JP2015062451A - 水洗可能な抗アレルゲンフィルター濾材 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明が解決しようとする課題は、タンニン酸を担持させたフィルターを水洗により再生させ、長期間使用できる抗アレルゲンフィルター濾材を提供することである。
【解決手段】フィルター基材に、タンニン酸と亜鉛又は亜鉛化合物を含有させてなることを特徴とする水洗可能な抗アレルゲンフィルター濾材であり、フィルター濾材中のタンニン酸含有量が、0.5g/m2以上10g/m2以下であることが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】フィルター基材に、タンニン酸と亜鉛又は亜鉛化合物を含有させてなることを特徴とする水洗可能な抗アレルゲンフィルター濾材であり、フィルター濾材中のタンニン酸含有量が、0.5g/m2以上10g/m2以下であることが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、水洗可能な抗アレルゲンフィルター濾材に関するものである。
近年、生活環境の変化により、くしゃみ、鼻水、咳(喘息)といったアレルギー症状を発症する人が増加している。アレルギー症状を引き起こす物質(以下、「アレルゲン物質」と称する)としては、杉や檜、ブタクサ等の花粉といった植物由来の物質、ダニの死骸や糞、動物の体毛といった動物由来の物質が注目されている。
これらアレルギー症状の多くは、大気中に浮遊するアレルゲン物質を吸引し、体内で起こる激しい抗原抗体反応により生じるものであり、空気中に浮遊するアレルゲン物質を何らかの方法で除去することができれば、アレルギー症状を緩和できると考えられる。
フィルターの分野においては、除塵フィルターによって、それらアレルゲン物質を物理的に捕集する方法が用いられるが、捕集されたアレルゲン物質はアレルゲン活性を保持しているため、フィルターを交換する際に再飛散したアレルゲン物質に暴露され、アレルギー症状を発症する可能性がある。そのため、捕集したアレルゲン物質のアレルゲン活性をフィルターにて低減化、不活化させる技術が求められる。
一般的にアレルゲン物質は蛋白質を主成分としているため、アレルゲン蛋白質を変性させることで、アレルゲン活性を失わせることができると考えられる。
古くから植物由来のエキスには多くの生理活性作用が報告されており、健康食品や飲料に用いられている。中でもタンニン酸には各種薬理作用が報告されている。タンニン酸をフィルターに担持させることで、捕集したアレルゲン物質のアレルゲン活性を不活化させる方法が提案されている(例えば、特許文献1〜8参照)。
但し、フィルターとして使用した場合、アレルゲン物質以外の埃や塵等も捕集してしまうことから、使用環境によっては目詰まりによりフィルターの寿命が著しく短くなってしまう。使用できなくなった場合は、フィルターを交換するか、清掃作業による再生を行うこととなる。清掃作業の方法としては高圧空気により吹き飛ばす方法や、ブラシ等で掻き落とす方法が考えられる。しかし、これらの方法では、埃や塵、不活化されていないアレルゲン物質等が再飛散することになる。
別の方法としては、水洗による再生が考えられ、埃や塵、水溶性の汚れ等は比較的簡単に除去できると考えられる。しかしながら、タンニン酸は水溶性であり、水洗を行うことでフィルター上から除去されてしまい、抗アレルゲン性が著しく低下、又は失活することが考えられる。特許文献1〜6には、捕集したアレルゲン物質のアレルゲン活性を不活性化するために、吸湿性塩、尿素、チオ尿素、植物性成分、酸化ジルコニウム等をタンニン酸と併用する方法、微粒子の内部や表面にタンニン酸を担持させ、油に対する分散性を高める方法は記載されているが、タンニン酸を担持させたフィルターを水洗可能にする方法は全く記載されていない。
本発明が解決しようとする課題は、タンニン酸を担持させたフィルターを水洗により再生させ、長期間使用できる抗アレルゲンフィルター濾材を提供することである。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、下記水洗可能な抗アレルゲンフィルター濾材を製造する方法を発明した。
(1)フィルター基材に、タンニン酸と亜鉛又は亜鉛化合物を含有させてなることを特徴とする水洗可能な抗アレルゲンフィルター濾材に関する。
(2)好ましくは、フィルター濾材中のタンニン酸含有量が0.5g/m2以上10g/m2以下であることを特徴とする、上記(1)記載の水洗可能な抗アレルゲンフィルター濾材に関する。
(2)好ましくは、フィルター濾材中のタンニン酸含有量が0.5g/m2以上10g/m2以下であることを特徴とする、上記(1)記載の水洗可能な抗アレルゲンフィルター濾材に関する。
本発明では、フィルター基材にタンニン酸と亜鉛又は亜鉛化合物を含有させてなることを特徴としているフィルター濾材上において、これらを共存させることで、タンニン酸と亜鉛又は亜鉛化合物とが反応して強固に結びつき、水洗可能な抗アレルゲンフィルター濾材を得ることができる。
以下に、本発明の水洗可能な抗アレルゲンフィルター濾材(以下、「フィルター濾材」と略す場合がある)を具体的に説明する。
タンニン酸は、加水分解型と縮合型タンニンに大別される。加水分解型タンニンとは酸、アルカリ、酵素で多価フェノール酸と多価アルコールに加水分解されるもので、双子葉離弁花植物に局在する。多価フェノール酸としては、没食子酸(ガロタンニン)とその二量体(エラジタンニン)に分別される。また、縮合型タンニンとは、複数分子のカテキン(d−カテキン、エピカテキン、エピガロカテキンの総称)が炭素−炭素結合で縮合したもので、シダ植物、単子植物に広く分布する。
いずれのタンニン酸においても、抗アレルゲン性は発現すると考えられるが、本発明においては、亜鉛との結合力の強い加水分解型タンニンの方が好ましい。ガロタンニンの例としては、ウルシ科ヌルデ属の葉にヌルデシロアブラムシが寄生してできる虫こぶ(五倍子)から抽出される五倍子タンニンが挙げられる。エラジタンニンの例としては、フウロソウ科ゲンノショウコウに含まれるゲラニインが挙げられる。
フィルター基材には、通気性の良い基材を用いるが、材質については特に制限はなく、使用する装置、機器の形状に対応するものであれば良い。平面状又は立体状のものを用いても良い。
平面状の基材の例としては、シート状のものが挙げられる。織物、編み物、不織布、紙、ネット、通気性フォーム、金属多孔質体、開孔を施したシート状物から適宜選択できる。安価で、繊維配合、目付け、厚みなど制御しやすい点から、不織布が好ましい基材の一つとして挙げられる。不織布の製造法としてはスパンボンド法、メルトブロー法、ケミカルボンド法、乾式法(サーマルボンド法、レジンボンド法、スパンレース法、ステッチボンド法、ニードルパンチ法)、湿式法、静電紡糸法等の方法から少なくとも一つの方法を選択して用いることができる。必要に応じて、これらの複数の方法を組み合わせても良い。
フィルター基材に亜鉛又は亜鉛化合物およびタンニン酸を含有(担持)させる方法としては、それら薬剤をフィルター基材にできるだけ均一に形成できる方法であれば、特に制限はない。分散液を塗液として、フィルター基材に塗工、スプレー塗布などによって付与し、溶媒や分散媒を乾燥などの方法で除去して担持させる方法が例示される。
タンニン酸をフィルター基材により固着させるには、タンニン酸の効果を阻害しない範囲において、少量のバインダー(接着剤)を用いることが好ましい。使用する水性バインダーについて具体例を挙げる。水溶性のものとしては、例えばポリビニルアルコールやデンプンなどが挙げられる。また、水分散性のものとしては、例えばポリ(メタ)アクリル酸エステル類、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、スチレン−ブタジエンラテックスなどが挙げられる。
本発明のタンニン酸の含有量は、好ましくはフィルター濾材に対して0.5g/m2以上10g/m2以下であり、より好ましくは1.0g/m2以上5.0g/m2以下であり、さらに好ましくは2.0g/m2以上4.0g/m2以下である。この下限を下回ると、充分な抗アレルゲン性能が発現しない場合がある。また、上限を上回ると、抗アレルゲン性能は発現するものの、含有量に対して大きな効果は期待できず、また、水洗時に脱落しやすくなるなどのトラブルが発生する可能性がある。さらには、コストアップの要因ともなる。
本発明の亜鉛化合物としては、酸化亜鉛、塩化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸亜鉛、クロム酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、スズ酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、リン化亜鉛などが例示され、塗液に良く分散するものが特に好ましい。特に、脱臭性能や抗菌性能も併せ持つ酸化亜鉛を含むゼオライトなどを使用することが好ましい。亜鉛又は亜鉛化合物の含有量は、亜鉛換算で、好ましくは、0.1g/m2以上5.0g/m2以下であり、より好ましくは0.2g/m2以上4.5g/m2以下であり、さらに好ましくは0.3g/m2以上4.0g/m2以下である。この下限を下回ると、タンニン酸との結合力が弱まり、水洗に耐えられなくなる場合がある。一方、上限を上回っても、含有量に対して大きな効果は期待できない場合がある。
亜鉛又は亜鉛化合物は、タンニン酸と同じ塗液中に分散させてもよいが、例えば先行して亜鉛又は亜鉛化合物を担持させたフィルター基材に、後からタンニン酸を担持させてもよい。
本発明で用いるフィルター基材の他形状としては立体状のものがあり、ハニカム状、コルゲート状、プリーツ状のものが例示される。これらの基材を構成するための素材としては、先に挙げたシート状のものの他に、通気性に乏しいポリオレフィンやポリエステル等のプラスチックシート、アルミや銅などの金属板、厚紙等であってもよい。
フィルター基材にタンニン酸と亜鉛又は亜鉛化合物とを塗布した後に立体形状へ加工する方法の他に、立体状に加工したフィルター基材に、スプレー等の方法でタンニン酸と亜鉛又は亜鉛化合物とを付与する方法も好ましい。
フィルターを長期間使用し続けると、捕集された様々なダストがフィルターの表面や内部に蓄積され、結果、フィルターが目詰まりを起こして、圧力損失が高くなり、集塵性能が劣ってしまうこととなる。そこで、ダストが蓄積された際、フィルターを水もしくは若干量の洗剤を加えた水を用いて水洗いをして、ダストを除去することにより、使用前に近い状態を再現できるようになる。本発明の水洗可能な抗アレルゲンフィルター濾材においては、抗アレルゲン性能を発現するタンニン酸と亜鉛又は亜鉛化合物とが反応して強固に結びつくことにより、水洗いをしてもタンニン酸が洗い出されることなく、フィルター基材に残存でき、結果、水洗い後も高い抗アレルゲン性能を維持できる。
なお、必要に応じて、本発明の趣旨を逸脱せず、他の機能を付与することができる。例としては、脱臭、抗菌、防黴、防虫、殺虫、消臭、芳香、発熱、蓄熱、保温、蓄温、撥水、親水、除湿、調湿、吸湿、撥油、親油などの機能を付与してもよい。
本発明のフィルター濾材は、空調機、空気清浄機、掃除機、除湿機、加湿器、乾燥機、換気扇、熱交換装置などの、機械による強制給排気による空気処理装置に使用することで、アレルゲン低減化などの好ましい効果が得られる。あるいは、自然給排気のための外気流入り口(通気口や窓など)に本発明のフィルターを用いてもよい。
以下に、実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
<亜鉛化合物含有塗液の作製>
表1の材料を攪拌機で混合し、亜鉛化合物含有塗液を作製した。
表1の材料を攪拌機で混合し、亜鉛化合物含有塗液を作製した。
<タンニン酸含有塗液の作製>
表2の材料を攪拌機で混合し、タンニン酸鉛含有塗液を作製した。
表2の材料を攪拌機で混合し、タンニン酸鉛含有塗液を作製した。
<実施例1>
フィルター基材に70g/m2のポリエステル/レーヨンケミカルボンド不織布を用いた。このフィルター基材に、亜鉛化合物含有量が亜鉛換算で0.1g/m2となるように含浸塗布し、120℃で乾燥して、亜鉛化合物担持フィルター基材を作製した。次いで、亜鉛化合物担持フィルター基材に、タンニン酸含有塗液をタンニン酸固形分含有量が0.2g/m2となるように含浸塗布し、120℃で乾燥して、実施例1のフィルター濾材を得た。
フィルター基材に70g/m2のポリエステル/レーヨンケミカルボンド不織布を用いた。このフィルター基材に、亜鉛化合物含有量が亜鉛換算で0.1g/m2となるように含浸塗布し、120℃で乾燥して、亜鉛化合物担持フィルター基材を作製した。次いで、亜鉛化合物担持フィルター基材に、タンニン酸含有塗液をタンニン酸固形分含有量が0.2g/m2となるように含浸塗布し、120℃で乾燥して、実施例1のフィルター濾材を得た。
<実施例2>
亜鉛化合物含有量が亜鉛換算で0.1g/m2と、タンニン酸含有塗液をタンニン酸固形分含有量が0.5g/m2となるように含浸塗布する以外は、実施例1と同じ方法で作製し、実施例2のフィルター濾材を得た。
亜鉛化合物含有量が亜鉛換算で0.1g/m2と、タンニン酸含有塗液をタンニン酸固形分含有量が0.5g/m2となるように含浸塗布する以外は、実施例1と同じ方法で作製し、実施例2のフィルター濾材を得た。
<実施例3>
亜鉛化合物含有量が亜鉛換算で0.2g/m2と、タンニン酸含有塗液をタンニン酸固形分含有量が1.0g/m2となるように含浸塗布する以外は、実施例1と同じ方法で作製し、実施例3のフィルター濾材を得た。
亜鉛化合物含有量が亜鉛換算で0.2g/m2と、タンニン酸含有塗液をタンニン酸固形分含有量が1.0g/m2となるように含浸塗布する以外は、実施例1と同じ方法で作製し、実施例3のフィルター濾材を得た。
<実施例4>
亜鉛化合物含有量が亜鉛換算で1.0g/m2と、タンニン酸含有塗液をタンニン酸固形分含有量が5.0g/m2となるように含浸塗布する以外は、実施例1と同じ方法で作製し、実施例4のフィルター濾材を得た。
亜鉛化合物含有量が亜鉛換算で1.0g/m2と、タンニン酸含有塗液をタンニン酸固形分含有量が5.0g/m2となるように含浸塗布する以外は、実施例1と同じ方法で作製し、実施例4のフィルター濾材を得た。
<実施例5>
亜鉛化合物含有量が亜鉛換算で2.0g/m2と、タンニン酸含有塗液をタンニン酸固形分含有量が10g/m2となるように含浸塗布する以外は、実施例1と同じ方法で作製し、実施例5のフィルター濾材を得た。
亜鉛化合物含有量が亜鉛換算で2.0g/m2と、タンニン酸含有塗液をタンニン酸固形分含有量が10g/m2となるように含浸塗布する以外は、実施例1と同じ方法で作製し、実施例5のフィルター濾材を得た。
<実施例6>
亜鉛化合物含有量が亜鉛換算で3.0g/m2と、タンニン酸含有塗液をタンニン酸固形分含有量が15g/m2となるように含浸塗布する以外は、実施例1と同じ方法で作製し、実施例6のフィルター濾材を得た。
亜鉛化合物含有量が亜鉛換算で3.0g/m2と、タンニン酸含有塗液をタンニン酸固形分含有量が15g/m2となるように含浸塗布する以外は、実施例1と同じ方法で作製し、実施例6のフィルター濾材を得た。
<実施例7>
亜鉛化合物含有量が亜鉛換算で0.06g/m2となるように含浸塗布する以外は、実施例4と同じ方法で作製し、実施例7のフィルター濾材を得た。
亜鉛化合物含有量が亜鉛換算で0.06g/m2となるように含浸塗布する以外は、実施例4と同じ方法で作製し、実施例7のフィルター濾材を得た。
<実施例8>
亜鉛化合物含有量が亜鉛換算で0.1g/m2となるように含浸塗布する以外は、実施例4と同じ方法で作製し、実施例8のフィルター濾材を得た。
亜鉛化合物含有量が亜鉛換算で0.1g/m2となるように含浸塗布する以外は、実施例4と同じ方法で作製し、実施例8のフィルター濾材を得た。
<実施例9>
亜鉛化合物含有量が亜鉛換算で5.0g/m2となるように含浸塗布する以外は、実施例4と同じ方法で作製し、実施例9のフィルター濾材を得た。
亜鉛化合物含有量が亜鉛換算で5.0g/m2となるように含浸塗布する以外は、実施例4と同じ方法で作製し、実施例9のフィルター濾材を得た。
<実施例10>
亜鉛化合物含有量が亜鉛換算で6.0g/m2となるように含浸塗布する以外は、実施例4と同じ方法で作製し、実施例10のフィルター濾材を得た。
亜鉛化合物含有量が亜鉛換算で6.0g/m2となるように含浸塗布する以外は、実施例4と同じ方法で作製し、実施例10のフィルター濾材を得た。
<実施例11>
酸化亜鉛含有合成ゼオライトの替わりに、グルコン酸亜鉛有塗液を亜鉛換算で1.0g/m2となるように含浸塗布する以外は、実施例4と同じ方法で作製し、実施例11のフィルター濾材を得た。
酸化亜鉛含有合成ゼオライトの替わりに、グルコン酸亜鉛有塗液を亜鉛換算で1.0g/m2となるように含浸塗布する以外は、実施例4と同じ方法で作製し、実施例11のフィルター濾材を得た。
<比較例1>
亜鉛化合物含有塗液を含浸塗布しない以外は、実施例2と同じ方法で作製し、比較例1のフィルター濾材を得た。
亜鉛化合物含有塗液を含浸塗布しない以外は、実施例2と同じ方法で作製し、比較例1のフィルター濾材を得た。
<比較例2>
亜鉛化合物含有塗液を含浸塗布しない以外は、実施例4と同じ方法で作製し、比較例2のフィルター濾材を得た。
亜鉛化合物含有塗液を含浸塗布しない以外は、実施例4と同じ方法で作製し、比較例2のフィルター濾材を得た。
<比較例3>
タンニン酸含有塗液を含浸塗布しない以外は、実施例9と同じ方法で作製し、比較例3のフィルター濾材を得た。
タンニン酸含有塗液を含浸塗布しない以外は、実施例9と同じ方法で作製し、比較例3のフィルター濾材を得た。
<比較例4>
酸化亜鉛含有合成ゼオライトの替わりに、酸化亜鉛を含まない合成ゼオライトを10g/m2となるように含浸塗布する以外は、実施例4と同じ方法で作製し、比較例4のフィルター濾材を得た。
酸化亜鉛含有合成ゼオライトの替わりに、酸化亜鉛を含まない合成ゼオライトを10g/m2となるように含浸塗布する以外は、実施例4と同じ方法で作製し、比較例4のフィルター濾材を得た。
<比較例5>
酸化亜鉛含有合成ゼオライトの替わりに、酸化亜鉛を含まない酸化ジルコニウムを10g/m2となるように含浸塗布する以外は、実施例4と同じ方法で作製し、比較例5のフィルター濾材を得た。
酸化亜鉛含有合成ゼオライトの替わりに、酸化亜鉛を含まない酸化ジルコニウムを10g/m2となるように含浸塗布する以外は、実施例4と同じ方法で作製し、比較例5のフィルター濾材を得た。
<水洗再生検体の作製>
実施例1〜11、および比較例1〜5のフィルター濾材を、それぞれ流水(水道水)中に1時間晒し、120℃で乾燥して、実施例1〜11および比較例1〜5の水洗再生検体を作製した。
実施例1〜11、および比較例1〜5のフィルター濾材を、それぞれ流水(水道水)中に1時間晒し、120℃で乾燥して、実施例1〜11および比較例1〜5の水洗再生検体を作製した。
以上、実施例および比較例のフィルター濾材および水洗再生検体を、下記の性能試験に従って評価した。なお、下記試験は、25℃、50%RH(相対湿度)の条件下で行った。
<アレルゲン不活性化試験>
1.薬品の調薬
1−1.アレルゲン溶液の調製
精製ダニアレルゲンrDerf2(生化学工業社製)をPBS(−)に溶解し、試験用アレルゲン溶液として500ng/mlとなるように調製した。
1.薬品の調薬
1−1.アレルゲン溶液の調製
精製ダニアレルゲンrDerf2(生化学工業社製)をPBS(−)に溶解し、試験用アレルゲン溶液として500ng/mlとなるように調製した。
1−2.抗体溶液の調製
抗rDerf2モノクロナール抗体15E11(生化学工業社製)を2μg/mlの濃度となるようにPBS(−)で希釈した。
抗rDerf2モノクロナール抗体15E11(生化学工業社製)を2μg/mlの濃度となるようにPBS(−)で希釈した。
1−3.標識抗体溶液の調製
西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗rDerf2モノクロナール抗体13A4PO(生化学工業社製)をPBS−Tで5000倍希釈した。PBS−Tについては、0.5gのTween(登録商標)20を1000mlのPBS(−)に溶解して使用した。
西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗rDerf2モノクロナール抗体13A4PO(生化学工業社製)をPBS−Tで5000倍希釈した。PBS−Tについては、0.5gのTween(登録商標)20を1000mlのPBS(−)に溶解して使用した。
1−4.1%−BSA−PBS(−)の調製
0.2gのBSAを20mlのPBS(−)に溶解して使用した。
0.2gのBSAを20mlのPBS(−)に溶解して使用した。
1−5.0.3mg/ml−ABTS(基質溶液)の調製
3mgのABTSを10mlの0.3M−Cirate buffer(pH4.0)で溶解し、これに10μlの30%過酸化水素を添加して使用した。
3mgのABTSを10mlの0.3M−Cirate buffer(pH4.0)で溶解し、これに10μlの30%過酸化水素を添加して使用した。
2.試験方法
本試験方法はフィルター濾材上で捕捉したアレルゲンが、不活化されることの確認試験である。
2−1.概要
実施例および比較例で得たフィルター濾材および水洗再生検体を、それぞれ2mm×4mmの大きさに裁断して検体とし、個々に試験した。検体を48ウェルプレートの底に置き、1ウェル当たり300μlのアレルゲン溶液(500ng/ml)を添加し、室温で2時間静置した。静置後、50μlを採取し、その中に存在するアレルゲン濃度をサンドイッチELISA法により定量した。サンドイッチELISA法の詳細は以下の通りである。
本試験方法はフィルター濾材上で捕捉したアレルゲンが、不活化されることの確認試験である。
2−1.概要
実施例および比較例で得たフィルター濾材および水洗再生検体を、それぞれ2mm×4mmの大きさに裁断して検体とし、個々に試験した。検体を48ウェルプレートの底に置き、1ウェル当たり300μlのアレルゲン溶液(500ng/ml)を添加し、室温で2時間静置した。静置後、50μlを採取し、その中に存在するアレルゲン濃度をサンドイッチELISA法により定量した。サンドイッチELISA法の詳細は以下の通りである。
2−2.サンドイッチELISA法
(1)コーティング溶液(抗体溶液、2μg/ml)50μlをELISAプレートの各ウェルに添加し、4℃で一晩静置した。
(2)コーティング溶液を除去し、300μlのPBS(−)で3回洗浄後、200μlの1%−BSA−PBA(−)を添加し、室温で1時間静置した。
(3)ELISAプレートを300μlのPBS−Tで3回洗浄後、検体と2時間接触させたアレルゲン溶液50μlを採取して添加し、室温で2時間静置した。
(4)ELISAプレートを300μlのPBS−Tで3回洗浄後、標識抗体溶液を50μl添加して、室温で2時間静置した。
(5)ELISAプレートを300μlのPBS−Tで3回洗浄後、100μlの0.3mg/ml−ABTSを添加して室温で発色させ、20〜30分反応後にミキシングさせ、マイクロプレートリーダーにより405nmの吸光度を測定した。
(6)吸光度より検体接触させたアレルゲン溶液中の精製ダニアレルゲンrDerf2濃度(Ang/ml)を算出し、この算出値と初期のアレルゲン溶液中の精製ダニアレルゲンrDer2濃度(500ng/ml)とを比較することにより、アレルゲン除去率(%;100×(500−A)/500)を求めた。
(1)コーティング溶液(抗体溶液、2μg/ml)50μlをELISAプレートの各ウェルに添加し、4℃で一晩静置した。
(2)コーティング溶液を除去し、300μlのPBS(−)で3回洗浄後、200μlの1%−BSA−PBA(−)を添加し、室温で1時間静置した。
(3)ELISAプレートを300μlのPBS−Tで3回洗浄後、検体と2時間接触させたアレルゲン溶液50μlを採取して添加し、室温で2時間静置した。
(4)ELISAプレートを300μlのPBS−Tで3回洗浄後、標識抗体溶液を50μl添加して、室温で2時間静置した。
(5)ELISAプレートを300μlのPBS−Tで3回洗浄後、100μlの0.3mg/ml−ABTSを添加して室温で発色させ、20〜30分反応後にミキシングさせ、マイクロプレートリーダーにより405nmの吸光度を測定した。
(6)吸光度より検体接触させたアレルゲン溶液中の精製ダニアレルゲンrDerf2濃度(Ang/ml)を算出し、この算出値と初期のアレルゲン溶液中の精製ダニアレルゲンrDer2濃度(500ng/ml)とを比較することにより、アレルゲン除去率(%;100×(500−A)/500)を求めた。
実施例1〜11、比較例1〜5で得られた評価結果を表3に示す。
表1より、実施例1〜11、比較例1〜5に示す通り、本発明の水洗可能な抗アレルゲンアフィルター濾材は、亜鉛化合物とタンニン酸をフィルター濾材上で共存担持させることで、水洗による再生処理を施しても、抗アレルゲン性能が失活しにくいことが判る。実施例1〜実施例6より、タンニン酸の固形分含有量が0.5g/m2以上10g/m2以下である場合、水洗前後での抗アレルゲン性能が良好なことが判る。タンニン酸の固形分含有量が0.5g/m2を下回ると、抗アレルゲン性能がやや劣り(実施例1)、10g/m2を上回っても、抗アレルゲン性能に顕著な効果は無いことが判る(実施例6)。
また、実施例4、実施例7〜10より、亜鉛化合物含有量が亜鉛換算で0.1g/m2以上5.0g/m2以下である場合、水洗後の抗アレルゲン性能が良好なことが判る。亜鉛化合物含有量が亜鉛換算で0.1g/m2を下回ると、水洗後の抗アレルゲン性能がやや劣り(実施例7)、5.0g/m2を上回っても、水洗後の抗アレルゲン性能に顕著な効果は無いことが判る(実施例10)。実施例11より、酸化亜鉛だけでなく、グルコン酸亜鉛を付着させることでも、水洗後の抗アレルゲン性能が良好なことが判る。
本発明のフィルター濾材は、水洗による再生が可能な抗アレルゲン性フィルターであり、それを空気処理機(空気清浄機など)に用いることにより、好ましい環境を提供できると考えられる。また、特に人体の呼吸器等への影響や臭気の問題は無かった。
一方、亜鉛化合物を担持させなかったフィルター濾材(比較例1、2、4、5)は、水洗前には充分な抗アレルゲン性能を有していたが、水洗後はその性能が著しく低下することが確認された。これは水洗により水溶性のタンニン酸が流出してしまったと推察される。また、タンニン酸を担持させなかったフィルター濾材(比較例3)は、抗アレルゲン性能が極端に低かった。
本発明により得られるフィルター濾材は、捕集したアレルゲンを不活化できる。さらに使用により埃や塵などで汚れたフィルター濾材を水洗により再生して長期間使用することができるので、空調機、空気清浄機、掃除機、除湿器、乾燥機、加湿器、換気扇などの各種空気処理装置のエアフィルターに利用できる。また、加湿器の加湿エレメント、マスク、ウェットワイパー、フロアワイパーにも利用できる。
Claims (2)
- フィルター基材に、タンニン酸と亜鉛又は亜鉛化合物を含有させてなることを特徴とする水洗可能な抗アレルゲンフィルター濾材。
- フィルター濾材中のタンニン酸含有量が、0.5g/m2以上10g/m2以下である請求項1記載の水洗可能な抗アレルゲンフィルター濾材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013196470A JP2015062451A (ja) | 2013-09-24 | 2013-09-24 | 水洗可能な抗アレルゲンフィルター濾材 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013196470A JP2015062451A (ja) | 2013-09-24 | 2013-09-24 | 水洗可能な抗アレルゲンフィルター濾材 |
Publications (1)
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JP (1) | JP2015062451A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018012799A (ja) * | 2016-07-22 | 2018-01-25 | 住化エンバイロメンタルサイエンス株式会社 | アレルゲン低減化組成物 |
-
2013
- 2013-09-24 JP JP2013196470A patent/JP2015062451A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018012799A (ja) * | 2016-07-22 | 2018-01-25 | 住化エンバイロメンタルサイエンス株式会社 | アレルゲン低減化組成物 |
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