JP2015062599A - 顔料着色された織製面ファスナー - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザーの要求により速やかに所望の色に着色された織製面ファスナーを提供でき、従来の染料技術では染色できないような繊維からなる面ファスナーであっても所望の色に着色されており、さらに着色によっても面ファスナーのもっとも重要な性能である係合力が損なわれることなく、かつ風合いも柔らかい着色された織製の面ファスナーを提供する。【解決手段】イオン性基を有する高分子型分散剤により顔料を分散させた水性分散体(A)と架橋剤(B)を含有する浴に、基布表面に多数の係合素子を有し、基布裏面にはバックコート樹脂層を実質的に有していない織製面ファスナーを浸漬した後、該織製面ファスナーを浴から取り出し、そして乾燥・熱処理を施すことにより高分子分散剤のイオン性基と架橋剤との間で架橋反応を生起させて顔料を織製面ファスナー構成繊維表面に固着させることを特徴とする織製面ファスナーの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、顔料着色された織製面ファスナーであって、優れた係合力と優れた摩擦堅牢性を有する面ファスナーおよびその製造方法に関する。
従来から、地経糸と地緯糸を織成して得られた基布の片面にフック状の係合素子またはループ状の係合素子を立設した面ファスナーは、織製面ファスナーとして広く使用されている。
そして、これら織製面ファスナーは、係合・剥離の繰り返しにより係合素子が基布から引き抜かれないように、係合素子用の糸は基布内に織り込まれ、さらに基布の裏面には、バックコート剤と呼ばれる接着剤の層、代表的にはポリウレタンからなる層が塗布されており、これにより係合素子用の糸を、基布を構成している地経糸や地緯糸に固定している。
このような織製面ファスナーは、そのほとんどが所望の色に着色されて種々の用途に用いられている。着色方法としては、大きく分けて、染料により染色する方法と顔料により着色する方法の2種類に分類される。
染料により染色する方法の場合、バックコート樹脂を塗布した後に染色すると、染料液の浸透がバックコート樹脂層により妨げられ、染色斑を生じやすいという問題点を有しており、染色斑の発生を防ぐためにバックコート樹脂を塗布する前に染色を行う方法が工業的に一般的に用いられている。
さらに、フック状係合素子を有する織製面ファスナーの場合、フック状係合素子は、基布の表面に形成したフック状係合素子用のループの片脚を切断してループをフック状係合素子とする方法が用いられており、ループの片脚を切断するためには、ループは基布上にしっかりと固定されている必要があり、したがって基布の裏面にバックコート樹脂を塗布した後に片脚切断が行われる。
つまり、染色工程後に、バックコート樹脂層形成工程、さらに片脚切断工程が行われて面ファスナーが出来上がることとなる。
このように、染料により染色する方法の場合には、染色工程後に、バックコート樹脂層形成工程、片脚切断工程等の多くの工程を行わなければならないことから、色注文をユーザーから受けて所望の色を有する織製面ファスナーをユーザーに渡すまでに時間を要するという問題点を有している。
さらに、最近、織製面ファスナーの用途として、消防用衣料や高温条件での作業用衣料等の分野が伸びており、この分野の織製面ファスナーとして、メタ系アラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維やポリフェニレンサルファイト系繊維で代表される耐熱性の繊維を用いた織製面ファスナーが知られているが(特許文献1)、このような耐熱性の繊維、特にポリフェニレンサルファイト系繊維は染色性が低く、所定の深みの色に染色することができないという問題点を有している。
このような染料を用いる染色方法に代えて顔料を用いて着色する方法も知られているが、顔料で着色すると、繊維表面に顔料粒子を固着するのに大量のエマルジョン樹脂を用いることが必要であるため、着色面ファスナーの風合いが堅くなり、衣料品には不向きとなるという問題を有している。
また、織製面ファスナー、特にループ状係合素子を有する面ファスナーの場合は、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸がエマルジョン樹脂によって繊維間膠着されてバラケないため、本来の係合力が発現されないという問題を有している。また、フック状係合素子を有する面ファスナーの場合も、片脚切断した切断部をエマルジョン樹脂が塞いだり、切断部の隙間を狭くしたりして、ループ状係合素子がフック内に侵入することを妨害することとなり、本来の係合力が発現されないということとなる。
すなわち、顔料を用いて着色する方法も、風合いが硬くなり、さらに係合力が低下するという問題点を有している。
特許第5139998号公報(特許請求の範囲の欄)
本発明は、ユーザーの要求により所望の色に着色された織製面ファスナーを速やかにユーザーに提供でき、従来の染色技術では濃色に染色できないような繊維からなる面ファスナーであっても所望の濃い色に強固に着色されており、さらに着色により面ファスナーのもっとも重要な性能である係合力が低下せず、かつ風合いも柔らかい着色された織製面ファスナーおよびその製造方法を提供するものである。
すなわち、本発明は、基布表面に多数の係合素子を有し、基布裏面にはバックコート樹脂層を実質的に有していない織製面ファスナーにおいて、基布構成繊維および係合素子の表面に、イオン性基を有する高分子型分散剤により顔料が分散された水性分散体(A)と架橋剤(B)からなる着色剤組成物の架橋反応物が固着されていることを特徴とする織製面ファスナーである。
そして、上記織製面ファスナーにおいて、好ましくは、基布を構成する地緯糸が、230℃以下の融点または軟化点を有する熱融着繊維を含んでいる場合である。また、上記織製面ファスナーにおいて、好ましくは、基布を構成する地経糸繊維および地緯糸繊維からなる地糸繊維の少なくとも一部と係合素子を構成する繊維の少なくとも一部がともに耐熱性繊維である場合である。また、好ましくは、耐熱性繊維がともにポリフェニレンサルファイド系繊維である場合である。
さらに本発明は、イオン性基を有する高分子型分散剤により顔料を分散させた水性分散体(A)と架橋剤(B)を含有する浴に、基布表面に多数の係合素子を有し、基布裏面にはバックコート樹脂層を実質的に有していない織製面ファスナーを浸漬した後、該織製面ファスナーを浴から取り出し、そして乾燥・熱処理を施すことにより高分子分散剤のイオン性基と架橋剤との間で架橋反応を生起させて顔料を織製面ファスナー構成繊維表面に固着させることを特徴とする織製面ファスナーの製造方法である。
さらに本発明は、上記の織製面ファスナーが取り付けられている屋外作業衣料であり、また上記の織製面ファスナーが取り付けられている防火衣料である。
本発明の織製面ファスナーは、バックコート樹脂層を付与せずに、基布を構成する糸を熱溶着させることにより係合素子用の糸を固定しているため、従来の染色による着色のように、バックコート樹脂層を付与する前に着色する必要がなく、最終製品である面ファスナーとした後で着色すればよいことから、ユーザーの要求により所望の色に着色された織製面ファスナーを速やかに提供できる。
また、顔料着色であることから、従来の染料では濃色に染色できないような繊維からなる面ファスナーであっても所望の濃い色に着色することができる。さらに、従来の顔料着色のように、着色剤に添加されているエマルジョン樹脂がループ状係合素子のフィラメント間を膠着したり、フック状係合素子の切断部を塞いだり隙間を狭くするということもなく、したがって面ファスナーのもっとも重要な性能である係合力が着色により損なわれるという問題もなく、かつエマルジョン樹脂により風合いが硬くなるという問題も発生しない。
まず、本発明の織製面ファスナーは、フック状係合素子を表面に有する面ファスナー、ループ状係合素子を表面に有するループ面ファスナー、またフック状係合素子とループ状係合素子の両方を同一面に有するフック・ループ混在面ファスナー、またフック状係合素子を表面に、そしてループ状係合素子を裏面に有する両面面ファスナー、両面がフック・ループ混在である両面混在面ファスナーのいずれをも包含する。
これら面ファスナーのうち、フック面ファスナーは、主として、フック状係合素子用モノフィラメント糸、地経糸および地緯糸から形成される。一方、フック面ファスナーの係合相手となるループ面ファスナーは、主として、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸、地経糸および地緯糸から形成される。
また、フック状係合素子とループ状係合素子が同一面に混在しているフック・ループ混在面ファスナーや、フック状係合素子を表面にループ状係合素子を裏面に有する両面面ファスナーや、両面フック・ループ混在面ファスナーは、主として、フック状係合素子用モノフィラメント糸、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸、地経糸および地緯糸から形成される。
そして、これら面ファスナーには、必要により、これら以外の糸が織り込まれていてもよい。
これらの主要糸は、ポリエステル系繊維、ナイロン系繊維、ポリオレフィン系繊維等のいずれであってもよいが、熱や吸水・吸湿により波打ち(面ファスナーの基布面が不規則に上下して、水平な面とならない状態)を生じない点から、後述するポリフェニレンサルファイト系の繊維(以下PPS繊維と略す)で代表される耐熱性繊維が用いられている箇所以外はポリエステル系のポリマーからなる繊維で構成されているのが好ましい。
特に、本発明の面ファスナーは、基布、フック状係合素子およびループ状係合素子がともに耐熱性繊維(以下、PPS繊維の例で代表して説明する。)で構成されているのが好ましく、このようなPPS繊維を用いることにより面ファスナーの耐熱性が格段に向上する。しかもPPS繊維は染料により濃色に着色できないという問題点を有しているが、本発明によりそれが解消し、所望の鮮やかな色調を有する耐熱性面ファスナーが得られることとなる。
具体的には、織物基布の地経糸と地緯糸からなる地糸の少なくとも一部として、さらにループ状係合素子用の糸としてPPS繊維、特に好ましくはPPSマルチフィラメントを用い、また後の工程でフック状係合素子に形成されるループを形成するための繊維として、PPS繊維、特に好ましくはPPSのモノフィラメントを用い、常法により製織し、最終的にループ面ファスナーやフック面ファスナーにするのが好ましい。
織物基布の地経糸を構成する繊維としては、150〜300デシテックス/10〜80フィラメント(マルチフィラメント糸のトータルデシテックス/マルチフィラメント糸構成フィラメント数。以下同様。)のマルチフィラメント、特にPPS製のマルチフィラメントが好ましい。
織物基布の地緯糸を構成する繊維には、230℃以下の融点または軟化点を持つ熱融着性繊維(以下、バインダー繊維と称す)が含まれていることが好ましく、このバインダー繊維を熱融着させることにより、係合素子の根元を強固に固定することができる。特に、地緯糸として、熱融着性繊維とPPS繊維との引き揃え糸が好ましい。該PPS繊維としては、150〜300デシテックス/5〜50フィラメントのPPSマルチフィラメントが特に好ましい。該PPSマルチフィラメントは、実質的に無撚糸であるのが、該マルチフィラメントと引き揃えられるバインダー繊維のバインダー効果を高める上で好ましい。
上記バインダー繊維は230℃以下の融点または軟化点を持つ繊維が好ましく、より好ましくは120〜230℃、さらに好ましくは140〜200℃、もっとも好ましくは160〜190℃の融点または軟化点を持つ繊維である。より具体的には、低融点または低軟化点のポリエステルを鞘成分とし、高融点のポリエステルを芯成分とする芯鞘型複合繊維が好ましく、そして芯成分/鞘成分(質量比)は75/25〜30/70が好ましい。鞘成分ポリエステルの融点または軟化点は、上記の温度が好ましい。芯成分ポリエステルの融点は、鞘成分ポリエステルの融点または軟化点より20℃程度以上高いことが好ましく、20〜120℃高いことがより好ましい。
低融点または低軟化点の鞘成分ポリエステルの好適例としては、例えば、イソフタル酸、ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸等の脂肪族ジカルボン酸、プロピレングリコール、ブチレングリコール等のアルキレングリコール等を共重合したポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートが挙げられる。ジカルボン酸成分およびジオール成分中の共重合成分の割合はそれぞれ15〜50モル%であることが好ましい。
芯成分ポリエステルの好適例としては、実質的に共重合されていない(共重合成分の含有量が10モル%以下、より好ましくは実質的に共重合されていないホモポリマーである)ポリエチレンテレフタレートが挙げられる。バインダー繊維は、単繊維繊度が2〜6デシテックスのフィラメントからなるマルチフィラメント(フィラメント数=12〜60本)であることが好ましい。
前記引き揃え糸において、PPS繊維とバインダー繊維の質量比は、4:1〜1:1の範囲が好ましく、2:1〜1:1がより好ましい。
フック状係合素子を形成することとなる繊維としては、前記したようにPPSモノフィラメントが好ましく、200〜600デシテックスのPPSモノフィラメントがより好ましい。
またループ状係合素子を形成することとなる糸としては、5〜20本のフィラメントからなるトータルデシテックスが150〜350デシテックスのマルチフィラメント、特にPPS系のマルチフィラメント糸が好ましい。
本発明の織製面ファスナーは、上記地経糸、地緯糸および係合素子用繊維を製織して表面に係合素子用ループが立設された織物(ループ織物)を得る工程、該ループ織物を熱処理してバインダー繊維を融着させて係合素子用繊維を基布に固着させるとともにフック面ファスナーの場合にはフック状係合素子のフック形状を固定させる工程、およびフック面ファスナーの場合には、ループの一部、通常、ループの側部を切断してフック状係合素子を形成する工程を経て製造される。そして、係合素子用繊維は、地経糸の一部として用いるのが耐引抜性の点で好ましい。
織密度としては、地経糸25〜65本/cm、地緯糸13〜20本/cmが好ましく、そして地経糸2〜5本に1本の割合で係合素子用繊維を挿入するのが好ましい。この際、係合素子用繊維が織物基布表面から1〜3mmの高さに突出するループを形成するように製織するのが好ましい。
織構造としては、通常の平織が好ましい。面ファスナー用織物を得るための製織方法は特に限定されず、織物の製造に従来使用されている方法で行えばよい。
なお、フック面ファスナーの場合には、地経糸に平行に打ち込まれた係合素子用糸は、地経糸に平行に地緯糸数本の上下を浮沈したのちループを形成するが、その際にループを形成している箇所で地経糸を跨いでループを形成しているのが、ループの片脚を切断する際の作業性の点で好ましい。
そして、本発明において、バインダー繊維の量が、織物基布を形成する繊維全量(基布の地経糸と地緯糸の合計質量で、係合素子を構成することとなる繊維は除く)に対して10〜25質量%であることが係合素子の固定効果および耐熱性や柔軟性の点で好ましい。
次いで、得られた面ファスナー用織物を熱処理して係合素子用繊維を基布に固着させると共にループ形状を固定し、次いでフック面ファスナーの場合には、ループの側部の1箇所または2箇所をバリカン様の装置で切断し、フック状係合素子を形成する。切断する際には、フック状係合素子は基布に固着されているのが好ましい。
従来の織製面ファスナーでは、フック状係合素子を固着するために、切断に先立って基布の裏面にバックコート樹脂を塗布して樹脂層を形成し、フック状係合素子が基布から抜けないように固定している。しかし、該バックコート樹脂層は面ファスナーを硬くし、また面ファスナーの耐熱性や難燃性を低下させ、さらに染色処理の後に行わざるを得ず、したがって着色工程から最終製品までに時間に要することとなる。
以上のことから、従来の染色法の場合には、ユーザーに所望の色調の面ファスナーを速やかに提供するという点で大きな問題を有していたが、本発明ではバインダー繊維が係合素子を基布にしっかりと固着するためバックコート樹脂層を塗布しないことから、このような従来技術の問題点が解消できる。
本発明の織製面ファスナーの織物基布の厚さは0.2〜0.5mmが好ましく、係合素子は織物基布上に30〜70個/cm2の密度で存在するのが好ましく、織物基布の目付けは、250〜450g/m2の範囲が係合性能および風合いの点で好ましい。前記したように基布の片面に係合素子を形成してもよいし、また両面に係合素子を存在させてもよい。
地経糸や地緯糸や係合素子用糸を構成する繊維として、上記したPPS繊維の他に、ポリエステル系ポリマーからなる繊維も形状安定性や係合素子の耐引抜性の点で好ましい。ポリエステル系ポリマーとは、エチレンテレフタレート単位を主体とするポリエステルまたはブチレンテレフタレート単位を主体とするポリエステルであり、主としてテレフタル酸とエチレングリコールからの縮合反応またはテレフタル酸とブタンジオールからの縮合反応により得られるポリエステルである。
また本発明で用いる耐熱性繊維としては、常用使用温度が150℃以上であることが好ましく、180℃以上であることが耐熱性に優れる点でより好ましい。例えばPPS繊維(常温使用温度190℃以上)の他に、全芳香族ポリエステル繊維(常温使用温度 例えば260℃以上)やメタ系アラミド繊維(常温使用温度 210℃以上)を係合素子用繊維や地糸、特に地経糸として使用することも、好ましい例である。なお、常用使用温度とは、10万時間暴露で強度が半分となる温度である。
次に本発明に用いられる着色剤について説明する。
本発明では、着色剤として、イオン性基を有する高分子型分散剤により顔料が分散された水性分散体(A)と架橋剤(B)からなる着色剤組成物が用いられ、繊維表面には、このような着色剤組成物の架橋反応物が固着されていることとなる。
まず、水性分散体(A)について説明すると、水性分散体(A)は、顔料、高分子型分散剤および水性媒体から構成される。顔料と高分子型分散剤の配合割合(質量)は、1:0.1〜2が好ましく、より好ましくは1:0.3〜1.5の範囲である。顔料と水性媒体の配合割合(質量)に関しては、顔料を分散させることが可能な量であればよく、例えば水性媒体/顔料≧1が一般的である。
水性分散体(A)を構成する顔料としては、平均粒子径が0.1〜0.5μmのものが好適である。この平均粒子径を外れると、顔料が作業中に沈降したり、顔料粒子間凝集を生じたりして均一に着色することができない場合があったり、繊維表面に強固に固着できなかったりする。なお、顔料の平均粒子径は粒度分布計(HORIBA LA−700)を用いて測定する。
使用する顔料は、無機顔料でも有機顔料でもかまわない。顔料の具体例を挙げれば、黒色系顔料としてカーボンブラック、酸化鉄黒顔料、赤色顔料としてキナクリドン系顔料、クロムフタール系顔料、アゾ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、アンスラキノン系顔料など、黄色顔料としてアゾ系顔料、イミダゾロン系顔料、チタン黄色顔料など、オレンジ顔料としてインダンスレン系顔料、アゾ系顔料など、青色系顔料としてフタロシアニン系顔料、群青、紺青など、緑色顔料としてフタロシアニン系顔料など、紫色顔料としてジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料など、白色顔料として酸化チタン、アルミニウムシリケート、酸化ケイ素などを用いることができる。
次に高分子型分散剤は、イオン性基を有していなければならない。好ましくは、イオン性基含有単量体と疎水性基含有単量体を共重合させることにより得られる高分子量物である。
例えば、イオン性基含有単量体として、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、ソルビン酸、フマル酸、これら不飽和カルボン酸や不飽和スルホン酸やその無水物や塩、エステル等、ビニルアミン、ビニルピリジン等の不飽和アミン含有単量体、またはそれらを4級化させた不飽和アンモニウム塩含有単量体等が挙げられる。
また疎水性基含有単量体としては、スチレン系単量体、フェニル基含有(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、ウレタン基含有ビニル単量体、エポキシ基含有ビニル単量体などが挙げられる。
高分子型分散剤の分子量としては、重量平均分子量で2千〜5万の範囲程度が好ましい。もちろん、上記高分子型分散剤には、上記したイオン性基含有単量体と疎水性基含有単量体のほかに、他の単量体が共重合されていてもよい。
水性媒体としては、水や水溶性有機溶剤等が用いられ、水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、2−ピロリドン、1,5−ペンタンジオール、エチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
次に架橋剤(B)について説明すると、上記した高分子型分散剤中のイオン性基と反応して、イオン性基を架橋させることにより、親水性であるイオン性基を封鎖させて、高分子型分散剤を非水溶性の樹脂様高分子体とすることで、顔料の固着剤としての機能を生じさせるものである。
したがって、高分子型分散剤が固着性機能を有することから、従来の顔料着色液のように大量のエマルジョン樹脂を用いることなく顔料の固着が可能となり、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント間を膠着させたり、フック状係合素子の切断部を塞いだり、狭くすることがなく、係合力を低下させることが殆どない。
具体的な架橋剤(B)としては、オキサゾリン化合物、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート系化合物、エポキシ樹脂化合物、エチレン尿素化合物、エチレンイミン化合物、メラミン化合物、カルボジイミド化合物、シランカップリング剤などが挙げられる。
なお、水性分散体(A)と架橋剤(B)の配合比(質量比)としては1:0.2以上が好ましく、より好ましくは1:0.3〜1.5の範囲である。
上記の水性分散体(A)と架橋剤(B)からなる着色剤組成物は粘度が高く、そのままの濃度では着色剤として使用しづらいことから、水性の希釈剤により希釈して、適度の粘度とした後に、着色剤浴液として使用するのが好ましい。具体的には、10倍から100倍程度、特に30〜70倍程度に希釈して使用する方法が一般的である。
なお、着色剤浴液には、面ファスナーへの着色剤の浸透を助けるために、浸透剤が添加されていてもよい。浸透剤としては、通常の繊維製品の染色や薬剤含浸の際に用いられている浸透剤が使用できる。
このような着色剤組成物を含む浴に、織製面ファスナーを浸漬して面ファスナー表面に着色剤組成物を付着させる。この際に、ロールに巻いた面ファスナーをロールから巻き戻し、通常の着色剤液を充填した浴中に面ファスナーを走行させることにより浸透させることができる。浴の温度としては5〜50℃が好ましく、特に常温が好ましい。また浴中での処理時間(浸漬時間)としては1秒〜1分、特に2〜20秒が好ましい。もちろん、浴中の着色剤液を攪拌や液流させることもできる。
また、着色液中を走行させた面ファスナーを浴から取り出した後、絞液し、乾燥・熱処理し、さらに再度着色液中を走行させ、そして浴から取り出した後、絞液し、乾燥・熱処理を行う、いわゆる二度付着法は、面ファスナーをより均一な濃色に着色する方法として好ましい。
なお、着色剤液には、上記浸透剤の他に、必要により、増粘剤、難燃剤、耐光剤、撥水剤等を含んでいてもよい。特に面ファスナーが屋外で用いられ、かつ耐熱性や耐燃焼性が要求される屋外作業衣料、例えば防火衣料(例として耐熱衣料や消防衣料)の部材として用いられる場合には、耐光剤が浴に添加されているのが好ましい。
そして浴から織製面ファスナーを取り出し、一定の着色剤液量となるように絞液したのち、乾燥・熱処理を行う。この熱処理により着色剤組成物の高分子型分散剤のイオン性基と架橋剤(B)を反応させ、高分子型分散剤を不溶性の樹脂に変換させるとともに、不溶化された樹脂により顔料粒子を繊維表面に固着させる。架橋反応は室温でも徐々に進行するが、架橋反応を促進させるために100〜180℃で3〜20分程度、特に110〜170℃で5〜15分間熱処理を行うのが好ましい。熱処理は、加熱ローラに面ファスナーを巻き付けて行う方法が簡便である。
本発明において、面ファスナーにおける着色剤の固形分付着量(高分子型分散剤の架橋物を含む)は、0.5〜3質量%が好ましく、特に0.8〜2.5質量%が特に好ましい。
このようにして得られる着色された織製面ファスナーは、顔料着色されていることから鮮やかな色調を有し、いつまでも耐光性に優れ、しかも面ファスナーの有する高係合力を保持している。
なお、本発明に用いる着色剤組成物は、例えば、松井色素株式会社からダイストーンの商品名で販売されている着色剤組成物を使用することができる。
本発明の面ファスナーは、上記したように、PPS繊維、メタ系芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維等の耐熱性繊維が用いられているのが好ましいことから、これら繊維を用いた耐熱性面ファスナーに適している。そして、耐熱性面ファスナーは、耐熱性用途、たとえば、熔鉱炉や鋳物工場で働く作業員の作業用衣料(衣料とは身につけるものの総称であり、例えば服や手袋や帽子、さらには防護用の衣類や靴を指す。)の部材として、また防火衣料の部材として、さらに排煙装置のフィルター固定用面ファスナーで代表される、耐熱性が要求される分野に特に適している。
以下本発明を実施例により説明する。なお、実施例において、得られた面ファスナーの柔軟性、係合力、融点または軟化点に関しては、次の方法により測定した。
[曲げ硬さ(柔軟性)]
JIS−L−1096 ハートループ法により測定。
[係合力]
25mm巾のフック面ファスナーとループ面ファスナーを用い、JIS−L−3416に準じて測定した。
[融点または軟化点]
バインダー繊維を形成する樹脂の融点または軟化点は、光透過方式を用いた自動融点測定炉(メトラートレド株式会社製FP62)を用い、JIS−K−0064により測定した。
[耐炎性]
25mm巾のフック面ファスナーとループ面ファスナーを垂直に垂らし、ガスバーナーの炎を12秒間面ファスナーテープ着炎して離したのち、残炎時間を測定した。
実施例1
下記の地経糸、地緯糸および係合素子用繊維を製織してループ織物を作製した。
(1)地経糸:500ターン/mの撚が付与された撚糸
PPSマルチフィラメント(250デシテックス/60フィラメント:東洋紡績(株)製、商品名「プロコン」(登録商標)T/#40 G250−60−PFD)
(2)地緯糸:下記PPSマルチフィラメントと熱融着性マルチフィラメントの無撚引き揃え糸
・PPSマルチフィラメント(167デシテックス/10フィラメント:
東洋紡績(株)製、商品名「プロコン」(登録商標)T/#7 G167−10−PFD)
糸を走行させた際に自然に発生した10ターン/m程度の撚を有する。
・芯鞘型熱融着性マルチフィラメント(84デシテックス/24フィラメント
鞘部:低融点共重合ポリエチレンテレフタレート(PET)共重合成分:イソフタル酸(25モル%)融点:155℃
芯部:高融点非共重合PET 融点:260℃
・熱融着性マルチフィラメントの使用量:基布全質量の12質量%
(3)フック状係合素子用繊維
PPSモノフィラメント[クレハ合繊株式会社製、商品名KPS糸0.20mm、5P] 直径:0.20mm(380デシテックス)
織密度は、地経糸56本/cm、地緯糸17本/cmであり、係合素子用モノフィラメントを地経糸4本に1本の割合で挿入した。なお、地緯糸は1方向からのみ挿入し往復させた。したがって上記地緯糸密度17本/cmは、往復する見かけ上2本の地緯糸を1本とカウントして求めた数値である(以下同様)。フック状係合素子用繊維は地経糸に平行に打ち込み、地緯糸5本を浮沈する度にループを形成し、ループを形成した箇所では地経糸を一本跨ぐ構造とした。
係合素子用ループの高さは2mmであり、係合素子用ループ形成密度は基布1cm2当たり50個であった。得られたループ織物を250℃、1分間熱風にて熱処理し、次いで係合素子用ループの片側を切断してフック状係合素子を形成し、フック面ファスナーを得た。
得られたフック面ファスナーと係合するループ面ファスナーを次のように作製した。まず、下記の地経糸、地緯糸、係合素子用繊維を製織してループ織物を得た。
(1')地経糸
上記PPSマルチフィラメント(250デシテックス/60フィラメント)
(2')地緯糸:無撚引き揃え糸
上記PPSマルチフィラメント(167デシテックス/10フィラメント)
熱融着性マルチフィラメント(84デシテックス/24フィラメント)
鞘部:前記低融点共重合PET(融点:155℃)
芯部:前記高融点非共重合PET(融点:260℃)
熱融着性繊維の使用量:基布全質量の12質量%
(3')係合素子用繊維
上記PPSマルチフィラメント(167デシテックス/10フィラメント)
織密度は、地経糸52本/cm、地緯糸18本/cmであり、係合素子用マルチフィラメントを地経糸4本に1本の割合で挿入した。ループの高さは2.5mm、ループ形成密度は基布1cm2当たり53個であった。得られたループ織物を250℃、1分間熱風にて熱処理し、ループ面ファスナーを作製した。なお、ループ状係合素子用繊維は地経糸と平行に打ち込み、地緯糸5本を浮沈する度にループを形成した。
上記のフック面ファスナーとループ面ファスナーを、次の着色剤組成からなる液(以下、着色剤液と略す。)に満たした25℃の浴中を5秒間走行させ、そして着色剤液から取り出して、絞液し、直ちに乾燥・熱処理を行った。さらに、熱処理された面ファスナーを再度25℃の着色剤液中を5秒間走行させ、そして着色剤液から取り出し、絞液し、直ちに乾燥・熱処理を行った。なお、上記2回の乾燥・熱処理条件はいずれも温度が160℃で処理時間は10分間であり、乾燥・熱処理は、加熱ローラに面ファスナーを巻き付けることにより行った。着色剤の固形分付着量はフック面ファスナーの方が1.2質量%、ループ面ファスナーの方が2.1質量%であった。得られた着色された面ファスナーはフック、ループともに、鮮やかな青色に着色されていた。
[着色剤組成]
・水性分散体(A)
(1)顔料:フタロシアニン系青色顔料(平均粒子径:0.25μm)
(2)高分子型分散剤:イオン性基‥‥カルボキシル基、疎水性基‥‥フェニル基、重量平均分子量‥‥8500(「ジョンクリル」(登録商標)62:BASFジャパン製)
(3)水性媒体:プロピレングリコールと水(質量比5:45)
(1):(2):(3)の質量比=25:25:50
・架橋剤(B):
ブロックイソシアネート系架橋剤(フィクサーN:株式会社松井色素化学工業所製)
水性分散体(A)と架橋剤(B)の質量比は2:1.2であり、その合計量3.2 質量部に96.8質量部の水を配合して着色剤液とした。
着色剤液には、0.2質量%の浸透剤を添加した。
上記の方法で着色されたフック面ファスナーとループ面ファスナーの着色堅牢度、これらフック面ファスナーとループ面ファスナーを係合させた場合の係合力、耐炎性、さらに曲げ硬さを測定した。その結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1のものは、着色剤の摩擦堅牢性に優れており、係合力や柔軟性においても優れており、さらに耐炎性や柔軟性においても極めて優れていることが判明した。
この実施例と同様の方法により顔料として橙色のものを用いて得られた橙色の面ファスナーを用いて、消防服の前身頃を合わせる部分にさらに袖口から水が浸入しないように袖口を締め付ける部分に使用したところ、係合力が高く、耐熱性・耐炎性の点でも優れており、さらに着脱が速やかにできることから、消防服の止め具として極めて優れていることが判明した。
比較例1
上記実施例1において、着色に用いる着色剤組成液を次の通常の顔料エマルジョン樹脂液に置き換える以外が実施例1と同様の二度浸漬法により着色されたフック面ファスナーおよびループ面ファスナーを得た。なお、着色剤の濃度は7.5質量%であり、乾燥・熱処理時間は130℃で10分間おこなった。着色剤の固着分はフック面ファスナー2.3質量%、ループ面ファスナー2.9質量%である。得られた織製面ファスナーは、鮮やかな青色に着色されていた。
[着色剤組成]
・顔料:東洋インキ株式会社製Skyblue
・エマルジョン樹脂:アクリル樹脂エマルジョン(日本カーバイド工業株式会社製FX−593)
・顔料とエマルジョン樹脂(固形分)の配合質量割合は1:4であり、また浸透剤を着色剤液に対して0.2質量%の割合で添加している。
上記の方法で着色されたフック面ファスナーとループ面ファスナーの着色堅牢度、これらフック面ファスナーとループ面ファスナーを係合させた場合の係合力、耐燃焼性および曲げ硬さを測定した。その結果を表1に示す。
表1から明らかなように、着色剤堅牢性において、特にループ面ファスナーの方が実施例1のものより劣り、そして係合力においては、ループ係合素子を構成するマルチフィラメントの繊維同士が着色剤によって接着されていることから、実施例1のものの半分以下であり、大きく劣っていることが分かった。さらに耐炎性においても、特にフック面ファスナーの方が実施例1のものと比べて劣っていることが分かった。また、面ファスナーの表面がエマルジョン樹脂で覆われておりことから、柔軟性に劣り、手触り感が剛直であった。
Figure 2015062599
比較例2
上記実施例1において、着色に用いる着色剤組成液を次の通常のポリエステル繊維系の染料液に置き換え、染色温度および染色時間を120℃、30分間で行い、染色機として液流染色機を使用し、その後還元洗浄処理を行う以外は同様の方法により、面ファスナーを染色した。
その結果、PPS繊維には染料が浸透しておらず、ほとんど染色されておらず、PPS繊維以外の染色された繊維との色調の違いから、着色品として販売できるようなものではなかった。
染料:C.I.Disperse Blue 79 1%owf
還元浴組成および洗浄条件
二酸化チオ尿素 1g/l
浴比:1:20
温度と時間:70℃で20分間
実施例2
上記実施例1において、用いる顔料を、平均粒子系が0.30μmのアゾ系赤色顔料(C.I.ピグメントレッド150)に変更する以外は実施例1と同様の方法によりフック面ファスナーおよびループ面ファスナーを着色した(実施例2)。得られた着色された面ファスナーは鮮やかな赤色に着色されていた。その性能を実施例1と同様の方法により測定した。その結果を次の表2に示す。
実施例3
上記実施例1において、用いる顔料を、平均粒子系が0.20μmのカーボンブラックに変更する以外は実施例1と同様の方法によりフック面ファスナーおよびループ面ファスナーを着色した(実施例2)。得られた着色された面ファスナーは深い黒色に着色されていた。その性能を実施例1と同様の方法により測定した。その結果を次の表2に示す。
Figure 2015062599
表2から明らかなように、実施例2と3のものは、ともに、着色剤の摩擦堅牢性に優れており、係合力や柔軟性においても優れており、さらに耐炎性においても極めて優れていることが判明した。

Claims (7)

  1. 基布表面に多数の係合素子を有し、基布裏面にはバックコート樹脂層を実質的に有していない織製面ファスナーにおいて、基布構成繊維および係合素子の表面に、イオン性基を有する高分子型分散剤により顔料が分散された水性分散体(A)と架橋剤(B)からなる着色剤組成物の架橋反応物が固着されていることを特徴とする織製面ファスナー。
  2. 基布を構成する地緯糸が、230℃以下の融点または軟化点を有する熱融着繊維を含んでいる請求項1に記載の織製面ファスナー。
  3. 基布を構成する地経糸繊維および地緯糸繊維からなる地糸繊維の少なくとも一部と係合素子を構成する繊維の少なくとも一部がともに耐熱性繊維である請求項1または2に記載の織製面ファスナー。
  4. 耐熱性繊維がともにポリフェニレンサルファイド系繊維である請求項1〜3のいずれか1項に記載の織製面ファスナー。
  5. イオン性基を有する高分子型分散剤により顔料を分散させた水性分散体(A)と架橋剤(B)を含有する浴に、基布表面に多数の係合素子を有し、基布裏面にはバックコート樹脂層を実質的に有していない織製面ファスナーを浸漬した後、該織製面ファスナーを浴から取り出し、そして乾燥・熱処理を施すことにより高分子分散剤のイオン性基と架橋剤との間で架橋反応を生起させて顔料を織製面ファスナー構成繊維表面に固着させることを特徴とする織製面ファスナーの製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の織製面ファスナーが取り付けられている屋外作業衣料。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の織製面ファスナーが取り付けられている防火衣料。
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