーボンディングにより、Au等のワイヤーを用いて接続される。なお、本実施形態では、ワイヤーボンディングを例示するが、例えば、FPC(Flexible Printed Circuits)等を用いてもよい。
また、台座部621は、内側端子部624が設けられる位置に、貫通孔625が形成されている。内側端子部624は、貫通孔625を介して、台座部621のベース外側面621Bに設けられた外側端子部626に接続されている。
側壁部622は、台座部621の縁部から立ち上がり、ベース内側面621Aに載置された波長可変干渉フィルター5の周囲を覆っている。側壁部622のリッド630に対向する面(端面622A)は、例えばベース内側面621Aに平行な平坦面となる。
そして、ベース620には、例えば接着剤等の固定材を用いて、波長可変干渉フィルター5が固定される。この際、波長可変干渉フィルター5は、台座部621に対して固定されていてもよく、側壁部622に対して固定されていてもよい。固定材を設ける位置としては、複数個所であってもよいが、固定材の応力が波長可変干渉フィルター5に伝達するのを抑制するべく、1か所で波長可変干渉フィルター5を固定することが好ましい。
(リッドの構成)
リッド630は、平面視において矩形状の外形を有する透明部材であり、例えばガラス等により構成される。
リッド630は、図8に示すように、ベース620の側壁部622に接合されている。この接合方法としては、例えば、低融点ガラスを用いた接合等が例示できる。
[第三実施形態の作用効果]
上述したような本実施形態の光学フィルターデバイス600では、筐体610により波長可変干渉フィルター5が保護されているため、外的要因による波長可変干渉フィルター5の破損を防止できる。
[その他の実施形態]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上記実施形態では、導電層542,552として、透光性の金属酸化物を例示したがこれに限定されない。導電層が、Ag等の金属膜や、Ag合金等の合金膜により構成されていてもよい。この場合、端子膜54C,55Cが設けられない構成としてもよい。
上記実施液体では、固定反射膜54が、誘電体多層膜541と固定導電層542により構成される例を示したが、誘電体多層膜541の代わりに誘電体層や、金属膜、金属合金膜等のその他の反射膜が設けられる構成としてもよい。可動反射膜55に対しても同様である。
上記実施形態では、可動端子膜55Cが可動電極562と同じ材料により構成される例を示したが、これに限定されない。例えば可動端子膜55CがAuにより構成され、可動電極562がAlにより構成されてもよい。ただし、この場合、可動端子膜55C及び可動電極562を同時に形成することができないので、別途可動端子膜55Cを形成する工程、可動電極562を形成する工程が必要となる。
上記実施形態では、固定電極561が固定基板51上に設けられて、固定反射膜54の固定導電層542とは絶縁されており、可動電極562が可動反射膜55の導電層552上に設けられる例を示したがこれに限定されない。例えば、図9及び図10に示すような構成としてもよい。
ここで、図9は、本発明の他の実施形態における波長可変干渉フィルター5Aを示す断面図である。図10は、図9における可動基板52を固定基板51側から見た平面視である。
図9に示すように、この波長可変干渉フィルター5Aでは、固定反射膜54は、第二溝512から、第一溝511の少なくとも可動部521に対向する領域に亘って設けられている。すなわち、本例では、固定反射膜54における第二領域54Bは、第一領域54Aの外周縁に亘って連続する円環状の第二円環領域54B1と、第二円環領域54B1の外周縁から外側に連続し、第三溝511Bに対向する領域を通って、バンプ511Cまで延出する第二引出領域54B2を備える。
そして、固定反射膜54の第二円環領域54B1の固定導電層542上には、円環状の固定電極561Bが形成されている。第二引出領域54B2のバンプ511Cに対応する位置には、上記実施形態と同様、固定端子膜54Cが設けられ、可動基板52の接続電極571に接続される。
また、本例における固定電極561Bは、環状に形成され、導電層541と導通する。したがって、この固定電極561Bは、固定反射膜54の最表面の導電層541と同電位となる。
なお、この例では、固定引出電極561Aが設けられないため、接続電極572は不要となる。
一方、可動基板52の可動部521Aには、固定基板51に対向する面に、固定電極561Bに対向する可動電極562Aが設けられている。この可動電極562Aは、フィルター中心点Oを中心とした円弧状(C字状)に形成されており、図10に示すように、辺C3´−C4´側の電装部524Bに近接する一部にC字開口部が設けられる。また、図10に示すように、可動電極562Aの外周縁には、可動引出電極561Bが連続し、電装部524Bまで設けられている。
また、可動反射膜55の第四領域55Bは、第三領域55Aの外周縁から、可動電極562のC字開口部を通って電装部524Bまで引き出されており、第三領域55Aの電装部524Bに対応する位置に、可動端子膜55Cが設けられている。
このような波長可変干渉フィルター5Aでは、固定電極561及び固定反射膜54の固定導電層542が同電位となり、駆動制御部15において、接続電極571に基準電位を設定する。この場合、可動電極562の電位を設定するだけで、固定電極561及び可動電極562間に電位差を生じさせることができる。
また、バンプ511Cにおいて、端子導子を押し付けて導通させる箇所が少なくなるため、可動部521の応力の影響を低減できる。
上記実施形態では、固定基板形成工程において、固定電極561及び固定引出電極561Aを形成した後、固定反射膜54を形成し、その後、固定端子膜54Cを形成したが、これに限定されない。
例えば、固定電極561や固定引出電極561Aを形成する前に、固定反射膜54の形成し、その後、固定電極561及び固定引出電極561Aを、固定端子膜54Cと同時に形成してもよい。この場合、製造効率性を向上させることができる。
また、固定基板51において、固定電極561が円弧状(C字状)に形成され、固定反射膜54の第二領域54Bが、固定電極561のC字開口部を通ってバンプ511Cまで形成される構成を例示したが、これに限定されない。
例えば、固定電極561が環状に形成され、固定電極561の上に固定反射膜54の第二領域54Bが乗り上げて配置される構成などとしてもよい。この場合、固定電極561の厚み寸法が大きくても、固定反射膜54が多層に形成されているので、第二領域54Bにおける最表面の固定導電層542が断線するリスクを低減できる。
固定端子膜54C及び固定電極561の厚み寸法を異なる寸法としてもよい。この場合、バンプ511Cの厚補助部511Dの厚み寸法を適宜変更すればよい。
上記実施形態では、可動電極562を、可動反射膜55の可動導電層552上に設け、可動導電層552及び可動電極562を同電位にする例を示したが、これに限定されない。
例えば、固定電極561と同様、可動電極562と、可動導電層552とを電気的に絶縁し、それぞれ独立した電極として機能させてもよい。この場合、例えば、各反射膜54,55の導電層542,552をそれぞれ駆動用の電極としても機能させることもでき、静電アクチュエーター56との併用により、より高精度なギャップG1の制御が可能となる。
上記実施形態では、固定基板形成工程において、第一ガラス基板M1をエッチングすることで、バンプ511Cを形成する例を示したが、別途、バンプ511Cを第三溝511Aに固定する構成としてもよい。この際、例えば第三溝511Aに対して樹脂性のバンプ511Cや厚補助部511Dを取り付けることが好ましい。樹脂材料によりバンプ511Cや厚補助部511Dを形成することで、接続電極571と固定端子膜54Cとの接触圧、接続電極572と固定引出電極561Aとの接触圧を、樹脂であるバンプ511Cや厚補助部511Dに逃がすことができ、固定基板51や可動基板52への応力の伝達を抑制できる。
上記実施形態では、静電アクチュエーター56により、反射膜54,55間のギャップ寸法を変更可能な構成としたが、これに限定されない。例えば、波長固定側のファブリーペローエタロンに対しても、本発明を適用することができる。
波長固定型の干渉フィルターでは、上記実施形態のような可動部521や保持部522が設けられず、固定基板51と可動基板52との間隔が一定に維持される。このような場合でも、固定反射膜54や可動反射膜55の帯電を除去することで、反射膜間の距離を一定に保つことができる。
本発明の電子機器として、上記各実施形態では、分光測定装置1を例示したが、その他、様々な分野により本発明の光学モジュール、及び電子機器を適用することができる。
例えば、図11に示すように、本発明の電子機器を、色を測定するための測色装置に適用することもできる。
図11は、波長可変干渉フィルターを備えた測色装置400の一例を示すブロック図である。
この測色装置400は、図11に示すように、測定対象Xに光を射出する光源装置410と、測色センサー420(光学モジュール)と、測色装置400の全体動作を制御する制御装置430とを備える。そして、この測色装置400は、光源装置410から射出される光を測定対象Xにて反射させ、反射された検査対象光を測色センサー420にて受光させ、測色センサー420から出力される検出信号に基づいて、検査対象光の色度、すなわち測定対象Xの色を分析して測定する装置である。
光源装置410、光源411、複数のレンズ412(図11には1つのみ記載)を備え、測定対象Xに対して例えば基準光(例えば、白色光)を射出する。また、複数のレンズ412には、コリメーターレンズが含まれてもよく、この場合、光源装置410は、光源411から射出された基準光をコリメーターレンズにより平行光とし、図示しない投射レンズから測定対象Xに向かって射出する。なお、本実施形態では、光源装置410を備える測色装置400を例示するが、例えば測定対象Xが液晶パネルなどの発光部材である場合、光源装置410が設けられない構成としてもよい。
測色センサー420は、本発明の光学モジュールであり、図11に示すように、波長可変干渉フィルター5と、波長可変干渉フィルター5を透過する光を受光するディテクター11と、波長可変干渉フィルター5で透過させる光の波長を可変する駆動制御部15とを備える。また、測色センサー420は、波長可変干渉フィルター5に対向する位置に、測定対象Xで反射された反射光(検査対象光)を、内部に導光する図示しない入射光学レンズを備えている。そして、この測色センサー420は、波長可変干渉フィルター5により、入射光学レンズから入射した検査対象光のうち、所定波長の光を分光し、分光した光をディテクター11にて受光する。なお、波長可変干渉フィルター5の代わりに光学フィルターデバイス600が設けられる構成としてもよい。
制御装置430は、測色装置400の全体動作を制御する。
この制御装置430としては、例えば汎用パーソナルコンピューターや、携帯情報端末、その他、測色専用コンピューターなどを用いることができる。そして、制御装置430は、図11に示すように、光源制御部431、測色センサー制御部432、及び測色処理部433などを備えて構成されている。
光源制御部431は、光源装置410に接続され、例えば利用者の設定入力に基づいて、光源装置410に所定の制御信号を出力して、所定の明るさの白色光を射出させる。
測色センサー制御部432は、測色センサー420に接続され、例えば利用者の設定入力に基づいて、測色センサー420にて受光させる光の波長を設定し、この波長の光の受光量を検出する旨の制御信号を測色センサー420に出力する。これにより、測色センサー420の駆動制御部15は、制御信号に基づいて、静電アクチュエーター56に電圧を印加し、波長可変干渉フィルター5を駆動させる。
測色処理部433は、ディテクター11により検出された受光量から、測定対象Xの色度を分析する。
また、本発明の電子機器の他の例として、特定物質の存在を検出するための光ベースのシステムが挙げられる。このようなシステムとしては、例えば、本発明の光学モジュールを用いた分光計測方式を採用して特定ガスを高感度検出する車載用ガス漏れ検出器や、呼気検査用の光音響希ガス検出器等のガス検出装置を例示できる。
このようなガス検出装置の一例を以下に図面に基づいて説明する。
図12は、本発明の光学モジュールを備えたガス検出装置の一例を示す概略図である。
図13は、図12のガス検出装置の制御系の構成を示すブロック図である。
このガス検出装置100は、図12に示すように、センサーチップ110と、吸引口120A、吸引流路120B、排出流路120C、及び排出口120Dを備えた流路120と、本体部130と、を備えて構成されている。
本体部130は、流路120を着脱可能な開口を有するセンサー部カバー131、排出手段133、筐体134、光学部135、フィルター136、波長可変干渉フィルター5、及び受光素子137(受光部)等を含む検出装置(光学モジュール)と、受光素子137で受光された光に応じて出力された信号の処理や検出装置や光源部の制御を実施する制御部138(処理部)、電力を供給する電力供給部139等から構成されている。なお、波長可変干渉フィルター5の代わりに光学フィルターデバイス600が設けられる構成としてもよい。また、光学部135は、光を射出する光源135Aと、光源135Aから入射された光をセンサーチップ110側に反射し、センサーチップ側から入射された光を受光素子137側に透過するビームスプリッター135Bと、レンズ135C,135D,135Eと、により構成されている。
また、図13に示すように、ガス検出装置100の表面には、操作パネル140、表示部141、外部とのインターフェイスのための接続部142、電力供給部139が設けられている。電力供給部139が二次電池の場合には、充電のための接続部143を備えてもよい。
更に、ガス検出装置100の制御部138は、図13に示すように、CPU等により構成された信号処理部144、光源135Aを制御するための光源ドライバー回路145、波長可変干渉フィルター5を制御するための駆動制御部15、受光素子137からの信号を受信する受光回路147、センサーチップ110のコードを読み取り、センサーチップ110の有無を検出するセンサーチップ検出器148からの信号を受信するセンサーチップ検出回路149、及び排出手段133を制御する排出ドライバー回路150などを備えている。
次に、上記のようなガス検出装置100の動作について、以下に説明する。
本体部130の上部のセンサー部カバー131の内部には、センサーチップ検出器148が設けられており、このセンサーチップ検出器148でセンサーチップ110の有無が検出される。信号処理部144は、センサーチップ検出器148からの検出信号を検出す
ると、センサーチップ110が装着された状態であると判断し、表示部141へ検出動作を実施可能な旨を表示させる表示信号を出す。
そして、例えば利用者により操作パネル140が操作され、操作パネル140から検出処理を開始する旨の指示信号が信号処理部144へ出力されると、まず、信号処理部144は、光源ドライバー回路145に光源作動の信号を出力して光源135Aを作動させる。光源135Aが駆動されると、光源135Aから単一波長で直線偏光の安定したレーザー光が射出される。また、光源135Aには、温度センサーや光量センサーが内蔵されており、その情報が信号処理部144へ出力される。そして、信号処理部144は、光源135Aから入力された温度や光量に基づいて、光源135Aが安定動作していると判断すると、排出ドライバー回路150を制御して排出手段133を作動させる。これにより、検出すべき標的物質(ガス分子)を含んだ気体試料が、吸引口120Aから、吸引流路120B、センサーチップ110内、排出流路120C、排出口120Dへと誘導される。なお、吸引口120Aには、除塵フィルター120A1が設けられ、比較的大きい粉塵や一部の水蒸気などが除去される。
また、センサーチップ110は、金属ナノ構造体が複数組み込まれ、局在表面プラズモン共鳴を利用したセンサーである。このようなセンサーチップ110では、レーザー光により金属ナノ構造体間で増強電場が形成され、この増強電場内にガス分子が入り込むと、分子振動の情報を含んだラマン散乱光、及びレイリー散乱光が発生する。
これらのレイリー散乱光やラマン散乱光は、光学部135を通ってフィルター136に入射し、フィルター136によりレイリー散乱光が分離され、ラマン散乱光が波長可変干渉フィルター5に入射する。そして、信号処理部144は、駆動制御部15に対して制御信号を出力する。これにより、駆動制御部15は、上記第一実施形態と同様にして波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56を駆動させ、検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光を波長可変干渉フィルター5で分光させる。この後、分光した光が受光素子137で受光されると、受光量に応じた受光信号が受光回路147を介して信号処理部144に出力される。この場合、波長可変干渉フィルター5から目的とするラマン散乱光を精度よく取り出すことができる。
信号処理部144は、上記のようにして得られた検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光のスペクトルデータと、ROMに格納されているデータとを比較し、目的のガス分子か否かを判定し、物質の特定をする。また、信号処理部144は、表示部141にその結果情報を表示させたり、接続部142から外部へ出力したりする。
なお、上記図12及び図13において、ラマン散乱光を波長可変干渉フィルター5により分光して分光されたラマン散乱光からガス検出を行うガス検出装置100を例示したが、ガス検出装置として、ガス固有の吸光度を検出することでガス種別を特定するガス検出装置として用いてもよい。この場合、センサー内部にガスを流入させ、入射光のうちガスにて吸収された光を検出するガスセンサーを本発明の光学モジュールとして用いる。そして、このようなガスセンサーによりセンサー内に流入されたガスを分析、判別するガス検出装置を本発明の電子機器とする。このような構成でも、波長可変干渉フィルターを用いてガスの成分を検出することができる。
また、特定物質の存在を検出するためのシステムとして、上記のようなガスの検出に限られず、近赤外線分光による糖類の非侵襲的測定装置や、食物や生体、鉱物等の情報の非侵襲的測定装置等の、物質成分分析装置を例示できる。
以下に、上記物質成分分析装置の一例として、食物分析装置を説明する。
図14は、本発明の光学モジュールを利用した電子機器の一例である食物分析装置の概略構成を示す図である。
この食物分析装置200は、図14に示すように、検出器210(光学モジュール)と、制御部220と、表示部230と、を備えている。検出器210は、光を射出する光源211と、測定対象物からの光が導入される撮像レンズ212と、撮像レンズ212から導入された光を分光する波長可変干渉フィルター5と、分光された光を検出する撮像部213(受光部)と、を備えている。なお、波長可変干渉フィルター5の代わりに光学フィルターデバイス600が設けられる構成としてもよい。
また、制御部220は、光源211の点灯・消灯制御、点灯時の明るさ制御を実施する光源制御部221と、波長可変干渉フィルター5を制御する駆動制御部15と、撮像部213を制御し、撮像部213で撮像された分光画像を取得する検出制御部223と、信号処理部224と、記憶部225と、を備えている。
この食物分析装置200は、システムを駆動させると、光源制御部221により光源211が制御されて、光源211から測定対象物に光が照射される。そして、測定対象物で反射された光は、撮像レンズ212を通って波長可変干渉フィルター5に入射する。波長可変干渉フィルター5は駆動制御部15の制御により、上記第一実施形態に示すような駆動方法で駆動される。これにより、波長可変干渉フィルター5から精度よく目的波長の光を取り出すことができる。そして、取り出された光は、例えばCCDカメラ等により構成される撮像部213で撮像される。また、撮像された光は分光画像として、記憶部225に蓄積される。また、信号処理部224は、駆動制御部15を制御して波長可変干渉フィルター5に印加する電圧値を変化させ、各波長に対する分光画像を取得する。
そして、信号処理部224は、記憶部225に蓄積された各画像における各画素のデータを演算処理し、各画素におけるスペクトルを求める。また、記憶部225には、例えばスペクトルに対する食物の成分に関する情報が記憶されており、信号処理部224は、求めたスペクトルのデータを、記憶部225に記憶された食物に関する情報を基に分析し、検出対象に含まれる食物成分、及びその含有量を求める。また、得られた食物成分及び含有量から、食物カロリーや鮮度等をも算出することができる。更に、画像内のスペクトル分布を分析することで、検査対象の食物の中で鮮度が低下している部分の抽出等をも実施することができ、更には、食物内に含まれる異物等の検出をも実施することができる。
そして、信号処理部224は、上述のようにして得られた検査対象の食物の成分や含有量、カロリーや鮮度等の情報を表示部230に表示させる処理をする。
また、図14において、食物分析装置200の例を示すが、略同様の構成により、上述したようなその他の情報の非侵襲的測定装置としても利用することができる。例えば、血液等の体液成分の測定、分析等、生体成分を分析する生体分析装置として用いることができる。このような生体分析装置としては、例えば血液等の体液成分を測定する装置として、エチルアルコールを検知する装置とすれば、運転者の飲酒状態を検出する酒気帯び運転防止装置として用いることができる。また、このような生体分析装置を備えた電子内視鏡システムとしても用いることができる。
更には、鉱物の成分分析を実施する鉱物分析装置としても用いることができる。
更には、本発明の光学モジュール、電子機器としては、以下のような装置に適用することができる。
例えば、各波長の光の強度を経時的に変化させることで、各波長の光でデータを伝送させることも可能であり、この場合、光学モジュールに設けられた波長可変干渉フィルターにより特定波長の光を分光し、受光部で受光させることで、特定波長の光により伝送されるデータを抽出することができ、このようなデータ抽出用光学モジュールを備えた電子機器により、各波長の光のデータを処理することで、光通信を実施することもできる。
また、電子機器としては、本発明の光学モジュールにより光を分光することで、分光画像を撮像する分光カメラ、分光分析機などにも適用できる。このような分光カメラの一例として、波長可変干渉フィルターを内蔵した赤外線カメラが挙げられる。
図15は、分光カメラの概略構成を示す模式図である。分光カメラ300は、図15に示すように、カメラ本体310と、撮像レンズユニット320と、撮像部330とを備えている。
カメラ本体310は、利用者により把持、操作される部分である。
撮像レンズユニット320は、カメラ本体310に設けられ、入射した画像光を撮像部330に導光する。また、この撮像レンズユニット320は、図15に示すように、対物レンズ321、結像レンズ322、及びこれらのレンズ間に設けられた波長可変干渉フィルター5を備えて構成されている。なお、波長可変干渉フィルター5の代わりに光学フィルターデバイス600が設けられる構成としてもよい。
撮像部330は、受光素子により構成され、撮像レンズユニット320により導光された画像光を撮像する。
このような分光カメラ300では、波長可変干渉フィルター5により撮像対象となる波長の光を透過させることで、所望波長の光の分光画像を撮像することができる。
更には、本発明の光学モジュールをバンドパスフィルターとして用いてもよく、例えば、発光素子が射出する所定波長域の光のうち、所定の波長を中心とした狭帯域の光のみを波長可変干渉フィルターで分光して透過させる光学式レーザー装置としても用いることができる。
また、本発明の光学モジュールを生体認証装置として用いてもよく、例えば、近赤外領域や可視領域の光を用いた、血管や指紋、網膜、虹彩などの認証装置にも適用できる。
更には、光学モジュール及び電子機器を、濃度検出装置として用いることができる。この場合、波長可変干渉フィルターにより、物質から射出された赤外エネルギー(赤外光)を分光して分析し、サンプル中の被検体濃度を測定する。
上記に示すように、本発明の光学モジュール、及び電子機器は、入射光から所定の光を分光するいかなる装置にも適用することができる。そして、本発明の光学モジュールは、上述のように、1デバイスで複数の波長を分光させることができるため、複数の波長のスペクトルの測定、複数の成分に対する検出を精度よく実施することができる。したがって、複数デバイスにより所望の波長を取り出す従来の装置に比べて、光学モジュールや電子機器の小型化を促進でき、例えば、携帯用や車載用の光学デバイスとして好適に用いることができる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等に適宜変更できる。
1…分光測定装置、5…波長可変干渉フィルター、10…光学モジュール、11…ディテクター(受光部)、15…駆動制御部、20…制御部、51…固定基板、52…可動基板、54…固定反射膜、54A…第一領域、54B…第二領域、54C…固定端子膜(金属膜)、55…可動反射膜、55A…第三領域、55B…第四領域、55B1…第四円環領域、55B2…第四引出領域、55C…可動端子膜(金属膜)、56…静電アクチュエーター、100…ガス検出装置、137…受光素子、138…制御部、200…食物分析装置、210…検出器、220…制御部、300…分光カメラ、330…撮像部、400…測色装置、420…測色センサー、430…制御装置、541…誘電体多層膜、542…固定導電層、551…誘電体多層膜、552…可動導電層、561…固定電極、562…可動電極、571…接続電極、600…光学フィルターデバイス、610…筐体、620…ベース、621…台座部、630…リッド。

Claims (12)

  1. 複数層からなり、かつ、当該複数層の最表面の層が導電層である第一反射膜と、
    第二反射膜と、を備え、
    前記第一反射膜は、前記第二反射膜に対向する第一領域と、前記第一領域の外周縁から当該第一領域外に連続する第二領域と、を有し、
    前記第二領域の前記導電層の一部は、配線接続が可能な端子部である
    ことを特徴とする干渉フィルター。
  2. 請求項1に記載の干渉フィルターにおいて、
    前記第二反射膜は、複数層からなり、当該複数層の最表面の層が導電層であるとともに、前記第一反射膜の第一領域に対向する第三領域と、前記第三領域の外周縁から当該第三領域外に連続する第四領域を有し、
    前記第四領域の前記導電層の一部は、配線接続が可能な端子部である
    ことを特徴とする干渉フィルター。
  3. 請求項2に記載の干渉フィルターにおいて、
    前記第一反射膜が設けられた第一基板と、
    前記第二反射膜が設けられ、前記第一基板に対向する第二基板と、
    前記第一基板に設けられた第一電極と、
    前記第二基板に設けられ、前記第一電極に対向する第二電極と、を備え、
    前記第一電極は、前記第一基板を基板厚み方向から見た平面視において、前記第一領域の外に設けられ、
    前記第二電極は、前記第二反射膜の導電層上に設けられた
    ことを特徴とする干渉フィルター。
  4. 請求項3に記載の干渉フィルターにおいて、
    前記第一電極及び前記第二電極の間のギャップ寸法は、前記第一反射膜の前記第一領域における前記導電層、及び前記第二反射膜の前記第三領域における前記導電層の間のギャップ寸法よりも小さい
    ことを特徴とする干渉フィルター。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の干渉フィルターにおいて、
    前記導電層は、所定波長域に対して透光性を有する金属酸化物である
    ことを特徴とする干渉フィルター。
  6. 請求項5に記載の干渉フィルターにおいて、
    前記端子部には、金属膜が設けられた
    ことを特徴とする干渉フィルター。
  7. 請求項6に記載の干渉フィルターにおいて、
    前記第一反射膜が設けられた第一基板と、
    前記第二反射膜が設けられた第二基板と、
    前記第一基板及び前記第二基板の少なくともいずれか一方に設けられた電極と、を備え、
    前記電極と前記金属膜とが同一素材により構成された
    ことを特徴とする干渉フィルター。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の干渉フィルターにおいて、
    前記第二反射膜が設けられた第二基板を備え、
    前記第二基板には、前記第一反射膜の導電層の端子部に接続された接続電極が設けられた
    ことを特徴とする干渉フィルター。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の干渉フィルターにおいて、
    前記第一反射膜及び前記第二反射膜は、誘電体多層膜を含む複数層により構成された
    ことを特徴とする干渉フィルター。
  10. 複数層からなり、かつ、当該複数層の最表面の層が導電層である第一反射膜、及び、第二反射膜を備えた干渉フィルターと、
    前記干渉フィルターを収納する筐体と、を具備し、
    前記第一反射膜は、前記第二反射膜に対向する第一領域と、前記第一領域の外周縁から当該第一領域外に連続する第二領域を有し、
    前記第二領域の前記導電層の一部は、配線接続が可能な端子部である
    ことを特徴とする光学フィルターデバイス。
  11. 複数層からなり、かつ、当該複数層の最表面の層が導電層である第一反射膜、及び、第二反射膜を備えた干渉フィルターと、
    前記干渉フィルターから出射された光を受光する受光部と、
    を具備し、
    前記第一反射膜は、前記第二反射膜に対向する第一領域と、前記第一領域の外周縁から当該第一領域外に連続する第二領域を有し、
    前記第二領域の前記導電層の一部は、配線接続が可能な端子部である
    ことを特徴とする光学モジュール。
  12. 複数層からなり、かつ、当該複数層の最表面の層が導電層である第一反射膜、及び、第二反射膜を備えた干渉フィルターと、
    前記干渉フィルターを制御する制御部と、を備え、
    前記第一反射膜は、前記第二反射膜に対向する第一領域と、前記第一領域の外周縁から当該第一領域外に連続する第二領域を有し、
    前記第二領域の前記導電層の一部は、配線接続が可能な端子部である
    ことを特徴とする電子機器。
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