JP2015068194A - エンジンの制御装置 - Google Patents

エンジンの制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015068194A
JP2015068194A JP2013201102A JP2013201102A JP2015068194A JP 2015068194 A JP2015068194 A JP 2015068194A JP 2013201102 A JP2013201102 A JP 2013201102A JP 2013201102 A JP2013201102 A JP 2013201102A JP 2015068194 A JP2015068194 A JP 2015068194A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engine
fuel injection
injection timing
model
noise
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013201102A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6268872B2 (ja
Inventor
恭史 山口
Yasushi Yamaguchi
恭史 山口
訓己 金山
Kunimi Kanayama
訓己 金山
聡 中澤
Satoshi Nakazawa
聡 中澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP2013201102A priority Critical patent/JP6268872B2/ja
Publication of JP2015068194A publication Critical patent/JP2015068194A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6268872B2 publication Critical patent/JP6268872B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/30Controlling fuel injection
    • F02D41/3011Controlling fuel injection according to or using specific or several modes of combustion
    • F02D41/3017Controlling fuel injection according to or using specific or several modes of combustion characterised by the mode(s) being used
    • F02D41/3035Controlling fuel injection according to or using specific or several modes of combustion characterised by the mode(s) being used a mode being the premixed charge compression-ignition mode
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D35/00Controlling engines, dependent on conditions exterior or interior to engines, not otherwise provided for
    • F02D35/02Controlling engines, dependent on conditions exterior or interior to engines, not otherwise provided for on interior conditions
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/02Circuit arrangements for generating control signals
    • F02D41/14Introducing closed-loop corrections
    • F02D41/1401Introducing closed-loop corrections characterised by the control or regulation method
    • F02D2041/1412Introducing closed-loop corrections characterised by the control or regulation method using a predictive controller
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/02Circuit arrangements for generating control signals
    • F02D41/14Introducing closed-loop corrections
    • F02D41/1401Introducing closed-loop corrections characterised by the control or regulation method
    • F02D2041/1433Introducing closed-loop corrections characterised by the control or regulation method using a model or simulation of the system

Abstract

【課題】エンジンの制御装置に関し、燃焼状態の制御を通して騒音性能を適切に向上させる。
【解決手段】エンジン10の運転状態に応じた燃料噴射時期を与える燃料噴射時期モデルと、エンジン10で発生する騒音の許容値をエンジン10の運転状態毎に規定した騒音上限モデルとを記憶部2に記憶させる。
また、燃料噴射時期モデルに基づいて算出される燃料噴射時期に燃料を噴射した場合における騒音の推定値を算出部3で算出する。
さらに、騒音上限モデルに基づいて算出された許容値と算出部3で算出された推定値とに基づき、燃料噴射時期を補正部4で補正し、補正された燃料噴射時期を用いて燃料の噴射タイミングを制御部5で制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンの運転状態に応じて燃料噴射のタイミングを制御する制御装置に関する。
従来、エンジンの筒内における燃焼状態を制御することで、排気性能を改善する技術が開発されている。すなわち、燃料噴射のタイミングや筒内の酸素濃度を調節して熱発生率を適正化し、窒素酸化物やスモークの発生量を削減するものである。例えば、燃料噴射量に基づき、燃焼率が50[%]となる燃焼重心時刻の適正値を算出するとともに実際の燃焼重心時刻を検出し、これらの時刻に基づいて燃料噴射時期を進角,遅角方向に補正することが提案されている(特許文献1参照)。このような燃焼重心時刻の適正化により熱発生率が適正化され、排気エミッションが改善されるものと期待されている。なお、投入した燃料のうち発熱した燃料を質量割合で表現したものを「燃焼率」と定義すると、「熱発生率」は時々刻々の燃焼率の変化を意味する。
また、筒内の燃焼状態をより高精度に把握するための手法の一つとして、Wiebe関数モデルを用いて熱発生率を推定する手法が開発されている。Wiebe関数とは、燃焼割合を燃焼反応の経過時間で近似的に表現した関数である。Wiebe関数モデルの具体例としては、熱発生率をエンジンのクランク角(燃焼反応の経過時間に相当)の関数として記述したモデルが知られている(特許文献2参照)。このようなモデルを使用することで、筒内の燃焼状態を精度よく推定することができる。
特開2011-202629号公報 特開2011-106334号公報
上記のようなWiebe関数モデルに基づいて適切な熱発生率を推定し、実際の熱発生率を適正化することができれば、排気エミッションはより改善される可能性がある。しかしながら、燃焼反応に伴う騒音は、エンジンの燃焼起振力や機械的起振力によって発生するものであるため、熱発生率を適正化するだけでは必ずしも改善することができない。
例えば、燃焼率が50[%]となる燃焼重心時刻のみを適正化したとしても、その燃焼重心時刻の前後での熱発生率が過大であれば、エンジンの燃焼起振力が増大して騒音が大きくなる。一方、たとえ燃焼重心時刻が適正化されていなくても、燃焼反応期間の全体で熱発生率が過大でなければ、エンジンの燃焼起振力が減少して騒音が小さくなる。このように、従来の手法では、騒音性能を適切に向上させることが難しいという課題がある。
本件の目的の一つは、上記のような課題に鑑み創案されたものであって、燃焼状態の制御を通して騒音性能を適切に向上させることができるようにした、エンジンの制御装置を提供することである。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的として位置づけることができる。
(1)ここで開示するエンジンの制御装置は、エンジンの運転状態に応じた燃料噴射時期を与える燃料噴射時期モデル(例えば、予混合燃焼マップ)と、前記エンジンで発生する騒音の許容値を前記エンジンの運転状態毎に規定した騒音上限モデル(例えば、騒音上限マップ)とを記憶する記憶部を備える。
また、前記燃料噴射時期モデルに基づいて算出される前記燃料噴射時期に燃料を噴射した場合における前記騒音の推定値を算出する算出部と、前記騒音上限モデルに基づいて算出された前記許容値と前記算出部で算出された前記推定値とに基づき、前記燃料噴射時期を補正する補正部とを備える。さらに、前記補正部で補正された前記燃料噴射時期を用いて燃料の噴射タイミングを制御する制御部を備える。
ここでいう「騒音の推定値」は、前記エンジンの筒内における圧力上昇率が最大となるピーク時期において、前記エンジンの燃焼起振力によって発生する騒音の推定値であるものとみなすことができる。
(2)前記補正部は、前記推定値が前記許容値以下となるように前記燃焼噴射時期を補正することが好ましい。
なお、前記燃料噴射時期の補正量に応じて、実際の前記騒音が変化する。例えば、前記燃料噴射時期が遅角方向に補正されると、実際の前記ピーク時期が遅角方向に移動する。このとき、前記ピーク時期が圧縮上死点よりも遅角側にあれば、実際の前記騒音が減少する。このとき、前記圧縮上死点から前記ピーク時期までの位相差が大きいほど、前記騒音がより小さくなる。
(3)前記記憶部は、前記エンジンの運転状態及び前記エンジンの筒内における圧力上昇率が最大となるピーク時期と前記エンジンで発生する騒音の大きさとの関係をモデル化した騒音レベルモデル(例えば、式9)を記憶することが好ましい。この場合、前記算出部は、前記騒音レベルモデルに基づいて前記推定値を算出することが好ましい。
(4)前記騒音レベルモデルは、前記エンジンの運転状態に相関するパラメーターと前記ピーク時期とを引数とし、指数関数部分に前記エンジンの筒内温度を含むアレニウス型推定式として与えられることが好ましい。
前記アレニウス型推定式に含まれる前記パラメーターの具体例としては、エンジン回転速度NE,筒内圧力(演算値)PCYL,噴射圧PINJ,酸素濃度DENS,湿度HUM,動粘度VISK,セタン指数CET等が挙げられる。
(5)前記算出部は、前記騒音レベルモデルに基づいて、複数のピーク時期に対応する前記騒音の複数の推定値を算出することが好ましい。この場合、前記補正部は、前記複数の推定値のうち前記許容値以下のものに対応するピーク時期が最も進角側の推定値に基づき、前記燃料噴射時期を補正することが好ましい。
(6)前記記憶部は、前記エンジンのクランク角と前記圧力上昇率との関係をモデル化したWiebe関数モデル(例えば、式1及び式2)を記憶することが好ましい。この場合、前記算出部は、前記燃料噴射時期モデルに基づいて算出される前記燃料噴射時期と前記Wiebe関数モデルとに基づいて前記ピーク時期の予測値を算出することが好ましい。
(7)前記Wiebe関数モデルは、前記エンジンの熱発生率及び経過時間の関係を表すWiebe関数と、前記熱発生率及び前記圧力上昇率の関係を表す変換式とを組み合わせた関数モデルとして与えられることが好ましい。
(8)前記騒音上限モデルは、前記騒音の許容値を前記エンジンの回転速度及びエンジン負荷毎に規定したマップとして与えられることが好ましい。
(9)前記補正部は、前記エンジンの運転状態が低回転状態かつ低負荷状態である場合に、前記燃料噴射時期を補正することが好ましい。
なお、前記エンジンの運転状態が前記低回転状態ではない場合、又は、前記低負荷状態でない場合には、前記燃料噴射時期が補正されないことが好ましい。この場合、前記制御部は前記燃料噴射時期モデルに基づいて算出された前記燃料噴射時期を用いて、前記噴射タイミングを制御することが好ましい。
(10)前記補正部は、前記エンジンの運転モードが予混合燃焼モードである場合に、前記燃料噴射時期を補正することが好ましい。
開示のエンジンの制御装置によれば、燃料噴射時期を補正することで、圧力上昇率が最大となるピーク時期を変化させることができ、エンジンで発生する騒音を減少させることができる。また、騒音上限モデルを用いて、エンジンの運転状態毎に騒音の許容値を規定することで、エンジンの運転状態に合わせて柔軟に騒音レベルを抑制することができる。さらに、燃料噴射を実施する直前における推定値と許容値とを用いて燃料噴射時期を補正することができる。これにより、例えば圧力上昇値の実測値に基づく燃料噴射時期制御と比較して制御性を向上させることができ、エンジン騒音の低減効果を向上させることができる。
一実施形態に係る制御装置が適用されたエンジンの構成を例示する図である。 本制御装置の記憶部が記憶する燃料噴射時期モデルを例示するマップであり、(A)は拡散燃焼マップ、(B)は予混合燃焼マップである。 本制御装置の記憶部が記憶するピーク時期モデルとしてのピーク時期マップである。 本制御装置の記憶部が記憶する騒音上限モデルとしての騒音上限マップである。 筒内における圧力上昇率のピーク時期を説明するためのグラフであり、(A)は燃焼率の変化を示し、(B)は熱発生率の変化を示し、(C)は圧力上昇率の変化を示す。 本制御装置の記憶部が記憶するWiebe関数モデルとしてのマップ例であり、(A)は関数パラメーターと試験番号との関係が規定されたマップ、(B)はセンサー情報と試験番号との関係が規定されたマップである。 本制御装置での制御内容を説明するためのフローチャート例である。 本制御装置での制御内容を説明するためのフローチャート例である。 本制御装置の制御による圧力上昇率のピーク時期についての変化を示すグラフであり、(A)は燃料噴射時期を補正しない場合、(B)は燃料噴射時期を補正した場合である。 (A)〜(C)はそれぞれ、燃料噴射時期の補正による着火時期,騒音レベル,NOx濃度の変化を示すグラフである。
図面を参照して、実施形態としてのエンジンの制御装置について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
[1.装置構成]
[1−1.エンジン]
本実施形態の制御装置は、図1に示すエンジン10に適用される。このエンジン10は、例えば軽油を燃料とするディーゼルエンジンであり、拡散燃焼を実施する運転モードである「拡散燃焼モード」と、予混合燃焼を実施する運転モードである「予混合燃焼モード」とを備える。また、このエンジン10は、排気圧を利用した過給システム(ターボシステム)と、排気の一部を吸気側に再循環させるEGRシステム(Exhaust Gas Recirculation;排気再循環システム)とを有する。図1中には、エンジン10に設けられる複数のシリンダー20のうちの一つを例示する。
各シリンダー20の頂面には、吸気ポート21,排気ポート31が設けられ、それぞれのポート開口には吸気弁11,排気弁12が設けられる。また、シリンダー20内の上部には、筒内噴射弁13がその先端を燃焼室側に突出させた状態で設けられる。筒内噴射弁13は、シリンダー20内に直接的に燃料を噴射する直噴インジェクターである。筒内噴射弁13はシリンダー20毎に設けられ、各シリンダー20に設けられた筒内噴射弁13は、高圧の燃料が内部に蓄えられたコモンレール14(蓄圧室)に接続される。
筒内噴射弁13から供給される燃料噴射量QMAINやその噴射タイミングは、後述するエンジン制御装置1で制御される。例えば、エンジン制御装置1から筒内噴射弁13に制御パルス信号が伝達されると、筒内噴射弁13の噴孔がその制御パルス信号の大きさに対応する期間だけ開放される。これにより、燃料噴射量QMAINは制御パルス信号の大きさ(駆動パルス幅)に応じた量となり、燃料噴射時期T0(噴射タイミング)は制御パルス信号が伝達された時刻に対応したものとなる。
エンジン10の吸気通路22及び排気通路32には、ターボチャージャー30(過給機)が介装される。このターボチャージャー30は、図1中に示すように、排気通路32上に設けられたタービン30Aの回転軸と吸気通路22上に設けられたコンプレッサー30Bの回転軸とを連結した構造を持つ。タービン30Aは、排気通路32内の排気圧で回転し、その回転力をコンプレッサー30Bに伝達する。これを受けて、コンプレッサー30Bは、吸気通路22内の空気をその下流側へと圧縮しながら送給し、シリンダー20への過給を行う。
タービン30Aよりも上流側の排気通路32とコンプレッサー30Bよりも下流側の吸気通路22との間には、排気を吸気側に導入するためのEGR通路24が設けられ、EGR通路24上には還流する排気(還流ガス)を冷却するためのEGRクーラー25が介装される。また、EGR通路24と吸気通路22との合流部には、還流ガスの流量を調節するためのEGR弁26が介装される。EGR弁26の弁開度は可変である。シリンダー20から排出された高温の排気の一部は、EGRクーラー25で冷却された後に外気と混合されて、再びシリンダー20へと導入される。このとき、吸入空気の温度が低温であるほどシリンダー20内での燃焼温度が低下し、燃焼反応に伴う窒素酸化物(NOx)の発生率が低下する。
エンジン10の吸気通路22には、吸気流の下流側(吸気ポート21側)から上流側に向かう順に、サージタンク23,EGR弁26,スロットル弁27,インタークーラー28,エアクリーナー29が設けられる。サージタンク23は、エンジン10のインテークマニホールド内に設けられる空洞部である。インテークマニホールドは、サージタンク23よりも下流側で複数のシリンダー20に向かって分岐するように形成され、サージタンク23はその分岐点に位置する。サージタンク23は、各々のシリンダー20で発生しうる吸気脈動や吸気干渉を緩和するように機能する。
EGR弁26及びスロットル弁27は、シリンダー20に導入される空気量を調節するためのバルブである。EGR弁26が排気系から吸気系へと再循環する排気の量(EGR量)を調節するように機能するのに対し、スロットル弁27は車両外部からの空気量(外気量)を調節するように機能する。これらのバルブの開度は、エンジン10の運転状態や車両の走行状態等に応じて、エンジン制御装置1によって制御される。
インタークーラー28は、吸気通路22上においてコンプレッサー30Bよりも下流側に配置された冷却装置であり、過給によって温度上昇した空気を冷却するものである。また、エアクリーナー29は、コンプレッサー30Bよりも上流側に配置された濾過装置であり、車両の外部から取り込まれる空気はここで濾過される。
吸気通路22におけるコンプレッサー30Bの上流側と下流側とを接続する吸気バイパス通路を設けて、外部から取り込まれる空気の一部がターボチャージャー30を迂回してシリンダー20側に導入されるような吸気構造を設けてもよい。排気通路32においても同様に、タービン30Aの上流側及び下流側を接続する排気バイパス通路を設け、タービン30Aの回転速度を制御するような排気構造を設けてもよい。なお、排気通路32におけるタービン30Aよりも下流側には、排気浄化用の触媒装置33が介装される。
[1−2.センサー系]
エンジン10のクランクシャフトの近傍には、エンジン回転速度NEを検出するエンジン回転速度センサー41が設けられる。また、エンジン10のウォータージャケット又はエンジン冷却水の循環経路上の任意の位置には、エンジン冷却水の温度(冷却水温TW)を検出する冷却水温センサー42が設けられる。
吸気ポート21よりも上流側の吸気通路22内(例えばサージタンク23内)には、吸気温度センサー43,酸素濃度センサー44,インマニ圧センサー45が設けられる。吸気温度センサー43は、吸気温度TAIRを検出し、酸素濃度センサー44は吸気中の酸素濃度DENSを検出し、インマニ圧センサー45はインマニ圧PIM(吸気圧力)を検出するセンサーである。
コモンレール14には、コモンレール14内に貯留された燃料の圧力(筒内噴射弁13から噴射される燃料の噴射圧PINJ)を検出する燃圧センサー46が設けられる。また、エンジン10の吸気系におけるコンプレッサー30Bよりも上流側には、吸気流量QAIRを検出するエアフローセンサー47が設けられる。
車両の任意の位置には、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度APS)を検出するアクセル開度センサー48が設けられる。アクセル開度APSは、運転者の加速要求や発進意思に対応するパラメーターであって、エンジン10の負荷に相関するパラメーターである。上記の各種センサー41〜48で検出された各種情報は、エンジン制御装置1に伝達される。
[1−3.エンジン制御装置]
上記のエンジン10を搭載する車両には、エンジン制御装置1(Engine Electronic Control Unit,制御装置)が設けられる。エンジン制御装置1は、エンジン10に関する点火系,燃料系,吸排気系及び動弁系といった広汎なシステムを総合的に制御する電子制御装置であり、エンジン10の各シリンダー20に対して供給される空気量や燃料噴射量QMAIN,燃料噴射時期T0,EGR量等を制御するものである。
このエンジン制御装置1は、例えばCPU(Central Processing Unit),MPU(Micro Processing Unit)等のマイクロプロセッサやROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory),不揮発メモリ等を集積した電子デバイスである。マイクロプロセッサは、制御ユニット(制御回路)や演算ユニット(演算回路),キャッシュメモリ(レジスタ群)等を内蔵する処理装置(プロセッサ)である。また、ROM,RAM及び不揮発メモリは、プログラムや作業中のデータが格納されるメモリ装置である。
不揮発メモリの具体例としては、フラッシュメモリ,相変化メモリ(Phase Change Memory),抵抗変化メモリ(Resistive RAM),強誘電体メモリ(Ferroelectric RAM),磁気抵抗メモリ(Magneto-resistive RAM)等が挙げられる。エンジン制御装置1での制御内容は、例えばアプリケーションプログラムとしてROMや不揮発メモリ内に記録される。また、プログラムの実行時には、プログラムの内容がRAMや不揮発メモリ内のメモリ空間内に展開され、マイクロプロセッサによって実行される。
本実施形態のエンジン制御装置1は、各種センサー41〜48で検出された各種情報に基づき、筒内噴射弁13からの燃料噴射タイミングを制御する。この制御は、例えばアプリケーションプログラムとして補助記憶装置やリムーバブルメディアに記録される。また、プログラムの実行時には、プログラムの内容が主記憶装置内のメモリ空間内に展開され、中央処理装置によって実行される。
処理内容を機能的に分類すると、このプログラムには、記憶部2,算出部3,補正部4,制御部5が設けられる。これらの各要素は電子回路(ハードウェア)によって実現してもよく、あるいはこれらの機能のうちの一部をハードウェアとして設け、他部をソフトウェアとしたものであってもよい。
[2.制御構成]
エンジン制御装置1は、エンジン10に要求される負荷の大きさに応じて目標噴射時期を算出し、実際の燃料噴射が目標噴射時期に実施されるように、筒内噴射弁13に対して制御パルス信号を出力する。一方、所定条件の成立下では、エンジン10で発生する騒音を抑制するために、燃料噴射時期T0を通常よりも遅角方向に補正する制御を実施する。ただし、このような燃料噴射時期T0の補正制御は、少なくともエンジン10が予混合燃焼状態であるときに実施されるものとする。
[2−1.記憶部]
記憶部2は、上記のような制御で用いられるマップや数式を記憶するものである。ここには、燃料噴射時期モデル,ピーク時期モデル,Wiebe関数モデル,騒音レベルモデル,騒音上限モデルの五種類のモデルが記録される。以下、これらのモデルの内容を順に説明する。
[A]燃料噴射時期モデル
燃料噴射時期モデルとは、エンジン10の運転状態に応じた燃料噴射時期T0を設定するためのモデルである。ここでいう燃料噴射時期T0とは、メイン噴射の燃料を噴射するクランク角である。燃料噴射時期T0は、例えばエンジン回転速度NEやエンジン10に要求されるトルクの大きさ,アクセル開度APS,車速,EGR弁26及びスロットル弁27の開度等に基づいて設定される。
本実施形態の燃料噴射時期モデルは、図2(A),(B)に示すように、エンジン回転速度NE及びエンジン負荷P(例えば、エンジン10の目標トルクやアクセル開度APS)を引数として燃料噴射時期T0が設定される三次元マップ(燃料噴射時期マップ)の形状とされる。これらの燃料噴射時期マップのうち、図2(A)は拡散燃焼モード下での燃料噴射時期T0を与える拡散燃焼マップであり、図2(B)は予混合燃焼モード下での燃料噴射時期T0を与える予混合燃焼マップである。
これらの燃料噴射時期T0は、エンジン回転速度NEが速いほど進角側に設定され、また、エンジン負荷Pが大きいほど進角側に設定される。また、エンジン10の運転状態が同一であるとき、予混合燃焼モードで設定される燃料噴射時期T0は、拡散燃焼モードで設定される燃料噴射時期T0よりも進角側に設定される。このような設定により、シリンダー20内で吸気と燃料噴霧とを着火前に混合するための予混合期間が確保されている。
[B]ピーク時期モデル
ピーク時期モデルとは、シリンダー20内での一回の予混合燃焼反応において圧力上昇率dP/dθ[MPa/°CA]が最大となる時刻(以下、この時刻のことをピーク時期TPと呼ぶ)の目標値TP_TGTを設定するためのモデルである。ピーク時期TPの目標値TP_TGTは、少なくとも圧縮上死点を基準として遅角側に設定される。すなわち、圧縮上死点を基準としたクランク角θ[°CA ATDC]で目標値TP_TGTを表現すれば、TP_TGT≧0[°CA ATDC]とされる。目標値TP_TGTは、実際の予混合燃焼反応におけるピーク時期TPがこの時刻よりも進角側に入らないようにする(実際のピーク時期TPが過剰に早くなることを防止する)ためのパラメーターである。
この目標値TP_TGTも、燃料噴射時期T0の設定時と同様に、例えばエンジン回転速度NEやエンジン10に要求されるトルクの大きさ,アクセル開度APS,車速,EGR弁26及びスロットル弁27の開度等に基づいて設定される。本実施形態のピーク時期モデルは、図3に示すように、エンジン回転速度NE及びエンジン負荷P(例えば、エンジン10の目標トルクやアクセル開度APS)を引数として目標値TP_TGTが設定される三次元マップ(ピーク時期マップ)の形式とされる。目標値TP_TGTの値は、圧縮上死点を基準としてゼロ以上の範囲(ゼロ又は正の範囲)で設定される。目標値TP_TGTは、エンジン回転速度NEが速いほど大きく設定され、またエンジン負荷Pが大きいほど大きく設定される。
[C]Wiebe関数モデル
Wiebe関数モデルとは、シリンダー20内での予混合燃焼反応によって発生した、単位クランク角dθあたりの熱量である熱発生率dQ/dθ[J/°CA](熱発生速度ともいう)をWiebe関数(一または複数のWiebe関数)で表現し、かつ、これをクランク角θと圧力上昇率dP/dθとの関係としてモデル化したものである。つまり、このWiebe関数モデルでは、クランク角θと圧力上昇率dP/dθとの関係がモデル化される。Wiebe関数とは、熱発生率dQ/dθを燃焼反応の経過時間で近似的に表現した関数である。以下の式1にWiebe関数の例を示す。式1の関数は、クランク角θ(経過時間)の変動に対して、熱発生率dQ/dθが山なりに変化するグラフ形状を与える。
Figure 2015068194
式1中のHは、投入熱量であり、例えば燃料噴射量QMAINや燃料密度に比例する値である。また、mは燃焼形状パラメーター、Ceは燃焼効率、STは燃焼開始時期(合成する前の個々のWiebe関数グラフにおける燃焼開始時刻に相当する値)、T10-90は有効燃焼期間、Frは燃焼割合である。これらの五種類のパラメーターは、式1に示す一つのグラフ形状を特徴付ける変数である。
本実施形態では、式1で与えられるWiebe関数を複数合成したものが、実際の予混合燃焼反応に対応する熱量の発生速度を表すものとする。つまり、実際の燃焼反応は、複数のWiebe関数を線形に結合した形式で表現されるものとする。ただし、実際の燃焼反応のうち主燃焼反応のみに着目する場合には、単一のWiebe関数で熱量の発生速度を表すものとしてもよい。
なお、本実施形態では、複数のWiebe関数を線形に結合した形式で実際の熱量の発生速度が近似されるため、関数パラメーターの数は5の倍数個(すなわち、結合数の5倍)となる。関数パラメーターの総数は、線形に結合されるWiebe関数の数が多いほど増加する。
また、これらの五種類の関数パラメーターの値は、予め実機試験を通して得られた値をもとに重回帰分析もしくは最適化ソフトウェアでモデル化したアレニウス型の式で表すことができる。すなわち、五種類の関数パラメーターは、エンジン10の運転状態から推定可能である。本実施形態の関数パラメーターは、累乗の乗数もしくはexp(指数関数部分)の指数の分母に運転状態の回転数や吸気酸素濃度, 噴射圧, 推定筒内温度・圧力等を代入して得られる値とする。なお、具体的な関数パラメーターの値の算出方法としては、公知の手法を採用することができる。
例えば、実験計画法で条件を定めた実機試験を繰り返し実施したのち、個々の実機実験の結果に対して関数パラメーターの値を微調整し、実機試験のグラフ形状に関数グラフの形状をほぼ一致させる。その後、微調整された関数パラメーターの値について、更に重回帰分析や最適化ソフトウェアでアレニウス型の推定式としてモデル化する。このモデル化された推定式に時々刻々の運転パラメーターを代入することで、時々刻々の関数パラメーターを得ることができる。
ここで、エンジン10の予混合燃焼状態について説明する。図5(A)は、圧縮着火式のエンジン10におけるシリンダー20内での一回の予混合燃焼反応での燃焼率[%](燃焼質量割合)の推移を例示するグラフである。T10は、シリンダー20内に投入された全燃料のうち、質量で10[%]が燃焼した時刻に対応するクランク角θに相当し、T90は全燃料の90[%]が燃焼した時刻に対応するクランク角θに相当する。このグラフに示すように、実際の予混合燃焼反応は、圧縮上死点の手前から開始される。
一方、図5(B)は、図5(A)に示す燃焼反応での熱発生率dQ/dθ[J/°CA]の推移を例示するグラフである。このグラフから、予混合燃焼反応には、低温酸化反応(圧縮上死点よりも手前から開始される小さな発熱反応やその後の気化潜熱等の吸熱反応),主燃焼反応(大きな発熱をともなう高温酸化反応),燃焼後期反応(主燃焼反応後も長期間続く後燃え期間等)といった複数の発熱反応が組み合わさっていることが読み取れる。したがって、単一のWiebe関数を用いるよりも、複数のWiebe関数を組み合わせた方が、現実に即した燃焼波形(熱発生率のグラフ)を再現できるようになる。ただし、主燃焼の熱発生率のみに着目する場合は1つのWiebe関数のみを用いても構わない。
本実施形態では便宜的に、燃焼率が10%となるクランク角T10で着火したものとみなし、燃料噴射時期T0からクランク角T10までの位相差T0-10を「着火遅れ期間」とみなす。同様に、クランク角T90で燃焼が終了したものとみなし、クランク角T10からクランク角T90までの位相差T10-90を「有効燃焼期間」とみなす。以下、クランク角T10,T90をそれぞれ、着火時期T10,燃焼終了時期T90とも呼ぶ。
図5(C)は、図5(A)に示す燃焼反応での圧力上昇率dP/dθ[MPa/°CA]の推移を例示するグラフである。圧力上昇率dP/dθは、以下の式2に示すように、熱発生率dQ/dθ及びシリンダー20の筒内体積Vに基づいて算出される。式2中のκは混合気の組成等から定まる比熱比であり、Vhはシリンダー20の行程容積である。前述のピーク時期TPは、圧力上昇率dP/dθが極大値をとるクランク角θに相当する。圧力上昇率dP/dθは、熱発生率dQ/dθだけでなく、シリンダー20の体積変化の影響を受けて変動する。したがって、ピーク時期TPは必ずしも熱発生率dQ/dθのグラフ上の極大値におけるクランク角θとは一致しない。本実施形態のWiebe関数モデルは、これらの式1及び式2を組み合わせた関数モデルとして与えられ、クランク角θと圧力上昇率dP/dθとの関係を規定する。
Figure 2015068194
また、上記の式1に含まれる五種類の関数パラメーター(燃焼形状パラメーターm,燃焼効率Ce,燃焼開始時期ST,有効燃焼期間T10-90,燃焼割合Fr)は、各種センサー41〜48で検出された各種情報を引数として算出できるように、多次元マップ形式やアレニウス型推定式で記憶部2に記録される。
多次元マップ形式で記録する場合には、例えば図6(A),(B)に示すようなマップを作成しておけばよい。図6(A)は、実機試験の試験番号とそれぞれの試験で得られた関数パラメーターとの関係をマップ化したもの(関数パラメーターマップ)である。また、図6(B)は、それぞれの試験で得られた各種センサー41〜48の検出情報を試験番号に関連付けたマップ(センサー情報マップ)である。これらのマップを用いて、各種センサー41〜48で検出された情報の組み合わせが最も近い試験番号を検索すれば、その試験番号に対応する関数パラメーターを取得することができる。もしくは、それぞれのマップを補間し、それぞれの補間された行に付与するデータ(試験)番号を生成し、番号の一致する行のマップデータを取得してもよい。
一方、アレニウス型推定式で記録する場合、個々の関数パラメーターを、各種センサー41〜48の検出情報で表現すればよい。例えば、燃料噴射時期T0から着火時期T10までの着火遅れ期間T0-10は、以下の式3に示すように、アレニウス型推定式で予測できることが知られている。
Figure 2015068194
これに倣い、指数関数部分における指数の分母に筒内温度TCYLを含むアレニウス型推定式を用いて、各々の関数パラメーター(燃焼形状パラメーターm,燃焼効率Ce,燃焼開始時期ST,有効燃焼期間T10-90,燃焼割合Fr)を表現することが考えられる。本実施形態では、以下の式4〜8に示すようなアレニウス型推定式で各々の関数パラメーターを算出する。
Figure 2015068194
式4〜式8中のX1,X2,…,XYは、各種センサー41〜48の検出情報、又はその検出情報から算出される値であり、例えば、燃料噴射量QMAINやエンジン回転速度NE,筒内圧力(演算値)PCYL,噴射圧PINJ,酸素濃度DENS等である。以下、式4〜式8に含まれるX1,X2,…,XYに相当するパラメーターのことを「センサー情報」ともいう。このセンサー情報には、少なくとも酸素濃度DENS、燃料噴射量QMAIN、筒内温度TCYLが含まれることが好ましい。また、センサー情報のうち、燃料噴射量QMAIN,筒内圧力PCYL,筒内温度TCYLは、各種センサー41〜48で検出された各種情報に基づいて算出される。
式3〜式8中のA,A1,A2,…,A5,B,B1,B2,…,Z4,Z5は定数であり、例えば実験計画法で条件を定めた実機試験を繰り返し実施したのち、個々の実機試験を通して得られたセンサー情報の値から重回帰分析によって求められる。これらの推定式を用いることで、実測されたセンサー情報に対応する関数パラメーターをリアルタイムに算出することができる。
[D]騒音レベルモデル
騒音レベルモデルとは、圧力上昇率dP/dθが最大となる時刻(ピーク時期TP)とエンジン10で発生する騒音レベルの推定値N[dB]との関係をモデル化したものである。騒音レベルの推定値Nは、エンジン10の運転状態と相関する複数のパラメーターに基づいて、指数関数部分に筒内温度TCYLを含むアレニウス型推定式で算出される。
本実施形態では、式9に示すように、後述するピーク時期TPの予測値TP_PREとセンサー情報とを引数として、騒音レベルの推定値Nが予測される。式9中のX1,X2,…,XYはセンサー情報である。また、式9中のA6,C6,D6,…,Z6は定数であり、例えば実験計画法で条件を定めた実機試験を繰り返し実施したのち、個々の実機試験を通して得られたセンサー情報の値から重回帰分析によって求められる。この推定式を用いることで、騒音レベルの推定値Nをリアルタイムに算出することができる。
Figure 2015068194
[E]騒音上限モデル
騒音上限モデルとは、シリンダー20内での一回の予混合燃焼反応で発生する騒音レベルの許容値NTGT[dB]をエンジン10の運転状態毎に規定するモデルである。騒音レベルの許容値NTGTは、燃料噴射時期T0の設定時と同様に、例えばエンジン回転速度NEやエンジン10に要求されるトルクの大きさ,アクセル開度APS,車速,EGR弁26及びスロットル弁27の開度等に基づいて設定される。
本実施形態の騒音上限モデルは、図4に示すように、エンジン回転速度NE及びエンジン負荷P(例えば、エンジン10の目標トルクやアクセル開度APS)を引数として許容値NTGTが設定される三次元マップの形式とされる。許容値NTGTは、例えばエンジン回転速度NEが速いほど大きく設定され、また、エンジン負荷Pが大きいほど大きく設定される。また、図4中に示すように、エンジン10の低回転領域と低負荷領域との双方には、許容値NTGTが最小(例えば、80〜90[dB])となる帯状の領域(許容値最小領域)が設定される。
[2−2.算出部]
算出部3は、燃料噴射時期T0を制御するための様々な演算を行うものである。前述の燃料噴射量QMAIN,エンジン負荷Pは、それぞれがエンジン回転速度NE,アクセル開度APS等に基づいて算出される。また、筒内圧力PCYLは、エンジン回転速度NE,吸気流量QAIR,インマニ圧PIM等に基づいて算出され、筒内温度TCYLは、吸気温度TAIR等に基づいて算出される。この算出部3には、標準噴射時期算出部3A,ピーク時期予測部3B,騒音推定部3Cが設けられる。
標準噴射時期算出部3Aは、記憶部2が記憶する燃料噴射時期モデルに基づき、エンジン10の運転状態に応じた標準的な燃料噴射時期T0を算出するものである。ここではまず、エンジン10の運転状態が予混合燃焼に適した状態であるか、それとも拡散燃焼に適した状態であるかが判断される。例えば、エンジン回転速度NEが所定速度以下(低回転状態)であり、かつ、エンジン負荷Pが所定負荷以下(低負荷状態)である場合に、予混合燃焼モードが選択される。これ以外の場合には、拡散燃焼モードが選択される。標準噴射時期算出部3Aは、選択されたモードに応じた燃料噴射時期T0を算出する。
拡散燃焼モード下では、図2(A)に示すマップに基づき、エンジン回転速度NE及びエンジン負荷Pを引数として、燃料噴射時期T0が算出される。また、予混合燃焼モード下では、図2(B)に示すマップに基づき、エンジン回転速度NE及びエンジン負荷Pを引数として、燃料噴射時期T0が算出される。ここで算出された燃料噴射時期T0の情報は、ピーク時期予測部3B及び騒音推定部3Cに伝達される。
ピーク時期予測部3Bは、標準噴射時期算出部3Aで算出された燃料噴射時期T0に燃料を噴射した場合におけるピーク時期TPの目標値TP_TGTとその予測値TP_PREとを算出するものである。ここでは、ピーク時期モデルに基づいてピーク時期TPの目標値TP_TGTが算出されるとともに、Wiebe関数モデルに基づいてピーク時期TPの予測値TP_PREが算出される。圧力上昇率dP/dθのピーク時期TPは、エンジン10で発生する騒音が最大となる時期に相当する。
ピーク時期TPの目標値TP_TGTは、例えばエンジン回転速度NE及びエンジン負荷Pを引数として、図3に示すマップに基づいて算出される。一方、ピーク時期TPの予測値TP_PREは、式1及び式2に基づき、圧力上昇率dP/dθが極大値をとるクランク角θが算出されるとともに、そのクランク角θが予測値TP_PREとして算出される。ここで算出されたピーク時期TPの目標値TP_TGT及び予測値TP_PREは、補正部4に伝達される。また、ここで算出された予測値TP_PREは、騒音推定部3C及び補正部4に伝達される。
騒音推定部3Cは、標準噴射時期算出部3Aで算出された燃料噴射時期T0に燃料を噴射した場合にエンジン10で発生する騒音レベルの許容値NTGTと、騒音レベルの推定値Nとを算出するものである。ここでは、騒音上限モデルに基づいて騒音レベルの許容値NTGTが算出されるとともに、騒音レベルモデルに基づいて騒音レベルの推定値Nが算出される。
騒音レベルの許容値NTGTは、例えばエンジン回転速度NE及びエンジン負荷Pを引数として、図4に示すマップに基づいて算出される。一方、騒音レベルの推定値Nは、式9に基づき、燃料噴射時期T0に燃料を噴射した場合のピーク時期TPの予測値TP_PREとセンサー情報とを用いて算出される。ここで算出された騒音レベルの許容値NTGT及び推定値Nの情報は、補正部4に伝達される。
また、騒音推定部3Cは、燃料の噴射タイミングが燃料噴射時期T0よりも遅い場合の騒音レベルの仮想推定値N1〜Niを算出する機能を持つ。すなわち、騒音推定部3Cは、仮に燃料噴射時期T0が遅角方向に補正された場合における騒音レベルを推定する。ここでは、複数の補正量に対応する複数の騒音レベルの仮想推定値N1〜Niが算出される。
例えば、燃料噴射時期T0を基準として0.5[°CA]刻みで噴射タイミングを遅角させた場合に対応する、数十個の騒音レベルの仮想推定値N1〜Niが算出される。添字iは、遅角量の小さい順に付される序数である。つまり、N1は噴射タイミングがT0+0.5[°CA]であるときの仮想推定値であり、N2は噴射タイミングがT0+1.0[°CA]であるときの仮想推定値である。仮想推定値N1〜Niを算出する際に噴射タイミングを遅角させる幅は、5[°CA]程度に設定される。なお、エンジン制御装置1の演算能力に応じて噴射タイミングの刻み幅を0.1〜1.0[°CA]程度の範囲内で任意に設定してもよい。ここで算出された複数の仮想推定値N1〜Niの情報は、補正部4に伝達される。
[2−3.補正部,制御部]
補正部4は、所定の補正条件が成立したときに、燃料噴射時期T0を進角,遅角方向に補正するものである。ここでは、燃料噴射の開始タイミングを補正するだけでなく、燃料噴射期間の全体が移動するように(シフトするように)補正がなされる。
本実施形態では、少なくとも燃料噴射の開始タイミング(プレ噴射の開始タイミング)と、その後のメイン噴射の開始タイミングとが連動して補正される。なお、ポスト噴射の開始タイミングに関しては、必ずしも燃料噴射の開始タイミングの補正に連動させる必要はない。
所定の補正条件の例を以下に列挙する。本実施形態では、条件1が成立し、かつ、条件2,条件3の何れかが成立する場合に、燃料噴射時期T0が補正される。
条件1.運転モードが予混合燃焼モードである
条件2.ピーク時期TPの予測値TP_PREが目標値TP_TGTよりも進角側である
条件3.騒音レベルの推定値Nが許容値NTGTを超える
なお、補正条件が条件1及び条件3である場合(条件2を参照しない場合)には、ピーク時期モデル(例えば、図3に示すようなマップ)を省略することができる。同様に、補正条件が条件1及び条件2である場合(条件3を参照しない場合)には、騒音上限モデル(例えば、図4に示すようなマップ)を省略することができる。
また、補正部4には、第一補正部4A,第二補正部4Bが設けられ、それぞれ異なる手法で補正が実施される。これらの二つの補正手法は、例えば車両の運転者の選択に応じて何れか一方が実施されてもよいし、所定の選択条件に応じて何れか一方が実施されてもよい。第一補正部4Aは、ピーク時期モデルを用いて補正量DDを算出するものであり、第二補正部4Bは、騒音上限モデルを用いて補正量DDを算出するものである。したがって、上記の補正条件の設定に併せて、何れか一方の補正部4A,4Bを省略してもよい。
第一補正部4Aは、圧力上昇率dP/dθのピーク時期TPの予測値TP_PREがその目標値TP_TGTに近づくように、燃料噴射時期T0を補正するものである。ここでは、ピーク時期TPの目標値TP_TGTから予測値TP_PREを減じた値が補正量DDとして算出され、燃料噴射時期T0が補正量DDだけ遅角方向に移動するように補正される。これにより、実際のピーク時期TPも遅角方向に移動することになる。なお、燃料噴射時期T0の遅角補正量とピーク時期TPの変化量との微妙な相違を考慮して、ピーク時期TPの目標値TP_TGTと予測値TP_PREとの差を引数とした制御用マップ,数式等を用いて補正量DDを算出するような制御構成としてもよい。
第二補正部4Bは、騒音レベルが許容値NTGTを超えないように、燃料噴射時期T0を遅角補正するものである。ここでは、騒音推定部3Cで算出された複数の仮想推定値Niの中から許容値NTGT以下の仮想推定値Niが抽出される。また、抽出された仮想推定値Niのうち、その仮想推定値Niを得るための燃料噴射時期T0の遅角量が最も小さい仮想推定値Niが選択され、その仮想推定値Niに対応する遅角量が補正量DDとされる。
例えば、仮想推定値N1〜Niのうち、仮想推定値N5,N6,…,Niが許容値NTGT以下であるときには、仮想推定値N5に対応する遅角量(すなわち、2.5[°CA])が補正量DDとなる。なお、第一補正部4Aでの補正量DDの算出手法と同様に、最終的に選択された仮想推定値Niに対応する遅角量を引数とした制御用マップ,数式等を用いて補正量DDを算出するような制御構成としてもよい。
制御部5は、補正部4で算出された補正量DDに基づいて実際の燃料噴射時期T0を制御するものである。ここでは、標準噴射時期算出部3Aで算出された標準的な燃料噴射時期T0に補正量DDを加算した値が、新たな燃料噴射時期T0として算出される。また、この補正後の燃料噴射時期T0に燃料が噴射されるように、制御部5から筒内噴射弁13へと制御パルス信号が出力される。これにより、燃料噴射時期T0が補正量DDだけ遅角方向に移動する。つまり、補正量DDに対応する時間分だけ遅れて燃料噴射が開始されることになり、実際の予混合燃焼反応におけるピーク時期TPが目標値TP_TGTの近傍となる。
[3.フローチャート]
図7,図8は、エンジン制御装置1で実行される制御の手順を例示するフローチャートである。図7は、補正条件が上記の条件1及び条件2であり、第一補正部4Aによる補正手法を採用した場合のフローである。一方、図8は、補正条件が上記の条件1及び条件3であり、第二補正部4Bによる補正手法を採用した場合のフローである。
なお、これらの二つのフローに含まれる補正条件に係るステップは、置換可能かつ併用可能である。例えば、図7中のステップA40〜A60は、図8中のステップB40〜B60と置換してもよい。また、これらの二種類の補正条件を併用し、少なくとも何れか一方の条件が成立した場合に、燃料噴射時期T0を補正する制御としてもよいし、両方の条件が成立した場合に限って燃料噴射時期T0を補正する制御としてもよい。
同様に、これらの二つのフローに含まれる補正手法に係るステップは、置換可能かつ併用可能である。例えば、図7中のステップA70〜A80は、図8中のステップB70〜B90と置換してもよい。また、これらの二種類の補正手法で算出された二つの補正量DDのうち、何れか大きい一方(又は小さい一方)を用いて燃料噴射時期T0を補正する制御としてもよいし、二つの補正量DDの平均値を用いて燃料噴射時期T0を補正する制御としてもよい。
[3−1.ピーク時期に基づく制御]
図7のステップA10では、各種センサー41〜48で検出されたセンサー情報がエンジン制御装置1に入力される。ここで入力されるセンサー情報は、エンジン回転速度NE,冷却水温TW,吸気温度TAIR,酸素濃度DENS,インマニ圧PIM,燃料の噴射圧PINJ,吸気流量QAIR,アクセル開度APS等である。また、算出部3では、これらのセンサー情報に基づいて燃料噴射量QMAIN,エンジン負荷P,筒内圧力PCYL,筒内温度TCYL等が算出される。
ステップA20では、燃料噴射時期モデルに基づき、標準的な燃料噴射時期T0が標準噴射時期算出部3Aで算出される。ここではまず、エンジン回転速度NE及びエンジン負荷Pに基づいて、拡散燃焼モード,予混合燃焼モードの何れか一方が選択される。また、選択された運転モードに応じて図2(A),(B)に示す何れかのマップが選択され、エンジン回転速度NE及びエンジン負荷Pに基づいて燃料噴射時期T0が算出される。
ステップA30では、前ステップで選択された運転モードが予混合燃焼モードである(上記の条件1)か否かが判定される。この条件の成立時にはステップA40に進み、不成立時にはステップA90に進む。なお、ステップA90では、ステップA20で算出された燃料噴射時期T0に燃料が噴射されるように、制御部5から筒内噴射弁13へと制御パルス信号が出力される。したがって、拡散燃焼モード下では燃料噴射時期T0が補正されない。
ステップA40〜A60は、上記の条件2を判断するためのステップである。まず、ステップA40では、ピーク時期予測部3Bにおいて、ピーク時期モデルに基づいてピーク時期TPの目標値TP_TGTが算出される。ピーク時期TPの目標値TP_TGTは、例えば図3に示すようなマップに基づき、センサー情報に含まれるエンジン回転速度NE及びエンジン負荷Pを引数として算出される。
ステップA50では、ピーク時期予測部3Bにおいて、Wiebe関数モデルに基づいてピーク時期TPの予測値TP_PREが算出される。ここでは、センサー情報に対応する関数パラメーター(燃焼形状パラメーターm,燃焼効率Ce,燃焼開始時期ST,有効燃焼期間T10-90,燃焼割合Fr)が算出され、式1の形式で定義された複数のWiebe関数から熱発生率dQ/dθが把握される。また、式2に示す変換式に基づき、熱発生率dQ/dθが圧力上昇率dP/dθに変換され、圧力上昇率dP/dθが極大値をとるクランク角θが予測値TP_PREとして算出される。
ステップA60では、ピーク時期TPの予測値TP_PREが目標値TP_TGTよりも小さいか否かが判定される。ここで、TP_PRE<TP_TGTが成立する場合には、実際のピーク時期TPが目標値TP_TGTよりも進角側となるため、燃料噴射時期T0を補正すべくステップA70に進む。一方、TP_PRE≧TP_TGTである場合には、実際のピーク時期TPが目標値TP_TGTの近傍、又は、目標値TP_TGTよりも遅角側となるため、燃料噴射時期T0を補正することなくステップA90に進む。
ステップA70では、第一補正部4Aにおいて、ピーク時期TPの目標値TP_TGTから予測値TP_PREを減じた値が補正量DDとして算出される。また、ステップA80では、制御部5において燃料噴射時期T0に補正量DDが加算補正され、続くステップA90において筒内噴射弁13へと制御パルス信号が出力される。これにより、着火遅れ期間の開始時刻及び終了時刻が補正量DDに対応する時間分だけ遅くなり、実際の予混合燃焼反応におけるピーク時期TPが目標値TP_TGTの近傍となる。
[3−2.騒音レベルに基づく制御]
図8のステップB10〜B30は、図7のステップA10〜B30と同一内容の制御が実施されるステップであり、各種のセンサー情報が取得されるとともに、エンジン10の運転モードが予混合燃焼モードであるか否かが判定される。ステップB40以下の燃料噴射時期T0の補正は、予混合燃焼モード下でのみ実施される。運転モードが拡散燃焼モードであるときにはステップB100に進み、ステップB20で算出された燃料噴射時期T0に燃料が噴射されるように、制御部5から筒内噴射弁13へと制御パルス信号が出力される。したがって、拡散燃焼モード下では燃料噴射時期T0が補正されない。
ステップB40〜B60は、上記の条件3を判断するためのステップである。まず、ステップB40では、騒音推定部3Cにおいて、騒音上限モデルに基づいて騒音レベルの許容値NTGTが算出される。この許容値NTGTは、例えば図4に示すようなマップに基づき、センサー情報に含まれるエンジン回転速度NE及びエンジン負荷Pを引数として算出される。
ステップB45では、ステップA50と同様に、Wiebe関数モデルに基づいてピーク時期TPの予測値TP_PREが算出される。ここでは、センサー情報に対応する関数パラメーター(燃焼形状パラメーターm,燃焼効率Ce,燃焼開始時期ST,有効燃焼期間T10-90,燃焼割合Fr)が算出され、式1で定義された複数のWiebe関数から熱発生率dQ/dθが把握される。また、式2に示す変換式に基づき、熱発生率dQ/dθが圧力上昇率dP/dθに変換され、圧力上昇率dP/dθが極大値をとるクランク角θが予測値TP_PREとして算出される。
ステップB50では、騒音推定部3Cにおいて、騒音レベルモデルに基づいて騒音レベルの推定値Nが算出される。騒音レベルの推定値Nは、例えば式9に基づき、燃料噴射時期T0に燃料を噴射した場合のピーク時期TPの予測値TP_PREとセンサー情報とを用いて算出される。
ステップB60では、騒音レベルの推定値Nが許容値NTGTを超えているか否かが判定される。ここで、N>NTGTが成立する場合には、実際の騒音レベルを抑制すべく、燃料噴射時期T0を補正すべくステップB70に進む。一方、N≦NTGTである場合には、燃料噴射時期T0を補正することなくステップB100に進む。
ステップB70では、騒音推定部3Cにおいて、仮に噴射タイミングを燃料噴射時期T0よりも遅角させた場合に対応する騒音レベルの仮想推定値N1〜Niが算出される。例えば、噴射タイミングがT0+0.5[°CA]であるときの仮想推定値N1,噴射タイミングがT0+1.0[°CA]であるときの仮想推定値N2等が算出される。また、続くステップB80では、第二補正部4Bにおいて、許容値NTGT以下の値を持つ仮想推定値N1〜Niのうち、遅角量が最も小さい仮想推定値Niが選択されるとともに、その遅角量が補正量DDとされる。これにより、燃料噴射時期T0が過度に遅角補正されることが防止される。
ステップB90では、制御部5において燃料噴射時期T0に補正量DDが加算補正され、続くステップB100において筒内噴射弁13へと制御パルス信号が出力される。これにより、着火遅れ期間の開始時刻及び終了時刻が補正量DDに対応する時間分だけ遅くなり、実際の予混合燃焼反応におけるピーク時期TPが目標値TP_TGTの近傍となる。
[4.作用]
図9(A)は上記のような燃料噴射時期T0の補正を実施しなかった場合の圧力上昇率dP/dθの推移を示すグラフであり、図9(B)は燃料噴射時期T0を補正した場合のグラフである。それぞれの図中に記載された四本のグラフは、運転条件(例えば、燃料噴射量QMAINや燃料噴射時期T0)が同一であってシリンダー20に導入される吸気の酸素濃度DENSのみを相違させたときに得られた四回分の実機試験結果に対応している。
図9(A)に示すように、同一のタイミングで燃料を筒内に供給した場合、酸素濃度DENSが高いほど混合気の着火性が向上し、圧力上昇率dP/dθのピーク時期TPが進角方向に移動する。つまり、酸素濃度DENSが高まるほど着火遅れ期間が短縮され、圧縮上死点により近い時刻に筒内圧力PCYLが最大となる。
これに対して、上記のような燃料噴射時期T0の補正を実施した場合、ピーク時期TPの予測値TP_PREと目標値TP_TGTとに基づいて補正量DDが算出され、燃料噴射時期T0が遅角補正される。これにより、吸気の酸素濃度DENSが高いほど補正量DDが増加し、より遅いタイミングで燃料が筒内に供給される。したがって、酸素濃度DENSの大小に関わらず着火時期T10がほぼ一致し、図9(B)に示すように、圧力上昇率dP/dθのピーク時期TPもほぼ一致する。また、圧縮上死点からピーク時期TPまでの時間がほぼ均一化されることから、圧力上昇率dP/dθの上昇も抑制され、エンジン10で発生する騒音が小さくなる。
これらの8パターン〔図9(A)に示す4パターンと図9(B)に示す4パターン〕の実機試験結果に関して、着火時期T10,騒音レベル,NOx濃度のそれぞれの変化をまとめたグラフが、図10(A)〜(C)である。図10(A)は、上記のような燃料噴射時期T0の補正によって、着火時期T10がほぼ一致するように精度よく制御されていることを示している。また、図10(B),(C)は、圧力上昇率dP/dθのピーク時期TPを揃えることで、エンジン10から発せられる騒音レベルが抑制されるだけでなく、筒内での燃焼ロバスト性が向上し、排気エミッションが改善されることを示している。
[5.効果]
(1)上記のエンジン制御装置1では、記憶部2に燃料噴射時期モデルとピーク時期モデルとが記憶され、算出部3でピーク時期TPの目標値TP_TGTと予測値TP_PREとが算出される。また、第一補正部4Aでは、これらの目標値TP_TGTと予測値TP_PREとに基づいて燃料噴射時期T0が補正される。その後、補正された燃料噴射時期T0を用いて、燃料の噴射タイミングが制御部5で制御される。
このように燃料噴射時期T0を補正することで、圧力上昇率dP/dθが最大となるピーク時期TPを進角,遅角方向に移動させることができ、エンジン10で発生する騒音を減少させることができる。また、ピーク時期モデルを用いることで、燃料噴射を実施する直前におけるピーク時期TPの目標値TP_TGTとその予測値TP_PREとを容易に算出することができ、これらの値を用いて燃料噴射時期T0を精度よく補正することができる。したがって、例えば筒内圧力PCYLの実測値に基づく既存の燃料噴射時期制御と比較して制御性を向上させることができ、エンジン騒音の低減効果を向上させることができる。
(2)上記のエンジン制御装置1では、第一補正部4Aにおいて、圧力上昇率dP/dθのピーク時期TPの予測値TP_PREがその目標値TP_TGTに近づくように、燃料噴射時期T0が補正される。例えば、図9(B)に示すように、たとえ吸気の酸素濃度DENSが変動したとしても、圧力上昇率dP/dθのピーク時期TPがほぼ均一化される。このことは、エンジン10の燃焼状態がEGR制御に由来する外乱の影響を受けにくくなることを意味する。したがって、エンジン10の燃焼ロバスト性を向上させることができ、目標とする燃焼状態を容易に実現することができる。
また、実際の圧力上昇率dP/dθのピーク時期TPが精度よく制御されるため、図9(B)に示すように、圧縮上死点からピーク時期TPまでの時間も精度よく制御することができる。これにより、圧力上昇率dP/dθの過度な上昇を抑制することができ、エンジン騒音を低減させることができる。
(3)上記のエンジン制御装置1では、記憶部2に燃料噴射時期モデルと騒音上限モデルとが記憶され、算出部3で騒音の許容値NTGTと推定値Nとが算出される。また、第二補正部4Bでは、これらの許容値NTGTと推定値Nとに基づいて燃料噴射時期T0が補正される。その後、補正された燃料噴射時期T0を用いて、燃料の噴射タイミングが制御部5で制御される。
このように燃料噴射時期T0を補正することでも、圧力上昇率dP/dθが最大となるピーク時期TPを変化させることができ、エンジン10で発生する騒音を減少させることができる。また、騒音上限モデルを用いて、エンジン10の運転状態毎に騒音の許容値NTGTを規定することで、エンジン10の運転状態に合わせて柔軟に騒音レベルを抑制することができる。
さらに、燃料噴射を実施する直前における推定値Nと許容値NTGTとを用いて燃料噴射時期T0を補正することができる。これにより、例えば圧力上昇値dP/dθの実測値に基づく燃料噴射時期制御と比較して、制御性を向上させることができ、エンジン10の騒音低減効果を向上させることができる。
(4)上記のエンジン制御装置1では、第二補正部4Bにおいて、複数の仮想推定値Niの中から許容値NTGT以下の仮想推定値Niが抽出され、その仮想推定値Niに基づいて燃料噴射時期T0が補正される。つまりここでは、騒音の推定値Nが許容値NTGT以下となるように、燃料噴射時期T0が補正される。例えば、図10(B)に示すように、たとえ吸気の酸素濃度DENSが変動したとしても、実際の騒音レベルが全体的に抑制される。したがって、エンジン10の静粛性,静音性を高めることができる。
(5)上記のエンジン制御装置1の第二補正部4Bでは、許容値NTGT以下の複数の仮想推定値Niのうち、その仮想推定値Niを得るための燃料噴射時期T0の遅角量が最も小さい仮想推定値Niが選択され、その仮想推定値Niに対応する遅角量が補正量DDとされる。このように、最も進角側のピーク時期TPを与える仮想推定値Niに基づいて燃料噴射時期T0を補正することで、エンジン10の出力を過度に低下させることなく、騒音を抑制することができる。
(6)上記のエンジン制御装置1は、エンジン10のクランク角θと圧力上昇率dP/dθとの関係をモデル化したWiebe関数モデルを記憶しており、このWiebe関数モデルに基づいてピーク時期TPの予測値TP_PREを算出している。このような演算構成により、圧力上昇率dP/dθのピーク時期TPを精度よく予測することができる。また、Wiebe関数モデルを記憶部2に記憶させることで、例えば車両に搭載されたエンジン10の運転状態に基づいて、リアルタイムにピーク時期TPを予測することができる。これにより、シリンダー20内の燃焼状態を変化させうる因子(例えば、吸気の酸素濃度DENSや燃料噴射量QMAIN,噴射圧PINJ,エンジン回転速度NE,冷却水温TW,吸気温度TAIR,吸気流量QAIR等)のばらつきに起因する着火遅れの変動に対して即応することができ、燃焼ロバスト性を向上させることができる。
(7)上記のWiebe関数モデルは、式1に示すように、エンジン10の熱発生率dQ/dθと経過時間との関係を表すWiebe関数と、式2に示すように、熱発生率dQ/dθ及び圧力上昇率dP/dθの関係を表す変換式とを組み合わせた関数モデルとして与えられる。このような関数モデルを用いることで、エンジン10のピーク時期TPの予測値TP_PREを容易かつ正確に算出することができ、制御性を向上させることができる。
(8)上記のエンジン制御装置1では、エンジン10の運転状態が低回転状態かつ低負荷状態であるときに選択される予混合燃焼モードが、燃料噴射時期T0の補正条件の一つとされている。これにより、例えば拡散燃焼モード下での不用意な燃料噴射時期T0の補正を防止することができ、エンジン10の燃焼安定性を向上させることができる。一方、予混合燃焼モードでは、燃料噴射時期T0を補正することでエンジン騒音を低減させることができる。
(9)上記のエンジン制御装置1は、エンジン10の運転状態に応じた値を持つセンサー情報及び圧力上昇率dP/dθが最大となるピーク時期TPと騒音レベルとの関係をモデル化した騒音レベルモデルを記憶しており、この騒音レベルモデルに基づいて騒音レベルの推定値Nを算出している。このような演算構成により、エンジン10から発生する騒音の大きさを精度よく推定することができる。
(10)上記のエンジン制御装置1では、騒音レベルの推定値Nが許容値NTGTを超えることが、燃料噴射時期T0の補正条件の一つとされている。これにより、騒音レベルが比較的小さい状態での燃料噴射時期T0の補正を防止することができる。したがって、エンジン出力を過度に低下させることがなく、エンジン10の制御性を向上させることができる。
(11)上記の騒音レベルモデルでは、式9に示すように、エンジン10の運転状態に相関するパラメーターとピーク時期TPの予測値TP_PREとを引数としたアレニウス型推定式で騒音レベルの推定値Nが予測される。このような騒音レベルモデルを用いることで、例えば従来の音響振動解析のような演算負荷の高い手法を用いることなく、簡便な演算構成で比較的高精度に騒音レベルを予測することができ、エンジン10の静音性能を向上させることができる。
(12)上記のエンジン制御装置1は、エンジン10で発生する騒音レベルの許容値NTGTをエンジン10の運転状態毎に規定する騒音上限モデルを記憶しており、この騒音上限モデルに基づいて騒音レベルの許容値NTGTを算出している。このような演算構成により、エンジン10の運転状態に合わせて騒音の大きさを柔軟に抑制することができる。また、所定の基準値のみで騒音レベルを評価する手法と比較して、燃料噴射時期T0をきめ細かく制御することができ、エンジン10の静音性能と出力性能とをバランスよく両立させることができる。
(13)上記の騒音上限モデルでは、例えば図4に示すように、エンジン回転速度NE及びエンジン負荷Pと騒音レベルの許容値NTGTとの関係が騒音上限マップで規定される。これにより、簡素な構成で容易に許容値NTGTを求めることができ、エンジン10の静音性能を向上させることができる。
また、エンジン10の運転状態に対応するように許容値NTGTを設定することで、一律に騒音の上限レベルを設定するような手法と比較して、制御の柔軟性を高めることができる。例えば、図4に示すように、エンジン10の低回転領域と低負荷領域との双方に帯状の許容値最小領域を設定することができ、エンジン10のアイドル運転状態や、定速走行状態での静音性を向上させることができる。一方、これ以外の運転状態では、静音性よりもエンジン出力やその応答性等を考慮した許容値NTGTを定めることができる。
(14)上記のピーク時期モデルでは、例えば図3に示すように、エンジン回転速度NE及びエンジン負荷Pとピーク時期TPの目標値TP_TGTとの関係がピーク時期マップで規定される。これにより、複雑な演算構成を要することなく、迅速にピーク時期TPの目標値TP_TGTを算出することができ、エンジン10の静音性能を向上させることができる。
また、このピーク時期モデルにおけるピーク時期TPの目標値TP_TGTは、少なくとも圧縮上死点を基準として遅角側に設定されるため、実際のピーク時期TPが過剰に早くなることを防止することができ、騒音抑制効果をさらに高めることができる。
(15)予混合燃焼モードでは、図5(A)中に示す着火遅れ期間が外乱によって増減しやすく、エンジン10の騒音が増大する場合がある。一方、上記のエンジン制御装置1では、エンジン10の運転モードが予混合燃焼モードであるときに燃料噴射時期T0が補正される。したがって、予混合燃焼を適切に実施しながら、外乱による騒音の増大を防止することができ、エンジン10の静音性能を向上させることができる。
[6.変形例]
上述した実施形態に関わらず、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。
例えば、上記の燃料噴射時期モデルでは、燃料噴射時期T0を設定するための引数としてエンジン回転速度NEとエンジン負荷Pとを用いているが、引数となるパラメーターはこれに限定されない。すなわち、エンジン回転速度NE及びエンジン負荷Pだけでなく、アクセル開度APSやその変化率ΔAPSを参照して燃料噴射時期T0を設定してもよい。あるいは、エンジン負荷Pの代わりに吸気流量QAIRやシリンダー20内への吸入空気量等を参照してもよい。ピーク時期モデルにおけるピーク時期TPの目標値TP_TGTを設定するための引数や、騒音上限モデルにおける騒音レベルの許容値NTGTを設定するための引数についても同様である。
また、上述の実施形態のWiebe関数モデルでは、例えば式1に示されるWiebe関数を複数合成したものが、実際の予混合燃焼反応に対応する熱量の発生速度を表すものとしているが、単一のWiebe関数のみで実際の熱量の発生速度を表してもよい。この場合、関数パラメーターの数は5個となるため、これらの関数パラメーターを算出するためのアレニウス型推定式も5つ用意しておけばよい。
また、上述の実施形態では、式4〜式9中のX1,X2,…,XYが各種センサー41〜48の検出情報、又はその検出情報から算出される値である旨を説明した。一方、式4〜式9中のX1,X2,…,XYには、エンジン10に付設される図示しないセンサー類での検出情報や、その検出情報から算出される値が含まれうる。例えば、シリンダー20内に導入される吸気の湿度HUMや、燃料性状(動粘度VISK,セタン指数CET等),当量比φ,空気過剰率λ,EGR量等をセンサー情報に加えてもよい。
湿度HUMの情報は、例えば湿度センサーを用いて取得することが容易である。また、燃料性状は、エンジン10の失火判定に基づいて推定することが可能であり、あるいは燃料タンク内の燃料成分を直接的に計測するセンサーを設けることでも検出可能である。これらのセンサー情報を用いて、騒音レベルの推定値Nを算出するための推定式の一例を以下の式10に示す。湿度HUMや動粘度VISK,セタン指数CETの情報を用いることで、エンジン10の燃焼状態を正確に表現することが可能となり、騒音レベルの推定精度をさらに向上させることができる。
Figure 2015068194
また、上述の実施形態における第一補正部4Aでは、ピーク時期TPの予測値TP_PREがその目標値TP_TGTに近づくように、燃料噴射時期T0を補正するものを例示したが、具体的な補正手法はこれに限定されない。例えば、実際のピーク時期TPとその予測値TP_PREとの誤差を考慮して、目標値TP_TGTとは異なる所定値に近づくように燃料噴射時期T0を補正してもよい。あるいは、ピーク時期TPを目標値TP_TGTに近づけることによってエンジン10の出力が大きく減少するような場合には、目標値TP_TGTよりも小さい第二目標値に近づくように燃料噴射時期T0を補正してもよい。
また、上述の実施形態では、図2〜図4に示すように、燃料噴射時期モデル,ピーク時期モデル,騒音上限モデルのそれぞれがマップで与えられたものを例示したが、これらのようなマップに代えて、マップ上に示された各パラメーターの関係を数式や関数の形式で記述したものを使用してもよい。
また、上述の実施形態では、エンジン10の運転モードが予混合燃焼モードであることを燃料噴射時期T0の補正条件としているが、拡散燃焼モード下でも燃料噴射時期T0の補正を実施することは可能である。少なくともピーク時期TPが圧縮上死点よりも遅角側であれば、圧縮上死点からピーク時期TPまでの時間が長いほど騒音レベルを抑制することができる。なお、このことから、上述の実施形態における燃料噴射時期T0の補正制御をガソリンエンジンに適用できることがわかる。この場合、上述の実施形態における着火時期をガソリンエンジンの点火時期として取り扱うことで、上述の実施形態と同様の効果を奏するものとなる。
1 エンジン制御装置(制御装置)
2 記憶部
3 算出部
3A 標準噴射時期算出部
3B ピーク時期予測部
3C 騒音推定部
4 補正部
4A 第一補正部
4B 第二補正部
5 制御部
10 エンジン
13 筒内噴射弁
TP ピーク時期
TP_PRE ピーク時期の予測値
TP_TGT ピーク時期の目標値
dQ/dθ 熱発生率
dP/dθ 圧力上昇率
TCYL 筒内温度
N 騒音レベルの推定値
NTGT 騒音レベルの許容値

Claims (10)

  1. エンジンの運転状態に応じた燃料噴射時期を与える燃料噴射時期モデルと、前記エンジンで発生する騒音の許容値を前記エンジンの運転状態毎に規定した騒音上限モデルとを記憶する記憶部と、
    前記燃料噴射時期モデルに基づいて算出される前記燃料噴射時期に燃料を噴射した場合における前記騒音の推定値を算出する算出部と、
    前記騒音上限モデルに基づいて算出された前記許容値と前記算出部で算出された前記推定値とに基づき、前記燃料噴射時期を補正する補正部と、
    前記補正部で補正された前記燃料噴射時期を用いて燃料の噴射タイミングを制御する制御部と、
    を備えたことを特徴とする、エンジンの制御装置。
  2. 前記補正部は、前記推定値が前記許容値以下となるように前記燃焼噴射時期を補正する
    ことを特徴とする、請求項1記載のエンジンの制御装置。
  3. 前記記憶部は、前記エンジンの運転状態及び前記エンジンの筒内における圧力上昇率が最大となるピーク時期と前記エンジンで発生する騒音の大きさとの関係をモデル化した騒音レベルモデルを記憶し、
    前記算出部は、前記騒音レベルモデルに基づいて前記推定値を算出する
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載のエンジンの制御装置。
  4. 前記騒音レベルモデルは、前記エンジンの運転状態に相関するパラメーターと前記ピーク時期とを引数とし、指数関数部分に前記エンジンの筒内温度を含むアレニウス型推定式として与えられる
    ことを特徴とする、請求項3記載のエンジンの制御装置。
  5. 前記算出部は、前記騒音レベルモデルに基づいて、複数のピーク時期に対応する前記騒音の複数の推定値を算出し、
    前記補正部は、前記複数の推定値のうち前記許容値以下のものに対応するピーク時期が最も進角側の推定値に基づき、前記燃料噴射時期を補正する
    ことを特徴とする、請求項3又は4記載のエンジンの制御装置。
  6. 前記記憶部は、前記エンジンのクランク角と前記圧力上昇率との関係をモデル化したWiebe関数モデルを記憶し、
    前記算出部は、前記燃料噴射時期モデルに基づいて算出される前記燃料噴射時期と前記Wiebe関数モデルとに基づいて前記ピーク時期の予測値を算出する
    ことを特徴とする、請求項3〜5の何れか1項に記載のエンジンの制御装置。
  7. 前記Wiebe関数モデルは、前記エンジンの熱発生率及び経過時間の関係を表すWiebe関数と、前記熱発生率及び前記圧力上昇率の関係を表す変換式とを組み合わせた関数モデルとして与えられる
    ことを特徴とする、請求項6記載のエンジン制御装置。
  8. 前記騒音上限モデルは、前記騒音の許容値を前記エンジンの回転速度及びエンジン負荷毎に規定したマップとして与えられる
    ことを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載のエンジンの制御装置。
  9. 前記補正部は、前記エンジンの運転状態が低回転状態かつ低負荷状態である場合に、前記燃料噴射時期を補正する
    ことを特徴とする、請求項1〜8の何れか1項に記載のエンジンの制御装置。
  10. 前記補正部は、前記エンジンの運転モードが予混合燃焼モードである場合に、前記燃料噴射時期を補正する
    ことを特徴とする、請求項1〜9の何れか1項に記載のエンジンの制御装置。
JP2013201102A 2013-09-27 2013-09-27 エンジンの制御装置 Expired - Fee Related JP6268872B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013201102A JP6268872B2 (ja) 2013-09-27 2013-09-27 エンジンの制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013201102A JP6268872B2 (ja) 2013-09-27 2013-09-27 エンジンの制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015068194A true JP2015068194A (ja) 2015-04-13
JP6268872B2 JP6268872B2 (ja) 2018-01-31

Family

ID=52835139

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013201102A Expired - Fee Related JP6268872B2 (ja) 2013-09-27 2013-09-27 エンジンの制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6268872B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016003589A (ja) * 2014-06-16 2016-01-12 スズキ株式会社 予混合圧縮自着火式内燃機関の燃焼時期推定装置および燃焼時期推定方法
JP2017082799A (ja) * 2016-12-16 2017-05-18 スズキ株式会社 予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置
JP2018193989A (ja) * 2017-05-19 2018-12-06 マツダ株式会社 圧縮着火式エンジンの制御装置
CN108952947A (zh) * 2017-05-19 2018-12-07 马自达汽车株式会社 压缩点火式发动机的控制装置
CN109763903A (zh) * 2017-11-10 2019-05-17 马自达汽车株式会社 压缩点火式发动机的控制装置
CN109763905A (zh) * 2017-11-10 2019-05-17 马自达汽车株式会社 压缩着火式发动机的控制装置
CN109763904A (zh) * 2017-11-10 2019-05-17 马自达汽车株式会社 压缩着火式发动机的控制装置

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004092542A (ja) * 2002-08-30 2004-03-25 Toyota Motor Corp 内燃機関制御装置
JP2007248119A (ja) * 2006-03-14 2007-09-27 Toyota Motor Corp Wiebe関数パラメータの決定方法および内燃機関の熱発生率推定装置
JP2007278098A (ja) * 2006-04-03 2007-10-25 Toyota Motor Corp 内燃機関の燃焼騒音算出装置および燃焼騒音制御システム
JP2008095539A (ja) * 2006-10-06 2008-04-24 Nissan Motor Co Ltd 予混合圧縮着火内燃機関
JP2008190403A (ja) * 2007-02-05 2008-08-21 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の制御装置
JP2008255932A (ja) * 2007-04-06 2008-10-23 Toyota Motor Corp 内燃機関の筒内圧推定方法および筒内圧推定装置
JP2009191802A (ja) * 2008-02-15 2009-08-27 Toyota Central R&D Labs Inc 圧縮着火式内燃機関の制御装置
JP2009270460A (ja) * 2008-05-02 2009-11-19 Isuzu Motors Ltd エンジン燃焼騒音低減方法
JP2011106334A (ja) * 2009-11-17 2011-06-02 Mitsubishi Fuso Truck & Bus Corp Wiebe関数モデルを用いたエンジンの熱発生率の推定方法
JP2011202629A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Toyota Motor Corp 内燃機関の燃焼重心判定方法及び燃焼制御装置
JP2011256740A (ja) * 2010-06-07 2011-12-22 Fuji Heavy Ind Ltd ディーゼルエンジンの始動制御装置

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004092542A (ja) * 2002-08-30 2004-03-25 Toyota Motor Corp 内燃機関制御装置
JP2007248119A (ja) * 2006-03-14 2007-09-27 Toyota Motor Corp Wiebe関数パラメータの決定方法および内燃機関の熱発生率推定装置
JP2007278098A (ja) * 2006-04-03 2007-10-25 Toyota Motor Corp 内燃機関の燃焼騒音算出装置および燃焼騒音制御システム
JP2008095539A (ja) * 2006-10-06 2008-04-24 Nissan Motor Co Ltd 予混合圧縮着火内燃機関
JP2008190403A (ja) * 2007-02-05 2008-08-21 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の制御装置
JP2008255932A (ja) * 2007-04-06 2008-10-23 Toyota Motor Corp 内燃機関の筒内圧推定方法および筒内圧推定装置
JP2009191802A (ja) * 2008-02-15 2009-08-27 Toyota Central R&D Labs Inc 圧縮着火式内燃機関の制御装置
JP2009270460A (ja) * 2008-05-02 2009-11-19 Isuzu Motors Ltd エンジン燃焼騒音低減方法
JP2011106334A (ja) * 2009-11-17 2011-06-02 Mitsubishi Fuso Truck & Bus Corp Wiebe関数モデルを用いたエンジンの熱発生率の推定方法
JP2011202629A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Toyota Motor Corp 内燃機関の燃焼重心判定方法及び燃焼制御装置
JP2011256740A (ja) * 2010-06-07 2011-12-22 Fuji Heavy Ind Ltd ディーゼルエンジンの始動制御装置

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016003589A (ja) * 2014-06-16 2016-01-12 スズキ株式会社 予混合圧縮自着火式内燃機関の燃焼時期推定装置および燃焼時期推定方法
JP2017082799A (ja) * 2016-12-16 2017-05-18 スズキ株式会社 予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置
JP2018193989A (ja) * 2017-05-19 2018-12-06 マツダ株式会社 圧縮着火式エンジンの制御装置
CN108952947A (zh) * 2017-05-19 2018-12-07 马自达汽车株式会社 压缩点火式发动机的控制装置
DE102018003867B4 (de) 2017-05-19 2023-08-10 Mazda Motor Corporation Verbrennungsmotor, Steuer- bzw. Regelsystem dafür, Verfahren zum Steuern eines Motors und Computerprogrammprodukt
CN108952947B (zh) * 2017-05-19 2021-05-04 马自达汽车株式会社 压缩点火式发动机的控制装置
US10697391B2 (en) 2017-05-19 2020-06-30 Mazda Motor Corporation Control system of compression-ignition engine
JP2019085983A (ja) * 2017-11-10 2019-06-06 マツダ株式会社 圧縮着火式エンジンの制御装置
EP3486468A3 (en) * 2017-11-10 2019-06-05 Mazda Motor Corporation Control device for engine, engine, method for controlling engine, and computer program product
JP2019085979A (ja) * 2017-11-10 2019-06-06 マツダ株式会社 圧縮着火式エンジンの制御装置
US10641161B2 (en) 2017-11-10 2020-05-05 Mazda Motor Corporation Control device for compression-ignition engine
CN109763904A (zh) * 2017-11-10 2019-05-17 马自达汽车株式会社 压缩着火式发动机的控制装置
US10731589B2 (en) * 2017-11-10 2020-08-04 Mazda Motor Corporation Control device for compression-ignition engine
CN109763905A (zh) * 2017-11-10 2019-05-17 马自达汽车株式会社 压缩着火式发动机的控制装置
CN109763904B (zh) * 2017-11-10 2021-10-26 马自达汽车株式会社 压缩着火式发动机的控制装置
CN109763905B (zh) * 2017-11-10 2021-10-26 马自达汽车株式会社 压缩着火式发动机的控制装置
CN109763903B (zh) * 2017-11-10 2021-10-29 马自达汽车株式会社 压缩点火式发动机的控制装置
CN109763903A (zh) * 2017-11-10 2019-05-17 马自达汽车株式会社 压缩点火式发动机的控制装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6268872B2 (ja) 2018-01-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6268872B2 (ja) エンジンの制御装置
US9593634B2 (en) Heat release rate waveform generating device and combustion state diagnostic system for internal combustion engine
US6321157B1 (en) Hybrid modeling and control of disc engines
US7603994B2 (en) Abnormality diagnosis device and control system for internal combustion engine
Wu et al. Investigation of combustion phasing control strategy during reactivity controlled compression ignition (RCCI) multicylinder engine load transitions
US20110290224A1 (en) System and method for controlling exhaust gas recirculation systems
Piano et al. Assessment of the predictive capabilities of a combustion model for a modern common rail automotive diesel engine
JP6493269B2 (ja) 内燃機関の制御装置
CN102889124B (zh) 估计内燃机进气充量温度的系统和方法
JP6268871B2 (ja) エンジンの制御装置
RU2640882C2 (ru) Способ эксплуатации двигателя (варианты) и система управления двигателем
JP5664774B2 (ja) 内燃機関の制御装置
EP2757238B1 (en) Control device for an internal combustion engine
JP5949675B2 (ja) 内燃機関の熱発生率波形作成装置及び燃焼状態診断装置
JP2014227904A (ja) 内燃機関の熱発生率波形作成装置および燃焼状態診断装置
JP2017090308A (ja) スモーク量推定装置および燃焼システム制御装置
JP6036562B2 (ja) 内燃機関の熱発生率波形作成装置および燃焼状態診断装置
US20130247883A1 (en) Control device for internal combustion engine
JP5720479B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP3888258B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2016113960A (ja) 排気還流制御装置
JP2007187148A (ja) 内燃機関の制御装置
US10132318B2 (en) Turbocharger control
JP5983559B2 (ja) 内燃機関の熱発生率波形作成装置および燃焼状態診断装置
JP5517110B2 (ja) 内燃機関のegr制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160729

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170509

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170621

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171218

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6268872

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees