JP2015067860A - Ce−Al酸化物スパッタリングターゲット及びその製造方法 - Google Patents

Ce−Al酸化物スパッタリングターゲット及びその製造方法 Download PDF

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【課題】焼結法によるターゲット製造時に割れ難いCe−Al酸化物スパッタリングターゲット及びその製造方法を提供する。【解決手段】Ce−Al酸化物スパッタリングターゲットは、金属元素として、Ce:6.5〜27.0原子%と、Al:13.0〜55.0原子%とを含有し、残部がO及び不可避不純物からなる組成を有する焼結体であって、前記焼結体の中心部が周縁部よりも各部におけるAl酸化物相の面積率差が、4%以上高くして、CeとAlの複合酸化物の生成を抑制する。またCe酸化物:30.0〜70.0mol%と比表面積BET値が80m2/g以上である微細粒子のAl酸化物を残部として混合した混合物を焼結して得る。【選択図】図2

Description

本発明は、光記録媒体における保護膜や誘電体層などの形成に用いられるCe−Al酸化物スパッタリングターゲット及びその製造方法に関する。
近年、高密度記録が可能で、しかも記録情報を消去して書き換えることが可能な光記録媒体が注目されている。書き換え可能型の光記録媒体のうち相変化型のものは、レーザービームを照射することにより記録層の結晶状態を変化させて記録を行い、このような状態変化に伴う記録層の反射率変化を検出することにより再生を行うものである。相変化型の光記録媒体は、駆動装置の光学系が光磁気記録媒体のそれに比べて単純であるため、CD、DVD、Blu-ray Disc(登録商標:以下、BDと称す)等に用いられている。
一般的に、BD等の相変化型光記録媒体は、支持基体上に、反射層、第2誘電体層、相変化型の記録層、第1誘電体層、透光性基体を、この順で積層して形成されている。記録光及び再生光は、透光性基体を通して記録層に入射する。従来のBD等では、反射層は、Al又はこれを主成分とする合金から構成されており、また、第2誘電体層は、ZnS−SiOから構成されている。
この相変化型光記録媒体における記録層には、結晶質状態と非晶質状態とで反射率の差が大きいこと、非晶質状態の安定度が比較的高いことなどから、Ge−Sb−Te系等のカルコゲナイド系材料が用いられることが多い。ここで、相変化型光記録媒体を急冷構造とするためには、反射層及び/又は第2誘電体層を、熱伝導率の高い材料から構成することが好ましく、具体的には、第2誘電体層をAl又はSiOから構成し、また、反射層を、Ag又はAg合金から構成することが提案されている。
しかし、第2誘電体層をAl又はSiOで構成すると、相変化型光記録媒体を高温・高湿条件下で保存した場合に、第2誘電体層と記録層との間で剥離が発生しやすく、保存信頼性が低くなることが分かっている。一方、この剥離を防ぐために、第2誘電体層をZnS−SiOから構成し、かつ、反射層をAg又はAg合金から構成すると、反射層中のAg成分が、第2誘電体層に含有される硫黄Sと反応するため、反射層が腐食されてしまい、記録/再生特性に悪影響を与える。
そこで、保存信頼性が高く、かつ、記録/再生特性が良好な相変化型光記録媒体を実現するために、第2誘電体層の構成材料として、ZnS−SiOの代わりに、酸化セリウム(CeO)を用いることが提案された。この酸化セリウムは、熱伝導率がZnS−SiOよりも高く、しかも、第2誘電体層と記録層との間で剥離が生じにくく、また、反射層をAg又はAg合金から構成した場合に、反射層中のAgの腐食を防ぐことができる。また、第1誘電体層の少なくとも記録層と接する領域を酸化セリウムから構成した場合でも、記録層からの放熱が良好となり、かつ、第1誘電体層と記録層との間で剥離が生じにくい。
しかし、酸化セリウムからなるターゲットを用いてスパッタリング法により誘電体層を形成すると、誘電体層にクラックが入りやすく、誘電体層に、クラックが存在すると、記録/再生エラーが生じてしまう。この誘電体層形成時に発生するクラックを防ぐために、酸化セリウムに、所定の化合物(例えば、酸化アルミニウム)を添加した混合物からなる焼結体によるスパッタリングターゲットを用いることが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
この提案されたスパッタリングターゲットのスパッタリング法で、酸化セリウムと添加化合物を含有する誘電体層を記録層に接して設ければ、高温・高湿条件下で保存しても上記混合誘電体層と記録層との間で剥離が発生しにくい。また、誘電体層を、Ag又はAg合金からなる反射層に接して設ければ、反射層を腐食させることがない。また、この誘電体層は、スパッタリング法により形成する際に、クラックが発生しにくい。また、この誘電体層では、酸化セリウムと添加化合物との混合比を変えることにより屈折率を幅広く制御できるため、媒体の光学設計が容易となる。
特開2003−166052号公報
複数種の酸化物を含有する薄膜をスパッタリング法により形成するとき、それぞれの酸化物からなる複数のスパッタリングターゲットを用いるコスパッタリング法、又は、複数種の酸化物を含有する1枚のスパッタリングターゲット(焼結一体型スパッタリングターゲット)を用いる方法のいずれかを利用している。しかし、コスパッタリング法では、それぞれのスパッタリングターゲットに独立して高周波電力を供給する必要があるため、スパッタ装置が大型化し、また、形成される誘電体層に組成ずれが生じやすい。そのため、複数種の酸化物を含有する誘電体層の形成には、焼結一体型スパッタリングターゲットを用いることが多い。
そこで、酸化セリウム及び上記添加化合物を含有するターゲットを焼結法により製造すると、ターゲットに割れが発生することがある。特に、上記添加化合物のうち酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化イットリウム、酸化タンタル、酸化アンチモン、酸化ジルコニウムまたは酸化ビスマスを用いた場合、また、スパッタリングターゲットの直径乃至長径が150mm以上となる大径である場合には、スパッタリングターゲットの割れを抑制することは難しく、実用的な歩留まりを得ることができなかった。
そこで、本発明は、Ce酸化物とAl酸化物とを焼結したCe−Al酸化物焼結体からなり、割れ難いCe−Al酸化物スパッタリングターゲット、及び、その製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、大径の円板状Ce−Al酸化物スパッタリングターゲットでも、割れ・ひびの発生を抑制するための方策を検討したところ、平均粒径がともに同様のCeO粉末とAl粉末とを混合した場合には、焼結により、CeとAlとの複合酸化物が生成され、この複合酸化物が脆いために、割れ・ひび発生の要因に繋がると考えた。そのため、平均粒径が従来に用いられているものより微細なAl粉末を配合して、そのAl粉末とCeO粉末との混合粉末を焼結したところ、Ce−Al酸化物焼結体は、Al酸化物相中に、Ce酸化物相が分散した組織を形成し、ターゲット素材の割れ・ひびの発生を抑制できるという知見が得られた。
したがって、本発明は、上記知見から得られたものであり、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。
(1)本発明に係るCe−Al酸化物スパッタリングターゲットは、金属元素として、Ce:6.5〜27.0原子%と、Al:13.0〜55.0原子%とを含有し、残部がO及び不可避不純物からなる組成を有する焼結体であって、前記焼結体は、Ce酸化物相がAl酸化物相中に分散した組織を備え、該焼結体の中心部におけるAl酸化物相の面積率が周縁部におけるAl酸化物相の面積率より、4%以上高いことを特徴とする。
(2)本発明に係るCe−Al酸化物スパッタリングターゲットの製造方法は、Ce酸化物:30.0〜70.0mol%と、Al酸化物:残部とを混合した混合体を焼結して、Ce−Al酸化物スパッタリングターゲットを製造する方法であって、前記Al酸化物の比表面積BET値が80m/g以上であることを特徴とする。
以上の様に、本発明に係るCe−Al酸化物スパッタリングターゲットは、金属元素として、Ce:6.5〜27.0原子%と、Al:13.0〜55.0原子%とを含有し、残部がO及び不可避不純物からなる組成を有する焼結体からなっているが、これらの金属元素の含有率は、記録/再生特性が良好な相変化型光記録媒体を実現するのに必要な第2誘電体層の組成に基づいたものであり、この焼結体は、Ce酸化物相がAl酸化物相中に分散した組織を備え、Al酸化物相が占める面積率に関して、その焼結体の中心部におけるAl酸化物相の面積率が周縁部におけるAl酸化物相の面積率より、4%以上高くすることにより、CeとAlとの複合酸化物の生成が抑制されており、スパッタリングターゲットの割れ・ひび発生を低減している。
なお、大口径、例えば、直径200mm以上の焼結体を得ようとする場合、内部、特に、中心部まで焼結を完了しようとすると、その周縁部では、過焼結状態となり、CeとAlとの複合酸化物が形成され易くなって、Al酸化物相が形成されなくなる。結果として、焼結体の周縁部分では、脆さが出現する。そのため、その焼結体の中心部におけるAl酸化物相の面積率が周縁部におけるAl酸化物相の面積率より、4%以上高くすることにより、CeとAlとの複合酸化物の生成が抑制して、ターゲット全体として、割れ・ひび発生を低減することとした。
以上について、具体的に、図1乃至図3を参照して説明する。
図1は、本発明に係るCe−Al酸化物スパッタリングターゲットの一具体例について、スパッタリングターゲットの表面を撮影した写真を示している。このスパッタリングターゲット中におけるCeとAlとの複合酸化物は、茶色に表出され、その茶色が濃い程、その濃度が高いことを示している。実際にはカラー写真であるが、図1では、便宜的に白黒写真を示した。この写真に映し出された直径200mmのCe−Al酸化物スパッタリングターゲットの表面において、中心部は、白色を呈示しているが、周縁部になる程、灰色となっている。これは、灰色が濃くなるほど、CeとAlとの複合酸化物が生成されていることを示している。
一方、図2は、上記のCe−Al酸化物スパッタリングターゲットの表面中心部におけるX線回折(XRD)の分析結果を示すグラフを、そして、図3は、同じくCe−Al酸化物スパッタリングターゲットの表面周縁部におけるX線回折(XRD)の分析結果を示すグラフをそれぞれ示している。図2のグラフの中で、最下段のグラフには、Al酸化物相のピークが現われおり、Al酸化物相が形成されていることを確認できる。しかし、図3のグラフでは、Al酸化物相のピークが現われてなく、Al酸化物相が形成されていることを確認できない。図3の場合には、Ce酸化物相のピークと、CeとAlとの複合酸化物相のピークのみが出現している。
また、上記した本発明に係るCe−Al酸化物スパッタリングターゲットを製造するために、平均粒径が1.0〜6.0μmであるCe酸化物と、比表面積(BET値)が80m/g以上であるAl酸化物とを混合した混合体を焼結することにより焼結体を得ている。ここで、Al酸化物の平均粒径を、Ce酸化物の平均粒径よりも小さい、微細な粉末を用いることにより、焼結された際に、CeとAlとの複合酸化物の生成を抑制でき、Ce酸化物相がAl酸化物相中に分散した組織を形成し易くすることができる。このとき、Al酸化物は、微細であるほど、この組織を形成し易く、その平均粒径を0.1μm以下とすることが好ましく、市販されている中でも特に微細なAl酸化物粉末では、比表面積(BET値)が、80m/g程度であるので、用いたAl酸化物のBET値を、80m/g以上とした。
本発明の製造方法では、前記焼結における条件については、温度:1000〜1300℃、圧力:10.0〜40.0MPa、保持時間:1.0〜3.5時間とすることが好ましく、それぞれの条件の下限値未満では、ターゲット全体が焼結不足となり、高密度の焼結体を得ることができなくなる。一方、それぞれの条件の上限値を超えて焼結を行うと、中心部までCeとAlの拡散が進行するが、周縁部における焼結が進み過ぎて、焼結体の中心部と周縁部とにおけるAl酸化物相の面積率差が、小さくなり、4%以上にすることができない。CeとAlとの複合酸化物の生成を抑制できないため、スパッタリングターゲットが、割れ易くなる。
以上の様に、本発明のCe−Al酸化物スパッタリングターゲットによれば、その焼結体は、Ce酸化物相がAl酸化物相中に分散した組織を備え、Al酸化物相が占める面積率に関して、その焼結体の中心部と周縁部とにおけるAl酸化物相の面積率差を、4%以上とすることとしたので、CeとAlとの複合酸化物の生成が抑制されて、スパッタリングターゲットの割れ・ひび発生を低減することができる。そのため、本発明のCe−Al酸化物スパッタリングターゲットを用いてスパッタリング成膜されたCe−Al酸化物膜は、記録/再生特性が良好な相変化型光記録媒体における第2誘電体層に好適である。
さらに、本発明のCe−Al酸化物スパッタリングターゲットの製造においては、Ce酸化物:30.0〜70.0mol%と、比表面積BET値が80m/g以上であるAl酸化物:残部とを混合した混合体を焼結して焼結体を得ているので、その焼結体には、Ce酸化物相がAl酸化物相中に分散した組織が備えられ、Al酸化物相が占める面積率に関して、その焼結体の中心部と周縁部とにおけるAl酸化物相の面積率差を、4%以上とすることができる。そのため、割れ難いCe−Al酸化物スパッタリングターゲットを製造することができ、生産性向上に寄与する。
本発明に係るCe−Al酸化物スパッタリングターゲットの一具体例について、スパッタリングターゲットの表面を撮影した写真である。 本発明に係るCe−Al酸化物スパッタリングターゲットの一具体例について、スパッタリングターゲットの表面中央部におけるX線回折(XRD)の分析結果を示すグラフである。 本発明に係るCe−Al酸化物スパッタリングターゲットの一具体例について、スパッタリングターゲットの表面周縁部におけるX線回折(XRD)の分析結果を示すグラフである。 Ce−Al酸化物スパッタリングターゲットの表面におけるAl酸化物相に係る面積率の測定について説明する図である。 本発明に係るCe−Al酸化物スパッタリングターゲットの一具体例について、スパッタリングターゲットの表面中央部の組織を電子マイクロナナライザー(EPMA)により測定した各元素の元素分布像である。 本発明に係るCe−Al酸化物スパッタリングターゲットの一具体例について、スパッタリングターゲットの表面周縁部の組織を電子マイクロアナライザー(EPMA)により測定した各元素の元素分布像である。
つぎに、この発明のCe−Al酸化物スパッタリングターゲット及びその製造方法の実施形態について、以下に、実施例により具体的に説明する。
〔実施例〕
本実施例では、Ce−Al酸化物スパッタリングターゲットは、金属元素として、Ce:6.5〜27.0原子%と、Al:13.0〜55.0原子%とを含有し、残部がO及び不可避不純物からなる組成を有する焼結体からなり、その焼結体の中心部におけるAl酸化物相の面積率が周縁部におけるAl酸化物相の面積率より、4%以上高いことを特徴としている。この様なCe−Al酸化物スパッタリングターゲットを製造するには、平均粒径が1.0〜6.0μmであるCe酸化物と、平均粒径が0.1μm以下であって、比表面積(BET値)が80m/g以上であるAl酸化物とを混合した混合体を焼結して焼結体を得ている。
そこで、上記のCe−Al酸化物スパッタリングターゲットを製造するに当たり、先ず、下記の表1に示される平均粒径を有する純度3NのCeO粉末と、Al粉末を用意した。なお、実施例1〜5で用意したAl粉末については、粒径が0.1μm未満と小さく、粒径測定が困難であるため、その粒径の大きさを表すものとして、比表面積(BET値)を用いた。
次いで、CeO粉末とAl粉末とを、表1に示す配合量となるように秤量し、このCeO粉末とAl粉末とを原料粉として、ボールミル装置の容器に、5mmφのZrOボールとともに投入し、ヘキサンを溶剤として、ボールミル混合を行った。この混合された混合粉を、200℃以下で乾燥した後、0.5mmの篩目を有する篩にかけ、この篩にかけられた混合粉を、450℃で大気焼成した。大気焼成された混合粉をモールド充填し、真空雰囲気中で、表2に示される焼結条件に従ってホットプレス(HP)を行い、Ce−Al酸化物焼結体を得た。このCe−Al酸化物焼結体に機械加工を施して、所定の形状、即ち、直径:200mm、厚さ:6mmを有する円板型の実施例1〜5のスパッタリングターゲットを作製した。なお、表1において、実施例1〜5で用いられたAl粉末の平均粒径については、「粉末平均粒径(μm)」欄では、「<0.1」で表示され、「Al粉末BET値(m/g)」欄にBET値で表示されている。
〔比較例〕
また、上記の実施例と比較するため、表1に示されるように、本発明の範囲から外れた条件による比較例1〜3のCe−Al酸化物スパッタリングターゲットを、上述の製造手順に従って作製した。なお、表1においては、比較例1〜3についても、参考として、比表面積(BET値)が示されている。
以上で作製された実施例1〜3及び比較例1〜3のCe−Al酸化物スパッタリングターゲットについて、ICP法により成分組成の分析を行ったところ、表2に示される結果が得られた。なお、これらのCe−Al酸化物スパッタリングターゲットを用いたスパッタリングで成膜されたCe−Al酸化物薄膜における成分組成も、表2の結果と同様なものとなる。


次に、上記実施例1〜5及び比較例1〜3のCe−Al酸化物スパッタリングターゲットについて、Al酸化物相の面積率を測定するとともに、ターゲット割れ発生の有無について調べた。
<Al酸化物相の面積率>
先ず、図4に示すように、Ce−Al酸化物スパッタリングターゲットの表面における外周部P1〜P4、中間部P5〜P8、中心部P9の9点で視野面積を、以下の条件で設定して測定した。
・電子マイクロアナライザー装置:FE−EPMA JXA−8500F/日本電子(株)
・測定条件:加速電圧15kV、加速電流50mA
・測定方法:マップ分析により、ピーク強度比を色の濃淡で表し、面積率を求めた。
・視野面積:90μm×120μm=10800μm
なお、電子マイクロアナライザーで得られるEPMA画像では、元素分布がカラー表示され、特定の元素について、その濃度のレベルに応じて、例えば、存在しなければ、黒く、濃度が高くなるにつれて、青から赤まで変化して表示される。そこで、Al酸化物相の面積率を求めるにあたっては、Alに係るマップ画像において、Al濃度が高いとすることができる領域を、Al相と見なし、その領域の面積に基づいて、Al相の面積率を求めた。
ここで、図5には、Ce−Al酸化物スパッタリングターゲットの一具体例について、スパッタリングターゲットの表面中央部の組織を電子マイクロナナライザー(EPMA)により測定した各元素の元素分布像が示され、図6には、同じく一具体例について、スパッタリングターゲットの表面周縁部の組織を電子マイクロアナライザー(EPMA)により測定した各元素の元素分布像が示されている。これらの元素分布像は、上述のように、実際においては、カラー表示されているが、図5及び図6では、便宜的に白黒画像で示している。図5及び図6に示されたAl元素に係る分布像によれば、白色領域が、Al元素の濃度が高いことを示しているので、この白色領域をAl相と見なして、そのAl相の面積率を求めた。
<ターゲット割れ発生の確認>
上記Ce−Al酸化物焼結体の機械加工後と、スパッタリング後とにおいて、スパッタリングターゲットに割れが発生しているかどうかにつき、目視で観察し、その割れが発生していた場合を「有」と表記し、その割れが発生していない場合を「無」と表記した。
以上の結果が、下記の表3における「Al酸化物相の面積率」欄と「ターゲット割れの有無」欄とに示されている。

上記の表3に示された結果によれば、実施例1〜5のCe−Al酸化物スパッタリングターゲットのいずれにおいても、中心−周縁面積率差が4%以上であり、即ち、中心部におけるAl酸化物相の面積率が周縁部におけるAl酸化物相の面積率より、4%以上高いことを示しており、ターゲット割れの発生は、無かった。
一方、比較例1〜3のCe−Al酸化物スパッタリングターゲットのいずれも、Al酸化物粉末の平均粒径が、0.5μmと大きく、中心−周縁面積率差が4%を下まわっており、ターゲット割れが発生した。



Claims (2)

  1. 金属元素として、Ce:6.5〜27.0原子%と、Al:13.0〜55.0原子%とを含有し、残部がO及び不可避不純物からなる組成を有する焼結体であって、
    前記焼結体は、Ce酸化物相がAl酸化物相中に分散した組織を備え、該焼結体の中心部におけるAl酸化物相の面積率が周縁部におけるAl酸化物相の面積率より、4%以上高いことを特徴とするCe−Al酸化物スパッタリングターゲット。
  2. Ce酸化物:30.0〜70.0mol%と、Al酸化物:残部とを混合した混合体を焼結して、Ce−Al酸化物スパッタリングターゲットを製造する方法であって、
    前記Al酸化物の比表面積BET値が80m/g以上であることを特徴とするCe−Al酸化物スパッタリングターゲットの製造方法。



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