JP2015063600A - エポキシ樹脂塗料組成物及びそれを用いた塗装体 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポットライフが十分に長く、塗装後の硬化性にも優れるエポキシ樹脂塗料組成物を提供する。
【解決手段】混合アニリン点又はアニリン点が12〜70℃の範囲内にある溶剤(A)と、該溶剤(A)に可溶であるエポキシ樹脂成分(B)であって、エポキシ基を分子内に2個以上有するエポキシ樹脂を少なくとも含むエポキシ樹脂成分(B)と、該溶剤(A)に可溶なアミン系硬化剤(C)と、分子内にカルボニル基を有する溶剤(D)とを含むエポキシ樹脂塗料組成物であり、式(I):X=P/Q、式(II):P=(溶剤(D)の配合量)/(溶剤(D)の分子量)及び式(III):Q=(アミン系硬化剤(C)のアミン価)×(アミン系硬化剤(C)の配合量)/56110から求められる式(I)の左辺の値Xが0.5〜10であることを特徴とするエポキシ樹脂塗料組成物である。
【選択図】なし
【解決手段】混合アニリン点又はアニリン点が12〜70℃の範囲内にある溶剤(A)と、該溶剤(A)に可溶であるエポキシ樹脂成分(B)であって、エポキシ基を分子内に2個以上有するエポキシ樹脂を少なくとも含むエポキシ樹脂成分(B)と、該溶剤(A)に可溶なアミン系硬化剤(C)と、分子内にカルボニル基を有する溶剤(D)とを含むエポキシ樹脂塗料組成物であり、式(I):X=P/Q、式(II):P=(溶剤(D)の配合量)/(溶剤(D)の分子量)及び式(III):Q=(アミン系硬化剤(C)のアミン価)×(アミン系硬化剤(C)の配合量)/56110から求められる式(I)の左辺の値Xが0.5〜10であることを特徴とするエポキシ樹脂塗料組成物である。
【選択図】なし
Description
本発明は、エポキシ樹脂塗料組成物及び該エポキシ樹脂塗料組成物を用いた塗装体に関し、特には、ポットライフが十分に長く、塗装後の硬化性にも優れるエポキシ樹脂塗料組成物に関するものである。
従来、建築・建材用外壁材(窯業系サイディング(例えば、木繊維補強セメント板、繊維補強セメント板、繊維補強セメント・珪酸カルシウム板)、モルタル、軽量気泡コンクリート、金属サイディング及びタイル等)においては、上塗り塗膜等の付着性や基材の耐久性を高めるために、基材表面に下塗り塗料を塗布することが行われている。また、基材の改修塗装の際、基材上に劣化した旧塗膜が残っていても、そのままの状態で下塗り塗料を塗布することが行われている。
このような下塗り塗料には、エポキシ樹脂とアミン系硬化剤を主成分とし、有機溶剤を含む2液硬化形塗料が多く使用されており、近年では、PRTR法などの環境保全に関する法律や塗り替え市場の拡大に伴う市場のニーズに対応するために、環境に対する負荷が比較的少ない有機溶剤、例えばミネラルスピリットなどの弱溶剤に溶解可能なエポキシ樹脂を用いた2液硬化形塗料が開発されている(例えば、特許文献1〜4)。
特許文献1には、弱溶剤に溶解可能なエポキシ樹脂として、エポキシ樹脂に脂肪族モノカルボン酸を反応させ、次いでジイソシアネート化合物を反応させることにより得られる変性エポキシ樹脂を用いた2液硬化形塗料組成物が開示されている。また、特許文献2には、弱溶剤に溶解可能なエポキシ樹脂として、エポキシ樹脂に脂肪族モノカルボン酸及びアルキルフェノールを反応させ、次いでジイソシアネート化合物を反応させることにより得られる変性エポキシ樹脂を用いた2液硬化形塗料組成物が開示されている。
特許文献3は、フェノール又は多価フェノールとアルデヒドとの縮合反応により得られるノボラック型エポキシ樹脂のポリグリシジルエーテルをエポキシ樹脂として用いており、該エポキシ樹脂に脂肪族モノカルボン酸を反応させることにより得られる変性エポキシ樹脂を用いた2液硬化形塗料組成物を開示している。
特許文献4には、粘度の異なる2種類の弱溶剤溶解タイプのエポキシ樹脂を含む2液硬化形エポキシ樹脂塗料組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献1〜4に開示の弱溶剤タイプの2液硬化形エポキシ樹脂塗料組成物は、ポットライフが比較的短い傾向がある。そこで、ポットライフを長くする検討がこれまでに行われてきたが、一般に、ポットライフを長くすると、塗装後の硬化性が低下する傾向にあるため、ポットライフの延長と塗装後の良好な硬化性の両者を満足させることは困難であった。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、ポットライフが十分に長く、塗装後の硬化性にも優れるエポキシ樹脂塗料組成物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記エポキシ樹脂塗料組成物により得られる塗膜を備える塗装体を提供することにある。
本発明者は、特定の混合アニリン点又はアニリン点を有する弱溶剤と、該溶剤に可溶なエポキシ樹脂及びアミン系硬化剤とを含む塗料組成物において、分子内にカルボニル基を有する溶剤を、該アミン系硬化剤との間に成り立つ特定の関係式を満たすように、配合することによって、塗装後の硬化性を低下させることなく、ポットライフを延長できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明のエポキシ樹脂塗料組成物は、JIS K 2256に規定される混合アニリン点又はアニリン点が12〜70℃の範囲内にある溶剤(A)と、該溶剤(A)に可溶であるエポキシ樹脂成分(B)であって、エポキシ基を分子内に2個以上有するエポキシ樹脂を少なくとも含むエポキシ樹脂成分(B)と、該溶剤(A)に可溶なアミン系硬化剤(C)と、分子内にカルボニル基を有する溶剤(D)とを含むエポキシ樹脂塗料組成物であり、
下記式(I)〜(III):
X =P/Q ・・・ (I)
P =(溶剤(D)の配合量)/(溶剤(D)の分子量) ・・・ (II)
Q =(アミン系硬化剤(C)のアミン価)×(アミン系硬化剤(C)の配合量)/56110 ・・・ (III)
[式(II)中、溶剤(D)の配合量は、エポキシ樹脂成分(B)100質量部に対する溶剤(D)の配合量(質量部)であり、アミン系硬化剤(C)のアミン価は、JIS K 7237に規定される全アミン価であり、アミン系硬化剤(C)の配合量は、エポキシ樹脂成分(B)100質量部に対するアミン系硬化剤(C)の配合量(質量部)である]から求められる式(I)の左辺の値Xが0.5〜10であることを特徴とする。
下記式(I)〜(III):
X =P/Q ・・・ (I)
P =(溶剤(D)の配合量)/(溶剤(D)の分子量) ・・・ (II)
Q =(アミン系硬化剤(C)のアミン価)×(アミン系硬化剤(C)の配合量)/56110 ・・・ (III)
[式(II)中、溶剤(D)の配合量は、エポキシ樹脂成分(B)100質量部に対する溶剤(D)の配合量(質量部)であり、アミン系硬化剤(C)のアミン価は、JIS K 7237に規定される全アミン価であり、アミン系硬化剤(C)の配合量は、エポキシ樹脂成分(B)100質量部に対するアミン系硬化剤(C)の配合量(質量部)である]から求められる式(I)の左辺の値Xが0.5〜10であることを特徴とする。
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物の好適例においては、前記溶剤(D)が、下記一般式(IV):
R1C(=O)R2 ・・・ (IV)
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立してアルキル基若しくはアリール基であるか又はR1及びR2が一体となって環状構造を形成し、但し、R1とR2の炭素原子数の合計は3〜9である]で表されるカルボニル化合物である。
R1C(=O)R2 ・・・ (IV)
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立してアルキル基若しくはアリール基であるか又はR1及びR2が一体となって環状構造を形成し、但し、R1とR2の炭素原子数の合計は3〜9である]で表されるカルボニル化合物である。
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物の他の好適例においては、更に、顔料(E)を含む。
また、本発明の第1の塗装体は、基材と、該基材表面に形成された塗膜とを備えており、該塗膜が、上記のエポキシ樹脂塗料組成物により得られたことを特徴とする。
更に、本発明の第2の塗装体は、旧塗膜で覆われた被覆基材と、該被覆基材表面に形成された塗膜とを備えており、該被覆基材表面に形成された塗膜が、上記のエポキシ樹脂塗料組成物により得られたことを特徴とする。
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物によれば、ポットライフが十分に長く、塗装後の硬化性にも優れるエポキシ樹脂塗料組成物を提供することができる。また、本発明の塗装体によれば、上記エポキシ塗料組成物により得られる塗膜を備える塗装体を提供することができる。
以下に、本発明のエポキシ樹脂塗料組成物を詳細に説明する。本発明のエポキシ樹脂塗料組成物は、JIS K 2256に規定される混合アニリン点又はアニリン点が12〜70℃の範囲内にある溶剤(A)と、該溶剤(A)に可溶であるエポキシ樹脂成分(B)であって、エポキシ基を分子内に2個以上有するエポキシ樹脂を少なくとも含むエポキシ樹脂成分(B)と、該溶剤(A)に可溶なアミン系硬化剤(C)と、分子内にカルボニル基を有する溶剤(D)とを含むエポキシ樹脂塗料組成物であり、式(I):X =P/Q、式(II):P=(溶剤(D)の配合量)/(溶剤(D)の分子量)及び式(III):Q=(アミン系硬化剤(C)のアミン価)×(アミン系硬化剤(C)の配合量)/56110[式(II)中、溶剤(D)の配合量は、エポキシ樹脂成分(B)100質量部に対する溶剤(D)の配合量(質量部)であり、アミン系硬化剤(C)のアミン価は、JIS K 7237に規定される全アミン価であり、アミン系硬化剤(C)の配合量は、エポキシ樹脂成分(B)100質量部に対するアミン系硬化剤(C)の配合量(質量部)である]から求められる式(I)の左辺の値Xが0.5〜10であることを特徴とする。
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物に用いる溶剤(A)は、JIS K 2256に規定される混合アニリン点又はアニリン点が12〜70℃の範囲内にあることを要し、環境に対する負荷が比較的少ない有機溶剤である。アニリン点及び混合アニリン点は、溶剤の溶解力を表す指標の一種であり、アニリン点又は混合アニリン点が高いほど溶解力が弱くなる。アニリン点は、等容積の溶剤とアニリンとが均一な溶液として存在する最低温度であり、混合アニリン点は、溶剤1容積、ヘプタン1容積及びアニリン2容積が均一な溶液として存在する最低温度である。混合アニリン点又はアニリン点が12℃未満では、溶剤の溶解力が強すぎるため、上記エポキシ樹脂塗料組成物を被覆基材に塗装する場合、基材を既に覆っている塗膜(旧塗膜)が溶剤に侵され(具体的には旧塗膜が溶解したり膨潤したりして)、リフティングなどの不具合が発生する恐れがあるので好ましくない。また、混合アニリン点又はアニリン点が70℃を超えると、溶剤の溶解力が弱すぎるため、実用的な性能を有するエポキシ樹脂を溶解することができないので好ましくない。
上記溶剤(A)は、JIS K 2256に規定される混合アニリン点又はアニリン点が12〜70℃の範囲内にあれば特に制限されるものではない。また、上記溶剤(A)は、一種単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。上記溶剤(A)には、例えば、脂肪族系溶剤、ナフテン系溶剤、芳香族ナフサ等の炭化水素系有機溶剤が挙げられる。上記炭化水素系有機溶剤の具体例としては、メチルシクロヘキサン(アニリン点:40℃)、エチルシクロヘキサン(アニリン点:44℃)、ミネラルスピリット(アニリン点:56℃)、テレビン油(アニリン点:44℃)が挙げられる。また、上記炭化水素系有機溶剤には、石油系炭化水素として市販されるものがあり、例えば、HAWS(シェルケミカルズジャパン社製、アニリン点:17℃)、LAWS(シェルケミカルズジャパン社製、アニリン点:44℃)、エッソナフサNo.6(エクソンモービル社製、アニリン点:43℃)、ペガゾール3040(エクソンモービル社製、アニリン点:55℃)、ペガゾールAN45(エクソンモービル社製、アニリン点42℃)、Aソルベント(新日本石油社製、アニリン点:45℃)、クレンゾル(新日本石油社製、アニリン点:64℃)、ミネラルスピリットA(新日本石油社製、アニリン点:43℃)、ハイアロム2S(新日本石油社製、アニリン点:44℃)、エクソールD30(エクソンモービル社製、アニリン点:64℃)、エクソールD40(エクソンモービル社製、アニリン点:69℃)、ニューソルDXハイソフト(新日本石油社製、アニリン点:68℃)、ソルベッソ100(エクソンモービル社製、混合アニリン点:14℃)、ソルベッソ150(エクソンモービル社製、混合アニリン点:18.3℃)、スワゾール100(丸善石油化学社製、混合アニリン点:24.6℃)、スワゾール200(丸善石油化学社製、混合アニリン点:23.8℃)、スワゾール1000(丸善石油化学社製、混合アニリン点:12.7℃)、スワゾール1500(丸善石油化学社製、混合アニリン点:16.5℃)、スワゾール1800(丸善石油化学社製、混合アニリン点:15.7℃)、出光イプゾール100(出光興産社製、混合アニリン点:13.5℃)、出光イプゾール150(出光興産社製、混合アニリン点:15.2℃)、ペガゾールARO−80(エクソンモービル社製、混合アニリン点:25℃)、ペガゾールR−100(エクソンモービル社製、混合アニリン点:14℃)、昭石特ハイゾール(シェルケミカルズジャパン社製、混合アニリン点:12.6℃)、日石ハイゾール(新日本石油社製、混合アニリン点:17℃以下)等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物において、上記溶剤(A)の含有量は、特に限定されるものではなく、塗料の状態や粘度が適性範囲となるように適宜調整でき、例えばエポキシ樹脂塗料組成物中20〜90質量%であることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物において、エポキシ樹脂成分(B)は、エポキシ基を分子内に2個以上有するエポキシ樹脂を少なくとも含むことを要するが、エポキシ基を分子内に1個有するエポキシ樹脂を含んでもよく、エポキシ樹脂成分(B)中における2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の含有量は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上が更に好ましい。
また、上記エポキシ樹脂成分(B)は、上記溶剤(A)に可溶であることを要する。なお、エポキシ樹脂成分(B)に変性エポキシ樹脂が含まれる場合、変性前のエポキシ当量は250以下であることが好ましい。変性前のエポキシ当量が250以下であれば、変性後のエポキシ樹脂の溶剤(A)に対する溶解性も十分に確保することができる。ここで、エポキシ当量とは、JIS K 7236に規定されるものである。
上記エポキシ樹脂成分(B)を構成し得るエポキシ樹脂としては、例えば、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、及び脂環族エポキシ樹脂等が挙げられ、更にはこれらエポキシ樹脂がアルキルフェノール又は/及び脂肪酸によって変性されてなる変性エポキシ樹脂、アルキルフェノールをエピクロルヒドリンと反応させてなるアルキルフェニルグリシジルエーテル、ノボラック型アルキルフェノール樹脂をエピクロルヒドリンと反応させてなるアルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂等も含まれる。これらエポキシ樹脂成分(B)は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記グリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、例えば、多価アルコール、多価フェノール等の水酸基含有化合物と、エピクロルヒドリン等のエポキシ基含有化合物を反応させて得られるグリシジルエーテル基を有するエポキシ樹脂である。上記多価アルコールの具体例としては、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール等を挙げることができる。また、上記多価フェノールの具体例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[一般名:ビスフェノールA]、2,2−ビス(2−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2−ヒドロキシフェニル)2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ハロゲン化ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン[一般名:ビスフェノールF]、トリス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、レゾルシン、テトラヒドロキシフェニルエタン、1,2,3−トリス(2,3−エポキシプロポキシ)プロパン、ノボラック型多価フェノール、クレゾール型多価フェノール等を挙げることができる。
上記グリシジルエステル型エポキシ樹脂としては、例えば、フタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル等を挙げることができる。また、上記脂環族エポキシ樹脂としては、例えば(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシ6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート等を挙げることができる。
上記アルキルフェノールとしては、炭素原子数2〜18のアルキル基を有するフェノールが好ましく、具体例としては、4−t−ブチルフェノール、4−t−ペンチルフェノール、4−ネオペンチルフェノール、4−オクチルフェノール、4−ノニルフェノール等を挙げることができる。また、上記脂肪酸としては、乾性油脂肪酸、半乾性油脂肪酸等が好ましく、具体例としては、亜麻仁油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、エノ油脂肪酸、桐油脂肪酸、トウモロコシ油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、魚油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ひまし油脂肪酸、ハイジエン脂肪酸等を挙げることができる。
上記アルキルフェノールや脂肪酸を変性剤として用いて、エポキシ樹脂を変性する反応は、特に限定されず、従来公知の方法により行うことができる。なお、変性剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記エポキシ樹脂成分(B)の中でも、ビスフェノールAエポキシ樹脂がアルキルフェノール又は/及び脂肪酸によって変性されてなる変性エポキシ樹脂、或いはアルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂が、塗膜の密着性及び強靭性等の観点から好ましい。
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物において、アミン系硬化剤(C)は、エポキシ樹脂成分(B)の硬化剤である。また、上記アミン系硬化剤は、上記溶剤(A)に可溶であることを要するため、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等の脂肪族ポリアミン類、メタキシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、フェニレンジアミン等の芳香族ポリアミン類、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン等の脂環族ポリアミン類や、これらポリアミン類に対して公知の方法によりポリアミド化、エポキシアダクト化、マンニッヒ化、ケチミン化等の変性反応を行って得られる変性ポリアミン等が挙げられる。これらアミン系硬化剤(C)は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物において、アミン系硬化剤(C)は、上記エポキシ樹脂成分(B)のエポキシ基1当量に対して0.5〜3.0当量の活性水素を有することが好ましく、0.6〜1.5当量の活性水素を有することが更に好ましい。上記特定した範囲内にあるアミン系硬化剤(C)の配合量は、塗膜の硬化性、不粘着性及び密着性等の点から好ましい。なお、本発明のエポキシ樹脂塗料組成物中において、エポキシ樹脂成分(B)とアミン系硬化剤(C)を合わせた含有量は、10〜80質量%であることが好ましい。
また、上記アミン系硬化剤(C)は、後述するように、分子内にカルボニル基を有する溶剤(D)との間に成り立つ関係式(I)の左辺の値Xが0.5〜10となるように選択される。このため、アミン系硬化剤(C)のアミン価(JIS K 7237に規定される全アミン価)は50〜1000の範囲内であることが好ましく、これにより、分子内にカルボニル基を有する溶剤(D)の選択が更に容易になる。
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物において、分子内にカルボニル基を有する溶剤(D)は、本発明のエポキシ樹脂塗料組成物の塗装後の硬化性を低下させずに、ポットライフを延長させるために使用される溶剤である。なお、ポットライフとは、エポキシ樹脂塗料組成物において、エポキシ樹脂成分にアミン系硬化剤を混合してから、塗装可能である状態を維持できる最長時間をいう。
本発明者は、溶剤(D)のカルボニル基が、アミン系硬化剤(C)が持つ窒素原子上の孤立電子対をマスクすることにより、ポットライフを延長することができることを見出し、アミン系硬化剤(C)と溶剤(D)との間に成り立つ関係式(I)〜(III):
X =P/Q ・・・ (I)
P =(溶剤(D)の配合量)/(溶剤(D)の分子量) ・・・ (II)
Q =(アミン系硬化剤(C)のアミン価)×(アミン系硬化剤(C)の配合量)/56110 ・・・ (III)
[式(II)中、溶剤(D)の配合量は、エポキシ樹脂成分(B)100質量部に対する溶剤(D)の配合量(質量部)であり、アミン系硬化剤(C)のアミン価は、JIS K 7237に規定される全アミン価であり、アミン系硬化剤(C)の配合量は、エポキシ樹脂成分(B)100質量部に対するアミン系硬化剤(C)の配合量(質量部)である]を導いた。ここで、式(II)中のPは、本発明のエポキシ樹脂塗料組成物に含まれる溶剤(D)の分子数の指標となり、式(III)中のQは、本発明のエポキシ樹脂塗料組成物に含まれるアミン系硬化剤(C)の孤立電子対の数の指標となる。なお、「アミン系硬化剤(C)のアミン価」は、「孤立電子対の数」とほぼ等しいと考え、また、溶剤(D)との単位の統一を図るため、56110[=56.11(KOHの分子量)×1000(mgをgに換算)]を定数として用い、式(II)を導いた。
X =P/Q ・・・ (I)
P =(溶剤(D)の配合量)/(溶剤(D)の分子量) ・・・ (II)
Q =(アミン系硬化剤(C)のアミン価)×(アミン系硬化剤(C)の配合量)/56110 ・・・ (III)
[式(II)中、溶剤(D)の配合量は、エポキシ樹脂成分(B)100質量部に対する溶剤(D)の配合量(質量部)であり、アミン系硬化剤(C)のアミン価は、JIS K 7237に規定される全アミン価であり、アミン系硬化剤(C)の配合量は、エポキシ樹脂成分(B)100質量部に対するアミン系硬化剤(C)の配合量(質量部)である]を導いた。ここで、式(II)中のPは、本発明のエポキシ樹脂塗料組成物に含まれる溶剤(D)の分子数の指標となり、式(III)中のQは、本発明のエポキシ樹脂塗料組成物に含まれるアミン系硬化剤(C)の孤立電子対の数の指標となる。なお、「アミン系硬化剤(C)のアミン価」は、「孤立電子対の数」とほぼ等しいと考え、また、溶剤(D)との単位の統一を図るため、56110[=56.11(KOHの分子量)×1000(mgをgに換算)]を定数として用い、式(II)を導いた。
そして、本発明のエポキシ樹脂塗料組成物においては、上記式(I)〜(III)から求められる式(I)の左辺の値Xが0.5〜10であることを要し、1.0〜5.0であることが好ましい。Xが0.5〜10であれば、アミン系硬化剤が持つ窒素原子上の孤立電子対数に対してカルボニル化合物の分子数が十分であるため、ポットライフが十分に長く且つ塗装後の硬化性も良好である塗料組成物を提供することができる。また、Xが0.5未満では、アミン系硬化剤が持つ窒素原子上の孤立電子対数に対してカルボニル化合物の分子数が不足するため、ポットライフが短くなり、施工に問題が生じ、一方、10を超えると、カルボニル化合物の分子数が過剰になるため、塗装後の硬化性が低下したり、比較的溶解力の強い溶剤(D)によって旧塗膜への塗装時にリフティングが発生したりする。
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物において、分子内にカルボニル基を有する溶剤(D)は、特に限定されないが、下記一般式(IV):
R1C(=O)R2 ・・・ (IV)
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立してアルキル基若しくはアリール基であるか又はR1及びR2が一体となって環状構造を形成し、但し、R1とR2の炭素原子数の合計は3〜9である]で表されるカルボニル化合物であることが好ましい。
R1C(=O)R2 ・・・ (IV)
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立してアルキル基若しくはアリール基であるか又はR1及びR2が一体となって環状構造を形成し、但し、R1とR2の炭素原子数の合計は3〜9である]で表されるカルボニル化合物であることが好ましい。
上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、イソブチル基、イソアミル基等が挙げられ、上記アリール基としては、例えば、フェニル基等が挙げられる。なお、R1とR2の炭素原子数の合計は、3〜9であることを要するが、臭気や引火性の観点から5〜8であることが好ましい。
上記溶剤(D)の具体例としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、プロピオフェノン、アセトフェノン等が挙げられる。これらの中でも、メチルイソブチルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソブチルケトン、及びシクロヘキサノンは、臭気や引火性が比較的穏やかであり、また工業的に入手がしやすいため好ましい。
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物は、着色顔料、体質顔料、防錆顔料等の顔料(E)を更に含むことができる。顔料(E)を含有することで、塗膜の識別が容易になるため、塗装作業上有用である。特に、着色顔料は少量でも効果が高いため好ましい。着色顔料の具体例としては、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、黒色酸化鉄、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、チタンイエロー、クロムグリーン、コバルトブルーなどの無機着色顔料や、アゾ系、フタロシアニン系、縮合多環系などの有機着色顔料が挙げられる。また、体質顔料の具体例としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸バリウム、酸化ケイ素等が挙げられる。更に、防錆顔料の具体例としては、リン酸亜鉛、トリポリリン酸アルミニウム、リンモリブデン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛カルシウム、亜リン酸亜鉛等が挙げられる。これら顔料(E)は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明のエポキシ樹脂塗料組成物中において、顔料(E)の含有量は、特に限定されるものではなく、塗膜の隠蔽性が適性範囲となる量であればよく、通常、0.01〜50質量%が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物には、その他の成分として、反応性希釈剤、非反応性希釈剤、増粘剤、分散剤、消泡剤等の添加剤を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら添加剤としては、市販品を好適に使用することができる。
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物は、上記溶剤(A)、エポキシ樹脂成分(B)、アミン系硬化剤(C)及び溶剤(D)と、必要に応じて適宜選択される各種添加剤とを混合することにより調製できる。また、本発明のエポキシ樹脂塗料組成物の塗装方法としては、特に制限されず、一般的な塗装手段、例えば、刷毛塗り、ローラー塗り、スプレー塗装、各種自動塗装機等による塗装等が利用できる。更に、本発明のエポキシ樹脂塗料組成物の塗布量は、基材による吸い込みや旧塗膜の劣化の程度により左右されるため、これを規定することは困難であるものの、通常0.05〜1.0kg/m2であり、0.1〜0.5kg/m2であることが好ましい。
次に、本発明の塗装体を詳細に説明する。本発明の第1の塗装体は、基材と、該基材表面に形成された塗膜とを備えており、該塗膜が、上述のエポキシ樹脂塗料組成物により得られたことを特徴とする。ここで、基材としては、特に限定されるものではないが、例えば、木繊維補強セメント板、繊維補強セメント板、繊維補強セメント・珪酸カルシウム板等の窯業系サイディング、モルタル、軽量気泡コンクリート、金属サイディング、タイルなどの建築・建材用外壁材等が挙げられる。
本発明の第2の塗装体は、旧塗膜で覆われた被覆基材と、該被覆基材表面に形成された塗膜とを備えており、該被覆基材表面に形成された塗膜が、上述のエポキシ樹脂塗料組成物により得られたことを特徴とする。上述のエポキシ樹脂塗料組成物は、JIS K 2256に規定される混合アニリン点又はアニリン点が12〜70℃の範囲内にある溶剤(A)を含むため、被覆基材への塗装時に、旧塗膜の縮みを起こし難く、塗膜外観に優れる塗装体を提供することができる。なお、旧塗膜とは、上述の通り、上記エポキシ樹脂塗料組成物の塗装時において基材を既に覆っている塗膜を意味する。また、被覆基材とは、基材表面の一部又は全部が塗膜で覆われている基材を意味し、ここで、該基材としては、例えば、本発明の第1の塗装体において説明したものが挙げられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
容器に、「jER168V70」100質量部、ミネラルスピリット80質量部、及びメチルイソブチルケトン10質量部を順次仕込み、均一になるまで混合撹拌して、これを主剤とした。この主剤に、硬化剤として「フジキュアーFXP−8086」17質量部を加え、混合撹拌して、塗料組成物を得た。
容器に、「jER168V70」100質量部、ミネラルスピリット80質量部、及びメチルイソブチルケトン10質量部を順次仕込み、均一になるまで混合撹拌して、これを主剤とした。この主剤に、硬化剤として「フジキュアーFXP−8086」17質量部を加え、混合撹拌して、塗料組成物を得た。
(実施例2〜4及び比較例1〜2)
表1〜2に従う配合処方に従う原料を用いた以外は、実施例1と同様にして、塗料組成物を得た。
表1〜2に従う配合処方に従う原料を用いた以外は、実施例1と同様にして、塗料組成物を得た。
(実施例5)
容器に、「jER168V70」100質量部、ミネラルスピリット80質量部、酸化チタン40質量部、タルク60質量部、及びメチルイソブチルケトン10質量部を順次仕込み、ペイントコンディショナーを用いて1時間練合し、これを主剤とした。この主剤に、硬化剤として「フジキュアーFXP−8086」17質量部を加え、混合撹拌して、塗料組成物を得た。
容器に、「jER168V70」100質量部、ミネラルスピリット80質量部、酸化チタン40質量部、タルク60質量部、及びメチルイソブチルケトン10質量部を順次仕込み、ペイントコンディショナーを用いて1時間練合し、これを主剤とした。この主剤に、硬化剤として「フジキュアーFXP−8086」17質量部を加え、混合撹拌して、塗料組成物を得た。
(実施例6〜8及び比較例3〜4)
表1〜2に従う配合処方に従う原料を用いた以外は、実施例5と同様にして、塗料組成物を得た。
表1〜2に従う配合処方に従う原料を用いた以外は、実施例5と同様にして、塗料組成物を得た。
(比較例5)
市販の「マイティーエポシーラー クリヤー」(大日本塗料社製、強溶剤2液型エポキシ樹脂シーラー)を用いた。なお、塗料中にはキシレン(混合アニリン点:10℃)が約38質量%含まれており、混合アニリン点又はアニリン点が12〜70℃の範囲内にある溶剤および顔料は含まれていない。
市販の「マイティーエポシーラー クリヤー」(大日本塗料社製、強溶剤2液型エポキシ樹脂シーラー)を用いた。なお、塗料中にはキシレン(混合アニリン点:10℃)が約38質量%含まれており、混合アニリン点又はアニリン点が12〜70℃の範囲内にある溶剤および顔料は含まれていない。
(比較例6)
市販の「マイティーエポシーラー 白」(大日本塗料社製、強溶剤2液型エポキシ樹脂シーラー)を用いた。なお、塗料中にはキシレン(混合アニリン点:10℃)が約28質量%含まれており、混合アニリン点又はアニリン点が12〜70℃の範囲内にある溶剤は含まれていない。また、上記塗料は、顔料として二酸化チタン、硫酸バリウムおよびタルクを合計約36質量%含む。
市販の「マイティーエポシーラー 白」(大日本塗料社製、強溶剤2液型エポキシ樹脂シーラー)を用いた。なお、塗料中にはキシレン(混合アニリン点:10℃)が約28質量%含まれており、混合アニリン点又はアニリン点が12〜70℃の範囲内にある溶剤は含まれていない。また、上記塗料は、顔料として二酸化チタン、硫酸バリウムおよびタルクを合計約36質量%含む。
以下に、表1及び表2中で使用される配合剤について説明する。
(注1)「jER168V70」:三菱化学社製、変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂のミネラルスピリット溶液、固形分70質量%、エポキシ樹脂成分(B)中におけるエポキシ基を分子内に2個以上有するエポキシ樹脂の含有量約65質量%、エポキシ樹脂成分(B)のエポキシ当量460、ミネラルスピリットのアニリン点43℃。
(注2)「エピクロン5920−70MS」:DIC社製、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂のミネラルスピリット溶液、固形分70質量%、エポキシ樹脂成分(B)中におけるエポキシ基を分子内に2個以上有するエポキシ樹脂の含有量約60質量%、エポキシ樹脂成分(B)のエポキシ当量650、ミネラルスピリットのアニリン点43℃。
(注3)「ミネラルスピリット」:アニリン点:43℃。
(注4)「メチルイソブチルケトン」:分子量100。
(注5)「ジイソブチルケトン」:分子量142。
(注6)「フジキュアーFXP−8086」:T&K TOKA社製、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンのエポキシアダクト変性物、アミン価210
(注1)「jER168V70」:三菱化学社製、変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂のミネラルスピリット溶液、固形分70質量%、エポキシ樹脂成分(B)中におけるエポキシ基を分子内に2個以上有するエポキシ樹脂の含有量約65質量%、エポキシ樹脂成分(B)のエポキシ当量460、ミネラルスピリットのアニリン点43℃。
(注2)「エピクロン5920−70MS」:DIC社製、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂のミネラルスピリット溶液、固形分70質量%、エポキシ樹脂成分(B)中におけるエポキシ基を分子内に2個以上有するエポキシ樹脂の含有量約60質量%、エポキシ樹脂成分(B)のエポキシ当量650、ミネラルスピリットのアニリン点43℃。
(注3)「ミネラルスピリット」:アニリン点:43℃。
(注4)「メチルイソブチルケトン」:分子量100。
(注5)「ジイソブチルケトン」:分子量142。
(注6)「フジキュアーFXP−8086」:T&K TOKA社製、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンのエポキシアダクト変性物、アミン価210
次いで、上記塗料組成物に関して、下記の方法により、硬化性、旧塗膜適性、ポットライフ及び塗膜の識別を評価した。結果を表3〜4に示す。
<硬化性>
4ミルアプリケーターを用いてブリキ板を塗料組成物で塗装し、温度23℃及び湿度50%RHの雰囲気下で、該塗料組成物を4時間乾燥させ、得られた塗膜の表面乾燥性をJIS K 5600−3−2の試験方法に準じて評価した。評価基準を以下に示す。
○:バロチニを軽く刷毛ではいて、塗膜の表面にきずを付けずに、バロチニが除去できる。
△:バロチニを軽く刷毛ではくと、塗膜の表面にきずが付くが、バロチニを除去できる。
×:バロチニを軽く刷毛ではいても、バロチニを除去できない。
4ミルアプリケーターを用いてブリキ板を塗料組成物で塗装し、温度23℃及び湿度50%RHの雰囲気下で、該塗料組成物を4時間乾燥させ、得られた塗膜の表面乾燥性をJIS K 5600−3−2の試験方法に準じて評価した。評価基準を以下に示す。
○:バロチニを軽く刷毛ではいて、塗膜の表面にきずを付けずに、バロチニが除去できる。
△:バロチニを軽く刷毛ではくと、塗膜の表面にきずが付くが、バロチニを除去できる。
×:バロチニを軽く刷毛ではいても、バロチニを除去できない。
<旧塗膜適性>
ブリキ板に「アクリトップDX」(大日本塗料社製、アクリル樹脂エナメル)を塗布し、7日間乾燥させ、被覆ブリキ板を作製した。次いで、被覆ブリキ板の塗膜上に、塗料組成物が0.15kg/m2となるように該塗料組成物を刷毛塗りし、温度23℃及び湿度50%RHの雰囲気下で、該塗料組成物を4時間乾燥させ、更に、得られた塗膜上に、塗料組成物が0.15kg/m2となるように該塗料組成物を刷毛塗りし、温度23℃及び湿度50%RHの雰囲気下で、該塗料組成物を4時間乾燥させ、被覆ブリキ板を作製した。該被覆ブリキ板の塗面状態を評価した。評価基準を以下に示す。
○:塗面が滑らかで異常がない。
×:塗面にちぢみがある。
ブリキ板に「アクリトップDX」(大日本塗料社製、アクリル樹脂エナメル)を塗布し、7日間乾燥させ、被覆ブリキ板を作製した。次いで、被覆ブリキ板の塗膜上に、塗料組成物が0.15kg/m2となるように該塗料組成物を刷毛塗りし、温度23℃及び湿度50%RHの雰囲気下で、該塗料組成物を4時間乾燥させ、更に、得られた塗膜上に、塗料組成物が0.15kg/m2となるように該塗料組成物を刷毛塗りし、温度23℃及び湿度50%RHの雰囲気下で、該塗料組成物を4時間乾燥させ、被覆ブリキ板を作製した。該被覆ブリキ板の塗面状態を評価した。評価基準を以下に示す。
○:塗面が滑らかで異常がない。
×:塗面にちぢみがある。
<ポットライフ>
主剤と硬化剤を混合してから、温度23℃及び湿度50%RHの雰囲気で該塗料組成物を7時間静置させ、その後、ブリキ板に刷毛塗りし、温度23℃及び湿度50%RHの雰囲気下で、該塗料組成物を4時間乾燥させ、被覆ブリキ板を作製した。該被覆ブリキ板の塗面状態を評価した。評価基準を以下に示す。
○:塗面が滑らかで異常がない。
×:塗面が均一でない、または塗装できない。
主剤と硬化剤を混合してから、温度23℃及び湿度50%RHの雰囲気で該塗料組成物を7時間静置させ、その後、ブリキ板に刷毛塗りし、温度23℃及び湿度50%RHの雰囲気下で、該塗料組成物を4時間乾燥させ、被覆ブリキ板を作製した。該被覆ブリキ板の塗面状態を評価した。評価基準を以下に示す。
○:塗面が滑らかで異常がない。
×:塗面が均一でない、または塗装できない。
<塗膜の識別>
4ミルアプリケーターを用いてブリキ板を塗料組成物で塗装し、温度23℃及び湿度50%RHの雰囲気下で、該塗料組成物を4時間乾燥させ、被覆ブリキ板を作製した。該被覆ブリキ板の塗面状態を目視により評価した。評価基準を以下に示す。
○:塗装部と無塗装部の識別が容易である。
△:塗装部と無塗装部の識別が容易でないが、注意深く観察することにより識別できる。
×:塗装部と無塗装部の識別ができない。
4ミルアプリケーターを用いてブリキ板を塗料組成物で塗装し、温度23℃及び湿度50%RHの雰囲気下で、該塗料組成物を4時間乾燥させ、被覆ブリキ板を作製した。該被覆ブリキ板の塗面状態を目視により評価した。評価基準を以下に示す。
○:塗装部と無塗装部の識別が容易である。
△:塗装部と無塗装部の識別が容易でないが、注意深く観察することにより識別できる。
×:塗装部と無塗装部の識別ができない。
Claims (5)
- JIS K 2256に規定される混合アニリン点又はアニリン点が12〜70℃の範囲内にある溶剤(A)と、該溶剤(A)に可溶であるエポキシ樹脂成分(B)であって、エポキシ基を分子内に2個以上有するエポキシ樹脂を少なくとも含むエポキシ樹脂成分(B)と、該溶剤(A)に可溶なアミン系硬化剤(C)と、分子内にカルボニル基を有する溶剤(D)とを含むエポキシ樹脂塗料組成物であり、
下記式(I)〜(III):
X =P/Q ・・・ (I)
P =(溶剤(D)の配合量)/(溶剤(D)の分子量) ・・・ (II)
Q =(アミン系硬化剤(C)のアミン価)×(アミン系硬化剤(C)の配合量)/56110 ・・・ (III)
[式(II)中、溶剤(D)の配合量は、エポキシ樹脂成分(B)100質量部に対する溶剤(D)の配合量(質量部)であり、アミン系硬化剤(C)のアミン価は、JIS K 7237に規定される全アミン価であり、アミン系硬化剤(C)の配合量は、エポキシ樹脂成分(B)100質量部に対するアミン系硬化剤(C)の配合量(質量部)である]から求められる式(I)の左辺の値Xが0.5〜10であることを特徴とするエポキシ樹脂塗料組成物。 - 前記溶剤(D)が、下記一般式(IV):
R1C(=O)R2 ・・・ (IV)
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立してアルキル基若しくはアリール基であるか又はR1及びR2が一体となって環状構造を形成し、但し、R1とR2の炭素原子数の合計は3〜9である]で表されるカルボニル化合物であることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂塗料組成物。 - 更に、顔料(E)を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂塗料組成物。
- 基材と、該基材表面に形成された塗膜とを備えており、該塗膜が、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂塗料組成物により得られたことを特徴とする塗装体。
- 旧塗膜で覆われた被覆基材と、該被覆基材表面に形成された塗膜とを備えており、該被覆基材表面に形成された塗膜が、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂塗料組成物により得られたことを特徴とする塗装体。
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