JP2015063965A - 遠心形ターボ機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】ディフューザにおける流体の流速が高くなった場合でも、効率の低下を抑えることができる遠心形ターボ機械を提供することを課題とする。【解決手段】遠心羽根車から流出した流体が遠心方向D1に流れる拡大通路11を有するディフューザ4と、遠心羽根車に流入する流体が回転軸に向かう戻り方向D3に流れる戻り流路5と、側板10に形成される複数のディフューザ羽根9と、流体の流れを転向する転向部5aと、を備え、拡大通路11の出口部11aにおける側板10の端部に、遠心方向D1から軸方向D2に向かって湾曲する上流側曲面部12R1が形成され、上流側曲面部12R1の曲率半径r1が通路端10aに沿った方向に変化している遠心多段ポンプ。【選択図】図5

Description

本発明は、遠心形ターボ機械に関する。
本技術分野の背景技術として、例えば、特許文献1には、「側板12は、そのディフューザ羽根13aとこれに隣接するディフューザ羽根13bとの間で挟まれる拡大通路14に臨む部分のうち、ディフューザ羽根13aの負圧面13a1の後縁13a10より出口側に、流れを略遠心方向から略軸方向に転向させつつ戻り流路4へと導く半開部通路15を備えている。各ディフューザ羽根13a,13b,13c…は、それらの圧力面13a2,13b2,13c2…のうち半開部通路15に臨む部位のうち一部分13a20,13b20,13c20が、軸方向下流側に向かって漸次テーパ状に薄肉化された構造となっている。」と記載されている(要約参照)。
特開平11−324987号公報 特開2007−247622号公報
特許文献1に記載される遠心形ターボ機械は、ディフューザ流路と戻し羽根入口の間に、Uターン流路として機能する半開部通路が形成されている構成であり、小型化が可能とされている。また、遠心形ターボ機械の小型化に対応するために、ディフューザ羽根の圧力面が下流に向かって漸次薄肉化されている。
しかしながら、遠心形ターボ機械が小型化されると、ディフューザの拡大通路の流路面積が小さくなるため拡大通路を流れる流体の流速が高くなる。したがって、流体の流れが、拡大通路から半開部通路に向かって遠心方向から軸方向に転向するときに半開部通路の形状によっては剥離などの乱れが生じて遠心形ターボ機械の効率が低下する場合がある。
また、特許文献2には、流体損失の低減を図るためにディフューザ出口から水返し羽根(返し羽根)入口にかけてUターン流路を備えて流路面積を確保可能な遠心形ターボ機械が記載されている。この遠心形ターボ機械は、羽根車背面側に配置した側板の外形部を周方向に変化させて半開部流路を形成し、流れがディフューザから半開部流路に向かって転向する際に生じる剥離を軽減する曲面部を設けている。これにより、Uターン流路を内径側にシフトさせることが可能になって小型化が可能となる。
しかしながら、特許文献2に記載される遠心形ターボ機械は、ディフューザにおける流体の流速が高まったときに生じる流体の乱れが検討されていないため、さらに小型化したときに半開部通路で剥離等の乱れが生じて損失が増大し、遠心形ターボ機械の効率が低下する場合がある。
このように、特許文献1,2に記載される遠心形ターボ機械は、小型化によってディフューザにおける流体の流速が高くなった場合の効率の低下について充分に検討されておらず、さらなる小型化のために改善の余地がある。
そこで本発明は、ディフューザにおける流体の流速が高くなった場合でも、効率の低下を抑えることができる遠心形ターボ機械を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため本発明は、流体が、ディフューザから転向部を経由して戻り流路に流れ込む構成の遠心形ターボ機械において、ディフューザから転向部に流れ込む流体の流れに沿った曲面部が形成され、この曲面部の曲率半径が、羽根車の回転軸の中心線を中心とする周方向に変化しているという特徴を有する。
本発明によると、ディフューザにおける流体の流速が高くなった場合でも、効率の低下を抑えることができる遠心形ターボ機械を提供できる。
本実施例に係る遠心多段ポンプの断面図である。 ディフューザとUターン流路と戻り流路の構成を示す断面図である。 図2におけるSec1−Sec1での断面図である。 図2におけるSec2−Sec2での断面図である。 (a)は半開部通路の構造を示す斜視図、(b)はSec3−Sec3における断面図である。 通路端における流体の流れを示す図である。 (a)は上流側曲面部の曲率半径が側板の通路端に沿った方向に一定である従来例の形状を示す図、(b)は上流側曲面部の曲率半径が側板の通路端に沿った方向に漸増する本実施例の形状を示す図である。 ディフューザ羽根がステージに接した構造のディフューザを示す図である。
以下、適宜図を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。なお、以下では遠心多段ポンプを遠心形ターボ機械の一例としているが、本発明は、遠心多段ポンプ以外の遠心形ターボ機械に広く適用可能である。
図1は本実施例に係る遠心多段ポンプの断面図、図2はディフューザとUターン流路と戻り流路の構成を示す断面図である。
図1に示すように、本実施例に係る遠心多段ポンプ1(遠心形ターボ機械)は、図示しない動力源(電動機など)に接続されてケーシング14に収納される回転軸2に、複数段(図1では8段)の遠心羽根車3が取り付けられて構成される。複数段の遠心羽根車3は、回転軸2の軸方向に並んで備わり、上流側の遠心羽根車3と下流側の遠心羽根車3の間に流体の流路(ディフューザ4,Uターン流路5a,戻り流路5)が形成されている。
なお、遠心羽根車3の段数は8段に限定されるものではない。
本実施例において、遠心多段ポンプ1の上流および下流は、流体の流れの上流および下流であり、回転軸2の軸方向においては、吸入口1aの側を上流(軸方向上流)とし、吐出口1bの側を下流(軸方向下流)とする。
また、ディフューザ4においては、回転軸2の側を上流、外周側を下流とし、戻り流路5においては、外周側を上流、回転軸2の側を下流とする。ここでいう外周側は、回転軸2の中心線CLを中心とする円周の外周側とする(以下、同じ)。
隣り合う遠心羽根車3の間に形成される流路は、図2に示すように、ディフューザ4、Uターン流路5a(転向部)、および戻り流路5を含んで構成される。そして、ディフューザ4にはディフューザ羽根9が形成され、戻り流路5には返し羽根6が形成されている。また、遠心羽根車3には、複数(例えば、8枚)の羽根30が形成されている。
ディフューザ4、Uターン流路5a、および戻り流路5は、ディフューザ4と戻り流路5の間の仕切壁を形成する側板10と、ケーシング14と一体に形成されて遠心羽根車3を覆うように備わるステージ7の間に形成される。
なお、ディフューザ羽根9は回転軸2の軸方向を高さHdとし、返し羽根6は回転軸2の軸方向を高さHrとする。
つまり、ディフューザ羽根9は、回転軸2の軸方向を高さHdの方向として側板10に立設し、返し羽根6は、回転軸2の軸方向を高さHrの方向として側板10に立設する。
また、側板10は、回転軸2の中心線CLを中心とする径方向に広がって形成されている。
遠心羽根車3は、回転軸2の中心線CLを中心とする径方向の中心側に形成されて回転軸2の軸方向に流体を吸い込む流入部3bと、径方向外側に形成されて径方向に流体を吐出する流出部3aと、を有する。
また、Uターン流路5aは半開部通路12によって形成されている。半開部通路12の詳細は後記する。
回転軸2の軸方向上流に配設される遠心羽根車3(上流羽根車3U)の流出部3aから吐出された流体は、ディフューザ4、Uターン流路5a(半開部通路12)、および戻り流路5の順に流れ、回転軸2の軸方向下流に配設される遠心羽根車3(下流羽根車3D)に流入部3bから流入する。
上流羽根車3Uの流出部3aから吐出された流体は、白矢印で示すように回転軸2から離反する径方向にディフューザ4を流れる。本実施例においては、ディフューザ4における流体の流れの方向(回転軸2から離反する径方向)を遠心方向D1と称する。
Uターン流路5aに流れ込んだ流体は流れの方向が転向する。具体的に、Uターン流路5aでは、流体の流れが、回転軸2から離反する径方向(遠心方向D1)から白矢印で示すように回転軸2の軸方向D2に転向し、さらに、回転軸2に向かう径方向に転向する。
そして、Uターン流路5aで流れが転向した流体は、戻り流路5に流れ込み、白矢印で示すように回転軸2に向かう径方向に流れて流入部3bから下流羽根車3Dに流入する。本実施例においては、戻り流路5における流体の流れの方向(回転軸2に向かう径方向)を戻り方向D3と称する。
図3は、図2におけるSec1−Sec1での断面図であり、回転軸2の軸方向上流側から見たディフューザ羽根9の形状を示す。
本実施例のディフューザ羽根9は、図2に示すように、側板10とステージ7の間に高さHdで立設する翼状の羽根であり、図3に示すように、凹面状の負圧面9aと凸面状の圧力面9bを有する。また、ディフューザ羽根9は、遠心羽根車3(図2参照)の周囲に、回転軸2の中心線CL(図2参照)を中心とする円形翼列状に配置され、隣り合う2つのディフューザ羽根9における負圧面9aと圧力面9bの間に、流体が流れる拡大通路11が形成されている。つまり、ディフューザ4における流体の流れの下流(側板10の外周側)ほど流路断面積が広くなるような拡大通路11を形成するため、ディフューザ羽根9は、ステージ7の内周面7aとなす角度「θ」が拡大通路11の下流ほど小さくなるように形成される。
なお、本実施例のディフューザ羽根9は、この種のディフューザ羽根として公知であるものと同様の構成(形状)であればよい。例えば、回転軸2の軸方向(高さHdの方向)に、厚みが一定に形成されるディフューザ羽根9であればよい。つまり、回転軸2の軸方向に垂直な平面でディフューザ羽根9を断面した断面形状が、側板10からステージ7(図2参照)まで高さHdの方向に同じ形状であればよい。
また、拡大通路11の下流側(ディフューザ4の下流側)には、ディフューザ羽根9の下流側の端辺(後端辺90a)が形成されている。そして、後端辺90aと、隣り合うディフューザ羽根9の圧力面9bと、によって拡大通路11の出口部11aが形成され、出口部11aにおいてディフューザ4とUターン流路5aが連続している。
本実施例においてUターン流路5aを構成する半開部通路12は、側板10の外周部に形成されている。図3に示すように、半開部通路12は、1つのディフューザ羽根9の後端辺90aから、隣り合うディフューザ羽根9の圧力面9bに向かう側板10の端辺(通路端10a)によって形成されている。通路端10aは、出口部11aにおける側板10の端辺になる。
また、側板10の外周(輪郭線)は、ディフューザ羽根9(圧力面9b)の曲面形状に沿った部分と通路端10aによって回転軸2の軸方向から見た山形に形成されて径方向に凹凸形状を呈する。
つまり、側板10の外周は、ディフューザ羽根9の後端辺90aが径方向に突出して凸部となる。また、側板10の外周は、通路端10aとディフューザ羽根9の圧力面9bが交わる交点が径方向に凹んだ位置に形成され、その部分が凹部となっている。そして、凸部と凹部が、ディフューザ羽根9の圧力面9bと通路端10aで連結されて半開部通路12が形成される。
なお、ここでいう側板10の外周は、回転軸2(図2参照)の軸方向に垂直な仮想平面に側板10を投影したときの側板10の外形形状を示す線とする(以下、同じ)。
このような構成によって、通路端10aの外周と、回転軸2の中心線CL(図2参照)と、の距離は、隣り合うディフューザ羽根9の一方の負圧面9aから他方のディフューザ羽根9の圧力面9bに向かって漸減し、これによって凹部が形成される。さらに、通路端10aの外周と、回転軸2の中心線CLと、の距離は、凹部から負圧面9aの凸面状に沿って後端辺90aまで漸増し、これによって凸部が形成される。つまり、通路端10aの外周と、回転軸2の中心線CLの距離が、中心線CLを中心とする周方向で一定ではない側板10になる。
このような形状の半開部通路12によって、通路端10aとステージ7(内周面7a)の間にUターン流路5aが形成される。そして、ディフューザ4の拡大通路11を出口部11aまで流れた流体は、ステージ7の内周面7aと通路端10aの間に形成されるUターン流路5aに流れ込み、さらに、戻り流路5(図2参照)に流れ込む。このように、本実施例において、流体の流れの方向を転向するUターン流路5a(転向部)は、半開部通路12で形成される。
また、図2に示すように、遠心羽根車3(上流羽根車3U)から流出した流体は、ディフューザ4の拡大通路11(図3参照)を流れるときにディフューザ羽根9の作用によって周方向の速度成分が減少して圧力が回復する。つまり、遠心羽根車3から流出した流体が有する速度エネルギの一部がディフューザ4で圧力エネルギに変換される。
そして、ディフューザ4の拡大通路11を流れた流体は、出口部11aからUターン流路5a(半開部通路12)に流れ込んで流れが転向する。
図4は、図2のSec2−Sec2での断面図であり、回転軸2の軸方向下流側から見た返し羽根6の形状を示す。
図4に示すように、返し羽根6は、遠心羽根車3(図2参照)の周囲に、回転軸2の中心線CL(図2参照)を中心とする円形翼列状に配置され、隣り合う返し羽根6の間に、流体が流れる戻り流路5が形成されている。返し羽根6は、戻り流路5から遠心羽根車3(下流羽根車3D)に流入する流体の流入角度を、遠心羽根車3の流入部3b(図2参照)における羽根30(図2参照)の角度に合わせるための羽根である。なお、本実施例の返し羽根6は、この種の返し羽根として公知であるものと同様の構成(形状)であればよい。
Uターン流路5a(半開部通路12)で流れが転向した流体は、戻り流路5を流れるときに返し羽根6によって流入部3b(図3参照)への流入角度が変更され、図2に示す遠心羽根車3(下流羽根車3D)に流入する。
このように、本実施例の遠心多段ポンプ1(図1参照)には、図2に示すように、ディフューザ4と、Uターン流路5a(半開部通路12)と、戻り流路5と、が形成されている。さらに、ディフューザ4にはディフューザ羽根9が備わり、戻り流路5には返し羽根6が備わる。
そして、本実施例の遠心多段ポンプ1は、拡大通路11の出口部11a(図3参照)となる側板10(図3参照)の端部が曲面構造になっている。
図5の(a)は半開部通路の構造を示す斜視図、(b)はSec3−Sec3における断面図であり、図6は通路端における流体の流れを示す図である。
また、図7の(a)は上流側曲面部の曲率半径が側板の通路端に沿った方向に一定である従来例の形状を示す図、(b)は上流側曲面部の曲率半径が側板の通路端に沿った方向に漸増する本実施例の形状を示す図である。
図5の(a)に示すように、半開部通路12の通路端10aは、1つのディフューザ羽根9の後端辺90aから、隣り合うディフューザ羽根9の圧力面9bに向かって延びる端辺(側板10の外周部)である。また、回転軸2(図1参照)の軸方向に長さ(通路長L1)を有する半開部通路12によってUターン流路5aが構成されている。換言すると、側板10の回転軸2の軸方向の厚みが半開部通路12(Uターン流路5a)の通路長L1になる。
そして、拡大通路11の出口部11aにおいて側板10の端部は、通路長L1の方向(回転軸2の軸方向)に湾曲する曲面構造になっている。例えば、図5の(a)、(b)に示すように、側板10の端部は、拡大通路11(ディフューザ4)の出口部11aに形成される曲面部(上流側曲面部12R1)を有する曲面構造になっている。上流側曲面部12R1は、遠心方向D1から軸方向D2に向かって側板10の端部が湾曲する曲面部になる。
図5の(b)に示すように、上流側曲面部12R1は、拡大通路11の側からUターン流路5aの側に向かって(遠心方向D1から軸方向D2に向かって)所定の曲率半径r1で湾曲する曲線(円周の一部、楕円周の一部等)が、ディフューザ羽根9の負圧面9aから隣り合うディフューザ羽根9の圧力面9bに向かって連続する曲面によって形成される。
また、図5の(a),(b)に示すように、側板10の戻り流路5側の端部は、軸方向D2から戻り方向D3に向かって湾曲する曲面部(下流側曲面部12R2)を有する曲面構造になっている。図5の(b)に示すように、下流側曲面部12R2は、Uターン流路5aの側から戻り流路5の側に向かって(軸方向D2から戻り方向D3に向かって)所定の曲率半径r2で湾曲する曲線(円周の一部、楕円周の一部等)が、ディフューザ羽根9の負圧面9aから隣り合うディフューザ羽根9の圧力面9bに向かって連続する曲面によって形成される。
下流側曲面部12R2の曲率半径r2(図5の(b)参照)は、負圧面9aの側から圧力面9bの側まで、通路端10aに沿った方向で一定に設定される。
一方、上流側曲面部12R1の曲率半径r1(図5の(b)参照)は、負圧面9aの側から圧力面9bの側に向かって、通路端10aに沿った方向に漸増するように設定される。つまり、上流側曲面部12R1の曲率半径r1は、通路端10aに沿った方向において負圧面9aの側が最も小さく圧力面9bの側が最も大きくなっている。
そして、負圧面9aの位置で、上流側曲面部12R1の曲率半径r1は「0」になっている。つまり、負圧面9aの位置で側板10の端部には曲面部が形成されない。
なお、曲率半径r1が「0」という構成は、流体の流れをガイドするような曲面部が形成されないということであり、一般的なR面取り程度の曲率半径r1は、ここでいう「0」の範疇とする。
図5の(a)に示すように、拡大通路11の出口部11aが曲面構造であると、拡大通路11を遠心方向D1に流れる流体(白矢印で示す)は、Uターン流路5aに流れ込むときに出口部11aにおいて上流側曲面部12R1の曲面に沿って流れる。したがって、上流側曲面部12R1が形成されていることにより、遠心方向D1から軸方向D2に流体の流れが転向するときの角度変化が緩やかになって損失が低減する。同様に、Uターン流路5aから戻り流路5に流れ込むとき、流体は下流側曲面部12R2の曲面に沿って流れる。したがって、下流側曲面部12R2が形成されていることにより、軸方向D2から戻り方向D3(図2参照)に流体の流れが転向するときの角度変化が緩やかになって損失が低減する。
また、拡大通路11を流れる流体には、図6に白矢印で示すように、負圧面9a側の流れ(外側流FLa)と圧力面9b側の流れ(内側流FLb)が生じる。そして、図3に示すように、隣り合うディフューザ羽根9の間に拡大通路11が形成され、ディフューザ羽根9は、ステージ7の内周面7aとなす角度「θ」が拡大通路11の下流ほど小さくなるように形成されている。したがって、一方のディフューザ羽根9の後端辺90aから、隣り合うディフューザ羽根9の圧力面9bに向かって形成される通路端10aにおける流体の流れの方向は、外側流FLaと内側流FLbで異なる。
例えば、図6に図示されるように、通路端10aの圧力面9bの側は、負圧面9a(後端辺90a)の側よりもディフューザ羽根9となす角度が小さくなる。したがって、圧力面9bにガイドされる内側流FLbは、負圧面9aにガイドされる外側流FLaよりも小さな角度(θFL)で通路端10aを通過する。
したがって、図7の(a)に示す従来例のように、負圧面9aの側から圧力面9bの側に向かって同じ曲率半径の上流側曲面部12R1が形成されていると、流体は圧力面9bの側ほど上流側曲面部12R1を斜めに長く通過することになって転向が緩やかになる。
換言すると、流体は通路端10aにおいて、負圧面9a側の外側流FLaほどディフューザ4からUターン流路5aに向かう転向が急になり、圧力面9b側の内側流FLbほどディフューザ4からUターン流路5aに向かう転向が緩やかになる。
このような転向の差によって、負圧面9aの側から圧力面9bの側に向かう流れの一様性が損なわれ、通路端10aにおける損失が増大する。特に、遠心多段ポンプ1(図1参照)の小型化によって流速が高まると、その損失が大きくなって遠心多段ポンプ1の効率が大きく低下する。
一方、図7の(b)に示すように負圧面9aの側で上流側曲面部12R1の曲率半径r1(図5の(b)参照)が「0」であると、その部分における外側流FLaの転向(ディフューザ4からUターン流路5aに向かう転向)が抑制される。したがって、負圧面9a側を流れる外側流FLaの転向が緩やかになり、負圧面9aの側から圧力面9bの側までの転向の差が小さくなって流れの一様性が確保される。そして、通路端10aにおける損失が軽減され、遠心多段ポンプ1の効率低下が抑制される。
また、拡大通路11の外側流FLaは、隣り合う拡大通路11の内側流FLbと出口部11aより下流で合流する。このとき、外側流FLaがディフューザ4からUターン流路5aに向かって緩やかに転向し、内側流FLbがディフューザ4からUターン流路5aに向かって急に転向すると、流れの方向が一致しない状態で外側流FLaと内側流FLbが合流する。そして、この箇所に乱れが生じて遠心多段ポンプ1(図1参照)の効率が低下する。
しかしながら、ディフューザ4からUターン流路5aに向かう外側流FLaの転向が抑制されて転向が緩やかになると、流れの方向が一致した状態で外側流FLaと内側流FLbが合流することになる。そして、この箇所に生じる乱れが軽減されて遠心多段ポンプ1の効率低下が抑制される。
以上のように、本実施例の遠心多段ポンプ1(図1参照)は、図5の(a)に示すように、拡大通路11の出口部11aにおける側板10の端部に上流側曲面部12R1が形成されている。
そして、上流側曲面部12R1の曲率半径r1が、負圧面9a(後端辺90a)の側から圧力面9bの側に向かって、通路端10aに沿った方向に変化(漸増)していることを特徴とする。さらに、負圧面9aの位置で、上流側曲面部12R1の曲率半径r1が「0」になっていることを特徴とする。
この構成によって、拡大通路11の出口部11aにおける流体の乱れが抑制されて遠心多段ポンプ1(図1参照)の効率低下が抑制される。特に、小型化によって拡大通路11を流れる外側流FLaの流速が高くなった場合であっても、出口部11aにおける流体の乱れが好適に抑制されて遠心多段ポンプ1の効率低下が抑制される。したがって、小型化に適した遠心多段ポンプ1とすることができる。
なお、本発明は前記した実施例に限定されるものではない。例えば、前記した実施例は本発明をわかりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。
図8は、ディフューザ羽根がステージに接した構造のディフューザを示す図である。本発明は、図8に示すように、ディフューザ羽根9の後端辺90aがステージ7の内周面7aに接した構造のディフューザ4を有する遠心多段ポンプ1にも適用できる。このような構造の遠心多段ポンプ1は、ステージ7の内周面7aをディフューザ羽根9の後端辺90aに接するまで小さくすることができる。したがって、ケーシング14(図1参照)を小型化でき、これによって、遠心多段ポンプ1の小型化が可能になる。
この他、本発明は、前記した実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
例えば、前記した実施例では、下流側曲面部12R2の曲率半径r2(図5の(b)参照)は一定としたが、通路端10a(図5の(b)参照)に沿った方向に異なる曲率半径r2の下流側曲面部12R2としてもよい。この場合、Uターン流路5b(図5の(b)参照)から戻り流路5(図5の(b)参照)の流体の流れ特性に応じて曲率半径r2が決定されればよい。
また、前記した実施例では、図7の(b)に示すように、拡大通路11の出口部11aに上流側曲面部12R1が形成される構成としたが、上流側曲面部12R1に替わって傾斜面(図示せず)が形成される構成であってもよい。
この場合、ディフューザ羽根9の負圧面9aから隣り合うディフューザ羽根9の圧力面9bに向かって、傾斜面の長さ(流体の流れに沿った長さ)が漸増する構成とすればよい。拡大通路11を流れる流体は、傾斜面にガイドされて半開部通路12(図3参照)に効率よく流れ込み、遠心多段ポンプ1(図1参照)の効率低下が抑制される。また、負圧面9aの側で傾斜面の長さを短くする構成によって、本実施例と同様に外側流FLaの剥離を抑制できる。傾斜面は、上流側曲面部12R1(曲面構造)よりも加工が容易であり、遠心多段ポンプ1のコストダウンが可能になる。
さらに、前記したように、本発明は、遠心多段ポンプ1(図1参照)に限定されず、その他の遠心形ターボ機械(圧縮機など)にも広く適用可能である。
1 遠心多段ポンプ(遠心形ターボ機械)
2 回転軸
3 遠心羽根車
4 ディフューザ
5 戻り流路
5a Uターン流路(転向部)
9 ディフューザ羽根
9a 負圧面
9b 圧力面
10 側板
10a 通路端(端辺)
11 拡大通路
11a 出口部
12R1 上流側曲面部(曲面部)
CL 中心線
r1 曲率半径(曲面部の曲率半径)

Claims (8)

  1. 回転軸に取り付けられた複数段の遠心羽根車と、
    前記遠心羽根車から流出した流体が前記回転軸から離れる遠心方向に流れるディフューザと、
    前記遠心羽根車に流入する前記流体が前記回転軸に向かう戻り方向に流れる戻り流路と、
    前記回転軸の中心線を中心とする径方向に広がって形成されて前記ディフューザと前記戻り流路の仕切壁をなす側板と、
    前記側板に形成されて前記中心線を中心とする円形翼列状に配設されて前記ディフューザに備わる複数のディフューザ羽根と、
    前記ディフューザにおいて、隣り合う前記ディフューザ羽根の一方の圧力面と他方の負圧面の間に形成されて前記流体が流れる拡大通路と、
    前記ディフューザを前記拡大通路の出口部まで流れた前記流体の流れを、前記遠心方向から前記回転軸の軸方向に転向し、さらに、前記軸方向から前記戻り方向に転向する転向部と、を備え、
    前記出口部には、前記遠心方向から前記軸方向に向かって前記側板の端部が湾曲する曲面部が形成され、
    前記曲面部の曲率半径が、前記出口部における前記側板の端辺に沿った方向で変化していることを特徴とする遠心形ターボ機械。
  2. 前記端辺に沿った方向に前記負圧面の側から前記圧力面の側に向かって、前記曲率半径が漸増していることを特徴とする請求項1に記載の遠心形ターボ機械。
  3. 前記負圧面の側で、前記曲率半径が「0」であることを特徴とする請求項2に記載の遠心形ターボ機械。
  4. 前記端辺と前記中心線の距離が、前記中心線を中心とする周方向に一定でないことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の遠心形ターボ機械。
  5. 前記側板の外周と前記中心線の距離は、隣り合う前記ディフューザ羽根の一方の前記負圧面の位置から他方の前記圧力面の位置に向かって漸減し、さらに、前記圧力面の位置から当該圧力面の凸面状に沿って漸増していることを特徴とする請求項4に記載の遠心形ターボ機械。
  6. 前記ディフューザ羽根は、前記回転軸の軸方向に厚みが一定であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の遠心形ターボ機械。
  7. 前記ディフューザ羽根は、前記回転軸の軸方向に厚みが一定であることを特徴とする請求項4に記載の遠心形ターボ機械。
  8. 前記ディフューザ羽根は、前記回転軸の軸方向に厚みが一定であることを特徴とする請求項5に記載の遠心形ターボ機械。
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