JP2015067605A - 殺藻剤 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、一般空調用又は各種工業用等の冷却水や貯槽水、水泳用プール、その他各種用水、廃水系における藻類による水質の低下、配管の閉塞等の各種障害の防止に有用な殺藻剤に関するものである。
クーリングタワー等の空調用の熱交換器、工業用冷却水の熱交換器、これら熱交換器の冷却水が循環する経路の機器や配管、その他の各種用途の貯水槽、水泳用プール等では、その壁面に藻類が付着繁殖し、機器や配管等の腐食、冷却効率の低下、悪臭の発生、外観の汚れ等の各種障害を招くことがある。
このような障害を防止するため、繁殖する藻類を排除する方法としては、次亜塩素酸ナトリウム等の塩素系の殺藻剤を上記の各種機器に添加する方法が実施されてきた。
しかしながら、次亜塩素酸ナトリウム等の塩素系の殺藻剤は、即効性はあるものの、持続性に乏しく、さらに機器自体を腐食するという問題があった。
また、第4級アンモニウム塩、アミン塩も殺藻剤としてよく用いられているが(例えば、特許文献1参照)、これら従来の殺藻剤はその殺藻効果が不十分であり、なおかつ使用時に泡立ちやすく取扱いが不便なため、使用可能な用途が限定的であった。
本発明は上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、殺藻効果に優れ、なおかつ殺藻効果の持続性を有する殺藻剤、及びそれを用いた殺藻方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のトリメチルアルキルアンモニウム塩を含む殺藻剤が、従来の殺藻剤に比べて、優れた殺藻効果を示し、なおかつ殺藻効果に持続性があることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下に示すとおりの殺藻剤、及びそれを用いた殺藻方法である。
[1]下記式(1)で示されるトリメチルアルキルアンモニウム塩を含む殺藻剤。
(式中、Rは炭素数12以上のアルキル基を表し、Aはアニオンを表す。)
[2]Rが炭素数12以上24以下のアルキル基であることを特徴とする上記[1]に記載の殺藻剤。
[2]Rが炭素数12以上24以下のアルキル基であることを特徴とする上記[1]に記載の殺藻剤。
[3]Aが、ハロゲンアニオン、硫酸水素アニオン、硫酸メチルアニオン、モノメチル炭酸アニオン、モノエチル炭酸アニオン、モノプロピル炭酸塩アニオン、モノブチル炭酸アニオン、又は酢酸アニオンであることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の殺藻剤。
[4]上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の殺藻剤を、藻類を含有する水に添加することを特徴とする殺藻方法。
本発明の殺藻剤は、殺藻効果に優れ、なおかつ殺藻効果の持続性が優れるため、各種用途の水における藻類を効果的に殺藻することができ、なおかつその繁殖を持続的に抑制することができる。
以下、本発明についてその詳細を説明する。
本発明の殺藻剤は、上記式(1)で示されるトリメチルアルキルアンモニウム塩を含有することをその特徴とする。本発明の殺藻剤は、上記式(1)で示されるトリメチルアルキルアンモニウム塩を成分とすることにより、高い殺藻効果を示し、なおかつその殺藻効果を持続することができる。
本発明において置換基Rは、特に限定されるものでないが、原料入手、分子量当たりの官能基密度から、炭素数12以上24以下のアルキル基であることが好ましく、炭素数12以上16以下のアルキル基であることがより好ましい。
炭素数12以上24以下のアルキル基としては、具体的には、直鎖状又は分枝状の、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基等が例示される。
本発明においてアニオンAは、特に限定されるものでなく、例えば、ハロゲンアニオン、硫酸水素アニオン、硫酸メチルアニオン、モノメチル炭酸アニオン、モノエチル炭酸アニオン、モノプロピル炭酸塩アニオン、モノブチル炭酸アニオン、酢酸アニオン等を挙げることができる。これらのうち、ハロゲンアニオン、モノメチル炭酸アニオンが好ましい。
本発明の殺藻剤は、上記式(1)で示されるトリメチルアルキルアンモニウム塩を含んでいれば、他に使用形態に限定はなく、例えば、粉体として使用、錠剤として使用、水を加えて水溶液として使用することもできる。
本発明の殺藻剤は、上記式(1)で示されるトリメチルアルキルアンモニウム塩を含んでいれば、他の成分を含む必要はない。ただし、本発明の効果を妨げない範囲で本発明の殺藻剤中に他の成分を含んでもよい。他の成分としては、例えば、pH調整剤、スケール防止剤、他の殺藻剤や殺菌剤等を挙げることができる。
本発明の殺藻剤の使用方法としては、特に限定するものではないが、例えば、殺藻を対象とする冷却水、貯槽水等の水に添加して使用される。藻類を含有する水への本発明の殺藻剤の添加量は、水の使用条件や使用環境等によって異なるため、一概に決定することは困難ではあるが、あえて例示すると、上記式(1)で示されるトリメチルアルキルアンモニウム塩の濃度が通常1〜2000ppmの範囲、好ましくは10〜1000ppmの範囲となるように添加することが好ましい。
以下発明を実施例で説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
合成例1 トリメチルドデシルアンモニウムメチル炭酸塩の合成.
1Lのオートクレーブに、ジメチドデシルアミン256.08g、炭酸ジメチル118.91g、メタノール149.76gを仕込み、窒素でパージし、オートクレーブ内の空気を除去した。オートクレーブ内を常圧に戻し、110℃まで1時間で昇温した。500rpmの撹拌条件下、更に8時間反応を行った。反応終了後、オートクレーブを冷却し、反応生成物を取得した。反応生成物からメタノール、未反応の炭酸ジメチルを除去したのち、ヘキサンを200g添加し、沈殿物を得た。沈殿物を濾別後、更にヘキサンで洗浄し、トリメチルドデシルアンモニウムメチル炭酸塩を84.1g得た。
1Lのオートクレーブに、ジメチドデシルアミン256.08g、炭酸ジメチル118.91g、メタノール149.76gを仕込み、窒素でパージし、オートクレーブ内の空気を除去した。オートクレーブ内を常圧に戻し、110℃まで1時間で昇温した。500rpmの撹拌条件下、更に8時間反応を行った。反応終了後、オートクレーブを冷却し、反応生成物を取得した。反応生成物からメタノール、未反応の炭酸ジメチルを除去したのち、ヘキサンを200g添加し、沈殿物を得た。沈殿物を濾別後、更にヘキサンで洗浄し、トリメチルドデシルアンモニウムメチル炭酸塩を84.1g得た。
合成例2 トリメチルテトラデシルアンモニウムメチル炭酸塩の合成.
ジメチルドデシルアミンをジメチルテトラデシルアミン289.75gとした以外は、合成例1と同様に実施し、トリメチルテトラデシルアンモニウムメチル炭酸塩82.8g得た。
ジメチルドデシルアミンをジメチルテトラデシルアミン289.75gとした以外は、合成例1と同様に実施し、トリメチルテトラデシルアンモニウムメチル炭酸塩82.8g得た。
合成例3 トリメチルオクチルアンモニウムメチル炭酸塩の合成.
ジメチルデシルアミンをジメチルオクチルアミン188.76gとした以外は、合成例1と同様に実施し、トリメチルオクチルアンモニウムメチル炭酸塩90.9gを取得した。
ジメチルデシルアミンをジメチルオクチルアミン188.76gとした以外は、合成例1と同様に実施し、トリメチルオクチルアンモニウムメチル炭酸塩90.9gを取得した。
実施例1.
屋外の100L貯水槽から採取した水を採取したところ、藻の含有量は167mg/kgであり、藻の種類としては、緑藻類であるセネデスムス属、クロロコックム属、クロレラ属、クラミドモナス属、藍藻類であるユレモ属、ネンジュモ属が観測された。
屋外の100L貯水槽から採取した水を採取したところ、藻の含有量は167mg/kgであり、藻の種類としては、緑藻類であるセネデスムス属、クロロコックム属、クロレラ属、クラミドモナス属、藍藻類であるユレモ属、ネンジュモ属が観測された。
この藻を含有する水100gに対して合成例1で得たトリメチルドデシルアンモニウムメチル炭酸塩を10mg(=100ppm)添加後、pHを7に調整し、撹拌を行った。1日後、藻類の脱色状態を確認した結果、白色化し、トリメチルドデシルアンモニウムメチル炭酸塩(R=炭素数12のアルキル基)の殺藻効果が観測された。
実施例2.
トリメチルドデシルアンモニウムメチル炭酸塩をトリメチルテトラデシルアンモニウムメチル炭酸塩とした以外は実施例1と同様の操作を行った。1日後、藻類は白色化し、トリメチルテトラデシルアンモニウムメチル炭酸塩(R=炭素数14のアルキル基)の殺藻効果が観測された。
トリメチルドデシルアンモニウムメチル炭酸塩をトリメチルテトラデシルアンモニウムメチル炭酸塩とした以外は実施例1と同様の操作を行った。1日後、藻類は白色化し、トリメチルテトラデシルアンモニウムメチル炭酸塩(R=炭素数14のアルキル基)の殺藻効果が観測された。
比較例1.
トリメチルドデシルアンモニウムメチル炭酸塩をトリメチルオクチルアンモニウムメチル炭酸塩(R=炭素数8のアルキル基)とした以外は実施例1と同様の操作を行った。1日後、藻類は緑色を維持し、殺藻効果は観測されなかった。
トリメチルドデシルアンモニウムメチル炭酸塩をトリメチルオクチルアンモニウムメチル炭酸塩(R=炭素数8のアルキル基)とした以外は実施例1と同様の操作を行った。1日後、藻類は緑色を維持し、殺藻効果は観測されなかった。
比較例2.
トリメチルドデシルアンモニウムメチル炭酸塩を4級アンモニウム塩であるテトラメチルアンモニウム・酢酸塩(R=炭素数1のアルキル基)とした以外は実施例1と同様の操作を行った。1日後、藻類は緑色を維持し、殺藻効果は観測されなかった。
トリメチルドデシルアンモニウムメチル炭酸塩を4級アンモニウム塩であるテトラメチルアンモニウム・酢酸塩(R=炭素数1のアルキル基)とした以外は実施例1と同様の操作を行った。1日後、藻類は緑色を維持し、殺藻効果は観測されなかった。
本発明の殺藻剤は、一般空調用又は各種工業用等の冷却水や貯槽水、水泳用プール、その他各種用水、廃水系における藻類による水質の低下、配管の閉塞等の各種障害を防止する殺藻剤として用いることができる。
Claims (4)
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013206462A JP2015067605A (ja) | 2013-10-01 | 2013-10-01 | 殺藻剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013206462A JP2015067605A (ja) | 2013-10-01 | 2013-10-01 | 殺藻剤 |
Publications (1)
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JP2015067605A true JP2015067605A (ja) | 2015-04-13 |
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ID=52834648
Family Applications (1)
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JP2013206462A Pending JP2015067605A (ja) | 2013-10-01 | 2013-10-01 | 殺藻剤 |
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JP (1) | JP2015067605A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108689891A (zh) * | 2018-06-29 | 2018-10-23 | 广州市润研基因科技有限公司 | 一种季铵盐的合成方法 |
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2013
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108689891A (zh) * | 2018-06-29 | 2018-10-23 | 广州市润研基因科技有限公司 | 一种季铵盐的合成方法 |
CN108689891B (zh) * | 2018-06-29 | 2021-07-30 | 广州市润研基因科技有限公司 | 一种季铵盐的合成方法 |
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