JP2015067167A - スライドレール - Google Patents

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Naoki Hayashi
直樹 林
強 浅生
Tsutomu Asao
強 浅生
野田 修平
Shuhei Noda
修平 野田
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Abstract

【課題】スライドレールの摺動性をスライド方向によって異ならせられるようにする。
【解決手段】スライドレール10は、フロア上に取り付けられるロアレール11と、ロアレール11にスライド可能な状態に組み付けられて乗物用シートに取り付けられるアッパレール12と、アッパレール12とロアレール11との間に設けられ、アッパレール12のスライドにより両レール11,12に対して摺動する樹脂シュー14と、を有する。樹脂シュー14は、両レール11,12との間に塗布されたグリースGrの作用により両レール11,12との間の摩擦が低減された構成とされ、かつ、両レール11,12とグリースGrを介して対面する各摺動面上にアッパレール12のスライドによる摺動時にグリースGrに作用させるせん断による粘性抵抗をアッパレール12のスライド方向によって異ならせるように作用する異方性の溝形状14Bが形成されている。
【選択図】図8

Description

本発明は、スライドレールに関する。詳しくは、乗物用シートをフロアに対してスライド可能な状態に連結するスライドレールに関する。
従来、車両用シートのスライドレールにおいて、フロア上に設置されるロアレールと車両用シートに連結されてロアレール上を摺動するアッパレールとの間に、これらの摺動性を円滑にするための鋼球が介在して設けられた構成が知られている(特許文献1)。
特開2004−182044号公報
しかし、上記従来技術では、スライドレールの摺動性が等方的であるため、車両用シートをスライドさせる荷重をスライド方向によって異ならせるような調整を行うことができない。本発明は、上記問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、スライドレールの摺動性をスライド方向によって異ならせられるようにすることにある。
上記課題を解決するために、本発明のスライドレールは次の手段をとる。
第1の発明は、乗物用シートをフロアに対してスライド可能な状態に連結するスライドレールであって、フロア上に取り付けられるロアレールと、ロアレールにスライド可能な状態に組み付けられて乗物用シートに取り付けられるアッパレールと、アッパレールとロアレールとの間に設けられ、アッパレールのスライドにより少なくとも一方のレールに対して摺動する摺動部材と、を有する。摺動部材は、少なくとも一方のレールとの間に塗布されたグリースの作用により同レールとの間の摩擦が低減された構成とされ、かつ、同レールとグリースを介して対面する摺動面上にアッパレールのスライドによる摺動時にグリースに作用させるせん断による粘性抵抗をアッパレールのスライド方向によって異ならせるように作用する異方性の溝形状が形成されている。
この第1の発明によれば、スライドレールの摺動性をアッパレールがスライドするスライド方向によって異ならせるようにすることができる。
第2の発明は、上述した第1の発明において、次の構成となっているものである。スライドレールが乗物用シートとフロアとの間にスライド方向の一端又は他端が上がる姿勢となるように傾けられた状態で配設されている。摺動部材に形成された異方性の溝形状が、アッパレールを上らせる方向にスライドさせる時の粘性抵抗の方が下らせる時よりも小さくなる形に形成されている。
この第2の発明によれば、スライドレールが上記のように傾いて配設される構成において、アッパレールを下がる方向にスライドさせにくく、上がる方向にスライドさせやすくすることができるため、スライドレールのスライド操作性を向上させることができる。
第3の発明は、上述した第1又は第2の発明において、次の構成となっているものである。摺動部材がアッパレールとロアレールの双方に対して摺動するように設けられており、双方のレールと対面する各摺動面上に異方性の溝形状が形成されている。
この第3の発明によれば、スライドレールの摺動性をスライド方向によって異ならせる効果を更に高めることができる。
実施例1のスライドレールが適用されたシートの概略構成を示した斜視図である。 シートの側面図である。 スライドレール単体の分解斜視図である。 スライドレール単体の斜視図である。 図4のV-V線断面図である。 図4のVI-VI線断面図である。 図4のVII-VII線断面図である。 アッパレールが前方側にスライドする時の摺動部材の様子を示した図である。 アッパレールが後方側にスライドする時の摺動部材の様子を示した図である。 他の実施例の摺動部材の構成を示した斜視図である。 他の実施例の摺動部材の構成を示した斜視図である。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
始めに、実施例1のスライドレール10の構成について、図1〜図9を用いて説明する。本実施例のスライドレール10は、図1に示すように、自動車のシート1とフロアFとの間に左右一対で設けられており、シート1の位置をフロアFに対して前後方向に調節できるようにする構成となっている。ここで、シート1は、自動車の助手席として構成されており、着座乗員の背凭れとなるシートバック2と、着座部となるシートクッション3と、を備えた構成とされている。シートバック2は、その左右両サイドの下端部が、シートクッション3の左右両サイドの後端部に連結されて支持された状態とされている。また、シートクッション3は、その底面部が、上述した左右一対のスライドレール10を間に介して、フロアF上に前後スライド可能な状態に連結されて支持された状態とされている。
上述した各スライドレール10は、常時は、それらのスライド動作がロックされた状態に保持されており、着座者がシートクッション3の前下部に設けられたU字状のループハンドル16の中央操作部16Aを引き上げる操作を行うことにより、前後スライド可能な状態に切り替えられるようになっている。また、各スライドレール10は、上述したループハンドル16の引き上げ操作が解除されることにより、附勢によって再びスライドロックされた状態に戻されるようになっている。このような動作によって、各スライドレール10は、シート1をフロアFに対して前後方向にスライドさせたり、スライドさせた各位置に固定したりすることができるようになっている。
上述したシート1は、図2に示すように、フロアFに対して、全体が前上がり姿勢となるように僅かに傾斜して設けられた状態とされている。具体的には、シート1は、フロアFが前上がり状に傾斜した形となっていることにより、フロアF上に設置される各スライドレール10と共に上記のように傾斜した姿勢で設けられた状態とされている。このような構成となっていることにより、シート1は、体格の小さな乗員が着座しても、前方側への視界を広く確保させることができるようになっている。しかしながら、シート1は、上記のように傾斜した姿勢状態で設けられていることにより、上述した各スライドレール10のロック状態が解除された際に、自重によって後方側に下がりやすく、また、前方側に上がりにくい構成となってしまう。
そこで、本実施例では、各スライドレール10の内部に設けられる隙詰め用の樹脂シュー14に対し、各スライドレール10の摺動性を前後方向で異方的にすることができる構造(異方性の溝形状14B)が設けられている。この溝構造により、各スライドレール10は、後方側に下がりにくく、前方側に上がりやすくなるように、前後スライドの摺動性が調整された状態とされている。以下、上述した各スライドレール10の具体的な構成について詳しく説明していく。なお、各スライドレール10は、互いに左右対称な構成となっているため、以下では、これらを代表して図1の向かって右側に示されたスライドレール10の構成について説明することとする。
図3〜図4に示すように、スライドレール10は、フロアF(図1〜図2参照)上に取り付けられたロアレール11と、シートクッション3(図1〜図2参照)の下部に取り付けられたアッパレール12と、これら両レール11,12間のスライドをロックするロック機構13と、ロアレール11とアッパレール12との間に介在して設けられた前後方向に長尺な4本の樹脂シュー14と、各樹脂シュー14の前後側の各端部(嵌合部14A)に装着された複数の鋼球15と、を有して構成されている。
各樹脂シュー14は、アッパレール12のロアレール11に対する摺動性を向上させたり各種方向へのガタ付きを適切に抑制したりするために、アッパレール12とロアレール11との間の四隅に介在して設けられている。具体的には、各樹脂シュー14は、それらの前後側の各端部(嵌合部14A)の前後2箇所ずつに組み付けられた各鋼球15により両レール11,12間の高さ方向や幅方向のガタ詰めをしたり、各鋼球15が両レール11,12間のスライド時に転動して摺動性を円滑にしたりするようになっている。各樹脂シュー14は、上述した各鋼球15をバラ付かせないようにひとまとめにした状態に保持するための保持器として機能するものとなっている。
上述した各樹脂シュー14が設置されたアッパレール12の各設置面とロアレール11の各設置面には、それぞれ、グリースGrが塗布されている。上記グリースGrは、一般的な油よりも粘度が高く流動性がほぼ無い構成となっており、常温では半固体または半流動性を呈する一般的な潤滑剤となっている。上記グリースGrによる潤滑作用により、各樹脂シュー14(各鋼球15)は、アッパレール12のスライドに伴って、アッパレール12及びロアレール11に対して、それぞれ、適度に滑らかな抵抗感を付与されながら摺動することができるようになっている。これにより、アッパレール12が、ロアレール11に対して、適度に滑らかな抵抗感を付与されながら、安定した落ち着きのある動作で摺動することができるようになっている。ここで、上述した各樹脂シュー14がそれぞれ本発明の「摺動部材」に相当する。
ロアレール11は、車両の前後方向に長尺な1枚の鋼板材が短手方向に所々に折り曲げられて形成されたものであり、その前後側の各端部がそれぞれフロアF上にボルト締結されて一体的に固定された状態として設けられている。上記ロアレール11は、その横断面形状が長手方向に略一様となるレール形状に形成されている。具体的には、ロアレール11は、図5に示すように、フロアF上に上方側に面を向けて設置される底面部11Aと、底面部11Aの左右両側部から上方側に延びて互いに内向する側に逆U字状に曲げ返されて延びる左右一対のロア側ひれ部11Bと、を有する横断面形状に形成されている。
アッパレール12は、図3〜図4に示すように、上述したロアレール11と同様に、車両の前後方向に長尺な1枚の鋼板材が短手方向に所々に折り曲げられて形成されたものである。上述したアッパレール12は、上述したロアレール11の長手方向のどちらか一方側の開口端部からロアレール11内に差し込まれることにより、ロアレール11に対して長手方向にスライド可能な状態に組み付けられるようになっている。具体的には、アッパレール12は、図5に示すように、その横断面形状が、上述したロアレール11の左右のロア側ひれ部11Bの間の隙間11Cを通って高さ方向に延びる左右一対の縦面部12Aと、各縦面部12Aの上端部間に架け渡される形で延びる上面部12Bと、各縦面部12Aの下端部から互いに相反する外向きにU字状に反り上がるように曲げ返されて延びる左右一対のアッパ側ひれ部12Cと、を有する形に形成されている。
上述したアッパレール12は、上述したロアレール11に対し、そのU字状に曲げ返された左右のアッパ側ひれ部12Cが、ロアレール11の逆U字状に曲げ返された左右のロア側ひれ部11B内にそれぞれ掛かり合うように長手方向に差し込まれて組み付けられている。このように差し込まれることにより、アッパレール12は、ロアレール11に対して、上述した左右の各アッパ側ひれ部12Cとロア側ひれ部11Bとの掛かり合い構造によって、ロアレール11の底面部11Aにより(下側2つの各樹脂シュー14(鋼球15)を介して)下方側から支持されると共に、上方側に抜け止め(剥離防止)された状態に組み付けられるようになっている。上述したアッパレール12は、そのロアレール11より上方側に突出して露呈する上面部12B上にシートクッション3がボルト締結されて一体的に固定された状態とされている。
各樹脂シュー14は、図3に示すように、それらの前後側の各端部に2箇所ずつ形成された各嵌合部14A内にそれぞれ鋼球15が転動可能な状態に嵌め込まれた構成となっている。そして、各樹脂シュー14は、図5に示すように、上述したアッパレール12の左右のアッパ側ひれ部12Cとロアレール11の左右のロア側ひれ部11Bとの間の上下2箇所ずつにそれぞれ介在するように設けられた状態とされている。具体的には、各樹脂シュー14は、ロアレール11の左右のロア側ひれ部11Bの付け根の角部、すなわち、左右のロア側ひれ部11Bと底面部11Aとの各角部に内接する箇所と、左右のロア側ひれ部11Bの両内側に曲げ返された上内側の各角部に内接する箇所と、にそれぞれ配設されており、これらロアレール11の各設置箇所に面するアッパレール12の左右のアッパ側ひれ部12Cの各面部との間に挟持される形で設けられた状態とされている。
上述した各樹脂シュー14が設置されているアッパレール12の左右のアッパ側ひれ部12Cの各設置面部とロアレール11の左右のロア側ひれ部11Bの各設置面部は、それぞれ、各樹脂シュー14に嵌め込まれた各鋼球15の外周面形状に沿うように凹状に湾曲した形に形成されている。上述した各樹脂シュー14は、図5〜図6に示すように、これらの設置面となる上述したアッパレール12の左右のアッパ側ひれ部12Cの各設置面とロアレール11の左右のロア側ひれ部11Bの各設置面との間に、僅かな隙間を有してほぼ当接した状態に設けられた状態とされている。上述した各樹脂シュー14(及び各鋼球15)の設置により、アッパレール12がロアレール11に対して高さ方向や幅方向に大きくガタ付くことなく前後方向に円滑にスライドすることができるように支えられた状態とされている。
上述した各樹脂シュー14は、図3に示すように、これらが設置されるアッパレール12の左右のアッパ側ひれ部12Cの各設置面箇所に形成された前後2箇所の各係止突起12C2と当たる範囲の間でアッパレール12に対して前後方向にスライドすることができるように位置規制された状態とされている。また、各樹脂シュー14は、ロアレール11に対しては、これらが設置されるロアレール11の左右のロア側ひれ部11Bの各設置面箇所に切り起こされて形成された前後2箇所の各係止片11B2と当たる範囲の間でロアレール11に対して前後方向にスライドすることができるように位置規制された状態とされている。上記の規制構造により、各樹脂シュー14は、アッパレール12やロアレール11から前後方向に抜け出ないように位置保持された状態とされている。
続いて、ロック機構13の構成について説明する。ロック機構13は、アッパレール12に組み付けられて設けられている。上記ロック機構13は、操作アーム13Aと、ロックスプリング13Bと、保持スプリング13Cと、から構成されており、アッパレール12の上面部12Bと両縦面部12Aとの間に囲まれた空間部内に収容されて設けられた状態とされている。具体的には、上述した操作アーム13Aは、前後方向に長尺な断面逆U字状に曲げられた形に形成されており、その前後方向の中間部の下面に形成された各切欠き部13A1にロックスプリング13Bの横向きに折り曲げられた各前端部13B2が嵌め込まれることにより、ロックスプリング13Bを介してアッパレール12に組み付けられた状態とされている。
上述した操作アーム13Aは、その前端側の開口部内にループハンドル16の端部16Bが差し込まれて装着されており、その天板面の中央部13A2がアッパレール12の上面部12Bに下方側から突き当てられた状態として設けられている。これにより、操作アーム13Aは、ループハンドル16が引き上げられる操作によって上記天板面の中央部13A2を支点にシーソーのように揺動され、その後端部に形成された押下部13A3によってロックスプリング13Bのロック機能部13B1を押し下げて、ロックスプリング13Bによる両レール11,12間のスライドロック状態を解除する構成となっている。上述したループハンドル16の端部16Bが差し込まれる操作アーム13Aの前端側の開口部内には、U字板状に曲げられた形の保持スプリング13Cが装着されている。この保持スプリング13Cにより発揮される弾発力により、ループハンドル16の端部16Bが、操作アーム13Aの前端部内でバタ付かないように下方側に押し付けられた状態に保持されるようになっている。
ロックスプリング13Bは、1本の鋼線材が前後方向に長尺となる略U字状の形に折り曲げられて形成されたものとなっている。上記ロックスプリング13Bは、後方側で折り返されて、その幅方向に並ぶ2本の各線部の前後方向の中間部に、両外側に向かって波打ち状に張り出すように折り曲げられたロック機能部13B1が形成され、各線部の前端部13B2が両外側に開かれるように折り曲げられた形となって形成されている。
上記ロックスプリング13Bは、その幅方向に並ぶ2本の各線部を幅方向に弾性的に押し窄めた状態にして上述したアッパレール12の空間部内に入り込ませた状態にし、その位置で上述した押し窄めていた状態を解くことにより、その復元作用によって幅方向の外側に張り出して、各ロック機能部13B1をアッパレール12の両縦面部12Aと両アッパ側ひれ部12Cとに貫通して形成された前後2箇所の各通し孔12A1,12C1内に通して両外側に張り出された状態となる。そして、上記ロックスプリング13Bは、その幅方向に並ぶ2本の各線部の前側領域部と後側領域部とを、それぞれ、アッパレール12の各縦面部12Aに切り起こされて形成された各引掛け部12A3に上方側から引掛けることにより、アッパレール12に対してその前後2箇所の部位が下方側から支持された状態に組み付けられた状態とされている。上記組み付けられた状態では、ロックスプリング13Bは、上述した各ロック機能部13B1が、アッパレール12の各縦面部12Aに形成された各通し孔12A1内に張り出す各ロック歯12A2内にそれぞれ下方側から通された状態として保持されるようになっている。
上述した各ロック歯12A2に通されたロックスプリング13Bの各ロック機能部13B1は、上述したアッパレール12の両アッパ側ひれ部12Cに形成された通し孔12C1内にも通される位置まで張り出しているため、これらアッパレール12の両縦面部12Aと両アッパ側ひれ部12Cとの間に形状を臨ませるロアレール11の両ロア側ひれ部11Bの曲げ返された先の縁部に形成された各ロック歯11B1にも下方側から通されるようになっている(図7参照)。上述したロアレール11の両ロア側ひれ部11Bの曲げ返された先の縁部に形成された各ロック歯11B1は、図3に示すように、各ロア側ひれ部11Bの曲げ返された先の縁部に沿ってロアレール11の長手方向に等間隔に複数並んで形成されている。上述した各ロック歯11B1は、そのうちの一部が、アッパレール12のスライド位置の調整により、アッパレール12の各縦面部12Aに形成された前後2つの各ロック歯12A2と幅方向に並んだ状態とされることにより、アッパレール12の各ロック歯12A2と共にその位置合わせされた前後2つのロック歯11B1にロックスプリング13Bの各ロック機能部13B1が跨って通された状態となる。これにより、アッパレール12のロアレール11に対するスライドがロックされた状態となる。
上記ロックスプリング13Bによるスライドのロック状態は、ループハンドル16が引き上げ操作されて、操作アーム13Aの押下部13A3によりロックスプリング13Bの各ロック機能部13B1が押し下げられることによって解除されるようになっている。具体的には、上記ループハンドル13Bの操作によってロックスプリング13Bの各ロック機能部13B1が押し下げられることにより、各ロック機能部13B1がロアレール11の各ロック歯11B1に通されていた状態から外される。これにより、アッパレール12がロアレール11に対して前後方向にスライドすることができる状態に切り換えられる。
以上が、スライドレール10の基本構造となっている。次に、上述したスライドレール10の摺動性を前後方向で異方的にするために各樹脂シュー14に形成された異方性の溝形状14Bについて説明する。図3に示すように、上述した各樹脂シュー14には、これらが設置されたアッパレール12の各設置面とロアレール11の各設置面とに対面する各摺動面上に、アッパレール12のスライドによる摺動時に、各設置面との間に塗布されたグリースGr(図5〜図9参照)に作用させるせん断による粘性抵抗をアッパレール12のスライド方向によって異ならせるように作用する異方性の溝形状14Bが形成されている。
具体的には、上記異方性の溝形状14Bは、各樹脂シュー14のアッパレール12やロアレール11と当接する各摺動面上に、スライド方向の一方側或いは他方側に向かって先細り状となる形のV字状の溝14B1,14B2が彫られて形成されている。上述した各V字状の溝14B1,14B2は、それぞれ、各樹脂シュー14の各摺動面上に長手方向に等間隔に並んで複数形成された状態とされている。上述した各樹脂シュー14のアッパレール12の各設置面と対面する摺動面上に形成されるV字状の溝14B1と、ロアレール11の各設置面と対面する摺動面上に形成されるV字状の溝14B2とは、互いに先細り状となる向きが逆方向に向けられて形成された状態とされている。具体的には、アッパレール12の各設置面に対面する摺動面上に形成されるV字状の溝14B1は、後方側に先細り状となる向きに形成されており、ロアレール11の各設置面と対面する摺動面上に形成されるV字状の溝14B2は、前方側に先細り状となる向きに形成されている。
上記のような異方性の溝形状14Bが形成された各樹脂シュー14は、アッパレール12が前方側にスライドする時には、相対的にアッパレール12とは逆方向にスライドする(滑る)態様となり、アッパレール12と対面する摺動面上に形成された各V字状の溝14B1の立壁が、グリースGrを両外側へかき分けながら進むようになっている。したがって、この場合には、各V字状の溝14B1がグリースGrに作用させるせん断による粘性抵抗が比較的小さく、各樹脂シュー14がアッパレール12に対してスムーズにスライドするようになる。また、同じように、各樹脂シュー14は、アッパレール12が前方側にスライドする時には、ロアレール11に対して相対的に前方側にスライドする(滑る)態様となり、ロアレール11と対面する摺動面上に形成された各V字状の溝14B2の立壁が、グリースGrを両外側へかき分けながら進むようになっている。したがって、この場合には、各V字状の溝14B2がグリースGrに作用させるせん断による粘性抵抗が比較的小さく、各樹脂シュー14がロアレール11に対してもスムーズにスライドするようになる。
一方、各樹脂シュー14は、アッパレール12が後方側にスライドする時には、相対的にアッパレール12とは逆方向にスライドする(滑る)態様となり、アッパレール12と対面する摺動面上に形成された各V字状の溝14B1の立壁が、グリースGrをV字の中央側へかき集めながら進むようになっている。したがって、この場合には、各V字状の溝14B1がグリースGrに作用させるせん断による粘性抵抗が比較的大きく、各樹脂シュー14がアッパレール12に対して比較的重くスライドするようになる。また、同じように、各樹脂シュー14は、アッパレール12が後方側にスライドする時には、ロアレール11に対して相対的に後方側にスライドする(滑る)態様となり、ロアレール11と対面する摺動面上に形成された各V字状の溝14B2の立壁が、グリースGrをV字の中央側へかき集めながら進むようになっている。したがって、この場合には、各V字状の溝14B2がグリースGrに作用させるせん断による粘性抵抗が比較的大きく、各樹脂シュー14がロアレール11に対しても比較的重くスライドするようになる。
したがって、上記作用により、アッパレール12を前方側へスライドさせる時には、前上がり状に傾いたアッパレール12を重力作用に反して持ち上げなければならない力を比較的軽く抑えることができ、アッパレール12を後方側へスライドさせる時には、アッパレール12が自重によって後方側に下がっていこうとする動きを適度に抑えながらアッパレール12を落ち着きのある速度で後方側へスライドさせていくことができる。
なお、上述した異方性の溝形状14Bを、図10に示すようなU字状の溝14B3,14B4や図11に示すようなハの字状の溝14B5,14B6によって形成してもよい。このような形状にしても、同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の実施形態を1つの実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施することができるものである。例えば、本発明の「スライドレール」は、自動車以外の車両に適用されるシートや、鉄道、航空機等の乗物用に供されるシートをそれぞれフロアに対してスライド可能な状態に連結するように設けられるものであってもよい。また、「スライドレール」は、乗物用シートとフロアとの間に傾けられることなく水平な姿勢状態で配設されるものであってもよい。また、「スライドレール」は、乗物用シートをフロアに対して横方向にスライド可能な状態に連結する構成であってもよい。
また、本発明の「スライドレール」は、特開2006−298271号公報等の文献に開示された構成のように、電動式の送りねじ機構を用いてアッパレールをロアレールに対してスライドさせたりスライド止めしたりする電動式の構成であってもよい。このような電動式の構成に本発明の構成を適用しても、例えばスライドレールが前上がりに傾いて設けられている場合に、スライドレールを前方側へスライドさせるための重い負荷によって駆動用の送りねじがうねりを生じたり、スライドレールを後方側へスライドさせる際の自重による滑る動きを抑えたりする各負荷を適切に軽減することができるようになる。また、本発明の「スライドレール」は、特開2008−254599号公報等の文献に開示された構成のように、アッパレールに外付けされたロック装置によってロアレールとの間のスライドをロックするタイプの構成であってもよい。
また、本発明の「摺動部材」は、アッパレールとロアレールとの間に設けられて、アッパレールのスライドにより少なくとも一方のレールに対して摺動するものであればよく、必ずしも両側のレールに対して摺動するものでなくてもよい。すなわち、「摺動部材」は、どちらか一方のレールに取り付けられて他方に対して摺動するように設けられるものであってもよい。また、「摺動部材」は、上記実施例で示したような両レール間のガタ詰め用の部材(樹脂シュー)として機能するものでなくてもよく、単に、アッパレールとロアレールとの間に設けられて、アッパレールのスライドにより少なくとも一方のレールに対して摺動するものとして設けられるものであってもよい。
また、「異方性の溝形状」は、アッパレールのスライドによる摺動時に、グリースに作用させるせん断による粘性抵抗をアッパレールのスライド方向によって異ならせるように作用する形状となっているものであればよく、上記実施例で示した各形状の他、同様の作用を奏する各種の形状を適用することができるものである。また、異方性の溝形状として形成される溝の数は、特に限定されるものではなく、単数又は複数からなるものであってもよい。また、「異方性の溝形状」は、摺動部材の少なくとも一つの摺動面上に形成されていればよい。
1 シート
2 シートバック
3 シートクッション
10 スライドレール
11 ロアレール
11A 底面部
11B ロア側ひれ部
11B1 ロック歯
11B2 係止片
11C 隙間
12 アッパレール
12A 縦面部
12A1 通し孔
12A2 ロック歯
12A3 引掛け部
12B 上面部
12C アッパ側ひれ部
12C1 通し孔
12C2 係止突起
13 ロック機構
13A 操作アーム
13A1 切欠き部
13A2 天板面の中央部
13A3 押下部
13B ロックスプリング
13B1 ロック機能部
13B2 前端部
13C 保持スプリング
14 樹脂シュー(摺動部材)
14A 嵌合部
14B 異方性の溝形状
14B1 V字状の溝
14B2 V字状の溝
14B3 U字状の溝
14B4 U字状の溝
14B5 ハの字状の溝
14B6 ハの字状の溝
15 鋼球
16 ループハンドル
16A 中央操作部
16B 端部
Gr グリース
F フロア

Claims (3)

  1. 乗物用シートをフロアに対してスライド可能な状態に連結するスライドレールであって、
    フロア上に取り付けられるロアレールと、
    該ロアレールにスライド可能な状態に組み付けられて前記乗物用シートに取り付けられるアッパレールと、
    前記アッパレールと前記ロアレールとの間に設けられ、前記アッパレールのスライドにより少なくとも一方のレールに対して摺動する摺動部材と、を有し、
    前記摺動部材は、前記少なくとも一方のレールとの間に塗布されたグリースの作用により同レールとの間の摩擦が低減された構成とされ、かつ、同レールと前記グリースを介して対面する摺動面上に前記アッパレールのスライドによる摺動時に前記グリースに作用させるせん断による粘性抵抗を前記アッパレールのスライド方向によって異ならせるように作用する異方性の溝形状が形成されていることを特徴とするスライドレール。
  2. 請求項1に記載のスライドレールであって、
    当該スライドレールが前記乗物用シートとフロアとの間にスライド方向の一端又は他端が上がる姿勢となるように傾けられた状態で配設されており、前記摺動部材に形成された前記異方性の溝形状が前記アッパレールを上らせる方向にスライドさせる時の粘性抵抗の方が下らせる時よりも小さくなる形に形成されていることを特徴とするスライドレール。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のスライドレールであって、
    前記摺動部材が前記アッパレールと前記ロアレールの双方に対して摺動するように設けられており、双方のレールと対面する各摺動面上に前記異方性の溝形状が形成されていることを特徴とするスライドレール。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017061242A (ja) * 2015-09-25 2017-03-30 トヨタ紡織株式会社 スライドレール
JP2018052200A (ja) * 2016-09-27 2018-04-05 トヨタ紡織株式会社 乗物用シートスライド装置
JP2018052199A (ja) * 2016-09-27 2018-04-05 トヨタ紡織株式会社 乗物用シートスライド装置

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