JP2015059994A - 光変調器 - Google Patents

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河野 健治
Kenji Kono
健治 河野
名波 雅也
Masaya Nanami
雅也 名波
佐藤 勇治
Yuji Sato
勇治 佐藤
英司 川面
Eiji Kawazura
英司 川面
鬼頭 勤
Tsutomu Kito
勤 鬼頭
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】αパラメータの絶対値を小さくするとともに、チャーピングを小さくした光変調器を提供する。【解決手段】分極を反転しない領域と分極を反転した領域で形成された基板と、中心導体及び接地導体からなる相互作用部とを具備し、中心導体は、分極を反転しない領域では第1の光導波路と第2の光導波路のうちの一方の光導波路に対向して成り、分極を反転した領域では第1の光導波路と第2の光導波路のうちの他方の光導波路に対向して成り、分極を反転しない領域にて光導波路に対向して形成された中心導体の総長さと、分極を反転した領域にて光導波路に対向して形成された中心導体の総長さとが略等しく成り、相互作用部の両端における領域が共に分極を反転しない領域または共に分極を反転した領域で成り、相互作用部の中心線が当該中心線が位置する領域の中心線と位置的にずれるように、相互作用部の両端の領域における中心導体の長さが互いに異なる。【選択図】図1

Description

本発明は、光導波路に入射した光を電気光学効果を利用して高周波電気信号で変調して光信号パルスとして出射する光変調器に関する。
近年、高速、大容量の光通信システムが実用化されている。このような高速、大容量の光通信システムに組込むための高速、小型、かつ低価格の光変調器の開発が求められている。
このような要望に応える光変調器として、リチウムナイオベート(LiNbO3)のように電界を印加することにより屈折率が変化する、いわゆる電気光学効果を有する基板(以下、LN基板と略す)に光導波路と進行波電極を形成した進行波電極型リチウムナイオベート光変調器(以下、LN光変調器と略す)がある。このLN光変調器は、その優れたチャーピング特性から2.5Gbit/s、10Gbit/sの大容量光通信システムに適用されている。最近はさらに40Gbit/sの超大容量光通信システムにも適用が検討されている。
以下、従来、実用化され、又は提唱されてきたリチウムナイオベートの電気光学効果を利用した各LN光変調器の特徴を順番に説明していく。
(第1の従来技術)
図7は、特許文献1において開示されたz−カットLN基板を用いて構成する第1の従来技術のLN光変調器の斜視図であり、図8は図7のA−A´線における断面図である。
z−カットLN基板1上に光導波路3が形成されている。この光導波路3は、金属Tiを1050℃で約10時間熱拡散して形成した光導波路であり、マッハツェンダ干渉系(あるいは、マッハツェンダ光導波路)を構成している。したがって、光導波路3には、高周波電気信号と光が相互作用する領域(相互作用部、あるいは相互作用領域と言う)における2本の光導波路3a、3b(あるいは、相互作用光導波路)、つまりマッハツェンダ光導波路の2本のアームが形成されている。
この光導波路3の上面にSiO2バッファ層2が形成され、このSiO2バッファ層2の上面に進行波電極4が形成されている。進行波電極4としては、1つの中心導体4aと2つの接地導体4b、4cを有するコプレーナウェーブガイド(CPW)を用いることを想定する。
光導波路3a、3bを導波する光が中心導体4aと接地導体4b、4cからなる進行波電極4を構成する金属(一般に、Auを用いる)から受ける吸収損を抑えるためと、進行波電極4を導波する高周波電気信号のマイクロ波等価屈折率(あるいは、進行波電極のマイクロ波等価屈折率)nmを低減し光導波路3a、3bを導波する光の等価屈折率(あるいは、光導波路の等価屈折率)noに近づけるとともに、特性インピーダンスをなるべく50Ωに近づけるために、進行波電極4とz−カットLN基板1との間には、通常、400nm〜1μm程度の厚いSiO2バッファ層2を堆積する。
図9に進行波電極の中心導体4aと接地導体4b、4c間に電界を印加した際における電気力線5の分布を示す。この図9から理解できるように、2つの光導波路3a、3bを横切る電気力線5の向きは互いに逆向きである。そのため、中心導体4aの下にある光導波路3bを伝搬する光の位相変化量をΔφ1、接地導体4bの下にある光導波路3aを伝搬する光の位相変化量をΔφ2とすると、Δφ1とΔφ2の符号は異なっている。
マッハツェンダ光導波路では2本の光導波路3a、3bを伝搬する光の位相差Δφt(=|Δφ1|+|Δφ2|)をπとすることにより、合成された光のOFF状態を実現でき、この光変調器で光信号パルスを形成できる。
ところが、この第1の従来技術のz−カットLN光変調器で形成した光信号パルスには数10Kmの長さの単一モード光ファイバー内を伝搬した際に、パルスの形が崩れる、いわゆるチャーピングが発生するという問題点がある。次にこれについて説明する。
図9から理解できるように、中心導体4aの幅は接地導体4b、4cの幅より小さく、その幅はほぼ光導波路3bの幅と同じで6μm〜11μm程度である。したがって、中心導体4aの下にある光導波路3bを伝搬する光と電気力線5との相互作用の効率は高い。一方、接地導体4b、4cは幅が広いので中心導体4aから出た電気力線5は接地導体4b、4cに広く分布し、接地導体4b側の光導波路3aと電気力線5との相互作用の効率は低い。近似的に位相変化量は、|Δφ1|≒5|Δφ2|となる。
そのため、この第1の従来技術のLN光変調器を用いて形成した光信号パルスにはチャーピングが生じる。ちなみに、チャーピングの度合いを表すアルファパラメータ(あるいは、αパラメータ)はこの光変調器から出力される光信号パルスが有する位相φと強度Eとを用いて(1)式のように表現できる(非特許文献1)。
α=[dφ/dt]/[(1/E)(dE/dt)] (1)
このように、αパラメータは、出力される光信号パルスが有する位相変化量と強度変化量を用いて表現できる。
さらに、具体的には、αパラメータは、(1)式を発展させた(2)式で表現できる。
α=(Γ1―Γ2)/(Γ1+Γ2) (2)
Γ1;高周波電気信号(振幅)と光導波路1(3a)を伝搬する光(パワー)との1で規格化した重なり積分で示した効率
Γ2;高周波電気信号(振幅)と光導波路2(3b)を伝搬する光(パワー)との1で規格化した重なり積分で示した効率
以上のように、図7、図8に示した第1の従来技術のLN光変調器で生成された光信号パルスにチャーピングが発生する原因は、中心導体4a側の光導波路3bと接地導体4b側の光導波路3aに発生する位相変化量の絶対値が同じでないことに起因する。
(第2の従来技術)
図10は、上述した第1の従来技術の問題点を解消するために提唱された第2の従来技術のLN光変調器の断面図である。なお、図8に示す第1の従来技術のLN光変調器と同一部分には同一符号を付して、重複する部分の詳細説明を省略する。
この第2の従来技術のLN光変調器においては、進行波電極として、2つの中心導体6a、6bと3つの接地導体7a、7b、7cが形成されている。すなわち、第1の従来技術に示したCPW電極が2つ使用されており、2電極型、あるいはプッシュプル型CPW進行波電極と呼ばれている。したがって、中心導体6a、6bと接地導体7a、7b、7cとの間に図10に示す電気力線8が生じる。
この第2の従来技術においては、光導波路3a、3bは各々幅の等しい2つのCPW電極の中心導体6a、6bの直下にあるので、光導波路3a、3bを伝搬する光の位相変化量は絶対値が等しく符号が逆となり、原理的にチャーピングゼロを実現できるはずである。
ところが、前述のように、光導波路3a、3bを伝搬する光の位相変化量は絶対値が等しく符号が正確に逆でなければならないため、この第2の従来技術のLN光変調器をチャーピングゼロ状態で動作させるためには、中心導体6a、6bには正確に正、負逆位相の高周波電気信号を加える必要があり、極めて難しい問題を生じる。
つまり、集積回路(Integrated Circuit:IC)の異なるポートから出る2つの逆位相の高周波電気信号が、ICを出た後に中心導体6a、6bに加わる際の位相を正確に正、負逆位相とすることは、ICからの出力後、進行波電極の各中心導体6a、6bにおける各相互作用部までの電気的長さを完全に同じにするとともに、電気波形の立ち上がり、立下りの形状まで同じにすることを意味しており、実際には技術的に多大の手間と時間と困難性との課題がある。
(第3の従来技術)
図11は上述した第2の従来技術の問題点を解消するために特許文献2にて提唱された第3の従来技術のLN光変調器の上面図であり、図12は図11のB−B´線における断面図である。なお、図8、図9に示す第1の従来技術のLN光変調器と同一部分には同一符号を付して、重複する部分の詳細説明を省略する。
この第3の従来技術のLN光変調器においては、光導波路9にはマッハツェンダ光導波路を構成する2本の光導波路9a、9bが形成されている。また、進行波電極として、2つの中心導体10a及び10bと3つの接地導体11a、11b及び11cが形成されている。さらに、z−カットLN基板1は分極を反転していない領域1a(−z面領域)と分極を反転した領域1b(+z面領域)とで構成されている。具体的には、z−カットLN基板1は2本の光導波路9aと9bの相互間の中心付近を境界として、分極が反転されている。光導波路9a側が分極を反転していない領域1aに対応し、光導波路9b側が分極を反転した領域1bに対応する。中心導体10a、10bと接地導体11a、11b、11cとの間に図12に示す電気力線12が生じる。
このような第3の従来技術のLN光変調器の動作原理を説明する。まず、光導波路9に入射した光は、マッハツェンダ光導波路を構成する2本の光導波路9a、9bを伝搬するように2分岐される。一方、中心導体10も2つの中心導体10a、10bに2分岐されているので、高周波電気信号は図12に示すように、光導波路9a、9bに同方向に印加される。
通常、z−カット光変調器は光導波路9を製作するための金属Tiの拡散状態から基板表面として−z面が使用される。従って、分極を反転していない領域1aでは−z面を、分極を反転した領域1bでは+z面を使用している。電気光学的には−z面と+z面に電界を印加すると、生じる屈折率変化は絶対値が等しく符号が逆である。
この第3の従来技術では、z−カットLN基板1はマッハツェンダ光導波路の中心付近を境界として分極を反転しているので、図12に示す同方向の電気力線12によっても、光導波路9a、9bを伝搬する光の位相変化は符号が逆となる。したがって、光導波路9a、9bを伝搬する光の位相変化を絶対値が同じで符号が逆とすることにより、このLN光変調器から出力される光信号パルスのチャーピングを低減している。
しかしながら、この第3の従来技術のLN光変調器においてもまだ次のような課題があった。
一般に、LN光変調器は3インチから4インチの大きさのz−カットLN基板1上に製作するが、各LN光変調器は15μm〜70μm程度のギャップを有するマッハツェンダ光導波路9a、9bを有している。図11に示した第3の従来技術のLN光変調器を製作する工程のうち、光導波路を実際に製作する工程について考える。
まず、マッハツェンダ光導波路9の2本の光導波路9a、9bのギャップの中心を境界として分極を反転する。この分極を反転する工程には、z−カットLN基板1における所望の位置の上面と下面全面に電極をパターニングした後、高電界を印加して分極ドメインを反転させた後、上下に形成した電極をエッチングはく離する。次に、分極を反転した境界が2本の光導波路9a、9bのギャップの中央に合うようにマッハツェンダ光導波路用のフォトレジストパターンを形成するとともに、金属Tiを蒸着・リフトオフする。最後に、形成された金属Tiパターンを熱拡散し、マッハツェンダ光導波路9を形成する。
分極を反転していない領域1aと分極を反転した領域1bとでは基板の物性が異なるため、光導波路9a、9bを形成するための金属Tiがz−カットLN基板1へ拡散する状態も異なってくる。その結果、光のスポットサイズや伝搬損失について、分極を反転していない領域1aと分極を反転した領域1bにおいて異なる。
分極を反転していない領域1aに形成した光導波路9aを伝搬する光のスポットサイズと分極を反転した領域1bに形成した光導波路9a、9bを伝搬する光のスポットサイズが異なるということは、中心導体10a、10bと接地導体11a、11bからなる進行波電極を伝搬する高周波電気信号と2本の光導波路9a、9bを伝搬する光の相互作用の効率(一般には、前述したように、高周波電気信号と光のパワーの重なり積分で表される)が2本の光導波路9a、9bとで異なることになる。
図9に示す第1の従来技術のLN光変調器で説明したように、2本の光導波路9a、9bを伝搬する光の位相変化量の絶対値が異なると、LN光変調器から出射された光信号パルスがチャーピング特性を持つことになり、チャーピングを極めて小さくするという課題の充分な解決にはなってはいない。
また、分極を反転していない領域1aと分極を反転した領域1bでは伝搬損失も異なるので、2本の光導波路9a、9bを伝搬する光のパワーに差が生じ、結果的にLN光変調器から出射された光信号パルスにおけるOFF時の消光比が劣化するという問題もあった。また、実際には分極反転をすると滲み出しがあるので分極反転をしない領域1aと分極反転をした領域1bの境界が2本の相互作用光導波路9aと9bとの間に来るように精度よく制御すること自体も難しい。
さらに最も大きな問題点は、図11からから容易にわかるように、高周波電気信号と光との相互作用部において中心導体10を2つの中心導体10a、10bに2分割する必要がある。ここで、中心導体10a、10bの部分において50Ω系とすると分割前は25Ω程度と低くなるし、分割部において50Ω系とすると、分割後の中心導体10a、10bの部分においては100Ω程度と高くなる、いわゆる特性インピーダンス不整合という重大な問題を原理的に持っている。あるいはこの分岐部の寸法精度上及び材料特性上の出来・不出来が反射特性(S11特性)に大きく影響し、結果的にLN光変調器の製造時における歩留まりに大きな影響があるという難しい問題を抱えていた。
(第4の従来技術)
図13は特許文献3において提唱された第4の従来技術のLN光変調器の上面図である。この第4の従来技術のLN光変調器においては、LN基板は、光の入射側から順番に、分極を反転していない領域15a(−z面領域)、分極を反転した領域15b(+z面領域)、および分極を反転していない領域15c(−z面領域)に区分けされている。そして、マッハツェンダ光導波路13を構成する2本の光導波路13a、13bが、LN基板における分極を反転していない領域15aから分極を反転した領域15bを通過している。
また、進行波電極として、1つの中心導体14aと2つの接地導体14b、14cとが形成されている。中心導体14aは、分極を反転していない領域15aでは長さL/2だけ光導波路13bの上方に、また分極を反転した領域15bにおいても長さL/2だけ光導波路13aの上方に位置している。
図13に示すように、光と高周波電気信号の相互作用する相互作用領域全体を100、分極を反転していない領域15aにある長さL/2の相互作用領域を101、分極を反転した領域15aにある長さL/2の相互作用領域を102とする。なお、ここでは領域15cも分極を反転していない領域としたが、この領域は重要ではないので分極を反転した領域としても良い。
この第4の従来技術の光変調器の特徴は、分極を反転していない領域15aにおける中心導体14aの長さと分極を反転した領域15bにおける中心導体14aの長さがL/2と互いに等しいことである。
第4の従来技術においては、2本の光導波路13a、13bを伝搬する各々の光が分極を反転していない領域15aと分極を反転した領域15bを伝搬する距離を等しく(=L/2)する、つまり、相互作用領域101と相互作用領域102の長さを等しくすることにより、このLN光変調器から出射される光信号パルスにおけるチャーピングを小さくできるという考え方である。
さて、一般に、高周波電気信号の周波数が高くなると金属が持つ導体損失のために、中心導体14a、接地導体14b、14cからなる進行波電極を伝搬する高周波電気信号は伝搬とともに非線形的に著しく弱くなる。この高周波電気信号の伝搬損失のために、分極を反転していない領域15aの相互作用領域101と分極を反転した領域15bの相互作用領域IIの長さがたとえL/2に等しくても、高周波電気信号の下流側に位置する分極を反転している領域15bにおいて進行波電極を伝搬する高周波電気信号の強度は分極を反転した領域15aよりも非線形的に著しく弱くなる。
その結果、中心導体14aと接地導体14b、14cとの間に印加される高周波電気信号の周波数が高くなると、2本の光導波路13a、13bを伝搬する光の位相差の絶対値は異なってしまう。
図15に、LN光変調器の中心導体と接地導体間に印加される高周波電気信号の周波数を変化させた場合における、前述した(1)式、又は(2)式で求まるチャーピングの大きさを示すαパラメータの変化(αパラメータの周波数特性)を示す。
この測定結果は構造に依存するので、変調器の構造の主要なパラメータを記載しておく。光と高周波電気信号の相互作用領域101と102における進行波電極の中心導体14aの幅は10μm、これらと接地導体14bと14cとのギャップを20μm、光と高周波電気信号の相互作用長は相互作用領域全体の長さLを40mmとした。なお、中心導体と接地導体とのギャップを15μm〜70μm程度まで変えても数値的な違いはあるものの図15に示した特性の大まかな傾向についての違いはなかった。
第4の従来技術のLN光変調器においては、図15の破線特性で示したように、DC付近の低周波ではチャーピングゼロ(αパラメータがゼロ)をほぼ実現できるものの、周波数の増加とともにチャーピングが大きくなる。その結果、光変調器から出射された光信号パルスには大きなチャーピングが生じることが理解できる。なお、図15ではαパラメータが周波数とともに正の大きな値になっているが、バイアスの印加の仕方によっては逆に負の大きな値になることもある。
(第5の従来技術)
特許文献3、特許文献4において提唱された第5の従来技術を用いることにより、上述した第4の従来技術の問題点の問題点をかなり改善できる。その第5の従来技術の上面図を図14に示す。図14に示したこの第5の従来技術のLN光変調器におけるLN基板は、光の入射側から順番に、分極を反転していない領域18a(−z面領域)、分極を反転した領域18b(+z面領域)、および分極を反転していない領域18c(−z面領域)に区分けされている。
図13に示した第4の従来技術では、分極を反転していない領域と分極を反転した領域を各々1ヶ所のみ設けた。この構造が開示された特許文献3にはその図3として4か所の分極を反転していない領域と3ヶ所の分極を反転した領域とを具備する例が開示されている。また、その明細書中に変形例も可能と記載されている。この考え方に基づき、分極を反転していない領域と分極を反転した領域を各々2ヶ所と1ヶ所とする。さらに、特許文献4では前後に配置した2つの分極を反転していない相互作用領域の長さを等しくし、かつ分極を反転した相互作用領域の長さを、分極を反転していない相互作用領域の長さの2倍とする例が開示されている。これらの検討の結果、図14の構造を得ることができる。
なお、前後に配置する分極を反転していない相互作用領域104と106の長さを等しくしているので、分極を反転した相互作用領域105の長手方向の中心と全体の相互作用領域103の長手方向の中心とは必ず一致する。図14ではこれらの長手方向の中心を200として示している。以下、詳しく考察する。
この第5の従来技術ではマッハツェンダ光導波路16の2本の光導波路16a、16bの上にある中心導体17aの長さをL/4、L/2、L/4と分け、中心導体17a、接地導体17b、17cからなる進行波電極を伝搬する高周波電気信号の強度が強い領域と高周波電気信号が弱い領域に各々長さL/4だけ分極を反転していない領域(各々領域104と領域106)を割り当て、高周波電気信号の強度が中位の領域に長さL/2だけ分極を反転した領域(相互作用領域105)を割り当てている。
つまり、光導波路16bにおける光と高周波電気信号の相互作用の絶対値は領域104で大きく、また領域106では小さい。一方、光導波路16aにおける光と高周波電気信号の相互作用の絶対値は領域105において中位である。言わば、領域104と領域106における各々大と小の絶対値を足した値が領域105における中位の絶対値となるように設計されている。この考え方は換言すると、大と小の和は中位の値となるという考え方である。なお、これは後述するようにαパラメータは高周波電気信号の伝搬距離に対して線形に変化することを仮定している。
ところが、実際にはより複雑な要因のために第5の従来技術の光変調器においてもαパラメータがゼロからずれてしまう。これを説明するために、例として高周波電気信号の伝搬損失の影響をとり上げる。
高周波電気信号が中心導体17aと接地導体17b、17cからなる進行波電極を伝搬するにつれて、高周波電気信号の振幅は減衰定数αmをパラメータ、高周波電気信号の伝搬距離zを変数とすると次式のように指数関数的に減衰する。
|E|=exp(―αm・z) (3)
ところが、この第5の従来技術において領域I、領域II、領域IIIの長さは各々L/4、L/2、L/4である。つまり、これらの長さは式(3)に示した高周波電気信号の指数関数的な減衰特性を考慮して設計されているわけではなく、高周波電気信号がその伝搬距離zに対して線形に減衰する、言わば均等配分を仮定している。しかしながら、上述のようにこの考え方は正しくないので、この第5の実施形態により高周波電気信号の周波数に対するαパラメータを極めて小さくすることは困難である。さらに、実際にはαパラメータにはこの高周波電気信号の減衰のみならず、光と高周波電気信号の速度(即ち、光と高周波電気信号の等価屈折率)の不整合も高周波電気信号の伝搬距離に対して線形には変化しない。そのため、周波数が高くなった場合におけるαパラメータの絶対値をさらに大きくすることになる。
実際に光変調器を試作し、αパラメータを測定した結果を図15に示す。第4の従来技術と同じく、この第5の従来技術においてもαパラメータの測定結果は光変調器の構造に依存するので、変調器の構造の主要なパラメータを記載しておく。光と高周波電気信号が相互作用する全体の相互作用領域103を3分割した相互作用領域104、105及び106の各領域における進行波電極の中心導体19aの幅は10μm、これらと接地導体19bと19cとのギャップを20μm、光と高周波電気信号の相互作用長は相互作用領域全体の長さLを40mmとした。なお、中心導体と接地導体とのギャップを15μm〜70μm程度まで変えても数値の違いはあるものの図15に示した特性の大まかな傾向についての違いはなかった。
この第5の従来技術のLN光変調器においては、図15の実線で示したように、チャーピング量を表すαパラメータを、破線で示した第4の従来技術のLN光変調器のαパラメータより大幅に低減させることができるものの、この第5の従来技術のLN光変調器においても周波数とともにαパラメータが大きくなっている。つまり、前述のように中心導体と接地導体間に印加される高周波電気信号の周波数の増加に伴って、高周波電気信号の伝搬損失は指数関数的に増加するため、「大+小=中間」の考え方的ではαパラメータを十分に小さくすることが困難である。
換言すると、高周波電気信号の減衰や光と高周波電気信号の等価屈折率の差がαパラメータに与える影響について線形関数を仮定する第5の従来技術では高速光変調時における光信号パルスにチャーピングが生じてしまうという問題があった。
特許第2126214号公報 特開2003−202530号公報 特許3929814号公報 特許第3957217号公報
以上のように、LN基板に対して分極反転を用いる従来技術としては、分極を反転していない領域と反転した領域の境界がマッハツェンダ光導波路を構成する2本のアーム(光導波路)に平行となるように分極を反転した領域を形成する構成(第3の従来技術)と、その境界が2本のアーム(光導波路)に垂直に(あるいは大きな角度をなすように)分極を反転した領域を形成する構成(第4の従来技術、第5の従来技術)とがある。前者の場合、すなわち光導波路を各々異なる分極のLN基板に形成する場合(第3の従来技術、図11、図12)には、2本のアーム(光導波路)を伝搬する光のスポットサイズが異なっているので、中心導体と接地導体間に印加される高周波電気信号の周波数が零、すなわち、DC付近においてでさえもチャーピングを極めて小さくすることが難しく、さらに分極反転工程における滲み出しのために、分極反転をしない領域と分極反転をする領域との境界が2本の光導波路の間にくるように精度よく制御することは難しい。また何よりも中心導体を2分岐せねばならず特性インピーダンスが不整合となるという重大な問題を持っていた。一方、後者の構成において、分極を反転していない相互作用領域と分極を反転した相互作用領域の長さとを等しくする場合(第4の従来技術、図13)には、DC付近においてチャーピングがゼロであっても周波数とともにチャーピングが大幅に大きくなる。また、分極を反転した長さがL/2の1つの相互作用領域と各々の長さがL/4で分極を反転していない2つの相互作用領域とを設ける構造の例(第5の従来技術、図14)においても周波数が高くなるとチャーピングが生じてしまうという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、進行波電極を中心導体と接地導体とで形成する簡単な構造を維持した状態で、たとえ中心導体と接地導体間に印加される高周波電気信号の周波数帯域が広い場合においても、光導波路から出射される光信号パルスに発生するチャーピングの大きさを極力抑制できる光変調器を提供することを目的とする。
上記課題を解消するために、本発明の請求項1の光変調器は、電気光学効果を有する材料からなるとともに、分極を反転しない領域と分極を反転した領域との2種類の領域で形成された基板と、前記基板の一面側に形成され、入射された光が分岐されて伝搬する第1の光導波路と第2の光導波路と、前記各光導波路を伝搬する光と相互作用する高周波電気信号を伝搬させる中心導体及び接地導体からなる相互作用部とを具備し、前記基板には、前記各光導波路を伝搬する光の伝搬方向に沿って前記分極を反転しない領域と前記分極を反転した領域の互いに異なる方向に分極した領域が少なくとも3つ以上隣り合って形成され、前記中心導体は、前記相互作用部にて、前記分極を反転しない領域では前記第1の光導波路と前記第2の光導波路のうちの一方の光導波路に対向して形成され、前記分極を反転した領域では前記第1の光導波路と前記第2の光導波路のうちの他方の光導波路に対向して形成されており、前記分極を反転しない領域にて前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の総長さと、前記分極を反転した領域にて前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の総長さとが略等しく形成され、前記相互作用部の両端における領域が、共に分極を反転しない領域、または共に分極を反転した領域で形成されており、前記光変調器の前記相互作用部の長手方向を分割する向きの中心線が、当該中心線が位置する領域である前記分極反転しない領域もしくは前記分極反転した領域の中心線と位置的にずれるように、前記相互作用部の両端の領域における前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の長さが互いに異なっていることを特徴としている。
また、本発明の請求項2の光変調器は、電気光学効果を有する材料からなるとともに、分極を反転しない領域と分極を反転した領域との2種類の領域で形成された基板と、前記基板の一面側に形成され、入射された光が分岐されて伝搬する第1の光導波路と第2の光導波路と、前記各光導波路を伝搬する光と相互作用する高周波電気信号を伝搬させる中心導体及び接地導体からなる相互作用部とを具備し、前記基板には、前記各光導波路を伝搬する光の伝搬方向に沿って前記分極を反転しない領域と前記分極を反転した領域の互いに異なる方向に分極した領域が少なくとも3つ以上隣り合って形成され、前記中心導体は、前記相互作用部にて、前記分極を反転しない領域では前記第1の光導波路と前記第2の光導波路のうちの一方の光導波路に対向して形成され、前記分極を反転した領域では前記第1の光導波路と前記第2の光導波路のうちの他方の光導波路に対向して形成されており、前記分極を反転しない領域にて前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の総長さと、前記分極を反転した領域にて前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の総長さとが略等しく形成され、前記相互作用部の両端における領域に互いに異なる分極が形成され、前記光変調器の前記相互作用部の長手方向を分割する向きの中心線が、当該中心線が位置する領域である前記分極反転しない領域もしくは前記分極反転した領域の中心線と位置的にずれるように、前記相互作用部の両端の領域における前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の長さが互いに異なっていることを特徴としている。
また、本発明の請求項3の光変調器は、電気光学効果を有する材料からなるとともに、分極を反転しない領域と分極を反転した領域との2種類の領域で形成された基板と、前記基板の一面側に形成され、入射された光が分岐されて伝搬する第1の光導波路と第2の光導波路と、前記各光導波路を伝搬する光と相互作用する高周波電気信号を伝搬させる中心導体及び接地導体からなる相互作用部とを具備し、前記基板には、前記各光導波路を伝搬する光の伝搬方向に沿って前記分極を反転しない領域と前記分極を反転した領域の互いに異なる方向に分極した領域が少なくとも3つ以上隣り合って形成され、前記中心導体は、前記相互作用部にて、前記分極を反転しない領域では前記第1の光導波路と前記第2の光導波路のうちの一方の光導波路に対向して形成され、前記分極を反転した領域では前記第1の光導波路と前記第2の光導波路のうちの他方の光導波路に対向して形成されており、前記分極を反転しない領域にて前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の総長さと、前記分極を反転した領域にて前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の総長さとが等しく形成され、前記相互作用部の両端における領域が、共に分極を反転しない領域、または共に分極を反転した領域で形成されており、前記光変調器の前記相互作用部の長手方向を分割する向きの中心線が、前記分極を反転しない領域と前記分極を反転した領域の境界上に位置しており、前記相互作用部の両端の領域における前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の長さが互いに異なっていることを特徴としている。
また、本発明の請求項4の光変調器は、電気光学効果を有する材料からなるとともに、分極を反転しない領域と分極を反転した領域との2種類の領域で形成された基板と、前記基板の一面側に形成され、入射された光が分岐されて伝搬する第1の光導波路と第2の光導波路と、前記各光導波路を伝搬する光と相互作用する高周波電気信号を伝搬させる中心導体及び接地導体からなる相互作用部とを具備し、前記基板には、前記各光導波路を伝搬する光の伝搬方向に沿って前記分極を反転しない領域と前記分極を反転した領域の互いに異なる方向に分極した領域が少なくとも3つ以上隣り合って形成され、前記中心導体は、前記相互作用部にて、前記分極を反転しない領域では前記第1の光導波路と前記第2の光導波路のうちの一方の光導波路に対向して形成され、前記分極を反転した領域では前記第1の光導波路と前記第2の光導波路のうちの他方の光導波路に対向して形成されており、前記分極を反転しない領域にて前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の総長さと、前記分極を反転した領域にて前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の総長さとが等しく形成され、前記相互作用部の両端における領域に互いに異なる分極が形成され、前記光変調器の前記相互作用部の長手方向を分割する向きの中心線が、前記分極を反転しない領域と前記分極を反転した領域の境界上に位置しており、前記相互作用部の両端の領域における前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の長さが互いに異なっていることを特徴としている。
また、本発明の請求項5の光変調器は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の請求項において、前記相互作用部の両端の領域のうち、前記光の伝搬方向の上流側の領域の前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の長さが、下流側の領域の前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の長さよりも短いことを特徴としている。
また、本発明の請求項6の光変調器は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の請求項において、前記相互作用部の両端の領域のうち、前記光の伝搬方向の上流側の領域の前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の長さが、下流側の領域の前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の長さよりも長いことを特徴としている。
また、本発明の請求項7の光変調器は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の請求項において、前記入射された光を分岐、あるいは合波する機能が電気光学効果を有する前記基板に形成されていることを特徴としている。
また、本発明の請求項8の光変調器は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の請求項において、前記入射された光を分岐、あるいは合波する機能が前記基板とは異なる別体の基板に形成されていることを特徴としている。
また、本発明の請求項9の光変調器は、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の請求項において、αパラメータがDC近傍で略ゼロであり、前記高周波電気信号の周波数が増加してもその絶対値の増加を抑えることができることを特徴としている。
また、本発明の請求項10の光変調器は、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の請求項において、前記αパラメータがDC近傍でゼロであり、前記高周波電気信号の周波数が増加した場合に符号が正から負、もしくは負から正に入れ替わることを特徴としている。
本発明ではDCから高い周波数までαパラメータの絶対値を小さくすることができ、従って、光変調器に高速電気信号を印加した場合に光導波路から出射される光信号パルスに発生するチャーピングの大きさを極力抑制することができるという利点がある。
本発明の第1の実施形態に係わる光変調器の概略構成を示す上面図 同第1の実施形態の構成を説明する図 同第1の実施形態に係わる光変調器から出射された光信号パルスのαパラメータの周波数特性を示す図 本発明の第1の実施形態の変形実施形態に係わる光変調器から出射された光信号パルスのαパラメータの周波数特性を示す図 本発明の第2の実施形態の構成を説明する図 本発明の第3の実施形態の構成を説明する図 第1の従来技術の光変調器の概略構成を示す斜視図 同第1の従来技術の光変調器の断面図 同第1の従来技術の光変調器の動作を示す電気力線図 第2の従来技術の光変調器の動作を示す電気力線図 第3の従来技術の光変調器の概略構成を示す上面図 同第3の従来技術の光変調器の動作を示す電気力線図 第4の従来技術の光変調器の概略構成を示す上面図 第5の従来技術の光変調器の概略構成を示す上面図 第4、第5の従来技術の光変調器から出射された光信号パルスのαパラメータの周波数特性を示す図
以下、本発明の各実施形態について図面を用いて説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係わる光変調器の概略構成を模式的に示す上面図である。図1に示した本発明における第1の実施形態のLN光変調器において、LN基板は、光の入射側から順番に分極を反転していない領域20a(−z面領域)、分極を反転した領域20b(+z面領域)、および分極を反転していない領域20c(−z面領域)に区分けされている。
光と高周波電気信号との全体としての相互作用領域107は、分極を反転していない領域20aの相互作用領域108、分極を反転した領域20bの相互作用領域109、及び分極を反転していない領域20cの相互作用領域110から構成されている。ここで、LN光変調器全体としての相互作用領域107の長さLに対し、各相互作用領域108、109、110の長さを各々L1、L2、L3とする。ここで、L=L1+L2+L3が成り立っている。
物理的な解釈としては、中心導体19aの長さをL1、L2、L3の長さに分け、高周波電気信号の強度が強い相互作用領域108に長さL1、高周波電気信号が弱い相互作用領域110に長さL3だけ分極を反転していない領域を割り当て、高周波電気信号の強度が中位の相互作用領域109に長さL2だけ分極を反転した領域を割り当てていると言うことができる。
但し、第5の従来技術とは異なり、本発明の第1の実施形態では各相互作用領域108、109、110の長さL1、L2、L3に対して
1 ≠ L3 (4)
1 + L3 = L2 (5)
2 = L/2 (6)
の関係式を成り立たせている。つまり、分極を反転していない2つの領域、即ち高周波電気信号の強度が強い相互作用領域108と高周波電気信号の強度が弱い相互作用領域110の長さの総和(L1+L3)を、分極を反転した高周波電気信号の強度が中くらいの相互作用領域109の長さL2(=L/2)に等しくはしているが、本発明の特徴として、式(4)に示したように高周波電気信号の強度が強い相互作用領域108の長さL1と高周波電気信号の強度が弱い相互作用領域110の長さL3とを異ならしめている。なお、式(5)の“等しい”は厳密なものに限られず、例えば製造誤差によって“略等しく”なっている場合も含まれる。
この式(4)が本発明における重要な点である。この点について図2を用いて詳しく説明する。なお、図が煩雑になるのを避けるために、図2では図1の進行波電極における接地導体19b、19cを省略し、中心導体19aのみを示している。図中、300は相互作用領域107(あるいは相互作用領域108)の長手方向の始点、301は相互作用領域107(あるいは相互作用領域110)の長手方向の終点である。302は相互作用領域108の長手方向の中点、303は相互作用領域110の長手方向の中点を示している。また、200は全体としての相互作用領域107の中点である。中点200の位置から中点201までの距離をΔzとする。なお、前述のように302は相互作用領域108の中点であり、一方303は相互作用領域110の長手方向の中点である。従って、201は中点302と中点303との中点とも言うことができる。
特許文献4の請求項においてクレームされているように、第5の従来技術ではΔz=0であった。一方、本発明では、分極を反転していない2つの領域である相互作用領域108の長さL1と110の長さL3とを互いに異ならしめているのでΔz≠0となる。
次に、本発明を適用した光変調器を試作した結果について述べる。従来技術の結果と比較するために中心導体19aの幅や中心導体19aと接地導体19b、19cとのギャップは第4の従来技術や第5の従来技術と同じとした。その構造において、進行波電極を伝搬する高周波電気信号の強度が強い相互作用領域108の長さL1をL/5とし、第5の従来技術のL/4よりも短くした。なお、式(5)と式(6)から高周波電気信号が弱い領域の長さL3は3L/10となり、第5の従来技術のL/4よりも長くなる。
その結果、3つの相互作用領域108、109、110のうち、高周波電気信号の強度が中位である相互作用領域109の長手方向の中心201は、光と高周波電気信号の相互作用領域全体についての長手方向の中心200よりも高周波電気信号の入力側に向かって位置的にずれる。そのずれ量をΔzとすると、Δz=L/20となる。
本実施形態を実際に試作し、αパラメータを測定した結果を図3に示す。なお、比較のために、図3には図15に示した第4の従来技術と第5の従来技術の測定結果も示している。本発明では従来技術と同じく、DC付近ではαパラメータがゼロとなっている。さらに従来技術と比較してαパラメータの周波数依存性を極めて小さくできることがわかる。これは、本発明では高周波電気信号が中心導体19a、接地導体19b、19cからなる進行波電極を伝搬するに従ってその強度が指数関数的に減衰することを考慮できていることが主な要因と言うことができる。
第5の従来技術のようにΔz=0とすることは、高周波電気信号の伝搬損失が伝搬距離に対して線形に減衰すると仮定し、かつ光と高周波電気信号の等価屈折率の不整合もαパラメータに線形に影響すると仮定することと等価である。しかしながら、これまで述べてきたように高周波電気信号の伝搬損失は伝搬距離に対して線形に減衰する、また非特許文1において議論されているように光と高周波電気信号の等価屈折率の不整合もαパラメータに線形ではなく、複雑な関数として影響を及ぼす。
このように本発明では同じ分極を有する少なくとも2つの相互作用領域の長さを異ならしめることにより、上記に述べた高周波電気信号が指数関数的に減衰することと光と高周波電気信号の等価屈折率の差がαパラメータに線形よりは複雑な関数として影響することを考慮して設計することができるので、DCから広い周波数領域にわたってαパラメータの絶対値の増大を抑圧することが可能となる。
さらに興味深いことはこの第1の実施形態の構造パラメータの場合、ゼロから始まったαパラメータは周波数が高くなるとともに負になり、さらに周波数が高くなるとその符号が負から正に変わっている。このようにαパラメータの符号を周波数とともに負から正へ、あるいは逆に正から負へ入れ替えることにより、平均的にαパラメータをゼロに近くすることができる。その結果、一層のチャーピング抑圧効果を実現でき、DCから高周波までチャーピングを著しく抑圧できるという利点を有している。
さらに、図4には本実施形態を変形した構成として進行波電極を伝搬する高周波電気信号の強度が強い相互作用領域108の長さL1をL/6とした場合のαパラメータを示す。この変形実施例の場合には、αパラメータの符号は変化することはないが、Δz≠0とすることにより第4の従来技術や第5の従来技術と比較して広い周波数領域にわたって絶対値が小さなαパラメータを実現できている。
なお、第1の実施形態とその変形実施形態を含め、本発明の全ての実施形態において分極を反転していない領域と分極を反転した領域とを入れ替えても良い。つまり、図1において相互作用領域108と110については分極を反転した領域とし、相互作用領域109については分極を反転していない領域としても同じ議論が成り立つことはいうまでもない。
また、相互作用領域108の長さL1と110の長さL3ついては、上記の実施形態以外の値をとることも可能である。
本発明においては、第1、第2の光導波路に対向するとともに基板における互いに異なる分極の種類を有する相互作用領域の中心導体について、同種の分極を有する少なくとも2つの相互作用領域の長さを異ならしめている。この第1の実施形態においては、光変調器全体としての相互作用領域を第1の相互作用領域、第2の相互作用領域、及び第3の相互作用領域と3分割するとともに、第1の相互作用領域と第3の相互作用領域に分極を反転しない領域(分極非反転領域、つまり−z面領域)を割り当て、第2の相互作用領域に分極を反転した領域(分極反転領域、つまり+z面領域)を割り当てている。前述のように第1の相互作用領域の長さと第3の相互作用領域の長さを異ならしめている。そして、第1の相互作用領域の長さと第3の相互作用領域の長さの総和と第2の相互作用領域の長さとを等しくすることにより、DC付近でのαパラメータをゼロとできる。
さらに、第1の相互作用領域の長さと第3の相互作用領域の長さを異ならしめているので、高周波電気信号の伝搬損失や高周波電気信号と光の等価屈折率の差がαパラメータに与える影響を小さくでき、その結果光信号パルスのαパラメータについて広い周波数領域において極めて小さくすることが可能となる。さらには、αパラメータの符号を負から正へ(あるいは正から負へ)変えることができるので、広い周波数範囲にわたってαパラメータが実質的に極めて小さくなる。従って、光変調器に高速電気信号を印加した場合に光導波路から出射される光信号パルスに発生するチャーピングの大きさを極力抑制することができるという利点がある。
さらに、本発明ではΔz≠0であることが重要であり、Δz>0(図1に示す左向きを正方向とする場合)に限らない。つまり、図3と図4の特性は光と高周波電気信号の等価屈折率とが等しい、いわゆる速度整合の場合の試作結果について示したが、構造パラメータの設定によっては高周波電気信号の等価屈折率も影響を持ってくるので、Δz<0ともできると考えられる。つまり、光と高周波電気信号の相互作用領域において図1のように隣り合って分極が異なる領域が3つ以上あり、かつΔz≠0である限りは本発明に属するということができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態として、光と高周波電気信号の相互作用領域において隣り合って分極の異なる領域が5つある実施形態について考える。その模式的な上面図を図5に示す。21aは進行波電極の中心導体、21b、21cは進行波電極の接地導体である。22a、22c、22eは分極を反転していない領域(−z面領域)、22b、22dは分極を反転した領域(+z面領域)である。
111は光と高周波電気信号の全体としての相互作用領域であり、その長さは全体としての相互作用領域の始点304とその終点305の間の距離L´である。分極を反転していない領域の相互作用領域112と114、及び116の長さを各々L112、L114、及びL116とする。また、分極を反転した領域の相互作用領域113と115の長さを各々L113とL115とする。それぞれの関係は、
L´ = L112+L113+L114+L115+L116
112 ≠ L116
112+L114+L116 = L113+L115 = L´/2
となっている。
ここで、202は全体としての相互作用領域111の長手方向の中心であり、全体としての相互作用領域111の始点304からL´/2の位置にある。一方、中央付近に配置した相互作用領域114の長手方向の中点を203とする。図5の中のΔzは中点202から中点203へ測った距離である。
例えば、進行波電極の中心導体21aの幅と接地導体21b、21cとのギャップを本明細書で述べた従来技術と同じにした場合は、第1の実施形態と同じく高周波電気信号の強度が強い相互作用領域112の長さL112を高周波電気信号の強度が弱い相互作用領域116の長さL116よりも短くすることにより、光信号のαパラメータを第5の従来技術よりも小さくすることができる。なお、相互作用領域114の長さL114は相互作用領域116の長さL116と等しくても良いし、あるいは異なっていても良い。逆に相互作用領域114の長さL114は相互作用領域112の長さL112と等しくても良いし、あるいは異なっていても良い。
いずれにしても、本発明では高周波電気信号の伝搬損失は伝搬距離を変数として線形関数ではなく指数関数的に減衰することと、光と高周波電気信号の等価屈折率の差もαパラメータには線形関数よりも複雑な関数として影響を及ぼすことを考慮し、全体としての相互作用領域の中点と、全体としての相互作用領域の中間近傍にある領域(分極が反転されていない領域、もしくは分極が反転した領域のどちらか)の中点とが一致しないように(Δz≠0)、各相互作用領域の長さを決定する。あるいは、本実施形態では、同一分極を有する相互作用領域である分極を反転しない相互作用領域112、114、及び116の長さL112、L114、及びL116の少なくとも2つを異ならしめる、さらには同一分極を有する相互作用領域である分極を反転した相互作用領域113と115の長さL113とL115を異ならしめても良い。簡単には、本発明では同一分極を有する少なくとも2つの相互作用領域の長さを異ならしめることによりΔz≠0としていると言える。
なお、図5は隣り合う分極が異なる相互作用領域の数が5であったが、これよりも大きな数であっても本発明を適用できることは言うまでもない。
さらに、第1の実施形態と同じく、構造パラメータによってはΔz<0とすると良い場合もある。つまり、本実施形態においてもΔz≠0とすることにより、光信号のαパラメータを小さくし、チャーピングを抑圧することが可能となる。
なお、第1の実施形態において本発明の全ての実施形態について言及したように、本実施形態を含め、本発明の全ての実施形態において分極反転をしていない領域(−z領域)と分極反転をした領域(+z領域)とを入れ替えても良いことは言うまでもない。
(第3の実施形態)
図6は本発明の第3の実施形態の概略上面図である。23aは石英光導波路を形成したSi基板、23bは分極を反転していない領域、23cは分極を反転した領域、23dは分極を反転していない領域、23dは石英光導波路を形成したSi基板である。24は入力用石英光導波路、25a、25bは相互作用光導波路、27は出力用石英光導波路、26aは進行波電極の中心導体、26bと26cは進行波電極の接地導体である。
つまり本実施形態では光導波路の分岐・合波部を含めて光の入力と出力を石英光導波路で構成し、相互作用部を形成した基板と光結合させるハイブリッド構造としている。なお、石英光導波路系の代わりに例えばポリマー光導波路のような他の光導波路系を用いても良いことは言うまでもない。
(各種実施形態)
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。上記において説明した実施形態では全体の相互作用部の中心には分極を反転しない相互作用領域、もしくは分極を反転した相互作用領域のどちらかとなっていたが、当該中心がこれらの境界となる場合も本願に含められる。
さらに、相互作用領域の両端は共に分極反転しない領域、もしくは分極反転した領域を有する実施形態について説明してきたが、このことは主に相互作用領域の分割数が奇数の場合について言うことができる。そして、相互作用領域の分割数が偶数の場合、例えば相互作用領域の分割数が6の場合を例にとると、光の入射側から出射側に向かって、−z面領域→+z面領域→−z面領域→+z面領域→−z面領域→+z面領域となるように、相互作用領域の両端の分極が互いに異なる場合もあり得る。
また、電極構成としてはCPW電極を用いた構成について説明したが、非対称コプレーナストリップ(ACPS)あるいは対称コプレーナストリップ(CPS)など、その他の構成でも良い。なお、分極は基板の表面のみについて反転してもよいし、分極を反転した領域は基板の長手方向の端まで反転させなくても良い。また、マッハツェンダ構造としては、単一のマッハツェンダを複数有して構成したネスト型の構成であっても良いし、RF電極とDCバイアス電極を別体としたバイアス分離型の変調器でも良い。
さらに、従来使用されている進行波電極を厚くする、あるいはバッファ層を厚くするなど高周波電気信号と光の速度差を小さくする手法はそのまま本発明にも適用可能である。また高周波電気信号の出力側を40Ωや50Ωなどの終端器で終端し、高周波信号の出力側は入力側と同じ側の基板側面に設けても良いことは言うまでもない。
1:z−カットLN基板
1a、15a、15c、18a、18c、20a、20c、22a、22c、22e、23b、23d:分極を反転しない領域
1b、15b、18b、20b、22b、22d、23c:分極を反転する領域、
2:SiO2バッファ層
3、9、13、16:マッハツェンダ光導波路
4:進行波電極
4a、6a、6b、10、10a、10b、14a、17a、19a、21a、26a:中心導体
4b、4c、7a、7b、7c、11a、11b、11c、14b、14c、17b、17c、19b、19c、21b、21c、26b、26c:接地導体
3a、3b、9a、9b、13a、13b、16a、16b:マッハツェンダ光導波路を構成する光導波路
5、8、12:電気力線
23a、23d:石英光導波路を形成したSi基板
24:入力用石英光導波路
27:出力用石英光導波路
100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116:相互作用領域
200:相互作用領域100、105の長手方向の中心
201:相互作用領域109の長手方向の中心
202:相互作用領域111の長手方向の中心
203:相互作用領域114の長手方向の中心
300:相互作用領域107(108)の長手方向の始点
301:相互作用領域107(110)の長手方向の終点
302:相互作用領域108の長手方向の中点
303:相互作用領域110の長手方向の中点
304:相互作用領域111(112)の長手方向の始点
305:相互作用領域116(116)の長手方向の終点

Claims (10)

  1. 電気光学効果を有する材料からなるとともに、分極を反転しない領域と分極を反転した領域との2種類の領域で形成された基板と、
    前記基板の一面側に形成され、入射された光が分岐されて伝搬する第1の光導波路と第2の光導波路と、
    前記各光導波路を伝搬する光と相互作用する高周波電気信号を伝搬させる中心導体及び接地導体からなる相互作用部とを具備し、
    前記基板には、前記各光導波路を伝搬する光の伝搬方向に沿って前記分極を反転しない領域と前記分極を反転した領域の互いに異なる方向に分極した領域が少なくとも3つ以上隣り合って形成され、
    前記中心導体は、前記相互作用部にて、前記分極を反転しない領域では前記第1の光導波路と前記第2の光導波路のうちの一方の光導波路に対向して形成され、前記分極を反転した領域では前記第1の光導波路と前記第2の光導波路のうちの他方の光導波路に対向して形成されており、
    前記分極を反転しない領域にて前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の総長さと、前記分極を反転した領域にて前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の総長さとが略等しく形成され、
    前記相互作用部の両端における領域が、共に分極を反転しない領域、または共に分極を反転した領域で形成されており、
    前記光変調器の前記相互作用部の長手方向を分割する向きの中心線が、当該中心線が位置する領域である前記分極反転しない領域もしくは前記分極反転した領域の中心線と位置的にずれるように、前記相互作用部の両端の領域における前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の長さが互いに異なっていることを特徴とする光変調器。
  2. 電気光学効果を有する材料からなるとともに、分極を反転しない領域と分極を反転した領域との2種類の領域で形成された基板と、
    前記基板の一面側に形成され、入射された光が分岐されて伝搬する第1の光導波路と第2の光導波路と、
    前記各光導波路を伝搬する光と相互作用する高周波電気信号を伝搬させる中心導体及び接地導体からなる相互作用部とを具備し、
    前記基板には、前記各光導波路を伝搬する光の伝搬方向に沿って前記分極を反転しない領域と前記分極を反転した領域の互いに異なる方向に分極した領域が少なくとも3つ以上隣り合って形成され、
    前記中心導体は、前記相互作用部にて、前記分極を反転しない領域では前記第1の光導波路と前記第2の光導波路のうちの一方の光導波路に対向して形成され、前記分極を反転した領域では前記第1の光導波路と前記第2の光導波路のうちの他方の光導波路に対向して形成されており、
    前記分極を反転しない領域にて前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の総長さと、前記分極を反転した領域にて前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の総長さとが略等しく形成され、
    前記相互作用部の両端における領域に互いに異なる分極が形成され、
    前記光変調器の前記相互作用部の長手方向を分割する向きの中心線が、当該中心線が位置する領域である前記分極反転しない領域もしくは前記分極反転した領域の中心線と位置的にずれるように、前記相互作用部の両端の領域における前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の長さが互いに異なっていることを特徴とする光変調器。
  3. 電気光学効果を有する材料からなるとともに、分極を反転しない領域と分極を反転した領域との2種類の領域で形成された基板と、
    前記基板の一面側に形成され、入射された光が分岐されて伝搬する第1の光導波路と第2の光導波路と、
    前記各光導波路を伝搬する光と相互作用する高周波電気信号を伝搬させる中心導体及び接地導体からなる相互作用部とを具備し、
    前記基板には、前記各光導波路を伝搬する光の伝搬方向に沿って前記分極を反転しない領域と前記分極を反転した領域の互いに異なる方向に分極した領域が少なくとも3つ以上隣り合って形成され、
    前記中心導体は、前記相互作用部にて、前記分極を反転しない領域では前記第1の光導波路と前記第2の光導波路のうちの一方の光導波路に対向して形成され、前記分極を反転した領域では前記第1の光導波路と前記第2の光導波路のうちの他方の光導波路に対向して形成されており、
    前記分極を反転しない領域にて前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の総長さと、前記分極を反転した領域にて前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の総長さとが等しく形成され、
    前記相互作用部の両端における領域が、共に分極を反転しない領域、または共に分極を反転した領域で形成されており、
    前記光変調器の前記相互作用部の長手方向を分割する向きの中心線が、前記分極を反転しない領域と前記分極を反転した領域の境界上に位置しており、前記相互作用部の両端の領域における前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の長さが互いに異なっていることを特徴とする光変調器。
  4. 電気光学効果を有する材料からなるとともに、分極を反転しない領域と分極を反転した領域との2種類の領域で形成された基板と、
    前記基板の一面側に形成され、入射された光が分岐されて伝搬する第1の光導波路と第2の光導波路と、
    前記各光導波路を伝搬する光と相互作用する高周波電気信号を伝搬させる中心導体及び接地導体からなる相互作用部とを具備し、
    前記基板には、前記各光導波路を伝搬する光の伝搬方向に沿って前記分極を反転しない領域と前記分極を反転した領域の互いに異なる方向に分極した領域が少なくとも3つ以上隣り合って形成され、
    前記中心導体は、前記相互作用部にて、前記分極を反転しない領域では前記第1の光導波路と前記第2の光導波路のうちの一方の光導波路に対向して形成され、前記分極を反転した領域では前記第1の光導波路と前記第2の光導波路のうちの他方の光導波路に対向して形成されており、
    前記分極を反転しない領域にて前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の総長さと、前記分極を反転した領域にて前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の総長さとが等しく形成され、
    前記相互作用部の両端における領域に互いに異なる分極が形成され、
    前記光変調器の前記相互作用部の長手方向を分割する向きの中心線が、前記分極を反転しない領域と前記分極を反転した領域の境界上に位置しており、前記相互作用部の両端の領域における前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の長さが互いに異なっていることを特徴とする光変調器。
  5. 前記相互作用部の両端の領域のうち、前記光の伝搬方向の上流側の領域の前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の長さが、下流側の領域の前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の長さよりも短いことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の光変調器。
  6. 前記相互作用部の両端の領域のうち、前記光の伝搬方向の上流側の領域の前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の長さが、下流側の領域の前記光導波路に対向して形成された前記中心導体の長さよりも長いことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の光変調器。
  7. 前記入射された光を分岐、あるいは合波する機能が電気光学効果を有する前記基板に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の光変調器。
  8. 前記入射された光を分岐、あるいは合波する機能が前記基板とは異なる別体の基板に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の光変調器。
  9. αパラメータがDC近傍で略ゼロであり、前記高周波電気信号の周波数が増加してもその絶対値の増加を抑えることができることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の光変調器。
  10. 前記αパラメータがDC近傍でゼロであり、前記高周波電気信号の周波数が増加した場合に符号が正から負、もしくは負から正に入れ替わることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の光変調器。

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