JP2015064990A - 二次電池用非水電解液およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】サイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池を得ることができ、かつ難燃性である二次電池用非水電解液;および、サイクル特性に優れ、かつ安全性を有するリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】リチウム塩と液状組成物を含む非水電解液であって、前記液状組成物が、特定の含フッ素エーテル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(α)と、特定の含フッ素環状カーボネート化合物、スルトン化合物および環状カルボン酸エステル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(β)とを含み、前記リチウム塩が、少なくとも1種の特定の含フッ素スルホンイミド塩(γ)を含む二次電池用非水電解液を用いる。
【選択図】なし
【解決手段】リチウム塩と液状組成物を含む非水電解液であって、前記液状組成物が、特定の含フッ素エーテル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(α)と、特定の含フッ素環状カーボネート化合物、スルトン化合物および環状カルボン酸エステル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(β)とを含み、前記リチウム塩が、少なくとも1種の特定の含フッ素スルホンイミド塩(γ)を含む二次電池用非水電解液を用いる。
【選択図】なし
Description
本発明は、二次電池用非水電解液およびリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池に用いる非水電解液の溶媒としては、リチウム塩を良好に溶解することで高いイオン伝導度を発現できる点、広い電位窓を有する点から、カーボネート系溶媒(エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート等)が広く用いられている。しかし、カーボネート系溶媒は可燃性であるため、難燃性の溶媒としてフッ素系溶媒を用いることが提案されている(特許文献1)。しかし、フッ素系溶媒は、リチウム塩の溶解能が低いため、フッ素系溶媒を用いた場合、リチウムイオン二次電池のサイクル特性が悪くなる傾向にある。
ところで、含フッ素スルホンイミド塩を含有する非水電解液を用いることで、リチウムイオン二次電池のサイクル特性が向上することが知られている。たとえば、下記の非水電解液が提案されている。
LiPF6およびLiBF4からなる群から選ばれる少なくとも1種と、含フッ素スルホンイミド塩と、非水溶媒とからなる非水電解液(特許文献1)。
含フッ素スルホンイミド塩と、ハロゲン原子を有する環状の炭酸エステル誘導体とを含有する非水電解液(特許文献2)。
しかし、本発明者らが検討したところ、特許文献1、2の非水電解液を用いても、リチウムイオン二次電池のサイクル特性は、いまだ不充分である。
LiPF6およびLiBF4からなる群から選ばれる少なくとも1種と、含フッ素スルホンイミド塩と、非水溶媒とからなる非水電解液(特許文献1)。
含フッ素スルホンイミド塩と、ハロゲン原子を有する環状の炭酸エステル誘導体とを含有する非水電解液(特許文献2)。
しかし、本発明者らが検討したところ、特許文献1、2の非水電解液を用いても、リチウムイオン二次電池のサイクル特性は、いまだ不充分である。
本発明の目的は、サイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池を得ることができ、かつ難燃性である二次電池用非水電解液;および、サイクル特性に優れ、かつ安全性を有するリチウムイオン二次電池を提供することである。
前記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1]リチウム塩と液状組成物を含む非水電解液であって、
前記液状組成物が、下式(1)で表される化合物および下式(2)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(α)と、下式(3)で表される化合物、下式(4)で表される化合物、および下式(5)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(β)を含み、
前記リチウム塩が、2種以上であり、かつ下式(6)で表される化合物および下式(7)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の含フッ素スルホンイミド塩(γ)を含む、二次電池用非水電解液。
[1]リチウム塩と液状組成物を含む非水電解液であって、
前記液状組成物が、下式(1)で表される化合物および下式(2)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(α)と、下式(3)で表される化合物、下式(4)で表される化合物、および下式(5)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(β)を含み、
前記リチウム塩が、2種以上であり、かつ下式(6)で表される化合物および下式(7)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の含フッ素スルホンイミド塩(γ)を含む、二次電池用非水電解液。
(ただし、式中、R1およびR2はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜10のフッ素化アルキル基、炭素数3〜10のフッ素化シクロアルキル基、エーテル性酸素原子を有する炭素数2〜10のアルキル基、または、エーテル性酸素原子を有する炭素数2〜10のフッ素化アルキル基であり、R1およびR2の一方または両方は、炭素数1〜10のフッ素化アルキル基、炭素数3〜10のフッ素化シクロアルキル基、またはエーテル性酸素原子を有する炭素数2〜10のフッ素化アルキル基である。
Xは炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数1〜5のフッ素化アルキレン基、エーテル性酸素原子を有する炭素数2〜5のアルキレン基、またはエーテル性酸素原子を有する炭素数2〜5のフッ素化アルキレン基である。
R3〜R5はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、フッ素原子または水素原子である。
R6〜R13はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、またはメチル基である。
nは0または1である。
R14〜R21はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、またはメチル基である。
mは0〜3の整数である。
kは1〜3の整数である。
R22〜R23はそれぞれ独立に炭素数1〜10のフッ素化アルキル基、炭素数3〜10のフッ素化シクロアルキル基、または、エーテル性酸素原子を有する炭素数2〜10のフッ素化アルキル基である。)
Xは炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数1〜5のフッ素化アルキレン基、エーテル性酸素原子を有する炭素数2〜5のアルキレン基、またはエーテル性酸素原子を有する炭素数2〜5のフッ素化アルキレン基である。
R3〜R5はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、フッ素原子または水素原子である。
R6〜R13はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、またはメチル基である。
nは0または1である。
R14〜R21はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、またはメチル基である。
mは0〜3の整数である。
kは1〜3の整数である。
R22〜R23はそれぞれ独立に炭素数1〜10のフッ素化アルキル基、炭素数3〜10のフッ素化シクロアルキル基、または、エーテル性酸素原子を有する炭素数2〜10のフッ素化アルキル基である。)
[2]前記式(3)におけるR3およびR4が水素原子であり、R5が水素原子またはフッ素原子である、[1]に記載の二次電池用非水電解液。
[3]前記式(4)におけるR6〜R12が水素原子であり、R13が水素原子またはメチル基である、[1]または[2]に記載の二次電池用非水電解液。
[4]前記式(5)におけるR15〜R21が水素原子であり、R14が水素原子またはメチル基である、[1]〜[3]のいずれかに記載の二次電池用非水電解液。
[5]前記式(1)で表される化合物が、CF3CH2OCF2CHF2、CF3CH2OCF2CHFCF3、CHF2CF2CH2OCF2CHF2、CH3CH2CH2CH2OCF2CHF2、CH3CH2CH2OCF2CHF2、CH3CH2OCF2CHF2、およびCHF2CF2CH2OCF2CHFCF3からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[4]のいずれかに記載の二次電池用非水電解液。
[6]前記液状組成物が、フッ素原子を有しない環状カーボネート化合物および飽和鎖状カーボネート化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(δ)を含む、[1]〜[5]のいずれかに記載の二次電池用非水電解液。
[7]前記化合物(δ)が、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートおよびジエチルカーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[6]に記載の非水電解液。
[8]前記非水電解液の総質量に対する、前記含フッ素スルホンイミド塩(γ)の質量の割合が0.001〜10質量%である、[1]〜[7]のいずれかに記載の二次電池用非水電解液。
[9]前記非水電解液の25℃におけるイオン伝導度が、0.4S/m以上である、[1]〜[8]のいずれかに記載の二次電池用非水電解液。
[10]前記リチウム塩がLiPF6をさらに含む、[1]〜[9]のいずれかに記載の二次電池用非水電解液。
[11]前記非水電解液中の前記リチウム塩の含有量が0.1〜3.0mol/Lである、[1]〜[10]のいずれか一項に記載の二次電池用非水電解液。
[12]リチウムイオンを吸蔵および放出できる材料を活物質とする正極と、リチウム金属、リチウム合金、ならびにリチウムイオンを吸蔵および放出できる炭素材料からなる群から選ばれる1種以上を活物質とする負極と、[1]〜[11]のいずれかに記載の二次電池用非水電解液と、を有する、リチウムイオン二次電池。
[3]前記式(4)におけるR6〜R12が水素原子であり、R13が水素原子またはメチル基である、[1]または[2]に記載の二次電池用非水電解液。
[4]前記式(5)におけるR15〜R21が水素原子であり、R14が水素原子またはメチル基である、[1]〜[3]のいずれかに記載の二次電池用非水電解液。
[5]前記式(1)で表される化合物が、CF3CH2OCF2CHF2、CF3CH2OCF2CHFCF3、CHF2CF2CH2OCF2CHF2、CH3CH2CH2CH2OCF2CHF2、CH3CH2CH2OCF2CHF2、CH3CH2OCF2CHF2、およびCHF2CF2CH2OCF2CHFCF3からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[4]のいずれかに記載の二次電池用非水電解液。
[6]前記液状組成物が、フッ素原子を有しない環状カーボネート化合物および飽和鎖状カーボネート化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(δ)を含む、[1]〜[5]のいずれかに記載の二次電池用非水電解液。
[7]前記化合物(δ)が、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートおよびジエチルカーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[6]に記載の非水電解液。
[8]前記非水電解液の総質量に対する、前記含フッ素スルホンイミド塩(γ)の質量の割合が0.001〜10質量%である、[1]〜[7]のいずれかに記載の二次電池用非水電解液。
[9]前記非水電解液の25℃におけるイオン伝導度が、0.4S/m以上である、[1]〜[8]のいずれかに記載の二次電池用非水電解液。
[10]前記リチウム塩がLiPF6をさらに含む、[1]〜[9]のいずれかに記載の二次電池用非水電解液。
[11]前記非水電解液中の前記リチウム塩の含有量が0.1〜3.0mol/Lである、[1]〜[10]のいずれか一項に記載の二次電池用非水電解液。
[12]リチウムイオンを吸蔵および放出できる材料を活物質とする正極と、リチウム金属、リチウム合金、ならびにリチウムイオンを吸蔵および放出できる炭素材料からなる群から選ばれる1種以上を活物質とする負極と、[1]〜[11]のいずれかに記載の二次電池用非水電解液と、を有する、リチウムイオン二次電池。
本発明の二次電池用非水電解液によれば、サイクル特性に優れ、かつ難燃性であるリチウムイオン二次電池を得ることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、サイクル特性に優れ、かつ安全性を有する。
本発明のリチウムイオン二次電池は、サイクル特性に優れ、かつ安全性を有する。
本明細書においては、式(1)で表される化合物を化合物(1)と記す。他の式で表される化合物も同様に記す。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「非水電解液」とは、水を実質的に含まない電解液であり、仮に水を含んでいたとしてもその水分量が該非水電解液を用いた二次電池に性能劣化が見られない範囲の量である電解液を意味する。非水電解液中に含まれ得る水分量は、非水電解液の総質量に対して500質量ppm以下が好ましく、100質量ppm以下がより好ましく、50質量ppm以下が特に好ましい。水分量の下限値は、0質量ppmである。
「液状組成物」とは、化合物(α)および化合物(β)を含み、必要に応じて化合物(δ)を含んでもよいものを意味する。すなわち、本発明における液状組成物は、化合物(α)および化合物(β)のみからなるか、または、化合物(α)、化合物(β)および化合物(δ)からなるかのいずれかである。
リチウム塩、化合物(α)、化合物(β)および化合物(δ)以外の他の化合物(他の溶媒、添加剤等)は、「他の成分」と定義され、リチウム塩および液状組成物とは区別される。
すなわち、本発明における電解液は、リチウム塩、化合物(α)、化合物(β)を含み、化合物(δ)および他の化合物を含んでいてもよい。
「含フッ素エーテル化合物」とは、エーテル結合を有し、フッ素原子を有する鎖状または環状の化合物を意味する。
「環状カルボン酸エステル化合物」とは、環骨格の一部としてエステル結合を有する環状の化合物を意味する。
「フッ素原子を有しない環状カーボネート化合物」とは、環骨格が炭素原子と酸素原子とからなり、環骨格の一部として−O−C(=O)−O−で表されるカーボネート結合を有し、フッ素原子を有さない環状の化合物を意味する。
「飽和鎖状カーボネート化合物」とは、カーボネート結合を含む環構造を有さず、カーボネート結合を有し、炭素−炭素二重結合および炭素−炭素三重結合を有さない鎖状の化合物を意味する。
「フッ素化」および「含フッ素」とは、炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されることを意味する。
「フッ素化アルキル基」とは、アルキル基の水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換された基を意味する。一部がフッ素化された基の中には、水素原子およびフッ素原子が存在する。
「フッ素化シクロアルキル基」とは、シクロアルキル基の水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換された基を意味する。一部がフッ素化された基の中には、水素原子およびフッ素原子が存在する。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「非水電解液」とは、水を実質的に含まない電解液であり、仮に水を含んでいたとしてもその水分量が該非水電解液を用いた二次電池に性能劣化が見られない範囲の量である電解液を意味する。非水電解液中に含まれ得る水分量は、非水電解液の総質量に対して500質量ppm以下が好ましく、100質量ppm以下がより好ましく、50質量ppm以下が特に好ましい。水分量の下限値は、0質量ppmである。
「液状組成物」とは、化合物(α)および化合物(β)を含み、必要に応じて化合物(δ)を含んでもよいものを意味する。すなわち、本発明における液状組成物は、化合物(α)および化合物(β)のみからなるか、または、化合物(α)、化合物(β)および化合物(δ)からなるかのいずれかである。
リチウム塩、化合物(α)、化合物(β)および化合物(δ)以外の他の化合物(他の溶媒、添加剤等)は、「他の成分」と定義され、リチウム塩および液状組成物とは区別される。
すなわち、本発明における電解液は、リチウム塩、化合物(α)、化合物(β)を含み、化合物(δ)および他の化合物を含んでいてもよい。
「含フッ素エーテル化合物」とは、エーテル結合を有し、フッ素原子を有する鎖状または環状の化合物を意味する。
「環状カルボン酸エステル化合物」とは、環骨格の一部としてエステル結合を有する環状の化合物を意味する。
「フッ素原子を有しない環状カーボネート化合物」とは、環骨格が炭素原子と酸素原子とからなり、環骨格の一部として−O−C(=O)−O−で表されるカーボネート結合を有し、フッ素原子を有さない環状の化合物を意味する。
「飽和鎖状カーボネート化合物」とは、カーボネート結合を含む環構造を有さず、カーボネート結合を有し、炭素−炭素二重結合および炭素−炭素三重結合を有さない鎖状の化合物を意味する。
「フッ素化」および「含フッ素」とは、炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されることを意味する。
「フッ素化アルキル基」とは、アルキル基の水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換された基を意味する。一部がフッ素化された基の中には、水素原子およびフッ素原子が存在する。
「フッ素化シクロアルキル基」とは、シクロアルキル基の水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換された基を意味する。一部がフッ素化された基の中には、水素原子およびフッ素原子が存在する。
<二次電池用非水電解液>
本発明の二次電池用非水電解液(以下、単に非水電解液とも記す。)は、リチウム塩と液状組成物を含み、必要に応じて他の成分を含む。
本発明の二次電池用非水電解液(以下、単に非水電解液とも記す。)は、リチウム塩と液状組成物を含み、必要に応じて他の成分を含む。
非水電解液の25℃におけるイオン伝導度の下限値は、0.4S/mであることが好ましい。25℃におけるイオン伝導度が0.4S/m未満である非水電解液を用いた二次電池は、出力特性が悪く、実用性に乏しい。非水電解液の25℃におけるイオン伝導度が0.4S/m以上であれば、二次電池は出力特性が良好となる。
[リチウム塩]
リチウム塩は、非水電解液中で解離してリチウムイオンを供給する電解質である。
リチウム塩としては、下記化合物(6)(ただし、kは1〜3の整数である。)、下記化合物(7)(ただし、R22およびR23はそれぞれ独立に炭素数1〜10のフッ素化アルキル基、炭素数3〜10のフッ素化シクロアルキル基、または、エーテル性酸素原子を有する炭素数2〜10のフッ素化アルキル基である。)、LiPF6、FSO2N(Li)SO2F、LiClO4、下記化合物(A)、下記化合物(B)、下記化合物(C)、下記化合物(D)、LiBF4等が挙げられる。
リチウム塩は、非水電解液中で解離してリチウムイオンを供給する電解質である。
リチウム塩としては、下記化合物(6)(ただし、kは1〜3の整数である。)、下記化合物(7)(ただし、R22およびR23はそれぞれ独立に炭素数1〜10のフッ素化アルキル基、炭素数3〜10のフッ素化シクロアルキル基、または、エーテル性酸素原子を有する炭素数2〜10のフッ素化アルキル基である。)、LiPF6、FSO2N(Li)SO2F、LiClO4、下記化合物(A)、下記化合物(B)、下記化合物(C)、下記化合物(D)、LiBF4等が挙げられる。
本発明の非水電解液は、2種以上のリチウム塩を含む。
また、本発明の非水電解液は、リチウム塩として、化合物(6)および化合物(7)からなる群から選ばれる少なくとも1種の含フッ素スルホンイミド塩(γ)(以下、単にイミド塩(γ)とも記す。)を含む。
また、本発明の非水電解液は、リチウム塩として、化合物(6)および化合物(7)からなる群から選ばれる少なくとも1種の含フッ素スルホンイミド塩(γ)(以下、単にイミド塩(γ)とも記す。)を含む。
本発明の非水電解液は、2種以上のリチウム塩を用い、さらにリチウム塩として少なくともイミド塩(γ)を選択して化合物(α)および化合物(β)と組み合わせているため、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を得ることができる。これは、以下のように考えられる。
具体的には、イミド塩(γ)は、二次電池の充電時に電極上で分解し、電極表面に界面抵抗の小さいリチウムイオン導電性被膜を形成し、その結果、充放電がスムーズに行われると考えられる。また、イミド塩(γ)は化合物(A)等の他のリチウム塩に比べて耐酸化性に優れ、高い電位での使用でも過度な分解が起きにくく、また化合物(α)と組み合わせていることで前記リチウムイオン導電性被膜が溶解しにくいと考えられる。さらに、誘電率が高くリチウム塩の溶解性に優れ、高電圧における特性に優れた化合物(β)が組み合わされていることで、化合物(α)、化合物(β)およびイミド塩(γ)の効果が効率良く発現し、優れたサイクル特性が得られると考えられる。
具体的には、イミド塩(γ)は、二次電池の充電時に電極上で分解し、電極表面に界面抵抗の小さいリチウムイオン導電性被膜を形成し、その結果、充放電がスムーズに行われると考えられる。また、イミド塩(γ)は化合物(A)等の他のリチウム塩に比べて耐酸化性に優れ、高い電位での使用でも過度な分解が起きにくく、また化合物(α)と組み合わせていることで前記リチウムイオン導電性被膜が溶解しにくいと考えられる。さらに、誘電率が高くリチウム塩の溶解性に優れ、高電圧における特性に優れた化合物(β)が組み合わされていることで、化合物(α)、化合物(β)およびイミド塩(γ)の効果が効率良く発現し、優れたサイクル特性が得られると考えられる。
化合物(6)としては、たとえば、下記化合物(6−1)〜化合物(6−3)が挙げられる。サイクル特性およびイオン伝導度の点から、化合物(6)としては、kが2の化合物(6−2)を含むことが好ましく、化合物(6−2)のみであることがより好ましい。
化合物(7)におけるフッ素化アルキル基、エーテル性酸素原子を有するフッ素化アルキル基としては、それぞれ直鎖構造、分岐構造、または部分的に環状構造を有する基(例えば、フッ素化シクロアルキルアルキル基)が挙げられる。
化合物(7)がフッ素化アルキル基を有する場合、該フッ素化アルキル基の炭素数は、1〜5が好ましく、1〜4がより好ましい。これにより、高い溶解性を有しつつ、分子量が高くなりすぎず、サイクル特性が向上する効果を発現するのに充分なモル濃度で添加してもイオン伝導度等その他の特性に与える影響が少なくなる。また、該フッ素化アルキル基は、1つ以上の炭素−水素結合を有することが好ましく、より高い溶解性と被膜形成が期待できる。
化合物(7)がフッ素化アルキル基を有する場合、該フッ素化アルキル基の炭素数は、1〜5が好ましく、1〜4がより好ましい。これにより、高い溶解性を有しつつ、分子量が高くなりすぎず、サイクル特性が向上する効果を発現するのに充分なモル濃度で添加してもイオン伝導度等その他の特性に与える影響が少なくなる。また、該フッ素化アルキル基は、1つ以上の炭素−水素結合を有することが好ましく、より高い溶解性と被膜形成が期待できる。
化合物(7)がエーテル性酸素原子を有するフッ素化アルキル基を有する場合、該フッ素化アルキル基の炭素数は、2〜5が好ましく、2〜3がより好ましい。これにより、高い溶解性を有しつつ、分子量が高くなりすぎず、サイクル特性が向上する効果を発現するのに充分なモル濃度で添加してもイオン伝導度等その他の特性に与える影響が少なくなる。
化合物(7)がエーテル性酸素原子を有するフッ素化アルキル基を有する場合、化合物(7)中のエーテル性酸素原子の数は、難燃性に優れ、分子量が高くなりすぎない点から、1〜3が好ましく、1〜2がより好ましく、1がさらに好ましい。
化合物(7)がエーテル性酸素原子を有するフッ素化アルキル基を有する場合、化合物(7)中のエーテル性酸素原子の数は、難燃性に優れ、分子量が高くなりすぎない点から、1〜3が好ましく、1〜2がより好ましく、1がさらに好ましい。
化合物(7)がフッ素化シクロアルキル基を有する場合、該フッ素化シクロアルキル基の炭素数は、溶解性が充分に高く、合成しやすい点から、3〜8が好ましく、5〜6がより好ましい。
化合物(7)としては、サイクル特性の点から、下記化合物(7A)(ただし、R24およびR25はそれぞれ独立に炭素数1〜9のフッ素化アルキル基、炭素数3〜9のフッ素化シクロアルキル基、または、エーテル性酸素原子を有する炭素数2〜9のフッ素化アルキル基である。)が好ましく、対称性があり、合成しやすい点から、R24およびR25が、いずれも炭素数1〜9のフッ素化アルキル基である化合物(7A−1)がより好ましい。
該フッ素化アルキル基の炭素数は、多すぎると化合物(7A−1)の溶解性低くなり、また、化合物(7A−1)を加えた電解液が高粘度化しやすい点から、1〜4がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、合成しやすい点から、1が最も好ましい。
該フッ素化アルキル基の炭素数は、多すぎると化合物(7A−1)の溶解性低くなり、また、化合物(7A−1)を加えた電解液が高粘度化しやすい点から、1〜4がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、合成しやすい点から、1が最も好ましい。
化合物(7A−1)としては、たとえば、下記化合物(7A−11)、下記化合物(7A−12)、下記化合物(7A−13)、下記化合物(7A−14)等が挙げられる。
溶解性に優れ、分子量が高くなりすぎない点から、化合物(7)としては、化合物(7A−11)を含むことが好ましく、化合物(7A−11)のみであることがより好ましい。
溶解性に優れ、分子量が高くなりすぎない点から、化合物(7)としては、化合物(7A−11)を含むことが好ましく、化合物(7A−11)のみであることがより好ましい。
本発明の非水電解液は、イミド塩(γ)に加えて、LiPF6をさらに含むことが好ましい。イミド塩(γ)とLiPF6を組み合わせて用いることで、高いイオン伝導度と優れたサイクル特性を両立するリチウムイオン二次電池が得られやすい。
[液状組成物]
液状組成物は、化合物(α)と化合物(β)とを含む。また、必要に応じて化合物(δ)を含んでもよい。
すなわち、本発明における液状組成物は、化合物(α)および化合物(β)のみからなるか、または、化合物物(α)、化合物(β)および化合物(δ)からなるかのいずれかである。
液状組成物は、化合物(α)と化合物(β)とを含む。また、必要に応じて化合物(δ)を含んでもよい。
すなわち、本発明における液状組成物は、化合物(α)および化合物(β)のみからなるか、または、化合物物(α)、化合物(β)および化合物(δ)からなるかのいずれかである。
(化合物(α))
化合物(α)は、下記化合物(1)および下記化合物(2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の含フッ素エーテル化合物である。本発明の非水電解液では、化合物(α)をイミド塩(γ)および化合物(β)と組み合わせているため、優れたサイクル特性が得られる。また、本発明の非水電解液では、化合物(α)を含むことで、リチウム塩の溶解性が高く、耐電圧特性および難燃性に優れ、イオン伝導度が高い。
化合物(α)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。化合物(α)が2種以上の場合、その比率は任意に決めることができる。
化合物(α)は、下記化合物(1)および下記化合物(2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の含フッ素エーテル化合物である。本発明の非水電解液では、化合物(α)をイミド塩(γ)および化合物(β)と組み合わせているため、優れたサイクル特性が得られる。また、本発明の非水電解液では、化合物(α)を含むことで、リチウム塩の溶解性が高く、耐電圧特性および難燃性に優れ、イオン伝導度が高い。
化合物(α)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。化合物(α)が2種以上の場合、その比率は任意に決めることができる。
ただし、式中、R1およびR2はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜10のフッ素化アルキル基、炭素数3〜10のフッ素化シクロアルキル基、エーテル性酸素原子を有する炭素数2〜10のアルキル基、または、エーテル性酸素原子を有する炭素数2〜10のフッ素化アルキル基であり、R1およびR2の一方または両方は、炭素数1〜10のフッ素化アルキル基、炭素数3〜10のフッ素化シクロアルキル基、またはエーテル性酸素原子を有する炭素数2〜10のフッ素化アルキル基である。
Xは炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数1〜5のフッ素化アルキレン基、エーテル性酸素原子を有する炭素数2〜5のアルキレン基、またはエーテル性酸素原子を有する炭素数2〜5のフッ素化アルキレン基である。
Xは炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数1〜5のフッ素化アルキレン基、エーテル性酸素原子を有する炭素数2〜5のアルキレン基、またはエーテル性酸素原子を有する炭素数2〜5のフッ素化アルキレン基である。
化合物(α)としては、サイクル特性に優れる点、リチウム塩の溶解性、耐電圧特性、難燃性、非水電解液のイオン伝導度が高くなる点から、化合物(1)が好ましい。
本発明の非水電解液が化合物(1)を含む場合、化合物(1)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の非水電解液が化合物(2)を含む場合、化合物(2)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の非水電解液が化合物(1)を含む場合、化合物(1)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の非水電解液が化合物(2)を含む場合、化合物(2)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
化合物(1):
化合物(1)におけるアルキル基、およびエーテル性酸素原子を有するアルキル基としては、それぞれ、直鎖構造、分岐構造、または部分的に環状構造を有する基(例えば、シクロアルキルアルキル基)が挙げられる。
R1およびR2の一方または両方は、炭素数1〜10のフッ素化アルキル基、炭素数3〜10のフッ素化シクロアルキル基、または1個以上のエーテル性酸素原子を有する炭素数2〜10のフッ素化アルキル基である。R1およびR2の一方または両方がこれらの基であると、リチウム塩の非水電解液への溶解性および難燃性がさらに向上する。R1およびR2は同じであってもよく、異なっていてもよい。
化合物(1)におけるアルキル基、およびエーテル性酸素原子を有するアルキル基としては、それぞれ、直鎖構造、分岐構造、または部分的に環状構造を有する基(例えば、シクロアルキルアルキル基)が挙げられる。
R1およびR2の一方または両方は、炭素数1〜10のフッ素化アルキル基、炭素数3〜10のフッ素化シクロアルキル基、または1個以上のエーテル性酸素原子を有する炭素数2〜10のフッ素化アルキル基である。R1およびR2の一方または両方がこれらの基であると、リチウム塩の非水電解液への溶解性および難燃性がさらに向上する。R1およびR2は同じであってもよく、異なっていてもよい。
化合物(1)としては、リチウム塩の液状組成物への溶解度に優れる点から、R1およびR2がいずれも炭素数1〜10のフッ素化アルキル基である化合物(1−A)と、R1が1個以上のエーテル性酸素原子を有する炭素数2〜10のフッ素化アルキル基であり、R2が炭素数1〜10のフッ素化アルキル基である化合物(1−B)と、R1が炭素数1〜10のフッ素化アルキル基であり、R2が炭素数1〜10のアルキル基である化合物(1−C)が好ましく、化合物(1−A)および化合物(1−C)がより好ましく、化合物(1−A)が特に好ましい。
化合物(1)の総炭素数は、少なすぎると沸点が低すぎ、多すぎると高粘度化する点から、4〜10が好ましく、4〜8がより好ましい。
化合物(1)の分子量は、小さすぎると沸点が低すぎ、大きすぎると高粘度化する点から、150〜800が好ましく、150〜500がより好ましく、200〜500が特に好ましい。
化合物(1)がエーテル性酸素原子を有する場合、化合物(1)中のエーテル性酸素原子数は、1〜4が好ましく、1または2がより好ましく、1がさらに好ましい。化合物(1)中のエーテル性酸素原子数は、可燃性に影響する。
化合物(1)中のフッ素含有量は、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましい。化合物(1)中のフッ素含有量が高いと、難燃性に優れる。フッ素含有量は、分子量に占めるフッ素原子の総質量の割合である。
化合物(1)の分子量は、小さすぎると沸点が低すぎ、大きすぎると高粘度化する点から、150〜800が好ましく、150〜500がより好ましく、200〜500が特に好ましい。
化合物(1)がエーテル性酸素原子を有する場合、化合物(1)中のエーテル性酸素原子数は、1〜4が好ましく、1または2がより好ましく、1がさらに好ましい。化合物(1)中のエーテル性酸素原子数は、可燃性に影響する。
化合物(1)中のフッ素含有量は、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましい。化合物(1)中のフッ素含有量が高いと、難燃性に優れる。フッ素含有量は、分子量に占めるフッ素原子の総質量の割合である。
化合物(1)としては、リチウム塩の液状組成物に対する溶解度に優れる点から、R1およびR2の両方が、アルキル基の水素原子の一部がフッ素化されたアルキル基である化合物が好ましく、R1およびR2の一方または両方の末端が−CF2Hである化合物がより好ましい。
化合物(1−A)および化合物(1−B)の具体例、ならびに化合物(1−A)および化合物(1−B)以外の含フッ素エーテル化合物の具体例としては、たとえば、国際公開第2009/133899号に記載の化合物等が挙げられる。
化合物(1)としては、サイクル特性に優れ、またリチウム塩の液状組成物への溶解度に優れ、耐電圧特性が高く、難燃性に優れ、粘度が低く、沸点が低すぎないことから、CF3CH2OCF2CHF2、CF3CH2OCF2CHFCF3、CHF2CF2CH2OCF2CHF2、CH3CH2CH2CH2OCF2CHF2、CH3CH2CH2OCF2CHF2、CH3CH2OCF2CHF2、およびCHF2CF2CH2OCF2CHFCF3からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、CF3CH2OCF2CHF2、CHF2CF2CH2OCF2CHF2およびCHF2CF2CH2OCF2CHFCF3からなる群から選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
化合物(2):
化合物(2)において、Xは直鎖構造であっても分岐構造であってもよい。Xとしては、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜4のアルキレン基がより好ましい。該アルキレン基は、直鎖構造または分岐構造が好ましい。Xにおけるアルキレン基が分岐構造を有する場合には、側鎖は炭素数1〜3のアルキル基またはエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。
化合物(2)において、Xは直鎖構造であっても分岐構造であってもよい。Xとしては、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜4のアルキレン基がより好ましい。該アルキレン基は、直鎖構造または分岐構造が好ましい。Xにおけるアルキレン基が分岐構造を有する場合には、側鎖は炭素数1〜3のアルキル基またはエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。
化合物(2)としては、式(2)において、Xが−CH2−、−CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、および−CH2CH2CH2−からなる群から選ばれる1種である化合物が好ましく、Xが−CH2CH2−である化合物、およびXが−CH(CH3)CH2−である化合物の少なくとも一方がより好ましく、Xが−CH2CH2−である化合物、またはXが−CH(CH3)CH2−である化合物のいずれか1種であることがさらに好ましい。
(化合物(β))
化合物(β)は、下記化合物(3)、下記化合物(4)および下記化合物(5)からなる群から選ばれる少なくとも1種である。化合物(β)がイミド塩(γ)および化合物(α)と組み合わされていることで、優れたサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池が得られる非水電解液となる。
化合物(3)〜(5)は、いずれも誘電率が高く、リチウム塩の溶解性に優れており、高い電圧での使用性にも優れている。そのため、化合物(α)にイミド塩(γ)を含む2種以上のリチウム塩を良好に溶解させることができ、高電位での使用でも優れたサイクル特性を示すリチウムイオン二次電池とすることができる。
化合物(β)は、下記化合物(3)、下記化合物(4)および下記化合物(5)からなる群から選ばれる少なくとも1種である。化合物(β)がイミド塩(γ)および化合物(α)と組み合わされていることで、優れたサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池が得られる非水電解液となる。
化合物(3)〜(5)は、いずれも誘電率が高く、リチウム塩の溶解性に優れており、高い電圧での使用性にも優れている。そのため、化合物(α)にイミド塩(γ)を含む2種以上のリチウム塩を良好に溶解させることができ、高電位での使用でも優れたサイクル特性を示すリチウムイオン二次電池とすることができる。
ただし、R3〜R5はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、フッ素原子または水素原子である。
R6〜R13はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、またはメチル基である。
nは0または1である。
R14〜R21はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、またはメチル基である。
mは0〜3の整数である。
R6〜R13はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、またはメチル基である。
nは0または1である。
R14〜R21はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、またはメチル基である。
mは0〜3の整数である。
化合物(3):
化合物(3)は、含フッ素環状カーボネート化合物である。本発明の非水電解液が、イミド塩(γ)および化合物(α)とともに化合物(3)を含有すれば、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を与える非水電解液となる。
化合物(3)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
化合物(3)は、含フッ素環状カーボネート化合物である。本発明の非水電解液が、イミド塩(γ)および化合物(α)とともに化合物(3)を含有すれば、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を与える非水電解液となる。
化合物(3)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
化合物(3)のR3〜R5は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
R3〜R5としては、耐電圧特性に優れ、粘度が高くなりすぎない点から、水素原子、フッ素原子が好ましく、R3およびR4が水素原子で、R5が水素原子またはフッ素原子であることがより好ましい。
R3〜R5としては、耐電圧特性に優れ、粘度が高くなりすぎない点から、水素原子、フッ素原子が好ましく、R3およびR4が水素原子で、R5が水素原子またはフッ素原子であることがより好ましい。
化合物(3)としては、たとえば、下記化合物(3−1)〜化合物(3−3)が挙げられる。なかでも、サイクル特性の点から、下記化合物(3−1)または下記化合物(3−2)が好ましい。
化合物(4):
化合物(4)は、スルトン化合物である。本発明の非水電解液が、イミド塩(γ)および化合物(α)とともに化合物(4)を含有すれば、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を与える非水電解液となる。また、本発明の非水電解液が化合物(4)を含有すれば、高電圧高温保存特性に優れたリチウムイオン二次電池が得られやすくなる。
化合物(4)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
化合物(4)は、スルトン化合物である。本発明の非水電解液が、イミド塩(γ)および化合物(α)とともに化合物(4)を含有すれば、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を与える非水電解液となる。また、本発明の非水電解液が化合物(4)を含有すれば、高電圧高温保存特性に優れたリチウムイオン二次電池が得られやすくなる。
化合物(4)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
化合物(4)におけるR6〜R13は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
R6〜R13としては、水素原子またはメチル基が好ましく、R6〜R12が水素原子であり、R13が水素原子またはメチル基であることがより好ましい。
nは0が好ましい。
R6〜R13としては、水素原子またはメチル基が好ましく、R6〜R12が水素原子であり、R13が水素原子またはメチル基であることがより好ましい。
nは0が好ましい。
化合物(4)としては、たとえば、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、2,4−ブタンスルトン等が挙げられる。なかでも、サイクル特性、高電圧高温保存特性の点から、1,3−プロパンスルトン、2,4−ブタンスルトンが好ましい。
化合物(5):
化合物(5)は、環状カルボン酸エステル化合物である。本発明の非水電解液が、イミド塩(γ)および化合物(α)とともに化合物(5)を含有すれば、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を与える非水電解液となる。
また、本発明の非水電解液が化合物(5)を含有すれば、化合物(α)にリチウム塩が均一に溶解しやすくなる。また、非水電解液が正極および負極と反応し難くなり、その結果、リチウムイオン二次電池において熱暴走が起き難くなる。特に、他のリチウム塩に比べて熱分解しやすいLiPF6を含む場合であっても、化合物(5)を含有させることで熱暴走を抑制することが容易になる。
化合物(5)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
化合物(5)は、環状カルボン酸エステル化合物である。本発明の非水電解液が、イミド塩(γ)および化合物(α)とともに化合物(5)を含有すれば、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を与える非水電解液となる。
また、本発明の非水電解液が化合物(5)を含有すれば、化合物(α)にリチウム塩が均一に溶解しやすくなる。また、非水電解液が正極および負極と反応し難くなり、その結果、リチウムイオン二次電池において熱暴走が起き難くなる。特に、他のリチウム塩に比べて熱分解しやすいLiPF6を含む場合であっても、化合物(5)を含有させることで熱暴走を抑制することが容易になる。
化合物(5)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
化合物(5)におけるR14〜R21は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
R14〜R21としては、サイクル特性、酸化還元反応への安定性、粘度および化合物の入手性の点から、水素原子、メチル基、エチル基、フッ素原子が好ましく、水素原子、メチル基、エチル基がより好ましい。また、化合物(5)は、R15〜R21が水素原子であり、R14が水素原子またはメチル基であることがさらに好ましい。
mは、粘度および化合物の入手性の点から、1〜3が好ましく、1がより好ましい。
R14〜R21としては、サイクル特性、酸化還元反応への安定性、粘度および化合物の入手性の点から、水素原子、メチル基、エチル基、フッ素原子が好ましく、水素原子、メチル基、エチル基がより好ましい。また、化合物(5)は、R15〜R21が水素原子であり、R14が水素原子またはメチル基であることがさらに好ましい。
mは、粘度および化合物の入手性の点から、1〜3が好ましく、1がより好ましい。
化合物(5)としては、たとえば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ヘキサノラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物、および該環状エステル化合物の環を形成する炭素原子に結合する水素原子の1個以上が、フッ素原子またはメチル基に置換された化合物が挙げられる。化合物(5)としては、サイクル特性に優れる点、入手容易な点、および熱暴走の抑制効果が高い点から、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンおよびε−カプロラクトンからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、γ−ブチロラクトンがより好ましい。
(化合物(δ)
本発明の非水電解液は、リチウム塩の溶解性およびイオン伝導度の点から、フッ素原子を有しない環状カーボネート化合物(以下、非フッ素系環状カーボネート化合物と記す。)および飽和鎖状カーボネート化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(δ)を含んでいることが好ましい。
非フッ素系環状カーボネート化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。飽和鎖状カーボネート化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の非水電解液は、リチウム塩の溶解性およびイオン伝導度の点から、フッ素原子を有しない環状カーボネート化合物(以下、非フッ素系環状カーボネート化合物と記す。)および飽和鎖状カーボネート化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(δ)を含んでいることが好ましい。
非フッ素系環状カーボネート化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。飽和鎖状カーボネート化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
非フッ素系環状カーボネート化合物としては、たとえば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、エリスリタンカーボネート、スピロ−ビス−ジメチレンカーボネート等が挙げられる。
飽和鎖状カーボネート化合物としては、たとえば、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート、ビス(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)カーボネート等が挙げられる。
飽和鎖状カーボネート化合物としては、たとえば、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート、ビス(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)カーボネート等が挙げられる。
化合物(δ)としては、リチウム塩の溶解性およびイオン伝導度の点から、EC、PC、VC、VEC、DMC、EMCおよびDECからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
また、液状組成物は、DMC、EMC、DEC等のフッ素原子を有しない飽和鎖状カーボネート化合物(以下、非フッ素系飽和鎖状カーボネート化合物と記す。)を含むことが好ましい。非フッ素系飽和鎖状カーボネート化合物を含むと、非水電解液の粘度を下げることができ、非水電解液のイオン伝導度を高くしやすい。
また、液状組成物は、DMC、EMC、DEC等のフッ素原子を有しない飽和鎖状カーボネート化合物(以下、非フッ素系飽和鎖状カーボネート化合物と記す。)を含むことが好ましい。非フッ素系飽和鎖状カーボネート化合物を含むと、非水電解液の粘度を下げることができ、非水電解液のイオン伝導度を高くしやすい。
[他の成分]
本発明の非水電解液は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、リチウム塩、化合物(α)、化合物(β)および化合物(δ)以外の他の化合物(他の溶媒、添加剤等)を含んでいてもよい。
本発明の非水電解液は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、リチウム塩、化合物(α)、化合物(β)および化合物(δ)以外の他の化合物(他の溶媒、添加剤等)を含んでいてもよい。
(他の溶媒)
本発明の非水電解液は、化合物(α)、化合物(β)および化合物(δ)以外の他の溶媒を含んでもよい。
本発明の非水電解液は、化合物(α)、化合物(β)および化合物(δ)以外の他の溶媒を含んでもよい。
(添加剤)
非水電解液には、非水電解液の機能を向上させるために、必要に応じて従来公知の添加剤を含ませてもよい。添加剤としては、たとえば、過充電防止剤、脱水剤、脱酸剤、特性改善助剤、界面活性剤等が挙げられる。
非水電解液には、非水電解液の機能を向上させるために、必要に応じて従来公知の添加剤を含ませてもよい。添加剤としては、たとえば、過充電防止剤、脱水剤、脱酸剤、特性改善助剤、界面活性剤等が挙げられる。
過充電防止剤:
過充電防止剤としては、たとえば、芳香族化合物(ビフェニル、アルキルビフェニル、ターフェニル、ターフェニルの部分水素化体、シクロヘキシルベンゼン、t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン、ジフェニルエーテル、ジベンゾフラン等)、芳香族化合物の部分フッ素化物(2−フルオロビフェニル、o−シクロヘキシルフルオロベンゼン、p−シクロヘキシルフルオロベンゼン等)、含フッ素アニソール化合物(2,4−ジフルオロアニソール、2,5−ジフルオロアニソール、2,6−ジフルオロアニオール等)が挙げられる。過充電防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
過充電防止剤としては、たとえば、芳香族化合物(ビフェニル、アルキルビフェニル、ターフェニル、ターフェニルの部分水素化体、シクロヘキシルベンゼン、t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン、ジフェニルエーテル、ジベンゾフラン等)、芳香族化合物の部分フッ素化物(2−フルオロビフェニル、o−シクロヘキシルフルオロベンゼン、p−シクロヘキシルフルオロベンゼン等)、含フッ素アニソール化合物(2,4−ジフルオロアニソール、2,5−ジフルオロアニソール、2,6−ジフルオロアニオール等)が挙げられる。過充電防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
脱水剤:
脱水剤としては、たとえば、モレキュラーシーブス、芒硝、硫酸マグネシウム、水素化カルシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウムアルミニウム等が挙げられる。非水電解液に用いる液状組成物や他の溶媒としては、脱水剤で脱水を行った後に精留を行ったものが好ましい。また、精留を行わずに前記脱水剤による脱水のみを行ったものであってもよい。脱水剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
脱水剤としては、たとえば、モレキュラーシーブス、芒硝、硫酸マグネシウム、水素化カルシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウムアルミニウム等が挙げられる。非水電解液に用いる液状組成物や他の溶媒としては、脱水剤で脱水を行った後に精留を行ったものが好ましい。また、精留を行わずに前記脱水剤による脱水のみを行ったものであってもよい。脱水剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
特性改善助剤:
特性改善助剤は、高温保存後の容量維持特性やサイクル特性を改善するためのものである。特性改善助剤としては、たとえば、含硫黄化合物(エチレンサルファイト、メタンスルホン酸メチル、ブスルファン、スルホレン、ジメチルスルホン、ジフェニルスルホン、メチルフェニルスルホン、ジブチルジスルフィド、ジシクロヘキシルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、N,N−ジメチルメタンスルホンアミド、N,N−ジエチルメタンスルホンアミド等)、炭化水素化合物(ヘプタン、オクタン、シクロヘプタン等)、含フッ素芳香族化合物(フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン等)が挙げられる。特性改善助剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
特性改善助剤は、高温保存後の容量維持特性やサイクル特性を改善するためのものである。特性改善助剤としては、たとえば、含硫黄化合物(エチレンサルファイト、メタンスルホン酸メチル、ブスルファン、スルホレン、ジメチルスルホン、ジフェニルスルホン、メチルフェニルスルホン、ジブチルジスルフィド、ジシクロヘキシルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、N,N−ジメチルメタンスルホンアミド、N,N−ジエチルメタンスルホンアミド等)、炭化水素化合物(ヘプタン、オクタン、シクロヘプタン等)、含フッ素芳香族化合物(フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン等)が挙げられる。特性改善助剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤:
界面活性剤は、電極合材やセパレータへの非水電解液の含浸を助けるものである。界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれでもよく、入手が容易で界面活性効果が高い点から、アニオン性界面活性剤が好ましい。界面活性剤としては、耐酸化性が高く、サイクル特性、レート特性が良好な点から、含フッ素界面活性剤が好ましい。界面活性剤は1種のみでもよく、2種以上であってもよい。
界面活性剤は、電極合材やセパレータへの非水電解液の含浸を助けるものである。界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれでもよく、入手が容易で界面活性効果が高い点から、アニオン性界面活性剤が好ましい。界面活性剤としては、耐酸化性が高く、サイクル特性、レート特性が良好な点から、含フッ素界面活性剤が好ましい。界面活性剤は1種のみでもよく、2種以上であってもよい。
[各成分の割合]
(リチウム塩の割合)
非水電解液中のリチウム塩の含有量の上限値は、特に限定されないが、3.0mol/Lが好ましく、2.0mol/Lがより好ましく、1.4mol/Lがさらに好ましい。非水電解液中のリチウム塩の含有量の下限値は、特に限定されないが、0.1mol/Lが好ましく、0.5mol/Lがより好ましく、0.8mol/Lがさらに好ましい。
質量基準に換算すると、非水電解液の総質量に対するリチウム塩の質量の割合は、1〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましく、8〜15質量%がさらに好ましい。
リチウム塩の割合が前記下限値以上であれば、非水電解液のイオン伝導度が高くなる。リチウム塩の割合が前記上限値以下であれば、リチウム塩が液状組成物に均一に溶解しやすく、また低温条件でもリチウム塩が析出しない。また、リチウムイオンが非水電解液中に拡散しやすくなり、リチウムイオン拡散係数が大きくなる。
(リチウム塩の割合)
非水電解液中のリチウム塩の含有量の上限値は、特に限定されないが、3.0mol/Lが好ましく、2.0mol/Lがより好ましく、1.4mol/Lがさらに好ましい。非水電解液中のリチウム塩の含有量の下限値は、特に限定されないが、0.1mol/Lが好ましく、0.5mol/Lがより好ましく、0.8mol/Lがさらに好ましい。
質量基準に換算すると、非水電解液の総質量に対するリチウム塩の質量の割合は、1〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましく、8〜15質量%がさらに好ましい。
リチウム塩の割合が前記下限値以上であれば、非水電解液のイオン伝導度が高くなる。リチウム塩の割合が前記上限値以下であれば、リチウム塩が液状組成物に均一に溶解しやすく、また低温条件でもリチウム塩が析出しない。また、リチウムイオンが非水電解液中に拡散しやすくなり、リチウムイオン拡散係数が大きくなる。
本発明の非水電解液の総質量に対するイミド塩(γ)の質量の割合は、0.001〜10質量%が好ましく、0.05〜8質量%がより好ましく、0.1〜5質量%がさらに好ましい。イミド塩(γ)の割合が前記下限値以上であれば、優れたサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池が得られやすい。イミド塩(γ)の割合が前記上限値以下であれば、粘度が高くなりすぎず、高いイオン伝導度を保持できる。
本発明の非水電解液は、リチウム塩として、イミド塩(γ)とLiPF6を含むことが好ましい。
本発明の非水電解液がLiPF6を含む場合、非水電解液の総質量に対するLiPF6の質量の割合は、1〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましく、8〜15質量%がさらに好ましい。LiPF6の割合が前記下限値以上であれば、イオン伝導度が高い非水電解液と得られやすい。LiPF6の割合が前記上限値以下であれば、リチウム塩が液状組成物に均一に溶解しやすい。
本発明の非水電解液がLiPF6を含む場合、非水電解液の総質量に対するLiPF6の質量の割合は、1〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましく、8〜15質量%がさらに好ましい。LiPF6の割合が前記下限値以上であれば、イオン伝導度が高い非水電解液と得られやすい。LiPF6の割合が前記上限値以下であれば、リチウム塩が液状組成物に均一に溶解しやすい。
(化合物(α)の割合)
非水電解液の総質量に対する化合物(α)の質量の割合は特に限定されない。非水電解液の総質量に対する化合物(α)の質量の割合の下限値は、5質量%が好ましく、10質量%がより好ましく、15質量%がさらに好ましく、20質量%が特に好ましい。前記化合物(α)の割合の上限値は、80質量%が好ましく、70質量%がより好ましく、60質量%がさらに好ましく、55質量%が特に好ましい。
化合物(α)の割合が前記下限値以上であれば、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池が得られやすい。また非水電解液は、難燃性に優れ、正極反応性および負極反応性が小さく、熱暴走を起こしにくく、耐高電圧特性を有する。化合物(α)の割合が前記上限値以下であれば、リチウム塩が均一に溶解し、また低温下においてリチウム塩が析出しにくい。
非水電解液の総質量に対する化合物(α)の質量の割合は特に限定されない。非水電解液の総質量に対する化合物(α)の質量の割合の下限値は、5質量%が好ましく、10質量%がより好ましく、15質量%がさらに好ましく、20質量%が特に好ましい。前記化合物(α)の割合の上限値は、80質量%が好ましく、70質量%がより好ましく、60質量%がさらに好ましく、55質量%が特に好ましい。
化合物(α)の割合が前記下限値以上であれば、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池が得られやすい。また非水電解液は、難燃性に優れ、正極反応性および負極反応性が小さく、熱暴走を起こしにくく、耐高電圧特性を有する。化合物(α)の割合が前記上限値以下であれば、リチウム塩が均一に溶解し、また低温下においてリチウム塩が析出しにくい。
液状組成物の総質量に対する化合物(α)の質量の割合は、5〜80質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましく、15〜60質量%がさらに好ましく、20〜55質量%が特に好ましい。
化合物(α)の割合が前記下限値以上であれば、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池が得られやすい。また非水電解液は、難燃性に優れ、正極反応性および負極反応性が小さく、熱暴走を起こしにくく、耐高電圧特性を有する。化合物(α)の割合が前記上限値以下であれば、リチウム塩が均一に溶解し、また低温下においてリチウム塩が析出しにくい。
化合物(α)の割合が前記下限値以上であれば、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池が得られやすい。また非水電解液は、難燃性に優れ、正極反応性および負極反応性が小さく、熱暴走を起こしにくく、耐高電圧特性を有する。化合物(α)の割合が前記上限値以下であれば、リチウム塩が均一に溶解し、また低温下においてリチウム塩が析出しにくい。
(化合物(β)の割合)
非水電解液の総質量に対する化合物(β)の質量の割合は特に限定されない。非水電解液の総質量に対する化合物(β)の質量の割合の下限値は、0.1質量%が好ましく、0.5質量%がより好ましく、1質量%がさらに好ましく、2質量%が特に好ましい。前記化合物(β)の割合の上限値は、70質量%が好ましく、65質量%がより好ましく、60質量%がさらに好ましく、55質量%が特に好ましい。
化合物(β)の割合が前記下限値以上であれば、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池が得られやすい。化合物(β)の割合が前記上限値以下であれば、非水電解液の粘度を低く抑えやすく、また難燃性および耐電圧性に優れる。
非水電解液の総質量に対する化合物(β)の質量の割合は特に限定されない。非水電解液の総質量に対する化合物(β)の質量の割合の下限値は、0.1質量%が好ましく、0.5質量%がより好ましく、1質量%がさらに好ましく、2質量%が特に好ましい。前記化合物(β)の割合の上限値は、70質量%が好ましく、65質量%がより好ましく、60質量%がさらに好ましく、55質量%が特に好ましい。
化合物(β)の割合が前記下限値以上であれば、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池が得られやすい。化合物(β)の割合が前記上限値以下であれば、非水電解液の粘度を低く抑えやすく、また難燃性および耐電圧性に優れる。
本発明の非水電解液が化合物(3)を含有する場合、非水電解液の総質量に対する化合物(3)の質量の割合は、0.1〜70質量%が好ましく、0.5〜65質量%がより好ましく、1〜60質量%がさらに好ましく、2〜55質量%が特に好ましい。
化合物(3)の割合が前記下限値以上であれば、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池が得られやすい。化合物(3)の割合が前記上限値以下であれば、非水電解液は難燃性および耐電圧性に優れる。
化合物(3)の割合が前記下限値以上であれば、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池が得られやすい。化合物(3)の割合が前記上限値以下であれば、非水電解液は難燃性および耐電圧性に優れる。
本発明の非水電解液が化合物(4)を含有する場合、非水電解液の総質量に対する化合物(4)の質量の割合は、1〜35質量%が好ましく、2〜32質量%がより好ましく、5〜30質量%がさらに好ましく、5〜25質量%が特に好ましい。
化合物(4)の割合が前記下限値以上であれば、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池が得られやすい。また、非水電解液は高電圧高温保存特性に優れる。化合物(4)の割合が前記上限値以下であれば、非水電解液の粘度を低く抑えやすく、高いイオン伝導度を確保しやすい。
化合物(4)の割合が前記下限値以上であれば、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池が得られやすい。また、非水電解液は高電圧高温保存特性に優れる。化合物(4)の割合が前記上限値以下であれば、非水電解液の粘度を低く抑えやすく、高いイオン伝導度を確保しやすい。
本発明の非水電解液が化合物(5)を含有する場合、非水電解液の総質量に対する化合物(5)の質量の割合は、4〜50質量%が好ましく、7〜45質量%がより好ましく、10〜40質量%がさらに好ましく、15〜35質量%が特に好ましい。
化合物(5)の割合が前記下限値以上であれば、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池が得られやすい。またリチウム塩を液状組成物に均一に溶解させやすい。化合物(5)の割合が前記上限値以下であれば、非水電解液は難燃性に優れる。
化合物(5)の割合が前記下限値以上であれば、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池が得られやすい。またリチウム塩を液状組成物に均一に溶解させやすい。化合物(5)の割合が前記上限値以下であれば、非水電解液は難燃性に優れる。
本発明の非水電解液が化合物(5)を含有する場合、非水電解液に含まれる、リチウム塩由来のリチウム原子の総モル数NLiに対する化合物(5)の総モル数NAの比率NA/NLiは、特に限定されないが、1.5〜7.0が好ましい。前記NA/NLiの下限値は、2がより好ましく、2.5がさらに好ましく、3が特に好ましい。また、前記NA/NLiの上限値は、6がより好ましく、5がさらに好ましく、4.5が特に好ましく、4.2が最も好ましい。
NA/NLiが前記範囲内であれば、リチウム塩を均一に溶解させて充分なイオン伝導度を得つつ、非水電解液と正極および負極との反応性を小さくでき、リチウムイオン二次電池の熱暴走が起きることを抑制しやすい。
NA/NLiが前記範囲内であれば、リチウム塩を均一に溶解させて充分なイオン伝導度を得つつ、非水電解液と正極および負極との反応性を小さくでき、リチウムイオン二次電池の熱暴走が起きることを抑制しやすい。
(化合物(δ)の割合)
液状組成物が化合物(δ)を含む場合、非水電解液の総質量に対する化合物(δ)の質量の割合は、0.01〜30質量%が好ましく、0.01〜25質量%がより好ましい。
化合物(δ)の割合が前記上限値以下であれば、化合物(α)の含有量を多くすることができるため、難燃性に優れた非水電解液が得られやすい。
液状組成物が化合物(δ)を含む場合、非水電解液の総質量に対する化合物(δ)の質量の割合は、0.01〜30質量%が好ましく、0.01〜25質量%がより好ましい。
化合物(δ)の割合が前記上限値以下であれば、化合物(α)の含有量を多くすることができるため、難燃性に優れた非水電解液が得られやすい。
液状組成物が非フッ素系環状カーボネート化合物を含む場合、非水電解液の総質量に対する非フッ素系環状カーボネート化合物の質量の割合は、0.01〜20質量%が好ましく、0.01〜15質量%がより好ましく、0.01〜10質量%がさらに好ましく、0.01〜5質量%が特に好ましい。
非フッ素系環状カーボネート化合物の割合が前記上限値以下であれば、非水電解液の粘度を低く抑えやすく、難燃性に優れた非水電解液が得られやすい。
非フッ素系環状カーボネート化合物の割合が前記上限値以下であれば、非水電解液の粘度を低く抑えやすく、難燃性に優れた非水電解液が得られやすい。
液状組成物が飽和鎖状カーボネート化合物を含む場合、非水電解液の総質量に対する飽和鎖状カーボネート化合物の質量の割合は、0.01〜30質量%が好ましく、0.01〜27質量%がより好ましく、0.01〜25質量%がさらに好ましく、0.01〜23質量%が特に好ましい。
飽和鎖状カーボネート化合物の割合が前記上限値以下であれば、難燃性に優れた非水電解液が得られやすい。
飽和鎖状カーボネート化合物の割合が前記上限値以下であれば、難燃性に優れた非水電解液が得られやすい。
(他の成分の割合)
非水電解液が他の溶媒を含む場合、非水電解液の総質量に対する他の溶媒と化合物(δ)との合計質量の割合は、0.01〜30質量が好ましく、0.01〜25質量%がより好ましい。他の溶媒と化合物(δ)との合計質量の割合が前記上限値以下であれば、化合物(α)の含有量を多くすることができるため、難燃性に優れた非水電解液が得られやすい。
非水電解液が他の溶媒を含む場合、非水電解液の総質量に対する他の溶媒と化合物(δ)との合計質量の割合は、0.01〜30質量が好ましく、0.01〜25質量%がより好ましい。他の溶媒と化合物(δ)との合計質量の割合が前記上限値以下であれば、化合物(α)の含有量を多くすることができるため、難燃性に優れた非水電解液が得られやすい。
非水電解液が過充電防止剤を含む場合、非水電解液の総質量に対する過充電防止剤の質量の割合は、0.01〜5質量%が好ましい。
過充電防止剤の割合が前記範囲内であれば、過充電による二次電池の破裂および発火を抑制することがさらに容易になり、二次電池をより安定に使用できる。
過充電防止剤の割合が前記範囲内であれば、過充電による二次電池の破裂および発火を抑制することがさらに容易になり、二次電池をより安定に使用できる。
非水電解液が特性改善助剤を含む場合、非水電解液の総質量に対する特性改善助剤の質量の割合は、0.01〜5質量%が好ましい。
非水電解液が界面活性剤を含む場合、非水電解液の総質量に対する界面活性剤の質量の割合は、0.05〜5質量%が好ましく、0.05〜3質量%がより好ましく、0.05〜2質量%がさらに好ましい。
[作用効果]
以上説明した本発明の非水電解液にあっては、化合物(α)を含むため、難燃性である。
また、以上説明した本発明の非水電解液にあっては、2種以上のリチウム塩を用い、さらにリチウム塩としてイミド塩(γ)を選択して化合物(α)および化合物(β)と組み合わせているため、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池が得られる。
以上説明した本発明の非水電解液にあっては、化合物(α)を含むため、難燃性である。
また、以上説明した本発明の非水電解液にあっては、2種以上のリチウム塩を用い、さらにリチウム塩としてイミド塩(γ)を選択して化合物(α)および化合物(β)と組み合わせているため、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池が得られる。
<リチウムイオン二次電池>
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極と、負極と、本発明の非水電解液とを有するものである。
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極と、負極と、本発明の非水電解液とを有するものである。
[正極]
正極としては、正極活物質と導電付与剤と結着剤とを含む正極層が、集電体上に形成されてなる電極が挙げられる。
正極としては、正極活物質と導電付与剤と結着剤とを含む正極層が、集電体上に形成されてなる電極が挙げられる。
(正極活物質)
正極活物質は、リチウムイオンを吸蔵および放出できる材料であればよい。正極活物質としては、公知のリチウムイオン二次電池用の正極活物質を採用でき、たとえば、リチウム含有遷移金属酸化物、1種類以上の遷移金属を用いたリチウム含有遷移金属複合酸化物、遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、金属酸化物、オリビン型金属リチウム塩等が挙げられる。正極活物質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
正極活物質は、リチウムイオンを吸蔵および放出できる材料であればよい。正極活物質としては、公知のリチウムイオン二次電池用の正極活物質を採用でき、たとえば、リチウム含有遷移金属酸化物、1種類以上の遷移金属を用いたリチウム含有遷移金属複合酸化物、遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、金属酸化物、オリビン型金属リチウム塩等が挙げられる。正極活物質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
リチウム含有遷移金属酸化物としては、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物等が挙げられる。
リチウム含有遷移金属複合酸化物に含まれる金属としては、Al、V、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr、Si、Yb等が好ましい。リチウム含有遷移金属複合酸化物としては、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2等)、リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO2等)、リチウムマンガン複合酸化物(LiMnO2、LiMn2O4、Li2MnO3等)、リチウム三元系複合酸化物(Li(NiaCobMnc)O2(ただし、a,b,c≧0、a+b+c=1である。)等)、これらのリチウム遷移金属複合酸化物の主体となる遷移金属原子の一部をAl、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr、Si、Yb等の他の金属で置換したもの等が挙げられる。
リチウム含有遷移金属複合酸化物の具体例としては、下記のものが挙げられる。
LiMn0.5Ni0.5O2、
LiMn1.8Al0.2O4、
LiNi0.85Co0.10Al0.05O2、
LiMn1.5Ni0.5O4、
LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2、
LiMn1.8Al0.2O4等。
リチウム含有遷移金属複合酸化物の具体例としては、下記のものが挙げられる。
LiMn0.5Ni0.5O2、
LiMn1.8Al0.2O4、
LiNi0.85Co0.10Al0.05O2、
LiMn1.5Ni0.5O4、
LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2、
LiMn1.8Al0.2O4等。
遷移金属酸化物としては、TiO2、MnO2、MoO3、V2O5、V6O13等が挙げられる。
遷移金属硫化物としては、TiS2、FeS、MoS2等が挙げられる。
金属酸化物としては、SnO2、SiO2等が挙げられる。
遷移金属硫化物としては、TiS2、FeS、MoS2等が挙げられる。
金属酸化物としては、SnO2、SiO2等が挙げられる。
オリビン型金属リチウム塩は、LiLM3 xM4 yOzFg(ただし、M3はFe(II)、Co(II)、Mn(II)、Ni(II)、V(II)またはCu(II)であり、M4はPまたはSiであり、0≦L≦3、1≦x≦2、1≦y≦3、4≦z≦12、0≦g≦1である。)で表される物質またはこれらの複合体である。
オリビン型金属リチウム塩の具体例としては、下記のものが挙げられる。
LiFePO4、
Li3Fe2(PO4)3、
LiFeP2O7、
LiMnPO4、
LiNiPO4、
LiCoPO4、
Li2FePO4F、
Li2MnPO4F、
Li2NiPO4F、
Li2CoPO4F、
Li2FeSiO4、
Li2MnSiO4、
Li2NiSiO4、
Li2CoSiO4等。
オリビン型金属リチウム塩の具体例としては、下記のものが挙げられる。
LiFePO4、
Li3Fe2(PO4)3、
LiFeP2O7、
LiMnPO4、
LiNiPO4、
LiCoPO4、
Li2FePO4F、
Li2MnPO4F、
Li2NiPO4F、
Li2CoPO4F、
Li2FeSiO4、
Li2MnSiO4、
Li2NiSiO4、
Li2CoSiO4等。
正極活物質の表面に、主体となる正極活物質を構成する物質とは異なる組成の物質が付着したものを用いることもできる。表面付着物質としては、酸化物(酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、酸化アンチモン、酸化ビスマス)、硫酸塩(硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム等)、炭酸塩(炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等)等が挙げられる。
正極活物質に対する表面付着物質の量は、0.1質量ppm以上20質量%以下が好ましく、1質量ppm以上10質量%以下がより好ましく、10質量ppm以上5質量%以下が特に好ましい。表面付着物質によって、正極活物質表面での非水電解液の酸化反応を抑制でき、電池寿命を向上させることができる。
正極活物質に対する表面付着物質の量は、0.1質量ppm以上20質量%以下が好ましく、1質量ppm以上10質量%以下がより好ましく、10質量ppm以上5質量%以下が特に好ましい。表面付着物質によって、正極活物質表面での非水電解液の酸化反応を抑制でき、電池寿命を向上させることができる。
正極活物質としては、放電電圧が高く、かつ電気化学的安定性が高い点から、α−NaCrO2構造を母体とするリチウム含有複合酸化物(LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2等)、スピネル型構造を母体とするリチウム含有複合酸化物(LiMn2O4等)が好ましい。
(導電付与剤)
導電付与剤としては、炭素材料、金属物質(Al等)、導電性酸化物の粉末等が挙げられる。
導電付与剤としては、炭素材料、金属物質(Al等)、導電性酸化物の粉末等が挙げられる。
(結着剤)
結着剤としては、樹脂バインダー(ポリフッ化ビニリデン等)、ゴム系バインダー(炭化水素ゴム、フッ素ゴム等)が挙げられる。
結着剤としては、樹脂バインダー(ポリフッ化ビニリデン等)、ゴム系バインダー(炭化水素ゴム、フッ素ゴム等)が挙げられる。
(集電体)
集電体としては、Al等を主体とする金属薄膜が挙げられる。
集電体としては、Al等を主体とする金属薄膜が挙げられる。
[負極]
負極としては、粉末状の負極活物質と導電付与剤と結着剤とを含む負極層が、集電体上に形成されてなる電極が挙げられる。なお、負極活物質が、それ自体で形状を保てる場合(たとえばリチウム金属薄膜である場合)は、負極活物質のみで負極を形成できる。
負極としては、粉末状の負極活物質と導電付与剤と結着剤とを含む負極層が、集電体上に形成されてなる電極が挙げられる。なお、負極活物質が、それ自体で形状を保てる場合(たとえばリチウム金属薄膜である場合)は、負極活物質のみで負極を形成できる。
(負極活物質)
負極活物質としては、リチウム金属、リチウム合金、ならびにリチウムイオンを吸蔵および放出できる炭素材料からなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。
リチウム合金としては、Li−Al合金、Li−Pb合金、Li−Sn合金等が挙げられる。
炭素材料としては、黒鉛、コークス、ハードカーボン等が挙げられる。
負極活物質としては、リチウム金属、リチウム合金、ならびにリチウムイオンを吸蔵および放出できる炭素材料からなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。
リチウム合金としては、Li−Al合金、Li−Pb合金、Li−Sn合金等が挙げられる。
炭素材料としては、黒鉛、コークス、ハードカーボン等が挙げられる。
(導電付与剤、結着剤)
負極の結着剤および導電付与剤としては、正極と同様のものを用いることができる。
負極の結着剤および導電付与剤としては、正極と同様のものを用いることができる。
(集電体)
集電体としては、Cu等を主体とする金属薄膜が挙げられる。
集電体としては、Cu等を主体とする金属薄膜が挙げられる。
[セパレータ]
正極と負極の間には、短絡を防止するためにセパレータを介在させる。セパレータとしては、たとえば、多孔膜が挙げられる。非水電解液は該多孔膜に含浸させて用いる。また、多孔膜に非水電解液を含浸させてゲル化させたものをゲル電解質として用いてもよい。
正極と負極の間には、短絡を防止するためにセパレータを介在させる。セパレータとしては、たとえば、多孔膜が挙げられる。非水電解液は該多孔膜に含浸させて用いる。また、多孔膜に非水電解液を含浸させてゲル化させたものをゲル電解質として用いてもよい。
多孔膜としては、非水電解液に対して安定であり、かつ保液性に優れるものを用いることができる。多孔膜としては、多孔性シートまたは不織布が好ましい。
多孔膜の材料としては、フッ素樹脂(ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンとテトラフルオロエチレンのコポリマー等)、ポリイミド、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)等が挙げられ、耐酸化性、透気度、入手性等の点から、ポリオレフィンが好ましい。
多孔膜の材料としては、フッ素樹脂(ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンとテトラフルオロエチレンのコポリマー等)、ポリイミド、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)等が挙げられ、耐酸化性、透気度、入手性等の点から、ポリオレフィンが好ましい。
[電池外装体]
電池外装体の材料としては、ニッケルメッキを施した鉄、ステンレス、アルミニウムまたはその合金、ニッケル、チタン、樹脂材料、フィルム材料等が挙げられる。
電池外装体の材料としては、ニッケルメッキを施した鉄、ステンレス、アルミニウムまたはその合金、ニッケル、チタン、樹脂材料、フィルム材料等が挙げられる。
[形状]
リチウムイオン二次電池の形状は、用途に応じて選択すればよく、コイン型、円筒型、角型、ラミネート型等のいずれの形状であってもよい。また、正極および負極の形状は、二次電池の形状に合わせて適宜選択することができる。
リチウムイオン二次電池の形状は、用途に応じて選択すればよく、コイン型、円筒型、角型、ラミネート型等のいずれの形状であってもよい。また、正極および負極の形状は、二次電池の形状に合わせて適宜選択することができる。
[充電電圧]
本発明のリチウムイオン二次電池の充電電圧は、4.0V以上が好ましく、4.2V以上がより好ましく、4.3V以上がさらに好ましい。正極活物質が、リチウム含有遷移金属酸化物、リチウム含有遷移金属複合酸化物、遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、金属酸化物の場合の充電電圧は、4.2V以上が好ましく、4.3V以上がより好ましい。正極活物質がオリビン型金属リチウム塩の場合の充電電圧は、3.2V以上が好ましく、3.4V以上がより好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池の充電電圧は、4.0V以上が好ましく、4.2V以上がより好ましく、4.3V以上がさらに好ましい。正極活物質が、リチウム含有遷移金属酸化物、リチウム含有遷移金属複合酸化物、遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、金属酸化物の場合の充電電圧は、4.2V以上が好ましく、4.3V以上がより好ましい。正極活物質がオリビン型金属リチウム塩の場合の充電電圧は、3.2V以上が好ましく、3.4V以上がより好ましい。
[作用効果]
以上説明した本発明のリチウムイオン二次電池にあっては、本発明の非水電解液を用いているため、サイクル特性に優れる。また、難燃性である本発明の非水電解液を用いているため、安全性を有する。
以上説明した本発明のリチウムイオン二次電池にあっては、本発明の非水電解液を用いているため、サイクル特性に優れる。また、難燃性である本発明の非水電解液を用いているため、安全性を有する。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。例1〜12は実施例、例13〜23は比較例である。
[各種測定方法、評価方法]
(評価用電極の作製)
1.評価用電極(負極)の作製:
人造黒鉛(4.25g)と、導電材であるカーボンブラック(電気化学工業社製、0.15g)を混合し、自転公転式撹拌機(株式会社シンキー社製、あわとり練太郎AR−E310)を用いて回転数2000rpmで1分間撹拌する工程を3回行った。次いで、1質量%のカルボキシメチルセルロース水溶液(4.25g)を添加し、さらに前記撹拌機を用いて回転数2000rpmで5分間撹拌する工程を2回行った。さらに、同じカルボキシメチルセルロース水溶液(4.25g)を添加し、前記撹拌機を用いて回転数2000rpmで10分間撹拌した。その後、固形分濃度を40質量%に調整したスチレン−ブタジエンゴム水性分散ラテックスバインダ(0.13g)を添加し、前記撹拌機を用いて回転数2000rpmで5分間撹拌して電極塗工用スラリーを得た。
厚み20μmの銅箔上に、前記スラリーを150μmの厚みで塗工し、乾燥した後、直径19mmの円形に打ち抜いて評価用電極(負極)とした。
[各種測定方法、評価方法]
(評価用電極の作製)
1.評価用電極(負極)の作製:
人造黒鉛(4.25g)と、導電材であるカーボンブラック(電気化学工業社製、0.15g)を混合し、自転公転式撹拌機(株式会社シンキー社製、あわとり練太郎AR−E310)を用いて回転数2000rpmで1分間撹拌する工程を3回行った。次いで、1質量%のカルボキシメチルセルロース水溶液(4.25g)を添加し、さらに前記撹拌機を用いて回転数2000rpmで5分間撹拌する工程を2回行った。さらに、同じカルボキシメチルセルロース水溶液(4.25g)を添加し、前記撹拌機を用いて回転数2000rpmで10分間撹拌した。その後、固形分濃度を40質量%に調整したスチレン−ブタジエンゴム水性分散ラテックスバインダ(0.13g)を添加し、前記撹拌機を用いて回転数2000rpmで5分間撹拌して電極塗工用スラリーを得た。
厚み20μmの銅箔上に、前記スラリーを150μmの厚みで塗工し、乾燥した後、直径19mmの円形に打ち抜いて評価用電極(負極)とした。
2.評価用電極(正極)の作製:
LiCoO2(AGCセイミケミカル社製、商品名「セリオンC」、32.0g)と、カーボンブラック(電気化学工業社製、商品名「デンカブラック」、0.80g)とを混合し、前記撹拌機を用いて回転数2000rpmで1分間撹拌する工程を3回行った。次いで、N−メチル−2−ピロリドン(7.50g)を加えて前記撹拌機を用いて回転数2000rpmで3分間撹拌する工程を3回行った。次いで、N−メチル−2−ピロリドン(1.0g)を加えて前記撹拌機を用いて回転数2000rpmで3分間撹拌する工程を3回行った。さらに、ポリフッ化ビニリデンのN−メチル−2−ピロリドン溶液(11質量%、7.45g)を加えて前記撹拌機を用いて回転数2000rpmで1分間撹拌し、スラリーとした。該スラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔に150μmの厚みで塗工し、乾燥した後、直径18mmの円形に打ち抜いて評価用電極(正極)とした。
LiCoO2(AGCセイミケミカル社製、商品名「セリオンC」、32.0g)と、カーボンブラック(電気化学工業社製、商品名「デンカブラック」、0.80g)とを混合し、前記撹拌機を用いて回転数2000rpmで1分間撹拌する工程を3回行った。次いで、N−メチル−2−ピロリドン(7.50g)を加えて前記撹拌機を用いて回転数2000rpmで3分間撹拌する工程を3回行った。次いで、N−メチル−2−ピロリドン(1.0g)を加えて前記撹拌機を用いて回転数2000rpmで3分間撹拌する工程を3回行った。さらに、ポリフッ化ビニリデンのN−メチル−2−ピロリドン溶液(11質量%、7.45g)を加えて前記撹拌機を用いて回転数2000rpmで1分間撹拌し、スラリーとした。該スラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔に150μmの厚みで塗工し、乾燥した後、直径18mmの円形に打ち抜いて評価用電極(正極)とした。
(サイクル特性:容量維持率)
前記正極と前記負極の間に、セパレータとしてポリオレフィン系微多孔膜を存在させ、そこに各例で調製した非水電解液を0.5mL添加し、評価用セルを作成した。
評価用セルを25℃に保たれた恒温槽内に設置し、充放電機に接続し、0.02Cに相当する定電流で3.4V(セル電圧、以下同じ。)まで定電流充電を行った後、0.2Cに相当する定電流で表1に示す電位まで充電を行い、さらに充電電流が0.02Cの電流値に到達するまで定電圧充電を継続した。0.2Cに相当する定電流で3.0Vまで放電を行った。2サイクル目は、10分間の休止の後、0.2Cに相当する定電流で表1〜3に示す電位まで定電流充電を行った後に、充電電流が0.02Cの電流値に到達するまで定電圧充電を行い、10分間の休止の後、3Vに到達するまで0.2Cの電流値で定電流放電を行った。3〜10サイクル目は2サイクル目と同様に行った。11サイクル目は、10分間の休止の後、1Cに相当する定電流で表1〜3に示す電位まで定電流充電を行った後に、充電電流が0.02Cの電流値に到達するまで定電圧充電を行い、10分間の休止の後、3Vに到達するまで1Cの電流値で定電流放電を行った。その後、同様に合計300回の充放電を行った。
なお、1Cとは、電池の基準容量を1時間で放電する電流量を意味する。
11回目の充放電における放電容量に対する、100回目の充放電における放電容量の比率を放電容量維持率(100cy)とした。また、11回目の充放電における放電容量に対する、200回目、300回目の充放電における放電容量の比率を放電容量維持率(200cy)、放電容量維持率(300cy)とした。
前記正極と前記負極の間に、セパレータとしてポリオレフィン系微多孔膜を存在させ、そこに各例で調製した非水電解液を0.5mL添加し、評価用セルを作成した。
評価用セルを25℃に保たれた恒温槽内に設置し、充放電機に接続し、0.02Cに相当する定電流で3.4V(セル電圧、以下同じ。)まで定電流充電を行った後、0.2Cに相当する定電流で表1に示す電位まで充電を行い、さらに充電電流が0.02Cの電流値に到達するまで定電圧充電を継続した。0.2Cに相当する定電流で3.0Vまで放電を行った。2サイクル目は、10分間の休止の後、0.2Cに相当する定電流で表1〜3に示す電位まで定電流充電を行った後に、充電電流が0.02Cの電流値に到達するまで定電圧充電を行い、10分間の休止の後、3Vに到達するまで0.2Cの電流値で定電流放電を行った。3〜10サイクル目は2サイクル目と同様に行った。11サイクル目は、10分間の休止の後、1Cに相当する定電流で表1〜3に示す電位まで定電流充電を行った後に、充電電流が0.02Cの電流値に到達するまで定電圧充電を行い、10分間の休止の後、3Vに到達するまで1Cの電流値で定電流放電を行った。その後、同様に合計300回の充放電を行った。
なお、1Cとは、電池の基準容量を1時間で放電する電流量を意味する。
11回目の充放電における放電容量に対する、100回目の充放電における放電容量の比率を放電容量維持率(100cy)とした。また、11回目の充放電における放電容量に対する、200回目、300回目の充放電における放電容量の比率を放電容量維持率(200cy)、放電容量維持率(300cy)とした。
(イオン伝導度)
非水電解液のイオン伝導度(単位:S/m)の測定は、「溶融塩及び高温化学、2002、45、43」に記載の既知の方法を用いて25℃で行った。すなわち、底部の長さ5cm、内径4.8mmのT型電気化学セルの両端に、金属リチウムを貼り付けた電極をセットした。その後、作成した電解液を充分に注入し、密封した。得られた電気化学セルの溶液抵抗を、25℃恒温槽中に1時間静置した後、恒温槽中で、ポテンショスタット/ガルバノスタット(BioLogic社製、製品名「VMP3」)を用い、複素インピーダンス法により測定した。得られた溶液抵抗値より、各非水電解液のイオン伝導度を算出した。
非水電解液のイオン伝導度(単位:S/m)の測定は、「溶融塩及び高温化学、2002、45、43」に記載の既知の方法を用いて25℃で行った。すなわち、底部の長さ5cm、内径4.8mmのT型電気化学セルの両端に、金属リチウムを貼り付けた電極をセットした。その後、作成した電解液を充分に注入し、密封した。得られた電気化学セルの溶液抵抗を、25℃恒温槽中に1時間静置した後、恒温槽中で、ポテンショスタット/ガルバノスタット(BioLogic社製、製品名「VMP3」)を用い、複素インピーダンス法により測定した。得られた溶液抵抗値より、各非水電解液のイオン伝導度を算出した。
[化合物]
実施例にて用いた化合物および略号は、下記のとおりである。
実施例にて用いた化合物および略号は、下記のとおりである。
(リチウム塩)
LPF:LiPF6。
LPF:LiPF6。
(化合物(α))
AE3000:CF3CH2OCF2CHF2(商品名:AE−3000、旭硝子社製)、
HFE5510:CHF2CF2CH2OCF2CHFCF3。
AE3000:CF3CH2OCF2CHF2(商品名:AE−3000、旭硝子社製)、
HFE5510:CHF2CF2CH2OCF2CHFCF3。
(化合物(β))
PS:1,3−プロパンスルトン、
GBL:γ−ブチロラクトン。
PS:1,3−プロパンスルトン、
GBL:γ−ブチロラクトン。
(化合物(δ))
EC:エチレンカーボネート、
DEC:ジエチレンカーボネート、
EMC:エチルメチルカーボネート、
DMC:ジメチルカーボネート、
VC:ビニレンカーボネート。
EC:エチレンカーボネート、
DEC:ジエチレンカーボネート、
EMC:エチルメチルカーボネート、
DMC:ジメチルカーボネート、
VC:ビニレンカーボネート。
[例1]
リチウム塩であるLPF(0.152g)および化合物(6−2)(0.081g)を、化合物(α)であるAE3000(0.435g)中に拡散した後、化合物(β)であるPS(0.183g)および化合物(3−1)(0.848g)を混合して非水電解液を調製した。
得られた非水電解液のイオン伝導度、およびその電解液を用いた評価用セルのサイクル特性を表1に示す。
リチウム塩であるLPF(0.152g)および化合物(6−2)(0.081g)を、化合物(α)であるAE3000(0.435g)中に拡散した後、化合物(β)であるPS(0.183g)および化合物(3−1)(0.848g)を混合して非水電解液を調製した。
得られた非水電解液のイオン伝導度、およびその電解液を用いた評価用セルのサイクル特性を表1に示す。
[例2〜23]
リチウム塩等の各化合物の組成を表1〜表3に示すように変更した以外は、例1と同様にして非水電解液を得た。各例で得られた非水電解液のイオン伝導度、およびその電解液を用いた評価用セルのサイクル特性を表1〜表3に示す。
なお、表1〜表3における質量%は非水電解液全体を100質量%とした割合である。また、「/」は、試験を未実施、あるいは途中で中止したことを意味する。
リチウム塩等の各化合物の組成を表1〜表3に示すように変更した以外は、例1と同様にして非水電解液を得た。各例で得られた非水電解液のイオン伝導度、およびその電解液を用いた評価用セルのサイクル特性を表1〜表3に示す。
なお、表1〜表3における質量%は非水電解液全体を100質量%とした割合である。また、「/」は、試験を未実施、あるいは途中で中止したことを意味する。
表1〜表3に示すように、2種以上のリチウム塩を含み、イミド塩(γ)と化合物(α)と化合物(β)を組み合わせた非水電解液を用いた例1〜7は、イミド塩(γ)を含まない以外は同様の組成の非水電解液を用いた例17および例18に比べて、サイクル特性が優れていた。
2種以上のリチウム塩を含み、イミド塩(γ)と化合物(α)と化合物(β)を組み合わせた非水電解液を用いた例8および例9は、イミド塩(γ)を含まない以外は同様の組成の非水電解液を用いた例19に比べて、サイクル特性が優れていた。
2種以上のリチウム塩を含み、イミド塩(γ)と化合物(α)と化合物(β)を組み合わせた非水電解液を用いた例10および例11は、イミド塩(γ)を含まない以外は同様の組成の非水電解液を用いた例20に比べて、サイクル特性が優れていた。
2種以上のリチウム塩を含み、イミド塩(γ)と化合物(α)と化合物(β)を組み合わせた非水電解液を用いた例12は、VCおよびイミド塩(γ)を含まない以外は同様の組成の非水電解液を用いた例21に比べて、サイクル特性が優れていた。
また、化合物(α)を含まない非水電解液を用いた例13〜16および例22では、サイクル特性が著しく劣っていた。
また、イミド塩(γ)と化合物(α)を含むものの、化合物(β)を含まない非水電解液を用いた例23では、電解液の溶解性が不充分であり、均一な溶液を作成することが困難であったため、電池評価を実施することができなかった。
2種以上のリチウム塩を含み、イミド塩(γ)と化合物(α)と化合物(β)を組み合わせた非水電解液を用いた例8および例9は、イミド塩(γ)を含まない以外は同様の組成の非水電解液を用いた例19に比べて、サイクル特性が優れていた。
2種以上のリチウム塩を含み、イミド塩(γ)と化合物(α)と化合物(β)を組み合わせた非水電解液を用いた例10および例11は、イミド塩(γ)を含まない以外は同様の組成の非水電解液を用いた例20に比べて、サイクル特性が優れていた。
2種以上のリチウム塩を含み、イミド塩(γ)と化合物(α)と化合物(β)を組み合わせた非水電解液を用いた例12は、VCおよびイミド塩(γ)を含まない以外は同様の組成の非水電解液を用いた例21に比べて、サイクル特性が優れていた。
また、化合物(α)を含まない非水電解液を用いた例13〜16および例22では、サイクル特性が著しく劣っていた。
また、イミド塩(γ)と化合物(α)を含むものの、化合物(β)を含まない非水電解液を用いた例23では、電解液の溶解性が不充分であり、均一な溶液を作成することが困難であったため、電池評価を実施することができなかった。
表1〜表3に示すように、本発明の非水電解液はイオン伝導度がいずれも0.40S/mを超え、実用上充分な性能を有していた。
Claims (12)
- リチウム塩と液状組成物を含む非水電解液であって、
前記液状組成物が、下式(1)で表される化合物および下式(2)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(α)と、下式(3)で表される化合物、下式(4)で表される化合物、および下式(5)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(β)とを含み、
前記リチウム塩が、2種以上であり、かつ下式(6)で表される化合物および下式(7)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の含フッ素スルホンイミド塩(γ)を含む、二次電池用非水電解液。
Xは炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数1〜5のフッ素化アルキレン基、エーテル性酸素原子を有する炭素数2〜5のアルキレン基、またはエーテル性酸素原子を有する炭素数2〜5のフッ素化アルキレン基である。
R3〜R5はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、フッ素原子または水素原子である。
R6〜R13はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、またはメチル基である。
nは0または1である。
R14〜R21はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、またはメチル基である。
mは0〜3の整数である。
kは1〜3の整数である。
R22〜R23はそれぞれ独立に炭素数1〜10のフッ素化アルキル基、炭素数3〜10のフッ素化シクロアルキル基、または、エーテル性酸素原子を有する炭素数2〜10のフッ素化アルキル基である。) - 前記式(3)におけるR3およびR4が水素原子であり、R5が水素原子またはフッ素原子である、請求項1に記載の二次電池用非水電解液。
- 前記式(4)におけるR6〜R12が水素原子であり、R13が水素原子またはメチル基である、請求項1または2に記載の二次電池用非水電解液。
- 前記式(5)におけるR15〜R21が水素原子であり、R14が水素原子またはメチル基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の二次電池用非水電解液。
- 前記式(1)で表される化合物が、CF3CH2OCF2CHF2、CF3CH2OCF2CHFCF3、CHF2CF2CH2OCF2CHF2、CH3CH2CH2CH2OCF2CHF2、CH3CH2CH2OCF2CHF2、CH3CH2OCF2CHF2、およびCHF2CF2CH2OCF2CHFCF3からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の二次電池用非水電解液。
- 前記液状組成物が、フッ素原子を有しない環状カーボネート化合物および飽和鎖状カーボネート化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(δ)を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の二次電池用非水電解液。
- 前記化合物(δ)が、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートおよびジエチルカーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項6に記載の二次電池用非水電解液。
- 前記非水電解液の総質量に対する、前記含フッ素スルホンイミド塩(γ)の質量の割合が0.001〜10質量%である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の二次電池用非水電解液。
- 前記非水電解液の25℃におけるイオン伝導度が、0.4S/m以上である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の二次電池用非水電解液。
- 前記リチウム塩がLiPF6をさらに含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の二次電池用非水電解液。
- 前記非水電解液中の前記リチウム塩の含有量が0.1〜3.0mol/Lである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の二次電池用非水電解液。
- リチウムイオンを吸蔵および放出できる材料を活物質とする正極と、リチウム金属、リチウム合金、ならびにリチウムイオンを吸蔵および放出できる炭素材料からなる群から選ばれる1種以上を活物質とする負極と、請求項1〜11のいずれか一項に記載の二次電池用非水電解液と、を有する、リチウムイオン二次電池。
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- 2013-09-24 JP JP2013197589A patent/JP2015064990A/ja active Pending
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