まず、本実施例に係る伝票及び本人確認記録の生成処理の概要を説明する。図1は、本実施例に係る伝票及び本人確認記録の生成処理の概要を説明するための説明図である。
店舗に来店した顧客は、まず、図示しない受付機10で来店目的などを入力することによって、入力した内容に応じて適切に誘導される。具体的には、伝票を作成する必要がある場合には電子記帳機30に誘導され、伝票を作成する必要のない場合には電子記帳機30には誘導されずに、受付機10で発行された受付番号の記載された番号札を受け取って、該受付番号によって呼び出されるのを待つことになる。
電子記帳機30に誘導された顧客は、電子記帳機30において来店目的に応じて必要な伝票の作成を行う。電子記帳機30は、顧客の来店目的に応じた伝票の項目に対する入力を受け付けて伝票の項目に対応するデータを決定する。また、電子記帳機30は、伝票に対応する取引の種類若しくは伝票の項目に対して受け付けた入力内容によって、顧客が所望する取引で本人確認が必要か否かの判定を行う。
本人確認が必要と判定した場合には、電子記帳機30は、窓口における本人確認時に作成しなければならない本人確認記録の項目に反映するデータの入力を受け付けて、本人確認記録の項目のデータを決定する。また、電子記帳機30は、決定した本人確認記録の項目のデータをサーバ20で採番した受付番号に関連付けた本人確認記録データ38gを生成して本人確認サーバ80に送付して、生成した本人確認記録データ38gと本人確認記録の帳票のイメージの合成された記入済みの本人確認記録を印刷する。
また、電子記帳機30は、伝票の項目に対応するデータをサーバ20で採番した受付番号に関連づけた伝票項目データ38dを生成してサーバ20に送付して、生成した伝票項目データ38dと伝票イメージの合成された記入済みの伝票を印刷する。また、電子記帳機30は、サーバ20で採番した受付番号が印刷された番号札を発行する。
本人確認が不要と判定した場合には、電子記帳機30は、本人確認記録の項目に反映するデータの入力の受け付けの処理と、これに伴う本人確認記録データ38gの送信処理及び本人確認記録印刷処理とは行わずに、伝票項目データ38dのサーバ20への送信処理、伝票の印刷処理及び番号札の発行処理を行う。
顧客は、発行された番号札に印刷された受付番号によって呼び出されると、電子記帳機30で印刷された伝票と本人確認記録と番号札とを窓口の行員に提示する。窓口の行員は受け取った伝票の内容を確認し、修正の必要がある場合には窓口端末40を使用して、番号札に記載された受付番号を指定して、サーバ20に登録されている対応する伝票項目のデータを取得して、修正対象の項目の修正を行って修正内容をサーバ20に反映するとともに修正の反映された伝票の印刷を行う。また、本人確認記録の内容を確認し、修正の必要がある場合には窓口端末40を使用して、番号札に記載された受付番号を指定して、本人確認サーバ80に登録されている対応する本人確認記録のデータを取得して、修正対象の項目の修正を行って修正内容を本人確認サーバ80に反映するとともに修正の反映された本人確認記録の印刷を行う。
従来であれば、行員は、顧客が窓口で提示する伝票をみて本人確認の要否を判定して、本人確認書類の提示を顧客に求めるとともに、本人確認記録に記載する項目の情報を窓口で顧客から受け取って本人確認記録を作成しなければならなかったので、顧客の窓口のサービスを効率よく進めることができなかった。
これに対し、本実施例に係るシステムでは、電子記帳機30において、顧客が窓口に呼び出される前に、伝票の種類を特定する情報及び特定された伝票の項目に対応する情報の入力を受け付けて、伝票の種類と伝票の項目に対応する情報である伝票項目データ38dを生成して記憶し、伝票項目データ38dに基づいて伝票を印刷するようにした。さらに、伝票項目データ38dによって本人確認の要否を判定し、本人確認が必要と判定した場合には本人確認記録に記載する情報の入力を受け付けて本人確認記録データ38gを生成して記憶し、本人確認記録データ38gに基づいて本人確認記録を印刷するようにしたので、金融機関等において本人確認が必要となるような取引であっても窓口のサービスを効率よく提供することができる。
次に、本実施例に係る伝票生成システムのシステム構成を説明する。図2は、本実施例に係る伝票生成システムのシステム構成を示す図である。伝票生成システムは、受付機10と、伝票の作成処理を行う電子記帳機30と、電子記帳機30で作成した伝票の内容を窓口で確認及び修正することのできる窓口端末40と、窓口端末40で修正した伝票を印刷するプリンタ94と、顧客の窓口への呼出操作などを行うためのテラーモニタ91と、テラーモニタ91の操作によって呼び出す顧客の受付番号の表示や呼び出しの音声出力を行う番号呼出装置92と、顧客の来店状況などを出力する役席モニタ90及びロビー端末93と、これらの装置とデータ通信を行ってデータの連携や処理の連携を行うサーバ20と、本人確認サーバ80とを有する。本実施例では、窓口端末40とテラーモニタ91は別の装置としたが、窓口端末40とテラーモニタ91との両方の機能を備えた一体化した装置でもよい。
電子記帳機30は、店舗の規模に応じて台数が決定され、1台又は複数設置される。テラーモニタ91及び窓口端末40は窓口ごとに設置され、それぞれの窓口に設置されたテラーモニタ91を操作することによって、該窓口に顧客の誘導を行う。番号呼出装置92は、窓口の種類に相当する台数が設置される。また、受付機10と電子記帳機30は顧客の移動範囲である顧客ゾーンに設置される。また、ロビー端末93も、顧客ゾーンで顧客の応対を行うロビーマンが所持することから顧客ゾーンに位置することとなる。窓口端末40、役席モニタ90、テラーモニタ91、番号呼出装置92及びプリンタ94は金融機関の従業員の移動範囲である行員ゾーンに設置される。なお、番号呼出装置92は、顧客ゾーンに設置されてもよい。
受付機10は、表示操作部11、番号札印刷部12及びカードリーダ13を有する。顧客は来店時に最初に本装置で来店の受付を行う。具体的には、顧客は、表示操作部11に表示される来店目的を選択する。受付機10は、顧客により入力された来店目的に基づいて、該来店目的に対応する窓口の種類と、伝票作成の要否とを判定する。受付機10は、伝票作成が不要と判定した場合には、来店目的に対応する窓口の種類に応じた受付番号を採番し、受付番号の印刷された番号札を番号札印刷部12から発行する。また、受付機10は、伝票作成が必要と判定した場合には、番号札は発行せずに電子記帳機30への誘導を実施する。
また、受付機10は、カードリーダ13で金融カードを読み取ると当該カードから読み取った個人を特定する情報をサーバ20に通知して、サーバ20から当該顧客の顧客情報を入手する。受付機10は、該顧客情報から重要顧客と判定した場合は、サーバ20に重要顧客来店の旨を通知する。当該重要顧客来店の旨の通知を受け付けたサーバ20は、役席モニタ90に重要顧客来店の通知を行う。
電子記帳機30は、金融カードを読み込むためのカードリーダ33、通帳に付けられた磁気テープを読み込む通帳MSリーダ34、顧客が持参した帳票のイメージなどを読み込むイメージスキャナ35及び電子記帳機30で作成した伝票を印字するプリンタ36と接続される。電子記帳機30は、受付機10から誘導された顧客が伝票を作成するための機能を有する。
電子記帳機30は、顧客の操作によって作成する伝票を判定し、当該伝票の項目を順番に画面に表示して、顧客に入力させる。そして、各項目に対する入力内容から図示しない伝票項目データ38dを生成する。また、電子記帳機30は、生成した伝票項目データ38dをサーバ20に送信して、サーバ20に伝票項目データ24dを登録する。
また、電子記帳機30は、伝票の項目を画面から入力させるだけではなく、カードリーダ33で金融カードの情報を読み込ませたり、通帳MSリーダ34で通帳の磁気ストライプを読み込ませて、読み込んだ情報を伝票項目データ38dの対応する項目に反映することも可能である。また、顧客の持参した税金や公共料金などの納付帳票をイメージスキャナ35により読み取って帳票イメージを生成し、生成した帳票イメージに含まれる納付金額などの情報を文字認識することによって、伝票項目データ38dに反映することも可能である。
また、電子記帳機30は、入力された伝票項目データ38dを使用して、プリンタ36で伝票項目データ38dの情報が記載された伝票を印刷する。また、電子記帳機30は、伝票の印刷が終了するとサーバ20で受付番号を採番して、受付番号の印刷された番号札を発行する。本実施例では、伝票と番号札は別々に出力されるものとしたが、受付番号などの番号札に印刷されている内容を伝票に印刷することによって、伝票作成を行った場合には番号札を発行しないものとしてもよい。
また、依頼する取引の種類や取引の内容によっては、窓口で本人確認が必要となる場合がある。窓口で本人確認を行う場合には、本人を確認する運転免許証などの本人確認書類の提示を受けて本人であることを確認する以外に、職業、取引目的、取引の種類及び顧客の氏名や住所などの情報を含む本人確認記録を作成しなければならない。電子記帳機30は、伝票の種類や伝票の項目に対する入力内容によって、窓口における本人確認が必要と判定した場合には、本人確認記録に必要な情報を受け付けて、図示しない本人確認記録データ38gを生成する。また、電子記帳機30は、生成した本人確認記録データ38gを本人確認サーバ80に送信して、本人確認サーバ80に本人確認記録データ84bを登録する。また、電子記帳機30は、作成した本人確認記録データ38gを使用して、プリンタ36で本人確認記録を印刷する。
窓口端末40は、窓口において電子記帳機30で作成した伝票の内容の確認及び修正をすることができる。具体的には、電子記帳機30が伝票作成時にサーバ20に登録した伝票項目データ24dを読み込んで、読み込んだ伝票項目データ24dの内容を修正し、修正した内容の伝票をプリンタ94から印刷することによって項目の内容を修正した伝票を作成することができる。
また、窓口端末40は、窓口において電子記帳機30で作成した本人確認記録の内容の確認及び修正をすることができる。具体的には、電子記帳機30が本人確認記録作成時に本人確認サーバ80に登録した本人確認記録データ84bを読み込んで、読み込んだ本人確認記録データ84bの内容を修正し、修正した内容の本人確認記録をプリンタ94から印刷することによって内容を修正した本人確認記録を作成することができる。
サーバ20は、顧客データ24a、受付番号状況データ24b及び伝票項目データ24dなどを管理する。顧客データ24aは金融機関で管理する顧客の情報であり、受付機10や電子記帳機30から店番、科目及び口座番号などの個人を特定するキー情報を指定した検索要求を受け付けると、顧客データ24aを検索して対応する顧客の情報を応答する機能を有する。また、受付番号状況データ24bは、受付機10若しくは電子記帳機30で番号札を発行する際に採番された受付番号とその状況が記憶されている。また、伝票項目データ24dは、電子記帳機30で作成された伝票の項目の入力情報が記録されている。
また、サーバ20は、重要顧客の来店を役席モニタ90に報知したり、受付機10や電子記帳機30で応対が必要な状態になっている場合は、顧客ゾーンのロビーマンの所持するロビー端末93に情報を通知する。
本人確認サーバ80は、本人確認を行った時に生成される本人確認記録データ84bを管理する。本人確認記録データ84bは、電子記帳機30で最初に作成され、窓口で修正が必要となった場合には、窓口端末40で更新することができる。
次に、図2に示した受付機10の本実施例に係る内部構成を説明する。図3は、受付機10の本実施例に係る内部構成を示すブロック図である。受付機10は、表示操作部11、番号札印刷部12、カードリーダ13、通信部14、記憶部15及び制御部16を有する。
表示操作部11は、タッチパネルディスプレイ装置などである。表示操作部11は、顧客に来店目的等を選択入力させるボタンなどを表示し、該ボタンの選択入力を受け付ける。番号札印刷部12は、受付番号などの情報が記載された番号札を印刷する出力部である。カードリーダ13は、金融カードなどのカードの情報を読み込む入力部である。通信部14は、LAN(Local Area Network)等の通信網を介してサーバ20とのデータ通信を行なうためのインタフェース部である。
記憶部15は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部15は、顧客データ15a及び顧客誘導条件データ15bを有する。顧客データ15aは、カードリーダ13に金融カードが挿入されることなどによって取得した個人を特定する情報(例えば、店番、科目及び口座番号)を指定して、サーバ20の有する顧客データ24aを検索して取得した、顧客に係る情報である。顧客誘導条件データ15bは、顧客の来店を受付機10で受付を行った以降にどのように誘導を行うのかを決定するための条件とその誘導先を規定したパラメータである。
制御部16は、受付機10の全体を制御する制御部であり、顧客データ管理部16a、受付処理部16b、顧客誘導判定部16c及び番号札発行部16dを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、それぞれに対応するプロセスを実行させることになる。
顧客データ管理部16aは、カードリーダ13に金融カードが挿入されたならば、カードから読み取った個人を特定可能な情報を指定してサーバ20に検索要求を行うことによって、サーバ20の有する顧客データ24aから当該金融カードに対応する顧客の情報を入手して、顧客データ15aに登録する。
受付処理部16bは、顧客の受付処理を行う処理部である。受付処理部16bは、顧客が来店目的を選択入力するためのボタンの表示操作部11への表示や、画面に表示したボタンに対する操作の検知による来店目的の取得を行う。また、受付処理部16bは、顧客誘導判定部16cによって判定された誘導先の窓口の種類、電子記帳機30への誘導の要否並びに電子記帳機30に誘導する場合の電子記帳機30の種類などの判定結果に従って、電子記帳機30への誘導を行わない場合には、番号札発行部16dに依頼して番号札印刷部12から番号札を発行する。また、電子記帳機30への誘導を行う場合には、表示操作部11に誘導先の電子記帳機30などの表示を行う。また、受付処理部16bは、顧客データ15aの内容を確認して、顧客が重要顧客であるか否かの判定を行い、重要顧客である場合には、サーバ20に重要顧客が来店した旨の通知を行う。
顧客誘導判定部16cは、顧客誘導条件データ15b、表示操作部11で入力された顧客の来店目的、来店時刻並びに電子記帳機30の滞留状況などの情報に基づいて、顧客を誘導する窓口の種類、電子記帳機30への誘導の要否及び電子記帳機30に誘導する場合の電子記帳機30のタイプの判定を行う。
番号札発行部16dは、顧客誘導判定部16cにより判定された誘導先の窓口の種類に対応する受付番号の採番をサーバ20に依頼して、採番された受付番号が記載された番号札を番号札印刷部12で印刷することによって発行する。
次に、図2に示した受付機10の本実施例に係るデータ構成について説明する。図4は、受付機10の本実施例に係るデータ構成について説明するための説明図である。
顧客データ15aは、店番、科目コード、口座番号、顧客番号、顧客区分、顧客氏名、電話番号、生年月日及び住所などの情報を有する、図4の顧客データ15aの例は、店番が「0005」であり、科目コードが「01」であり、口座番号が「1234567」であり、顧客番号が「0123456789」であり、顧客区分が「VIP」であり、顧客氏名が「田中 一郎」であり、電話番号が「03−1234−5678」であり、生年月日が「1985/4/15」であることを示している。
顧客誘導条件データ15bは、来店目的と窓口の種類との対応関係を示す情報(目的別窓口)、来店目的と電子記帳機30への誘導の要否との対応関係を示す情報(目的別電子記帳機への誘導要否)、時間帯と電子記帳機30への誘導の要否との対応関係を示す情報(時間帯別電子記帳機への誘導要否)並びに電子記帳機30へ誘導する場合の電子記帳機30のタイプを決定する条件(電子記帳機タイプ決定条件)を有している。
図4に示した顧客誘導条件データ15bの例では、目的別窓口は、来店目的が入金である場合に誘導する窓口の種類は「ハイカウンタ」であり、来店目的が出金である場合に誘導する窓口の種類は「ハイカウンタ」であり、来店目的が振込である場合に誘導する窓口の種類は「ハイカウンタ」であり、来店目的が税公金納付である場合に誘導する窓口の種類は「ハイカウンタ」であり、来店目的が諸届である場合に誘導する窓口の種類は「ローカウンタ」であり、来店目的がローンである場合に誘導する窓口の種類は「ローカウンタ」であることを示している。
また、目的別電子記帳機への誘導要否は、来店目的が入金である場合は「電子記帳機に誘導する」であり、来店目的が出金である場合は「電子記帳機に誘導する」であり、来店目的が振込である場合は「電子記帳機に誘導する」であり、来店目的が税公金納付である場合は「電子記帳機に誘導する」であり、来店目的が諸届である場合は「電子記帳機に誘導しない」であり、来店目的がローンである場合は「電子記帳機に誘導しない」であることを示している。
また、時間帯別電子記帳機への誘導要否は、09:00〜11:00の時間帯は「電子記帳機に誘導しない」であり、11:00〜14:00の時間帯は「電子記帳機に誘導する」であり、14:00〜15:00の時間帯は「電子記帳機に誘導する」であることを示している。また、電子記帳機タイプ決定条件は、年齢が60歳以上の場合に「座りタイプ」の電子記帳機30に誘導することを示している。
次に、図2に示したサーバ20の本実施例に係る内部構成を説明する。図5は、サーバ20の本実施例に係る内部構成を示すブロック図である。サーバ20は、入力部21及び表示部22と接続される。入力部21は、キーボードやマウス等であり、表示部22は、液晶パネル等のディスプレイ装置である。
また、サーバ20は、通信部23と、記憶部24と、制御部25とを有する。通信部23は、LAN等の通信網を介して受付機10、電子記帳機30、窓口端末40、役席モニタ90、テラーモニタ91、番号呼出装置92及びロビー端末93とデータ通信するためのインタフェース部である。
記憶部24は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部24は、顧客データ24a、受付番号状況データ24b、顧客滞留状況データ24c及び伝票項目データ24dを有している。
顧客データ24aは、所定のタイミングで入手した金融機関での管理する顧客に関する情報を記憶したもので、顧客の属性や該顧客の有する口座の情報を含む。受付番号状況データ24bは、番号札の発行処理時に受付機10や電子記帳機30からの受付番号の採番要求によって生成されるデータで、該受付番号に対応する来店目的、誘導先の窓口及び当該受付番号の顧客の待ちの状況などの情報を有し、受付機10、電子記帳機30及びテラーモニタ91からの通知によって更新し、最新の状況を保持している。顧客滞留状況データ24cは、窓口の種類ごとの来店した顧客数や待ち人数の情報を有する。伝票項目データ24dは、全ての電子記帳機30で作成された伝票の情報を有している。この伝票項目データ24dは、電子記帳機30で作成された伝票の項目の入力情報を受付番号に対応付けたものである。
制御部25は、サーバ20の全体を制御する制御部であり、顧客データ検索部25a、受付番号管理部25b、行員報知部25c、伝票データ管理部25d及び呼出処理部25eを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、対応するプロセスを実行させることになる。
顧客データ検索部25aは、受付機10若しくは電子記帳機30から顧客を特定する情報(例えば、店番、科目コード及び口座番号)を指定されて検索要求を受け付けると、顧客データ24aを検索して対応する顧客の情報を返却する。
受付番号管理部25bは、受付機10若しくは電子記帳機30からの受付番号の採番要求によって、新たな受付番号を採番して、受付番号状況データ24bにレコードを追加登録を行う。また、受付番号管理部25bは、テラーモニタ91からの顧客を窓口への誘導を要求する窓口誘導要求を受け付けて、待っている顧客の窓口への誘導を行った場合には、受付番号状況データ24bに記憶されている該顧客に対応する受付番号の状況を処理中の状況に更新し、それまでその窓口で処理中の状況になっていた受付番号の状況を処理済みに更新する。
行員報知部25cは、役席モニタ90やロビー端末93などにメッセージの報知を行う。具体的には、受付機10若しくは電子記帳機30で重要顧客の来店を認識した場合に受付機10若しくは電子記帳機30から重要顧客来店の旨の通知を受けると、行員報知部25cは、役席モニタ90に重要顧客来店の旨のメッセージの報知を行う。また、顧客ゾーンで顧客の応対を行うロビーマンに対する指示や情報提供する場合には、行員報知部25cは、ロビーマンの所持するロビー端末93にメッセージの報知を行う。
伝票データ管理部25dは、電子記帳機30で作成した伝票に係るデータを管理する。具体的には、伝票データ管理部25dは、電子記帳機30で作成した伝票の項目の入力情報を含む登録要求を受け付けたならば、受け付けた情報を伝票項目データ24dに登録する。また、伝票データ管理部25dは、受付番号を含む検索要求を受け付けたならば、伝票項目データ24dから該受付番号に対応するデータを検索して返却する。また、伝票データ管理部25dは、受付番号及び該受付番号に対応する伝票の項目の入力情報の更新内容を含む更新要求を受け付けたならば、伝票データ管理部25dの該受付番号に対応するデータを指示された更新内容で更新する。
呼出処理部25eは、テラーモニタ91から窓口の種類を含む顧客の窓口への誘導の要求を受け付けると、受付番号状況データ24bから指定された種類の窓口への誘導を待っていることを示すデータの中で、受付時刻が最も早い受付番号に対応する顧客を窓口に誘導する。具体的には、番号呼出装置92の表示部に受付番号を表示して、番号呼出装置92の音声出力部で受付番号及び誘導先の窓口の番号などを音声出力する。
次に、図2に示したサーバ20の本実施例に係るデータ構成について説明する。図6は、サーバ20の本実施例に係るデータ構成について説明するための説明図である。
顧客データ24aは、顧客番号、顧客属性情報及び口座情報をレコードの項目として有する、ゼロ、1又は複数のレコードで構成されるデータである。顧客番号は金融機関内で顧客を一意に特定することのできる番号である。顧客属性情報は、顧客区分、顧客氏名及び電話番号等の情報を有する。口座情報は、当該顧客番号に対応する顧客が有している口座の情報で、口座ごとに店番号、科目コード、口座番号を有する。図6の顧客データ24aの例は、顧客番号が「0123456789」の顧客は、顧客区分が「VIP」で、顧客氏名が「田中 一郎」であり、電話番号が「03−1234−5678」であり、店番号が「0005」であり、科目コードが「01」であり、口座番号が「1234567」である口座を有していることを示している。
受付番号状況データ24bは、受付番号、来店目的、受付日付、受付時刻、誘導先窓口種類、状況、顧客区分、店番号、科目コード及び口座番号をレコードの項目として有する。これらの項目のうち、受付番号はキー項目である。この受付番号は番号札発行時に採番される番号で、来店した顧客を一意に識別可能な番号である。来店目的はコード化されたデータであり、「1」は来店目的が入金であることを示し、「2」は来店目的が出金であることを示し、「3」は来店目的が振込であることを示し、「4」は来店目的が税公金納付であることを示し、「5」は来店目的が諸届であることを示し、「6」は来店目的がローンであることを示す。受付日付、受付時刻は番号札を発行した日付と時刻である。誘導先窓口種類は、来店目的によって判定された誘導先の窓口の種類である。状況は、当該レコードの受付番号の番号札を持った顧客の状況を示すデータであって、「1」はハイカウンタ待ち、「2」はハイカウンタで処理中、「3」はローカウンタ待ち、「4」はローカウンタで処理中、「9」は処理済であることを示す。顧客区分は、当該受付番号に対応する顧客が特定できた場合に書き込まれるデータであり、顧客データ24aの顧客属性情報の顧客区分に対応する。また、店番号、科目コード、口座番号は、受付機10や電子記帳機30で金融カード若しくは通帳MSが読み込まれた場合に書き込まれる情報で、当該受付番号の番号札を有する顧客の個人を特定して顧客情報を取得する場合に使用するデータである。
図6の受付番号状況データ24bの例は、受付番号「090」の番号札をもっている顧客は、利用目的が振込を示す「3」であり、受付日付が「2013/4/10」であり、受付時刻が「12:30」であり、誘導先窓口種類がハイカウンタを示す「1」であり、状況がハイカウンタ待ちを示す「1」であり、顧客区分が「VIP」であり、店番が「0005」であり、科目コードが「01」であり、口座番号が「1234567」である口座を有することを示すレコードを含む。また、受付番号「510」の番号札をもっている顧客は、利用目的が諸届を示す「5」であり、受付日付が「2013/4/10」であり、受付時刻が「12:40」であり、誘導先窓口種類がローカウンタを示す「2」であり、状況がローカウンタで処理中を示す「4」であり、顧客区分は不明であり、当該顧客の有する口座の情報も不明であることを示すレコードを含む。
顧客滞留状況データ24cは、電子記帳機30の待ち人数、処理中の人数及び処理済の人数、ハイカウンタの待ち人数、処理中の人数及び処理済の人数、ローカウンタの待ち人数、処理中の人数及び処理済の人数を有する。図6の顧客滞留状況データ24cの例は、電子記帳機30の待ち人数が「0」人であり、処理中の人数が「3」人であり、処理済みの人数が「95」人であり、ハイカウンタの待ち人数が「3」人であり、処理中の人数が「2」人であり、処理済みの人数が「90」人であり、ローカウンタの待ち人数が「2」人であり、処理中の人数が「2」人であり、処理済みの人数が「25」人であることを示している。
伝票項目データ24dは、受付番号、受付枝番号、伝票ID及び項目情報をレコードの項目として有し、受付番号と受付枝番号をキー項目とする。受付番号は、受付番号状況データ24bの受付番号に対応するものであり、伝票項目データ24dは、該受付番号の番号札を持つ顧客が電子記帳機30で作成した伝票の項目データが記憶されている。また、同一種類の窓口で処理可能な取引であれば、番号札1枚で複数の取引を依頼することも可能であり、その場合には一つの受付番号に対して複数の伝票が必要となる。受付枝番号は、同一種類の窓口で複数の取引を依頼する場合に採番されるもので、1つの受付番号に対して複数の受付枝番号が採番される。伝票IDは、伝票の種類を示す識別情報で、項目情報は伝票IDが示す伝票の項目の入力情報で、伝票の項目ごとの項目識別番号と入力情報とを有する。
図6の伝票項目データ24dの例は、受付番号「090」の番号札を持つ顧客の作成した伝票の一つに係るデータであり、受付枝番号「01」の伝票は、伝票IDが「5」であり、該伝票の項目識別番号「1」に対応する項目の入力情報が「56,000」であり、項目識別番号「2」に対応する項目の入力情報が「タナカ イチロウ」であることを示すレコードが含まれていることを示している。
次に、図2に示した受付機10における番号札発行処理及び顧客誘導処理の処理手順を説明する。図7は、受付機10における番号札発行処理及び顧客誘導処理の処理手順を示すフローチャートである。
まず、カードリーダ13で金融カードの読取の有無を判定して、金融カードが読み取られたならば(ステップS101;Yes)、顧客データ管理部16aは、読み込んだカードから取得した個人を特定可能な情報を指定し、サーバ20に検索要求を行うことによって、サーバ20の有する顧客データ24aから当該金融カードに対応する顧客の情報を入手し、顧客データ15aに登録する(ステップS102)。金融カードが読み取られなかったならば(ステップS101;No)、ステップS102をスキップしてステップS103に移行する。
次に、表示操作部11で来店目的の入力が行われた否かの判定を行い(ステップ103)、来店目的の入力が行われていないのであれば(ステップS103;No)、ステップS101に戻る。来店目的の入力が行われたのであれば(ステップS103;Yes)、顧客誘導判定部16cは、来店目的と顧客誘導条件データ15bとから、誘導先の窓口の種類を決定する(ステップS104)。
さらに、顧客誘導判定部16cは、来店目的と時刻と顧客誘導条件データ15bとから、電子記帳機30への誘導を行うか否かの判定を行う(ステップS105)。ステップS105で電子記帳機30への誘導をすると判定した場合(ステップS106;Yes)には、顧客誘導判定部16cは、ステップS104で決定した種類の窓口及び電子記帳機30の状況をサーバ20に問い合わせて(ステップS107)、窓口の待ち人数がゼロで電子記帳機30を使用している人数もゼロの場合(ステップS108;Yes)には、電子記帳機30への誘導は行わないことを決定する(ステップS109)。
ステップS109で電子記帳機30への誘導は行わないことを決定したならば、番号札発行部16dは、サーバ20に受付番号の採番要求を行い、採番された受付番号に関連付けて、誘導する窓口の種類、金融カードの読み込みが行われている場合には顧客区分や読み込まれた金融カードに係る情報などをサーバ20に登録する(ステップS110)。続いて、番号札発行部16dは、ステップ110で採番した受付番号の記載された番号札を番号札印刷部12から発行して(ステップS111)、処理を終了する。
また、ステップS107で窓口及び電子記帳機30の状況をサーバ20に問い合わせた結果、窓口の待ち人数がゼロではない若しくは電子記帳機30を使用している人数がゼロではない場合(ステップS108;No)には、顧客誘導判定部16cは、電子記帳機30への誘導を行うことを決定する(ステップS112)。
また、ステップS112で電子記帳機30への誘導を行うことを決定したならば、顧客誘導判定部16cは、金融カードの読取によってサーバ20から顧客情報を入手しているか否かの判定を行う(ステップS113)。その結果、金融カードの読取によってサーバ20から顧客情報を入手している場合(ステップS113;Yes)には、サーバ20から入手した顧客情報である顧客データ15aと、顧客誘導条件データ15bとから誘導すべき電子記帳機30のタイプの判定を行う(ステップS114)。ステップS114の電子記帳機30のタイプの判定で、電子記帳機30のタイプが判定できたならば(ステップS115;Yes)、顧客誘導判定部16cは、判定した内容で誘導する電子記帳機30のタイプを決定して(ステップS116)、受付処理部16bは、電子記帳機30で伝票作成しなければならない旨と、決定した誘導先の電子記帳機30のタイプとを含めた誘導メッセージを表示操作部11に表示して(ステップS117)、処理を終了する。
また、サーバ20から顧客情報を入手していない場合(ステップS113;No)若しくはステップS114の電子記帳機30のタイプの判定で、電子記帳機30のタイプが判定できなかった場合(ステップS115;No)には、顧客誘導判定部16cは、表示操作部11に電子記帳機30のタイプの選択を行うための画面を表示して顧客の入力によって誘導先の電子記帳機30のタイプを決定する(ステップS118)。ステップS118で誘導先の電子記帳機30のタイプが決定したならば、ステップS117に移行する。
また、ステップS105で電子記帳機30への誘導をしないと判定した場合(ステップS106;No)には、顧客誘導判定部16cは、ステップS104で決定した種類の窓口の待ちの状況をサーバ20に問い合わせて(ステップS119)、待ち時間が所定値以上と見込まれる場合(ステップS120;Yes)には、サーバ20を経由して顧客ゾーンで顧客の応対をしているロビーマンの所持するロビー端末93に、受付機10で受付を行っている顧客の待ち時間が長くなりそうな旨の通知を行って(ステップS121)、ステップS109に移行する。ロビー端末93でメッセージを受けたロビーマンは、該情報を受け取ることによって、当該顧客に対して待ち時間が長くなりそうである旨を伝えたり、顧客の希望によっては待ち時間に使用可能なタブレット式の電子記帳機を渡すことが可能である。タブレット式の電子記帳機では、例えば、諸届け業務やローン相談の際に作成する書類及び本人確認記録などのフォーマットデータが記憶されており、事前に、これらの書類を作成する事が可能である。また、待ち時間が所定値未満と見込まれる場合(ステップS120;No)には、ステップS109に移行する。
次に、図2に示した本人確認サーバ80の本実施例に係る内部構成を説明する。図8は、本人確認サーバ80の本実施例に係る内部構成を示すブロック図である。本人確認サーバ80は、入力部81及び表示部82と接続される。入力部81は、キーボードやマウス等であり、表示部82は、液晶パネル等のディスプレイ装置である。
また、本人確認サーバ80は、通信部83と、記憶部84と、制御部85とを有する。通信部83は、LAN等の通信網を介して電子記帳機30及び窓口端末40とデータ通信するためのインタフェース部である。
記憶部84は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部84は、本人確認必要条件データ84a、本人確認記録データ84b及び代理人データ84cを有している。
本人確認必要条件データ84aは、本人確認を行う必要のある取引の種類及び本人確認を行う必要のある取引の内容を規定したデータである。本人確認記録データ84bは、本人確認を行ったことを記録したデータであり、紙で印刷した本人確認記録に印刷した内容が記録されたデータである。
代理人データ84cは、代理人に係る情報の登録されたデータであり、本人確認が必要な取引を代理人によって処理依頼する場合に、正式な代理人で有るか否かを判定するために使用する。また、本人確認記録作成時には、正式な代理人であると判定された場合には、代理人データ84cに有する情報を本人確認記録データ84bに反映する。
制御部85は、本人確認サーバ80の全体を制御する制御部であり、本人確認記録データ管理部85a、代理人データ管理部85b及び代理人顔認証処理部85cを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、対応するプロセスを実行させることになる。
本人確認記録データ管理部85aは、本人確認記録データ84bを管理する管理部であり、電子記帳機30や窓口端末40などの通信を経由して接続する装置からの、登録、更新、削除及び検索などの要求に従って本人確認記録データ84bの登録処理、更新処理、削除処理及び検索処理を行う。
代理人データ管理部85bは、代理人データ84cを管理する管理部であり、電子記帳機30や窓口端末40などの通信を経由して接続する装置からの、登録、更新、削除及び検索などの要求に従って代理人データ84cの登録処理、更新処理、削除処理及び検索処理を行う。
代理人顔認証処理部85cは、電子記帳機30や窓口端末40などの通信を経由して接続する装置から顔特徴データを含む代理人の認証要求を受付けると、代理人データ84cに含まれる代理人の顔特徴データとの照合処理を行うことによって、代理人の認証処理を行う。
次に、図2に示した本人確認サーバ80の本実施例に係るデータ構成について説明する。図9は、本人確認サーバ80の本実施例に係るデータ構成について説明するための説明図である。
本人確認必要条件データ84aは、伝票を識別する伝票IDと項目条件とをレコードの項目として保有するデータである。条件項目は、伝票IDで特定される伝票上の項目を識別する項目識別IDに関連付けて、その閾値と閾値区分とを有する。閾値区分は0〜6のいずれかの値であり、指定された閾値の位置づけを規定するものでる。閾値区分が「1」は項目識別IDで指定された項目の値が閾値以上である場合に本人確認が必要であることを示す。閾値区分が「2」は項目識別IDで指定された項目の値が閾値を超過している場合に本人確認が必要であることを示す。閾値区分が「3」は項目識別IDで指定された項目の値が閾値以下である場合に本人確認が必要であることを示す。閾値区分が「4」は項目識別IDで指定された項目の値が閾値未満である場合に本人確認が必要であることを示す。閾値区分が「5」は項目識別IDで指定された項目の値が閾値と等しい場合に本人確認が必要であることを示す。閾値区分が「6」は項目識別IDで指定された項目の値が閾値と等しくない場合に本人確認が必要であることを示す。また、閾値区分が「0」は伝票IDで特定される取引は伝票の項目内容にかかわらず本人確認が必要であることを示す。
図9の本人確認必要条件データ84aの例は、伝票IDが「003」の伝票で、項目識別IDが「030」の項目が閾値「100000」以上で有る場合には本人確認が必要であることを示している。
本人確認記録データ84bは、本人確認を行った日付と、本人確認を行った店舗の店舗番号と、本人確認の取引を特定する受付番号及び受付枝番号と、本人確認項目データと、本人確認書類のイメージデータとを有する。また、本人確認項目データには、本人確認で顧客から受け付けた情報が含まれ、顧客の氏名、住所、職業、取引目的及び提示された本人確認書類の種類などの情報を含む。
図9の本人確認記録データ84bの例は、日付「2013/04/15」に、店舗番号が「0123」の店舗において、受付番号が「0010」で受付枝番号が「003」で実施した取引において本人確認が行われ、その取引を依頼した顧客の氏名は「タナカ イチロウ」で、職業が「会社員」で、取引目的が「借入返済」で、提示された本人確認資料は「運転免許証」であることを示している。
代理人データ84cは、代理人を識別する代理人識別情報に関連付けて、代理人情報と代理情報とを有している。代理人情報は、代理人の氏名、住所、生年月日及び顔特徴データなどを含む代理人に係る情報である。また、代理情報は、代理人が代理となる本人の情報であり、本人の氏名、本人の生年月日、代理人の本人から見た関係などを含む。代理人情報に含む顔特徴データは、代理人を認証するためのデータである。
図9の代理人データ84cの例は、代理人識別情報「123456789」で識別されて代理人が登録されていて、該代理人は氏名が「タナカ ハナコ」で生年月日が「1990/6/1」であり、該代理人は生年月日が「1990/4/1」である氏名が「タナカ イチロウ」の代理人であり本人からみた代理人との関係は「配偶者」であることを示している。
次に、図2に示した電子記帳機30の本実施例に係る内部構成を説明する。図10は、電子記帳機30の本実施例に係る内部構成を示すブロック図である。電子記帳機30は、金融カードを読み込むためのカードリーダ33、通帳に付けられた磁気テープを読み込む通帳MSリーダ34、顧客が持参した帳票のイメージなどを読み込むイメージスキャナ35、電子記帳機30で作成した伝票を印字するプリンタ36、番号札を発行する番号札プリンタ37及び電子記帳機30を使用する顧客の顔画像を撮像するカメラ30aと接続される。本実施例では、伝票をプリンタ36で印刷し、番号札を番号札プリンタ37で印刷するものとしたが、プリンタ36で伝票及び番号札を印刷するものとしてもよい。若しくは、伝票に番号札に印刷されている内容を含めて印刷することによって番号札を印刷しないものとしてもよい。
また、電子記帳機30は、表示操作部31と、通信部32と、記憶部38と、制御部39とを有する。表示操作部31は、タッチパネルディスプレイなどであり、入力項目の表示、操作入力ボタンの表示、操作入力の受付を行う入出力部である。通信部32は、LAN等の通信網を介してサーバ20及び本人確認サーバ80とデータ通信するためのインタフェース部である。
記憶部38は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部38は、顧客データ38a、伝票イメージテンプレートデータ38b、伝票決定パラメータ38c、伝票項目データ38d、合成伝票イメージデータ38e、本人確認必要条件データ38f及び本人確認記録データ38gを有する。
顧客データ38aは、カードリーダ33に金融カードが挿入されることなどによって取得した個人を特定する情報(例えば、店番、科目及び口座番号)でサーバ20の有する顧客データ24aを検索して取得した、顧客に係る情報である。
伝票イメージテンプレートデータ38bは、電子記帳機30で作成対象の全ての伝票の種類数分存在し、それぞれの伝票の種類ごとに伝票のイメージデータと、伝票上の項目の位置と項目を識別する項目識別番号等とを有する。伝票決定パラメータ38cは、顧客の来店目的と伝票の種類との対応を規定したデータである。
伝票項目データ38dは、顧客が表示操作部31などで入力した、伝票の項目の入力情報である。合成伝票イメージデータ38eは、伝票イメージテンプレートデータ38bと伝票項目データ38dとを用い、未記入の伝票のイメージに顧客の入力した伝票項目の入力値を合成したイメージデータである。
本人確認必要条件データ38fは、本人確認サーバ80から配信されたデータであり、本人確認サーバ80の本人確認必要条件データ84aと同じである。本人確認記録データ38gは、電子記帳機30で本人確認記録を作成時に生成され、本人確認サーバ80に送付した時点で消去される。データの構造は、本人確認記録データ38gの本人確認記録データ84bと同様である。
制御部39は、電子記帳機30の全体を制御する制御部であり、顧客データ管理部39a、伝票項目データ生成部39b、伝票印刷処理部39c、伝票項目データ送信部39d、番号札発行処理部39e、帳票イメージ処理部39f及び本人確認記録生成部39gを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、それぞれに対応するプロセスを実行させることになる。
顧客データ管理部39aは、カードリーダ33に金融カードが挿入されたり、通帳MSリーダ34で通帳の磁気ストライプの読取が行われた場合に、金融カード若しくは通帳の磁気ストライプから取得した情報(例えば、店番、科目コード及び口座番号)を指定してサーバ20に検索要求を行うことによって、サーバ20の有する顧客データ24aから来店した顧客に係る顧客情報を入手して、顧客データ38aに記憶する。
伝票項目データ生成部39bは、表示操作部31を使用して顧客の来店目的を入力させて、対応する伝票の種類を決定し、決定した伝票の項目を表示操作部31を使用して入力させることによって、伝票項目データ38dを生成する。伝票印刷処理部39cは、伝票イメージテンプレートデータ38bと伝票項目データ38dから、合成伝票イメージデータ38eを生成して、生成した合成伝票イメージデータ38eをプリンタ36で印刷することによって伝票の作成を行う。伝票項目データ送信部39dは、伝票印刷処理部39cによる伝票印刷後に、伝票項目データ38dをサーバ20に送信する。
番号札発行処理部39eは、全ての伝票の作成及び全ての伝票項目データ38dのサーバ20への送信処理の終了後に、サーバ20に依頼することによって受付番号の採番を行い、受付番号の記載された番号札を番号札プリンタ37で発行する。複数の伝票の作成を行った場合についても受付番号は1つだけ採番し、該受付番号を記載した番号札を1枚発行する。
帳票イメージ処理部39fは、顧客の持ち込んだ帳票のイメージをイメージスキャナ35で取得して、取得した帳票イメージから対応する伝票の種類の判定と、帳票イメージからの文字認識によって伝票の項目の入力情報の生成に利用する。
本人確認記録生成部39gは、伝票項目データ生成部39bが生成した伝票項目データ38dの内容を本人確認必要条件データ38fの本人確認が必要となる条件に合致するか否かを評価し、本人確認が必要と判定した場合には本人確認記録に記載する情報の入力を受け付けて、受け付けた内容を基にして本人確認記録データ38gを生成する。また、本人確認記録生成部39gは、生成した本人確認記録データ38gに基づいて本人確認記録票を印刷するとともに、本人確認記録データ38gを本人確認サーバ80に送信する。
また、本人確認記録生成部39gは、本人確認記録の項目入力において代理人で有ることを受け付けたならば、カメラ30aで顧客の顔画像を取得して、顔画像の特徴データを本人確認サーバ80に送信する。本人確認サーバ80は、受け付けた顔特徴データとあらかじめ登録されている代理人データ84cに登録されている代理人の顔の特徴データとの類似性を評価して代理人の認証を行う。なお、本実施例では、代理人の認証を登録されている顔の特徴データとカメラ30a撮像された顔画像から顔画像の特徴を算出して、2つの顔特徴データの類似度を評価することによって代理人の認証を行うものとしたが、これに限定するものではない。本人確認サーバ80に、代理人の印鑑、指紋、静脈、虹彩若しくは暗証番号などの情報を予め登録しておいて、電子記帳機30に印鑑、指紋、静脈、虹彩若しくは暗証番号などを入力する入力部を設けて、電子記帳機30で入力された印鑑、指紋、静脈、虹彩若しくは暗証番号などの情報と、本人確認サーバ80に登録された代理人の印鑑、指紋、静脈、虹彩若しくは暗証番号などの情報とを比較することによって代理人の認証を行うものとしてもよい。
次に、図2に示した電子記帳機30の本実施例に係るデータ構成について説明する。図11は、電子記帳機30の本実施例に係るデータ構成について説明するための説明図である。
伝票イメージテンプレートデータ38bは、伝票の種類を示す伝票IDと、伝票項目情報と、該伝票IDに対応する伝票のイメージデータとをレコードの項目として有し、伝票IDをキーデータとするデータである。伝票項目情報は、伝票上にある顧客が記入すべき項目ごとに該項目の位置情報と該項目を識別する項目識別IDなどで構成されている。図11の伝票イメージテンプレートデータ38bの例は、伝票ID「003」に対応付けられる伝票の1つ目の項目の項目識別IDが「020」で、2つ目の項目の項目識別IDが「030」であるレコードが含まれていることを示している。
伝票決定パラメータ38cは、来店目的とそれに対応する作成すべき伝票の種類を示す伝票IDをレコードの項目として有する、複数のレコードから構成されるデータである。図11の伝票決定パラメータ38cの例は、来店目的が「入金」の場合には伝票IDが「001」の伝票を、来店目的が「出金」の場合には伝票IDが「002」の伝票を、来店目的が「振込」の場合には伝票IDが「003」の伝票を、来店目的が「税公金納付」の場合には伝票IDが「004」の伝票を作成しなければならないことを示している。
伝票項目データ38dは、受付枝番号と、来店目的の入力等で決定した伝票IDと、該伝票IDの伝票の項目情報をレコードの項目として有するデータである。伝票項目情報は、伝票IDに対応する伝票の項目ごとに、項目を識別する項目識別IDとそれに対する顧客が入力した入力情報などで構成される。図11の伝票項目データ38dの例は、受付枝番号が「001」に対応する伝票は、伝票IDが「004」の伝票の項目識別IDが「020」の項目の項目値が「タナカ イチロウ」であり、項目識別IDが「030」の項目の項目値が「52000」であるレコードが含まれていることを示している。
次に、図2に示した電子記帳機30の振込取引の伝票を作成する時の主な画面表示内容及び画面遷移を説明する。図12は、電子記帳機30の振込取引の伝票を作成する時の主な画面表示内容及び画面遷移を説明するための説明図である。
図12の(1)に示すのは、電子記帳機30の初期画面である。画面の上半分にはタッチペンを使用して来店目的を手書き入力するために用意されたエリアがある。また、画面の下半分には来店目的のボタンが配置され、対応するボタンの操作で来店目的の指定ができる。(1)の画面で、画面下半分に配置された来店目的のボタンから「出金」のボタンが押下されると(2)に示す画面に遷移する。
図12の(2)の画面の「カードまたは通帳を読ませてください。」のガイダンスメッセージに従って、通帳の磁気ストライプが通帳MSリーダ34で読み込まれると(3)に遷移する。画面下部に配置される「戻る」ボタンを押下されると(1)の画面に戻る。
図12の(3)の画面は出金金額を指定させるための画面で、画面右に表示される金額指定用のボタンを使用して出金金額の入力が可能である。「2」、「0」、「0」、「万」、「円」、「確認」の順に操作されると、出金取引に必要な入力項目が全て確定して、(4)の確認画面に遷移する。画面下部に配置される「戻る」ボタンを押下されると(2)の画面に戻る。また、画面下部に配置される「訂正」ボタンは、引出し金額入力中に入力内容を訂正する場合に使用する。
図12の(4)の画面は、依頼日は当日日付が反映され、店名、科目、口座番号は通帳の磁気ストライプから読み込んだ内容が反映され、お引出し金額には(3)の画面で入力した金額が反映され、お名前は、通帳の磁気ストライプから読み込んだ店番、科目コード及び口座番号を指定してサーバ20から取得した顧客データ38aから反映したものである。
また、図12の(4)の画面の最下部には、(4)に表示された内容の確認を行うためのボタンが配置されており、内容に誤りがなく実施したい取引が他にない場合には「確認」ボタンを、内容に誤りがなく実施したい取引が他にもある場合には「次取引」ボタンを、前の画面に戻る場合には「戻る」ボタンを押下することとなる。「確認」ボタンまたは「次取引」ボタンが押下されると、(4)で表示された取引内容で本人確認が必要か否かの判定処理が行われ、本人確認が必要と判定された場合には(5)に示す画面に遷移する。また、本人確認画面が不要と判定された場合には、「確認」ボタンが押下されていた場合には、(4)の画面に表示された内容の伝票をプリンタ36で印刷して、番号札を番号札プリンタ37で発行する。また「次取引」ボタンが押下されていた場合には、(4)の画面に表示された内容の伝票をプリンタ36で印刷して、(1)の画面に戻る。本実施例では、「次取引」ボタンの押下のタイミングで、伝票を逐次印字するものとしたが、全ての伝票の項目の入力の完了を示す「確認」ボタン押下のタイミングで全ての伝票をまとめて印刷するものとしてもよい。また、(4)の画面で表示された内容に、誤りがある場合には表示された項目の項目名をタッチすることによって、当該項目の入力画面に戻ることができる。
図12の(5)の画面は、伝票項目の入力が終了して本人確認が必要と判定された場合に表示される画面で、(5)に示すように本人確認の情報の入力を促すメッセージが表示される。画面下部に配置される「戻る」ボタンを押下することによって(4)の画面に戻ることができる。また画面下部に配置される「確認」ボタンを押下すると、本人確認記録の項目の入力用の画面に遷移する。本人確認記録の項目の入力用の画面については後述する。
図12に示したように、項目の入力は画面上に表示されたボタンを操作することによって行うだけではなく、通帳の磁気テープを読ませることによっても行うことが可能である。また、同様に金融カードをカードリーダ33挿入することで金融カードから読み取ったデータや、税金や公共料金の納付書をイメージスキャナ35でイメージを採取して、納付書に記載された内容を文字認識することによって得られたデータを使用して項目の入力を行うこともできる。
次に、図2に示した電子記帳機30で伝票を作成時の補助情報表示領域を説明する。図13は、電子記帳機30で伝票を作成時の補助情報表示領域を説明するための説明図である。電子記帳機30では、表示操作部31を使用して伝票の項目に対応する情報等の入力を行う画面で、顧客が入力するにあたって役立つ情報を表示させることが可能で、そのような情報を表示する画面上の領域を補助情報表示領域と言う。補助情報表示領域に表示される内容は、伝票の項目入力時であれば、項目に応じた内容であっったり、伝票の種類に応じた内容であってもよい。また、設定や操作によって補助情報表示領域の表示/非表示を切り替えることができてもよい。
図13の(1)は、出金取引が選択され、出金取引の伝票を作成する過程における引出金額を指定する画面の例である。補助情報表示領域には、出金対象の口座の情報を表示し、店番、科目、口座番号と当該口座の残高を表示している。顧客は、電子記帳機30を操作しながら出金対象の口座の残高の確認ができることから、残高不足にならないような適切な引出し金額の入力を効率よく行うことができる。
また、図13(2)は、振込取引が選択され、振込依頼書を作成する過程における振込金額を指定する画面の例である。補助情報表示領域には、振込を行う場合に徴求される手数料の情報を表示している。(2)に示す例では、振込先が当行宛なのか他行宛なのかと振込金額によって規定される振込手数料を表示しているが、振込先が決定している場合には、決定している宛先に応じた部分を強調表示したり、決定している宛先に応じた部分のみを表示しても良い。これによって、顧客は事前に必要な手数料を認識することができる。
図13に示した補助情報表示領域に表示する内容の例は一例であり、例えば、外貨両替の取引の場合は交換レートの情報であったり、振込先の指定する画面の場合には過去の振込実績の情報であったり、両替の取引の場合は手数料の情報であったり、取引とは直接関係のない窓口の待ちの状況や金融機関や当該店舗からのお知らせ情報であってもよい。
次に、図2に示した電子記帳機30で本人確認記録を作成時の主な画面表示内容及び画面遷移を説明する。図14は、電子記帳機30で本人確認記録を作成時の主な画面表示内容及び画面遷移を説明するための説明図である。
図14の(1)は、図12の(5)に示した画面であり、伝票項目の入力が終了して本人確認が必要と判定された場合に表示される画面である。(1)の下部に配置される「確認」ボタンを押下によって、本人確認記録の項目の入力を受け付ける一連の画面が順番に表示される。
図14の(2)は、本人確認書類の種類を指定する画面である。画面上には、本人確認資料として有効な書類名が複数表示され、その中から選択することによって提示可能な本人確認書類を指定することができる。(2)で、「運転免許証」が選択されると(3)の画面に遷移する。また、図面下部に配置される「戻る」ボタンを押下すると(1)の画面に戻る。
図14の(3)は、作成した伝票の取引を依頼するにあたり、来店した顧客が本人なのか代理人なのかを指定する画面である。画面上には本人であることを指定する「ご本人様」ボタンと、代理人であることを指定する「代理人様」ボタンとが配置される。(3)で「ご本人様」ボタンが押下されると(4)の画面に遷移する。また、図面下部に配置される「戻る」ボタンを押下すると(2)の画面に戻る。
図14の(4)は、顧客の職業を指定する画面である。画面上には、職業名が複数表示され、その中から選択することによって職業を指定することができる。(4)で「公務員」が選択されると(5)の画面に遷移する。また、図面下部に配置される「戻る」ボタンを押下すると(3)の画面に戻る。
図14の(5)は、作成した伝票で依頼する取引の目的を指定する画面である。画面上には、選択可能な目的が複数表示され、その中から選択することによって取引の目的を指定することができる。(5)で「生活費決済」が選択されると(6)の画面に遷移する。また、図面下部に配置される「戻る」ボタンを押下すると(4)の画面に戻る。
図14の(6)は、顧客の生年月日を入力する画面である。画面上の元号を選択して、画面右側に表示される数字のボタンを利用することによって生年月日の入力が可能で、生年月日の入力をして画面下部の「確認」ボタンが押下されると、次の本人確認記録の項目の入力用の画面に遷移する。また画面下部の「訂正」キーは、入力済の情報を消去する場合に使用する、また、図面下部に配置される「戻る」ボタンを押下すると(5)の画面に戻る。このようにして、自動的に展開される画面に応じて全ての項目に対する入力が終了すると(7)の画面が表示される。
図14の(7)は、(2)〜(6)に示した画面などで入力した本人確認記録に記載される内容を一覧表示した画面であり、顧客は入力した内容を確認して、内容に誤りがなく実施したい取引が他にはない場合には「確認」ボタンを、内容に誤りがなく実施したい取引が他にもある場合には「次取引」ボタンを押下することとなる。一覧表示されている項目について修正を行う場合には修正する項目名をタッチすることによって、タッチした項目の入力用の画面に遷移する。
図14の(7)の画面で「確認」ボタンが押下された場合には、(2)の画面で指定した本人確認書類のイメージをイメージスキャナ35で採取し、伝票と本人確認記録をプリンタ36で印刷し、番号札を番号札プリンタ37で発行する。また、図14の(7)の画面で「次取引」ボタンが押下された場合には、(2)の画面で指定した本人確認書類のイメージをイメージスキャナ35で採取し、伝票と本人確認記録をプリンタ36で印刷して図12の(1)に示した来店目的の入力画面に戻る。
図14に示した画面遷移の例では、本人確認記録の項目の情報を順番に入力していく例を説明したが、項目の内容によっては伝票の項目と内容が重なることがある。例えば振込取引では依頼人の名前は伝票に記載が必要であり、本人確認記録にも取引を依頼した顧客の名前が必要である。このように、本人確認記録に登録する情報が伝票項目に含まれている場合には、対応する本人確認記録の項目の入力画面の表示を行わずに、伝票項目の情報を本人確認の項目に反映する。
次に、図2に示した電子記帳機30における伝票及び本人確認記録の生成処理の処理手順を説明する。図15は、電子記帳機30における伝票及び本人確認記録の生成処理の処理手順を示すフローチャートである。
まず、伝票項目データ生成部39bは、図12の(1)に示した来店目的を入力する画面で受け付けた内容から伝票の種類の決定を行う(ステップS201)。伝票項目データ生成部39bは、決定した伝票の種類に応じた伝票項目の入力用の画面を表示して、顧客による入力を受け付けて、受け付けた内容を伝票項目データ38dに登録する(ステップS202)。入力がまだ受け付けられていない伝票項目がある場合(ステップS203;No)には、ステップS202に戻る。
全ての伝票の項目に対する入力が受け付けられたならば(ステップS203;Yes)、伝票項目データ生成部39bは、図12の(4)に示したような入力項目確認画面を表示する(ステップS204)。ステップS204で表示した入力項目確認画面で、「戻る」ボタンの押下や修正対象の項目の指定操作がされた場合(ステップS205;No)には、ステップS202に戻って、指定された伝票項目の再入力の処理に移行する。
また、ステップS204で表示した入力項目確認画面で、「確認」ボタン若しくは「次取引」ボタンの押下によって表示された内容の確認が行われたならば(ステップS205;Yes)、本人確認記録生成部39gは、伝票項目データ38dの内容が本人確認必要条件データ38fに登録されている本人確認が必要な条件に合致するか否かを評価することによって本人確認の要否を判定する(ステップS206)。
本人確認要否判定処理(ステップS206)によって本人確認を不要と判定した場合(ステップS207;No)には、ステップS218に移行する。また、本人確認要否判定処理(ステップS206)によって本人確認を必要と判定した場合(ステップS207;Yes)には、図12の(5)に示したような本人確認が必要な理由と、本人確認記録の作成を促すメッセージを表示する(ステップS208)。ステップS208で表示された画面で「戻る」ボタンが押下された場合(ステップS209;No)には、ステップS204に戻る。また、ステップS208で表示された画面で「確認」ボタンが押下された場合(ステップS209;Yes)には、本人確認記録生成部39gは、本人確認記録の項目入力用の画面を表示して、顧客の入力を受け付けて、受け付けた内容を本人確認記録データ38gに登録する(ステップS210)。
本人確認記録の項目のなかで未入力の項目がまだある場合(ステップS211;No)には、ステップS210に戻る。また、本人確認記録の全項目が入力済みである場合(ステップS211;Yes)には、本人確認記録生成部39gは、図14の(7)に示したような、本人確認記録の入力項目の一覧の表示された入力項目確認画面を表示する(ステップS212)。ステップS212で表示された入力項目確認画面で修正対象の項目の指定操作がされた場合(ステップS213;No)には、ステップS210に戻って、指定された本人確認記録の項目の再入力の処理に移行する。
ステップS212で表示された入力項目確認画面で「確認」ボタン又は「次取引」ボタンが押下された場合(ステップS213;Yes)には、本人確認記録生成部39gは、本人確認書類のイメージデータをイメージスキャナ35で採取して本人確認記録データ38gに反映し(ステップS214)、本人確認記録の帳票のイメージに本人確認記録データ38gに登録された項目ごとのデータを合成した項目記入済の本人確認記録のイメージデータを生成する(ステップS215)。また、本人確認記録生成部39gは、ステップS215で生成した本人確認記録のイメージデータをプリンタ36で印刷して(ステップS216)、本人確認記録データ38gを本人確認サーバ80に送信する(ステップS217)。
伝票印刷処理部39cは、伝票イメージテンプレートデータ38bから取り出した伝票の種類に応じた伝票のイメージに伝票項目データ38dに登録された項目ごとのデータを合成した項目記入済みの伝票のイメージデータを生成して合成伝票イメージデータ38eに記憶する(ステップS218)。また、伝票印刷処理部39cは、ステップS218で生成した合成伝票イメージデータ38eをプリンタ36で印刷して(ステップS219)、伝票項目データ38dをサーバ20に送信する(ステップS220)。
依頼を所望する他の取引がある場合(ステップS221;Yes)には、ステップS201に戻る。依頼を所望する他の取引がない場合(ステップS221;No)には、番号札発行処理部39eは、番号札を番号札プリンタ37で発行して(ステップS222)、処理を終了する。
なお、図15に示した処理手順では、本人確認記録と伝票の印刷は別々に実施しているが、伝票と本人確認記録との対応関係を明確にするために、一枚の紙に伝票のイメージと本人確認記録のイメージを印刷してもよい。また、伝票と本人確認記録を別な紙に印刷する場合においても、店舗番号、受付番号及び受付枝番号などの伝票及び本人確認記録と対応付けることが可能で他と識別可能な情報を文字で印刷したり、QRコード(登録商標)化して印刷することによって対応関係を明確にしてもよい。
また、図15に示した処理手順では、取引の種類若しくは取引の内容によって本人確認が必要と判定した場合には必ず本人確認記録を生成するものとしたが、本発明はこれに限定するものではない。例えば、本人確認サーバ80に記録されている本人確認記録データ84bを参照して、当該顧客の本人確認記録を直近の所定の期間内に行っている場合には本人確認記録の作成を対象外としてもよい。その場合には、本人確認書類の提示の準備を行う旨のメッセージ表示のみを行うものとしてもよい。
次に、図2に示した窓口端末40の本実施例に係る内部構成を説明する。図16は、窓口端末40の本実施例に係る内部構成を示すブロック図である。窓口端末40は、表示操作部41、通信部42、記憶部43及び制御部44を有する。表示操作部41は、タッチパネル式のディスプレイ装置であり、顧客の操作するボタンや入力する項目を含む画面の表示を行う入出力部である。通信部42は、LAN等の通信網を介してサーバ20、本人確認サーバ80及びプリンタ94とデータ通信するためのインタフェース部である。また、窓口端末40は、電子記帳機30の一部の機能を有する装置であり、窓口端末40に存在する構成要素は電子記帳機30に含まれている構成要素と同等であることから、ここでは主に電子記帳機30との構成上の差異を説明するものとして、個々の構成要素の説明は省略する。
窓口端末40には、電子記帳機30には接続されていたカードリーダ33、通帳MSリーダ34、イメージスキャナ35及び番号札プリンタ37は接続されていない。これらの装置が接続されていないことから、これらの装置に係る機能や機能に係る記憶部43も縮退した構成となっている。作成した伝票を印字するプリンタについては電子記帳機30とは接続形態が異なるがLAN等の通信網を介して接続するプリンタ94が存在する。
記憶部43に関しては、顧客データ43a、伝票イメージテンプレートデータ43b、伝票決定パラメータ43c、伝票項目データ43d、合成伝票イメージデータ43e、本人確認必要条件データ43f及び本人確認記録データ43gは、それぞれ、電子記帳機30の顧客データ38a、伝票イメージテンプレートデータ38b、伝票決定パラメータ38c、伝票項目データ38d、合成伝票イメージデータ38e、本人確認必要条件データ38f及び本人確認記録データ38gと同じデータ構造であり説明は省略する。
制御部44に関しては、顧客データ管理部44a、伝票項目データ生成部44b、伝票印刷処理部44c、伝票項目データ送信部44d及び本人確認記録生成部44eを有し、それぞれ電子記帳機30の顧客データ管理部39a、伝票項目データ生成部39b、伝票印刷処理部39c、伝票項目データ送信部39d及び本人確認記録生成部44eに対応する。同様の機能の処理部については説明を省略し、差異のある部分を中心に説明する。
伝票項目データ生成部44bは、受付番号等の作成した伝票を特定するデータを指定して生成済のデータをサーバ20の伝票項目データ24dから取得して、内部の伝票項目データ43dに一旦記憶し、表示操作部41に取得した伝票項目データ43dを表示して、表示操作部41の操作によって顧客に伝票の項目の入力情報の修正を可能とする。また、伝票項目データ43dの修正が終了すると、伝票印刷処理部44cは、修正内容を反映した伝票をプリンタ94より印刷する。
また、本人確認記録生成部44eは、受付番号等の作成した本人確認記録を特定するデータを指定して生成済のデータを本人確認サーバ80の本人確認記録データ84bから取得して、内部の本人確認記録データ43gに一旦記憶し、表示操作部41に取得した本人確認記録データ43gを表示して、表示操作部41の操作によって本人確認記録の項目の入力情報の修正を可能とする。また、本人確認記録生成部44eは、修正内容を反映した本人確認記録をプリンタ94より印刷する。これらの機能を有する窓口端末40が窓口に設置されることによって、伝票及び本人確認記録の修正を窓口で行うことが可能となる。
次に、図2に示した窓口端末40における伝票及び本人確認記録の修正処理の処理手順を説明する。図17は、窓口端末40における伝票及び本人確認記録の修正処理の処理手順を示すフローチャートである。
まず、表示操作部41で修正の対象となる伝票の受付番号の入力を受け付けて(ステップS301)、伝票項目データ生成部44bは、受け付けた受付番号に対応する伝票の項目データをサーバ20から取得して内部の伝票項目データ43dに記憶し、本人確認記録生成部44eは、受け付けた受付番号に対応する本人確認記録のデータを本人確認サーバ80から取得して内部の本人確認記録データ43gに記憶する(ステップS302)。
また、修正の対象が伝票なのか本人確認記録なのかの指定を受け付けて(ステップS303)、修正対象が伝票である場合(ステップS304;Yes)には、伝票項目データ生成部44bは、図12の(4)に示したような既に入力されている伝票項目の一覧を表示して修正対象の項目の有無及び修正がある場合には修正対象の項目の指定を受け付ける(ステップS305)。修正対象の項目の指示があった場合(ステップS306;Yes)には、伝票項目データ生成部44bは、指定された項目の修正を行うための画面を表示して修正内容を受け付けて、受け付けた修正内容を伝票項目データ43dに反映して(ステップS307)、ステップS305に戻る。
修正対象の項目がない場合(ステップS306:No)には、伝票印刷処理部44cは、伝票の種類に応じた伝票のイメージに伝票項目データ43dに登録された項目ごとのデータを合成した項目記入済みの伝票のイメージデータを生成する(ステップS308)。また、伝票印刷処理部44cは、ステップS308で生成した伝票のイメージデータをプリンタ94で印刷して(ステップS309)、伝票項目データ43dをサーバ20に送信して(ステップS310)、ステップS303に戻る。
修正対象が伝票ではなく(ステップS304;No)、本人確認記録である場合(ステップS311;Yes)には、図14の(7)に示したような既に入力されている本人確認記録の項目の一覧を表示して修正対象の項目の有無及び修正がある場合には修正対象の項目の指定を受け付ける(ステップS312)。修正対象の項目の指示があった場合(ステップS313;Yes)には、本人確認記録生成部44eは、指定された項目の修正を行うための画面を表示して修正内容を受け付けて、受け付けた修正内容を本人確認記録データ43gに反映して(ステップS314)、ステップS312に戻る。
修正対象の項目がない場合(ステップS313:No)には、本人確認記録生成部44eは、本人確認記録データ43gに取得済みの本人確認書類のイメージを表示してイメージの再採取の要否の指定を受け付ける(ステップS315)。ステップS315で本人確認書類のイメージの再採取が不要との指示を受け付けた場合(ステップS316;No)には、ステップS318に移行する。ステップS315で本人確認書類のイメージの再採取が必要との指示を受け付けた場合(ステップS316;Yes)には、本人確認記録生成部44eは、イメージデータを取得して本人確認記録データ43gに反映する(ステップS317)。
また、本人確認記録生成部44eは、本人確認記録の帳票のイメージに本人確認記録データ43gに登録された本人確認記録の項目ごとのデータを合成した項目記入済みの本人確認記録のイメージデータを生成する(ステップS318)。また、本人確認記録生成部44eは、ステップS318で生成した本人確認記録のイメージデータをプリンタ94で印刷して(ステップS319)、本人確認記録データ43gを本人確認サーバ80に送信して(ステップS320)、ステップS303に戻る。また、ステップS303で、伝票、本人確認記録のいずれの修正もないと指定された場合(ステップS311;No)には、処理を終了する。
図17で示した処理手順では、指定した受付番号に関連付けられた伝票及び本人確認記録が電子記帳機30で生成されて、対応するデータがサーバ20及び本人確認サーバ80に存在する場合を想定した処理手順である。しかし、窓口端末40で伝票の項目内容を変更することによって本人確認が必要ななることもある。その場合には窓口端末40においても、本人確認記録の要否を判定に応じて図12の(5)に示したような画面を表示して、本人確認記録を生成することも可能である。
上述してきたように、本実施例では、電子記帳機30において、顧客が窓口に呼び出される前に、伝票の種類を特定する情報及び特定された伝票の項目に対応する情報の入力を受け付けて、伝票の種類と伝票の項目に対応する情報である伝票項目データ38dを生成して記憶し、伝票項目データ38dに基づいて伝票を印刷するようにした。さらに、伝票項目データ38dによって本人確認の要否を判定し、本人確認が必要と判定した場合には本人確認記録に記載する情報の入力を受け付けて本人確認記録データ38gを生成して記憶し、本人確認記録データ38gに基づいて本人確認記録を印刷するようよう構成したので、金融機関等において本人確認が必要となるような取引であっても窓口のサービスを効率よく提供することができる。
なお、本実施例では、電子記帳機30で来店目的に応じた伝票項目の入力、及び本人確認が必要と判定した場合には本人確認記録の項目の入力を行い、プリンタ36で入力した内容を含む伝票及び本人確認記録を印刷するものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、電子記帳機30からプリンタ36への伝票及び本人確認記録の印刷は行わず、電子記帳機30で入力した伝票の項目の入力情報及び本人確認記録の項目の入力情報を受け取った窓口端末40で内容の確認後若しくは必要に応じて受け取った情報の修正を行った後にプリンタ94で印字するものとしてもよい。
また、本実施例では、受付機10では電子記帳機30に誘導する場合には番号札を発行せず、電子記帳機30にて伝票及び本人確認記録を作成後に番号札を発行することとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、電子記帳機30に誘導する場合にも受付機10で番号札を発行して、受付番号に受付機10で入力した来店目的などの情報を関連付けた情報を電子記帳機30に送信して、電子記帳機30に誘導された顧客が発行された番号札の受付番号を入力することによって、受付機10で入力された来店目的の情報を引き継出処理を行うとしてもよい。
また、本実施例では、電子記帳機30で入力した伝票の項目の入力情報及び本人確認記録の項目の入力情報を、窓口に設置された窓口端末40に送信することによって情報の受け渡しを行ったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、電子記帳機30で伝票の項目の入力情報及び本人確認記録の項目の入力情報を記憶媒体に記憶させて、該記憶媒体を窓口に設置された窓口端末40に読み込ませることによって情報の受け渡しを行ってもよい。また、例えば、電子記帳機30で入力した伝票の項目の入力情報及び本人確認記録の項目の入力情報をQRコード化して、該QRコードを紙に印刷して、紙に印刷したQRコードを窓口に設置された窓口端末40で読み込んで情報の受け渡しを行うものとしてもよい。また、例えば、電子記帳機30で入力した伝票の項目の入力情報及び本人確認記録の項目の入力情報は、電子記帳機30の記憶部38に記憶させて、窓口端末40から電子記帳機30の記憶部38に記憶された情報を取得することによって情報の受け渡しを行うものとしてもよい。また、例えば、電子記帳機30で入力した伝票の項目の入力情報及び本人確認記録の項目の入力情報を、サーバ20を経由せずに窓口端末40に直接送信するものとしてもよい。
また、本実施例では、電子記帳機30で、1つの受付番号に対応付けて複数の取引に対する伝票及び本人確認記録を作成する場合には、1つの伝票及び本人確認記録の作成の終了時に他に作成する伝票及び本人確認記録の有無を指定して、他に作成する伝票及び本人確認記録がある場合にはその旨を示す操作をすることによって、継続して他の伝票の作成を行うことを可能としたが、本発明はこれに限定するものではなく、電子記帳機30での操作を開始する時点で、依頼を所望する取引の種類若しくは取引の数を指定することによって、伝票及び本人確認記録の作成終了の都度、他に作成する伝票及び本人確認記録の有無を指定しなくても、指定した取引の種類若しくは取引の数に対応する伝票及び本人確認記録を1つの受付番号に対応付けて作成するようにしてもよい。
また、本実施例では、電子記帳機30において入力された来店目的や来店目的に応じた伝票の項目の内容によって本人確認の要否を判定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、受付機10において入力された来店目的で判定しても良い。受付機10において本人確認の有無を判定する場合には、受付機10は、伝票の作成は必要ないが本人確認が必要と判定した場合には、顧客を電子記帳機30に誘導し、電子記帳機30は、本人確認記録の項目の入力を受け付けて、本人確認記録を生成するようにしてもよい。
また、本実施例では、窓口の種類はハイカウンタとローカウンタの2種類の例で説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、3種類以上の窓口の種類を有してそれぞれに対して待ちを形成するようなケースであってもよい。
また、上述の実施例で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。