JP2015062872A - 固体微粒子の製造方法 - Google Patents

固体微粒子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015062872A
JP2015062872A JP2013198918A JP2013198918A JP2015062872A JP 2015062872 A JP2015062872 A JP 2015062872A JP 2013198918 A JP2013198918 A JP 2013198918A JP 2013198918 A JP2013198918 A JP 2013198918A JP 2015062872 A JP2015062872 A JP 2015062872A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fine particles
particles
solid fine
classification
average particle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013198918A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6605784B2 (ja
Inventor
稲垣 貴大
Takahiro Inagaki
貴大 稲垣
航 田渕
Ko Tabuchi
航 田渕
清水 健次
Kenji Shimizu
健次 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP2013198918A priority Critical patent/JP6605784B2/ja
Publication of JP2015062872A publication Critical patent/JP2015062872A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6605784B2 publication Critical patent/JP6605784B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Separation Of Solids By Using Liquids Or Pneumatic Power (AREA)

Abstract

【課題】高い収率、且つ高い精度で粗大粒子を除去できる固体微粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】体積平均粒子径が20μm以下の固体微粒子が液媒中に分散された分散液を、スピノーダル構造由来の貫通孔が多数形成された多孔質膜で分級することを特徴とする固体微粒子の製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、粗大粒子の低減された固体微粒子を製造する方法に関するものである。
固体微粒子は種々の用途に使用されている。特に微粒子材料は、フィルムや成形加工品等のプラスチック製品、あるいは、塗料、インキ、接着剤等の液状製品に添加され、物性面の強化、製品の高機能化、高性能化をもたらしている。近年は、液晶表示装置等の光学用途に適用するため、粒子径や機能を高度に制御した微粒子が必要とされている。
このため、例えば、他の材料(樹脂やその他の添加物)との親和性の向上、微粒子自体の機械的特性および光学特性の向上等について、様々な検討が重ねられている。また、これらの光学フィルムに用いられる微粒子に対しては、特に、粗大粒子の含有量が少ないことが望まれている。粗大粒子は、フィルム表面に傷を発生させたり、光拡散性能を低下させるためである。しかも、平均粒子径の2倍程度といった、大きさが平均粒子径に近い粗大粒子であっても除去する必要性が高まっている。
このようなことから粗大粒子を低減する検討がなされており、特許文献1には、シード重合により得られた重合体粒子の分散液から、湿式分級を行った後、乾式分級することで、平均粒子径の2倍以上の大きさの粗大粒子を低減する技術が開示されている。この技術は、シャープな粒度分布が得られるシード重合を用いているため有用である。
しかし、比較的広い粒度分布を持つ固体微粒子であると、平均粒子径の2〜3倍程度以上の粒子をカットするためには、気流分級では分級を繰り返す必要があり、収率の低下が避けられない。また、乾式分級では、粒子の大きさだけでなく、粒子の比重の違いや形状も分級結果に影響し、粗大粒子であっても比重の小さい中空粒子や破砕粒子を除去することは容易ではなかった。
一方、篩を用いる分級では、乾式・湿式いずれにおいても、高い生産性を確保するためには、SUS製やナイロン製の網状篩を必要とし、これらは平均粒子径が20μmを超えるような粗大粒子は除去可能であるが、篩の除去性能には限界があって、例えば、平均粒子径が数μmの微粒子中の5〜10μm程度の粗大粒子を除去することはできなかった。
他方、エレクトロフォーミング法により形成される電成篩を用いた精密分級では、ミクロンサイズの微粒子の分級が可能であるが、電成篩は高価な上、分級速度が極めて遅く、
また、1枚の使用では目詰まりを起こし易く、少量しか分級できないため、高価な微粒子への適用に限られていた。
国際公開第2008/023648号パンフレット
そこで本発明では、平均粒子径が20μm以下の固体微粒子において、高い収率、且つ高い精度で粗大粒子を除去できる製造方法の提供を課題として掲げた。
上記課題を解決した本発明は、体積平均粒子径が20μm以下の固体微粒子が液媒中に分散された分散液を、スピノーダル構造由来の貫通孔が多数形成された多孔質膜で分級することを特徴とする固体微粒子の製造方法である。この場合において、多孔質膜の貫通孔の平均径が、固体微粒子の平均粒子径の4倍以下であることが好ましい。
本発明の製造方法は、所定の多孔質膜を用いることで、簡単、高収率、且つ高い精度で粗大粒子数を低減するものであり、得られる固体微粒子は粗大粒子数が極めて少ないという特徴を有する。このため、粗大粒子が不良の原因となり得る光学フィルム分野、各種スペーサー分野、導電性フィルム等に特に有用である。
シラス多孔質ガラス(SPG7)のFE−SEM図面代用写真である(倍率1000倍)。 シラス多孔質ガラス(SPG8)のFE−SEM図面代用写真である(倍率1000倍)。 シラス多孔質ガラス(SPG7)のFE−SEM図面代用写真である(倍率1500倍)。 シラス多孔質ガラス(SPG8)のFE−SEM図面代用写真である(倍率1500倍)。 多孔質膜(SPG膜)による分級装置の説明図である。 多孔質膜(SPG膜)モジュールの拡大説明図である。 エレクトロフォーミング膜による分級装置の説明図である。
[多孔質膜]
本発明で用いる多孔質膜は、スピノーダル構造由来の貫通孔を多数有する膜である。スピノーダル構造由来の貫通孔とは、スピノーダル型相分離を起こした2相のうちの1相のみを除去することによって形成される貫通孔を意味する。例えば、図1および図2にはFE−SEMで撮影した多孔質膜(1000倍)を、図3および図4にはFE−SEMで撮影した多孔質膜(1500倍)を示した。なお、SPG7、SPG8はシラス多孔質ガラスの品番であり、詳しい性状は実施例で説明する。
図1〜4から、様々な大きさの孔が開いており、骨格(孔でない部分)が三次元的に連なった構造であることがわかる。この多孔質膜はガラスであり、SiO2−Na2O−B2O系ガラスを加熱処理して、Si2OとNa2O−B2Oとに相分離させて、Na2O−B2Oを酸処理によって除去したものである。本発明で用いる多孔質膜は、ガラスに限られず、スピノーダル相分離を起こし得る素材を組み合わせてそのうちの1相を除去することが出来るものであれば、金属、シリコン(合金)、樹脂、セラミック、酸化物等、特に限定されないが、孔径の均一性や入手の容易性等からガラスが好ましく、シラス多孔質ガラスが特に好ましい。シラス多孔質ガラスは、SPGテクノ社製から入手可能である。なお、エレクトロフォーミング法で得られる電成篩は、スピノーダル構造由来の貫通孔を持たないため、本発明で用いる多孔質膜とは異なるものである。
固体微粒子中の粗大粒子を体積平均粒子径の2倍以上の大きさであると定義した場合、すなわち、固体微粒子の体積平均粒子径の2倍以上の粒子(粗大粒子)を分級によって除こうとする場合、多孔質膜の孔の平均径が、分散液中の固体微粒子の体積平均粒子径の4倍以下である多孔質膜を選択することが好ましい。図1〜4に示すように、スピノーダル構造由来の貫通孔は大きさが様々であるので、多孔質膜の孔の平均径が固体微粒子の体積平均粒子径の4倍であっても、上記粗大粒子を膜中に捉えることができる。ここで、多孔質膜の孔の平均径とは、FE−SEM写真から、任意に50個の孔を選択して孔の長径(一番長いところ)L1を測定したときの平均値である。多孔質膜の孔の平均径は、固体微粒子の体積平均粒子径の0.8倍以上が分級効率の点から好ましく、2.8倍以上がより好ましい。また、孔径の分散度の一指標である50個の孔のうちの最大孔径を平均径で割った値、すなわち「最大孔径/平均径」は、2以下が好ましい。2以下であれば、所望の大きさの固体微粒子は多孔質膜を通過でき、粗大粒子のみを通過させないように(カット)することができる。また、分散度の別の指標としての変動係数CV(標準偏差を平均径で割った値×100)は、10%以上が好ましく、20%以上がより好ましい。このように孔径が分散していることにより、粗大粒子の粒子径よりも大きな孔を有する多孔質膜であっても、それよりも小さな孔をも有しているため、粗大粒子をカットすることができる。
多孔質膜の厚みは、平均径の10倍以上500倍以下が好ましい。薄すぎると、粗大粒子のカット効果が不充分となり、厚すぎると、膜中に捕捉された粗大粒子に邪魔されて所望の粒子径の固体微粒子も捕捉されてしまって、分級効率が劣るおそれがある。より好ましい厚みは平均径の200倍以下である。
多孔質膜の形状としては、特に限定されないが、例えば、板状(平膜状)やパイプ状(円筒状)が挙げられる。後述するクロスフロー方式の湿式分級に適しているという観点からは、パイプ状(円筒状)が好ましい。パイプ状の多孔質膜を用いる場合、パイプ径は特に限定されないが、径が小さいほど同じ循環流量で、より高い循環流体の線速度となるため好ましい。ただし、径を小さくしすぎると圧力損失が大きくなり閉塞を起こしやすくなるため、パイプ径としては0.1〜100mmφが好ましく、より好ましくは、0.5〜50mmφ、最も好ましくは、1〜30mmφである。板状の場合は、円板状、矩形状、多角形状いずれでもよく、さらに複雑な形状であってもよい。また、分級中に多孔質膜を支持するための支持体は、使用してもしなくてもいずれでもよい。なお、多孔質膜の大きさや使用個数は、分級しようとする固体微粒子分散液の量に応じて、適宜選択すればよい。
[分散液]
本発明では、上記多孔質膜を用いて湿式分級を行う。固体微粒子を分散させるための媒体(液媒)としては特に限定されないが、多孔質膜としてシラス多孔質ガラスを用いる場合、このシラス多孔質ガラスは親水性であるため、水、アルコール、水に任意の量を混合できるメタノール、エタノール、プロパノール等と水との混合溶媒が好ましく、水が最も好ましい。多孔質膜の種類によっては、疎水性の有機溶媒を液媒として用いても構わない。
分散液中の固体微粒子の濃度は特に限定されないが、濃度が高くなると分散液の粘度が高くなって分級速度が低下するため、濃度としては5〜40質量%程度が好ましく、粘度としては、常温(25℃)におけるB型粘度計での測定値として0.5〜20mPa・s程度が好ましい。
分散液には界面活性剤が含まれていてもよく、固体微粒子の均一分散性を高めることができ、分級をスムーズに行える。界面活性剤としては特に限定されないがアニオン性界面活性剤が好ましく、界面活性剤を使用する場合は、固体微粒子に対し0.1〜5質量%程度添加するとよい。
[分級前の固体微粒子]
本発明で分級される対象である固体微粒子は、特に制限なく、公知の固体微粒子が使用できる。なお、本発明の固体微粒子とは、シリカ等の無機微粒子や有機無機複合微粒子に限られず、架橋によって硬くなったポリマー微粒子も本発明の固体微粒子に含まれる。
また、分級前の固体微粒子としては、体積平均粒子径が、0.1μm以上、20μm以下のものが好適である。体積平均粒子径が0.1μmよりも小さい場合、除去すべき粗大粒子と目的とする粒子との大きさの絶対値が近接しているため、分級精度を保持できないおそれがある。より好ましい体積平均粒子径は、0.2μm以上である。一方、分級前の固体微粒子の体積平均粒子径が20μmよりも大きい場合は、除去すべき粗大粒子は数十μmの粒子径のものとなり、通常の篩で除去可能であり、本発明の対象とする必要性が小さい。より好ましくは、体積平均粒子径が10μm以下の固体微粒子である。
[本発明の製造方法]
上記した好適範囲の濃度、粘度の分散液を、多孔質膜からなるフィルターに通過させることで、分級が可能である。
図5には、本発明で用いる分級装置の一例を示した。1は、分級対象の固体微粒子の分散液を調製および貯蔵するためのタンクであり、水(水には限られない)注入ライン7から、タンク1に液媒を加えて分散液の濃度や粘度を調整することができる。3が多孔質膜(SPG膜)モジュールであり、固体微粒子の分散液は、タンク1から循環ポンプ2によって多孔質膜モジュール3に移送され、分級が行われる。図面右側には、多孔質膜モジュールの拡大図を模式的に示しており、円筒状の多孔質膜の内部を下から上へ原液が移動する、すなわち、膜面に平行に原液が流れる(原液流れと透過液流れが直交する方向にある)クロスフロー形式のモジュールとなっている。図5では、透過液(分級後の分散液)は、多孔質膜の外周から外側へ流出してくるので、これを濾過済み分散液用タンク4へ移送すればよい。クロスフロー方式では、大きな粒子を原液流れが循環させるため目詰まりを起こしにくく、必要な粒子が効率的に透過液タンク(濾過済み分散液用タンク4)へと流れていくことから、湿式分級法の中でも好ましい方式である。多孔質膜モジュール3から排出された分散液はタンク1へと戻されるが、前記したように水注入ライン7から水等の液媒を注入することで循環ライン中の分散液の濃度を下げれば、目詰まりの確率が低くなり、安定した連続分級操作が行えるため、好ましい。なお、5は圧力指示計、6は圧力弁である。
分級に当たっては分散液や多孔質膜を取り立てて加熱する必要はなく、常温、例えば20〜35℃程度で分級を行えばよい。
分級速度を上げるためには、分級時に加圧することが好ましく、加える圧力は20〜60kPa程度が好ましい。図5の分級装置では、この圧力範囲になるように圧力指示計5と圧力弁6を利用することができる。60kPaを超えて加圧すると多孔質膜の目詰まりがひどくなり、固体微粒子の回収率が大幅に減少するおそれがあるため、好ましくない。目標とする収率は、80質量%以上である。なお、分散液を多孔質膜に通過させる際の通過速度(フィード流速)は、線速度で0.10〜10m/s程度が好ましい。流量を大きくすると多孔質膜の貫通孔の微粒子による閉塞を抑制できるが、流量が大きすぎると流路内での圧力損失が大きくなってやはり閉塞を起こすため、上記の範囲が好適である。より好ましい流量は0.03〜5m/sであり、最も好ましくは0.05〜1m/sである。
[分級後の固体微粒子]
本発明の製造方法で製造される分級後の固体微粒子は、粗大粒子が低減されている。例えば、分級前の固体微粒子の体積平均粒子径の2倍以上の粒子径の粒子を粗大粒子とした場合、分級後は、この粗大粒子が、固体微粒子100万個中、3個以下に低減されていることが好ましい。また、分級前の固体微粒子の体積平均粒子径の3倍以上の粒子径の超粗大粒子は、分級後、固体微粒子100万個中、1個以下に低減されていることが好ましい。本発明法で得られる固体微粒子は、粗大粒子が極端に低減されているため、各種用途において、粗大粒子に起因する不具合の発生頻度が極めて小さくなる。
[用途]
本発明の製造方法で製造される固体微粒子は、粗大粒子が低減されているので、LCD等に用いる光拡散フィルムや導光板、あるいは、PDP、ELディスプレイおよびタッチパネル等に用いる光学用樹脂に含有させる光拡散剤やアンチブロッキング剤等の添加剤といった光学用途や、各種フィルム用のアンチブロッキング剤、滑剤等としても好適に用いられる。光学用材料以外にも、例えば静電荷像現像用トナー用添加剤、化粧板用添加剤、人工大理石用添加剤、クロマトグラフィーのカラム充填剤、液晶表示パネルのギャップ調整剤、コールターカウンターの表示粒子、免疫診断薬用担体、化粧料用添加剤等としても好適に用いられる。
以下に、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、以下では、便宜上、「質量部」を単に「部」と記すことがある。また、「質量%」を「%」と記すことがある。まず、本発明の実施例において記載する測定方法について以下に示す。
[シード粒子、固体微粒子の体積平均粒子径の測定]
下記例で得られたシード粒子の分散液、または固体微粒子の分散液(粒子換算で0.005部)と、1質量%界面活性剤水溶液(「ネオペレックス(登録商標)G−15」;ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム;花王株式会社製)20部とを混合し、超音波で10分間分散させて測定用分散液を得た。この測定用分散液を測定試料として、精密粒度分布測定装置(「コールターマルチサイザーIII型」;ベックマン・コールター社製)を用いて、体積基準の平均粒子径を求めた。
[多孔質膜の平均径]
FE−SEM(「JSM−7600F」;日本電子社製)を用いて多孔質膜(SPG7とSPG8、SPGテクノ社製)の顕微鏡写真を撮り、任意に50個の孔を選び出し、その孔の長径(最も長いところ)を測定した。この長径をL1とする。また、長径の線分の中点を通る垂線が、孔の周囲と交叉する2つの交点間の距離を短径として測定した。この短径をL2とする。50個の平均値を平均径とした。結果を表1に示す。
[分級後の粗大粒子数]
フロー式粒子像解析装置(「FPIA(登録商標)−3000」;シスメックス社製)を用いて、粒子25万個を測定対象として個数基準の粒度分布データを得て、得られた粒度分布データを元に、全ての形状を画像で確認し、精密粒度分布測定装置を用いて求められた体積基準の平均粒子径の2倍以上の粒子を確認した。この測定を4回繰り返して、重合体粒子100万個当たりの粗大粒子数(粗大粒子数A)とした。また、体積基準の平均粒子径の3倍以上の粒子についても重合体粒子100万個中の数を測定し、粗大粒子数Bとした。
なお、上記測定は、分散液(粒子換算で0.05部)に、1.4質量%界面活性剤水溶液(「ネオペレックス(登録商標)G−15」;ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム;花王株式会社製)を17.5部加え、超音波で10分間分散させた後に行った。
合成例1(分級対象固体微粒子の合成)
冷却管、温度計、滴下口を備えた反応容器に、イオン交換水510質量部と25モル%アンモニア水溶液3質量部、メタノール90質量部を入れ、撹拌しながらこの混合液に3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製、「SZ6030」)15質量部を滴下口から添加して、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの加水分解、縮合を行って、シード粒子となるメタクリロイル基を有するポリシロキサン粒子(重合性ポリシロキサン粒子)を調製した。反応開始から2時間後、得られた重合性ポリシロキサン粒子の乳濁液をサンプリングし、粒子径を測定したところ、体積平均粒子径は0.85μmであった。
続いて、乳化剤としてポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬社製、「ハイテノール(登録商標)NF−08」)の20質量%水溶液2.0質量部をイオン交換水175質量部に溶解した溶液に、単量体として、ジビニルベンゼン(新日鉄住金化学社製、「DVB570」)30質量部、メチルメタクリレート(MMA)60質量部、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)45質量部、重合開始剤としての2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製、「V−65」)2質量部を溶解した溶液を加え、乳化分散させてモノマーエマルションを調製した。
得られたモノマーエマルションを重合性ポリシロキサン粒子の乳濁液中に添加して、さらに撹拌を行った。モノマーエマルション添加から2時間後、反応液をサンプリングして顕微鏡で観察したところ、重合性ポリシロキサン粒子が単量体組成物を吸収して肥大化していることが確認された。
次いで、前記ハイテノールNF−08の20質量%水溶液8質量部、イオン交換水20.6質量部を加え、反応液を窒素雰囲気下で65℃に昇温させて、65℃で2時間保持し、単量体組成物のラジカル重合を行った。ラジカル重合後の反応液を目開き45μmの金網に通過させ、固体微粒子(体積平均粒子径2.1μm、CV値13.5%)のスラリーを得た。このスラリーの固形分は、15質量%であり、B型粘度計で測定した粘度は、1.2mPa・sであった。
実施例1(SPG膜を用いた湿式分級)
湿式分級は、図5に示したような分級装置を用いて行った。図5中のSPG膜モジュールは、図5の右側に示したような構造であり、その中には、図6に示したパイプ状SPG膜(SPG7、SPGテクノ社製)で、外径が10mmφ、厚み0.7mm、長さ125mm、細孔径7μmのものを入れて用いた。
合成例1にて調製した微粒子スラリー(固体微粒子の分散液)を、原液タンク1に1L入れ、タンク1から循環ポンプ2にてSPG膜モジュール3に、0.1m/s(500ml/分に相当)の線速度で送液した。このとき、圧力弁6を用いて、循環ラインが20kPaの加圧下になるように調整した。SPG膜モジュール3から排出された微粒子スラリーをタンク1に戻すことで、微粒子スラリーの循環を継続した。また、微粒子スラリーの循環中は、水注入ライン7から1.2ml/分で水をタンク1に注入した。循環の間に、微粒子スラリーはパイプ状SPG膜の内側を流れ、一部の微粒子スラリーがSPG膜を透過して、パイプの外周の外側へ流出してきた。透過してきた微粒子スラリーを、透過液タンク(濾過済み分散液用タンク4)に分取した。2時間循環運転を実施した後、分取した透過液スラリーの量と固形分濃度及び粗大粒子の分析を行った。この透過液のスラリーの量は1140gで、固形分は12.5質量%であった。分級結果を表2に示す。
実施例2〜13
表2に示したように、膜の種類、原液供給速度、圧力、水のフィード速度等を代えて、湿式分級を行った。循環時間はいずれも2時間とした。分級結果を表2に示す。なお、実施例13は、循環中に水のフィードを行わなかった例である。
比較例1、2
図7に示したエレクトロフォーミング膜を用いた分級装置で湿式分級を行った。エレクトロフォーミング膜モジュールは、図右側に拡大図を示すように、エレクトロフォーミング膜50と超音波発射チップ40とを備えている。符号60と60’はポンプ20を用いて形成した循環ラインを示す。超音波発射チップ40を稼働させ、実施例1で用いたものと同じ微粒子スラリー1Lについて、2時間循環運転を行った。比較例1では、金網の開口の一辺の長さが7μmのエレクトロフォーミング膜を、比較例2では、金網の開口の一辺の長さが8μmのエレクトロフォーミング膜を、それぞれ用いた結果である。分級結果を表2に示す。
本発明の製造方法は、特定の多孔質膜を用いて固体微粒子を分級するため、簡単、高収率、且つ高い精度で粗大粒子数を低減するものであり、得られる固体微粒子は粗大粒子数が極めて少ないという特徴を有する。このため、粗大粒子が不良の原因となり得る光学フィルム分野、各種スペーサー分野、導電性フィルム等に特に有用である。
1 タンク
2 循環ポンプ
3 多孔質膜モジュール
4 濾過済み分散液用タンク
5 圧力指示計
6 圧力弁
7 水注入ライン

Claims (2)

  1. 体積平均粒子径が20μm以下の固体微粒子が液媒中に分散された分散液を、スピノーダル構造由来の貫通孔が多数形成された多孔質膜で分級することを特徴とする固体微粒子の製造方法。
  2. 多孔質膜の貫通孔の平均径が、固体微粒子の平均粒子径の4倍以下である請求項1に記載の固体微粒子の製造方法。
JP2013198918A 2013-09-25 2013-09-25 固体微粒子の分級方法 Active JP6605784B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013198918A JP6605784B2 (ja) 2013-09-25 2013-09-25 固体微粒子の分級方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013198918A JP6605784B2 (ja) 2013-09-25 2013-09-25 固体微粒子の分級方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018074511A Division JP6657286B2 (ja) 2018-04-09 2018-04-09 固体微粒子の分級方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015062872A true JP2015062872A (ja) 2015-04-09
JP6605784B2 JP6605784B2 (ja) 2019-11-13

Family

ID=52831251

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013198918A Active JP6605784B2 (ja) 2013-09-25 2013-09-25 固体微粒子の分級方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6605784B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7175412B1 (ja) * 2021-06-02 2022-11-18 株式会社トクヤマ 六方晶窒化ホウ素粉末及びその製造方法
JP7175413B1 (ja) * 2021-06-02 2022-11-18 株式会社トクヤマ 六方晶窒化ホウ素粉末及びその製造方法
WO2022255294A1 (ja) * 2021-06-02 2022-12-08 株式会社トクヤマ 六方晶窒化ホウ素粉末

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009269161A (ja) * 2008-05-02 2009-11-19 Emaus Kyoto:Kk 三次元網目構造多孔体からなるスラリー分離材及びその製造方法
JP2012144702A (ja) * 2010-12-21 2012-08-02 Kao Corp 非水系顔料分散体の製造方法
JP2012176895A (ja) * 2009-09-10 2012-09-13 Japan Siper Quarts Corp シリコン単結晶引き上げ用シリカガラスルツボの製造方法
WO2012161065A1 (ja) * 2011-05-23 2012-11-29 独立行政法人産業技術総合研究所 薄膜シリカガラスコート量子ドットからなる蛍光性微粒子及びその製造方法
JP2012250341A (ja) * 2011-05-06 2012-12-20 Moresco Corp 高圧ジェット切断加工用組成物
JP2013069843A (ja) * 2011-09-22 2013-04-18 Toyoda Gosei Co Ltd 発光装置および発光装置の製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009269161A (ja) * 2008-05-02 2009-11-19 Emaus Kyoto:Kk 三次元網目構造多孔体からなるスラリー分離材及びその製造方法
JP2012176895A (ja) * 2009-09-10 2012-09-13 Japan Siper Quarts Corp シリコン単結晶引き上げ用シリカガラスルツボの製造方法
JP2012144702A (ja) * 2010-12-21 2012-08-02 Kao Corp 非水系顔料分散体の製造方法
JP2012250341A (ja) * 2011-05-06 2012-12-20 Moresco Corp 高圧ジェット切断加工用組成物
WO2012161065A1 (ja) * 2011-05-23 2012-11-29 独立行政法人産業技術総合研究所 薄膜シリカガラスコート量子ドットからなる蛍光性微粒子及びその製造方法
JP2013069843A (ja) * 2011-09-22 2013-04-18 Toyoda Gosei Co Ltd 発光装置および発光装置の製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7175412B1 (ja) * 2021-06-02 2022-11-18 株式会社トクヤマ 六方晶窒化ホウ素粉末及びその製造方法
JP7175413B1 (ja) * 2021-06-02 2022-11-18 株式会社トクヤマ 六方晶窒化ホウ素粉末及びその製造方法
WO2022255294A1 (ja) * 2021-06-02 2022-12-08 株式会社トクヤマ 六方晶窒化ホウ素粉末

Also Published As

Publication number Publication date
JP6605784B2 (ja) 2019-11-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Song et al. Cross-linked, monodisperse, micron-sized polystyrene particles by two-stage dispersion polymerization
Kodger et al. Precise colloids with tunable interactions for confocal microscopy
JP6605784B2 (ja) 固体微粒子の分級方法
CN101293936B (zh) 单分散性聚苯乙烯微球的粒径可控的制备方法
JP2010167410A (ja) 中空微粒子の製造方法、それにより得られる中空微粒子及びその分散液、並びにこの中空微粒子を用いた反射防止フィルム
CN105778145B (zh) 大面积有序多孔膜的制备方法
WO2008053877A1 (fr) Polymère, composition de réserve, et procédé destiné à produire un substrat présentant un motif
JP4190239B2 (ja) コロイド結晶体及びその製造方法
Zhou et al. Study of crosslinked copolymer nanospheres with temperature resistance, salinity resistance, and deep profile control
JP5740479B2 (ja) ビニル重合体微粒子、その製造方法、樹脂組成物および光学用材料
JP2014160054A (ja) カラム用充填材
Peng et al. Direct observation of the formation of liquid protrusions on polymer colloids and their coalescence
CN106179141A (zh) 一种具有拉曼活性的微球及其制备方法
JP5905207B2 (ja) 金属不純物量の少ない半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法及び該共重合体を製造するための重合開始剤の精製方法
JP2008239967A (ja) アクリル系樹脂粒子の製造方法及び樹脂粒子の製造方法
CN111434610A (zh) 多孔二氧化硅微球及其制备方法和应用
JP2016071020A (ja) 半導体フォトリソグラフィー用薬液の精製方法、半導体フォトリソグラフィー用薬液の精製装置、及び半導体フォトリソグラフィー用薬液
JP6657286B2 (ja) 固体微粒子の分級方法
CN113492002A (zh) 一种基于Janus微球的液相色谱固定相及其制备方法
JP2009057480A (ja) スチレン系樹脂粒子の製造方法
Cui et al. Effect of hybrid emulsifier (reactive coupling with anionic) on the properties of acrylic emulsion
CN110117341B (zh) 一种多孔的功能化聚合物微球的制备方法
JP5080311B2 (ja) ポリスチレン含有アクリル系樹脂粒子の製造方法
Hu et al. Effects of membrane pore activation on microporous membrane emulsification process and emulsion droplet formation
Park et al. Aqueous colloid+ polymer depletion system for confocal microscopy and rheology

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160606

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170327

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170704

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170831

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180409

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20180416

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20180601

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20181227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190308

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190903

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191017

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6605784

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150