JP2015057761A - 固体酸化物型燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】固体電解質層から燃料極が剥離することを抑制可能な固体酸化物型燃料電池を提供する。【解決手段】固体酸化物型燃料電池10は、燃料極20と、固体電解質層30と、空気極50と、を備える。燃料極20は、還元された場合に、固体電解質層30との界面Pから所定距離Da以内の界面領域20aにおいて複数の細隙SLを含んでいる。【選択図】図3

Description

本発明は、燃料極を備える固体酸化物型燃料電池に関する。
固体酸化物型燃料電池は、一般的に、多孔質の燃料極と、緻密質の固体電解質層と、多孔質の空気極と、を備える(特許文献1参照)。
特開2007−200761号公報
しかしながら、発電時に燃料極が還元雰囲気に曝されると、燃料極が固体電解質層から剥離する場合がある。
本発明は、上述の状況を鑑みてなされたものであり、固体電解質層から燃料極が剥離することを抑制可能な固体酸化物型燃料電池を提供することを目的とする。
本発明に係る固体酸化物型燃料電池は、ニッケルと酸素イオン伝導性物質を含む燃料極と、空気極と、燃料極と空気極の間に配置される固体電解質層と、を備える。燃料極は、還元された場合に、固体電解質層との界面から所定距離以内の界面領域において複数の細隙を含む。
本発明によれば固体電解質層から燃料極が剥離することを抑制可能な固体酸化物型燃料電池を提供することができる。
固体酸化物型燃料電池の構成を示す拡大断面図 図1の部分拡大図 界面領域の断面を3万倍に拡大したSTEM画像 図3の部分拡大図
次に、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なっている場合がある。従って、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(固体酸化物型燃料電池10の構成)
固体酸化物型燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)10の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、固体酸化物型燃料電池10の構成を示す拡大断面図である。図2は、燃料極20と固体電解質層30の界面付近の拡大断面図である。
固体酸化物型燃料電池10は、縦縞型、横縞型、燃料極支持型、電解質平板型、或いは円筒型の燃料電池である。固体酸化物型燃料電池10は、図1に示すように、燃料極20、固体電解質層30、バリア層40および空気極50を備える。
燃料極20は、固体酸化物型燃料電池10のアノードとして機能する。燃料極20は、図1に示すように、燃料極集電層21と燃料極活性層22を有する。本実施形態では、燃料極20が還元される場合が想定されている。燃料極20の還元処理は、4%水素雰囲気を維持した状態で常温から750℃まで200℃/hrで昇温した後に、4%水素雰囲気から100%水素雰囲気に切り替えることによって行うことができる。100%水素雰囲気に切り替える際には、水素濃度変化率を0.025%/sec〜5%/sec程度の範囲で制御することが好ましい。
燃料極集電層21は、多孔質の板状焼成体である。燃料極集電層21は、Niと燃料極集電層に用いられる公知の酸素イオン伝導性物質を主成分として含んでいてもよい。燃料極集電層21は、NiをNiOとして含んでいてもよい。燃料極集電層21がNiOを含む場合、NiOは、発電時に水素ガスによってNiに還元されてもよい。燃料極集電層に用いられる公知の酸素イオン伝導性物質としては、イットリア(Y)、イットリア安定化ジルコニア(3YSZ、8YSZ、10YSZなど)及びガドリニウムドープセリア(GDC:(Ce,Gd)O)などが挙げられる。
燃料極集電層21において、Ni及び/又はNiOの体積比率はNi換算で35〜65体積%とすることができ、酸素イオン伝導性物質の体積比率は35〜65体積%とすることができる。還元時における燃料極集電層21の気孔率は、15%以上50%以下であることが好ましい。燃料極集電層21の厚みは、0.1mm〜5.0mmとすることができる。
なお、本実施形態において、「組成物Aが物質Bを主成分として含む」とは、好ましくは、組成物Aにおける物質Bの含量が60重量%以上であることを意味し、より好ましくは、組成物Aにおける物質Bの含量が70重量%以上であることを意味する。
燃料極活性層22は、燃料極集電層21と固体電解質層30の間に配置される。燃料極活性層22は、多孔質の板状焼成体である。燃料極活性層22は、Niと燃料極活性層に用いられる公知の酸素イオン伝導性物質を主成分として含む。燃料極活性層22は、NiをNiOとして含んでいてもよい。燃料極活性層22がNiOを含む場合、NiOは、発電時に水素ガスによってNiに還元されてもよい。燃料極活性層に用いられる公知の酸素イオン伝導性物質としては、イットリア安定化ジルコニア(3YSZ、8YSZ、10YSZなど)、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)及びGDCなどが挙げられる。
燃料極活性層22において、Ni及び/又はNiOの体積比率はNi換算で25〜50体積%とすることができ、酸素イオン伝導性物質の体積比率は50〜75体積%とすることができる。還元時における燃料極活性層22の気孔率は、15%以上50%以下であることが好ましい。燃料極活性層22の厚みは5.0μm〜30μmとすることができる。
ここで、燃料極20は、図2に示すように、固体電解質層30との間に界面Pを形成する。燃料極20は、界面Pから所定距離Da以内の領域(以下、「界面領域」という。)20aを有する。所定距離Daは、0.5μm〜3.0μmとすることがでる。界面領域20aの微構造については後述する。
なお、界面Pは、燃料極20と固体電解質層30の成分濃度をマッピングした場合に濃度分布が急激に変化するラインに規定することができる。また、界面Pは、燃料極20と固体電解質層30の間で気孔率が急激に変化するラインに規定することもできる。
固体電解質層30は、燃料極20とバリア層40の間に配置される。固体電解質層30は、空気極50で生成される酸素イオンを透過させる機能を有する。固体電解質層30の材料としては、例えば、3YSZ、8YSZ、10YSZ及びScSZなどを挙げることができる。固体電解質層30の厚みは、3μm〜30μmとすることができる。固体電解質層30は、緻密質であり、固体電解質層30の気孔率は、10%以下であることが好ましい。固体電解質層30は、燃料極20との間に界面Pを形成している。
バリア層40は、固体電解質層30と空気極50の間に配置される。バリア層40は、固体電解質層30と空気極50の間に高抵抗層が形成されることを抑制する。バリア層40の材料としては、セリア(CeO)及びCeOに固溶した希土類金属酸化物を含むセリア系材料が挙げられる。このようなセリア系材料としては、GDCやサマリウムドープセリア(SDC(Ce,Sm)O)等が挙げられる。バリア層40の厚みは、3μm〜20μmとすることができる。バリア層40は、緻密質であり、バリア層40の気孔率は、15%以下であることが好ましい。
空気極50は、バリア層40上に配置される。空気極50は、固体酸化物型燃料電池10のカソードとして機能する。空気極50は、多孔質の板状焼成体である。空気極40の材料としては、例えばランタンストロンチウムコバルトフェライト(LSCF)、ランタンストロンチウムフェライト(LSF)、ランタンストロンチウムコバルタイト(LSC)及びランタンストロンチウムマンガナイト(LSM)などが挙げられる。空気極50の気孔率は、25%〜50%とすることができる。空気極50の厚みは、3μm〜600μmとすることができる。
(界面領域20aの微構造)
界面領域20aの微構造について、図面を参照しながら説明する。図3は、界面領域20aの断面を3万倍に拡大した走査型透過電子顕微鏡(STEM:Scanning Transmission Electron Microscope)画像である。図4は、図3の部分拡大図である。図3及び図4では、Niと8YSZによって構成され、気孔を含む燃料極のサンプルが示されている。
界面領域20aは、複数の細隙SLを有する。複数の細隙SLの一部は、界面領域20aの表面(すなわち、固体酸化物型燃料電池10の側面)に露出していてもよい。細隙SLは、燃料極20を構成する粒子間の粒界に沿って形成されていてもよいし、燃料極20を構成する粒子を分断するように形成されていてもよい。さらに、細隙SLは、粒界に沿った部分と粒子内を割く部分とが連なるように形成されていてもよい。図3及び図4では、Ni粒子と8YSZ粒子の粒界に沿って形成された細隙SLが示されている。このような細隙SLは、発電時に燃料極20が還元雰囲気に曝された場合に界面領域20aの内部に発生する応力を緩和する。これによって、燃料極20の固体電解質層30からの剥離が抑制される。
界面領域20aの断面における任意の20視野を3万倍に拡大して観察した場合、20視野のうち1視野において少なくとも1つの細隙SLが形成されていることが好ましく、2視野以上のそれぞれにおいて少なくとも1つの細隙SLが形成されていることがより好ましい。なお、図3の視野では、1つの視野に1つの細隙SLが観察された様子が示されているが、界面領域20a内に複数の細隙SLが存在していることは上述の通りである。
細隙SLの平均幅は、1.0nm以上100nm以下であることが好ましい。細隙SLの平均幅とは、各細隙SLの最大幅の算術平均値である。
細隙SLの平均長さは、100nm以上1000nm以下であることが好ましい。細隙SLの平均長さとは、各細隙SLの両端を結んだ直線の算術平均値である。
(固体酸化物型燃料電池10の製造方法)
次に、固体酸化物型燃料電池10の製造方法の一例について説明する。ただし、以下に述べる材料、粒径、温度、及び塗布方法等の各種条件は、適宜変更することができる。
まず、金型プレス成形法で燃料極集電層用粉末を成形することによって、燃料極集電層21の成形体を形成する。
次に、燃料極活性層用粉末と造孔剤(例えばPMMA)との混合物にバインダーとしてPVA(ポリビニルブチラール)を添加してスラリーを作製する。続いて、印刷法などでスラリーを燃料極集電層21の成形体上に印刷することによって、燃料極活性層22のうち燃料極集電層21側の領域(以下、「集電層側領域」という。)の成形体を形成する。集電層側領域とは、燃料極活性層22のうち界面領域20aを除いた領域である。
次に、燃料極活性層用粉末と造孔剤との混合物にバインダーとしてPVAを添加してスラリーを作製する。続いて、印刷法などでスラリーを集電層側領域の成形体上に印刷することによって、燃料極活性層22のうち界面領域20aの成形体を形成する。
ここで、界面領域20aを構成する材料粉末は、集電層側領域を構成する材料粉末とは異なる物性(平均粒径、最大粒径、粒度分布、粒子形状など)を有していてもよい。界面領域20aを構成する材料粉末の物性を調整することによって、界面領域20aに形成される細隙SLの数を制御できる。具体的には、平均粒径及び最大粒径を大きくするほど多くの細隙SLを形成でき、粒度分布を広くするほど多くの細隙SLを形成することができる。
次に、固体電解質層用粉末に水とバインダーを混合してスラリーを作製する。続いて、塗布法などでスラリーを燃料極20の成形体上に塗布することによって固体電解質層30の成形体を形成する。
次に、バリア層用粉末に水とバインダーを混合してスラリーを作製する。続いて、塗布法などでスラリーを固体電解質層30の成形体上に塗布することによってバリア層40の成形体を形成する。
次に、成形体の積層体を1300〜1600℃で2〜20時間共焼結することによって燃料極20、固体電解質層30およびバリア層40の共焼成体を形成する。
この際、共焼成条件(焼成温度、昇温速度及び降温速度など)を調整することによって、界面領域20aに形成される細隙SLの長さと幅を制御できる。具体的には、焼成温度を高くするほど、また、昇温速度と降温速度を速くするほど、幅広で長い細隙SLを形成することができる。
次に、空気極用材料粉末(例えば、LSCF、LSF、LSC及びLSM-8YSZなど)に水とバインダーを混合してスラリーを作製する。そして、塗布法などを用いてスラリーをバリア層40上に塗布することによって空気極50の成形体を形成する。
次に、共焼成体と空気極50の成形体を900〜1100℃で1〜20時間焼結することによって焼結体を形成する。
次に、燃料極20に還元処理を施す。具体的には、焼結体の燃料極20側を4%水素雰囲気に維持した状態で常温から700〜900℃まで100〜800℃/hrで昇温し、その後、4%水素雰囲気から100%水素雰囲気に切り替える。100%水素雰囲気に切り替える際には、水素濃度変化率を0.025%/sec〜5%/sec程度の範囲で制御することが好ましい。
この際、還元反応速度(還元温度、昇温速度及び水素濃度変化率)を調整することによって、界面領域20aに形成される細隙SL長さ及び幅を制御できる。具体的には、水素濃度変化率を大きくするほど細隙SLの長さと幅を大きくすることができる。
以上のように、界面領域20aを構成する材料粉末の物性と、燃料極20の共焼成条件と、燃料極20の還元条件とを制御することによって、所望の数の細隙SLを所望のサイズで形成することができる。
(他の実施形態)
本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で種々の変形又は変更が可能である。
(A)上記実施形態では、燃料極活性層22の一部分が界面領域20aであることとしたが、これに限られるものではない。燃料極活性層22の全体が界面領域20aであってもよいし、燃料極活性層22の全体と燃料極集電層21の一部分が界面領域20aであってもよい。
なお、上記実施形態では、界面領域20aに細隙SLが形成されることとしたが、このことは燃料極20のうち界面領域20a以外の領域(例えば、集電層側領域や燃料極集電層21)に細隙SLが形成されていることを排除するものではない。すなわち、燃料極20は、少なくとも界面領域20aに細隙SLを有していればよい。
(B)上記実施形態では、固体酸化物型燃料電池10は、燃料極20、固体電解質層30、バリア層40及び空気極50を備えることとしたが、これに限られるものではない。
例えば、固体酸化物型燃料電池10は、バリア層40を備えていなくてもよい。また、固体酸化物型燃料電池10は、固体電解質層30とバリア層40の間に緻密質又は多孔質のバリア層を別途備えていてもよい。
(C)上記実施形態では、細隙SLの観察にSTEMを用いることとしたが、これに限られるものではない。細隙SLの観察には、SEM(走査型電子顕微鏡:Scanning Electron Microscope)やTEM(透過型電子顕微鏡:Transmission Electron Microscope)などの電子顕微鏡を用いることができる。
以下において本発明に係るセルの実施例について説明する。ただし、本発明は以下に説明する実施例に限定されるものではない。
[サンプルNo.1、11の作製]
以下のようにして、サンプルNo.1、11を作製した。
まず、NiOと表1に示す燃料極集電層用粉末の混合粉末を金型プレス成形法で成形して、燃料極集電層の成形体を形成した。
次に、NiOと表1に示す燃料極活性層用粉末とPMMAの混合物にPVAを添加してスラリーを作製した。ここで用いた燃料極活性層用粉末の平均粒径は0.3〜1.2μmであり、最大粒径は0.8〜1.8μmであった。続いて、このスラリーを燃料極集電層の成形体上に印刷することによって燃料極活性層の成形体を形成した。
次に、8YSZに水とバインダーを混合してスラリーを作製した。続いて、このスラリーを燃料極活性層の成形体上に塗布することによって固体電解質層の成形体を形成した。
次に、GDCに水とバインダーを混合してスラリーを作製した。続いて、このスラリーを固体電解質層の成形体上に塗布することによってバリア層の成形体を形成した。
次に、燃料極、固体電解質層及びバリア層それぞれの成形体の積層体を共焼成(1400℃、5時間)することによって燃料極、固体電解質層及びバリア層の共焼成体を作製した。この際、昇温速度を200℃/hrとし、降温速度を100℃/hrとした。
次に、LSCFに水とバインダーを混合してスラリーを作製した。続いて、このスラリーをバリア層上に塗布することによって空気極の成形体を形成した。
次に、空気極の成形体を1050℃で5時間焼成することによって空気極を作製した。
[サンプルNo.2〜10,12〜16の作製]
以下のようにして、サンプルNo.2〜10,12〜16を作製した。
まず、NiOと表1に示す燃料極集電層用粉末の混合粉末を金型プレス成形法で成形して、燃料極集電層の成形体を形成した。
次に、NiOと表1に示す燃料極活性層用粉末とPMMAの混合物にPVAを添加してスラリーを作製した。ここで用いた燃料極活性層用粉末の平均粒径は0.3〜1.2μmであり、最大粒径は0.8〜1.8μmであった。続いて、このスラリーを燃料極集電層の成形体上に印刷することによって燃料極活性層のうち集電層側領域の成形体を形成した。
次に、NiOと表1に示す燃料極活性層用粉末とPMMAの混合物にPVAを添加してスラリーを作製した。ここで用いた燃料極活性層用粉末の平均粒径は0.6〜1.8μmであり、最大粒径は1.5〜3.2μmであった。続いて、このスラリーを集電層側領域の成形体上に印刷することによって燃料極活性層のうち界面領域の成形体を形成した。
次に、8YSZに水とバインダーを混合してスラリーを作製した。続いて、このスラリーを界面領域の成形体上に塗布することによって固体電解質層の成形体を形成した。
次に、GDCに水とバインダーを混合してスラリーを作製した。続いて、このスラリーを固体電解質層の成形体上に塗布することによってバリア層の成形体を形成した。
次に、燃料極、固体電解質層及びバリア層それぞれの成形体の積層体を共焼成(5時間)することによって燃料極、固体電解質層及びバリア層の共焼成体を作製した。この際、サンプルNo.1、11とは異なる焼成条件を採用することによって、後述する細隙の幅と長さを調整した。具体的に、焼成時間を20〜30時間とし、昇温速度を50〜100℃/hrとし、降温速度を30〜50℃/hrとした。なお、サンプルNo.2〜10,12〜16において、燃料極のうち界面領域の厚みは1〜3μmであった。
次に、LSCFに水とバインダーを混合してスラリーを作製した。続いて、このスラリーをバリア層上に塗布して、空気極の成形体を形成した。
次に、空気極の成形体を1050℃で5時間焼成して、空気極を作製した。
[還元処理]
各サンプルの燃料極に還元処理を施した。具体的には、各サンプルの燃料極側を4%水素雰囲気に維持した状態で常温から750℃まで200℃/hrで昇温した後、4%水素雰囲気から100%水素雰囲気に切り替えた。100%水素雰囲気に切り替える際の水素濃度変化率は0.025%/sec〜5%/sec程度の範囲で制御した。
次に、水素ガスを燃料極に供給した状態で750℃に100時間維持した後に、Arガスと水素ガス(Arに対して4%)の供給によって還元雰囲気を維持した状態で常温まで12時間かけて降温した。
[細隙の観察]
各サンプルの断面を3万倍率のSTEMで観察して、界面領域内の任意の20視野における細隙の有無を観察した。
そして、細隙の幅と長さを実測して、細隙の平均幅(最大幅の算術平均値)と平均長さ(細隙両端を結ぶ直線長さの算術平均値)を算出した。発見した細隙の数(頻度)、平均幅及び平均長さを表1にまとめて示す。なお、サンプルNo.2〜10,12〜16では、上記20視野とは異なる複数の視野をSTEMで観察することによって、界面領域内に多数の細隙が形成されていることを確認した。
[剥離の有無]
各サンプルの断面を顕微鏡で観察することによって、燃料極と固体電解質層の界面における剥離の有無を確認した。確認結果を表1にまとめて示す。
表1では、セル特性に影響を与えうる5μm以上の剥離が確認されたサンプルを“×”と評価し、5μm以下の軽微な剥離のみが確認されたサンプルを“○”と評価し、剥離が確認されなかったサンプルを“◎”と評価した。
[還元状態での熱サイクル試験後における剥離の有無]
還元後に剥離が確認されなかったサンプルNo.3〜9,13〜15について、Arガス及び水素ガス(Arに対して4%)を燃料極に供給することで還元雰囲気を維持しつつ、常温から800℃まで2時間で昇温した後に4時間で常温まで降させるサイクルを10回繰り返した。
その後、各サンプルの断面を顕微鏡で観察することによって、燃料極と固体電解質層の界面における剥離の有無を確認した。確認結果を表1にまとめて示す。
表1では、5μm以下の軽微な剥離だけが確認されたサンプルを“○”と評価し、剥離が確認されなかったサンプルを“◎”と評価した。
表1から分かるように、界面領域に細隙が観察されたサンプルNo.2〜10,12〜16では、還元後においてセル特性に影響を与えうる剥離の発生を抑えることができた。これは、界面領域に形成された細隙において、還元時に燃料極内部に生じる応力を緩和できたためである。
また、界面領域の20視野のうち2視野以上で細隙が観察されたサンプルNo.3〜9,13〜15では、還元後において微小な剥離の発生も抑えることができた。
また、細隙の平均幅が1.0nm以上100nm以下で、平均長さが100nm以上1000nm以下のサンプルNo.4〜8,13〜15では、還元状態での熱サイクル試験後においても、微小な剥離の発生を抑えることができた。
10 燃料電池
20 燃料極
20a 界面領域
21 燃料極集電層
22 燃料極活性層
30 固体電解質層
40 バリア層
50 空気極

Claims (5)

  1. ニッケルと酸素イオン伝導性物質を含む燃料極と、
    空気極と、
    前記燃料極と前記空気極の間に配置される固体電解質層と、
    を備え、
    前記燃料極は、還元された場合に、前記固体電解質層との界面から所定距離以内の界面領域において複数の細隙を含む、
    固体酸化物型燃料電池。
  2. 前記界面領域の断面における任意の20視野を3万倍率の電子顕微鏡で観察した場合、前記20視野のうち1視野において、前記複数の細隙の中の少なくとも1つの細隙が観察される、
    請求項1に記載の固体酸化物型燃料電池。
  3. 前記界面領域の断面における任意の20視野を3万倍率の電子顕微鏡で観察した場合、前記20視野のうち2視野以上のそれぞれにおいて、前記複数の細隙の中の少なくとも1つの細隙が観察される、
    請求項1に記載の固体酸化物型燃料電池。
  4. 前記複数の細隙の平均幅は、1nm以上、100nm以下である、
    請求項3に記載の固体酸化物型燃料電池。
  5. 前記複数の細隙の平均長さは、100nm以上、1000nm以下である、
    請求項3に記載の固体酸化物型燃料電池。
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