JP2015059256A - アルミニウム合金クラッド材 - Google Patents

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泰永 伊藤
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【目的】薄肉化されたクラッド材において有効な防食効果を発揮するアルミニウム合金クラッド材を提供する。特に自動車熱交換器用として好適に使用できる。
【構成】アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる心材の片面または両面に、Sn:0.01〜0.3%(質量%、以下同じ)を含有し、残部アルミニウムおよび不可避的不純物からなる犠牲陽極層を設け、該犠牲陽極層を介して、Si:0.6%以下、Fe:0.4%以下、Cu:0.5%以下を含有し、残部アルミニウムおよび不可避的不純物からなる孔食抑制層を最表層として設けてなることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルミニウム合金クラッド材、特に自動車熱交換器用として好適なアルミニウム合金クラッド材に関する。
ろう付により製造されるアルミニウム合金製自動車熱交換器の防食対策としては、部材として用いられるアルミニウム合金クラッド材の防食したい側にZnを含有する犠牲陽極層を配し、ろう付加熱時にZnが拡散してZnの濃度勾配が形成し、その結果、アルミニウム合金クラッド材の表面から心材に向けて表面が卑となる電位勾配が形成され、腐食を層状に進展させることによって腐食による貫通寿命を延ばす工夫がなされてきた。
また、ブレージングシートにおける心材部分を、電位が貴な層と電位が卑な層とを一対として貴層と卑層を合計で二対以上有する積層構造としたブレージングシートが提案されているが、多層を積層するブレージングシートは製造が難しいことに加え、貴層と卑層の電位差が小さい場合には、卑層の効果が不十分となるという難点がある。
近年、クラッド材の薄肉化が求められており、それに伴って薄い犠牲陽極層が要求されるが、亜鉛の拡散層厚さはろう付け加熱のヒートパターンに依存し、良好なろう付け性を確保するためには、約600℃で3分間程度は保持する必要があるため、ろう付け加熱後はろう付け加熱のヒートパターンに応じた拡散層厚さと犠牲陽極材の亜鉛濃度低下が避けられず、十分な犠牲陽極効果を得ることが難しくなってきている。ろう付け加熱における昇温を急速化することにより亜鉛の拡散を抑制することができ、亜鉛拡散層の厚さを薄くするとともに、表面と心材との電位差を確保することができるが、さらなる薄肉化が求められても、全板厚に対する亜鉛拡散層の厚さが相対的に大きくなってしまい、ろう付け加熱のヒートパターンに応じた拡散層の厚さより薄くすることは困難であった。
特開平9−310138号公報
本発明は、このような状況を鑑みなされたものであり、その目的は、薄肉化されたアルミニウム合金クラッド材の防食手法として、腐食(孔食)の発生を遅らせあるいは発生頻度を下げるために、材料中の微小領域での電位差の発生(マイクロセルの形成)を極力少なくする特定組成のアルミニウム合金からなる孔食抑制層を設けるとともに、腐食を層状に進行させ、孔食の進行速度を遅くして貫通寿命を長くするために、Sn含有アルミニウム合金の犠牲陽極層を設け、これらの層を併用することにより、薄肉化されたクラッド材において有効な防食効果を発揮する、特に自動車熱交換器用として好適なアルミニウム合金クラッド材を提供することにある。
上記の目的を達成するための請求項1によるアルミニウム合金クラッド材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる心材の片面または両面に、Sn:0.01〜0.3%を含有し、残部アルミニウムおよび不可避的不純物からなる犠牲陽極層を設け、該犠牲陽極層を介して、Si:0.6%以下(0%を含まず、以下同じ)、Fe:0.4%以下(0%を含まず、以下同じ)、Cu:0.5%以下(0%を含まず、以下同じ)を含有し、残部アルミニウムおよび不可避的不純物からなる孔食抑制層を最表層として設けてなることを特徴とする。なお、説明において、合金成分はいずれも質量%として示す。
請求項2によるアルミニウム合金クラッド材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる心材の片面あるいは両面に、Si:0.6%以下、Fe:0.4%以下、Cu:0.5%以下を含有し、残部アルミニウムおよび不可避的不純物からなる孔食抑制層を設け、該孔食抑制層を介して、Sn:0.01〜0.3%を含有し、残部アルミニウムおよび不可避的不純物からなる犠牲陽極層を最表層として設けてなることを特徴とする。
請求項3によるアルミニウム合金クラッド材は、請求項1または2において、前記孔食抑制層が、さらにMn:1.4%以下(0%を含まず、以下同じ)、Mg:0.6%以下(0%を含まず、以下同じ)、Cr:0.3%以下(0%を含まず、以下同じ)、Ti:0.3%以下(0%を含まず、以下同じ)、Zr:0.3%以下(0%を含まず、以下同じ)のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする。
請求項4によるアルミニウム合金クラッド材は、請求項1または3において、前記心材の片面あるいは両面に、前記犠牲陽極層と前記孔食抑制層を交互に複層配することを特徴とする。
請求項5によるアルミニウム合金クラッド材は、請求項2または3において、前記心材の片面あるいは両面に、前記孔食抑制層と前記犠牲陽極層を交互に複層配することを特徴とする。
請求項6によるアルミニウム合金クラッド材は、請求項1〜5のいずれかにおいて、前記犠牲陽極層の厚さが10μm以下であることを特徴とする。
請求項7によるアルミニウム合金クラッド材は、請求項1、3、4、6のいずれかにおいて、前記最表層として設けられた孔食抑制層およびその下部に配される犠牲陽極層の少なくともいずれか一方に、Zn:0.8〜6%、In:0.005〜0.08%のうちの1種または2種を含有することを特徴とする。
請求項8によるアルミニウム合金クラッド材は、請求項2、3、5、6のいずれかにおいて、前記最表層として設けられた犠牲陽極層およびその下部に配される孔食抑制層の少なくともいずれか一方に、Zn:0.8〜6%、In:0.005〜0.08%のうちの1種または2種を含有することを特徴とする。
本発明によれば、孔食の発生を遅らせあるいは発生頻度を下げる特定組成のアルミニウム合金からなる孔食抑制層を設けるとともに、腐食を層状に進行させ、孔食の進行速度を遅くして貫通寿命を長くするSn含有アルミニウム合金の犠牲陽極層を設け、これらの層を併用することにより、薄肉化されたクラッド材において有効な防食効果を発揮するアルミニウム合金クラッド材が提供される。
実施例で用いる腐食試験片を示す図である。
腐食による貫通寿命を長くするためのポイントは以下のとおりである。
(1)腐食(孔食)の発生を遅らせるあるいは発生を少なくする。
(2)腐食(孔食)の進行速度を遅くする。
(3)腐食が材料の厚さ方向に進展しないようにする(層状腐食)。
従来のZn拡散による防食設計は、(3)の層状腐食によって貫通寿命の延命を図るものである。具体的には、Znを添加した犠牲腐食層から心材の方向にZnを拡散させ、表層部が卑となる電位勾配を形成することにより層状腐食を実現しているが、材料が薄肉化され、犠牲腐食層が薄くなるほど、このような防食手法が困難になるという欠点を有している。
本発明においては、まず(1)、(2)を強化するため孔食抑制層を設け、孔食の発生を遅らせあるいは発生頻度を下げる。そのためには、材料中の微小領域での電位差の発生(マイクロセルの形成)を極力少なくすることが必要であり、具体的には不純物を制限した純アルミニウムか、それに相当するマイクロセルを形成し難いアルミニウム合金が有効であり、より具体的には、Si:0.6%以下、Fe:0.4%以下、Cu:0.5%以下を含有し、残部アルミニウムおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金を適用するのが効果的である(請求項1、2)。
孔食抑制層中のSi、Fe、Cuがそれぞれ上限を超えると、孔食が生じ易くなる。より好ましくは、Si:0.05〜0.6%、Fe:0.1〜0.4%、Cu:0.05〜0.5%を含有し、残部アルミニウムおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金を適用する。
孔食抑制層には、強度向上のために、さらにMn:1.4%以下、Mg:0.6%以下、Cr:0.3%以下、Ti:0.3%以下、Zr:0.3%以下のうちの1種または2種以上を含有させることができる(請求項3)。各元素が上限を超えて含有した場合は、粗大な金属間化合物が生成し易くなり、薄いクラッド材の製造が困難となる。
貫通寿命を長くするためには、孔食抑制層を設けるだけでは十分でない。その第一の理由は、例えば自動車熱交換器においては外部から様々な物質が混入し、熱交換器の表面に付着して腐食を発生させたり、内部に侵入して内面側から腐食を発生させることもある。そのため、発生した腐食を層状に進行させる機能が不可欠となる。この層状腐食機能を付加するため、発明者らはSnに注目した。Snはアルミニウム中に少量添加すると電位を著しく低下させる元素であり、さらにはアルミニウム中では非常に拡散し難い元素でもある。
拡散速度は拡散係数Dによって表現され、拡散係数は1)式で求められる。
D=D・exp(−Q/RT)・・・・1)
ここで、D(m/s):拡散係数
(m/s):振動数項
Q(kJ/mol):活性化エネルギー
R(J/mol・K):状態定数
T(K):絶対温度
1)式より、振動数項Dが小さいほど、Qが大きいほど拡散係数が小さくなって拡散し難くなるのであるが、金属データブック(日本金属学会編,改定2版)によれば、アルミニウム中におけるZnの振動数項は1.77×10−5/s、活性化エネルギーは117kJ/molであるのに対して、アルミニウム中におけるSnの振動数項は3.1×10−11/s、活性化エネルギーは84.5kJ/molであり、Znに比べて振動数項が著しく小さい。このため、アルミニウム中におけるSnはろう付加熱の温度領域(最高で605℃程度)において殆ど拡散しない。
一方、Snをアルミニウムに添加すると、添加量が微量でもアルミニウムの電位を低下させる。このため、Snを添加した層は優先的に腐食が進行し、その結果としてSn添加層内に留まる理想的な形態で層状腐食を進行させる。Sn添加層を犠牲陽極層として配することにより、薄い犠牲腐食層であっても、また、ろう付の加熱速度が緩慢であっても、優先的に層状腐食を進行させることが可能となる。層状腐食を実現するSnの添加量としては0.01%以上が必要であり、添加量が0.3%を超えると腐食速度が速くなって好ましくない(請求項1、2)。
本発明において、マイクロセルの生成を抑えた孔食抑制層とSn添加によって層状腐食を実現する犠牲陽極層はそれぞれ必須の役割を持ち、且つ互いに接して配することで、より効果を発揮することができる。接して配された孔食抑制層と犠牲陽極層は、孔食抑制層が最表層に位置した場合でも(請求項1)、犠牲陽極層が最表層に位置した場合でも(請求項2)、共に効果を発揮し、交互に各々二層以上配することにより(請求項4、5)、さらに貫通寿命を延ばすことができる。
Snは微量添加によって添加層の電位を下げ、ろう付加熱中に拡散しないため、犠牲陽極層は10μm以下(請求項6)、さらには5μm以下の薄さでも層状腐食を実現することができる。この特性は、特に薄肉のクラッド材において顕著な効果を付与することができる。
本発明のクラッド材を他の部材とろう付接合するために、クラッド材の最表層に公知のAl−Si系ろう材やAl−Si−Mg系ろう材を配することもできる。また、特に、本発明のクラッド材を熱交換器のチューブとして用いる場合、チューブの電位とフィンの電位との関係により、フィンが早期に腐食して脱落し、熱交換性能が損なわれる不具合が生ずることがある。そこで、チューブ側の電位を下げるために、最表層に配される孔食抑制層または犠牲陽極層にZn:0.8〜6%、In:0.005〜0.08%のうちの少なくとも一種を添加して電位調整する方策が有効である(請求項7、8)。
ZnやInはろう付加熱時に心材に向けて拡散し、チューブの最表面の電位が最も低くなるように電位勾配を形成する。そのため特に腐食進行の初期段階におけるフィンの腐食を抑制することができる。なお、ZnやInによって電位勾配が形成されても、Sn添加層(犠牲陽極層)の層状腐食機能が失われることはなく、ZnやInはアルミニウム中でマイクロセルを形成し難いため、孔食抑制層の機能を害することもない。
最表層がSnを添加した犠牲陽極層の場合は、ZnやInを第二層の孔食抑制層に添加してもよいが、最表層の犠牲陽極層にZnを添加した場合も、ろう付加熱時にZnは板厚方向に拡散するため、最表層が腐食して消失した後も電位調整として寄与する。同様に、ZnやInを最表層と第二層の両方に添加してもよい。但し、ZnやInの添加量が多すぎると腐食速度が速くなるため、ZnおよびIn添加量は、それぞれ6%以下および0.08%以下に制限することが望ましい。また、電位調整の目的でのZnおよびInの添加量は、それぞれ0.8%以上および0.005%以上が必要である。
以下、本発明の実施例について説明し、その効果を実証する。これらの実施例は、本発明の一実施態様を示すものであり、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
心材の片面に孔食抑制層と犠牲陽極層を、孔食抑制層を最表層としてクラッドした厚さ0.1〜0.2mmのブレージングシート(試験材1〜4、9〜14)、心材の片面に孔食抑制層と犠牲陽極層を、犠牲陽極層を最表層としてクラッドした厚さ0.2mmのブレージングシート(試験材5)、最表層の犠牲陽極層にさらにろう材をクラッドした厚さ0.2mmのブレージングシート(試験材8)、心材の片面に孔食抑制層と犠牲陽極層を交互に複層配した厚さ0.1〜0.2mmのブレージングシート(試験材6〜7)を常法に従って作製した。心材、犠牲陽極層、孔食抑制層およびろう材の合金組成と各層の厚さを表1に示す。
腐食試験片作製用として、Al−1.2%Mn−1.2%Znを心材とし、その両面にAl−10%Siろう材をクラッド率10%で配した厚さ0.07mmの両面ブレージングシートと、同じ仕様でAl−1.2%Mn−2.5%Znを心材とした二種類の両面ブレージングシートを作製し、フィン成形した。
図1に示すように、上記のフィン成形したブレージングシートを、心材側を下にした本発明に従う前記試験材1〜14の上に設置したものを腐食試験片として、3g/mのフッ化物系フラックスを腐食試験片に塗布し、窒素ガス炉中で加熱してろう付接合した。試験片の温度が595℃に達したところで加熱を終了して冷却した。加熱速度は、表1に示すように、試験材の仕様に応じて変更し、450〜595℃の昇温時間を120秒、240秒、480秒の三水準とした。
ろう付後の腐食試験片の下面(心材面)全体をシリコンでマスキングし、CASS試験を実施して貫通寿命を評価した。腐食試験結果を表1に示す。5%NaCl溶液中で測定したろう付け後の自然電極電位も併せて表1に示す。腐食試験結果は、腐食試験において貫通寿命が750時間以上で且つフィンが早期に腐食して脱落しないものを合格(○)とし、貫通寿命は750時間以上であるがフィンが早期に腐食して脱落したもの、犠牲陽極層に層状腐食が生じないため、あるいは孔食抑制層や犠牲陽極層の腐食速度が大きいために貫通寿命が750時間未満のものは、それぞれ△、×と評価し、不合格とした。
表1に示すように、本発明に従う試験材1〜14はいずれも、貫通寿命が750時間以上であり、腐食試験の途中で取り出した試験片の断面観察の結果では、犠牲陽極層(Sn含有)で層状腐食の進行が確認された。
Figure 2015059256
比較例1
心材の片面に孔食抑制層と犠牲陽極層を、孔食抑制層を最表層としてクラッドした厚さ0.1〜0.2mmのブレージングシート(試験材15〜23)を常法に従って作製した。心材、犠牲陽極層および孔食抑制層の合金組成と各層の厚さを表2に示す。
腐食試験片作製用として、Al−1.2%Mn−1.2%Znを心材とし、その両面にAl−10%Siろう材をクラッド率10%で配した厚さ0.07mmの両面ブレージングシートと、同じ仕様でAl−1.2%Mn−2.5%Znを心材とした二種類の両面ブレージングシートを作製し、フィン成形した。
実施例1と同様、上記のフィン成形したブレージングシートを、前記試験材15〜23の上に設置したものを腐食試験片(図1)として、3g/mのフッ化物系フラックスを腐食試験片に塗布し、窒素ガス炉中で加熱してろう付接合した。試験片の温度が595℃に達したところで加熱を終了して冷却した。加熱速度は、表2に示すように、試験材の仕様に応じて変更し、450〜595℃の昇温時間を120秒、240秒の二水準とした。
ろう付後の腐食試験片の下面(心材面)全体をシリコンでマスキングし、CASS試験を実施して貫通寿命を評価した。腐食試験結果を表2に示す。5%NaCl溶液中で測定したろう付け後の自然電極電位も併せて表2に示す。
Figure 2015059256
表2に示すように、試験材15は犠牲陽極層のSn量が少ないため犠牲陽極層に層状腐食が生じず、試験材16はSn量が多いため犠牲陽極層の腐食速度が速くなり、試験材17、試験材18、試験材19はそれぞれ孔食抑制層中のSi量、Fe量、Cu量が多いため、いずれも早期に孔食が生じ、貫通寿命が500時間と短かく不合格であった。
試験材20、試験材22はそれぞれ孔食抑制層中にZn、Inを含有し、それらの含有量が少ないため、貫通寿命は750時間以上であったがフィンが早期に腐食して脱落し不合格となった。試験材21は孔食抑制層中のZn量が多く、試験材23は孔食抑制層中のIn量が多く、いずれも孔食抑制層の腐食速度が速くなり、貫通寿命が500時間と短かく不合格であった。

Claims (8)

  1. アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる心材の片面または両面に、Sn:0.01〜0.3%(質量%、以下同じ)を含有し、残部アルミニウムおよび不可避的不純物からなる犠牲陽極層を設け、該犠牲陽極層を介して、Si:0.6%以下(0%を含まず、以下同じ)、Fe:0.4%以下(0%を含まず、以下同じ)、Cu:0.5%以下(0%を含まず、以下同じ)を含有し、残部アルミニウムおよび不可避的不純物からなる孔食抑制層を最表層として設けてなることを特徴とするアルミニウム合金クラッド材。
  2. アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる心材の片面あるいは両面に、Si:0.6%以下、Fe:0.4%以下、Cu:0.5%以下を含有し、残部アルミニウムおよび不可避的不純物からなる孔食抑制層を設け、該孔食抑制層を介して、Sn:0.01〜0.3%を含有し、残部アルミニウムおよび不可避的不純物からなる犠牲陽極層を最表層として設けてなることを特徴とするアルミニウム合金クラッド材。
  3. 前記孔食抑制層が、さらにMn:1.4%以下(0%を含まず)、Mg:0.6%以下(0%を含まず)、Cr:0.3%以下(0%を含まず)、Ti:0.3%以下(0%を含まず)、Zr:0.3%以下(0%を含まず)のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2記載のアルミニウム合金クラッド材。
  4. 前記心材の片面あるいは両面に、前記犠牲陽極層と前記孔食抑制層を交互に複層配することを特徴とする請求項1または3記載のアルミニウム合金クラッド材。
  5. 前記心材の片面あるいは両面に、前記孔食抑制層と前記犠牲陽極層を交互に複層配することを特徴とする請求項2または3記載のアルミニウム合金クラッド材。
  6. 前記犠牲陽極層の厚さが10μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のアルミニウム合金クラッド材。
  7. 前記最表層として設けられた孔食抑制層およびその下部に配される犠牲陽極層の少なくともいずれか一方に、Zn:0.8〜6%、In:0.005〜0.08%のうちの1種または2種を含有することを特徴とする請求項1、3、4、6のいずれかに記載のアルミニウム合金クラッド材。
  8. 前記最表層として設けられた犠牲陽極層およびその下部に配される孔食抑制層の少なくともいずれか一方に、Zn:0.8〜6%、In:0.005〜0.08%のうちの1種または2種を含有することを特徴とする請求項2、3、5、6のいずれかに記載のアルミニウム合金クラッド材。
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