JP2015058436A - 鋳片製造システム及び鋳片製造方法 - Google Patents

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Takuya Hirano
拓也 平野
崇昭 小澤
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崇昭 小澤
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Abstract

【課題】熱間長を鋳片の切断長とすると、鋳片の請求重量と、実際に製造された鋳片の重量との誤差が生じることがあった。
【解決手段】切断装置17が、溶鋼3が流し込まれる鋳型5から引抜かれたストランド8を、請求重量から求まる切断長で切断して鋳片9を製造する。測定器18が、鋳片9の冷間長を測定する。プロセスコンピュータ16が、測定器18から取得した鋳片9の冷間長に基づいて、鋳片9の熱間長を補正する熱間補正係数を鋳片9毎に算出し、熱間補正係数によって補正した熱間長を、鋳片9の切断長として切断装置17に指令する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、連続鋳造設備に設けられ、鋳型から引き抜かれたストランドを請求重量に見合った長さで切断するための鋳片製造システム及び鋳片製造方法に関する。
従来、連続鋳造設備では、精錬された溶鋼が流し込まれた鋳型からピンチロールが引き抜いたストランドを、切断装置が連続して切断する連続鋳造が行われている。この連続鋳造では、熱い状態のストランドを、一定の長さで連続して切断し、鋳片を製造する熱間加工が行われる。ストランドを切断して得た鋳片は、さらに薄く圧延された後、コイル状に巻き取られて自動車のボディー等の製品に用いられる。
この熱間加工において、ストランドは膨張しており、切断された直後の鋳片も膨張している。この鋳片が冷えて収縮すると、熱間加工時に測定した鋳片の長さよりも短くなる。鋳片の長さは、鋳片製造後の工程によって様々に変わるため、鋳片は、圧延前と圧延後で変化しない重量により管理されている。この重量を「請求重量」と呼ぶ。
切断装置は、所定の幅、高さ等で成型されたストランドを、請求重量に見合う切断長により切断している。熱間加工においてプロセスコンピュータが切断装置に設定する切断長には、熱間補正係数で補正した熱間長が用いられており、鋳片の切断長の精度を高めるためには、正確な熱間補正係数が必要である。そこで、熱間補正係数を補正するための技術として特許文献1に記載されたものが知られている。
特許文献1には、鋳片の単重に関する情報管理テーブルを用い、情報管理テーブルに記録されている鋼種、向先、モールド種類に関する情報による切断のための単重値を補正し、その単重値を用いて鋳片を切断する技術が開示されている。
特開2001−47204号公報
ところで、特許文献1に開示された技術では、直近の複数本の鋳片に対する重量測定値を得て、現行の切断に係る鋳片の単重値を補正するに過ぎない。このため、実際に鋳造して判明する多数の鋳片に生じた冷間長のバラツキを熱間補正係数に反映できなかった。また、切断装置の不調により切断された鋳片の長さが長すぎたり、短すぎたりすると、鋳片の実測値に異常値が混入してしまう。このような異常値を用いて熱間補正係数を求めてしまうと、この熱間補正係数から求められた熱間長も異常値となるため、請求重量に対して鋳片の重量の誤差が大きくなってしまい、鋳片製造の歩留まりが低下する。
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、鋳片の請求重量と、実際に製造された鋳片の重量との誤差を小さくすることを目的とする。
本発明は、測定器と、切断指令装置を用いて鋳片を製造するものである。
切断装置は、溶けた金属が流し込まれる鋳型から引抜かれた金属のストランドを、請求重量から求まる切断長で切断する切断装置によって切断されたストランドである鋳片の冷間長を測定する。
切断指令装置は、測定器から取得した鋳片の冷間長に基づいて、鋳片の熱間長を補正する熱間補正係数を鋳片毎に算出し、熱間補正係数によって補正した熱間長を、鋳片の切断長として切断装置に指令する。
本発明によれば、実測した鋳片の冷間長に基づいて算出した熱間補正係数により熱間長を補正して、この熱間長を鋳片の切断長としたことにより、請求重量に対する鋳片の重量の誤差を小さくし、鋳片製造の歩留まりを改善することができる。
本発明の一実施の形態例に係る連続鋳造設備の構成例を示す模式図である。 本発明の一実施の形態例に係る計算機のハードウェア構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態例に係る連続鋳造設備のネットワーク構成例を示すブロック図である。 従来の熱間補正係数を決定する処理例を示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態例に係る連続鋳造設備のデータの流れを示すデータ関連図である。 本発明の一実施の形態例に係るプロセスコンピュータが熱間補正係数を決定する処理例を示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態例に係る熱間補正係数テーブルのテーブル構成図である。
以下、本発明の一実施の形態例に係る連続鋳造設備1について、添付図面を参照して説明する。
この連続鋳造設備は、後述するプロセスコンピュータ16がプログラムを実行することにより、連続鋳造設備が備える各装置が連携して行う鋳片製造方法を実現する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
[連続鋳造設備の概要]
図1は、連続鋳造設備1の構成例を示す模式図である。
連続鋳造設備1は、取鍋2、タンディッシュ4、鋳型5、ピンチロール6、スプレー帯7、搬送テーブル10、上位系コンピュータ15、プロセスコンピュータ16、切断装置17、測定器18を備える。
上位系コンピュータ15は、プロセスコンピュータ16に対して、鋳片9の製造を指令するための製造指令データを出力する。この製造指令データには、鋳片9の請求重量が含まれる。そして、プロセスコンピュータ16は、切断装置17に対して、ストランド8を切断する指令を行う。
取鍋2には、溶けた金属の一例として、不図示の転炉から取出された鉄鋼を溶かした溶鋼3が注がれる。連続鋳造設備1まで搬送された取鍋2よりタンディッシュ4に注がれた溶鋼3は不純物が取り除かれた後、鋳型5に流し込まれる。溶鋼3の周囲が鋳型5内で凝固した後、鋳型5から溶鋼3がストランド8としてピンチロール6により引き抜かれる。鋳型5から引き抜かれた直後のストランド8は周囲が固まっているものの内部が凝固していない状態である。しかし、ピンチロール6がストランド8を搬送する過程において、スプレー帯7から噴射される冷却水によってストランド8が冷却されると、ストランド8の内部まで凝固していく。凝固したストランド8は、ピンチロール6により切断装置17まで搬送される。
切断装置17は、切断指令装置の一例としてのプロセスコンピュータ16から切断指令データを受け取ると、プロセスコンピュータ16が請求重量から求めた熱間長を切断長としてストランド8を切断し、鋳片9を製造する。
鋳片9は、搬送テーブル10に置かれて次工程にある測定器18まで搬送される。切断装置17から測定器18まで搬送テーブル10によって運ばれる間(例えば、24時間)に鋳片9は冷えて固まる。測定器18は、搬送された鋳片9の冷間長及び重量を測定し、鋳片9の測定結果データをプロセスコンピュータ16に送信する。鋳片9の重量が請求重量の範囲内にあれば、鋳片9は、不図示の圧延機に搬送されて、圧延された後、ローラ11に巻き取られて、コイル状の圧延鋼板12が製造される。
上述したようにプロセスコンピュータ16は、切断装置17に切断指令データを送ることにより、切断装置17の動作を制御する。このプロセスコンピュータ16は、上位系コンピュータ15から製造指令データを受け取ると、請求重量に基づいて鋳片9の熱間長を求める。そして、測定器18から取得した鋳片9の冷間長より、鋳片9の熱間長を補正する熱間補正係数を鋳片9毎に算出し、この熱間補正係数により鋳片9の熱間長を補正する。その後、プロセスコンピュータ16は、補正した熱間長を鋳片9の切断長として、この切断長を切断装置17に設定する。そして、切断装置17は、設定された切断長によりストランド8を切断し、切断されたストランド8である鋳片9を製造する。
[計算機のハードウェア構成例]
図2は、計算機20のハードウェア構成例を示すブロック図である。
ここでは、上位系コンピュータ15、プロセスコンピュータ16を構成する計算機20のハードウェア構成を説明する。
計算機20は、いわゆるコンピュータとして用いられるハードウェアである。計算機20は、バス24にそれぞれ接続されたCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23を備える。さらに、計算機20は、表示部25、操作部26、不揮発性ストレージ27、ネットワークインタフェース28とを備える。
CPU21は、本実施の形態例に係る各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードをROM22から読み出して実行する。RAM23には、演算処理の途中に発生した変数やパラメータ等が一時的に書き込まれる。表示部25には、例えば、液晶ディスプレイモニタが用いられ、計算機20で行われる処理の結果等をユーザに表示する。操作部26には、例えば、キーボード、マウス等が用いられ、ユーザが所定の操作入力、指令を行うことが可能である。
不揮発性ストレージ27には、例えば、HDD(Hard disk drive)、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード等が用いられる。この不揮発性ストレージ27には、OS(Operating System)、各種のパラメータの他に、計算機20を機能させるためのプログラムが記録されている。ネットワークインタフェース28には、例えば、NIC(Network Interface Card)等が用いられ、端子が接続されたLANのいずれかを介して各種のデータを送受信することが可能である。
本実施の形態例において、上位系コンピュータ15、プロセスコンピュータ16は、それぞれ計算機20と同様のハードウェア構成としてある。
上位系コンピュータ15は、表示部25の表示内容を確認した作業者が行う操作入力によって発生した操作コマンドを受け取ると、一定の請求重量で鋳片9の製造するための製造指令データをプロセスコンピュータ16に出力する。プロセスコンピュータ16の表示部25には、切断装置17の稼働状態、測定器18から受信した鋳片9の測定結果、熱間補正係数で補正した鋳片9の熱間長等の情報が表示される。また、鋳片9の製造結果は、上位系コンピュータ15の表示部25にも表示される。これにより、作業者は鋳片9が製造指令データの内容通りに製造されているか確認可能である。
さらに鋳片9の製造結果は、上位系コンピュータ15、プロセスコンピュータ16の不揮発性ストレージ27に記録されるため、履歴管理が可能である。また、熱間補正係数を管理する情報管理テーブルの一例として用いられる熱間補正係数テーブル19(後述する図5を参照)は、プロセスコンピュータ16の不揮発性ストレージ27に記録されている。
[連続鋳造設備のネットワーク構成例]
図3は、連続鋳造設備1のネットワーク構成例を示すブロック図である。
連続鋳造設備1が備える上位系コンピュータ15、プロセスコンピュータ16、切断装置17、及び測定器18は、ネットワークによって接続されており、通信可能である。このネットワークは、3階層に分かれており、上位系コンピュータ15が接続される上位系LAN31、プロセスコンピュータ16と切断装置17が接続されるプロセスコンピュータLAN32、測定器18が接続される下工程LAN33がある。上位系LAN31、プロセスコンピュータLAN32及び下工程LAN33は、隣り合うLAN毎に接続されている。なお、上位系LAN31及びプロセスコンピュータLAN32には不図示のファイアウォール等が設けてあり、認証された装置以外は通信できない。
図1に示したように、上位系コンピュータ15が決定した製造指令データは、上位系LAN31を介し、プロセスコンピュータ16が接続されたプロセスコンピュータLAN32へ送信される。プロセスコンピュータ16は、プロセスコンピュータLAN32から受け取った製造指令データに基づいて、プロセスコンピュータ16が管理する切断装置17の制御、切断指令データの作成等の処理を行う。
プロセスコンピュータ16は、プロセスコンピュータLAN32を介して、鋳片9の切断指令データを切断装置17へ送信する。そして、切断装置17がストランド8を切断して製造した鋳片9の冷間長は、測定器18によって測定される。測定器18は、測定した鋳片9の冷間長を含む測定結果データをプロセスコンピュータ16に送信する。測定結果データは、下工程LAN33からプロセスコンピュータLAN32を経てプロセスコンピュータ16に至る。測定結果データを受け取ったプロセスコンピュータ16は、実測された鋳片9の冷間長により、熱間補正係数を作成することができる。
[従来の熱間補正係数を用いた鋳片の製造方法]
ここで、従来の鋳片の製造方法について説明する。
図4は、従来の熱間補正係数を用いて鋳片を製造する処理例を示すフローチャートである。なお、図4で説明する従来の上位系コンピュータ、プロセスコンピュータ、切断装置は、本実施の形態に係る上位系コンピュータ15、プロセスコンピュータ16、切断装置17と同様に不図示のネットワークに配置され、LANを介して通信可能とする。
始めに、従来のプロセスコンピュータは、従来の上位系コンピュータより、鋳片を製造するための製造指令データを受信する(ステップS1)。このプロセスコンピュータは、受信した製造指令データに基づいて、鋳片の鋼種(金属種別の一例)、厚み、幅等のパラメータにより、不図示のテーブル等から熱間補正係数を取得する(ステップS2)。
そして、従来のプロセスコンピュータは、取得した熱間補正係数を用いて補正した熱間長を、鋳片の切断長とするように従来の切断装置へ設定する(ステップS3)。この切断装置は、設定された切断長によりストランドを切断し、鋳片を製造する。
従来の方法では、鋳片の種類によって熱間補正係数の修正を行っていないため、鋳片の種類によっては、鋳片の熱間長と冷間長の関係が一定とならないことがあった。この場合、製造した鋳片が冷えて熱間長よりも収縮した後、鋳片の重量を測定すると、鋳片の重量が請求重量に満たない場合があり、歩留まりが低下する要因となっていた。
[本実施の形態例に係る熱間補正係数の決定方法]
ここで、本実施の形態に係る熱間補正係数の決定方法について、図5と図6を参照して説明する。
図5は、連続鋳造設備1のデータの流れを示すデータ関連図である。
始めに、上位系コンピュータ15が製造指令データを作成し(ステップS11)、この製造指令データを、上位系LAN31を介してプロセスコンピュータ16に送信する(ステップS12)。
プロセスコンピュータ16は、製造指令データを受信すると、熱間補正係数テーブル19を参照して鋳片9の切断長を計算する(ステップS13)。熱間補正係数テーブル19には、鋳片9の種類に応じて、熱間補正係数テーブル19に保存される鋳片9毎に求めた熱間補正係数の平均を補正した熱間補正係数が保存される。熱間補正係数テーブル19には、後述する図7に示すように、鋳片9の鋼種、厚み、幅等によって異なる熱間補正係数が保存されている。
プロセスコンピュータ16は、この切断長を含めた切断指令データを切断装置17に出力する(ステップS14)。切断装置17には、切断指令データから取出された切断長が設定される。切断装置17は、設定された切断長に従って、ストランド8を切断し、鋳片9を製造する(ステップS15)。
そして、下工程として、測定器18は、切断装置17が製造した鋳片9の冷間長及び重量を測定する(ステップS16)。そして、測定器18は、測定結果データをプロセスコンピュータ16に送信する(ステップS17)。
プロセスコンピュータ16は、測定器18から受信した測定結果データから鋳片9の冷間長を取出して、熱間補正係数の補正処理を行う(ステップS18)。そして、プロセスコンピュータ16は、補正した熱間補正係数を熱間補正係数テーブル19に書き込む(ステップS19)。これにより、プロセスコンピュータ16は、実際に製造した鋳片9の測定値(冷間長)に基づいて熱間補正係数を更新し、正確な熱間長を鋳片9の切断長として切断装置17に設定することができる。
図6は、プロセスコンピュータ16が熱間補正係数を決定する処理例を示すフローチャートである。
始めに、プロセスコンピュータ16は、上位系コンピュータ15より、製造指令データを受信する(ステップS21)。次に、プロセスコンピュータ16は、熱間補正係数テーブル19から熱間補正係数を取得し(ステップS22)、鋳片9の熱間長による切断長を切断装置17へ設定する(ステップS23)。切断装置17は、設定された切断長によりストランド8を切断し、鋳片9を製造する(ステップS24)。
次に、測定器18は、製造された鋳片9の冷間長を測定し、鋳片9を検査する(ステップS25)。検査の結果、鋳片9の冷間長が正常値の範囲外であれば、熱間補正係数の計算から除き、処理を終了する(ステップS29)。このような鋳片9は、不良品として工程から除かれる。
鋳片9の冷間長が正常値の範囲内であれば、測定器18は、測定した鋳片9の冷間長をプロセスコンピュータ16に送信する(ステップS26)。そして、プロセスコンピュータ16は、切断装置17に設定した切断長である鋳片9の熱間長と、測定器18が実測した鋳片9の冷間長に基づいて、熱間補正係数を次式(1),(2)により計算する(ステップS27)。熱間補正係数テーブル19に保存される新たな熱間補正係数は、鋳片9毎に求められた冷間長に対する熱間長の比が加算平均された値となる。
α=Lhi/Lci …(1)
α′=(α+α+…+α)/n …(2)
ここで、αはi番目に切断された鋳片9の熱間補正係数、Lhiはiケース目の鋳片9の熱間長であり、Lciはi番目に切断された鋳片9の冷間長である。そして、α′は新たな熱間補正係数である。
プロセスコンピュータ16は、計算した熱間補正係数を熱間補正係数テーブル19に書き込む(ステップS28)。このように鋳片9の冷間長から求めた新たな熱間補正係数αを用いて、鋳片の切断長を計算し、切断装置17に設定した切断長を更新する。これにより、請求重量に合わせて正確な熱間長でストランド8を切断し、鋳片9を製造することができる。また、式(1),(2)により、正常範囲内の冷間長である鋳片9について、冷間長に対する熱間長の比αをならし、新たな熱間補正係数α′が異常値となることを防ぐことができる。
[熱間補正係数テーブルのテーブル構成例]
図7は、熱間補正係数テーブル19のテーブル構成図である。
熱間補正係数テーブル19は、鋳片9の鋼種、厚み、幅毎に測定した鋳片9の冷間長と熱間補正係数を、鋳片9の鋼種、厚み、幅の組み合わせに応じて複数の層19a〜19Nに保存している。これらの層19a〜19Nにおいて、上述した式(1)で用いた変数iに対応する鋳片ナンバーがキーとなり、この鋳片ナンバーに対して熱間補正係数が対応付けて保存される。この熱間補正係数テーブル19の各層は、プロセスコンピュータ16、上位系コンピュータ15がそれぞれ備える表示部25に表示することができる。このため、作業者は、熱間補正係数テーブル19の内容を確認しやすい。
図1に示したように取鍋2に注がれた溶鋼3から引き抜かれたストランド8は、一定の鋼種、厚み、幅による鋳片9として製造される。このため、プロセスコンピュータ16は、複数の鋳片9の冷間長から上述した式(1)、(2)を用いて正確な熱間補正係数を求めることにより、同じ鋼種、厚み、幅による鋳片9を製造するために必要となる正確な熱間長を切断長として切断装置17に設定できる。
以上説明した一実施の形態に係る連続鋳造設備1によれば、特に製鋼工場における連続鋳造に際して、切断装置17が設定された切断長でストランド8を切断した次工程において、十分に冷えた鋳片9の冷間長を測定器18が測定する。そして、プロセスコンピュータ16は、フィードバックされた鋳片9の冷間長と、切断装置17に設定していた熱間長に基づいて熱間補正係数を補正し、一定の鋼種、厚み、幅による鋳片9の熱間長を求める。このように鋳片9を実測した冷間長を熱間補正係数に反映することができるため、熱間補正係数の精度を高めることができ、鋳片9の請求重量と、実際に製造した鋳片の重量との誤差を小さくすることができる。このため、鋳片9の製造に際して歩留りを改善することができる。
また、熱間補正係数テーブル19には、複数の層19a〜19Nが設けられており、様々な鋼種、厚み、幅による鋳片9の熱間補正係数が保存されている。このため、連続鋳造の途中で、鋳片9の鋼種、厚み、幅を変更したとしても速やかに対応可能であり、連続鋳造設備1のライン停止時間を減少させることができる。なお、初めての鋼種、厚み、幅の組み合わせにより鋳片9を製造する場合には、別に試験等で求めた熱間補正係数を用いることとする。この場合であっても繰り返し鋳片9を製造することによって、熱間補正係数を補正し、熱間補正係数の精度を高めることができる。
また、鋳片9の冷間長を実測した結果、正常値の範囲外にある鋳片9は、速やかにラインから除かれると共に、熱間補正係数の計算からも除かれる。これにより、熱間補正係数の精度を高めることができる。
また、従来は鋳片の熱間長を求める際に鋳片の温度を測定していたが、高熱の鋳片の温度を測定可能な温度計は高価であり、このような温度計を連続鋳造設備に設置するためには導入コストが多くなっていた。しかし、本実施の形態に係る連続鋳造設備1では、鋳片9の冷間長を測定するため、高価な温度測定器を導入する必要がなく、導入コストを低減できる。
[変形例]
なお、連続鋳造設備1は、溶けた金属の一例として鉄鋼を溶かした溶鋼3から鋳片9を製造するものとして説明したが、アルミニウム、銅等の他の金属についても鋳片9を製造する際に用いてもよい。
また、鋳片9の冷間長が正常値の範囲外であることが判明したときは、鋳片9の冷間長、重量の情報と共に、連続鋳造設備1内の環境温度、装置のパラメータ等の情報をプロセスコンピュータ16が取込み、以降の異常解析に役立てることももできる。
また、熱間補正係数テーブル19が管理する熱間補正係数は、鋳片9の鋼種、厚み、幅に限らず、請求重量等の他の変数についても組み合わせに応じて作成した層によりテーブルを構成してもよい。
また、本発明は上述した実施の形態例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上記した実施の形態例は本発明を分かりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細且つ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることは可能であり、更にはある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1…連続鋳造設備、3…溶鋼、8…ストランド、9…鋳片、10…搬送テーブル、15…上位系コンピュータ、16…プロセスコンピュータ、17…切断装置、18…測定器、19…熱間補正係数テーブル

Claims (6)

  1. 溶けた金属が流し込まれる鋳型から引抜かれた前記金属のストランドを、前記金属毎に請求重量から求まる切断長で切断する切断装置によって切断された前記ストランドである鋳片の冷間長を測定する測定器と、
    前記測定器から取得した前記鋳片の冷間長に基づいて、前記鋳片の熱間長を補正する熱間補正係数を前記鋳片毎に算出し、前記熱間補正係数によって補正した前記熱間長を、前記鋳片の前記切断長として前記切断装置に指令する切断指令装置と、を備える
    鋳片製造システム。
  2. 前記切断指令装置は、正常値の範囲内にある前記鋳片の冷間長に基づいて、前記熱間補正係数を算出する
    請求項1記載の鋳片製造システム。
  3. 前記切断指令装置は、前記熱間補正係数を管理する情報管理テーブルを備え、
    前記鋳片の種類に応じて、前記鋳片毎に求めた前記熱間補正係数を前記情報管理テーブルに保存する
    請求項2記載の鋳片製造システム。
  4. 前記熱間補正係数は、前記鋳片毎に求められた前記冷間長に対する前記熱間長の比が加算平均された値である
    請求項3記載の鋳片製造システム。
  5. 前記情報管理テーブルには、前記鋳片毎に求めた前記熱間補正係数が、前記鋳片の金属種別、厚み、幅の組み合わせに応じて管理される
    請求項4記載の鋳片製造システム。
  6. 測定器が、溶けた金属が流し込まれる鋳型から引抜かれた前記金属のストランドを、請求重量から求まる切断長で切断する切断装置によって切断された前記ストランドである鋳片の冷間長を測定するステップと、
    切断指令装置が、前記測定器から取得した前記鋳片の冷間長に基づいて、前記鋳片の熱間長を補正する熱間補正係数を前記鋳片毎に算出し、前記熱間補正係数によって補正した前記熱間長を、前記鋳片の前記切断長として前記切断装置に指令するステップと、を含む
    鋳片製造方法。
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CN114888248A (zh) * 2022-05-18 2022-08-12 首钢长治钢铁有限公司 一种连铸坯长度的修正方法
CN114888248B (zh) * 2022-05-18 2024-04-12 首钢长治钢铁有限公司 一种连铸坯长度的修正方法

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