JP5790116B2 - 波長可変干渉フィルター、光モジュール、及び電子機器 - Google Patents
波長可変干渉フィルター、光モジュール、及び電子機器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5790116B2 JP5790116B2 JP2011093781A JP2011093781A JP5790116B2 JP 5790116 B2 JP5790116 B2 JP 5790116B2 JP 2011093781 A JP2011093781 A JP 2011093781A JP 2011093781 A JP2011093781 A JP 2011093781A JP 5790116 B2 JP5790116 B2 JP 5790116B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electrode
- substrate
- movable
- interference filter
- fixed
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Micromachines (AREA)
- Spectrometry And Color Measurement (AREA)
- Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)
Description
上記の本発明に係わる波長可変干渉フィルターは、第一基板と、前記第一基板に対向する第二基板と、前記第一基板に設けられた第一反射膜と、前記第二基板に設けられ、前記第一反射膜と第1の大きさの反射膜間ギャップを介して対向する第二反射膜と、前記第一基板に設けられた第一電極と、前記第二基板に設けられ、前記第一電極と第2の大きさの電極間ギャップを介して対向する第二電極と、を具備し、前記第一電極及び前記第二電極は、それぞれ透光性を有し、前記第一基板または前記第二基板を基板厚み方向から見た平面視において、前記第一反射膜及び前記第二反射膜が互いに対向して設けられた光干渉領域の内外に亘り、当該光干渉領域を覆って設けられ、前記第一反射膜は、前記第一電極を介して前記第一基板に設けられ、前記第二反射膜は、前記第二電極を介して前記第二基板に設けられたことを特徴とする。
本発明の波長可変干渉フィルターは、第一基板と、前記第一基板に対向する第二基板と、前記第一基板に設けられた第一反射膜と、前記第二基板に設けられ、前記第一反射膜と所定の大きさの反射膜間ギャップを介して対向する第二反射膜と、前記第一基板に設けられた第一電極と、前記第二基板に設けられ、前記第一電極と所定の大きさの電極間ギャップを介して対向する第二電極と、を具備し、前記第一電極及び前記第二電極は、それぞれ透光性を有し、前記第一基板または前記第二基板を基板厚み方向から見た平面視において、前記第一反射膜及び前記第二反射膜が互いに対向して設けられた光干渉領域の内外に亘り、当該光干渉領域を覆って設けられ、前記第一反射膜は、前記第一電極を介して前記第一基板に設けられ、前記第二反射膜は、前記第二電極を介して前記第二基板に設けられたことを特徴とする。
本発明では、第一基板は、第二基板に対向する平坦な第一面を有し、第二基板は、第一面に対向する平坦な第二面を有する。そして、第一電極は、第一基板の第一面に設けられ、第二電極は、第二基板の第二面に設けられている。したがって、これらの第一電極及び第二電極がそれぞれ平坦面に設けられることとなり、第一電極及び第二電極の間の電極間ギャップの寸法は、位置によらず一様な寸法に維持される。このため、第一電極及び第二電極の間に電圧を印加した場合、電極間ギャップにおいて、静電引力のムラが生じず、第一反射膜及び第二反射膜を平行に維持した状態で、反射膜間ギャップの寸法を変動させることができる。
本発明では、第一反射膜は、第一電極に支持層を介して設けられる。このような構成では、電極間ギャップは、少なくとも支持層の厚み寸法分、反射膜間ギャップよりも大きく形成される。つまり、反射膜間ギャップを極めて0に近い値に設定した場合でも、電極間ギャップの寸法を、少なくとも支持層の厚み寸法以上確保できる。したがって、反射膜間ギャップの寸法を小さくした場合でも、第一電極及び第二電極間に作用する静電引力を容易に制御することができ、静電引力が急激に大きくなって反射膜同士が接触してしまう不都合を回避することができる。
本発明によれば、絶縁性を有する支持層により、第一電極の第二電極に対向する面の全体を覆うことで、第一電極及び第二電極間の放電等による電流リークを防止でき、精度よく反射膜間ギャップの寸法を所望値に設定することができる。
本発明によれば、光モジュールは、上述のような波長可変干渉フィルターを備えている。ここで、波長可変干渉フィルターは、上述したような作用効果を奏し、省電力化を図ることができるので、このような波長可変干渉フィルターを備えた光モジュールにおいても、省電力化を図ることができる。
本発明によれば、電子機器は、上述した波長可変干渉フィルターを有する光モジュールを備えるので、電子機器においても省電力化を図ることができる。
〔1.測色装置の概略構成〕
図1は、本実施形態の測色装置1(電子機器)の概略構成を示すブロック図である。
測色装置1は、図1に示すように、検査対象Aに光を射出する光源装置2と、測色センサー3(光モジュール)と、測色装置1の全体動作を制御する制御装置4とを備える。そして、この測色装置1は、光源装置2から射出される光を検査対象Aにて反射させ、反射された検査対象光を測色センサー3にて受光し、測色センサー3から出力される検出信号に基づいて、検査対象光の色度、すなわち検査対象Aの色を分析して測定する装置である。
光源装置2は、光源21、複数のレンズ22(図1には1つのみ記載)を備え、検査対象Aに対して白色光を射出する。また、複数のレンズ22には、コリメーターレンズが含まれてもよく、この場合、光源装置2は、光源21から射出された白色光をコリメーターレンズにより平行光とし、図示しない投射レンズから検査対象Aに向かって射出する。なお、本実施形態では、光源装置2を備える測色装置1を例示するが、例えば検査対象Aが液晶パネルなどの発光部材である場合、光源装置2が設けられない構成としてもよい。
測色センサー3は、図1に示すように、波長可変干渉フィルター5と、波長可変干渉フィルター5を透過する光を受光する検出部31と、波長可変干渉フィルター5で透過させる光の波長を可変する電圧制御部32とを備える。また、測色センサー3は、波長可変干渉フィルター5に対向する位置に、検査対象Aで反射された反射光(検査対象光)を、内部に導光する図示しない入射光学レンズを備えている。そして、この測色センサー3は、波長可変干渉フィルター5により、入射光学レンズから入射した検査対象光のうち、所定波長の光を分光し、分光した光を検出部31にて受光する。
検出部31は、複数の光電交換素子により構成されており、受光量に応じた電気信号を生成する。そして、検出部31は、制御装置4に接続されており、生成した電気信号を受光信号として制御装置4に出力する。
図2は、波長可変干渉フィルター5の概略構成を示す平面図であり、図3は、波長可変干渉フィルター5の概略構成を示す断面図である。
波長可変干渉フィルター5は、図2に示すように、平面正方形状の板状の光学部材である。この波長可変干渉フィルター5は、図3に示すように、本発明の第二基板である固定基板51、および本発明の第一基板である可動基板52を備えている。これらの固定基板51及び可動基板52は、それぞれ例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラスなどの各種ガラスや、水晶などにより形成されている。そして、これらの固定基板51及び可動基板52は、外周部近傍に形成される第一接合部523、第二接合部513が、例えばシロキサンを主成分とするプラズマ重合膜などにより構成された接合膜53により接合されることで、一体的に構成されている。
波長可変干渉フィルター5には、固定反射膜54および可動反射膜55の間の反射膜間ギャップG1の寸法を調整するのに用いられる静電アクチュエーター56が設けられている。この静電アクチュエーター56は、固定基板51側に設けられる前述の固定電極561と、可動基板52側に設けられる前述の可動電極562とを備えている。ここで、固定電極561及び可動電極562は、それぞれ固定基板51及び可動基板562の基板表面に直接設けられる構成であってもよく、他の膜部材を介して設けられる構成であってもよい。
また、波長可変干渉フィルター5を固定基板51(可動基板52)の基板厚み方向から見た図2に示すような平面視において、固定基板51及び可動基板52の平面中心点Oは、固定反射膜54及び可動反射膜55の中心点と一致し、かつ後述する可動部521の中心点と一致する。ここで、固定基板51または可動基板52の基板厚み方向から見た平面視、つまり、固定基板51、接合膜53、及び可動基板52の積層方向から波長可変干渉フィルター5を見た平面視を、フィルター平面視とする。
固定基板51は、厚みが例えば500μmに形成されるガラス基材である。具体的には、図3に示すように、固定基板51は、可動基板52に対向する平坦な固定対向面51A(本発明の第二面を構成)を有する。このような固定対向面51Aは、例えば、研削、研磨削等により、表面粗さRaが5nm以下となる光学面に形成されている。
また、この固定基板51は、可動基板52に対して厚み寸法が大きく形成されており、固定電極561および可動電極562間に電圧を印加した際の静電引力や、固定電極561の内部応力による固定基板51の撓みはない。
また、固定基板51の固定対向面51Aには、固定電極561の外周縁から延出する固定引出電極563が形成されている。具体的には、この固定引出電極563は、固定電極561の外周縁のうち頂点C1に最も近接する位置から、頂点C1まで延出形成されている。そして、固定引出電極563の先端部(固定基板51の頂点C1に位置する部分)は、電圧制御部32に接続される固定電極パッド563Pを構成する。
更に、固定基板51には、頂点C3の位置に、固定電極561とは絶縁された第一対向電極581が設けられている。また、これらの第一対向電極581先端部は、電圧制御部32に接続される第一対向電極パッド581Pを構成する。
これらの固定電極561及び固定引出電極563は、透光性の導電膜(例えばITO:Indium Tin Oxide)により形成されており、波長可変干渉フィルター5に導入された光や、固定反射膜54,可動反射膜55間で多重干渉により取り出された光を透過させる。
この固定反射膜54としては、金属膜により形成されるものであってもよく、誘電体多層膜により形成されるものであってもよく、さらには、誘電多層膜上にAg合金が形成される構成などとしてもよい。金属単層膜としては、例えばAgや、Ag合金の単層膜を用いることができ、誘電体多層膜の場合は、例えば高屈折層をTiO2、低屈折層をSiO2とした誘電体多層膜を用いることができる。なお、固定反射膜54として、金属合金を用いる場合、固定電極561と固定反射膜54とが接触することで、固定反射膜54に帯電した電荷を固定電極561に逃がすこともできる。
一方、固定電極561と導電性の固定反射膜54が接触する場合、固定反射膜54が駆動電極として機能し、固定反射膜54と可動電極562との間で静電引力が発生することも考えられる。この場合、駆動領域Ar1における光干渉領域Ar2と、当該光干渉領域Ar2以外の外側領域とで、電極間の距離が固定反射膜54の厚み寸法分だけ差が生じ、光干渉領域Ar2と外側領域で作用する静電引力も異なる大きさとなることが考えられる。しかしながら、固定電極561は、それぞれ、固定基板51の平坦な固定対向面51Aに設けられる膜であり、固定反射膜54は、均一膜厚の固定電極561上に形成される膜であるため、光干渉領域Ar2内で作用する静電引力にムラが生じず、駆動領域Ar1における光干渉領域Ar2以外の外側領域で作用する静電引力にもムラが生じない。したがって、固定電極561、可動電極562間に電圧印可した際に、可動部521が傾斜するなどの不都合がなく、正確に反射膜間ギャップG1の寸法を制御することができる。
なお、固定反射膜54と固定電極561との間に、別途絶縁層を設ける構成などとしてもよい。この場合では、駆動領域Ar1内において、光干渉領域Ar2においても、光干渉領域Ar2の外側領域においても、一様な静電引力を作用させることができる。
可動基板52は、厚みが例えば200μmに形成されるガラス基材をエッチングにより加工することで形成されている。
具体的には、可動基板52は、図2に示すようなフィルター平面視において、平面中心点Oを中心とした円形の可動部521と、可動部521と同軸であり可動部521を保持する保持部522と、を備えている。
また、可動基板52には、図2に示すように、固定基板51の各頂点C1,C3に対応して、切欠部524が形成されており、波長可変干渉フィルター5を可動基板52側から見た面に固定電極パッド563P、及び第一対向電極パッド581Pが露出する。
なお、固定基板51と同様に、可動部521の固定基板51とは反対側の面には、反射防止膜が形成されていてもよい。このような反射防止膜は、低屈折率膜および高屈折率膜を交互に積層することで形成することができ、可動基板52の表面での可視光の反射率を低下させ、透過率を増大させることができる。
また、可動基板52には、可動電極562の外周縁から延出する可動引出電極564が設けられている。この可動引出電極564は、可動電極562と同様に透光性の導電膜により形成され、可動電極562の頂点C3に最も近接する位置から、頂点C3に向かって延出する。そして、この可動引出電極564は、可動基板52の外周縁の近傍において、例えばAgペースト等の導電性部材58により、固定基板51の頂点C3の位置に形成された第一対向電極581(第一対向電極パッド581P)に電気的に接続される。
このため、保持部522は可動部521よりも撓みやすく、僅かな静電引力により固定基板51側に撓ませることが可能となる。この際、可動部521は、保持部522よりも厚み寸法が大きく、剛性が大きくなるため、静電引力により可動基板52を撓ませる力が作用した場合でも、可動部521の撓みはほぼなく、可動部521に形成された可動反射膜55の撓みも防止できる。
なお、本実施形態では、ダイアフラム状の保持部522を例示するが、これに限定されず、例えば、平面中心点Oを中心として、等角度間隔で配置された梁状の保持部が設けられる構成などとしてもよい。
電圧制御部32は、固定電極パッド563P、及び第一対向電極パッド581Pに接続され、制御装置4からの入力される制御信号に基づいて、これらの固定電極パッド563P及び第一対向電極パッド581Pを所定の電位に設定し、静電アクチュエーター56に電圧を印加して駆動させる。
制御装置4は、測色装置1の全体動作を制御する。
この制御装置4としては、例えば汎用パーソナルコンピューターや、携帯情報端末、その他、測色専用コンピューターなどを用いることができる。
そして、制御装置4は、図1に示すように、光源制御部41、測色センサー制御部42、および本発明の分析処理部を構成する測色処理部43などを備えて構成されている。
光源制御部41は、光源装置2に接続されている。そして、光源制御部41は、例えば利用者の設定入力に基づいて、光源装置2に所定の制御信号を出力し、光源装置2から所定の明るさの白色光を射出させる。
測色センサー制御部42は、測色センサー3に接続されている。そして、測色センサー制御部42は、例えば利用者の設定入力に基づいて、測色センサー3にて受光させる光の波長を設定し、この波長の光の受光量を検出する旨の制御信号を測色センサー3に出力する。これにより、測色センサー3の電圧制御部32は、制御信号に基づいて、利用者が所望する光の波長のみを透過させるよう、静電アクチュエーター56への印加電圧を設定する。
測色処理部43は、検出部31により検出された受光量から、検査対象Aの色度を分析する。
本実施形態の波長可変干渉フィルター5では、固定基板51の光干渉領域Ar2を含む駆動領域Ar1上に固定電極561が設けられ、可動基板52の光干渉領域Ar2を含む駆動領域Ar1上に可動電極562が設けられ、これらの固定電極561及び可動電極562の光干渉領域Ar2にそれぞれ固定反射膜54及び可動反射膜55が設けられている。このため、静電アクチュエーター56に電圧を印加することで、光干渉領域Ar2内を含む駆動領域Ar1の全体に静電引力が作用し、小さい電力でより大きい静電引力を固定基板51,可動基板52間に作用させることができる。したがって、波長可変干渉フィルター5における省電力化を図れ、測色センサー3や測色装置1における省電力にも貢献できる。
このような波長可変干渉フィルター5では、平坦な固定対向面51A上及び可動対向面52A上に固定電極561及び可動電極562を形成する構成であるため、例えばエッチング等により基板を加工して反射膜間ギャップG1の寸法と電極間ギャップG2の寸法とを異ならせる構成に比べて、固定電極561及び可動電極562間の電極間ギャップG2にバラつきがなく、静電引力のムラが発生しない。このため、固定反射膜54及び可動反射膜55が平行に維持された状態で可動部521を固定基板51側に移動させて反射膜間ギャップG1の寸法を変化させることができ、所望の波長の光を精度よく取り出すことができる。
また、固定基板51に対してエッチング処理を実施する必要がなく、例えば平坦な固定対向面51Aを有するガラス基材(母材)を、そのまま利用することができる。このため、製造工程を簡略化できるとともに、製造コストの低減を図ることができる。
次に、本発明の第二実施形態について、図面に基づいて説明する。
上述した第一実施形態では、可動反射膜55は、可動電極562上に直接設けられている。これに対して、第二実施形態では、可動反射膜55は、可動電極561上に支持層を介して設けられる。この点で、第二実施形態は第一実施形態と相違する。なお、以降の説明にあたり、第一実施形態と同様の構成については、同符号を付し、その説明を省略または簡略する。
図4に示すように、波長可変干渉フィルター5Aは、固定基板51と可動基板52とを備えている。
固定基板51の固定対向面51Aには、駆動領域Ar1に固定電極561が設けられ、この固定電極561の可動基板52に対向する面には、光干渉領域Ar2に固定反射膜54が設けられている。
そして、この支持層57の反射膜固定面57A上には、フィルター平面視において、光干渉領域Ar2領域と重なる位置に可動反射膜55が設けられている。
上述したような第二実施形態の波長可変干渉フィルター5Aでは、上記第一実施形態の波長可変干渉フィルター5の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、波長可変干渉フィルター5Aは、可動基板52の可動電極562上に支持層57が形成され、この支持層57の反射膜固定面57A上に可動反射膜55が形成されている。このため、支持層57の厚み寸法分だけ、電極間ギャップG2の寸法を反射膜間ギャップG1の寸法より大きくでき、反射膜間ギャップG1の寸法の変動可能量を大きくできる。したがって、測色装置1の測定可能波長域を広域化することができる。また、固定電極561,可動電極562間での静電引力の制御が容易となり、反射膜間ギャップG1の寸法をより精度よく、所望の目標値に設定することができる。したがって、波長可変干渉フィルター5の分解能の低下を阻止でき、かつ測色センサー3において所望の波長の光の光量を正確に測定することができ、かつ測色装置1において検査対象Aの正確な色度を測定することができる。
また、固定電極561と固定反射膜54との間に絶縁層を介在させる構成としてもよく、この場合、固定反射膜54や可動反射膜55が金属膜であっても、これらの固定反射膜54及び可動反射膜55間で作用する静電引力を考慮する必要がなく、固定電極561及び可動電極562間への電圧により電極間ギャップG2の寸法を所望の値に設定することができる。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態について、図面に基づいて説明する。
上記第二実施形態では、支持層57は、可動電極562上の光干渉領域Ar2に形成される構成としたが、第三実施形態では、支持層は可動電極の全面を覆って形成される。この点で、本実施形態は、第二実施形態と相違する。
また、可動基板52の可動対向面52Aには、フィルター平面視において、光干渉領域Ar2を含む駆動領域Ar1に可動電極562が設けられ、この可動電極562の固定基板51に対向する面全体、すなわち駆動領域Ar1に絶縁性を有する支持層57が設けられている。そして、この支持層57の可動基板52に対向する面のうち、光干渉領域Ar2に反射膜間ギャップG1を介して固定反射膜54に対向する可動反射膜55が設けられている。つまり、支持層57は、フィルター平面視において、固定反射膜54及び可動反射膜55が設けられる光干渉領域Ar2を含む、駆動領域Ar1の全体を覆って形成されている。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上記第二及び第三実施形態では、第一基板として可動基板52を例示し、可動基板52の可動対向面52Aに支持層57が設けられる構成を示したが、図6に示す波長可変干渉フィルター5Cのような構成としてもよい。
すなわち、本発明の第一基板を固定基板51とし、固定基板51の固定対向面51A上に支持層57が形成され、支持層57の可動基板52に対向する面上に固定反射膜54が形成される構成としてもよい。このような構成であっても、固定反射膜54及び可動反射膜55が設けられる光干渉領域Ar2を含む駆動領域Ar1に固定電極561及び可動電極562が設けられ、静電アクチュエーター56による静電引力を大きくでき、省電力化を促進できる。また、電極間ギャップG2の寸法を反射膜間ギャップG1より大きくするために、固定基板51や可動基板52にエッチング等により凹部を形成する必要がなく、固定電極561及び可動電極562を平坦面に形成することができ、波長可変干渉フィルター5Cの分解能の低下を防止できる。
さらには、固定基板51の固定対向面51A及び可動基板52の可動対向面52Aの双方に支持層57が設けられ、固定対向面51A上の支持層に固定反射膜54が設けられ、可動対向面52A上の支持層に可動反射膜55が設けられる構成などとしてもよい。この場合、上述のように、絶縁性の支持層57を用いることで、固定反射膜54及び可動反射膜55がそれぞれ固定電極561及び可動電極562と導通されないため、固定反射膜54及び可動反射膜55間での静電引力発生を防止できる。
図7に示す例では、波長可変干渉フィルター5Dには、可動基板52の可動対向面52Aのうち、平面中心点から半径R3(R2<R3<R1)の円領域である第一駆動領域Ar3に内側可動電極562Aが設けられる。また、可動対向面52Aのうち、第一駆動領域Ar3よりも径外側に設けられ、平面中心点から半径R3の内周縁、平面中心点から半径R1の外周縁を有する円環状領域である第二駆動領域Ar4に外側可動電極562Bが設けられる。
このような構成でも、光干渉領域Ar2内で静電引力を作用させることができるので、上記実施形態と同様の作用効果をえることができる。また、波長可変干渉フィルター5Dでは、内側可動電極562A及び固定電極561間に印加する電圧と、外側可動電極562B及び固定電極561間において印加する電圧とを異ならせることで、内側可動電極562A及び固定電極561間で作用させる静電引力と、外側可動電極562B及び固定電極561間で作用させる静電引力とを変えることができる。これにより、可動部521の変位量をより精度よく制御することができ、反射膜間ギャップG1の寸法をより細かく、かつ精度よく設定することができる。
例えば、特定物質の存在を検出するための光ベースのシステムとして用いることができる。このようなシステムとしては、例えば、本発明の波長可変干渉フィルターを用いた分光計測方式を採用して特定ガスを高感度検出する車載用ガス漏れ検出器や、呼気検査用の光音響希ガス検出器などのガス検出装置を例示できる。
このようなガス検出装置の一例を以下に図面に基づいて説明する。
図9は、図8のガス検出装置の制御系の構成を示すブロック図である。
このガス検出装置100は、図8に示すように、センサーチップ110と、吸引口120A、吸引流路120B、排出流路120C、および排出口120Dを備えた流路120と、本体部130と、を備えて構成されている。
本体部130は、流路120を着脱可能な開口を有するセンサー部カバー131、排出手段133、筐体134、光学部135、フィルター136、波長可変干渉フィルター5、および受光素子137(検出部)等を含む検出装置(光モジュール)と、検出された信号を処理し、検出部を制御する制御部138、電力を供給する電力供給部139等から構成されている。また、光学部135は、光を射出する光源135Aと、光源135Aから入射された光をセンサーチップ110側に反射し、センサーチップ110側から入射された光を受光素子137側に透過するビームスプリッター135Bと、レンズ135C,レンズ135D,レンズ135Eと、により構成されている。なお、波長可変干渉フィルター5を用いる構成を例示するが、上述した波長可変干渉フィルター5A,5B,5C,5Dを用いる構成としてもよい。
また、図9に示すように、ガス検出装置100の表面には、操作パネル140、表示部141、外部とのインターフェイスのための接続部142、電力供給部139が設けられている。電力供給部139が二次電池の場合には、充電のための接続部143を備えてもよい。
さらに、ガス検出装置100の制御部138は、図9に示すように、CPU等により構成された信号処理部144、光源135Aを制御するための光源ドライバー回路145、波長可変干渉フィルター5を制御するための電圧制御部146、受光素子137からの信号を受信する受光回路147、センサーチップ110のコードを読み取り、センサーチップ110の有無を検出するセンサーチップ検出器148からの信号を受信するセンサーチップ検出回路149、および排出手段133を制御する排出ドライバー回路150などを備えている。
本体部130の上部のセンサー部カバー131の内部には、センサーチップ検出器148が設けられており、このセンサーチップ検出器148でセンサーチップ110の有無が検出される。信号処理部144は、センサーチップ検出器148からの検出信号を検出すると、センサーチップ110が装着された状態であると判断し、表示部141へ検出動作を実施可能な旨を表示させる表示信号を出す。
これらのレイリー散乱光やラマン散乱光は、光学部135を通ってフィルター136に入射し、フィルター136によりレイリー散乱光が分離され、ラマン散乱光が波長可変干渉フィルター5に入射する。そして、信号処理部144は、電圧制御部146を制御し、波長可変干渉フィルター5に印加する電圧を調整し、検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光を波長可変干渉フィルター5で分光させる。この後、分光した光が受光素子137で受光されると、受光量に応じた受光信号が受光回路147を介して信号処理部144に出力される。
信号処理部144は、上記のようにして得られた検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光のスペクトルデータと、ROMに格納されているデータとを比較し、目的のガス分子か否かを判定し、物質の特定をする。また、信号処理部144は、表示部141にその結果情報を表示させたり、接続部142から外部へ出力したりする。
以下に、上記物質成分分析装置の一例として、食物分析装置を説明する。
この食物分析装置200は、図10に示すように、検出器210(光モジュール)と、制御部220と、表示部230と、を備えている。検出器210は、光を射出する光源211と、測定対象物からの光が導入される撮像レンズ212と、撮像レンズ212から導入された光を分光する波長可変干渉フィルター5と、分光された光を検出する撮像部213(検出部)と、を備えている。
また、制御部220は、光源211の点灯・消灯制御、点灯時の明るさ制御を実施する光源制御部221と、波長可変干渉フィルター5を制御する電圧制御部222と、撮像部213を制御し、撮像部213で撮像された分光画像を取得する検出制御部223と、信号処理部224と、記憶部225と、を備えている。
そして、信号処理部224は、上述のようにした得られた検査対象の食物の成分や含有量、カロリーや鮮度等の情報を表示部230に表示させる処理をする。
さらには、鉱物の成分分析を実施する鉱物分析装置としても用いることができる。
例えば、各波長の光の強度を経時的に変化させることで、各波長の光でデータを伝送させることも可能であり、この場合、光モジュールに設けられた波長可変干渉フィルターにより特定波長の光を分光し、受光部で受光させることで、特定波長の光により伝送されるデータを抽出することができ、このようなデータ抽出用光モジュールを備えた電子機器により、各波長の光のデータを処理することで、光通信を実施することもできる。
図11は、分光カメラの概略構成を示す模式図である。分光カメラ300は、図11に示すように、カメラ本体310と、撮像レンズユニット320と、撮像部330(検出部)とを備えている。
カメラ本体310は、利用者により把持、操作される部分である。
撮像レンズユニット320は、カメラ本体310に設けられ、入射した画像光を撮像部330に導光する。また、この撮像レンズユニット320は、図11に示すように、対物レンズ321、結像レンズ322、及びこれらのレンズ間に設けられた波長可変干渉フィルター5を備えて構成されている。
撮像部330は、受光素子により構成され、撮像レンズユニット320により導光された画像光を撮像する。
このような分光カメラ300では、波長可変干渉フィルター5により撮像対象となる波長の光を透過させることで、所望波長の光の分光画像を撮像することができる。
また、本発明の波長可変干渉フィルターを生体認証装置として用いてもよく、例えば、近赤外領域や可視領域の光を用いた、血管や指紋、網膜、虹彩などの認証装置にも適用できる。
Claims (6)
- 第一基板と、
前記第一基板に対向する第二基板と、
前記第一基板に設けられた第一反射膜と、
前記第二基板に設けられ、前記第一反射膜と第1の大きさの反射膜間ギャップを介して対向する第二反射膜と、
前記第一基板に設けられた第一電極と、
前記第二基板に設けられ、前記第一電極と第2の大きさの電極間ギャップを介して対向する第二電極と、を具備し、
前記第2の大きさは、前記第1の大きさより大きく、
前記第一電極及び前記第二電極の各々は、透光性を有し、前記第一基板または前記第二基板を基板厚み方向から見た平面視において、前記第一反射膜及び前記第二反射膜が互いに対向して設けられた光干渉領域の内外に亘り、前記光干渉領域の全体を覆って設けられ、前記第一電極及び前記第二電極の各々の外周は、前記光干渉領域の外周と重ならず、
前記第一反射膜は、前記第一電極を介して前記第一基板に設けられ、
前記第二反射膜は、前記第二電極を介して前記第二基板に設けられたことを特徴とする波長可変干渉フィルター。 - 請求項1に記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
前記第一基板は、前記第二基板に対向する平坦な第一面を有し、
前記第二基板は、前記第一基板に対向する平坦な第二面を有し、
前記第一電極は、前記第一面に設けられ、
前記第二電極は、前記第二面に設けられることを特徴とした波長可変干渉フィルター。 - 請求項2に記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
前記第一反射膜は、均一厚み寸法を有する支持層を介して前記第一電極に設けられることを特徴とする波長可変干渉フィルター。 - 請求項3に記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
前記支持層は、絶縁性を有し、前記第一電極の第二基板に対向する面全体を覆うことを特徴とする波長可変干渉フィルター。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の波長可変干渉フィルターと、
前記波長可変干渉フィルターにより取り出される光を検出する検出部と、
を備えたことを特徴とする光モジュール。 - 請求項5の記載の光モジュールを備えたことを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011093781A JP5790116B2 (ja) | 2011-04-20 | 2011-04-20 | 波長可変干渉フィルター、光モジュール、及び電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011093781A JP5790116B2 (ja) | 2011-04-20 | 2011-04-20 | 波長可変干渉フィルター、光モジュール、及び電子機器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012226122A JP2012226122A (ja) | 2012-11-15 |
JP5790116B2 true JP5790116B2 (ja) | 2015-10-07 |
Family
ID=47276361
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011093781A Expired - Fee Related JP5790116B2 (ja) | 2011-04-20 | 2011-04-20 | 波長可変干渉フィルター、光モジュール、及び電子機器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5790116B2 (ja) |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11211999A (ja) * | 1998-01-28 | 1999-08-06 | Teijin Ltd | 光変調素子および表示装置 |
JP2003195189A (ja) * | 2001-12-25 | 2003-07-09 | Fuji Photo Film Co Ltd | 光変調素子およびその作製方法 |
JP2004212680A (ja) * | 2002-12-27 | 2004-07-29 | Fuji Photo Film Co Ltd | 光変調素子アレイ及びその製造方法 |
CN102066239A (zh) * | 2009-01-09 | 2011-05-18 | 松下电器产业株式会社 | 微电子机械系统器件 |
JP5370246B2 (ja) * | 2009-05-27 | 2013-12-18 | セイコーエプソン株式会社 | 光フィルター、光フィルター装置、分析機器、および光フィルターの製造方法 |
JP5374699B2 (ja) * | 2010-03-18 | 2013-12-25 | 象印マホービン株式会社 | 容器 |
-
2011
- 2011-04-20 JP JP2011093781A patent/JP5790116B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012226122A (ja) | 2012-11-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5786424B2 (ja) | 波長可変干渉フィルター、光モジュール、及び電子機器 | |
JP5842386B2 (ja) | 光フィルター、光フィルターモジュール、および光分析装置 | |
JP6390090B2 (ja) | 光学フィルターデバイス、光学モジュール、及び電子機器 | |
JP6182918B2 (ja) | 干渉フィルター、光学フィルターデバイス、光学モジュール、及び電子機器 | |
JP6264810B2 (ja) | 干渉フィルター、光学フィルターデバイス、光学モジュール、及び電子機器 | |
JP6107186B2 (ja) | 光学モジュール、電子機器、及び分光カメラ | |
JP6098197B2 (ja) | 光学フィルターデバイス、光学モジュール、及び電子機器 | |
JP6119090B2 (ja) | 光学フィルターデバイス、光学モジュール、及び電子機器 | |
JP5874271B2 (ja) | 波長可変干渉フィルター、光学フィルターデバイス、光学モジュール、及び電子機器 | |
JP2015106107A (ja) | 波長可変干渉フィルター、光学モジュール、および電子機器 | |
JP2012173315A (ja) | 波長可変干渉フィルター、光モジュール、および電子機器 | |
JP2013076779A (ja) | 波長可変干渉フィルター、光学フィルターデバイス、光学モジュール、及び電子機器 | |
JP5786518B2 (ja) | 波長可変干渉フィルター、光フィルターモジュール、および光分析装置 | |
JP6089674B2 (ja) | 波長可変干渉フィルター、波長可変干渉フィルターの製造方法、光学フィルターデバイス、光学モジュール、及び電子機器 | |
JP5899645B2 (ja) | 干渉フィルター、光モジュール、及び電子機器 | |
JP5987618B2 (ja) | 波長可変干渉フィルター、光学フィルターデバイス、光学モジュール、及び電子機器 | |
JP2013113900A (ja) | 波長可変干渉フィルター、光学フィルターデバイス、光学モジュール、及び電子機器 | |
JP2016031295A (ja) | 光学モジュール、測定装置、及び電子機器 | |
JP5803386B2 (ja) | 波長可変干渉フィルター、光フィルターモジュール、および光分析装置 | |
JP5970686B2 (ja) | 光学モジュールおよび電子機器 | |
JP5790116B2 (ja) | 波長可変干渉フィルター、光モジュール、及び電子機器 | |
JP2016138915A (ja) | 干渉フィルターの製造方法、干渉フィルター、光学フィルターデバイス、光学モジュール、及び電子機器 | |
JP5747623B2 (ja) | 波長可変干渉フィルター、光モジュール、及び電子機器 | |
JP5958620B2 (ja) | 波長可変干渉フィルター、光モジュール、及び電子機器 | |
JP2015068885A (ja) | 干渉フィルター、光学フィルターデバイス、光学モジュール、及び電子機器 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140414 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20150106 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150127 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150326 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150421 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150618 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150707 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150720 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5790116 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |