JP2015058503A - 表面被覆切削工具 - Google Patents
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Abstract
Description
また、特許文献2による(Al,Cr,M)N層系硬質被覆層によっても、過酷な切削条件下においては、硬質被覆層自体の溶着や欠損を十分に防止することができず、結果として十分な耐摩耗性を得ることができないという課題があった。
「(1) 炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメットで構成された工具基体の表面に硬質被覆層を形成してなる表面被覆切削工具において、
前記硬質被覆層が、0.5〜5μmの平均層厚を有し、かつ、
組成式:(Al1−a―b,Cra,Rub)N(ここで、aはAlとCrとRuの合量に占めるCrの含有割合を示し、原子比で、0.25≦a≦0.50である。bはAlとCrとRuの合量に占めるRuの含有割合で、原子比で0.001≦b≦0.1である。)を満足するAlとCrとRuの複合窒化物層から構成されていることを特徴とする表面被覆切削工具。
(2) 炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメットで構成された工具基体の表面に硬質被覆層を形成してなる表面被覆切削工具において、
前記硬質被覆層が、
(a)0.5〜5μmの平均層厚を有し、かつ、
組成式:(Al1−xTix)N(ここで、xはAlとTiの合量に占めるTiの含有割合を示し、原子比で、0.30≦x≦0.75である)を満足するAlとTiとの複合窒化物層からなる下部層と、
(b)0.5〜5μmの平均層厚を有し、かつ、
組成式:(Al1−a―b,Cra,Rub)N(ここで、aはAlとCrとRuの合量に占めるCrの含有割合を示し、原子比で、0.25≦a≦0.50である。bはAlとCrとRuの合量に占めるRuの含有割合で、原子比で0.001≦b≦0.1である。)を満足するAlとCrとRuの複合窒化物層からなる上部層とから構成されていることを特徴とする表面被覆切削工具。
(3) 炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメットで構成された工具基体の表面に硬質被覆層を形成してなる表面被覆切削工具において、
前記硬質被覆層が、
(a)0.01〜0.1μmの一層平均層厚を有し、かつ、
組成式:(Al1−xTix)N(ここで、xはAlとTiの合量に占めるTiの含有割合を示し、原子比で、0.30≦x≦0.75である)を満足するAlとTiとの複合窒化物層からなる(Al,Ti)N層、
(b)0.01〜0.1μmの一層平均層厚を有し、かつ、
組成式:(Al1−a―b,Cra,Rub)N(ここで、aはAlとCrとRuの合量に占めるCrの含有割合を示し、原子比で、0.25≦a≦0.50である。bはAlとCrとRuの合量に占めるRuの含有割合で、原子比で0.001≦b≦0.1である。)を満足するAlとCrとRuの複合窒化物層からなる(Al,Cr,Ru)N層、
前記(a)、(b)の交互積層からなり、1〜5μmの合計平均層厚を有することを特徴とする表面被覆切削工具。」
を特徴とするものである。
下部層または交互積層の一方の層を構成する(Al,Ti)N層の構成成分であるAl成分には硬質被覆層における高温硬さを向上させ、同Ti成分には高温強度を向上させる作用があるが、Tiの含有割合を示すx値がAlとの合量に占める割合(原子比、以下同じ)で0.30未満になると、所定の高温強度を確保することができず、これが耐摩耗性低下の原因となり、一方、Tiの含有割合を示すx値が同0.75を越えると、相対的にAlの含有割合が減少し、高速切削加工で必要とされる耐熱性を確保することができず、チッピングの発生を防止することが困難になることからx値を0.30〜0.75と定めた。
また、前記(3)に記載の発明における交互積層の一方の層を構成する(Al,Ti)N層の一層平均層厚が0.01μm未満では、自身の持つすぐれた耐摩耗性を長期に亘って発揮するには不十分であり、一方、その一層平均層厚が0.1μmを越えると、前記高速切削では、耐溶着性の不足が顕在化し、切刃部にチッピングが発生し易くなることから、その一層平均層厚を0.01〜0.1μmと定めた。
前記(1)に記載の発明における硬質被覆層および前記(2)に記載の発明における上部層ならびに前記(3)に記載の発明における交互積層の一方の層を構成する(Al,Cr,Ru)N層は、Alによって耐酸化性、耐熱性、Crによって高温硬さと耐溶着性を発揮するとともに、Ruを含有することにより所定の高硬度を維持したまま靱性の高い被膜となりすぐれた耐摩耗性と耐欠損性を発揮する。
しかしながら、Crの含有割合を示すa値がAlとCrとRuの合量に占める割合(原子比、以下同じ)で0.25未満になると、高温硬さと耐溶着性を確保することができず、一方、Crの含有割合を示すa値がAlとCrとRuの合量に占める割合で同0.50を越えると、相対的にAlの含有割合が減少し、難削材の高速切削加工で必要とされる耐熱性、耐酸化性を確保することができないばかりか、耐摩耗性も低下し、チッピング発生を防止することが困難になることから、a値を0.25〜0.50と定めた。
また、Ruの含有割合を示すb値がAlとCrとRuの合量に占める割合(原子比、以下同じ)で0.001未満になると、靭性を確保することができず、一方、Ruの含有割合を示すb値がAlとCrとRuの合量に占める割合で同0.1を越えると、コスト的に不経済になるばかりか、耐摩耗性も低下し、チッピング発生を防止することが困難になることから、b値を0.001〜0.1と定めた。
また、交互積層の一方の層を構成する(Al,Cr,Ru)N層の一層平均層厚が0.01μm未満では、自身の持つすぐれた耐摩耗性を長期に亘って発揮するには不十分であり、一方、その一層平均層厚が0.1μmを越えると、前記高速切削では、耐摩耗性の不足が顕在化し、切刃部にチッピングが発生し易くなることから、その一層平均層厚を0.01〜0.1μmと定めた。
前述の本発明の被覆工具の一態様を発展的に改良した、本発明の被覆工具の別の一態様によれば、(Al,Ti)N層からなる下部層と(Al,Cr,Ru)N層からなる上部層の2層構造の硬質被覆層は、すぐれた高温硬さ、耐熱性、高温強度、耐摩耗性、潤滑性、耐衝撃性を有することから、硬質被覆層は全体として、すぐれた高温硬さ、耐熱性、高温強度等に加え、すぐれた耐溶着性を備えたものとなり、その結果、特に、ステンレス鋼、チタン合金、炭素鋼などの難削材の大きな発熱を伴い、かつ、高負荷のかかる高速切削加工であっても、すぐれた純潔性、耐衝撃性を示し、長期に亘ってすぐれた耐チッピング性、耐摩耗性を発揮するものである。
さらに、前述の本発明の被覆工具の別の一態様を発展的に改良した、本発明の被覆工具の別の態様によれば、硬質被覆層を交互積層構造から構成し、片方の層を(Al,Ti)N層から構成すると、すぐれた高温硬さ、高温強度を有し、あるいは、さらにすぐれた耐摩耗性を有し、また、他方の層を構成する(Al,Cr,Ru)N層が、すぐれた高温硬さ、耐熱性、耐溶着性、耐欠損性を兼ね備えていることから、硬質被覆層は全体として、すぐれた高温硬さ、高温強度等に加え、すぐれた耐摩耗性を備えたものとなり、その結果、特に、チタン合金、耐熱合金、ステンレス鋼等の難削材の、大きな発熱を伴い、かつ、切刃への溶着性が著しい高速切削加工であっても、すぐれた耐チッピング性を示し、切刃の摩耗進行が抑制され、長期に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮するものである。
(b)まず、装置内を排気して0.1Pa以下の真空に保持しながら、ヒーターで装置内を500℃に加熱した後、前記回転テーブル上で自転しながら回転する工具基体に−1000Vの直流バイアス電圧を印加し、かつカソード電極とアノード電極との間に100Aの電流を流してアーク放電を発生させることによって工具基体表面をボンバード洗浄し、
(c)次に、装置内に反応ガスとして窒素ガスを導入して3Paの反応雰囲気とすると共に、前記回転テーブル上で自転しながら回転する工具基体に−70Vの直流バイアス電圧を印加し、かつカソード電極の前記Al−Ti合金電極とアノード電極との間に100Aの電流を流してアーク放電を発生させ、前記工具基体の表面に、表3に示される目標組成、目標層厚の下部層としての(Al,Ti)N層を0.5〜5μmの平均層厚で蒸着形成した後、前記カソード電極(蒸発源)とアノード電極との間のアーク放電を停止し、
(d)引き続いて装置内雰囲気を2Paの窒素雰囲気に保持したままで、カソード電極(蒸発源)であるAl−Cr−Ru合金電極とアノード電極との間に100Aの電流を流してアーク放電を発生させて、表3に示される目標組成、目標層厚の(Al,Cr,Ru)N層からなる上部層を蒸着形成し、
前記(a)〜(d)により硬質被覆層を蒸着形成し、本発明被覆工具としての表面被覆インサート(以下、本発明被覆インサートと云う)1〜16をそれぞれ製造した。
なお、本発明被覆インサート1〜8については、前記(c)の工程を行わず、硬質被覆層を(Al,Cr,Ru)N層のみからなる単層とした。
(a)工具基体A−1〜A−10およびB−1〜B−6を、アセトン中で超音波洗浄し、乾燥した状態で、それぞれ図2に示されるアークイオンプレーティング装置に装入し、カソード電極(蒸発源)として所定組成のAl−Ti合金とAl−Cr−Ru合金を装着し、
(b)まず、装置内を排気して0.1Pa以下の真空に保持しながら、ヒーターで装置内を500℃に加熱した後、前記工具基体に−1000Vの直流バイアス電圧を印加し、かつカソード電極Al−Ti合金とアノード電極との間に150Aの電流を流してアーク放電を発生させることによって工具基体表面を前記Al−Ti合金でボンバード洗浄し、
(c)次に、装置内に反応ガスとして窒素ガスを導入して2Paの反応雰囲気とすると共に、前記工具基体に印加するバイアス電圧を−90Vに下げて、カソード電極であるAl−Ti合金とアノード電極との間にアーク放電を発生させ、もって前記工具基体A−1〜A−10およびB−1〜B−6のそれぞれの表面に、表4に示される目標組成および目標層厚で構成された(Al,Ti)N層からなる下部層を蒸着形成した後、前記カソード電極(蒸発源)とアノード電極との間のアーク放電を停止し、
(d)引き続いて装置内雰囲気を2Paの窒素雰囲気に保持したままで、カソード電極(蒸発源)であるAl−Cr−Ru合金電極とアノード電極との間に120Aの電流を流してアーク放電を発生させて、表4に示される目標組成および目標層厚の(Al,Cr,Ru)N層からなる上部層で構成された比較硬質被覆層を蒸着形成することにより、比較被覆工具としての表面被覆インサート(以下、比較被覆インサートと云う)1〜8をそれぞれ製造した。
なお、比較被覆インサート1〜4については、前記(c)の工程を行わず、硬質被覆層を(Al,Cr,Ru)N層のみからなる単層とした。
被削材:JIS・SUS304(HB160)の丸棒、
切削速度: 180m/min.、
切り込み: 3mm、
送り: 0.25mm/rev.、
切削時間: 5分、
の条件(切削条件A)でのステンレス鋼の湿式連続高速切削加工試験(通常の切削速度および送りは、それぞれ、160m/min.、0.2mm/rev.)、
被削材:Ti−6Al−4V合金(HB240)の丸棒、
切削速度: 65m/min.、
切り込み: 2 mm、
送り: 0.18mm/rev.、
切削時間: 5分、
の条件(切削条件B)でのTi合金の湿式連続高速切削加工試験(通常の切削速度および送りは、それぞれ、40m/min.、0.2mm/rev.)、
被削材:JIS・S45C(HB200)の丸棒、
切削速度: 190m/min.、
切り込み: 2mm、
送り: 0.35mm/rev.、
切削時間: 5分、
の条件(切削条件C)での炭素鋼の湿式連続高速切削加工試験(通常の切削速度および送りは、それぞれ、160m/min.、0.25 mm/rev.)、
を行い、いずれの高速切削加工試験でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。この測定結果を表5、表6に示した。
被削材−平面寸法:100 mm×250 mm、厚さ:50 mmのJIS・SUS304(HB160)の板材、
切削速度: 170m/min.、
溝深さ(切り込み):15mm、
テーブル送り: 330mm/min.、
の条件(切削条件D)でのステンレス鋼の湿式高速溝切削加工試験(通常の切削速度およびテーブル送りは、それぞれ、110m/min.、300mm/min.)、
被削材−平面寸法:100mm×250 mm、厚さ:50mmのTi−6Al−4V合金(HB250)の板材、
切削速度: 65m/min.、
溝深さ(切り込み):15mm、
テーブル送り: 110mm/min.、
の条件(切削条件E)でのTi合金の湿式高速溝切削加工試験(通常の切削速度およびテーブル送りは、それぞれ、40m/min.、90mm/min.)、
被削材−平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのJIS・S45C(HB200)の板材、
切削速度: 240m/min.、
溝深さ(切り込み):15mm、
テーブル送り: 720mm/min.、
の条件(切削条件F)での炭素鋼の湿式高速溝切削加工試験(通常の切削速度およびテーブル送りは、それぞれ、200m/min.、600mm/min.)、
をそれぞれ行い、いずれの高速溝切削加工試験でも切刃部の外周刃の逃げ面摩耗幅が使用寿命の目安とされる0.1mmに至るまでの切削溝長を測定した。この測定結果を同じく表7、表8にそれぞれ示した。
被削材−平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのJIS・SUS304(HB160)の板材、
切削速度: 120m/min.、
送り: 0.3mm/rev.、
穴深さ: 5mm、
の条件(切削条件G)でのステンレス鋼の湿式高速穴あけ切削加工試験(通常の切削速度および送りは、それぞれ、95m/min.、0.2mm/rev.)、
被削材−平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのTi−6Al−4V合金(HB250)の板材、
切削速度: 55m/min.、
送り: 0.25mm/rev.、
穴深さ: 5mm、
の条件(切削条件H)でのTi合金の湿式高速穴あけ切削加工試験((通常の切削速度および送りは、それぞれ、40m/min.、0.2mm/rev.)、
被削材−平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのJIS・S45C(HB200)の板材、
切削速度: 160m/min.、
送り: 0.25mm/rev.、
穴深さ: 5mm、
の条件(切削条件I)での炭素鋼の湿式高速穴あけ切削加工試験(通常の切削速度および送りは、それぞれ、110m/min.、0.2mm/rev.)、
をそれぞれ行い、いずれの湿式高速穴あけ切削加工試験(水溶性切削油使用)でも先端切刃面の逃げ面摩耗幅が0.3mmに至るまでの穴あけ加工数を測定した。この測定結果を同じく表9、表10にそれぞれ示した。
(b)まず、装置内を排気して0.1Pa以下の真空に保持しながら、ヒーターで装置内を500℃に加熱した後、前記回転テーブル上で自転しながら回転する工具基体に−1000Vの直流バイアス電圧を印加し、かつカソード電極の前記Al−Ti合金とアノード電極との間に100Aの電流を流してアーク放電を発生させ、もって工具基体表面を前記Al−Ti合金によってボンバード洗浄し、
(c)次に、装置内に反応ガスとして窒素ガスを導入して3Paの反応雰囲気とすると共に、前記回転テーブル上で自転しながら回転する工具基体に−70Vの直流バイアス電圧を印加し、かつカソード電極の前記Al−Ti合金とアノード電極との間に100Aの電流を流してアーク放電を発生させ、前記工具基体の表面に、表11に示される目標組成、一層目標層厚のA層としての(Al,Ti)N層を蒸着形成した後、前記Al−Ti合金のカソード電極(蒸発源)とアノード電極との間のアーク放電を停止し、
(d)引き続いて装置内雰囲気を3Paの窒素雰囲気に保持したままで、カソード電極(蒸発源)であるAl−Cr−Ru合金電極とアノード電極との間に100Aの電流を流してアーク放電を発生させて、表11に示される目標組成、一層目標層厚のB層としての(Al,Cr,Ru)N層を蒸着形成し、
前記(c)、(d)の操作を、所定の合計平均層厚になるまで繰り返し行って硬質被覆層を蒸着形成し、本発明被覆工具としての本発明表面被覆インサート(以下、本発明被覆インサートと云う)17〜32をそれぞれ製造した。
被削材:JIS・SUS304(HB200)の丸棒、
切削速度: 150m/min.、
切り込み: 2.5mm、
送り: 0.2mm/rev.、
切削時間: 5分、
の条件(切削条件a)でのステンレス鋼の湿式連続高速切削加工試験(通常の切削速度および送りは、それぞれ、130m/min.、0.2 mm/rev.)、
被削材:Ti−6Al−4V合金(HB280)の丸棒、
切削速度: 55m/min.、
切り込み: 2.5mm、
送り: 0.25mm/rev.、
切削時間: 5分、
の条件(切削条件b)でのTi合金の湿式連続高速切削加工試験(通常の切削速度および送りは、それぞれ、35m/min.、0.2mm/rev.)、
被削材:JIS・S45C(HB240)の丸棒、
切削速度: 170m/min.、
切り込み: 2.5mm、
送り: 0.3 mm/rev.、
切削時間: 5分、
の条件(切削条件c)での炭素鋼の湿式連続高速切削加工試験(通常の切削速度および送りは、それぞれ、145m/min.、0.25mm/rev.)、
を行い、いずれの高速切削加工試験でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。この測定結果を表13、表14に示した。
被削材−平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのJIS・SUS304(HB200)の板材、
切削速度: 130m/min.、
溝深さ(切り込み): 15mm、
テーブル送り: 320mm/min.、
の条件(切削条件d)でのステンレス鋼の湿式高速溝切削加工試験(通常の切削速度およびテーブル送りは、それぞれ、90m/min.、300mm/min.)、
被削材−平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのTi−6Al−4V(HB290)の板材、
切削速度: 60m/min.、
溝深さ(切り込み): 15mm、
テーブル送り: 100mm/min.、
の条件(切削条件e)でのTi合金の湿式高速溝切削加工試験(通常の切削速度およびテーブル送りは、それぞれ、30m/min.、80mm/min.)、
被削材−平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのJIS・S45C(HB240)の板材、
切削速度: 225m/min.、
溝深さ(切り込み): 15mm、
テーブル送り: 600mm/min.、
の条件(切削条件f)での炭素鋼の湿式高速溝切削加工試験(通常の切削速度およびテーブル送りは、それぞれ、190m/min.、500mm/min.)、
をそれぞれ行い、いずれの高速溝切削加工試験でも切刃部の外周刃の逃げ面摩耗幅が使用寿命の目安とされる0.1mmに至るまでの切削溝長を測定した。この測定結果を同じく表15、表16にそれぞれ示した。
被削材−平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのJIS・SUS304(HB210)の板材、
切削速度: 120m/min.、
送り: 0.25mm/rev.、
穴深さ: 5mm、
の条件(切削条件g)でのステンレス鋼の湿式高速穴あけ切削加工試験(通常の切削速度および送りは、それぞれ、70m/min.、0.2mm/rev.)、
被削材−平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのTi−6Al−4V合金(HB290)の板材、
切削速度: 60m/min.、
送り: 0.25mm/rev.、
穴深さ: 5mm、
の条件(切削条件h)でのTi合金の湿式高速穴あけ切削加工試験(通常の切削速度および送りは、それぞれ、30m/min.、0.15mm/rev.)、
被削材−平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのJIS・S45C(HB240)の板材、
切削速度: 160m/min.、
送り: 0.25mm/rev.、
穴深さ: 5mm、
の条件(切削条件i)での炭素鋼の湿式高速穴あけ切削加工試験(通常の切削速度および送りは、それぞれ、100m/min.、0.2mm/rev.)、
をそれぞれ行い、いずれの湿式高速穴あけ切削加工試験(水溶性切削油使用)でも先端切刃面の逃げ面摩耗幅が0.3mmに至るまでの穴あけ加工数を測定した。この測定結果を同じく表17、表18にそれぞれ示した。
Claims (3)
- 炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメットで構成された工具基体の表面に硬質被覆層を形成してなる表面被覆切削工具において、
前記硬質被覆層が、0.5〜5μmの平均層厚を有し、かつ、
組成式:(Al1−a―b,Cra,Rub)N(ここで、aはAlとCrとRuの合量に占めるCrの含有割合を示し、原子比で、0.25≦a≦0.50である。bはAlとCrとRuの合量に占めるRuの含有割合で、原子比で0.001≦b≦0.1である。)を満足するAlとCrとRuの複合窒化物層から構成されていることを特徴とする表面被覆切削工具。 - 炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメットで構成された工具基体の表面に硬質被覆層を形成してなる表面被覆切削工具において、
前記硬質被覆層が、
(a)0.5〜5μmの平均層厚を有し、かつ、
組成式:(Al1−xTix)N(ここで、xはAlとTiの合量に占めるTiの含有割合を示し、原子比で、0.30≦x≦0.75である)を満足するAlとTiとの複合窒化物層からなる下部層と、
(b)0.5〜5μmの平均層厚を有し、かつ、
組成式:(Al1−a―b,Cra,Rub)N(ここで、aはAlとCrとRuの合量に占めるCrの含有割合を示し、原子比で、0.25≦a≦0.50である。bはAlとCrとRuの合量に占めるRuの含有割合で、原子比で0.001≦b≦0.1である。)を満足するAlとCrとRuの複合窒化物層からなる上部層とから構成されていることを特徴とする表面被覆切削工具。 - 炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメットで構成された工具基体の表面に硬質被覆層を形成してなる表面被覆切削工具において、
前記硬質被覆層が、
(a)0.01〜0.1μmの一層平均層厚を有し、かつ、
組成式:(Al1−xTix)N(ここで、xはAlとTiの合量に占めるTiの含有割合を示し、原子比で、0.30≦x≦0.75である)を満足するAlとTiとの複合窒化物層からなる(Al,Ti)N層、
(b)0.01〜0.1μmの一層平均層厚を有し、かつ、
組成式:(Al1−a―b,Cra,Rub)N(ここで、aはAlとCrとRuの合量に占めるCrの含有割合を示し、原子比で、0.25≦a≦0.50である。bはAlとCrとRuの合量に占めるRuの含有割合で、原子比で0.001≦b≦0.1である。)を満足するAlとCrとRuの複合窒化物層からなる(Al,Cr,Ru)N層、
前記(a)、(b)の交互積層からなり、1〜5μmの合計平均層厚を有することを特徴とする表面被覆切削工具。
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