JP2015068171A - スクロール式流体機械およびその組み立て方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮機ユニットと駆動ユニットとを締結する構造のスクロール式流体機械において、従来の組立て工程において、圧縮機ユニット上に駆動ユニットを組立てる作業と、駆動ユニット上に圧縮機ユニットを組立てる作業が混在し生産性が低い。このため、圧縮機ユニットと駆動ユニットの上下反転作業の不要な生産性の高いスクロール式流体機械を提供する。
【解決手段】圧縮機ケーシング6の座面に通し穴を有し、駆動部ケーシング4に収容部を有し、前記圧縮機ケーシング6上の通し穴は、圧縮機ケーシング側補助クランク軸受11とずらした位置に配置されており、前記通し穴と前記収容部とを介して、締結部品13により前記圧縮機ケーシング6と前記駆動部ケーシング4が締結される構造とする。これにより、圧縮機側から圧縮機ユニット9と駆動ユニット5とを締結することが出来、スクロール式流体機械の生産性を向上できる。
【選択図】図1

Description

本発明はスクロール式流体機械に関する。
本技術分野の技術背景として、特開2006−29238号公報(特許文献1)がある。この公報では「台板2に取付板3を立設してなる支持ブラケット1における取付板3の一側に、軸線を水平としたモータ式駆動ユニット7における出力側を止着するとともに、この取付板3の他側に、被駆動回転機械の本体12における入力側を、着脱自在に装着することにより、モータ式駆動ユニット7における出力軸10と、被駆動回転機械の本体12における入力軸とを連絡しうるようにする。」と記載されている。
特開2006−29238号公報
特許文献1のスクロール式流体機械では、モータ式駆動ユニットと被駆動回転機械の本体との締結をモータ式駆動ユニット側から締付ねじにて締結している。このため、モータ式駆動ユニットと被駆動回転機械の本体との締結時に、モータ式駆動ユニットを上側にして組付ける必要がある。一方で、被駆動回転機械(圧縮機)を構成する旋回スクロールの組付け時には被駆動回転機械のケーシングに対する垂直方向の位置調整を行う必要があり、その位置調整作業は、モータ式駆動ユニットに対して被駆動回転機械の本体を上側にして、その被駆動回転機械のケーシングに対して行う必要がある。この為、組立時にモータ式駆動ユニットと被駆動回転機械の本体の上下を反転させる作業が必要となり、より生産性を向上させたいという課題があった。
そこで、本発明では、生産性を向上したスクロール式流体機械を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、圧縮機ケーシングの座面に通し穴を有し、駆動部ケーシングに収容部を有し、前記圧縮機ケーシング上の通し穴は、ケーシング側補助クランク軸受とずらした位置に配置されており、前記通し穴と前記収容部とを介して、締結部品により前記圧縮機ケーシングと前記駆動部ケーシングが締結される構造とする。
本発明によれば、圧縮機側から圧縮機ユニットと駆動ユニットとを締結することが出来、生産性を向上させたスクロール式流体機械を提供することができる。
実施例1におけるスクロール式流体機械の構造図である。 実施例1における圧縮機ケーシング側補助クランク軸受の締結構造を示す図である。 実施例1における圧縮機ケーシングと駆動部ケーシングの締結構造の詳細図である。 実施例1における通し穴の配置を説明する図である。
以下実施例を図面を用いて説明する。
本実施例では、圧縮機側より圧縮機ユニットと駆動ユニットとを締結する構造のスクロール式流体機械の例を説明する。
図1は、本実施例のスクロール式流体機械の構造図である。図1において、駆動ユニット5は、ロータ2を設けたシャフト1と、ステータ3を設けた駆動部ケーシング4から構成される。また、圧縮機ユニット9は、圧縮機ケーシング6、旋回スクロール7、固定スクロール8、補助クランク10、圧縮機ケーシング側補助クランク軸受11、旋回側補助クランク軸受12を主として構成される。すなわち、旋回スクロール7は、シャフト1によって旋回運動を行い、渦巻状のラップ部が立設された固定スクロール8と対面する位置で該固定スクロールのラップ部との間に複数の圧縮室を画成する渦巻状のラップ部が立設されており、固定スクロール8との間に構成される圧縮室を中心に向かうに従い縮小させることで圧縮を行う。この際、旋回スクロール7は自転を防止するために補助クランク10を有している。補助クランク10は、圧縮機ケーシング6に取り付けられた圧縮機ケーシング側補助クランク軸受11と旋回スクロール7に取り付けられた旋回側補助クランク軸受12とで保持される。また、駆動ユニット5と圧縮機ユニット9は、締結部品であるボルト13を用いて締結される。
図2は、本実施例の圧縮機ケーシング側補助クランク軸受11の締結構造を示す図である。図2において、圧縮機ケーシング側補助クランク軸受11は3つある。図1では、補助クランク10、圧縮機ケーシング側補助クランク軸受11、旋回側補助クランク軸受12は、図面の関係で1つしか示していないが、本実施例では、それぞれ3つで構成されている。図2に示すように、圧縮機ケーシング側補助クランク軸受11は、均等に荷重が配分できるように、同一円周上に、120°の間隔を置いて配置され、軸受ハウジング14に圧縮機ケーシング側補助クランク軸受11を焼嵌めし、押え板15を組付けることで取付けられている。
図3は、本実施例の圧縮機ケーシングと駆動部ケーシングの締結構造の詳細図である。図3に示すように、圧縮機ケーシング6の座面にボルト13の通し穴16を有し、駆動部ケーシング4にボルト13の収容部であるネジ穴17を有する。そのため、ボルト13の頭は圧縮機ユニット9側となる。なお、本実施例では、通し穴16とネジ穴17は3組で構成されている。
図4は、本実施例の通し穴16の配置を説明する図である。図4に示すように、通し穴16の配置は、圧縮機ケーシング6のリブの内側で、かつ、押え板15に干渉しない角度で圧縮機ケーシング側補助クランク軸受11の隙間に設ける。これにより、通し穴16を押え板15の外周側に配置する必要や、圧縮機ケーシング6のリブの外側にフランジを設ける等の必要がなくなるため、圧縮機ケーシング6の小型化が図れる。言い換えると、通し穴16は、圧縮機ケーシング6の駆動部ケーシング4との締結面上であって、該締結面から立ち上がるリブである壁面の位置よりも内側に設けることで、圧縮機ケーシング6の外径を大きくすることなく実現できる。また、通し穴16は、圧縮機ケーシング側補助クランク軸受11とずらした位置に配置することで、通し穴16を圧縮機ケーシング側補助クランク軸受11の外周側に配置する必要がなく圧縮機ケーシング6の外径を大きくすることなく実現できる。
また、本実施例のように、3つの通し穴16を120°づつ同心円状に配置することで、最小の構成で、圧縮機ユニットと駆動ユニットとの締結を偏りなく行うことが出来る。
次に、本実施例のスクロール式流体機械の組立順序について説明する。まず最初に、駆動ユニット5を組立てる。次に図2に示すように、圧縮機ケーシング6の軸受ハウジング14に圧縮機ケーシング側補助クランク軸受11を焼嵌めし、押え板15を組付ける。次に図3に示すように、圧縮機ケーシング側補助クランク軸受11と押え板15を組付けた圧縮機ケーシング6を、圧縮機側からボルト13にて駆動ユニット5と締結する。その後、補助クランク10と旋回側補助クランク軸受12を組付けた旋回スクロール7を圧縮機ケーシング6に組付ける。なお、旋回スクロール7の組付けには圧縮機ケーシング6との垂直方向の位置調整が必要である。この位置調整作業は必ず圧縮機ユニット9側を上向きの状態で行い、旋回スクロール7を補助クランク10と旋回側補助クランク軸受12が組付いた状態で圧縮機ケーシング6より一度取り外し、圧縮機ケーシング側補助クランク軸受11と補助クランク10の間にシムを入れ調整を行う。最後に圧縮機ケーシングを駆動部ケーシングよりも上にした状態で、旋回スクロール7を圧縮機ケーシングに、固定スクロール8を圧縮機ケーシングに組み付けて組み立てが完了する。
以上のように、圧縮機ケーシング6の座面にボルト13の通し穴16を有しているので、圧縮機ケーシング6と駆動ユニット5の締結に用いるボルト13の頭が圧縮機ユニット9側となり、圧縮機ユニット9側よりボルト13を締め込む。このため、圧縮機ユニット9側を上側の状態でボルトの締め込み作業を行うことが出来、一連の組み立て作業の中で圧縮機ユニット9と駆動ユニット5の上下反転作業が不要となる。すなわち、圧縮機ユニットと駆動ユニット締結時に圧縮機ユニットを上側にして組立て可能な構造を有するスクロール式流体機械を提供することが出来る。このため、生産性向上が図れる。
以上をまとめると、本実施例は、圧縮機ケーシングの座面に通し穴を有し、駆動部ケーシングに収容部を有し、前記圧縮機ケーシング上の通し穴は、ケーシング側補助クランク軸受とずらした位置に配置されており、前記通し穴と前記収容部とを介して、締結部品により前記圧縮機ケーシングと前記駆動部ケーシングが締結される。
また、前記通し穴は、前記圧縮機ケーシングの前記駆動部ケーシングとの締結面上であって、該締結面から立ち上がる壁面の位置よりも内側、即ち、駆動部ケーシングの側壁よりも内側に設ける。
また、前記締結部品はボルトであって、前記収容部はネジ穴である。
これらの構成により、生産性を向上させたスクロール式流体機械を提供することができる。
本実施例では、実施例1におけるボルト13の代わりに、埋め込みボルトとナットを用いた、圧縮機ユニットと駆動ユニットを締結する構造のスクロール式流体機械の例を説明する。
本実施例の構造について直接記載した図面はないが、実施例1の図3を用いて説明する。図3において、駆動部ケーシング4のネジ穴17に予め埋め込みボルトを組付け、圧縮機ケーシング6と駆動ユニット5とを埋め込みボルトとナットにより締結する。すなわち、ナットは圧縮機側に有し、圧縮機ユニット側からナットを締め込む構造とする。
締結部品として埋め込みボルトとナットを使用し、駆動部ケーシング4のネジ穴17に予め埋め込みボルトを組付けることで、組立作業が圧縮機ユニット9側を常に上側の状態で作業を行えるだけではなく、圧縮機ケーシング6組付け時の駆動ユニット5に対する位置決めサポートの役割を埋め込みボルトが果たす。このため、圧縮機ケーシング6の組付けが容易になるため、より生産性向上が図れるという効果がある。
以上実施例について説明したが、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
4…駆動部ケーシング、5…駆動ユニット、6…圧縮機ケーシング、
7…旋回スクロール、8…固定スクロール、9…圧縮機ユニット
10…補助クランク、11…圧縮機ケーシング側補助クランク軸受
12…旋回側補助クランク軸受、13…ボルト、16…通し穴、17…ネジ穴

Claims (8)

  1. 圧縮機を駆動する駆動部を収容する駆動部ケーシングと、
    前記圧縮機を収容する圧縮機ケーシングと、
    該圧縮機ケーシングに設けられた固定スクロールと、
    前記駆動部によって駆動され、該固定スクロールとの間に圧縮室を画成する旋回スクロールと、
    該旋回スクロールの自転を防止する補助クランクを備え、
    該補助クランクは、前記圧縮機ケーシングに取り付けられた第1の補助クランク軸受と前記旋回スクロールに取り付けられた第2の補助クランク軸受に保持され、
    前記圧縮機ケーシング上の座面の前記第1の補助クランク軸受とずらした位置に配置される通し穴と、
    前記駆動部ケーシングに設けられた収容部と、
    前記通し穴と前記収容部とを介して、前記圧縮機ケーシングと前記駆動部ケーシングとを締結する締結部品とを有すること特徴とするスクロール式流体機械。
  2. 請求項1記載のスクロール式流体機械であって、前記通し穴は、前記ケーシングの側壁よりも内側に設けることを特徴とするスクロール式流体機械。
  3. 請求項1から2の何れか1項に記載のスクロール式流体機械であって、
    前記締結部品はボルトであって、前記収容部はネジ穴であることを特徴とするスクロール式流体機械。
  4. 請求項1から2の何れか1項に記載のスクロール式流体機械であって、
    前記締結部品は埋め込みボルトとナットであり、前記収容部には前記埋め込みボルトが組付けてあり、
    前記圧縮機ケーシング側から前記ナットで前記埋め込みボルトに締め込むことで前記圧縮機ケーシングと前記駆動部ケーシングが締結されていることを特徴とするスクロール式流体機械。
  5. 駆動部を収容する駆動部ケーシングと、圧縮機を収容する圧縮機ケーシング内に、固定スクロールと、旋回スクロールと、旋回スクロールの自転を防止する補助クランクと、該補助クランクの圧縮機ケーシングに取り付けられた補助クランク軸受とを備えるスクロール式流体機械の組み立て方法であって、
    前記圧縮機ケーシング上の座面の前記補助クランク軸受とずらした位置に配置された通し穴と前記駆動部ケーシングに設けられた前記収容部に締結部品を前記圧縮機ケーシング側から嵌めこみ、前記圧縮機ケーシングと前記駆動部ケーシングを締結することを特徴とするスクロール式流体機械の組み立て方法。
  6. 請求項5に記載のスクロール式流体機械の組み立て方法であって、前記圧縮機ケーシングを前記駆動部ケーシングに締結した後、前記旋回スクロールを前記圧縮機ケーシングに組み付けることを特徴とするスクロール式流体機械の組み立て方法。
  7. 請求項6に記載のスクロール式流体機械の組み立て方法であって、前記旋回スクロールを前記圧縮機ケーシングに組み付けた後、前記固定スクロールを前記圧縮機ケーシングに組み付けることを特徴とするスクロール式流体機械の組み立て方法。
  8. 請求項6または7に記載のスクロール式流体機械の組み立て方法であって、前記圧縮機ケーシングを前記駆動部ケーシングよりも上にして、前記旋回スクロールと前記固定スクロールを組み付けることを特徴とするスクロール式流体機械の組み立て方法。
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